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2018年4月6日金曜日

安倍晋三首相、米皮切り相次ぎ首脳会談 北の包囲網突破許さず 「戦略描いたのは日本。置き去りではない」―【私の論評】アジアの平和と安定の脅威は日本のマスコミと野党(゚д゚)!

安倍晋三首相、米皮切り相次ぎ首脳会談 北の包囲網突破許さず 「戦略描いたのは日本。置き去りではない」


 安倍晋三首相は17日からの訪米を皮切りに、夏にかけて首脳会談ラッシュに突入する。狙いは、国際社会との対話に動き始めた北朝鮮が試みる包囲網突破の阻止だ。対北圧力路線の旗振り役として、非核化だけでなくミサイル問題の解決についても北朝鮮が具体的な行動を取らない限り圧力継続が重要と訴え、包囲網維持を呼びかける。同時に拉致問題の解決に向けた協力の確約取り付けも目指す。

 「米政府内には『シンゾーからトランプ大統領に言ってもらった方がいい』という声が多い。首相が発言することが多くて負担が重くなってしまう…」

 日本政府関係者は日米首脳会談を前にこう語る。自身のスタッフにさえあまり耳を貸さないトランプ氏だが、首相の話はきちんと聞くため、米政府も首相に頼っているのだ。


 今月の日米首脳会談はトランプ氏就任後、6度目となるが、日本側は「これまでで最も重要な会談」と位置づける。5月末までにトランプ氏と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の会談が予定されているからだ。

 首相はトランプ氏に対し、北朝鮮の「非核化」のあり方を具体的に説明し、核開発のための猶予を与えずに短期間で実行させる重要性についてクギを刺す。日本にとって脅威の中・短距離ミサイルの廃棄も不可欠であることをすり込む考えだ。拉致問題についてもトランプ氏から金氏に直接、解決を迫るよう要請する。

 米国と綿密なすり合わせの後、首相は日米連携をテコに韓国や中国、ロシアと対北包囲網堅持を確認する。特に韓国は日米と連携を取っているが、いつ中朝にすり寄ってもおかしくない。北朝鮮の非核化を話し合う6カ国協議の「日米韓対中朝露」の構図が「日米対中韓朝露」に変化すれば、包囲網の効力は低下しかねない。

 こうした事態を避けるため、首相は5月上旬に東京で開催する日中韓サミットで、韓国の文(ムン)在(ジェ)寅(イン)大統領、中国の李克強首相とそれぞれ会談し、圧力路線継続の一致を目指す。5月下旬には訪露してプーチン大統領と会談するほか、6月上旬のカナダでの主要7カ国(G7)首脳会議でも協力を呼びかける。

 北朝鮮が米韓中との首脳会談に加え、近く朝露首脳会談を行うとの臆測もあり、「日本置き去り」論は根強い。しかし、北朝鮮が対話を求めるほどに追い詰められたのは、日本が圧力路線を主導したからだ。

 日米はトランプ政権発足以降、(1)軍事力を含むすべての選択肢はテーブルの上にある(2)最大限の圧力をかける(3)北朝鮮側から話し合いを求めてくる状況を作る-の3方針を主導してきた。いずれも日本が提案し、米国が国連などで主張し日本が支持する形を取ってきた。

 外務省幹部は「実は日本がこれまでの戦略を描いてきた。決して置き去りになっていない」と断言する。首相の一連の外国訪問は置き去りではないことを証明する狙いもありそうだ。(田北真樹子)

【私の論評】アジアの平和と安定の脅威は日本のマスコミと野党(゚д゚)!

電撃的だった中朝首脳会談

平昌オリンピックにおいて、北朝鮮による華々しい「微笑み」外交が繰り広げられ、その後の電撃的な中朝首脳会談の背後で、北朝鮮をめぐる軍事的緊張は確実に高まってきています。こう書いても、いまや話半分にしか聞いてくれないことが多いかもしれません。

それも理解できなくもありません。昨年来、マスコミでは、トランプ政権がいまにも北朝鮮を攻撃するかのような憶測が事あるたびに報じられてきましたが、軍事行動が起こらないまま1年が過ぎたからです。

狼少年ではありませんが、半島危機は起こらないのではないのかという奇妙な楽観論がいまの日本を覆いつつあるようです。しかし、この1年のあいだに危機は確実に進行しています。

