2014年6月20日金曜日

日本に残された「3つの選択肢」―【私の論評】ちょと待ってくれ、まずはデフレを解消しなければ何をやってもモグラ叩きになるのではないかい、そろそろデフレと低成長を所与のものと考えるのはやめようよ(゚д゚)!

日本に残された「3つの選択肢」



日本の出生率がいまと変わらず、平均寿命が5歳延びると仮定すると、私たちにとって、これから選べる選択肢は次の3つになると思います。これらは大まかな数字で試算しているので、1つの指針として考えてください。

社会保障を現状維持のままで、消費税を40%に引き上げる

社会保障を3割削減して、消費税を30%に引き上げる

退職年齢を75歳に引き上げて、消費税を20%に引き上げる

この3つの選択肢を並べた場合、国民を論理的に説得できるのは、どれだと思いますか。

国民全体を説得するのに、①の選択肢はあまりにも厳しすぎます。消費税を40%に引き上げると説明しただけで、国民は拒絶反応を起こすでしょう。②は①ほどではないにせよ、特に高齢者からの拒否反応が強く、国の財政が危機的状況にならない限り、実行するのは難しいでしょう。

ところが③なら、まだ国民を説得する余地があります。

国民皆年金ができたのは1961年ですが、当時の平均寿命は68歳にすぎませんでした。支給開始年齢が60歳だったので、平均寿命で見れば8年間の年金がもらえる計算になっていました。

財政状態が日本ほどは悪くない欧州の国々では、引退年齢を65歳から67歳、68歳に引き上げようとしています。欧州諸国よりも平均寿命が高く、今後も平均寿命が延びていく可能性が高いことを考えると、もともと日本の年金は欧州に比べて支給開始年齢が早すぎたのです。

欧州の年金制度は、持続性では日本よりまともでしたが、財政危機をきっかけに、年金の支給開始年齢が引き上げられることになりました。欧州よりも財政状態の悪い日本が、そうした歴史の教訓に学ばない理由はありません。

ここで、私たちは歴史に学ばないと、とんでもない苦難に遭ってしまうでしょう。財政と社会保障制度の抜本的な改革をする前に、日本が財政危機になってしまうと、国民の負担は私の想定よりも重くなることは間違いありません。それを避けるには、なんとしても10年以内に社会保障のあり方を見直し、年金支給開始年齢を大幅に引き上げることが自明の理なのです。

上の記事は要約です。詳細を知りたいかたはこちらから(゚д゚)!

【私の論評】ちょと待ってくれ、まずはデフレを解消しなければ何をやってもモグラ叩きになるのではないかい?そろそろデフレと低成長を所与のものと考えるのはやめようよ(゚д゚)!

上の記事について、エコノミストの村上尚己氏は以下にようにツイートしています。
この村上氏のツイート私も全くこのとおりだと思います。デフレと低成長を前提にものごとを考えていては、結局モグラたたきになるだけです。この記事で述べているように、デフレ・低成長を前提として、それは変わらぬ所与のものとして、実際に上にあげてある3つの選択肢の中からいずれを選んだとしても、結局様々な問題が発生して何の抜本的解決にはなりません。

デフレと低成長を放置すればどうなるか?

仮に、デフレと低成長を放置しおけば、結局上の3つの選択肢のどれを選択したとしても、長い年月がたてはたつほど、国民所得が増えるどころか、少なくなり、結局社会保障の原資である、税収も減ります。

物の値段が下がり続けるのがデフレ
税収が減ったからといって増税したとしても、結局さら税収が減るだけです。だからといって、また増税したとしてして、それを何回も繰り返せば、いずれ消費税を100%にしても、税収は増えなくなります。それでも、税収が減ったからといってさらに増税すれば、いずれ100%を超えます。

100%といえば、たとえば、米を100円で購入したとしたら、 消費税を含めて200円を支払わなければならないということになります。


そうなると、人々はどうすることでしょうか?多くの人は、米と自分の持っているものを交換するようになります。そうです。自給自足の経済に移行することになります。

もしかすると、野菜や小麦も自分で栽培し、魚なども自分で採るようになるかもしれません。そうして、お金は、自給自足では事足りない、希少なものを購入するときだけに遣うようになります。そうなれば、企業も製造業であれば、自社で製造したものと、他社の製造したものなどを物々交換するようになると思います。



そうして、給与はお金が少しで、あとは米や生活必需品などで支払らわれるようになるかもしれません。

小売業などは人々の物々交換する量が多くなれば、成り立たなくなり、昔のようなほんとうに小さな商店が復活することになると思います。そこでは、お金による取引は一部で、米やその他による物々交換が主流になると思います。

これは、社会システムの後退です。このようになれば、ますます税収は減ります。あるい税収そのものがなくなるかもしれません。そのときには、日本政府は事実上解体して、小さな自給自足の部落が経済主体となるかもしれません。日本という国は、皇室を頂点とした概念上の存在にしかすぎなくなり、自給自足の小部落が、人々の生活の場となります。

いずれ社会システムが崩壊する

ただし、あまり小さいと安全保障上の問題もでてくるので、昔のように独自の経済システム、防衛システムを持つ藩のような組織ができあがるかもしれません。藩をまとめ幕府のような存在ができあがるかもしれません。

いや、そうなる前に小さな自給自足の部落が主体となったときに、なにもかも弱体化して、中国に攻めこまれ、中国の属国ならまだいいですが、中国の一省となってしまうかもしれません。そうなれば、中国人が多く移り住み、日本人は排斥されるようになります。そうなれば、自ら国を滅ぼす馬鹿な日本人など、役に立たないわけですから、そうなります。

デフレと低成長を所与のものとして、これを放置してどこまで、財政を優先するとこのようなことになります。

まずは、デフレを解消せず増税一辺倒であれば、いきつく先は自給自足経済にならざるを得ません。しかし、デフレを解消すれば、黙っていても経済成長をするようになります。そりゃそうです。需要が増えてくるわけですから、そうなります。

そうなったときに、財政再建などを考えれば良いわけで、デフレを放置しておいては、財政再建もままならず、自給自足経済という社会システムの後退を招き、国民は極度の貧困状況に陥り、それこそ、アジアやアフリカの最貧国のような常態になり、いずれ内乱が勃発するか、中国などの攻めこまれ日本という国は消滅することになります。

