2016年4月20日水曜日

【熊本地震】一部メディアのオスプレイ叩きに被災者から批判の声 「露骨な政治的パフォーマンスでは…」―【私の論評】中国ですら愛想をつかすメディアのオスプレイ批判報道(゚д゚)!

【熊本地震】一部メディアのオスプレイ叩きに被災者から批判の声 「露骨な政治的パフォーマンスでは…」
ひゅうが艦上でオスプレイに生活支援物資を積み込み、被災地に空輸した(海上自衛隊提供)
   熊本地震で、輸送支援に当たっている在日米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの活動を、複数の日本メディアが批判的に報じたことに、被災者から怒りの声が上がった。「政治利用」や「パフォーマンス」などと断じる記事こそ、イデオロギーを背景とした政治利用ではないかという憤りだ。

  「今日の新聞を見て、本当に腹が立った。われわれ被災者が怒っているということを、知ってもらいたい。自分たちこそ『露骨な政治的パフォーマンス』をしているのではないか!」

  19日、熊本県甲佐町の団体職員、北川和彦氏(63)は、配達された地元紙を手に声を震わせた。

  記事は共同通信が配信した「『露骨すぎ』身内も批判、同盟PR、安全性宣伝か」との記事だ。「オスプレイの安全性に対する根強い懸念の払拭につなげたいとの思惑が透けてみえる」などとオスプレイの活動を批判的に報じている。

海上自衛隊のひゅうがに着艦する米海兵隊のオスプレイ(海上自衛隊提供)
  これだけではない。朝日新聞は「必要性 疑問の声」「『政治的な効果』」などの文言を小見出し(文中の見出し)に取り、「今回の救援活動に必要なのか」「災害派遣での実績作りを急いだ」と報じた。毎日新聞もインターネットサイトで「オスプレイ物資搬送 『政治利用』の声も」との見出しで伝えた。

  オスプレイは、ヘリコプターが持つ垂直離着陸やホバリング(空中停止)機能と、固定翼機の速度や長い航続距離といった双方の長所を併せ持つ。道路網が寸断されたなかでの支援活動には大きな力を発揮する。

  そうした利点に目をつぶった記事に、批判が噴出した。

  自民党の長尾敬衆院議員は自身のツイッターで「正直言ってとんでもない記事です。朝日新聞の皆さん、オスプレイの活躍を見て、実績作りだなどと感ずるのは御社だけですよ。本当にお気の毒ですし、そのイデオロギー論争に一般国民を巻き込まないでください」と断じた。

  批判は野党側からも出た。

  熊本県議の浜田大造氏=民進・県民クラブ=は「性能のよいものが支援することはよいことだ。オスプレイは米軍の最新鋭の飛行機で、飛行実績を重ね、信頼を得ていくことも理解できる。中国への抑止力確保の点からも重要だ。共産党などは反対するかもしれないが、このような非常時にとやかく言う人の方がおかしい」と語った。

  そもそも、日米同盟がある以上、被災地支援に利用できる米軍の航空機を使用するのは当たり前で、政治的な判断を必要とするのも当然だ。オスプレイ投入を政治利用と腐し、自衛隊の存在そのものに否定的な勢力の論法だと、自衛隊の災害派遣も、自衛隊を正当化する政治利用だということになりはしないか。



  これまでもオスプレイは沖縄県の普天間飛行場への配備時など、執拗な批判にさらされてきた。しかし、物資輸送をはじめ、災害発生間もない被災地のさまざまな需要に応じるため、オスプレイを活用しない理由はない。主力輸送ヘリCH46と比べ、速度は約2倍、航続距離は約4倍で、積載量も約3倍といずれの性能も上回るからだ。

  救援活動での活躍は、ことさらオスプレイの危険性を強調し、過剰ともいえる議論をリードしてきた一部メディアにとっては“不都合な真実”になりかねない。しかし、露骨な反対運動のアピールは、逆に被災者や関係者の怒りや失望を買うだけではないか。(九州総局 中村雅和)

【私の論評】中国ですら愛想をつかすメディアのオスプレイ批判報道(゚д゚)!

下の動画は、2013年に護衛艦「ひゅうが」にオスプレイが着艦・格納テストを行った時の模様です。この時から、訓練をしているので、今回もスムーズに着艦できたのだと思います。

いざというときの準備ということで、この準備が今回本当に役に立っていると思います。このように、普段から危機に対応して様々な訓練などをしておくことは、本当に重要なことです。



さて、ブログ冒頭の記事、本当に忸怩たる思いがします。まさに、複数のメディアによる心ない報道は、被災者の気持ちを踏みにじる酷いものでした。

このメディアの報道の酷さは、どの程度のものなのか、以下にそれを示すツイートを掲載しておきます。これは、孫向文氏のものです。孫向文氏は、自身のツイッターのプロフィールによれば、「漫画家。在日中国人一世。月刊漫画誌『本当にあった愉快な話』(竹書房) にて「日本に潜む!!中国の危ない話」連載中。最新刊単行本「中国人が見た ここが変だよ日本人」(青林堂)好評発売中!」という人物です。
従来から中国はオスプレイの配備には絶対反対立場をとってきています。これに関してはここでは、詳細は説明しません。以下にリンクを掲載しますので、その記事をご覧にななってください。
さて、その中国ですが、熊本地震において救援活動にオスプレイが活躍し、多くの日本国民に受けいられ、沖縄の米軍以外にも、日本の自衛隊が配備するようになれば、尖閣や沖縄の防衛がますます強化されることになり、尖閣の領有権を主張する自分たちにとっては、非常に都合の悪いことになります。

しかし、中国が日本国内のオスプレイに関して、批判をするということになれば、さすがにどうみても内政干渉であり、日本政府は、もとより世界中から非難を浴びることは明らかなので、正面切ってこれを批判することはできません。