その危機の実情を理解してもらうためには、まず、なぜこの1年間、トランプ政権が軍事行動を起こさなかったのか、ということの説明から始める必要がありそうです。

そもそも、北朝鮮に対してトランプ政権はどのように考えているのでしょうか。特にその中でも、米軍関係者はどのように考えているのでしょう。

米軍側は、北朝鮮だけを見ているわけではありません。北朝鮮有事はあくまで前哨戦に過ぎず、本丸は中国であり、ロシアが連動してくると考えているようです。

米軍は、アジア太平洋方面において2つの大きな脅威に直面しています。短期的には北朝鮮。長期的には中国が自国の利益を確保するために軍事力を使おうとしていることです。

北朝鮮の脅威は、軍事だけといえます。経済力がないため、中国に比べればそれほど難しくはありません。この北朝鮮の問題を混乱させているのがロシアです。ウクライナ問題でもロシアは事態を混乱させる方向で動いていました。

中国は経済力をもっているため、中国に対して軍事は重要ですが、それ以上に外交、情報、経済などの分野で中国を抑止していくことが重要です。とくに中国は、他国が他の問題に気を取られているあいだにいろいろと手を打ってくるので注意が必要です。

金正恩朝鮮労働党委員長を筆頭とする北朝鮮の体制を崩壊させたとしても、米軍は、中国が軍事的増強を続けているため、これから10〜20年はアジアの緊張が続くものとみるべきでしょう。特にこのブログでも何度か掲載しているように、台湾を巡る米中の争いはアジアに新たな火種となるのは間違いないです。

3月22日、トランプ米大統領は中国への高関税措置に署名した

トランプ米政権が国防予算を大幅に増やしたことから、半島危機に備え本気で対応しようとしているのは間違いないでしょう。

その上で、安倍晋三政権は外交で、北朝鮮の暴発を阻止する努力を続けています。アジア紛争のリスクは実は、安倍批判が強い日本のメディアの論調にあるかもしれません。

その中でも、「(北朝鮮問題で)日本は置き去りにされている」マスコミの論調は、最低、最悪と言って良いかもしれません。その尻馬に乗って、森友問題などでとにかく倒閣に結びつけようとする野党も大問題です。

安倍総理は、ブログ冒頭の記事のように、これからも様々な外交活動をしますが、それ以前にかなりの外交努力を継続してきています。そのため、トランプ大統領にも外交では頼られる存在になることができたのです。

安倍総理の経済制裁の強化は、正しい路線です。この制裁に日米が本気でとりくんだからこそ、金正恩は焦りに焦り、それまでとはうってかわって、平昌五輪での融和路線を打ち出し、中朝首脳会談をも実現させたのです。

経済制裁はときに大きな効果をもたらすことがあります。これに関しては、実例があります。80年代後半、各国が次々に制裁に踏み切ると、国際的に孤立した南アの白人政権は、黒人との融和をめざさざるをえなくなりました。

国連が一連の経済制裁を解除したのが93年、南アでの初の黒人政権が誕生したのは、94年のことでした。経済制裁があの南アの白人を動かしたのです。

ダーバンビーチ条例第37節に基づき、この海水浴場は白人種集団に属する者専用とされる」と
英語アフリカーンス語ズールー語で併記された1989年撮影の標識 アパルトヘイトの象徴

日米の本気の経済制裁がなければ、そもそも、韓国と北朝鮮との南北会談も実現せず、相変わらず北は、ミサイル発射実験を継続していたかもしれません。

国民も安倍外交の成果や、半島危機の実態を正しく理解することが必要です。これから、半島危機で日本がうまく立ち回れないとすれば、残念ながら最大の要因はマスコミや野党が倒閣のために安倍政権の足を引っ張ることでしょう。

そもそも、安倍政権がここ数年以内で、崩壊することにでもなれば、日本経済は再びデフレスパイラルのどん底に落ち込み、さらに外交面では世界から置き去りにされることでしょう。これがどれだけ、日本経済や外交・安全保障に悪影響を与えるかは明らかです。さらに、安倍晋三というパートナーを失った米国は外交経験の浅いトランプ氏では中国との対決に苦しむことになります。

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2014年3月26日水曜日

青山繁晴がハワイ・アメリカ軍太平洋司令部の甘い考えに喝!―【私の論評】日本も、そろそろアメリカをあまりあてにせず独自でアジアと平和の安定に寄与すべき時がやってきたようだ(゚д゚)!

