2012年9月22日土曜日

中国人民銀、日銀の追加緩和にいら立ち 過度の資本流入懸念−【私の論評】中国の経済破綻が始まる?!日銀を何とかしなければ、日本は草刈場になる!!

中国人民銀、日銀の追加緩和にいら立ち 過度の資本流入懸念

中国人民銀行
【北京=大越匡洋】中国人民銀行(中央銀行)が日銀が19日に決めた追加金融緩和にいら立ちをみせている。人民銀は19日夜、5カ月前の周小川総裁の講演内容を突然、ホームページに掲載。大規模な金融緩和策について「将来のインフレ、新興市場への過度の資本流入などの問題を招く」と指摘する内容だ。中国経済が減速するなか、人民元高などにつながりかねない先進国の金融緩和拡大を暗に批判した形だ。

掲載したのは、4月28日の講演。周総裁は「中央銀行は水路を通じて特定の干上がった田畑に水を流そうと考えるが、実際には単に大量の水を放出し、一部が必要な田畑に届くと信じるだけだ」と指摘。中国ではインフレ懸念がなおくすぶり、簡単には追加緩和に動けない。先進国であふれたマネーが流入し、国内経済が一段と不安定になる恐れがある。「5カ月前の講演」を使った遠回しな先進国批判には、難しい政策運営を迫られる人民銀の悩みが透ける。

【私の論評】中国の経済破綻が始まる?!日銀を何とかしなければ、日本は草刈場になる!!
さて、上の記事での中国のいらだち、良く分かります。これに関する理解を深めるには、以下の動画を是非御覧になってください。

以下の動画では、アメリカのQE3(量的緩和)が半端ではないことが良く分かります。しかも、期限すらありません。とにかく、雇用が回復するまで、やり続けるということです。


下の動画は、もう中国は、経済的に魅力のない国になったので、日本企業は、他の国にシフトすべきことを説いています。


この両方とも、妥当な解説であり、日本側からみれば、当然のことを掲載しています。このような見方が一般的になりつつありますから、そんなことをされれば、中国にとっては全く良いことはないので、上の苛立ちが理解できるというものです。

中国では、特に国家的にも、中国に対するあきらめが、みられます。それは、近年とみに盛んになっている中国による対外投資をみていると良くわかります。もう、中国にはしばらく見込みがないことがはっきりしているので、中国国内ではなく、海外に投資する動きが活発化しています。中国の経済が落ち込むことがわかりきっており、それを回避する手立ても、最早昔のように簡単にはできないことがわかっているので、リスクを分散しようという試みです。


一昔前だと、景気が落ち込めば、政府が大規模な財政出動をして、人民銀行は、これに呼応して元の大量増刷をする、これを続けていて、景気が過熱して、インフレ傾向になれば、政府は、緊縮財政をして、人民銀行は、金融引き締めを行う。これを続けていて、景気が落ち込んでくれば、再び、財政出動と、金融緩和でまた景気を回復するなどで、伸ばしてきました。

しかし、最近はバブルは崩壊しましたし、にもかかわず、あいかわらずのインフレで、いわゆるスタグフレーションの様相を呈してきています。今の状況で中国が財政出動や、金融緩和をすすめれば、ハイパーインフレになってしまいます。非常に難しいことになっています。

一方日本は、この超円高が続けば、企業の海外移転はますます増え、中国などを利するだけです。ただし、中国へ移転する企業は最近へりつつありますが、それにしても、中国政府は、固定相場制という金融環境の中で元を増刷しやすい環境にあり、日銀は、増刷拒否の姿勢を崩さず結果として中国を利するような行動をしてきました。これに関しては後で詳細を掲載しします。

個人の動きもこの流れに沿っています。特に最近は、裸官の暗躍が目立ちます。裸官とは、「裸体官員」の略で、配偶者や子女が仕事以外の理由で海外で暮らす、あるいは外国国籍や永住権を取得している中国政府の公務員のことをいいます。汚職の温床とされています。

今回の反日運動でも見られた、「裸官下台」。「裸官は去れ」という意味。
そうして、裸官のほとんどが、資産の大部分を子女が暮らしている外国などに、移しています。もう、中国には見込みがないことがわかっているので、儲けられるだけ儲けて、資産を蓄えてドルなどにかえて、ほとんどを海外に移しています。こうすることにより、中国が駄目になれば、海外に移住してしまおうと考えていわけです。裸官のなかには、国の資産をかってに持ち出し、自分の子女がいる海外に逃亡してしまうものも多数に上っています。

国単位でも、個人単位でも、もう中国にはしばらくは、見込みがないこと理解しているので、このような動きが活発化しているのです。


それにしても、周総裁の「先進国であふれたマネーが流入し、国内経済が一段と不安定になる恐れがある」という発言は、真実を覆い隠していると思います。いつまでも、中国にいままでどおりに、マネーが流入し続けるなら、それはそれで良いことだと思います。

しかし、国単位でも、個人単位でも、海外に投資したり、海外に資産を移しているわけですから、中国には、もはや美味しい投資先はないと考えて良いと思います。

であれば、本当に嫌がっているのは、そんなことではなく、他国が金融緩和して最も怖いのは、他国が通貨安になることです。元に比較して、ドルなどが、安くなることです。機軸通貨であるドルが元に比較して安くなればどういうことになるかといえば、中国から海外に向けての輸出が不振になるということです。では、中国も金融緩和を行い、元など刷り増しすれば、すぐにも元安になり、輸出も好調になるではないかとという考えもありますが、でもこの手は、現在中国がインフレということもあり、なかなかできません。