これは、自ら実施するのではなく、自らには直接関係のない第三者などにやってもらえれば、中国にとっては非常に都合が良いわけです。

そうして、それを実行したのが、共同通信であり、朝日新聞だということです。他にもオスプレイに対する批判をするメディアなどいくつかありますが、これもすべて中国に利するものです。

これは、中国から日本国内に数万人はいるという中国スパイを通じて働きかけがあったかもしれませんが、確かめようがないので、何ともいえません。しかし、働きかけがあろうが、なかろうが、中国を利することになるのは同じです。

共同通信や、朝日新聞の他にも、毎日新聞が、琉球新報のオスプレイ批判の記事を掲載していました。その記事を以下に引用します。
2016年4月19日 
 熊本地震の災害支援で米軍普天間飛行場のオスプレイ4機が派遣されたことについて、県内からは「政治的意図を感じる」との声が上がっている。 
 東村高江の田丸正幸さん(47)は「災害支援という形だが、単なるオスプレイのPRだ。自衛隊で十分で、米軍を向かわせる必要を全く感じない」と話した。宜野湾市野嵩に住む40代の女性は「米軍が震災の支援をしてくれること自体はうれしいが、やはり安全面などに不安が残る」と複雑な思いを語った。 
 名護市辺野古の新基地建設に反対する抗議船の船長、桑代孝朗さん(43)は「熊本の被災地は陸の孤島ではないのに、オスプレイが出動する必要があるのか」と疑問視した。 
 オスプレイ配備反対の県民大会で共同代表を務めた照屋義実県政策参与は「別の支援方法もある中で、いきなりオスプレイを持ってくるところに、国民感情を和らげたいという政治的意図を感じた」と指摘した。
(琉球新報)
オスプレの特徴や、性能などに関しては、このブログにはつい最近掲載したばかりです。その記事のリンクを以下に掲載します。
【熊本地震】オスプレイ、災害支援に初参加へ 補正予算の編成も―【私の論評】中国とパヨクに嫌われることこそ、我が国の正しい道である(゚д゚)!
輸送支援を行う米軍のオスプレイから物資を運ぶ自衛隊員ら =18日午後、熊本県南阿蘇村
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事ではオスプレイの特徴や、ヘリコプターと比較しての、それぞれの長所や短所も掲載しました。従来からあるヘリコプターと、オスプレイは似ているところもありますが、全く別ものです。

従来なかった性能や特徴を持つ、オスプレイは従来のヘリコプターにはできなかったことができます。一番は、長距離輸送です。足が長いということは、大きな利点です。そうして、実際に使うことにより、オスプレイを使うときのノウハウが増えることになります。

それを真っ向から批判する連中は、やはり中国の味方しているとしか、受け取りようがありません。

この記事を掲載したのは、18日です。琉球新報の記事を掲載した毎日新聞の記事は19日のものです。朝日新聞の批判記事は、18日に掲載(web版)されました。共同通信の批判記事に関しては、今日サイトを探してみましたが、見当たりません。

いずれにせよ、このブログ記事を掲載したときには、これら新聞などのオスプレイに対する批判記事など読んではいませんでした。しかし、当然のことながら、メデイアはオスプレイ批判をするだろとうということで、このブログ記事のタイトルを「中国とパヨクに嫌われることこそ、我が国の正しい道である(゚д゚)!」にしました。

このタイトル通りやはり、パヨクである共同通信、朝日新聞、毎日新聞、琉金新報など、批判報道をしました。しかも、今のタイミングでの批判です。

これは、本当にわかりやすいです。結局中国に利するということで一致しています。わかりやすいというか、あまりにあからさまです。

もう少し時期をずらして、ある程度熊本の地震が落ち着いた後などにこのような報道をすれば、まだ多くの人に受け入れられたかもしれません。


やり方が、あまりに稚拙です。誰の目からみても、中国を利する政治的メッセージということは明らかです。中国自体も、この時期にオスプレイ批判をしないのは、あまりにもあからさまであり、自分たちがオスプレイを恐れていることが暴露されてしまい、そうなれば、さらにオスプレイの自衛隊への配備を促進してしまい、自分たちにとっては、都合が悪い考えて、批判を避けているというのに、日本のメディアはこのような報道をしているわけです。

いずれ朝日、読売、共同通信など、あまりに稚拙な報道ということで、中国共産党から大目玉を喰うのではないでしょうか。中国側からすれば、こうした報道は被災地の人々から反発を買い、他の多くの国民も憤りを感じ、かえってオスプレイの日本への導入を促進してしまうかもしれないと危惧の念を抱いていることでしょう。

やはり、オスプレイは日本の自衛隊にも導入して、徹底的に中国が嫌がることをすべきです。そうすることが、我が国の正しい道であることです。そのことに、さらに確信を持つことができました。

そうして、何よりも、被災地の人がどう思っているのか確認する必要がありますが、産経新聞には、以下のようなことが掲載されていました。

"
(オスプレイの)救援物資を受け取った南阿蘇村白水保健センターの運営スタッフ、高宮里美さん(43)は「水分不足で体調を崩し救急搬送された高齢者もおり、トイレの支援はありがたい」と話した。
"
これが被災地の人々を代表的な考えだと思います。救助物資を運んだのが、たまたまオスプレイだったというだけのことであり、わざわざ救援物資を運んできた、オスプレイに批判するなどおよびもつかないことでしょう。これに対して、批判する人がいれば、違和感を感じるだけでしょう。

19日、一部路線で運行を始めた熊本市内の路面電車
そんなことは、中国共産党の幹部だって、先刻承知です。だから、四川大地震などのときにも、胡錦濤が現地にいち早く駆けつけたのです。中国としても、オスプレイの自衛隊配備などを一時でも遅らせるためには、熊本震災の救援活動とオスプレイ批判とは、分けて報道してもらいたいと思っているのではないでしょうか。

このような非常事態のときに、オスプレイなどに対して政治的な批判などすれば、被災地の人々などに反感を買うことはわかりきっています。そんなことすら、認識できなくなった日本のメディアには、そのうち中国ですら愛想をつかす日が必ずやってくることでしょう。