歴史に学ぶなら中途半端ではなく古今東西の役に立つものを優先的に学べ

上の記事では、最後のほうで歴史に学べとしていますが、ここに提示されている歴史はあまりに偏りすぎています。

アメリカでは、ドラッカー氏が、年金支給開始の年月が引き上げらるべきだと主張してから、数年と経ずに本当にそうなりました。ヨーロッパの先進国もそれに追随しました。

しかし、当時のアメリカやヨーロッパの国々は、少なくともデフレではありませんでした。もし、その頃現在の日本のように長期にわたってデフレが続いていたとしたら、ドラッカー氏も年金の支給開始がどうのこうのと言う前に、まずはデフレを解消せよと言ったに違いありません。

今の日本が歴史から学ぶとすれば、上記のようなことではなく、古今東西のデフレを解消した事例や失敗事例です。

失敗事例として、近くは、イギリス、イタリア、スペイン、ボルトガルの事例です。これらのすべての国では、財政再建を目的として増税をして失敗し、結局税収が増えず、財政再建もままならず、苦しんでいます。

そうして、成功事例として、一番先に学ぶべきは、世界恐慌(日本では昭和恐慌)に陥ったときの日本の対処の仕方です。

それまで、世界恐慌の原因につき、陰謀説など様々な説が流布されていましたが、どれも決め手に欠けていいましたが、1990年台の研究により、その原因は深刻なデフレであったことがはっきりしています。

このデフレから当時の日本だけが、世界で一番先に脱却することができました。それは、高橋是清による、金融緩和政策と、積極財政です。デフレやデフレまでいかなくなくても、不況に陥ったときに実施すべきは、金融緩和と積極財政です。これは、マクロ経済の理論からも、過去の歴史からもはっきりしています。

このブログでは、過去に高橋是清による経済対策についても掲載したことがあります。以下のその記事のURLを掲載します。

高橋是清によるデフレ脱却事例
ポール・クルーグマンの新著『さっさと不況を終わらせろ』−【私の論評】まったくその通り!!
この記事では、日本のデフレ脱却成功事例として、江戸時代の「宝永の改鋳」と、高橋是清のデフレ克服策をあげました。

詳細はこの記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事の締めくくりの部分のみ掲載させていただきます。
現在でも、不況のときに、緊縮財政、金融引き締めをしては、かえって経済が悪くなるということです。不況のときには、財政などあまり気にせずに、積極財政と金融緩和策をしなければならないというのが当たり前の真ん中の常識です。ケインズなんぞまったく知らなかった、江戸幕府や、高橋是清も、この常識に従って成功しているのです。現在の不況は、この常識に従わなかったことが大きな要因の一つです。非常識派は、過去の歴史を振り返ったり、現在の出来事を直視せず、ただただ、自分の頭の中でつくりだした、非常識な常識を唯一正しいものとして、押し付けているだけてあり、思い上がりも甚だしいです。
ブログ冒頭の記事も、デフレ・低成長を所与として、ものごとを考えているという点で全く非常識であると言わざるをません。

高橋是清

政治家の中にもこの非常識を信じて疑わないものが多いです。だから、このブログでも以前から、与野党を政治家の白痴化ということを指摘させていただいているのです。

デフレを放置してそれを前提として物事を考えても、全く意味がありません。上で示したように、いつまでも放置しておけば、社会システムの後退を招くばかりです。

現在日本で大きな問題が10あったとして、デフレを解消すれば、5つから6つくらいの大問題は、他に何をしなくてもそれだけで自動的に解消します。4つから、5つの問題はそれでも解消しないかもしれません。しかし、解決の糸口くらいは期待できるようになります。しかし、デフレを解消しなけば、10の問題すべてが解消できません。

何かをやれば、何かがだめになるというモグラたたきをするだけになります。

はやく、多くの政治家が、白痴常態から目覚めるか、白痴のままであり続けるならやめるべきと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

【関連記事】





消費増税の理由 ありとあらゆる理屈つけ8回も政府は変えた―【私の論評】結局、決め手に欠ける来年4月時点での消費税増税の理屈?これで国民は納得するのか、本当に増税してしまえば、増税派議員、財務省に非難が集中することを覚悟しておけ!


【関連図書】

インフレ貧乏にならないための資産防衛術
村上 尚己
東洋経済新報社
売り上げランキング: 1,718



消費増税の黒いシナリオ デフレ脱却はなぜ挫折するのか (幻冬舎ルネッサンス新書 た-8-1)
田村 秀男
幻冬舎ルネッサンス
売り上げランキング: 87,142

日本ダメだ論の正体~新聞テレビは日本を9割ダメにする!
田村 秀男 渡邉 哲也
マガジンランド
売り上げランキング: 247,761

アベノミクスを殺す消費増税
田村秀男
飛鳥新社
売り上げランキング: 351,979

2014年6月19日木曜日

【石平氏ツイート】中国経済の硬着陸は現実味を帯びてきた―【私の論評】中国経済はもともとすでに破綻している、ただ体裁を繕ってきただけ(゚д゚)!

【私の論評】中国経済はもともとすでに破綻している、ただ体裁を繕ってきただけ(゚д゚)! 

エリザベス女王に謁見した李克強

中国の李克強首相のイギリス訪問に関しては、日本国内では、エリザベス女王との謁見などのことが話題になったようです。

これに関しては、以下の記事をご覧下さい。
中国の李首相が英女王との面会を要求した理由とは?
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、李首相が英女王との面会を要求した理由は、2009年に当時まだ国家主席にはなっていなかった習近平氏が、天皇との面会にこだわったのと同じような理由であるとしています。

その理由とは、結局のところ、両方とも、中国国内での、政治的な権威を誇示するためには、必要であったというわけです。

どうせ、その程度のことだと思います。それにしても、中国の共産党内部などその程度のことで外国に対してゴリ押しをするということで、相変わらずというところです。国内政治を海外にも持ち出すという中国特有の低次元の馬鹿さ加減が露呈したというだけの話であると思います。

習近平も李克強も日本やイギリスからいえば、建国70年程度の新興野蛮国家の、氏素性もわからないような馬の骨に過ぎないわけですから、日本やイギリスの権威を利用して、国内で泊をつけようとの魂胆が見え透いています。

中国幻想も終末に近づきつつある?