青山繁晴がハワイ・アメリカ軍太平洋司令部の甘い考えに喝!



独立総合研究所の青山繁晴氏が、ハワイにある米軍太平洋艦隊司令部、米軍太平洋空軍司令部、統合司令部へ訪問し、対中国&北朝鮮有事に対する議論した内容を報告しています。

青山繁晴氏によると、対北朝鮮を考えた場合、アメリカ軍の幹部は韓国の朴槿恵(パククネ)大統領の異常な反日は本当に迷惑で国内の問題を隠すために外に敵を作るというありがちな政策にしか見えないとハッキリ語ったそうです。

青山氏によるとアメリが軍の幹部は、米国政府が尖閣諸島は日米安保の対象だと繰り返し言っているのだから中国は中々動けないだろうと希望的観測を持っているとのこと。

さらに中国人民解放軍の狙いは、自衛隊や米軍を挑発しておかしな切っ掛けを作ることだが、共産党政権は未だ本格的に取りには来ないだろうと分析しているが、そんな甘い子考えではダメだと青山氏は喝を入れたそうです。

【私の論評】日本も、そろそろアメリカをあまりあてにせず独自でアジアと平和の安定に寄与すべき時がやってきたようだ(゚д゚)!

オバマの可哀想な瞬間、それにしてもリーダーシップが欠如している?
オバマ大統領が、もともと外交音痴であること、それにあと任期も2年ということで、海外のことなどあまり気にかけていないようであることについては、このブログでも掲載してきました。本当にどうしようもないです。

上の写真は、このようなオバマの煮え切らない態度を象徴しているようです。結局朴槿恵も、安部総理も、ブッシュの顔を立てるためだけにこの会合に出席したということです。

それにしても、このオバマ大統領の指揮下にある米軍も、青山氏が指摘するように、甘い考え方を持つのはいたしかたないと思います。

オバマ大統領としては、朴槿恵には、中国寄りの政策をとるなら、米国との同盟から抜けるべきだくらいのこと言って当然のことと思います。

しかし、それもできない、それどころか、全く必要性も何もなく、今の時期にミッシェル夫人を中国に長期滞在させるような馬鹿真似をしています。

しかも、会談が始まった直後に、北朝鮮が中距離弾道ミサイルのノドンを二発も打ったことや、アメリカのインテリジェンスによって、北朝鮮の崩壊は近いとされる今日、もっとはっきりアメリカの意図をはっきり示すべきなのでしょうが、そもそも、オバマにはそのような明確なビジョンなどないのだと思います。

北朝鮮の中距離弾道ミサイル「ノドン」

この有り様だと、先日のこのブログにも掲載したように、「安部首相は、河野談話をくつがえす、新談話をいずれ発表しようとしていると思います。そうして、深謀遠慮によって、アメリカのオバマを懐柔し、日本がロシアに対して、名目だけの制裁しかしないことにして、プーチン大統領に恩を売って北方領土返還に結びつけようとしているのです」ということが、ますます信ぴょう性を帯びてきます。

小国ロシアに対して、このような外交を展開しようといている、安部総理の目には、韓国の朴槿恵な゛と全く写っていません。安部総理にとって、朴槿恵はオバマに恩を売る単なる一時的な道具に過ぎず、韓国など眼中にないのだと思います。

日本としては、馬鹿オバマ以外の軍や議会などに徹底的に訴え、オバマ抜きでもいよいよのときは、中国に対抗できるような対抗措置をとっておくべきでしょう。日本の海上自衛隊を仮想敵にするような朴槿恵にはもうほとほと愛想がつきました。この際、韓国など日本にとってはどうでも良いでしょう。

ソビエト連邦崩壊後の約20年でみると、東欧諸国が相次いでNATOに加盟するなど、ロシアは崖っぷちに立っていましたが、クリミア編入で土俵際で何とか踏みとどまったという感じです。プーチン側から見れば、これは当然のことです。ここで踏ん張らなければ、ロシアの地位は地に堕ちたと考えられます。

この状態は、欧米とロシアにとって、いい「均衡」になり得ると思います。今後は紆余曲折があるにしても、長い目で見れば、一定期間、経済制裁が行われた後に、徐々に関係正常化に向かうように思われます。

ただし、短期的には、欧州とロシアとの駆け引きが行われることになると思います。日本にとって要注意なのは、中国の動きです。クリミアには住民がいるので、曲がりなりにも民主的な手続きが行われました。しかし、尖閣諸島は無人島です。ある日、不測の事態が起こらないとはいえません。