中国にとっても、役にたたないメディアは、無用の長物です。中国としては、日本のメディアには、中国の良いイメージを報道させたいことでしょう。パンダなど日本に貸与するのは、そのような意味あいもあります。

今のだらしのない、日本の大手新聞などのメデイアには、そのうち中国も愛想をつかし、別なメディアを開拓したり探したりすることになるのではないかと思います。そのようなことをするため、中国ではレコードチャイナ日本語版などがつくられているのだと思います。

今日は、レコードチャイナも見てみましたが、本日は、このブログでも掲載した"「食料手に入りにくい」弁当の写真をツイッターにアップした日本の記者に批判が集まった"ことに関する記事はありましたが、オスプレイ批判の記事などありませんでした。

今のままでは、日本の大手新聞など、日本にとっても、中国にとっても、無用の長物になりそうです。

我が国としては、今は一日も早く熊本・大分が復興することに全力を尽くすとともに、このような時に、民主党政権の時の東日本大震災の時に、領海、領空侵犯を頻繁に繰り返した中国やロシアなどに隙を与えることなく、国の守りも一層強固にしてつけ入る隙を与えるべきではありません。

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2016年4月19日火曜日

【熊本地震】「食料最低限なのに…」MBS山中アナ、取材用弁当写真をツイッターに上げ批判続出 「配慮欠けた」謝罪―【私の論評】自己満足だけで、被災地に支援物資を送ったり赴く「意識高い系」にはウンザリ(゚д゚)!

【熊本地震】「食料最低限なのに…」MBS山中アナ、取材用弁当写真をツイッターに上げ批判続出 「配慮欠けた」謝罪





熊本地震を取材していた毎日放送(MBS、大阪市)の山中真アナウンサー(39)が、取材用弁当の写真を自身のツイッターに投稿し、相次いで批判を受けていたことが19日、わかった。同アナはすでに「配慮に欠けた行為」と謝罪し、写真などを削除した。

■山中アナ「やっと1食目…手に入りにくい」、ネット上「なら持参しろ」

同局などによると、山中アナは「前震」発生翌日の15日から熊本に入り、精力的に取材。同日放送の生ワイド番組「ちちんぷいぷい」などで報告した。

問題となったツイートは16日夜に投稿された。揚げ物などが入った弁当の写真とともに、〈やっと今日の1食目。食料なかなか手に入りにくいです〉とのつぶやきを書き込んだ。

この直後、ツイッター上には〈食料飲料が最低限なのに〉〈あなた以上に現地の方は食料を求めているでしょうに〉〈食糧持参しろよ〉といった趣旨の反応が相次いだという。

山中アナはその後も、ラーメンを食べる予定などを投稿したが、18日夜になって、〈被災者のみなさんに不快な思いをさせてしまいました。配慮に欠けた行為で申し訳ありませんでした〉と謝罪し、写真など一連の投稿を削除した。

弁当は同局取材班が購入したもので、被災者に支給予定だったものを横取りした-などとする指摘は否定したものの、「被災者の方々に対して配慮を欠いた行為で、おわびするしかない」(広報)とし、詳しい経緯を調べている。

熊本地震の取材をめぐっては、関西テレビ(大阪市)の中継車がガソリン給油の行列に横入りしたとして非難を浴びたばかり。

【私の論評】自己満足だけで、被災地に支援物資を送ったり赴く「意識高い系」にはウンザリ(゚д゚)!

関西のテレビ局が行った被災地での取材時における不祥事に関するニュース以下に2つをあげておきます。

■カンテレ謝罪、地震取材車ガソリンスタンド割り込み(日刊スポーツ)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160419-00000015-nksports-ent

■MBS山中アナ、取材用弁当写真をツイッターに上げ批判続出 「配慮欠けた」と謝罪(産経新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160419-00000545-san-soci

カンテレの列の割り込みは確かに褒められたことではありません。謝罪を行っていることから事実であったと想定されます。これは確かに良くないことと思います。

益城町役場前に避難した人々に6強の余震が襲った =15日午前0時3分、熊本県益城町
しかし、MBSの山中アナの件に関しては、ニュースを読んだ限りでは多少可哀想な気がしなくもありません。取材で丸1日頑張って、夜中になってやっとお弁当にありつけた。彼は、そんな過酷な取材現場の状況を伝えようとしたのでしょう。それによって、現地の状況を伝えようとしたのでしょう。しかも、それはテレビ報道でもなく、新聞でもなく、MBSの公式ツイートでもありません。あくまで、山中真氏の個人ツイートです。

ただし、記事を見ているだけでは、どのような状況であったのかが良くわからず、何ともいえない部分もあります。

たとえば、取材に行ったとしても、何人のクルーで行ったのかとか、どのようなルートで、どのような方法で現地に行ったのかなどの情報がないので何とも言えません。

多人数で現地まで、多少大きめの車両で行ったとしたならば、食糧品・飲料なども携行すべきだったと思います。人数が多ければ、確かに何人か現場に滞在しただけでも、相当の食料・飲料を消費することになるのは、最初からわかることです。

そうでないとしても、食糧品や飲料も携行させないで現地に取材に行かせて、現地で飲料・食料を調達させるような出張のさせかたをしたというのなら、これは非常に問題です。そもそも、これでは、クルーを生命の危険に晒すことにもつながります。これは、山中真アナウンサー一人の問題ではなく、そのような形で出張に行かせた責任者にも問題があります。

現地では、食糧品や水がなかなか入手できないということは十分予想できたはずですから、当然のことながら、数日分の食料・飲料を持たせた上で、現地に赴かせるべきだったでしょう。かなり多めに飲料・食糧など携行させ、現地の本当に困っている人たちに分けてあげることなどができれば、ベストだったと思います。