こんなことは、さほど重要なことではありません。やはり、このブログの冒頭に掲載した、石平氏のツイートで述べられていた事実のほうが余程重要です。

石平氏の言うように、中国経済の硬着陸は現実味を帯びてきました。

それは、以下のような事実からも明らかです。
 「事実上破綻状態」にある中国・天津市 筆者 鳥羽賢 | 05/05/2014 - 19:48

 ここ10~20年で目覚ましい発展を遂げてきた中国経済だが、一方で最近数年は「バブル崩壊」の噂も少しずつ広がっている。そんな中、中国第5の都市である天津市が「事実上破綻状態」にあるという衝撃的なニュースが流れている。

開発計画が不況のため頓挫

まず天津市という都市の場所と役割を再確認しよう。天津は中国の首都・北京のすぐ南東にあり、海に面している港湾都市である。そして天津は都市としての経済規模で言えば、上海、北京、広州、深センに次いで中国全土でも第5位の規模を持つ。ところが中国の汪洋副首相は2月の国務院の会議で「天津は事実上破綻している」と述べていた。一体どうしてこうなってしまったのか? 
 こうなった経緯は、少し前の2006年頃にさかのぼる。2006年に中国は天津において「東洋のマンハッタン」建設を目指した、大規模プロジェクトを開始した。このプロジェクトには中国は約600億元(日本円で1兆円弱)も投資されることとなった。日本円で1兆円弱だが、中国のお金の価値を考えると、日本で言えば数兆円にも匹敵するであろう巨額の数字だ。600億元ものお金を投資し、39のプロジェクトによって49棟の超高層ビルを建設する予定であった。 
 しかし「東洋のマンハッタン」プロジェクトは、2008年のリーマンショック後の世界的不況、そして地価の伸び悩みの末に、頓挫することになる。天津には建設途中で放棄された多くのビルなどが残っており、さながらゴーストタウンのようになっているという。しかしこのようなゴーストタウンは、すでに中国各地に存在する。 
 そして先月の19日に、天津の破綻を象徴するような出来事が起こる。「東洋のマンハッタン」プロジェクトを手掛ける主要な不動産会社の1つである北方信託公司の劉恵文会長が、自宅で自殺したのだ。これは会社の経営難を苦にしての自殺であろうと見られている。 
天津市の夕暮れ
 天津はプロジェクトの失敗によってすでに多額の債務を抱えており、直接的な債務だけでも2246億元(約3兆6600億円)に上るというデータがすでに出ている。さらに前述の汪洋副首相の話では、その他の債務も含めると天津市の債務総額は約5兆元(約81兆6000億円)にもなるとのことだ。 
 しかしさらに問題なのが、このような開発プロジェクトの失敗が天津市に留まるものではないことだ。中国はここ数年無鉄砲な大規模開発プロジェクトを全国的に行っており、その多くが「東洋のマンハッタン」プロジェクトのように、リーマンショック後の世界不況や地価の下落で利益を出せずに頓挫してしまっている。このようなプロジェクトの多くは地方が行っているので、その債務は地方財政にのしかかってくる。そして、それらを全て把握できている人間などほとんどいない。すでに知られていることだが、中国の統計は正確さにかなり欠けるものであるからだ。 
 GDP規模で中国第5位の天津が「事実上破綻状態」にあるという事実は、かなり重く受け止められなければならない。しかもこの言葉は、外国のメディアではなく中国の汪洋副首相から出たものだ。今後中国投資をするなら、慎重にしていきたい。
天津市はどうしようもなくなって、表に浮上したのですが、地方政府が繕いをしているの表にはまだでてきませんが、中国各地がこのように状態になっています。中国の経済は、本当はリーマン・ショック時に破綻していたのです。

中国の厚化粧は女の子だけではない! 発展する中国経済も厚化粧そのものだった!

これを何とか繕うため、少し前までは元を多量に刷り増しなどしましたが、これをやり過ぎたたため、現状さらに大量に刷り増し等したりして、大規模な金融緩和をすると、ハイパーインフレになるおそれがあるので思い切って実行することができません。

かといってそのまま放置しておけば、熱銭が入り込まなくなるということで、これでは、先日もこのブログに掲載した中国のポンジ・スキーム(投資詐欺)が成り立たなくなるということで、これは自転車操業もそろそろ継続できない状況に陥りつつあります。

リーマンショッ後から継続してきた、厚化粧・見かけのとりつくろいによる投資詐欺もそろそろ、終わりに近づいています。もう、なるようにしかなりません。

こんなときに、中国投資をするのは愚かしいことです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

【関連記事】

【世界を斬る】ヒラリー氏は日本を重要と考えていない 外交で大失敗を重ねた張本人なのだが…―【私の論評】オバマの次がヒラリーだったとしたら、日本としては本気で戦後体制からの脱却を考えなければならなくなる(゚д゚)!




【関連図書】

国土と安全は経済(カネ)で買える~膨張中国包囲論~ (扶桑社新書)
上念 司 
扶桑社 
売り上げランキング: 5,064

悪中論 ~中国がいなくても、世界経済はまわる
上念 司
宝島社
売り上げランキング: 120,350

嘘だらけの日中近現代史 (扶桑社新書)
倉山 満
扶桑社
売り上げランキング: 17,003

2014年6月18日水曜日

【世界を斬る】ヒラリー氏は日本を重要と考えていない 外交で大失敗を重ねた張本人なのだが…―【私の論評】オバマの次がヒラリーだったとしたら、日本としては本気で戦後体制からの脱却を考えなければならなくなる(゚д゚)!

【世界を斬る】ヒラリー氏は日本を重要と考えていない 外交で大失敗を重ねた張本人なのだが…

ヒラリー・クリントン

2016年の米大統領選挙で、民主党の最有力候補と目されているヒラリー・クリントン前国務長官が『ハード・チョイス』(厳しい選択)を出版した。同書で、ヒラリー氏は生い立ちと政治信条を記しているが、はっきり伺えるのは、日本は米国にとってアジアで最も重要な戦略的友好国と考えてはいないことだ。

ヒラリー氏はこれから2年間、大統領選を展開するにあたり、あらゆる機会に、この主張を繰り広げるだろう。オバマ政権は事実上、中国を友好国扱いし、中国との対立を極力、避けてきた。

だが、2016年にヒラリー氏が大統領に当選すれば、米国の政策は大きく変わる。

ヒラリー氏の考え方は、日本の基本的な国際戦略に大きく関わってくる。安倍晋三政権やその周辺の保守的な評論家や古手外交官らは、相も変わらず日本を最も重要な同盟国とする米国の対中国基本戦略は変わっていないと信じ込んでいる。このため、日米安全保障条約を主軸に、集団的自衛権に基づく防衛政策を進めようとしている。