今回のロシアのように、国連常任理事国が当事者になると当然、国連も無力です。そうなると、上で示したように、米国もあてにならずに、国連常任理事国でもある、中国にいいようにされることもあり得ます。

日本も、そろそろアメリカをあまりあてにせずとも、小国ロシアなども巻き込んで、独自でアジアと平和の安定に寄与すべき日がやってきたようです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年2月8日土曜日

米国務長官、岸田外相との会談で日本の防衛にコミット示す―【私の論評】アジアの平和と安定の敵は中国ということをようやっと理解したヘタレアメリカ、しかしその対応は十分ではない、まだまだやるべきことがある!

米国務長官、岸田外相との会談で日本の防衛にコミット示す

ケリー米国務長官と岸田文雄外相

[ワシントン 7日 ロイター] -ケリー米国務長官は7日、ワシントンを訪れている岸田文雄外相と会談し、日本の防衛、およびアジア太平洋地域の安定に対するコミットメントを確認した。

ケリー国務長官は会談後、「米国が同盟国である日本と条約の順守にこれまでになくコミットし続けていることを強調した」とし、「これには東シナ海の情勢も含まれる」と述べた。

その上で、中国が東シナ海上空に設定した防空識別圏(ADIZ)について、米国は「これを承認もしていないし、容認もしていない」と述べた。

また、「米国は、アジア太平洋地域の繁栄と安定を維持することに深くコミットしている」との立場も表明。同国務長官は来週、アジア歴訪の一環として中国を訪問する。

ケリー国務長官は、安倍晋三首相が前年末に東京の靖国神社を参拝したことについては直接言及しなかった。

この記事の詳細はこちらから!

【私の論評】アジアの平和と安定の敵は現体制の中国ということをようやっと理解したヘタレアメリカ、しかしその対応は十分ではない、まだまだやるべきことがある!

この報道に関しては、あの石平氏が以下のようなツイートをしています。
石平氏は、アメリカがアジアの平和の最大の敵は誰かが分かったのかとしていますが、分かっただけではどうにもなりません。行動が伴わなければ、何も変わりません。そうして、やるべきこととは、現在の中国の体制は崩壊するものとして、対中国政策をすべて見直すということです。

中国の現在の体制がそのまま続くなどということは、合理的に考えればあり得ないことです。中国は短ければあと5年で、遅くても10年以内には今の体制は確実に崩壊します。それが、どのような形になるかは、まだはっきりしませんが、現体制がそのまま続くとはとても考えられません。そうして、現体制は中国を変革することはとても無理です。であれば、いくつかの国に分裂するするものとしてそれに対する方針を予め定めておく必要があります。

その一環として、上の記事のように、米日韓の連携が重要であることを再認識するとともに、日本がアジアのリーダーになることを認めるべきです。これに関しては、以前このブログにも掲載したことがあるので、その記事のURLを以下に掲載します。
オバマ氏に啓上、親米保守の嘆き 杏林大学名誉教授・田久保忠衛―【私の論評】アジアのリーダー次第で、暗黒アジアと民主アジアへの分岐点が決まる!オバマは、アジアのリーダーとして日本を選べ(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、オバマは日本がアジアのリーダーになることを認めること、そうしてその手始めとして、尖閣は日本固有の領土であり、日中の間には領土問題など存在しないということを公式に発表すべきことを掲載しました。

こうすべきことは、あまりにはっきりし過ぎているのですが、肝心な時にヘタレとなるアメリカでは、まだまだこのことが理解されていないようです。

いままさに、アメリカは中国に対してヘタレ状況になっています。オバマが尖閣に関する声明を発表し、さらに南シナ海に関しても、もともと南シナ海は中国とは全く関係ないものと公式見解を発表すれば、中国は動きがとれなくなります。というより、中国はいろいろ周辺諸国に挑発をして、アメリカの様子をみて、アメリカが何も言わないので、さらに挑発をエスカレートさせ、それでも黙っていれば、尖閣や南シナ海をわが物にしようとしているだけです。

