2013年12月20日、ロシア・モスクワで行われた、 保安機関職員向けの会合で演説するプーチン大統領 |
北極が資源基地、通商ルートとして世界的注目を集めるなか、北極圏に世界最大の領土を持つロシアが同地域と、それに連なる極東の国境警備を進めている。北極開発はロシアにとりチャンスである一方、氷の融解により各国の船籍がより自由に航行できる環境は、ロシアの安全保障にとり脅威になるためだ。北極海への進出に意欲をみせる中国への懸念を特に強めているとの見方も出ている。
「国境の保全システムの改善に対し真剣な注意が払われなければならない。鍵となるのは北極圏の国境と、カフカス地方、極東の国境インフラの改善だ」
プーチン大統領は昨年12月20日、モスクワで行われた保安機関職員向けの会合で、カフカス地方と、北極、極東を並べて“真剣な注意”を払うよう、国境警備などに携わる保安機関職員らに檄を飛ばした。
ソチ五輪開幕を目前に控え、カフカス地方出身のテロリストの動向に世界的な注目が集まる最中に、国境警備の最前線に携わる職員らには北極圏、極東の警備を怠るなと訴えた格好だ。
プーチン氏はすでに、北極圏の国境警備体制の強化に手をつけている。12月10日に行われた国防省拡大幹部会では、北極海のフランツ・ヨシフ諸島とノボシビルスク諸島に新たに空軍基地を設立する計画が披露され、プーチン氏はここでも「ノボシビルスク地方における基地を再開させたが、それは北極圏全域における状況をコントロールする上で極めて重要な意味を持つ」と言明した。
・・・・・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・・・・
中国は、北方海域での存在感を高めている。2012年には砕氷船を北極探査に送り込み、北極点近くの航路を使った航行に成功した。13年には初めて、北極海航路へのアジア側の通過海域になりうるオホーツク海に中国艦艇が進出した。ロシアは中国砕氷船の北極進出、また中国艦艇のオホーツク海進出に合わせ関連海域で軍事演習を実施するなど、中国を意識したともとれる反応を示している。
国境への脅威としては、人口減少に悩む極東地域での中国の不法移民の流入もロシア国内で懸念が高まっている。ハバロフスクのネットメディアによると、ハバロフスク地方では12年だけで、「ロシア連邦保安局(FSB)が千人以上の違法な中国人移民の合法化の流れを止めた」という。
報道によると彼らは、ハバロフスク市内の教育機関で教員として勤務しているとする不正な証明書を作成し、ロシア国内に長期間滞在する許可を得ていた。極東では今後も、中国人移民の存在感が急速に高まると予想されている。
【私の論評】オリンピックだけではない小国ロシアの動きに注目せよ! 背後にしたたかな外交劇! 中国の北極海進出を阻止せよ(゚д゚)!