ところが、ヒラリー氏は著書で、「日本はもはや米国にとって昔ながらの味方ではない」と示唆している。イェール大学のポール・ケネディ教授が『大国の興亡』を書いて以来、米国の人々は日本に対して恐れと不安を持つようになり、「信頼できる友好国ではないと思うようになった」と述べている。

ヒラリー・クリントン氏の著書『ハード・チョイス』

もっとも、ヒラリー氏こそ、オバマ大統領とともに、この5年間の外交で、過去の政権と比べると、考えられないほどの大失敗を繰り返してきた張本人だ。

ヒラリー氏は、そうした失敗について釈明を試みているが、結局、米国が国際的指導者としての力をなくしてしまったことを自白しているに過ぎない。そうした心情が日本に対する不信というかたちで、現れたとみるべきだろう。

いずれにしても、米国は日本との関係をもはや重要な戦略的基盤とは思わなくなっている。日本は、歴史的な視野に立って対応策を考えねばならない。

■日高義樹(ひだか・よしき)

この記事は要約記事です。詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】オバマの次がヒラリーだったとしたら、日本としては本気で戦後体制からの脱却を考えなければならなくなる(゚д゚)!

中国経済の発展は、ポンジ・スキーム(日本でいえば投資詐欺)にしか過ぎないことを昨日掲載したばかりです。要するに、中国は発展しつつある確かな未来があるという幻想をふりまき、海外の投資家を信じこませ投資をさせ経済発展してきたという部分がかなり大きいということです。

中国経済発展は、他国であれは投資詐欺といわれるような方法で達成された


中国の経済発展は、日本国内の内需が拡大することによって可能となった日本の過去の高度経済成長とは全く異なり、そのほとんどが投資詐欺により海外投資家や、中国の共産党幹部を含む中国の富裕層が海外に蓄積した金から投資を呼びこみ、中国政府主導のまともな国でいえば、詐欺ブロジェクトなどに投資させて中国の富裕層が大儲けをしてきたということです。

富裕層儲けた金は、そのほとんどがまた海外に送金され、富裕層の海外資産が増えるという構造です。そうして、この仕組はいずれ崩れることは特に中国共産党幹部の富裕層はわかっているため、海外に逃亡するものが後をたたないという事実もあります。

投資詐欺のいきつく先は、破綻です。ただし、元を刷り増ししてそれもしのいできましたが、あまりにやりすぎたため、さらに増刷でもしようものなら、ハイパーインフレがおこる寸前にまでなってしまっているので、それも容易にできないということです。

これについては、昨日も掲載したばかりで。昨日の記事、まだ読んでいらっしゃらない方のため以下にそのURLを掲載しておきます。
【石平のChina Watch】始まった中国経済の「厳冬」 次々に発せられる不動産暴落予測 【私の論評】中国経済まとめ:これだけ読めば完璧、様々な具体的な事例が明かす中国経済崩壊の前触れ(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事の最後の以下のように締めくくりました。
この動画でもわかるように、中国の経済発展は、中国以外の国であれば、投資詐欺と言っても良いような手段で達成されてきたということです。 政府ぐるみで行なわれてきたため、あたかも合法的に見えただけであり、内容はとんでもないということです。 
まともに経済発展もできなくなれば、その後は崩壊するのみです。おそらく、現体制は崩壊するでしょう。 
こんな中国が、米中二極体制とか、G2など実現できるはずもなく、それは単なる妄想に過ぎません。 
世界中の親中派・媚中派政治家どもも、近いうちに中国の本当の姿を知り、中国幻想から目覚めることでしよう。その日は近いです。 
私は、そう思います。皆さんは、どう思わますか?

さて、本日の冒頭の記事をご覧いただければご理解できると思いますが、世界中の親中派・媚中派政治家どもの筆頭が、他でもないヒラリー・クリントンだということです。


日本にも、親中派・媚中派の政治家が大勢いますが、アメリカにも、親中派・媚中派の政治家が大勢います。これらの政治家は、中国の実体を知らず、中国幻想に酔っているだけです。

世界中に中国幻想から覚めていない人が大勢存在する


ヒラリー・クリントンが大統領になったとしたら、アジアの安定は甚だしく毀損される可能性が高いです。

オバマは優柔不断というだけですから、まだましかもしれません。といいながらも、この優柔不断がシリア、ウクライナ、東シナ海、南シナ海などで、外交問題を複雑化させ、今度はイラクでもそうなりかけています。

しかし、G2体制、米中二極体制などを本気で考えるヒラリー・クリントンのような人間が大統領にでもなってしまったら、完璧に戦後体制は崩壊します。戦後体制の中にいまでもしっかり組み込まれている日本はとんでもないことになってしまいます。

ヒラリー・クリントン氏の言動はそれを予感させるものです。今年の中間選挙で、オバマ大統領の統治能力欠如がはっきりしてきたため、民主党はボロ負けする可能性が高いです。

そうなると、ヒラリー・クリントン氏が大統領になる可能性はかなり低くなるとは思います。

それに、アメリカの政治家は親中派・媚中派ばかりではありません。まともな政治家もいますから、おそらくヒラリー・クリントンは大統領は無理だとは思います。

しかし、今後ヒラリー・クリントンのような媚中派・親中派の人間が大統領にはならない、なれないなどいう保証は全くありません。

もし、そうなれば、アジアは中国の傘下に収まる可能性が大です。そうなったら、目もあてられません。経済がどうのこうのという次元ではなく、中国がアジア全体の覇権を握ることになります。

そんなことだけては、避けるべきです。

日本における、現状の集団的自衛権がどうのこうのなどという低レベルの論議などは全く意味がありません。

日本は、本気で戦後体制から脱却してもやっていけるように、経済力・軍事力の強化を図っていく必要があります。その準備を今からしていく必要があります。そうしなければ、アメリカに親中派・媚中派の大統領が登場し長期政権下した場合、日本はアジアでのリーダーシップを完全に失う可能性が大です。そうなったら、アジアは中国の思うがままになってしまいます。

そんなことには、日本をはじめとするアジアの大部分の国々が反対しています。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

【関連記事】



【関連図書】


国土と安全は経済(カネ)で買える~膨張中国包囲論~ (扶桑社新書)
上念 司
扶桑社
売り上げランキング: 5,064

悪中論 ~中国がいなくても、世界経済はまわる
上念 司
宝島社
売り上げランキング: 120,350

嘘だらけの日中近現代史 (扶桑社新書)
倉山 満
扶桑社
売り上げランキング: 17,003

Hard Choices
Hard Choices
posted with amazlet at 14.06.18
Simon & Schuster (2014-06-10)

2014年6月17日火曜日

【石平のChina Watch】始まった中国経済の「厳冬」 次々に発せられる不動産暴落予測 【私の論評】中国経済まとめ:これだけ読めば完璧、様々な具体的な事例が明かす中国経済崩壊の前触れ(゚д゚)!