アメリカがヘタレ状況になっている、この「ヘタレ」とは、倉山満氏の『嘘だらけの日米近現代史』という書籍を読んでいただければ、良くご理解いただけるものと思います。

詳細はこの書籍を読んでいただくものとして、この書籍の最初のほうに掲載されていた、三つのコアメッセージを掲載しておきます。
『本書をとりあえず一読してください。通説、つまり、「日本人が信じている、教科書的アメリカ史」がいかに嘘にまみれているかがわかると思います。
そして3つのコアメッセージさえ理解できれば、アメリカとの関係はそう難しくありません。
その一、アメリカはバカ
その二、アメリカはヘタレ
その三、でも、やるときはやる!』
実際、アメリカの最近の対中国対策をみていると、最初はまるで「バカ」な対応ばかりしていました。アメリカにも日本に負けず劣らず、バカなチャイナスクールが存在していて、今の中国がそのまま成長して、経済も軍事力も強大になると信じて疑わないバカが多数存在して、結果として対中国対策を誤りました。

その後は、最近のオバマのように中国に対して弱腰で、ヘタレ状況に陥り、フィリピンから撤退したりして、中国の南シナ海への進出を許してしまいました。その後も、尖閣問題への及び腰、日本の艦船へのレーダー照射に対する及び腰、防空圏設定に対しても煮え切らない態度を取りつづけ、まさにヘタレ状況です。

しかし、そのアメリカもブログの冒頭の記事のように、ヘタレ状況から脱却しつつはあるようですが、まだ「やるときにはやる」という状況にはなってはいないようです。

そもそも、現体制の中国がそのまま継続するようなことは絶対にあり得ないのに、まだまだ、米国内のチャイナスクールの連中の中国幻想に引きづられているいるようです。

しかし、この幻想はいずれ近いうちに、崩れます。この中国幻想について、はっきり認識しているのはロシアのようです。それを示す査証となるような記事をこのブログで以前紹介したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
旧ソ連と同じ罠にはまった中国、米国の仕掛けた軍拡競争で体力消耗―露メディア―【私の論評】ロシアの弱体化を吐露する記事、中国を封じ込めることと引き換えにロシアとの領土交渉を!!
アメリカのスターウォーズ構想概念図

詳細は、この記事を読んでいただものとして、この記事では、ロシアの弱体化を中心に記載しましだか、この記事の冒頭のロシア側のソ連の崩壊の理由は正しいです。そうして、中国がその道を歩もうとしていることも事実です。中国は、歴史を真摯に顧みることもなく、日本の歴史を捏造していますが、ソ連崩壊の歴史も真摯に学ぼうという姿勢はないようです。

旧ソ連法は、いろいろ問題がありましたが、特にアメリカとの軍拡競争で巨大な軍事費を費やしていたことは事実です。そうして、最終的にアメリのレーガンが打ち出した、スターウォーズ計画に対抗しようとし、ロシア版スターウォーズ計画を打ち出し、これを実行しようとして、巨大な軍事費をそれに費やしはじめたことにより、経済が完璧に疲弊し、国内の経済社会が落ち込むだけ落ち込み、とんでもないことになり、崩壊しました。

現在中国は、かつてのソ連のように、軍拡を開始していて、毎年軍事費を増やしています。国内は2010年あたりから、毎年暴動が8万件も発生しているといわれています。このような状況が続けば、いずれ中国の現体制は維持できなくなり、崩壊するのは目に見えています。

ドラッカー氏

ソ連の崩壊は、ドラッカー氏が予測していました。ドラッカー氏は、『乱気流時代の経営』において、婉曲ながらソ連の分裂の危機を予言しました。その10年後の『新しい現実』では、ソ連が崩壊すると断言しました。現在もドラッカー氏か存命なら、おそらく中国の崩壊も断言したと思います。

日本では、小室尚樹氏が予測していました。小室氏は、1981年の「ソビエト帝国の崩壊」によって、一躍有名になりました。氏49歳の時でした。山本七平に「天才」と絶賛され、京大理学部数学科卒、阪大大学院経済学研究科、東大大学院法学政治学研究科、マサチューセッツ工科大学、ハーバード大学という華麗なキャリアを引っ提げての鮮烈なデビューでした。同著はベストセラーとなったが、その後矢継ぎ早に刊行された著書もヒットを重ね、先の山本七平や渡部昇一らに持ち上げられ、保守論客期待の星として注目を集めました。



