2014年2月8日土曜日

米国務長官、岸田外相との会談で日本の防衛にコミット示す―【私の論評】アジアの平和と安定の敵は中国ということをようやっと理解したヘタレアメリカ、しかしその対応は十分ではない、まだまだやるべきことがある!

米国務長官、岸田外相との会談で日本の防衛にコミット示す

ケリー米国務長官と岸田文雄外相

[ワシントン 7日 ロイター] -ケリー米国務長官は7日、ワシントンを訪れている岸田文雄外相と会談し、日本の防衛、およびアジア太平洋地域の安定に対するコミットメントを確認した。

ケリー国務長官は会談後、「米国が同盟国である日本と条約の順守にこれまでになくコミットし続けていることを強調した」とし、「これには東シナ海の情勢も含まれる」と述べた。

その上で、中国が東シナ海上空に設定した防空識別圏(ADIZ)について、米国は「これを承認もしていないし、容認もしていない」と述べた。

また、「米国は、アジア太平洋地域の繁栄と安定を維持することに深くコミットしている」との立場も表明。同国務長官は来週、アジア歴訪の一環として中国を訪問する。

ケリー国務長官は、安倍晋三首相が前年末に東京の靖国神社を参拝したことについては直接言及しなかった。

この記事の詳細はこちらから!

【私の論評】アジアの平和と安定の敵は現体制の中国ということをようやっと理解したヘタレアメリカ、しかしその対応は十分ではない、まだまだやるべきことがある!

この報道に関しては、あの石平氏が以下のようなツイートをしています。
石平氏は、アメリカがアジアの平和の最大の敵は誰かが分かったのかとしていますが、分かっただけではどうにもなりません。行動が伴わなければ、何も変わりません。そうして、やるべきこととは、現在の中国の体制は崩壊するものとして、対中国政策をすべて見直すということです。

中国の現在の体制がそのまま続くなどということは、合理的に考えればあり得ないことです。中国は短ければあと5年で、遅くても10年以内には今の体制は確実に崩壊します。それが、どのような形になるかは、まだはっきりしませんが、現体制がそのまま続くとはとても考えられません。そうして、現体制は中国を変革することはとても無理です。であれば、いくつかの国に分裂するするものとしてそれに対する方針を予め定めておく必要があります。

その一環として、上の記事のように、米日韓の連携が重要であることを再認識するとともに、日本がアジアのリーダーになることを認めるべきです。これに関しては、以前このブログにも掲載したことがあるので、その記事のURLを以下に掲載します。
オバマ氏に啓上、親米保守の嘆き 杏林大学名誉教授・田久保忠衛―【私の論評】アジアのリーダー次第で、暗黒アジアと民主アジアへの分岐点が決まる!オバマは、アジアのリーダーとして日本を選べ(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、オバマは日本がアジアのリーダーになることを認めること、そうしてその手始めとして、尖閣は日本固有の領土であり、日中の間には領土問題など存在しないということを公式に発表すべきことを掲載しました。

こうすべきことは、あまりにはっきりし過ぎているのですが、肝心な時にヘタレとなるアメリカでは、まだまだこのことが理解されていないようです。

いままさに、アメリカは中国に対してヘタレ状況になっています。オバマが尖閣に関する声明を発表し、さらに南シナ海に関しても、もともと南シナ海は中国とは全く関係ないものと公式見解を発表すれば、中国は動きがとれなくなります。というより、中国はいろいろ周辺諸国に挑発をして、アメリカの様子をみて、アメリカが何も言わないので、さらに挑発をエスカレートさせ、それでも黙っていれば、尖閣や南シナ海をわが物にしようとしているだけです。

アメリカがヘタレ状況になっている、この「ヘタレ」とは、倉山満氏の『嘘だらけの日米近現代史』という書籍を読んでいただければ、良くご理解いただけるものと思います。

詳細はこの書籍を読んでいただくものとして、この書籍の最初のほうに掲載されていた、三つのコアメッセージを掲載しておきます。
『本書をとりあえず一読してください。通説、つまり、「日本人が信じている、教科書的アメリカ史」がいかに嘘にまみれているかがわかると思います。
そして3つのコアメッセージさえ理解できれば、アメリカとの関係はそう難しくありません。
その一、アメリカはバカ
その二、アメリカはヘタレ
その三、でも、やるときはやる!』
実際、アメリカの最近の対中国対策をみていると、最初はまるで「バカ」な対応ばかりしていました。アメリカにも日本に負けず劣らず、バカなチャイナスクールが存在していて、今の中国がそのまま成長して、経済も軍事力も強大になると信じて疑わないバカが多数存在して、結果として対中国対策を誤りました。

