日本経団連と経済同友会が十三日、相次いで消費税率引き上げを提言した成長戦略を発表した。一方、鳩山由紀夫首相が核安全保障サミット出席で国内不在の中、仙谷由人国家戦略相が同日、消費税増税に言及。菅直人副総理兼財務相も前日に同様の発言をしており、政・財界で消費税問題が同時多発的に浮上した格好だ。
消費税増税が安定財源の確保に不可欠との意見が、鳩山政権内で勢いを増し始めた。だが安易に増税路線へ傾斜すれば納税者の反発は必至。個人消費への影響も無視できず、急浮上した消費税論議は新たな景気の足かせ要因となりかねない。
口火を切ったのは菅副総理兼財務相。十二日の日本外国特派員協会での講演で、小泉純一郎元首相を「自分の任期中は消費税は上げないと言って逃げた」と批判。「増税をしても使い道を間違わなければ、景気は良くなるということを部下に検証させている」と述べ、消費税率引き上げの可能性に言及した。
仙谷国家戦略相も、十三日の記者会見で「消費税だけではなく税制改革、歳入改革を掲げて選挙しなければ国民に対して失礼なことになる」と総選挙で消費税増税を公約に掲げる必要性を示した。
財政運営を担当する菅、仙谷両氏が消費増税に踏み込む発言をしたのは、二〇一一年度予算以降、マニフェスト実現の財源確保にめどが立っておらず、法人税収の伸びも当面期待できないためだ。法人税収は一九八九年度に十九兆円を記録したが、その後は十兆円台前半で推移。さらに一〇年度は約六兆円と激減する見通しだ。
一方、消費税は九七年に現行税率となって以降、税収に占める割合が20%程度と振幅が小さく、1%の税率引き上げで二兆~二兆五千億円の増収が見込める。財務省幹部は「消費税が最も安定している」と強調する。
ただデフレ下での増税は、景気に悪影響が及ぶとの懸念も根強い。大和総研の鈴木準経済調査部長は「増税なら、同時にデフレ脱却への処方せんも示す必要がある。増税が財政健全化のためか、マニフェスト実現のためなのか、明確にしなければいけない」と指摘している。(東京新聞朝刊)
マクロ経済音痴炸裂!!民主党はまた順番を間違えるか?
民主党は昨年の暮近くに、菅副総理兼財務相により、デフレ宣言をしたのではなかったでしょうか?デフレの最中では、増税などしないのが定石です。なにせ、デフレなのですから、デフレギャップがあるということなのですから。自民党政権も、増税論議はしていましたが、金融危機直前の景気がだいぶ上向いた時期だったと思います。あの時でも、すぐに増税論議は不味いと思いましたが、現在のデフレ下における増税論議は、絶対に許容することはできません。
税に関しては、日本は、海外の主要国などから比較するとまだまだ低いですから、いずれ上げなければならないのははっきりしています。それは、わかります。しかし、順番が違います。
この、ブログでは、よくデフレとプライマリーバランスについて、掲載していて、デフレを克服するにはプライマリーバランスなど一時無視すべきであることを力説してきました。要するに、一般サラリーマンをひきあいにだすと、デフレは癌のようなものであって、プライマリーバランスは会社の仕事のようなものであるということです。サラリーマンにとって、会社の仕事は大事ですが、もし癌をわずらってしまえば、まずは、癌を直すことが最優先であって、会社の仕事などは健康を取り戻してからすべきであるということです。これに関して、このブログに何回も掲載してきたので、ここでは詳しく述べません。興味のあるかたは、下の【関連記事】のところに関連した記事を貼りつけておきますので、そちらを是非ご覧になってください。
さて、デフレの最中に増税がなぜまずいかといえば、これも社会人のたとえをだすと、癌を患って病院に入院していたら、入院費を値上げされたようなものだからです。そうなれば、かなり不安感が増します。おそらく、余計な出費などしなくなるでしょう。そうして、今値上げされたものは、さらに値上げされることもありうると思い。入院が長引けば長引くほど、この傾向は強くなるでしょう。現実の世界でも、増税すれば、かなり先行き不安感がおきます。たとえば、消費税をデフレの最中にあげたとすれば、消費者の消費マインドが減衰し、モノを買う気が失せます。そうなれば、モノが売れなくなるため、モノ値段が下がります。そうなれば、ますますデフレ傾向が強まるということになり、デフレから脱却が遠のきます。