本著では、平等のはずのソ連において資本主義社会以上の特権階級が存在し、また、自己目的化された軍事費の増大によって国民経済が圧迫されていることなどが指摘されていました。さらに、ソ連においてすら、マルクス主義経済学の有効性が疑問視されていることにも言及していました。そして、ソ連は基本的に資本主義が成熟する以前の農民社会であり、伝統的価値観としてのツアリズムが残っており、ニコライ2世がスターリンに代わっただけの話だとしていました。そして、フルシチョフのスターリン批判によってカリスマの権威が失墜し、急性アノミー(無規範状態)が起こっていると説いていました。小室氏は、後に「中国共産党帝国の崩壊」(1989)を出しています、これでは、毛沢東を中華皇帝になぞらえ、人民革命は易姓革命だったと説いています。

小室氏の「ソビエト帝国の崩壊」は、発表後の約10年後に実際にソビエトは崩壊しました。中国の崩壊に関しては、結局は外れているようにも見えます。しかし、私自身は、これもいずれ起こるものとみています。

ソビエト崩壊に関して、小室氏の説には反対の人もいるようですが、いずれにしても、無理な体制が長続きした試しは過去の歴史を見ても、ありません。どんな体制であっても、その時代においてそれなりの、正当性があり、存在価値のあるものであれば、その体制は続きます。しかし正当性がなくなれば、存在価値もなくなり崩壊します。ソ連も正当性がなくなり存在価値がなくなり、崩壊しただけです。結局中国も同じ運命をたどることになります。



私も、昔は中国はもっと早い時期に崩壊するだろうと考えていました。しかし、私の見方は甘かったと反省しています。どこが甘かったかといえば、まずは、中国自体が旧ソ連とは比べ物にならないほど貧乏だということです。それと、中国にはそれこそ、人民解放軍から公安警察、最近で城官まで、日本などの国では考えられないほど、強固で幾重にも張り巡らされた、暴力装置が存在しており、それらが武力を用いて、ことごとく、反体制派を弾圧できるということを、軽視していました。

しかし、これらの暴力装置にも限界がくるほど、人民の憤怒のマグマは煮えたぎっており、いつ何時中国のいたるところで、大噴火を起こしてもおかしくない状況になっています。そんなことは、おかまいなしに、中国は軍拡に走っています。そうして、日本が金融引締めをして中国にとってまるで、打ち出の小槌のような政策をとり、中国投資や技術移転などがしやすい環境をつくりだしていましたが、それも、昨年の4月からの日銀の包括的金融緩和によって、そうしたぬるま湯のような環境も潰えてしまいました。

最近の中国は資金ショートが目立つようになりました。日本からは、中国ファンドが、日本のあらゆる企業に対して、投資していましたが、それも昨年の夏あたりに、日本国内から一斉に消えてしまいました。その総額は、4兆円にのぼるといわれています。これは、日本ではほとんど報道されませんが、中国の資金ショートの現実を雄弁に物語っていると思います。

米中間合同軍事演習

このような状況をみていれば、現体制の中国はとても長続きするとは思えません。次の段階では、アメリカは中国のこの現実を直視すべきです。そうして、無論のこと韓国もです。韓国は、アメリカがヘタレ的な行動をとるから、中国になびいているだけです。韓国に対しても、以前のように厳しく対応していれば、中韓接近などということはなかったと思います。

そうして、アメリカ一国だけで、軍拡をするには限界があります。韓国は、東京都と同じくらいのGDPしかありませんから、そもそも軍拡など最初から無理です。日本の軍拡も認め、日米合同で軍拡をすれば、比較的楽に、現中国を旧ソ連のように追い込むことができます。わざわざ追い込む必要はないではないかという人もいるかもしれません。しかし、いずれ中国は崩壊しますが、その崩壊が長引けば、長引くほど、アジアの平和と安定は脅かされることになります。

なるべく早く崩壊に追い込むのが得策です。そのほうが、中国人民にとっても良いことです。チベット、ウィグルにとっても良いことです。本当に一番良いのは、現中国共産党中央政府自らが改革をして民主化、政治と経済の分離、法治国家体制を築けば良いのですが、そのような動きは全くないし、それをする能力もないようです。であれば、外圧によってそれを促すしかありません。

こうすることにより、アメリカは「ヘタレ」状況から、たちあがり、「やるときはやる」という状況になることでしょう。いずれにせよ、今のアメリカは、なるべく早く中国幻想から脱却すべきです。そうでなければ、いつまでも「ヘタレ)状況がら脱却できず、アメリカの相対的に地位を低下させ続けることになります。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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