しかし、MBSを含めマスコミは、そのようなことには無頓着なようです。以下のようなツイートがありました。


それにしても、この取材クルーの送り方は、自衛隊などのやり方と比較すると対照的です。さすがに自衛隊は、そのあたりは上のほうから厳しく命令されているせいか、しっかりしています。

私の記憶では、東日本大震災のときにも、現地に赴いた自衛隊員は、現地で温かい食べ物を炊き出していながら、自分たちはそれを食べずに、大型車両やテントの中で、冷たい缶詰の携行食料を食べていました。その様子を見た取材陣が、「そのようなものだけいいのですか?」と質問をされると、質問された自衛隊員は「自分たちはこれで良いのです、温かい食事は被災者の方々のためのものです」と語っていました。このような、自衛隊のやり方は、おそらく熊本の震災救援活動でも踏襲されていることでしょう。

東日本震災時 被災地で携行食料の缶詰を黙々と食べる自衛隊員たち
私自身は、そこまでする必要があるのかと思うほどでした。ただし、自衛隊といういわば自己完結型の軍隊組織と、テレビ局の取材クルーを同次元で比較すること自体が最初から間違いなのかもしれませんが、やはり現地に赴かせる側としては、食糧・水などある程度は携行させるべきだったでしょう。このあたりは譲れないところです。

さて、このアナウンサーは無頓着に、現地で調達をした食事の写真をツイッターに掲載して、炎上してしまいました。このツイッターに対して、返信した人たちはどのような人なのでしょう。

被災地のはるか遠くから、テレビを見ながらマスコミ批判をしていれば満足する下品な輩もいるかもしれませんが、そうでない人もいることでしょう。

実際、ツイッターを見ていると、被災地の人々の苛立ちのツイートが散見されます。以下にいくつかあげておきます。

このようなツイートは結構多く、内容などから確実に被災地の人のものであるとわかるものもあります。

さらに、交通渋滞に関して以下のようなツイートもあります。


さらに、あまりの交通渋滞の酷さに、道路の混み具合を示した写真付きで、はっきりと、個人のボランティアは、はた迷惑というツイートをしている被災地の人もいました。

さてマスコミに限らず、一般人でも善意で被災地のために何かをやろうとして、その結果として現地の人に迷惑をかけたり、二次災害に繋がることもあるようです。

それに関して、いくつかの記事を読んだので、その内容を以下に簡単にまとめておきます。

まず基本的なことですが、第二の災害を生むのは「間違った善意」であるということです。この場合の「間違った」とは、現地ニーズを把握していない、あるいは勘違いしているという意味ですが、「いまだから言える『要らなかった支援物資』 - 東日本大震災【第二の災害】」というまとめサイトでは、「不要なもの一覧」として以下のものが挙げられています。ネットには他にも東日本大震災のときに送られて不要だったもの、というか(ハッキリ言って)迷惑だったものがリストアップされていますが、どこの情報も概ね同じです。

以下、引用(「いまだから言える『要らなかった支援物資』 - 東日本大震災【第二の災害】」より)
◎不要なもの一覧
1、千羽鶴・応援メッセージや寄せ書き
2、成分表が読めない海外食品(アレルギー成分がわからないため)
3、冷凍食品(冷蔵庫が使えないため)
4、保存食以外の食料(缶詰・瓶詰・カップ麺も賞味期限が切れたものは不安)
5、古すぎる古着・洗濯していない毛布・布団・下着など
6、自分で食料などを確保できないボランティア
今回の熊本地震に関しては、いまだ「緊急支援の段階」なので、必要とされるモノも比較的分かりやすいです。熊本市のウェブサイトにも「必要とされるもの」リストが掲載されています。

以下、引用(「熊本市ウェブサイト」より)
【必要物資】
長期の避難生活に必要なもの
・飲料水
・アルファー米(断水のため炊飯ができません)
・カップめんなど保存ができる食料品
・ウェットティッシュ
・おしりふき
・生理用品
・紙おむつ(大人用、子ども用)
・トレットペーパー
・粉ミルク
など
※なお、配送に時間がかかる場合がありますので、生ものや傷みやすいものはご遠慮ください。
当面はこれらの物資を送っておけば、間違いはありません。しかし、それで万全というワケでもありません。単純にこれらを送れば良いと思い、個人で郵便局や宅配業者を用いて、発送するととんでもないことになってしまうこともあります。

善意の支援物資が被災地の負担になる場合も…(画像は記事とは無関係です)
千羽鶴や応援メッセージ、汚れた古着や使用済みの毛布など、被災地に届いても「処分」するしかない品々もあります。95年の阪神淡路大震災の際には、こうした「使用できない救援物資」の処分で、被災した自治体が2800万円の費用を投じたケースもあります。

熊本、大分両県で20万人近い避難者が発生した今回の地震。2016年4月17日から翌18日にかけ、各メディアの報道では、熊本市内にある避難所での「救援物資不足」が伝えられています。こうした状況を受け、救援物資を被災地へ送ろうと呼びかける動きがネット上でも加速しています。

こうした状況の中、ツイッターには「#被災地いらなかった物リスト」とのハッシュタグが登場。東日本大震災を経験したという複数のユーザーが、「千羽鶴・寄せ書き」や「古着」、「生鮮食品」といった品々を挙げ、「送らない方がいい」と呼びかけています。

実際、今回の地震を受けて福岡市が呼び掛けた支援物資提供の協力依頼でも、受け入れ品をペットボトルの水や未使用のタオル・毛布の6種類に限定。福岡市コミュニティ推進課は「指定した以外の物品をお持ちになられる方もいるのですが、お断りしているのが現状です」としています。

それだけでなく、個人が被災地に救援物資を送ること自体が「被災地にとっては『ありがた迷惑』となる可能性がある」と指摘する声も出ています。ツイッターやネット掲示板などを見ると、
「お願いだから、むやみやたらに救援物資を送らないで...」
「一時的な感情で小口の物資を送っても被災地の負担とゴミを増やすだけ」
「救援物資を個人で送っても現状は届けられない、被災地の負担にしかならない」
との声が複数見られます。こうした意見の背景には、過剰に集まった支援物資が被災地の「負担」になってしまった事例があります。