その後は、最近のオバマのように中国に対して弱腰で、ヘタレ状況に陥り、フィリピンから撤退したりして、中国の南シナ海への進出を許してしまいました。その後も、尖閣問題への及び腰、日本の艦船へのレーダー照射に対する及び腰、防空圏設定に対しても煮え切らない態度を取りつづけ、まさにヘタレ状況です。

しかし、そのアメリカもブログの冒頭の記事のように、ヘタレ状況から脱却しつつはあるようですが、まだ「やるときにはやる」という状況にはなってはいないようです。

そもそも、現体制の中国がそのまま継続するようなことは絶対にあり得ないのに、まだまだ、米国内のチャイナスクールの連中の中国幻想に引きづられているいるようです。

しかし、この幻想はいずれ近いうちに、崩れます。この中国幻想について、はっきり認識しているのはロシアのようです。それを示す査証となるような記事をこのブログで以前紹介したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
旧ソ連と同じ罠にはまった中国、米国の仕掛けた軍拡競争で体力消耗―露メディア―【私の論評】ロシアの弱体化を吐露する記事、中国を封じ込めることと引き換えにロシアとの領土交渉を!!
アメリカのスターウォーズ構想概念図

詳細は、この記事を読んでいただものとして、この記事では、ロシアの弱体化を中心に記載しましだか、この記事の冒頭のロシア側のソ連の崩壊の理由は正しいです。そうして、中国がその道を歩もうとしていることも事実です。中国は、歴史を真摯に顧みることもなく、日本の歴史を捏造していますが、ソ連崩壊の歴史も真摯に学ぼうという姿勢はないようです。

旧ソ連法は、いろいろ問題がありましたが、特にアメリカとの軍拡競争で巨大な軍事費を費やしていたことは事実です。そうして、最終的にアメリのレーガンが打ち出した、スターウォーズ計画に対抗しようとし、ロシア版スターウォーズ計画を打ち出し、これを実行しようとして、巨大な軍事費をそれに費やしはじめたことにより、経済が完璧に疲弊し、国内の経済社会が落ち込むだけ落ち込み、とんでもないことになり、崩壊しました。

現在中国は、かつてのソ連のように、軍拡を開始していて、毎年軍事費を増やしています。国内は2010年あたりから、毎年暴動が8万件も発生しているといわれています。このような状況が続けば、いずれ中国の現体制は維持できなくなり、崩壊するのは目に見えています。

ドラッカー氏

ソ連の崩壊は、ドラッカー氏が予測していました。ドラッカー氏は、『乱気流時代の経営』において、婉曲ながらソ連の分裂の危機を予言しました。その10年後の『新しい現実』では、ソ連が崩壊すると断言しました。現在もドラッカー氏か存命なら、おそらく中国の崩壊も断言したと思います。

日本では、小室尚樹氏が予測していました。小室氏は、1981年の「ソビエト帝国の崩壊」によって、一躍有名になりました。氏49歳の時でした。山本七平に「天才」と絶賛され、京大理学部数学科卒、阪大大学院経済学研究科、東大大学院法学政治学研究科、マサチューセッツ工科大学、ハーバード大学という華麗なキャリアを引っ提げての鮮烈なデビューでした。同著はベストセラーとなったが、その後矢継ぎ早に刊行された著書もヒットを重ね、先の山本七平や渡部昇一らに持ち上げられ、保守論客期待の星として注目を集めました。