私たち日本人は、過去に似たような経験をしていませんか?そうです、「失われた10」年です。小泉政権の時代に「構造改革」の名のもとに、経済対策を行うどころか、緊縮財政をして、痛い目を見たばかりではありませんか!!そのために、どれだけ、地方が疲弊したか、皆さんご存知のはずです。私自身は、小泉さんの構造改革は決して全部が間違いとは思っていません。良いこと、やるべきものもたくさんありました。でも、順番が間違えました。やはり、経済対策を先に行い、景気を浮揚し、その後に構造改革や緊縮財政をやるべきでした。このままでは、今しばらく、雇用の確保もままならず、高校や大学の新卒にもまともな就職先がないということが続きます。
日本経団連と経済同友会が、増税論議をすることはわからなくもありませんが、やはり、順番が間違えています。彼らは、貿易を重視しているのだと思います。これから、世界経済が回復していき、貿易をする会社はそれにつれて業績が回復していくことでしょう。そうして、全体でみれば、一見回復したように見えるときもくるかもしれません。
しかし、ここで、思い出していただきたいことがあります。それは、金融危機直前の景気の良さです。確かに、経済指標などみれば、景気は回復していましたが、一般の人にはほとんどそれが感じられず、「実感なき好況」ともいわれました。どうして、そんなことになったかといえば、日本は多くの人が勝手に思い込んでいるように貿易大国でもないし、輸出立国をしている国でもないからです。今から10数年前までは、日本では輸出がGDPに占める割合は8%に過ぎませんでした。それか、10数年たってそれは、倍の16%になりました。しかし、それでも、アメリカは例外として他国と比較すればね決して輸出が多い国とはいえません。ドイツや、中国などはこの比率は40%を超えています。そうです、かつての日本はまごうかたなき、「内需大国」だったのです。
だから、こそ、輸出が増加すると、統計では、景気が良くなったようにみえても、その恩恵にあずかる人は、輸出にかかわる企業や、そこで働いている人、さらにその家族などです。その他の、人は多少影響をうけたとしても、さほどではありません。だからこそ、実感なき好景気などといわれたのです。
それに民主党の政策根本的な瑕疵(かし)があります。たとえば、子供手当ての財源がないので増税するという側面がありますが、ここで生じてくるのが、子供が30人以上もいる外国人はどうするのか、それもその子供の大半が国外にいる場合はどうするのかという問題があります。こうした外国人にまともに子供を手当てをはらっていたら、お金の大半は海外に流れ、内需の拡大には全く寄与しないことになります。それどころか、こんなことをしていれば、海外から子だくさんの外国人が日本に殺到してとんでもないことになります。
子供手当てなどというものは、もともとおかしげな手当てです。子供手当てがあるなら、平等の観点から60歳を過ぎても結局子供に恵まれなかった人に「子なし手当て」など配布すべきということになります。そんなバカな話はないです。こんな手当てをどうこうよりも、経済対策をはやめにやり、「失われた20年」になりそうなのを、完璧に「失われた10年」で終了させるべきです。民主党の幹部、順番を間違えることは良くありますが、その前に酷いマクロ経済音痴でもあります。
とにかく、これをなんとかまともなレベルにまでひきあげてから、政権を担うべきだったでしょう。それをいうと、自民党も似たようところがありますが、民主党のように幹部がすべからくマクロ経済では全滅というわけではないので、少しましという程度でしょうか?とにかく、民主党幹部のマクロ経済学に関する認識は、そのへんの小学生とあまり変わりありません。
彼らにとっての経済は、マクロもミクロも関係ありません。今マクロ経済の話をしていたかと、思うと、急にミクロ経済になったりして両者の区別が混沌としていて全く区別がつかないようです。これだけ大きな日本という国の経済も、お金を刷ることもできない企業の経済も、お金も国債や株式も社債すら刷ることのできない家計の経済も同じです。政府の借金の意味も知りません。政府の借金と、国の借金の区別もついていません。勘弁してほしいです。こんな連中が国政を司っていること自体が問題です。
もう一度、真摯に、大学の初等の経済学(要するに先人の知恵)から学ぶべきでしょう!!今のままでは、国政を担うにはあまりにお粗末です。それをしないとか、するつもりもないというなら、もう国政を担うことはやめるべきでしょう。マクロ経済を全く理解しないというのなら、国政を担うなどというだいそれたことは考えず、大手企業なら最高でも部長クラスまでで、それ以上になるべきではありません。
