日常に溶け込んでいると、気づかないことがたくさんあります。皆さん、日本のことどれくらい知っていますか?教えて!gooより、神社・寺社の話題をお送りします
質問者のgoorabiさんは、海外から旅行で訪れた友人に「日本はなぜ神社やお寺がこんなにも多いのか?」と質問され、改めて疑問を抱いたそうです。
神社は約8万8千、寺社は約7万7千、合わせて16万5千社。その数はコンビニの約3倍です。何か理由があるのでしょうか?皆さんの回答は…。
・・・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・・・・・・
「goo地図」では江戸古地図が閲覧できますので、どのくらい多かったのか、一度その目で確かめてみてください。特に増上寺の周りはお寺だらけです。都内に在住の方は、お住まいの土地がかつてはお寺だった場所かもしれません。(実は、私の自宅もお寺の跡でした)
海外からの観光客に「江戸時代には今の5倍近くあったんだよ」と答えたなら、さらに驚きの表情が見られるはずです。不思議の国・日本を更に好きになってもらえると良いのですが。
入江ねこ(Irie Neco)
【私の論評】当たり前になっている日本を再発見しよう!!
上の記録では、神社が多い理由がいろいろと述べられていますが、神社は別にして特に寺については最も合理的に説明されているのは、以下のものだと思います。「江戸時代、寺院は百姓の戸籍的役割や思想統制の道具に使われました。幕府の下請け機関としての一面があるので、基本的にどこの村でもあります」
もともと、寺院には、檀家の家で、誰がいつ生まれたとか、いつ亡くなったかの記録を、残していました。それが、江戸時代になってから、義務付けられました。この制度を寺請制度と呼びます。この制度により、お寺は、公式に日本の今でいえば、住民基本台帳ならびに戸籍を扱う役所という役割を担うことになったのです。
ただし、上記の文書では、思想統制の道具としていましたが、これは、導入のきっかけがそうであったということであって、これは、どちらかといえば、近代国家の要件とされる、住民基本台帳ならびに戸籍の制度のはじまりとみるべきと思います。西欧などのように、近代的な役所をつくというのではなく、既存の組織を活用したということで素晴らしい試みだと思います。
日本の近代化というと、すべて明治維新後と考えることが多いでずか、この寺受制度による戸籍の保存は、紛れもなく近代化の動きです。おそらく、全国的規模で戸籍などの保管をはじめたのは、当時の先進国であるヨーロッパなどがやりはじめたのと、時期的あまり変わらないと思います。このようなことがあったからこそ、日本では、近代的な役所組織をつくるにしても、その概念がもとからあったため、非常にやりやすかったと重います。
世界には、現在でも、戸籍などがはっきりしていないところがいくらでもあります。たとえば、中国も奥地に行くと、戸籍がはっきりしないとこもあります。ロシアでも、そんなところもあります。しかし、日本ては、近代から、はっきりした戸籍制度があったということは、日本の先進性を物語っていると思います。
このような制度があり、全国をおさめる政府(幕府)とのつながりもあったからこそ、江戸時代末期から、明治時代の初期ころまで、各地の寺が温存され続けてきたのです。ある程度大きな村や町になれば、宗派の違いもありますから、いくつもの寺が温存されたということです。だからこそ、これだけ多くの寺が今でも残っているのです。昔から伝統的に受け継がれてきた、寺を潰すことなど、檀家としてはなかなかできなことですし、それ以外にもこうした役所的な業務も担っていたからこそ、今日まで、これだけの寺院が温存されてきたのです。
これらの寺院これからも残していきたいです。全国的各地にある寺院を訪れると、木々が残されておりまさに、安らぎの場という感じです。そうして、それぞれの寺院のいわれなどを調べるのも楽しいです。このような素晴らしい文化遺産が私たちの身の回りにたくさん残されいるということは、本当に素晴らしいことだと思います。
ちなみに、寺請制度について、wikipediaから、簡単に引用しておきます。詳細はwikipediaをご覧になってください。
寺請制度(てらうけせいど)は、江戸幕府が宗教統制の一環として設けた制度。寺請証文を受けることを民衆に義務付け、キリシタンではないことを寺院に証明させる制度である。必然的に民衆は寺請をしてもらう寺院の檀家となったため、檀家制度や寺檀制度とも呼ばれるが、厳密には檀家制度と寺請制度は異なる(詳しくは檀家制度を参照)。
その目的において、邪宗門とされたキリスト教や不受不施派の発見や締め出しを狙った制度であったが、宗門人別改帳など住民調査の一端も担った。それにしても、このような文化財がたくさん残っている日本は、素晴らしいです。上の記事は、外国人の質問に端を発しているようですが、日本人だとあまりにも当たり前なので、なかなか気づかないことかもしれません。そのようなことはまだまだ、たくさんあると思います。
寺請制度では、毎年1回の調査・申告によって宗門人別改帳が作成された。これに基づいて寺請証文が発行され、人々が奉公や結婚その他の理由で他の土地に移る場合には、移動するものの年齢・性別・所属・宗旨などを記載して村役人の送一札とともに移転先にある新たな檀家寺に送付して移転の手続とした。移動元から移動先に送る証文を宗旨送・寺送状と呼び、本人確認後の証明として移転先から移転元に送る証文を引取一札(ひきとりいっさつ)と呼んだ。
たとえば、江戸時代の17世紀に日本では関考和(せきたかかず)が、和算で、微分・積分の概念を発展させ、実際に計算していたなどという話もあります。こういう先進性が江戸時代からあったかこそ、その後の日本の発展もあったのだと思います。明治維新は確かに一大変革でしたが、その前の江戸時代に近代化の芽は出ていて、それが、明治になっていっせいに花が開いたということです。
考えてみると、歴史というものは、分断されることなく、連綿として続いています。昨日このブログに掲載したように、企画など新しいものを作り出す一番の早道は、Remix(リミックス)です。明治維新もRemixの部分がおおいにあったと思います。そのため、西洋のものを多く導入したり、温存するものはしたり、あるいは、古くからあるものと、西洋のものをミックスしたりと、一大Remixをしたのが、明治であり、その前の江戸時代にも、その萌芽があったということです。
明治維新の前に、西欧のものとRemixすべき、技術、文化などがなければ、Remixのしようもなく、維新もあり得なかったということです。今の混迷の時代も、ひよっとすると、次の大きな時代への大躍進への準備段階であり、あちことに、次の時代への芽吹きがあるのかもしれません。私たちが気づいていないだけかもしれません。
今回は、こうした当たり前になっている日本を再発見するという意味合いでこの記事を掲載しました。今後も、またおりをみて掲載していこうと思います。
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