さてオリンピックでは、日本の選手らがメダルをとったため、日本国内で大きな話題になるようになっています。しかし、ロシアといえば、オリンピックだけではありません。その裏で各国による、見逃すことのできない、外交が繰り広げられています。
北極海の海底には、石油資源が眠っている |
そんなプーチンの考えを見ぬいた、安部首相は、西欧諸国が開会式出席を拒否するなか、参加して、プーチン氏と会談しています。
ソチオリンピック開催式に出席後、プーチン大統領と会談する安部総理 |
習近平も、欧米諸国が開会式参加を拒否する中、参加し、参加後にプーチン氏と会談しました。そうして、プーチン氏はこの席で中国訪問を決めています。北極海への中国の進出を懸念しているプーチン、ロシアは北極海進出の最大の障害となるかもしれないことを懸念している習近平。両者とも相手の腹を探ろうとして必死です。両者とも、顔が若干こわばってるようにもみえます。
朴槿恵は、公務が忙しいとの理由で、ソチ五輪開会式に参加しませんでした。これは、いろいろな説がありますが、朴槿恵がロシアを訪問した時、プーチン氏との会談のとき、プーチン氏が30分遅刻したので、そのしっぺ返しだと思われます。
オバマ氏は、他の西欧諸国と同調し、ロシアに同性愛者の活動を制限する法律があるからという人道上の理由から出席しないことを決めていました。
確かに、人道上の問題はあるものの、今回のソチ五輪開会式には、ロシア側からみれば、外交・安全保障の意味からも、諸外国に集まってもらい、できれは会談を開いて、今後の方向性などについて話をしたいという要望があったものと思います。
こうした大問題については、日本はもとより、西欧諸国、特にEUにも多いに関係のあることです。なぜなら、北極海の問題は、大きな問題であり、特にEU諸国など、多くの国が北極海に面しています。
北極が中国の海になったとすれば、とんでもないことになります。いつも、ロシアや、EUは中国の脅威にさらされることになります。
そんなことから、今回の安部総理のソチ五輪開会式参加は、誠に時宜を得ていて、日本のこれからの対ロシア外交戦略に良い影響をおよぼすことになるでしょう。
韓国の不参加は、ロシアのプーチンにとっては、望むところでしょう。韓国は、小国であり、GDPも日本の一都市である東京程度しかなく、しかも、北極海からは離れており、反日的ですし、韓国とのつきあいなで、中国封じ込めを実行しつつある日本との外交に支障をきたすおそれがあることから、朴槿恵の開会式不参加は、願ったり、かなったりというところだと思います。
アメリカやヨーロッバなどは、北極圏から近いので、本来であれば、この機会を利用しても良かったのでしようが、やはり、プーチン大統領や、安部総理ほどには危機感を抱いてはいないのだと思います。
ちなみに、ロシアは、中国、日本、アメリカなどから比較すると小国です。これに関しては、以前のこのブログにも掲載したことがあるので、その記事のURLを以下に掲載します。
ロシアの力は、旧ソ連自体からも落ちていたことも注目すべきです。第二次世界大戦直後のソ連は、その頂点に達していました。軍事力においても、経済的にも世界の大国としてふさわしい地位を有していました。
アメリカにも、コミンテルンを多数送り込みに成功していました。スターリンの腹黒さには、当時の小市民的なトルーマンはとても歯が立ちませんでした。アメリカ国内でも、コミンテルンがありとあらゆる諜報活動をしていました。アメリカのコミンテルンは、GHQという形で、日本にも多数送り込まれました。GHQの実体は、馬鹿とスパイの集まりという状況で、日本にもソ連の勢力が広く、深く影響を及ばしていました。それどころか、日米が戦争に突入したのには、アメリカの中枢や、日本の第二次近衛内閣にも深く浸透していたソ連コミンテルンが大きな役割を果たしています。
しかし、そんなソ連コミンテルンも日本が脅威の経済成長をするにつれて、だんだん威力を失っていきました。国民の多くが豊になった、1960年代から、1970年代にかけて、豊になった人たちは、共産主義の必要性は感じなくなり、ソビエト・コミンテルンの勢力は日本から払拭されました。それは、アメリカも同じことで、アメリカが裕福になるにつれて、アメリカより、コミンテルンの影響力はどんどん消えていきました。アメリカでのコミンテルンの勢いは、日本よりもはるか前に消えていました。
