南シナ海をめぐる中国の主張や行動は国連海洋法条約違反などとしてフィリピンが申し立てた仲裁手続きで、オランダ・ハーグの仲裁裁判所は12日、中国が「歴史的権利」として主張する「九段線」について国際法上の根拠は認められないとの裁定を公表した。南シナ海のほぼ全域の主権を主張して強引に進出する中国に対し、初めて国際法に基づく判断が下された。
裁定は、南シナ海で実効支配の拡大を目指す中国側の主張を退ける内容。中国は一貫して裁定を無視する姿勢だ。罰則など強制的に裁定に従わせる手段はないが、国際社会が司法判断の尊重を求める圧力を高めるのは必至。中国の立場は苦しくなる一方、南シナ海情勢は一段と緊迫化する可能性がある。
中国が「歴史的権利」として南シナ海のほぼ全域を取り囲む形で主張する「九段線」については、仲裁裁判所は管轄権を留保していたが、今回の裁定で中国の主張を退けた。
仲裁は海洋法条約で海洋紛争を解決する手段の一つとして指定されており、全当事者が受け入れなくても手続きを進めることができる。裁定は最終的な判断のため、上訴はできない。
【私の論評】南シナ海の本当の危機は、中国の核戦略による聖域化だ(゚д゚)!
それにしても、このような自然破壊に対しては、シーシェパードもグリーンピースもなぜか反対運動をしません。日本の捕鯨に対して行う妨害活動まではしなくても、少なくとも抗議声明くらい出すべきだと思うのですが、一切そのようなことはしていません。
これに対して、金にならないからやっていないと言う人がいます。しかし、私はそうではないと思います。シーシェパードや、グリーンピースなどは、おそらく中国から金をもらっているのだと思います。だから、抗議活動など一切しないのだと思います。
環礁を埋め立てるには、まずはダイナマイトで大量のサンゴ礁を破壊するという、想像するだけでも恐ろしい、信じられないようなことが行われていました。しかし、グリーンピース・ジャパンのHPで「南シナ海」と検索しても、何もヒットしません。シーシェパードも同じです。特にグリーンピースは、辺野古で自然破壊だと大騒ぎしている同じ人たちとは思えません。
この裁定、先ほど出たばかりなので、いろいろな報道が乱れ飛んでいます。その典型的なものを以下に掲載します。
仲裁裁判所は12日、南シナ海をめぐる裁定で、「中国は、スプラトリー(中国名・南沙)諸島の珊瑚礁の生態系に恒久的かつ取り返しの付かない害を与えた」と指摘した。ロイター通信が伝えた。この裁定は当然といえば、当然です。中国はこの海域の珊瑚礁を徹底的に破壊しつくしました。こんな傍若無人なことが許されて良いはずがあります。
それにしても、このような自然破壊に対しては、シーシェパードもグリーンピースもなぜか反対運動をしません。日本の捕鯨に対して行う妨害活動まではしなくても、少なくとも抗議声明くらい出すべきだと思うのですが、一切そのようなことはしていません。
これに対して、金にならないからやっていないと言う人がいます。しかし、私はそうではないと思います。シーシェパードや、グリーンピースなどは、おそらく中国から金をもらっているのだと思います。だから、抗議活動など一切しないのだと思います。
環礁を埋め立てるには、まずはダイナマイトで大量のサンゴ礁を破壊するという、想像するだけでも恐ろしい、信じられないようなことが行われていました。しかし、グリーンピース・ジャパンのHPで「南シナ海」と検索しても、何もヒットしません。シーシェパードも同じです。特にグリーンピースは、辺野古で自然破壊だと大騒ぎしている同じ人たちとは思えません。
米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対を訴えるため、那覇新港に 到着した環境保護団体グリーンピースの帆船=昨年11月2日 |
所詮、ダブルスタンダード・二枚舌の偽善者団体と思われて仕方ないと思います。
そうして、日本の環境保護団体なども右へならえで、金か何らかの便益を供与されているとしか思えません。もし、私のこの推理が外れているのだとすれば、シーシェパードやグリンピース、それに日本の環境保護団体も、中国に対して抗議声明くらいは発表すべきです。
そうして、日本の環境保護団体なども右へならえで、金か何らかの便益を供与されているとしか思えません。もし、私のこの推理が外れているのだとすれば、シーシェパードやグリンピース、それに日本の環境保護団体も、中国に対して抗議声明くらいは発表すべきです。
南シナ海をめぐる仲裁裁判所の裁定について、中国外務省は12日、「この裁定は無効で、拘束力がない。中国は受け入れないし、承認しない」とする声明を発表した。
声明は、「中国は南シナ海の領土主権と海洋権益はいかなる状況においても仲裁裁の裁定の影響を受けない」と強調。「中国は、この裁定に基づくいかなる主張や行動にも反対し、受け入れない」と裁定を無視する姿勢を示した。(新華社)中国が今回の仲裁裁判所の裁定を無視することは、前々から公表していました。そのため、今回の中国の態度には、驚きも何もしませんが、それにしても、この裁定がくだされた後でも、中国はこれを無視するのですから、国際社会からの風当たりはますます強くなるばかりです。