熊本地方などを襲った大地震による道路被害をうけ、ヤマト運輸、日本郵便が熊本県宛て荷物の集荷、配達を一時中止しました。しかし、今なお全国各地の宅配便営業所、郵便局に支援物資を持ちこむ人は絶えないそうです。

そんな「善意の人」が、窓口職員といざこざを起こした事例も報告されています。少しでも被災者の力になりたいという人々の思いが空回りする様子が浮かび上がってきました。

ヤマト運輸では16日より熊本宛の荷物の集荷、配達を一時中止している
「ご納得いただけないお客様もいらっしゃるようで...」ヤマト運輸の広報担当者はメディアの取材にこう話したそうです。同社は 16日より、熊本県宛ての荷物の集荷、配達を一時的に中止しています。18日17時30分現在、各営業所では支援物資含むすべての荷物の受け取りを断っている状況です。
しかし、そうした事情を知らない人は多いようです。営業所に支援物資を持ち込み、職員に「受け取れない」と言われると憤慨。職員といざこざになってしまう例が本部に報告されている、というのです。
真偽は確認できませんが、ツイッター上でも16日、「ヤマト運輸で働いてる友達が困ってます&悲しんでます。熊本宛ての支援物資を持った人が営業所にどんどんやってきてるそうです。荷受けを断られ『善意を踏みにじられた』と従業員に心無い言葉を浴びせて帰っていく人もいるそうです」
との投稿があり、18日17時30分現在までに2万5000回以上リツイート(拡散)されました。
この投稿に対し、
「頭を使って欲しかった」 
「物事はよく考えることが大事」
 と独りよがりの「善意」を諌める声が上がっています。


消防防災科学センターの公式サイトに掲載された「救援物資は被災地を襲う第二の災害である」と題された資料では、「救援物資は被災地にはありがたいもの」としつつも、救援物資が被災地に与える「悪影響」について具体例を用いて紹介しています。

95年の阪神淡路大震災では、約43万個に及ぶ「個別包装」の救援物資が神戸市に届きました。震災に伴う交通網の乱れから、市は24時間体制での対応を余儀なくされたほか、膨大な物資の仕分けや配布に多くの人手を割く必要が出てしまいました。また、西宮市では使用できない支援物資の処分に2800万円の費用を投じることになりました。

04年の新潟県中越地震では、被害の大きかった小千谷の市役所に地震発生の当日夜から物資が届き始めました。余震の可能性が高い状況の中、「市役所周辺の道路は荷降ろしを待つトラックで大渋滞」となったほか、積み重なった荷物が「職員の通行にも支障をきたすまで」溜りました。市役所職員は、その対応で一睡もできなかったそうです。

こうした過去の事例を踏まえ、現在では過剰な支援物資による「第二の災害」を防ぐための呼びかけを行う動きも出ています。被災地支援を行うNPO法人「レスキューストックヤード」は、救援物資を送る際のマニュアルをネット上で配布。それによると、
「個人の物資支援は、被災地の自治体職員に一層の負担を強いる」
「報道を通じての支援呼びかけはタイムラグがあるため、時期を逸した救援物資が届くことも多く、不良在庫を生み出してしまう」
「物資よりはお金を送るべき」
などといった情報がまとめられています。同団体の公式サイトでは、どうしても被災地へ支援物資を送りたい場合、個人で被災地へ送ることは避け、ボランティア団体などが呼び掛ける支援物資募集を利用することを薦めています。

以下に、一般の人が熊本などの被災地に支援をするときの留意点をまとめておきます

(1)小口で個人の支援物資を送ることは、なるべく避けること。ただし、親戚や知人の人が被災地にいて、宅急便などが使えて、その人が要望したような場合はその限りではありません。

(2)物資よりはお金を送るべき。被災地の人たちの今後の支援を考えれば、最も有効な救援は物資ではなく義援金となります。支援物資は、いくら善意で送ったにしても、被災地の人たちのその時々のニーズやウォンツにあわないこともあります、お金は邪魔になることはありません。日本赤十字社の義援金口座なら、ゆうちょ銀行の窓口から送金すれば手数料なしで全額を被災都道府県に送ることができます(ATMの場合は振込手数料がかかる)。
日本赤十字社は「平成28年熊本地震災害義援金」の受付を2016年4月15日から開始しました。義援金は全額被災者に届けられ、生活再建に充てられます。 
寄付は以下の方法で受け付けています。 
1.郵便振替(ゆうちょ銀行・郵便局)。口座記号番号は00130-4-265072、口座加入者名は「日赤平成28年熊本地震災害義援金」。 
2.銀行振り込み。金融機関は、三井住友銀行すずらん支店(普通預金「2787530」)、三菱東京UFJ銀行やまびこ支店(普通預金「2105525」)、みずほ銀行クヌギ支店(普通預金「0620308」)。口座名義はいずれも「日本赤十字社」。 
3.熊本県支部。金融機関は、肥後銀行三郎支店(普通預金「591893」)、熊本銀行日赤通支店(普通預金「3087071」)。口座名義はいずれも「日本赤十字社熊本県支部 支部長 蒲島郁夫(カバシマイクオ)」。
2016年6月30日まで義援金の受け付けをしています。
(3)物資を送る場合は、行政の窓口、その他のNPOなどの(ex.レスキュー・ストックヤード)窓口を利用することとし、その窓口の指定する通りの方法で提供します。

(4)被災地にボランティアに赴くときは、個人で行くのではなく、被災地支援に定評のあるNGO(ex.ガールズパワー)やNPO等に連絡してその一員として赴く。被災地に知り合い、親戚などがいて、その要請に基づき行くならその限りではありませんが、もし行くなら、必ず数日分の食糧・飲料水を携行してください。

支援するなら、以上の留意点に注意して、その時々の被災地の人たちのニーズやウォンツを満たすように行動できるようにすべきです。

くれぐれも、自己満足だけで、被災地の人たちに嫌われるような行動だけはつつしんでいただきたいものです。自己満足だけで、被災地に支援物資を送ったり赴くような人は、現代風に言えば「意識高い系」として非難されたり揶揄される事になります。

最近やたらと批判されるいわゆる「意識高い系」は結局自己満足の人

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2016年4月18日月曜日

【熊本地震】オスプレイ、災害支援に初参加へ 補正予算の編成も―【私の論評】中国とパヨクに嫌われることこそ、我が国の正しい道である(゚д゚)!