アメリカでは、1960年代はじめまでは、政府中枢にまでおよぶような、大規模な奥行きも幅も広い、ソ連スパイの摘発事件などが発生していましたが、これ以降には滅多にありません。そうして、それとともに、ソ連も衰退し、1990年台には崩壊しました。
しかし、最近ではあの女スパイである、アナ・チャプマンの色仕掛け目による、アメリカでのスパイ事件などがあり、大騒動となりましたが、それにしても、往年のコミンテルンの大かかりなものとは比べようもないくらいの規模のものです。
こういう歴史的背景を知っていれば、現在のロシアは小国であることが良く理解できると思います。
しかし、こうしたロシアがソ連時代に培った軍事力や、諜報戦などの力により、今でも多くの国々の人々に大国のように思われています。
しかし、現実のロシアは小国であるため、将来中国が本格的に北極海に進出した場合、それこそ、第二第三の尖閣問題や、南シナ海のようになる可能性はかなり高いです。それに、ロシアは現在、北極海に直接接する国としては、もっともその接地面の大きな国であり、これだけの接地面を防衛するのは、本当に大変なことです。
そんなときに、日本が中国を牽制してくれれば、中国は日本に対する軍事力を強化しなくてはならず、その分北極海に割ける軍事力にも限りがでてきます。
まさに、ロシアの狙いはそれです。EUもうまくすれば、頼りになるかもしれませんが、それにしても、経済的にはたいしたことはありません。EU全体で、ようやっと、日本やアメリカに対抗できるような経済力であり、しかも一つの国ではないため、場合によっては各国の利害の衝突もあります。
ロシアと日本は、中国封じ込めということでは、利害が一致しています。このことをうまく利用し、ロシアと提携できるところは提携し、外交でうまく持っていくことができれは、あれほど困難と思われた、北方領土の返還もうまくいくかもしれません。
ロシアも、自らが窮地にいたったときだけ、中国の脅威をいいたて、国際法上でも何の権利もなく、日本の領土を終戦後に勝手に奪っておき、返還もしないというのであれば、日本との提携など最初から反故にされても文句はいえないでしょう。
米国の退潮は、明らかですし、ロシアはすでに小国に過ぎず、中国の崩壊は目に見えてきた現在、日本は自らの信念にもとづき、アジアの平和と安定のため、世界の繁栄のため一役、それも大きくな一役を買うことができる時代が近づきつつあるような気がします。
そう思うのは私だけでしょうか。皆さんは、どう思われますか?
【私の論評】
安倍首相と習主席を天秤に したたかなプーチン大統領 北方領土は…―【私の論評】小国ロシアの外交に学ぼう!!だが、インド・アセアンと中国とを両天秤にかけて見せた安倍総理の外交手腕のほうが凄いかも!
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こうした大問題については、日本はもとより、西欧諸国、特にEUにも多いに関係のあることです。なぜなら、北極海の問題は、大きな問題であり、特にEU諸国など、多くの国が北極海に面しています。
北極が中国の海になったとすれば、とんでもないことになります。いつも、ロシアや、EUは中国の脅威にさらされることになります。
ソチオリンピックに参加のセクシーなアスリートたち |
そんなことから、今回の安部総理のソチ五輪開会式参加は、誠に時宜を得ていて、日本のこれからの対ロシア外交戦略に良い影響をおよぼすことになるでしょう。
韓国の不参加は、ロシアのプーチンにとっては、望むところでしょう。韓国は、小国であり、GDPも日本の一都市である東京程度しかなく、しかも、北極海からは離れており、反日的ですし、韓国とのつきあいなで、中国封じ込めを実行しつつある日本との外交に支障をきたすおそれがあることから、朴槿恵の開会式不参加は、願ったり、かなったりというところだと思います。
アメリカやヨーロッバなどは、北極圏から近いので、本来であれば、この機会を利用しても良かったのでしようが、やはり、プーチン大統領や、安部総理ほどには危機感を抱いてはいないのだと思います。
ちなみに、ロシアは、中国、日本、アメリカなどから比較すると小国です。これに関しては、以前のこのブログにも掲載したことがあるので、その記事のURLを以下に掲載します。