本著では、平等のはずのソ連において資本主義社会以上の特権階級が存在し、また、自己目的化された軍事費の増大によって国民経済が圧迫されていることなどが指摘されていました。さらに、ソ連においてすら、マルクス主義経済学の有効性が疑問視されていることにも言及していました。そして、ソ連は基本的に資本主義が成熟する以前の農民社会であり、伝統的価値観としてのツアリズムが残っており、ニコライ2世がスターリンに代わっただけの話だとしていました。そして、フルシチョフのスターリン批判によってカリスマの権威が失墜し、急性アノミー(無規範状態)が起こっていると説いていました。小室氏は、後に「中国共産党帝国の崩壊」(1989)を出しています、これでは、毛沢東を中華皇帝になぞらえ、人民革命は易姓革命だったと説いています。

小室氏の「ソビエト帝国の崩壊」は、発表後の約10年後に実際にソビエトは崩壊しました。中国の崩壊に関しては、結局は外れているようにも見えます。しかし、私自身は、これもいずれ起こるものとみています。

ソビエト崩壊に関して、小室氏の説には反対の人もいるようですが、いずれにしても、無理な体制が長続きした試しは過去の歴史を見ても、ありません。どんな体制であっても、その時代においてそれなりの、正当性があり、存在価値のあるものであれば、その体制は続きます。しかし正当性がなくなれば、存在価値もなくなり崩壊します。ソ連も正当性がなくなり存在価値がなくなり、崩壊しただけです。結局中国も同じ運命をたどることになります。



私も、昔は中国はもっと早い時期に崩壊するだろうと考えていました。しかし、私の見方は甘かったと反省しています。どこが甘かったかといえば、まずは、中国自体が旧ソ連とは比べ物にならないほど貧乏だということです。それと、中国にはそれこそ、人民解放軍から公安警察、最近で城官まで、日本などの国では考えられないほど、強固で幾重にも張り巡らされた、暴力装置が存在しており、それらが武力を用いて、ことごとく、反体制派を弾圧できるということを、軽視していました。

しかし、これらの暴力装置にも限界がくるほど、人民の憤怒のマグマは煮えたぎっており、いつ何時中国のいたるところで、大噴火を起こしてもおかしくない状況になっています。そんなことは、おかまいなしに、中国は軍拡に走っています。そうして、日本が金融引締めをして中国にとってまるで、打ち出の小槌のような政策をとり、中国投資や技術移転などがしやすい環境をつくりだしていましたが、それも、昨年の4月からの日銀の包括的金融緩和によって、そうしたぬるま湯のような環境も潰えてしまいました。

最近の中国は資金ショートが目立つようになりました。日本からは、中国ファンドが、日本のあらゆる企業に対して、投資していましたが、それも昨年の夏あたりに、日本国内から一斉に消えてしまいました。その総額は、4兆円にのぼるといわれています。これは、日本ではほとんど報道されませんが、中国の資金ショートの現実を雄弁に物語っていると思います。

米中間合同軍事演習

このような状況をみていれば、現体制の中国はとても長続きするとは思えません。次の段階では、アメリカは中国のこの現実を直視すべきです。そうして、無論のこと韓国もです。韓国は、アメリカがヘタレ的な行動をとるから、中国になびいているだけです。韓国に対しても、以前のように厳しく対応していれば、中韓接近などということはなかったと思います。

そうして、アメリカ一国だけで、軍拡をするには限界があります。韓国は、東京都と同じくらいのGDPしかありませんから、そもそも軍拡など最初から無理です。日本の軍拡も認め、日米合同で軍拡をすれば、比較的楽に、現中国を旧ソ連のように追い込むことができます。わざわざ追い込む必要はないではないかという人もいるかもしれません。しかし、いずれ中国は崩壊しますが、その崩壊が長引けば、長引くほど、アジアの平和と安定は脅かされることになります。

なるべく早く崩壊に追い込むのが得策です。そのほうが、中国人民にとっても良いことです。チベット、ウィグルにとっても良いことです。本当に一番良いのは、現中国共産党中央政府自らが改革をして民主化、政治と経済の分離、法治国家体制を築けば良いのですが、そのような動きは全くないし、それをする能力もないようです。であれば、外圧によってそれを促すしかありません。

こうすることにより、アメリカは「ヘタレ」状況から、たちあがり、「やるときはやる」という状況になることでしょう。いずれにせよ、今のアメリカは、なるべく早く中国幻想から脱却すべきです。そうでなければ、いつまでも「ヘタレ)状況がら脱却できず、アメリカの相対的に地位を低下させ続けることになります。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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