【石平のChina Watch】始まった中国経済の「厳冬」 次々に発せられる不動産暴落予測 

中国各地に存在する誰も住まない巨大ゴースト・タウン

今、中国では本欄が一貫して警告してきた不動産市場の崩壊が着実に進んでいる。

まずは不動産が徹底的に売れなくなったことだ。中国では、毎年5月1日のメーデーを中心に数日間の休みがあって、例年では不動産がよく売れる「花の五一楼市(不動産市場)」とされてきた。

だが、今年は惨憺(さんたん)たるものである。中原地産研究センターが観察している全国54の大中都市で「五一楼市」で売れた不動産件数は9887件。昨年同時期と比べると32・5%減という。

首都の北京では期間中の不動産販売件数が前年同期比で約8割も減った。地方都市の保定に至ると、期間中の不動産契約件数はわずか10件、まさに「不動産市場の5月厳冬」と呼ばれる大不況が到来したのである。

不動産が売れなくなると、ついてくるのは価格の下落だ。全国における不動産価格の下落傾向は今年3月からすでに始まっているが、5月後半には一層加速化。

もちろん、そういう統計数字よりも、たとえば中国有数の不動産開発大手「中国SOHO」トップの潘石屹氏が発した「中国の不動産市場は今、氷山に衝突するタイタニック号だ」という衝撃発言の方が現在の危機的な状況を如実に反映しているだろう。

成長を続ける中国は幻想に過ぎなかった?

この国の不動産市場は確かに「氷山」にぶつかって沈没する寸前である。香港に拠点の一つを持つスタンダードチャータード銀行「大中華区研究主管」の王志浩氏も最近、「今年中に中国一部都市の不動産価格は半分以上も暴落する」との不気味な予言を発している。

不動産市場の崩壊がもたらす経済面の負の効果も大きい。たとえば不動産市場の不況を受け、今年1月から4月までの全国の不動産投資の着工面積は前年同期比で22・1%減となった。

不動産投資がそれほど減ると、今後、鉄鋼やセメントなどの基幹産業から家具・内装などの民需産業まで不況が襲ってくるのは必至だ。対外輸出が4月までマイナス成長が続いた中で非常に苦しんでいる中国経済は今後、さらなる減速と衰退が避けられないであろう。

まさにこのような経済衰退の惨憺たる未来を通して、著名経済学者の許小年氏は5月21日、多くの国内企業家に対して「中国経済の長い冬に備えよう」と語った。台湾出身の経済学者、郎咸平氏も同27日、「中国経済は既に長期的不況に入った」と喝破した。

どうやら中国経済は5月からすでに不況の「厳冬」の時代に突入しているようだ。しかもこの厳冬の先に、「春」がやってくるようなこともないのではないか。

【by 石平】

この記事は要約です。詳細は、こちらから(゚д゚)!

【私の論評】中国経済まとめ:これだけ読めば完璧、様々な具体的な事例が明かす中国経済崩壊の前触れ(゚д゚)!

上の記事をご覧いただければ、おわかりになるように中国の経済いよいよ厳冬期に入ったようです。そうして、この厳冬期の先には経済崩壊が待ち構えていると思います。この事実に関するキュレーションを以下に掲載させていただきます。

中国の経済成長は、みせかけの投資詐欺にすぎなかった(゚д゚)!


最近は、この記事に限らず、中国経済の変調を伝えるものが増えてきました。それらの記事をのURLを以下に掲載しておきます。上の記事と、下の記事をあわせて読めば、現在の中国の経済状況が良くおわかりになると思います。
【経済】【中国の視点】理財商品、不動産価格が2割以上下落なら大規模なデフォルトに
以下に、この記事の要約のみ掲載しておきます。
デベロッパー大手SOHO中国の潘石屹会長は、理財商品の利回りが普通預金金利を大幅に上回っているため、これが中国の不動産市場の健全性を弱めていると指摘。不動産価格が現水準から平均で20-30%下落すれば、理財商品の大規模なデフォルトが発生する可能性を否定できないとの見方を示した。今後の不動産価格の動向について、不動産税(日本の固定資産税に相当)の導入や土地改革の実施に伴い、下落する確率が高いと予測した。
中国:預金準備率引き下げの範囲拡大-興業銀や民生銀も対象
以下にまとめを掲載しておきます。
シティグループの中国担当シニアエコノミスト、丁爽氏(香港在勤)は「中国の中立的な金融政策が緩和に傾きつつあることを一段と裏付けるものだ」と指摘。その上で、人民銀がより積極的な措置を講じて「政策緩和の強力な合図を送る意思が依然としてないことも示している」と分析した。
 中国の不動産販売さえず、急激な価格引き下げ迫る
以下にまとめを掲載しておきます。
中国の不動産販売が低調だ。開発業者の1━5月の販売実績が見込みの約3割にとどまるケースもあって、第3・四半期に急激な販売価格の引き下げや販売促進策の拡大、戦略の変更を迫られる可能性があるとの見方が出ている。
 中国の不動産市場、復活は遠い先か
 この記事は有料なので、タイトルだけ掲載しておきます。
コラム:中国不動産市場が直面する危険な「三角関係」
以下にまとめを掲載します。
中国の不動産市場は、危険な「三角関係」の上に成り立っている。不動産業界に対する圧力が高まっていることを示す状況は3つある。それは投資の落ち込み、開発業者の資金調達リスク、住宅価格の下落だ。これらはすべて関連しているものの、その影響と対処法は異なる。
いろいろな記事を掲載しましたが、ようするに中国不動産バブル崩壊が確実であるということです。これによって、中国経済がどこまで落ち込むのかはまだはっきりしません。