安倍首相と習主席を天秤に したたかなプーチン大統領 北方領土は…―【私の論評】小国ロシアの外交に学ぼう!!だが、インド・アセアンと中国とを両天秤にかけて見せた安倍総理の外交手腕のほうが凄いかも!詳細は、この記事をご覧いただものとして、 今やロシアは、ソ連やそれ以前のロシアは、大国ではありましたが、現在のロシアは、人口は日本よりわずか2000万人多い程度にすぎず、経済的にはGDPが、インドにも抜かれ、10位の座からは滑り落ちてしまい、いわゆる新興国の地位に甘んじています。
ロシアの力は、旧ソ連自体からも落ちていたことも注目すべきです。第二次世界大戦直後のソ連は、その頂点に達していました。軍事力においても、経済的にも世界の大国としてふさわしい地位を有していました。
アメリカにも、コミンテルンを多数送り込みに成功していました。スターリンの腹黒さには、当時の小市民的なトルーマンはとても歯が立ちませんでした。アメリカ国内でも、コミンテルンがありとあらゆる諜報活動をしていました。アメリカのコミンテルンは、GHQという形で、日本にも多数送り込まれました。GHQの実体は、馬鹿とスパイの集まりという状況で、日本にもソ連の勢力が広く、深く影響を及ばしていました。それどころか、日米が戦争に突入したのには、アメリカの中枢や、日本の第二次近衛内閣にも深く浸透していたソ連コミンテルンが大きな役割を果たしています。
日本に送り込まれたGHQは、馬鹿とスパイの集団だった |
アメリカでは、1960年代はじめまでは、政府中枢にまでおよぶような、大規模な奥行きも幅も広い、ソ連スパイの摘発事件などが発生していましたが、これ以降には滅多にありません。そうして、それとともに、ソ連も衰退し、1990年台には崩壊しました。
しかし、最近ではあの女スパイである、アナ・チャプマンの色仕掛け目による、アメリカでのスパイ事件などがあり、大騒動となりましたが、それにしても、往年のコミンテルンの大かかりなものとは比べようもないくらいの規模のものです。
ハニートラッフでアメリカを震撼させたロシア女スパイの、アンナ・チャップマン |
こういう歴史的背景を知っていれば、現在のロシアは小国であることが良く理解できると思います。
しかし、こうしたロシアがソ連時代に培った軍事力や、諜報戦などの力により、今でも多くの国々の人々に大国のように思われています。
しかし、現実のロシアは小国であるため、将来中国が本格的に北極海に進出した場合、それこそ、第二第三の尖閣問題や、南シナ海のようになる可能性はかなり高いです。それに、ロシアは現在、北極海に直接接する国としては、もっともその接地面の大きな国であり、これだけの接地面を防衛するのは、本当に大変なことです。
北極海 |
そんなときに、日本が中国を牽制してくれれば、中国は日本に対する軍事力を強化しなくてはならず、その分北極海に割ける軍事力にも限りがでてきます。
まさに、ロシアの狙いはそれです。EUもうまくすれば、頼りになるかもしれませんが、それにしても、経済的にはたいしたことはありません。EU全体で、ようやっと、日本やアメリカに対抗できるような経済力であり、しかも一つの国ではないため、場合によっては各国の利害の衝突もあります。
ロシアと日本は、中国封じ込めということでは、利害が一致しています。このことをうまく利用し、ロシアと提携できるところは提携し、外交でうまく持っていくことができれは、あれほど困難と思われた、北方領土の返還もうまくいくかもしれません。
ロシアも、自らが窮地にいたったときだけ、中国の脅威をいいたて、国際法上でも何の権利もなく、日本の領土を終戦後に勝手に奪っておき、返還もしないというのであれば、日本との提携など最初から反故にされても文句はいえないでしょう。
米国の退潮は、明らかですし、ロシアはすでに小国に過ぎず、中国の崩壊は目に見えてきた現在、日本は自らの信念にもとづき、アジアの平和と安定のため、世界の繁栄のため一役、それも大きくな一役を買うことができる時代が近づきつつあるような気がします。
そう思うのは私だけでしょうか。皆さんは、どう思われますか?
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