【熊本地震】オスプレイ、災害支援に初参加へ 補正予算の編成も



中谷元(げん)防衛相は17日夜、熊本地震の被災者支援のため、米軍の垂直離着陸輸送機オスプレイなどによる輸送支援の受け入れを決めたと発表した。日本の災害支援にオスプレイが参加するのは初めて。政府は同日、元自衛官で民間企業などに勤務する即応予備自衛官を最大300人招集することを閣議決定。安倍晋三首相は同日の非常災害対策本部会議で「激甚災害の早期指定や予備費の投入などあらゆる手段を尽くしていく」と強調した。

オスプレイは18日以降に作業を開始する見通し。普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)に配備されている4機が、熊本県内の救援物資集積所から被災地に物資を輸送する計画だ。

一方、即応予備自衛官の招集は平成23年3月の東日本大震災以来2回目で、中谷氏は17日午後に招集を発令。記者団に「地元に精通した即応予備自衛官の必要性がある」と説明した。

輸送支援を行う米軍のオスプレイから物資を運ぶ自衛隊員ら =18日午後、熊本県南阿蘇村
菅義偉官房長官は記者会見で、17日の救出・救助活動に関し「警察、消防、自衛隊、海上保安庁など3万人規模の態勢で当たっている」と述べた。さらに、「できることは全てやるということだ」と述べ、平成28年度補正予算案編成の可能性にも言及した。

首相は17日の非常災害対策本部会議で「重要なことは現場主義の徹底だ。被災市町村の現場に飛び込み、強く連携しながら支援を進めていくことが必要だ」と述べ、政府職員を派遣する役割を述べた。

政府は17日、生活必需品や医薬品、宿泊施設、トイレの確保など被災者の要望に沿った態勢拡充のため「被災者生活支援チーム」を立ち上げ、初会合を官邸で開催。首相は同日、スーパーなど小売店での食品の品切れ解消に向けて「店頭に17日中に70万食を届ける」と述べた。

【私の論評】中国とパヨクに嫌われることこそ、我が国の正しい道である(゚д゚)!

オスプレイに関しては、このブログでも何度か掲載したことがあります。航続距離が長く、他の航空機などと比較すると事故が少ない航空機でもあります。そうして、何よりも我が国にとって良いことは、中華人民共和国の幹部などが、最も嫌がるということです。

オスプレイに関する過去の記事のうち、最新のもののリンクを以下に掲載します。
ネパール地震救援に普天間基地のオスプレイが出動―【私の論評】オスプレイ導入反対の中国スパイの皆様に悲報!なぜ中国が嫌がるかが明々白々に(゚д゚)!
アメリカ国際開発庁 (USAID)より、カトマンズに到着したオスプレイ
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事からオスプレイの安全性と、優位性に関して示したチャートをコピペします。




詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この2つのチャートからもわかるように、オスプレイは他の航空機から比較して、特に危険ということもないし、ヘリコプターと比較すると、航続距離がかなり長いことが理解できます。

ネパールの地震での救援活動には、沖縄の普天間基地所属のオスプレイが投入されました。オスプレイは、普天間基地から飛び上がり、途中で何度か給油しながら、自力でネパールのカトマンズに到着しました。そこで物資輸送などで活躍しました。

通常のヘリコプターだととてもこのようなことはできません。なぜなら、航続距離が短いので、カトマンズに到着するまでに、数十回も給油しなければなりません。これでは、全く実用的ではありません。

それでも、もし無理やり、普天間基地からカトマンズまでヘリコプターを運ぼうとしたら、分解して、船で運び、港で組み立て、そこから何度も給油して、現地入りするか、分解したまま、トラックなどで陸路運び、カトマンズに近いところで組み立て自力でカトマンズにまで到着するという方法も考えられますが、これではとても実用的ではありません。

このようなことをしていては、カトマンズにヘリコプターが到着した頃には、72時間の壁はとうに過ぎていて、ヘリコプターを派遣した意味がなくなります。

ただし、ヘリコプターとオスプレイにもそれぞれ長所短所があります。ヘリコプターの長所としては、被災地でホバリングしながら、被災者を救うなどのことはオスプレイよりは小回りが効いてやりやすいです。このあたりは言葉での説明は難しいので、以下に御巣鷹山でのヘリコプター救助の動画がありますので、これをご覧になってください。


現状では、自衛隊の神業をもってしても、オスプレイではこのようなことはなかなかできません。

オスプレイは、上にも述べましたが、やはり航続距離の長さを活用して、多く物資や人員をピンポイントで輸送する能力に関しては、かなりの優れものです。

オスプレイの航続距離からいって、沖縄普天間基地から熊本までは燃料が持ちません。今回は、途中でどこかに着陸して、給油したか、空中給油を受けて、普天間から熊本に赴いたのだと思います。おそらく、空中給油だと思います。

熊本でも、両者の長所・短所を上手に使い分けて、最大の効果をあげていただきたいです。

オスプレイのその他の特徴などの詳細はこの記事をご覧ください。


さて、このオスプレイですが、これを最も嫌がるのは、当然中国です。中国軍が、尖閣などに上陸した場合など、オスプレイによって、迅速にピンポイントで、もっとも中国軍の弱いところで、効果的なところに、兵員を迅速に送り込むことができます。