まずは、誰も住まないような高級住宅や、高級マンションなど中国全土に数多くあることを中国を訪れた人々が以前から指摘していましたが、今までなんとか中国はそれを持ちこたえてきましたが、とうとう最後にそのつけを払わなけれはならなくなったということです。

不動産パブル崩壊はこれで決まったようなものですが、その後も中国経済が回復することはありません。これは崩壊の序曲にすぎないと思います。

その査証として、以下の動画を掲載します。



この動画では、昨年8月ニューヨーク・タイムズ紙が発表した経済学者ポール・クルーグマン紙の論評によれば、中国の低消費・好投資経済をポンジ・スキーム(詐欺の一種。日本では投資詐欺のいち形態を指す)と指摘しており、現在、中国経済は前進まなければ倒れてしまう自転車操業に陥っていると述べています。

この動画でもわかるように、中国の経済発展は、中国以外の国であれば、投資詐欺と言っても良いような手段で達成されてきたということです。 政府ぐるみで行なわれてきたため、あたかも合法的に見えただけであり、内容はとんでもないということです。

まともに経済発展もできなくなれば、その後は崩壊するのみです。おそらく、現体制は崩壊するでしょう。

こんな中国が、米中二極体制とか、G2など実現できるはずもなく、それは単なる妄想に過ぎません。

世界中の親中派・媚中派政治家どもも、近いうちに中国の本当の姿を知り、中国幻想から目覚めることでしよう。その日は近いです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思わますか?

【関連記事】






【関連図書】
嘘だらけの日中近現代史 (扶桑社新書)
倉山 満
扶桑社
売り上げランキング: 4,119

野望の中国近現代史
野望の中国近現代史
posted with amazlet at 14.05.31
オーヴィル・シェル ジョン・デルリー
ビジネス社 
売り上げランキング: 7,578

2014年6月16日月曜日

「安倍首相は偏狭」と批判 鳩山元首相、新華社に―【私の論評】やっぱり、オバマよりはましか? 一貫して態度が変わらない中国の下僕鳩山元首相(゚д゚)!

「安倍首相は偏狭」と批判 鳩山元首相、新華社に

習近平と鳩山

中国国営通信の新華社は15日、安倍晋三首相が進める外交安全保障政策について「違う価値観を持つ国を危険だと見なして武力で抑えようと主張しており、とても偏狭だ」とする鳩山由紀夫元首相の単独インタビュー記事を配信した。

安倍首相が主導する集団的自衛権の行使容認についても「戦争への道を開き、平和主義という日本の宝物を捨てることになる」と批判した。

鳩山氏は、21日から北京で開かれる清華大主催の「世界平和フォーラム」に出席予定。中国としては、鳩山氏に同様の発言をしてもらうことで「日本脅威論」をフォーラムに出席する各国要人や専門家らにアピールする狙いとみられる。

【私の論評】やっぱり、オバマよりはましか? 一貫して態度が変わらない中国の下僕鳩山元首相(゚д゚)!

今のアメリカには強いリーダーシップが欠けている?


このところ、オバマ氏の優柔不断を批判することが多く、昨日もイラクをめぐるオバマの優柔不断を批判どころか揶揄してしまいました。

昨日は、鳩山氏をひきあいにだし、鳩山氏がルーピーなら、オバマはモア・ルーピーと掲載してきました。

昨日の記事のURLを以下に掲載しておきます。まだ、ご覧になっていない方は、是非ご覧になって下さい。
「何も決められない大統領」 イラク混迷、高まるオバマ批判―【私の論評】鳩山よりモア・ルーピーのオバマにより、戦後体制は大きく後退した。世界ではとっくに戦後体制は崩れつつあるのに、日本だけがその枠内に収まり続けようとしてもそれは不可能である(゚д゚)!

オバマは特に外交に関しては、優柔不断であり、それが、現在ではイラク、少し前はウクライナ、シリアの問題をより複雑にしてしまいました。日本の尖閣問題に関しても、オバマの優柔不断は、かなり悪影響を与えています。

鳩山の優柔不断は、日本国内のことが多く、オバマのように世界的スケールのものはあまりありません。そうして、対中関係に関しては、それが正しい、間違いは別にして、ブレがなく一環して中国よりです。

ちなみに、石平氏は上の記事について以下のようなツイートをしています。
鳩山は間抜けで(ルーピー)ではなく、実に卑しい本性の持ち主であり、その本性は全くブレがなく一環しているのです。

そうして、この卑しいブレない本性のため、結局のところ民主党内でも批判があいつぎ、鳩山内閣は崩壊し、現在では議員も辞任しています。だから、上記のようにまるでジョークのような、発言や行動をしても、ほとんど影響はありません。

絶対にブレることなく、中国の下僕鳩山

しかし、オバマは違います。現役の大統領です。オバマ氏は、鳩山のように卑しい本性を持っているのかどうかはわかりません。おそらく、そうではないのだとは思いますしかし、一環性もなくふらふらしていたので、完璧に中国をつけあがらせてまいました。

そういう意味では、鳩山よりも、オバマのほうが罪深いと思います。

アメリカ大統領という地位は、オバマの意図にかかわらず、間違いなく世界に多大な影響を与えます。日本も間違いなく影響をこれからも受けるだろうし、もう尖閣問題などで多大な影響を受けています。



オバマはそのことを理解し、自ら意思決定できないというのなら、他の人に委ねるべきです。それもできないというのであれば、無責任きわまりないと言わざるをえません。

無責任な、アメリカ大統領と筆頭とする、戦後体制には日本にとって全くメリットがありません。戦勝国の弱体化にともない、日本もますます弱体化していくだけです。

であれば、日本は戦後体制から少しずつでも良いから足を洗い、いずれ脱却すべきです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

【関連記事】

「何も決められない大統領」 イラク混迷、高まるオバマ批判―【私の論評】鳩山よりモア・ルーピーのオバマにより、戦後体制は大きく後退した。世界ではとっくに戦後体制は崩れつつあるのに、日本だけがその枠内に収まり続けようとしてもそれは不可能である(゚д゚)!


「オバマ政権は尖閣は日本領と表明せよ」 米紙ウォールストリート・ジャーナルが主張―【私の論評】オバマは尖閣日本領表明によって、自ら頭の中のお花畑の虚構に生きるルーピーではないことを証明せよ(゚д゚)!