それにしても、最近の高齢者は酷くなってきました。全部とはいいませんが、先人の知恵を学ぶという謙虚な姿勢がなく、傲慢で個人主義的ですね。昔とはえらい、違いです。もう、「失われた10年」の厳しい時代を経てきた30歳台のほうが良いかもしれません。あと10年もすれば、彼らも40歳台になります。今の政局どこか間違っています!!あと、10年たったら、いわゆる失われた10年というシビアな時代を生き抜いてきた、まともで、シビアな考えのできるロスト・ゼネレーション(まともでないのは除外という意味です)と世代交代して、総入れ替えをしたほうが良いですね。こんなに政治の世界に高齢者ばかりというのは、日本だけだと思います。「立ち上がれ日本」ももう少し若い人も取り込んでもらいたいものです。
デフレが、克服されないうちに、増税を行うと、デフレが長引きます。デフレが長引くと、輸出などが好調になって一見景気が回復したとしても、また「実感なき好景気」の再来ということになります。それよりも、何よりも、ずっと吹かず飛ばずの状況が続き、「失われた20年」になるという懸念すらあります。それにも関わらず、あなたはデフレ下における増税に賛成しますか?世の中経済ばかりでは、人は幸福にはなれません。それは、はっきりしています。ただし、今は、デフレ克服に全力を尽くす時期です!!
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3 件のコメント:
安藤奈津雄です、コメント、どうもありがとうございました。
後ほど(ご迷惑でなければ)しっかり読んで、コメントいたします。
ところで、ブログの左の方の、「読者になる」を
クリックすると、どうなるのでしょう?
「Google Friend Connect を使用」とのことですが、何が起こるんでしょう、、、?
andonut様 コメント有難うございます。コメントよろしくお願いします。
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どうも、yutakarlsonさん、時間が経ってしまいましたが、何か忘れて
るような気がしてましたが、ここのブログでした!(?)
私は、経済は、民主党議員以上に(?)素人なので、、、。
デフレの話でしたので、これが、参考になるかと。
野口悠紀雄
「デフレ・スパイラル論」は間違い! 給与が減るのは企業利益減少のためではない
http://diamond.jp/articles/-/7858
「円高こそデフレの原因」説の怪しさ─今こそ必要なデフレの経済学(6)
http://diamond.jp/articles/-/7640
で、yutakarlsonさんの書かれた内容で、「失われた10年」という言葉
がありますが、、、。
【挨拶】西村副総裁「最近の金融経済情勢と金融政策運営」(宮城)
http://www.boj.or.jp/type/press/koen07/data/ko1004d.pdf
これは「バランスシート問題」、つまり傷んだ資産状況をいかに立て
直すか、という問題です。日本でも、バブル崩壊後長期に亘ってこの
問題が経済の足を引っ張ったことは、皆様もご記憶のことと思います
↑3ページの始めの方に出てきますが、これが、いわゆる「失われた10
年」では? 銀行など金融機関が大量の不良債権を抱えているのに、そ
れを処分できず、新規融資もできない。それが、経済停滞を引き起こ
していた時代。もちろん、一般の企業も不良資産など抱えてましたが。
(雇用や設備など、余ってましたよねぇ。)
その不良債権を処理させたのが、「小泉・竹中」だったかと。これは、構
造改革というより、ただの不良債権処理だと思いますが、それまでの
政権ができなかったことをやったのですから、評価はできると思いま
すが、、、。
それから、yutakarlsonさんの主張では、消費税などの増税はデフレを
脱し景気浮揚してから、ということだと思いますが。
では、デフレ脱却の手段は?
その財源は?
国債発行ですか。
国債も、いずれ返さなければならないお金ですから、国債発行を増や
すことは、増税してるのと同じような気がします。払うのが将来の日
本人というだけで。
国債を増やしても、社会保障の充実につながらず、雇用や健康、年金
の不安があるから、消費拡大に向かわないのでは、、、?
ある程度の国債発行は仕方ないと思いますが、それは、社会保障に使
って欲しいと思いますねぇ~。
天下り官僚の退職金に使われたりしたのでは、国民は怒るでしょう?!
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