それどころか、給油することも考慮に入れれば、台湾でも場合によって、中国国内でもピンポイントで兵員を輸送し、回収することできます。

本当にこれは、中国が嫌がるはずで、だからこそ、沖縄でのオスプレイ反対運動などに対して後ろで糸を引いています。

しかし、今回の熊本・大分での地震災害に出動して、活躍すれば、オスプレイの特性も日本国内で多くの人々に知られ、いずれ自衛隊にも配備ということになるでしょう。

救援物資を届けるため到着した、米軍の垂直離着陸輸送機オスプレイ 本日午後、熊本県南阿蘇村
そうすることによって、日本の安全保証はさらに強固になります。

そうして、それは、中国とパヨクが最も嫌がることです。

日本としては、オスプレイの災害派遣を受け入れるのは、もとよりいずれこれを自衛隊に配備すべきてです。昨日のブログにも述べたように、日本は中国が嫌がることを徹底的に実行すべきです。間違っても、中国という異質な国に褒められるような国になるべきではありません。嫌われるという、その道こそ正しい道です。

嫌われることを嫌がる人は、リーダーにはなれないのと同じで、嫌われることを嫌がる国は、存在感が薄くなるばかりです。我が国は、そのような道を選択すべきではありません。

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2016年4月17日日曜日

中国紙が社説で「尖閣に自衛隊派遣なら軍艦出動」「数、日本の比ではない」―【私の論評】中国が一番恐れるのは、日本の武力によって尖閣付近から中国の勢力が排除されること(゚д゚)!


2012年10月4日午後6時から7時にかけ、沖縄県の宮古島の北東海域で中国艦艇7隻が通過。写真は
そのうちの三隻。上より、ルージョウ級ミサイル駆逐艦(116)、ジャンカイⅡ級フリゲート艦(546)、
ダーラオ級潜水艦救難艇(864)
中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は13日、日本政府が尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺に海上自衛隊の艦船を派遣すれば、中国海軍の軍艦が出動すると強調する社説を掲載した。

日本政府が尖閣周辺の領海を念頭に「無害通航」に該当しない他国の軍艦に対し、従来方針通り自衛隊に海上警備行動を発令して対処する考えを示したことを牽制(けんせい)した形だ。

社説は「中国が派遣する軍艦の数は自衛隊の比ではない」と強調。日本が先に自衛隊の艦船を派遣した場合、東シナ海の摩擦が激化する道義的責任は「日本が負わなければならない」と主張した。

【私の論評】中国が一番恐れるのは、日本の武力によって尖閣付近から中国の勢力が排除されること(゚д゚)!

上の記事を読んで思うのは、やはり中国は、安倍総理が軍事力を用いて尖閣付近から中国を排除することを尤も恐れていることだということを再確認できたということです。

このことについては、以前このブログでも、習近平の側近が尖閣諸島に関する考えを示した論文に関する記事で掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
日中軍事衝突なら「退路ない」と中国軍上将、尖閣で論文 「極力戦争を回避」と訴える―【私の論評】習近平が最も嫌がるのは、安倍総理が軍事力を用いて尖閣付近から中国を排除することだ(゚д゚)!

この記事は昨年10月21日水曜日に掲載したものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事より一部を以下にコピペします。
中国軍の上将で、国防大学政治委員の劉亜州氏は21日までに、沖縄県・尖閣諸島をめぐる問題に関する論文を公表し、日本と中国が軍事衝突すれば「中国は勝つ以外に選択肢はなく、退路はない」と強調した。敗北すれば体制を揺るがす事態に発展しかねないとの危機感を示唆したものとみられ「極力戦争を回避」すべきだと訴えた。
中国艦船があまり傍若無人な真似を繰り返すなら、きちんと国際ルールにのっとった上で何隻か撃沈すべきものと思います。領海内であれば、そんなことをすれば、中国は吠えまくりますが、他の国はそれを軍事行動ではなく当然の警察行動こととして、何も非難はしないでしょう。もし、非難したとすれば、自国が日本と同じような状況に至った場合、対抗する術がなくなります。
実は、習近平が一番恐れているのはこれです。安倍総理が、軍事力をもって尖閣付近から、中国の艦船や航空機を排除することです。

米国も南シナ海で、中国が不穏な動きをみせれば、国際ルールに沿った形で、攻撃を加えるなどのことをすべきです。そうなれば、習近平の面目は丸つぶれですし、それにせっかく日本を悪者にしたてても、中国国内の求心力を高めるということができなくなります。

そんな馬鹿なことなどとおっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際ロシアはそのような対応をしています。尖閣で中国の船が日本の海上保安庁の船が中国の漁船に体当たりされる前の年に、ロシアは中国の船を機関砲で銃撃しています。その結果数人の死者が出た模様ですが、日本国内では報道もされず、他の国からも一切非難されるようなことはありませんでした。無論、警告をするなどして、国際法にのっとった措置でした。
中国としては、尖閣付近から安倍総理が力づくで排除されては、非常に困るわけです。もし、中国海軍がなすすべもなく、負けてしまい尖閣付近から完璧に排除されてしまえば、中国国内の求心力は弱まり、習近平政権はもとより、中国共産党の中国統治の正当性も弱まることになります。

そもそも、海外からの評価では、日本の海軍力は世界第二位とも、世界第五位ともいわれていますし、中国海軍よりは数段上とされています。海軍力は見方によって、いろいろ変わりますが、それにしても日本二位から五位であり、中国海軍よりははるかに優っています。

日中海軍を対比すると、最大の違いは、対潜哨戒能力と潜水艦の攻撃力です。これらが、中国は日本に比較すると全く劣っています。日本の潜水艦が、中国側に知られることなく、隠密行動ができるのですが、中国の潜水艦はすぐに日本の潜水艦や哨戒機に発見されてしまいます。