日本へ脅迫、見過ごせず…米大統領が中国けん制―【私の論評】米中一体化は習近平の妄想にすぎない!!第二のニクソンショックはないのに日中一体化と騒ぐ日本のマスコミこれいかに(゚д゚)!




2014年6月15日日曜日

「何も決められない大統領」 イラク混迷、高まるオバマ批判―【私の論評】鳩山よりモア・ルーピーのオバマにより、戦後体制は大きく後退した。世界ではとっくに戦後体制は崩れつつあるのに、日本だけがその枠内に収まり続けようとしてもそれは不可能である(゚д゚)!




緊迫するイラク情勢をめぐるオバマ米大統領の対応の遅さと曖昧さに、米国内で批判が高まっており、11月の中間選挙をにらみ野党・共和党は攻撃を強めている。

大統領は13日、ホワイトハウスで、地上部隊を派遣しないこと以外、具体策を何ら示さず、決定まで「数日を要する」と言い残し、ヘリコプターで遊説先のノースダコタ州へ向かった。

共和党のベイナー下院議長は「下院と国防総省は、イラクの情勢悪化をホワイトハウスに警告してきた。だが、何もせず、イスラム過激組織が首都バグダッドへと迫っているときに、大統領は昼寝をしている」と痛烈に批判した。

マケオン下院議員(共和党)は大統領の言葉をとらえ「ホワイトハウスには、何も決められずに、『あらゆる選択肢を検討している』と言う歴史がある」と皮肉った。

マケイン上院議員

マケイン上院議員(同)に至っては、「大統領は国家安全保障チームを一新すべきだ」とし、ライス大統領補佐官(国家安全保障問題担当)や、デンプシー統合参謀本部議長らの辞任を要求。過激派組織の脅威増大は「イラクから米軍が撤退した代償であり、大統領はアフガニスタンでも同じ破滅的な過ちを犯そうとしている」と非難した。

一方、ウォールストリート・ジャーナル紙は「(大統領就任から)5年以上がたち、われわれはこの大統領に指導力、戦略的な望みを期待すべきではないということを知るようになった」と批判している。

【私の論評】鳩山よりモア・ルーピーのオバマにより、戦後体制は大きく後退した。世界ではとっくに戦後体制は崩れつつあるのに、日本だけがその枠内に収まり続けようとしてもそれは不可能である(゚д゚)!

鳩山は、オバマからルーピーと言われたが、オバマはモア・ルーピーだった(゚д゚)!

モア・ルーピー(ルーピーの比較級)オバマは、イラク情勢に対して何らの対策も打っていません。今から考えてみれば、あの普天間の問題もモア・ルーピー・オバマにもかなり責任があったものと思います。

普天間が日米間で問題となった当時は2010年のことであり、オバマは2009年に大統領になってからも日も浅く、たとえ失策をしたとしてもまだあまり目立たなかった頃です。

だから、今から思えば、鳩山のルーピーぶりが目立ってしまい、オバマのモア・ルーピーぶりは目立たなかっただけかもしれません。

あの時、もしモア・ルーピー・オバマがアメリカの意図をはっきりさせて、ルーピー鳩山に迫り、具体的な制裁措置でもちらつかせていたら、日本の当時の民主党政権も大騒ぎとなり、何らかのまともな回答をすることになったことでしょう。

考えてみれば、あの馬鹿民主党政権は、結局大きなことは何も決められず、官僚主導の事業仕分けなどやってみせただけで、3年間何もせずに漂流していたようなどうしようもない弱体政権でした。

オバマは、このような弱体政権に対して、沖縄の海兵隊の重要性を認識させて、普天間基地の沖縄県内移設などを承諾させることもできなかったということです。当時から、口で言うだけで、実効性のともなう行動などできていなかったのです。"Yes, we can."で世界は動きません。

オバマは、この問題に対しても、言葉だけの煮え切らない態度を示したため、結局は鳩山内閣の退陣ということで幕引きが行なわれ、未だに曖昧になったままです。この曖昧さは、鳩山だけの責任どころか、オバマに大きな責任があります。

ルーピー鳩山と、モア・ルーピーオバマ

オバマがうまいのは、リップサービスだけで、それも取り巻きがうまくやっていたのであり、結局まともな意思決定ができないか、先延ばしする癖が就任当初からあったのだと思います。それを危惧するような声もありましたが、当時はオバマのあの口のうまさ、初の黒人大統領等という新鮮さにのせられて、このような危惧の声は圧殺されました。

このままでは、イラク問題も相当複雑化するかもしれません。ここでは、詳細は述べませんが、シリアの問題も、ウクライナの問題もオバマの優柔不断な態度で複雑化しました。

そうして、これは、日本国内ではあまり関係ないように思われている、尖閣問題もそうです。このブログでも何度か論評したように、尖閣問題に関しては、オバマがはやい時期に、「尖閣は日本固有の領土であり、日中間に領土問題は存在しない」という見解を出していれば、尖閣における中国の示威行動はなかったかもしれません。

しかし、これを疎かにしたため、あの様です。中国にとっては、ソ連が崩壊して脅威が取り除かれ、アメリカもオバマにより実質的に弱体化したため、これは中国の覇権を拡大するための、絶好の機会であると捉えているに違いありません。

中国としては、東シナ海や、南シナ海などで、示威行動をいろいろやってみては、オバマの対応ぶりをみて、オバマには決断できないことを確認して、いろいろ実施しているのだと思います。

そうして、南シナ海では結局周りに弱小国しかないので、より過激な行動に出ているのだと思います。

尖閣に関しては、日本の海上自衛隊の実力を知っているだけに、未だ示威行動の範囲から逸脱することができないため、手を変え品を変え様々な示威行動を繰り返して本格的な衝突をさけているのだと思います。

これについては、このブログにも掲載したことがありますが、最近青山繁晴氏がこれについて述べている動画を発見しましたので、以下にそれを掲載します。



上の動画をご覧いただけば、ご理解いただけるように、中国海軍は海上自衛隊の敵ではありません。上の説明に一部捕捉しておくと、日本の自衛隊の対潜哨戒能力(敵潜水艦の位置を把握する能力)は、冷戦時代のソ連潜水艦に備えるためにその能力を向上させたため、世界一ともいわれています。

日本と、中国が地続きなっているとか、日本が中国本土に攻め込むということにでもなれば、いれ話は別ですが、海軍力が徹底的に劣っている中国が本格的に日本の海上自衛隊と対峙することにでもなれば、手も足も出ません。