中国の場合輸出が全GDPに占める割合は、40%を超えています。これは、日本は、16%前後、アメリカなど数%に過ぎません。しかも、欧州危機で、ただでさえ、中国の最大の輸出先である国々の輸入は滞っています。まさに、中国国内は、八方塞という状況です。だから、国単位では、海外投資を活発化させ、個人単位では、資産を海外に移しているのです。

さて、頼みの綱である日本はどうかといえば、日銀も金融緩和の姿勢を見せる可能性が高いです。日銀といえば、このブログでも再三にわたって、まるで、中国人民銀行東京支店のような行動をとてきていることを掲載してきました。

どいうことか、過去のブログから下にコピペしておきます。
この超円高が続けば、企業の海外移転はますます増え、中国などを利するだけです。ただし、中国へ移転する企業は最近へりつつありますが、それにしても、中国政府は、固定相場制という金融環境の中で、日銀が増刷拒否の姿勢を崩さない限り、あたかもそれを担保として、元を刷りたいだけ刷ることができます。そうなれば、日本はさらにデフレスパイルの深みにはまっていくだけです。
詳細は、以下のURLから御覧ください。

【日本の解き方】白川日銀総裁は“デフレ・円高大魔王” - 経済・マネー - ZAKZAK―【私の論評】財政ばかりでなく、金融政策にも目を向けよ!!

どういうことか、さらに解説すると、日本銀行がどんなことがあっても、金融緩和をせず、金融引き締めに固執しており、特に増刷はかたくなに拒否しています。だから、中国は、過去には、国内が不況になりかけても、元を大量に刷っても、元安傾向になるため、日本に対して大量に輸出ができ、インフレ傾向となっても、あまり被害をこうむることはありませんでした。これは、まるで、打ち出の小槌を持っているようなもので、いままでは、一種の担保、安全弁のようなものであり、中国経済の発展に寄与してきました。

しかし、このような打ち出の小槌もそろそろ効き目がなくなってきたということです。なぜなら、今までだと、日本銀行の安全弁をあてにして、固定相場制の中で、元をかなり大量に刷り増したとしても、さほど危険はなかったのですが、今や、大量に刷り増しすると、ハイパーインフレになってしまいます。かといって、緊縮財政、金融引き締めをすれば、ただでさえ、景気が悪いのにさらに落ち込みます。このようなことは、なかなかできません。

中国はごく最近まで日本銀行という打ち出の小槌

現状では、すぐに打って効果のある対策はありません。あるとすれば、中国の産業構造を変えるしかありません。今までのように、世界の工場を自認にして、安い労働力により、世界の製品の部品を組み立てそれを輸出して儲けるなどということはもう成り立ちません。産業構造を変化させて、自前でいろいろな製品を開発して、それを国内で消費したり、海外に輸出するなどのことをしなければなりません。

この産業構造の転換は、すぐにできものではありません。10年くらいはかかるでしょう。その間は、中国の経済はなかなか成長しないでしょう。だかこそ、国レベルでは、海外への投資活動が活発化していますし、個人レベルでは、資産の海外移転が進んでいるのです。中国自体がわるくなっても、リスクを回避できるよう準備しているというわけです。


それにしても、上の動画でも、アメリカが大々的な無期限の金融緩和をすることを伝えているのに、このままだと、年末にかけて確実に円高になることを言っていますが、日銀の金融政策に対して批判するようなことは、言っていません。これは、どうしたことでしょうか。もう、日銀の円高・デフレ政策の守護神のような態度に慣れ切ってしまい、それが当たり前になっていて、批判する気にもなれないのかもしれません。

しかし、中国の打ち出の小槌の役割を担っている中国人民銀行東京支店のような日銀、このまま放置しておけば、ここしばらくは、中国の打ち出の小槌の役割は担えませんが、他国の打ち出の小槌になるかもしれません。それこそ、アメリカなど、大々的に金融緩和をする国々の草刈り場になるかもしれません。

この暴走に関してもう誰も止めようがないのでしょうか?今の民主党は、もし、金融政策の重要性を理解していれば、もっとやりようがあったかもしれません。自民党に関しては、金融政策の重要性を理解していれば、ずっと政権の座についておられたかもしれません。それほど、金融政策は、重要なものです。しかし、その重要性は、ほとんどの人に理解されてきませんでした。

 しかし、最近では、だんだんと認識されるようになってきました。それは、たとえば、自民党の総裁選候補である、安倍晋三氏です。先日、安倍晋三氏に対する、SakurasoTVの社長の水島氏のインタビューを見ましたが、インタビューの内容に入って、すぐに、安倍氏の口から、「金融政策」という言葉がでてきました。過去の、自民党の総裁や、総裁候補者さらに、民主党の代表や、代表候補者であれば、「金融政策」を開口一番に語るような人はいませんでした。

 

結局過去20年においては、いっとき金融緩和がされても、すぐにもどってしまい、結局どの総理大臣も十分に金融緩和ができなかったというのが、実体です。わかりきっていることなのに、結局誰も実現できませんでした。しかし、安倍氏の言葉には、勇気づけられました。安倍氏なら、本当に金融緩和を推進するかもしれません。20年の長きにわたって、結局金融緩和できずに、日本は、円高・デフレのスパイラルの中から、脱出できなかったわけですから、これは、最重要課題だと思います。どんなに素晴らしい公約を掲げようが、どんなに人気ものであろうが、この一点を解決できないような総理大臣は、他のことはできません。もう、20年近くも騙されっぱなしというのでは、あまりに情けないです。

私たちは、とにかく、日銀の大暴走を一日でもはやくやめさせる政党や、政治家に一票を投じるべきです。そう思うのは、私だけでしょうか?



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