そうなると、最初から中国側にはほとんど勝ち目がありません。航空兵力もそうです。中には、いやそうではない、中国の最新鋭の、殲31はステルス機であり、どの日本の航空機より強力であると信じてる人もいるようですが、現実にはそうではありません。米国の軍事専門家の中には、殲31 は実質第三世代戦闘機の域を出ていないと酷評する人もいます。いずれにせよ、まだまだ実験段階で実用にはほど遠いという代物です。

中国の現状の航空機など、まだまだ技術的に劣っています。特にレーダーなどの電子機器はかなり遅れていて、日本の航空自衛隊と実際の戦闘になった場合、かなり非力です。

「空母遼寧」も、海上自衛隊の哨戒機P3Cがいとも簡単に捕捉して、出港した途端に魚雷かハープーンの餌食になってしまいます。他の中国の艦艇や潜水艦も同じことです。


このことは、中国の人民解放軍の幹部は誰でも知っていることで、軍事的にまともに戦ったのでは全く勝ち目がないため、これを牽制するために、ブログ冒頭のように、環球時報で吠えて見せたのでしょう。日本の艦船や潜水艦などと比較するとはるかに旧式のものを多数尖閣付近に派遣してきたとしても、日本の海上自衛隊に勝ち目はありません。

唯一中国が、日本より上回っているとすれば、核兵器を用いることができることでしょうが、現実問題としてこれを使えば、米国による反撃も予想されし、核兵器を用いた後は、あの天安門広場事件の後の世界のほとんどの国からの制裁を受けたことと同じようなことが起こることも予想され、中国としてはこれは避けたいので、これを使用することはほぼ不可能です。

今日本は熊本地震で対応中です。ブログ冒頭の、環球時報の記事は13日に公表されものであり、地震発生の前の日であり、特に地震を意識したものではありません。

しかしながら、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の領海外側にある接続水域で16日、中国海警局の船3隻が航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認しています。中国当局の船が尖閣周辺で確認されたのは3日連続です。これは、熊本の地震の後です。中国側としては、地震の影響があるかどうかを見極めてるのだと思います。まるで火事場泥棒のような、行動です。

第11管区海上保安本部(那覇)によると、3隻は海警2101、海警2307、機関砲のようなものを搭載した海警31241だそうです。領海に近づかないよう巡視船が警告していました。

巡視船「あぐに」
ところで、海上保安庁は16日、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の警備を専門とする「尖閣専従体制」が整い、拠点となる沖縄県・石垣島の港で披露式を開きました。石垣海上保安部に配備された1500トン級の最新型巡視船10隻を含む12隻が専門で任務に当たります。

人員は約600人で、港周辺には新たに桟橋や船艇基地、宿舎、倉庫が整備されました。平成24年の尖閣国有化後、領海警備で全国から巡視船などの応援を受けていたが、原則不要になります。

石垣海上保安部の宮崎一巳部長は中国公船に対する警備に関して、記者団に「不測の事態を避けて事態をエスカレートさせないのを基本に冷静かつ毅然として対応したい」と話しました。式典に合わせて、20ミリ機関砲や遠隔放水銃、停船命令表示装置を装備した巡視船「あぐに」を公開しました。

日本の海上保安庁も中国の海上民兵や、海警など互角に戦えるようになりました。海軍も日本には到底勝てないので、中国としては八方塞がりです。南シナ海でも、手詰まり感がはっきりしています。だからこそ、ブログ冒頭のようの記事のように、中国海軍の軍艦が出動すると強調したのです。

インドネシア海軍が火曜日からインドネシア領海で拿捕した中国漁船
35隻の撃沈を開始したと当局が発表(8月18日dpa.international)
私としては、中国側は、本当に軍艦を出せば良いと思います。そうしてそのような場合は、日本側としては、領海や領空を侵犯した場合、撃沈、撃墜すれば、それで良いと思います。そうしたからといって、当の中国は屁理屈をつけて吠えるかもしれまんせんが、中国と日本が本格的な総力戦をはじめたりすることもないでしょうし、世界中のどこの国も中国に同調することはありません。

というより、アジアの中国、北朝鮮以外の国々は、これを歓迎することでしょう。それに、中国が尖閣付近で、前々から度重なる挑発行為を繰り返してきたこと、日本と中国の間にはもともと、領土問題など存在しないことをアピールすれば、アジア以外の国々も、歓迎することでしょう。

ロシアなどは異議を唱えるかもしれませんが、そのあたりは、このブログにのべたように、従来から比較するとかなり北方領土の交渉がやりやすくなっていますから、意外と唱えなくなることも考えられます。いずれにせよ、圧倒的多数の国々が、異議を唱えるなどということはしないでしょう。

さらに、南シナ海での米軍もこれに勇気づけられ、南シナ海の中国の軍事基地に対しても、艦船や潜水艦で包囲し、それを妨げようとする艦船、航空機に攻撃を加え、南シナ海からの中国の軍事基地の排除に踏みきる良いきっかけになることでしょう。

そうなると、もともとは中国にとっては外国であるはずの、チベット、ウイグル、内モンゴルなどの自治区の中国に対する反対運動が勢いづくことでしょう。

そうして、現在中国は、経済が低迷していて、これから良くなる見込みもなく、今のままであれば、このブログでもたびたび掲載したように、中進国の罠にすでにはまりかけています。そんな中国には、世界中の国々は従来のように期待することもなくなります。

そうして、いずれ図体が大きいだけのアジアの凡庸な独裁国に成り果てるか、分裂することになりますが、日本が尖閣から中国を排除すれば、それに拍車をかけることになります。

このようなことから、中国としては、安倍総理が、軍事力をもって尖閣付近から、中国の艦船や航空機を排除することなどして欲しくないのです。

しかし、日本としては、中国が嫌がることを徹底的に実行することです。間違っても、中国という異質な国に褒められるような国になるべきではありません。嫌われるという、その道こそ正しい道です。

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