あっという間に、中国艦船は海の藻屑として消えてしまいます。だから、中国としては日本と本格的に対峙するということはできません。だから、尖閣問題は今ところは、中国の示威行動の繰り返しの粋を超えないものと考えられます。

これは事実です。しかし、長期的・戦略的に物事を考えれば話は違ってきます。

何よりも、気になるのは、シリア、ウクライナを複雑化させ、イラク問題も複雑化させそうな状況にあるモア・ルーピー・オバマの煮え切らない態度です。

中国海軍は、お粗末で手も足も出ないとはいいながら、中国は核兵器を持っていて、中国の核弾頭は日本を狙っているということを忘れるべきではありません。

これに関しては、以下のツイートを御覧ください。
オバマの優柔不断は、ひよっとすれば、11月の中間選挙で、民主党が惨敗して、共和党の勢力が増せば一時的には何とかなるかもしれません。しかし、任期中にはオバマの優柔不断が、中国を始めとする妄想暴走集団を勢いづけるかもしれません。

このことは、昨日も掲載したばかりです。昨日の記事を読んでいない方は、以下にURLを掲載していますので、是非ご覧になって下さい。


詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部分だけコピペさせていただきます。

まさに、中国は、上の記事で河添さんが語っている、「 欧米戦勝国が第2次世界大戦後に決めた世界地図やルールをリセットさせ、自国に都合のいい“オレ様流”に塗り替えていこうと必死」なのです。 
こんな横暴は許しておくわけにはいきません。ご存知のように、日本は戦後体制の中に組み込まれ、その体制はアメリカの属国といっても良い状態です。 
戦後体制や、属国であるという立場を認めたとしても、今のアメリカのオバマの煮え切らない態度は許容できるものではありません。確かに、自分の国を属国であると考えるのは嫌なことです。しかし、属国になるには、属国となるメリットがあるから属国になるわけです。 
それは最低限、属国の宗主国は、属国が他国の侵略を受けたら守るとか、侵略を受けそうになったら、毅然とした態度で侵略国家に対して臨むという義務を果たさなければなりません。 
しかし、オバマは戦後体制を破綻させようとする中国の妄想暴走に煮え切らない態度をとり続けています。オバマは、米国の戦後利得を守ろうという気がないのかもしれません。戦後体制を守らないというのなら、戦後体制に飲み込まれた日本も、戦後体制から離脱するしかありません。 
宗主国が義務を果たさないというのであれば、属国になっている意味がありません。
日本としては、いつまでもオバマが煮え切らない態度をとりつづけるというのなら、属国の地位から独立の道を勝ち取るしかありません。
また、アメリカ自体が長期的には凋落傾向にあります。そうなれば、アメリカを含む、第二次世界大戦後の戦勝国による枠組みである、戦後体制(戦後レジーム)は崩壊するかもしれません。この崩壊は、日本にとっては大きな危機です。なぜなら、日本は未だに戦後体制の枠組みから一歩も出られないとんでもない状態にあるからです。

戦後体制がいつまでも続き、日本はその体制内にあれば、安全と思いこむのは危険です。

これは、昨日も述べたことですが、この論評の内容をさらに裏付けるようなオバマのイラク情勢に対する優柔不断な態度が報道されたので、昨日の論評の結果をさらに強化する意味合いで、本日はこの話題を提供させていただきました。

日本はいつまでも戦後体制というぬるま湯には浸ってはいられなく(゚д゚)!

いずれにせよ、戦後体制からいつまでも脱却できない日本は、戦後体制が崩れたら、とてつもない危機に見舞われることははっきりしています。

戦後体制は、日本国内だけでは、強固で崩せないように見られているようです。しかし、モア・ルーピーのオバマにより、戦後体制は大きく後退させられました。

第二次世界大戦が終了してから70年近くにもなります。戦後体制がこれからも続くなどとはとても考えられません。あの頃から比べれば、多くの戦勝国が弱体化しています。弱体化した戦勝国の体制がいつまでも維持できると考えるのは間違いです。

未だに戦後体制下どっぷりと浸かっている日本は、この体制が崩れた後のことを考え今からしっかり準備を怠るべきでありません。安部総理はその準備を着々と進めています。白痴議員や、マスコミ、似非識者どもは準備をすすめるどころか、戦後体制は絶対に崩壊しないと思い込んでいます。

確かに、そうかもしれません。特に高齢の人たちにとっては・・・・・。しかし、これからの若い人々にとってはそうではありません。彼らの生きているうちには必ず崩壊するものと考えておくべきでしよう。日本でも幕藩体制は盤石であり、容易に崩れないと思われたものがあっさりと崩れました。

世界では戦後体制は崩れつつあるのに、日本だけがその体制に収まり続けようとしてもそれは不可能です。戦後体制がいずれ崩れるにも関わらず、日本国内だけが、その体制にあると思い込み、そのまま放置したとすれば、日本は崩壊します。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

【関連記事】


「オバマ政権は尖閣は日本領と表明せよ」 米紙ウォールストリート・ジャーナルが主張―【私の論評】オバマは尖閣日本領表明によって、自ら頭の中のお花畑の虚構に生きるルーピーではないことを証明せよ(゚д゚)!

日本へ脅迫、見過ごせず…米大統領が中国けん制―【私の論評】米中一体化は習近平の妄想にすぎない!!第二のニクソンショックはないのに日中一体化と騒ぐ日本のマスコミこれいかに(゚д゚)!





【関連図書】

リー・クアンユー、世界を語る1 中国の野心と戦略とは?
サンマーク出版 (2013-09-17)
売り上げランキング: 14,937



週刊ニューズウィーク日本版 2014年 3/4号 [雑誌]
阪急コミュニケーションズ (2014-02-25)
売り上げランキング: 216


嘘だらけの日米近現代史 (扶桑社新書)
扶桑社 (2012-11-02)
売り上げランキング: 5,808

米国とサウジ、歴史的な協定へ合意に近づく-中東情勢を一変も―【私の論評】トランプの地ならしで進んだ中東和平プロセスの新展開

米国とサウジ、歴史的な協定へ合意に近づく-中東情勢を一変も まとめ 計画にはイスラエルをハマスとの戦争終結へと促す内容も 合意に達すれば、サウジによる米国の最新兵器入手に道開く可能性 サウジのムハンマド皇太子とバイデン米大統領(2022年7月)  米国とサウジアラビアは、サウジに...