それにしても、中国がなぜここまで、南シナ海にこだわるかということについては、未だ日本のマスコミなどでは納得のいく報道がなされていません。
日本のマスコミなどが報道するのは、南シナ海がエネルギーの生命線であるということと、この地域の海洋資源についてのみです。
エネルギーの生命線であるとは、南シナ海は原油や天然ガスの海上輸送路(シーレーン)であるということです。
米エネルギー情報局(EIA)によると、2011年時点で南シナ海とタイランド湾を通る原油は1日平均約1400万バレル。世界の原油輸送量の約3分の1を占めます。このうち90%以上がアフリカや湾岸諸国からアジア市場への最短コースであるマラッカ海峡を経由しています。まさに南シナ海は原油輸送の戦略的に重要となる海上水路(チョークポイント)なのです。
日本へは日量320万バレル、韓国への同240万バレル、台湾や香港へは540万バレルとなっています。日本は原油の99.7%を輸入しており、その約83%を中東に依存しています。南シナ海で有事が発生した場合、マラッカ海峡を迂回してインドネシア中部のロンボク海峡を抜けなければならなくなります。
出典:米エネルギー情報局 |
日本にとって南シナ海はまさに生命線になっているのです。
次に、南シナ海の海洋資源というと、南シナ海の原油埋蔵量は推定で112億バレル、天然ガスの埋蔵量は推定で190兆立法フィートです。中国は「九段線」で囲った南シナ海ほぼ全域の島嶼部や人工島の領有権、その周囲の「排他的権利」を主張、南シナ海の海底資源を独占する野望を隠していません。
日本のマスコミが報道する中国の南シナ海進出の理由は以上の二つくらいです。
しかし、中国にとって南シナ海に進出する理由は他にあります。そうして、この二つよりもはるかに、重大理由です。
それについては、以前このブログにも詳細を掲載しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
中国の膨張路線は止まらないが国際社会から強い逆風 南シナ海のハーグ裁定―【私の論評】通常戦力で勝ち目のない中国は、南シナ海に戦術核を配備する(゚д゚)!詳細は、この記事をご覧いただくものとして、結局のところ、中国による南シナ海での人工島造成の狙いは、南シナ海から米軍を追い払うことです。
南シナ海の平均深度は1200メートル以上。海盆の平均水深は3500メートル、最深部は約5600メートルに及びます。中国は戦略ミサイル原潜を4隻配備し、潜水艦発弾道ミサイル(SLBM)を核抑止力の重要な柱にしています。
中国の戦略型原潜については、以下の動画をご覧下さい。
台湾南部から南沙へ掛けての広大な南シナ海の海域は、深さ3000メートル級の、戦略原潜が潜むには絶好の海域です。戦略ミサイル原潜の整備を急ぐ中国は、実はそれを隠す深い海を自国周辺に持っていません。
黄海は、それこそ潜航すら危険ほど浅すぎ、東シナ海も浅い大陸棚のため、ミサイル原潜が潜むには適しません。巨大なミサイル原潜が浅い海を航行すると、様々な痕跡を水面に残し、それは軍事衛星から丸見えになります。南シナ海の広大で深い海は、アメリカ本土を狙うミサイル原潜を潜ませるために、中国がどうしても内海化したい場所なのです。その遠大な計画の第一歩として、中国は長年、南シナ海に突き出た海南島の海軍基地を整備してきました。
南シナ海から米軍を追い払えば、冷戦時にソ連が戦略ミサイル原潜をオホーツク海に潜ませてソ連のSLBMの聖域にしたのと同じように、中国は南シナ海に戦略ミサイル原潜を自由に展開し、南シナ海を戦略型原潜の聖域にすることができます。海南島を出発した最新型の戦略型原子力潜水艦が深く潜航し、台湾とフィリピンの間のバシー海峡を通って西太平洋に抜けることが可能になります。
中国のSLBMは現状では、南シナ海からは米国全土を射程に収めることはできません。しかし、南シナ海から西太平洋に抜け、アメリカ本土に近づけば、アメリカ全土を射程に収めることができます。
それから、いうまでもないことですが、日本は現状でも射程距離内に入っています。
日本のマスコミが報じる資源問題等は、こうした中国の核戦略の隠れミノに過ぎません。この戦略を成就するためには、中国は今回の仲裁裁判所の裁定に従うはずもありません。
そうなると、中国と米国、南シナ海周辺諸国との対立が激しくなるのは当然のことです。対立が激しくなれば、中国は通常兵力、特に海軍力では日本よりも低いといわているくらいですから、到底米軍には勝てません。
日米印豪などの連合軍には、到底勝つどころか、守備することもままなりません。しかし、これらの国々の軍隊が南シナ海を自由往来されると、中国は、南シナ海を戦略型原潜の聖域にはできなくなります。
それでは、中国の核戦略は成就できません。そうなると、通常戦力の劣勢を補うために、いずれこの海域に戦術核を装備することも考えられます。埋め立てた島に、戦術核ミサイルを配備するとか、南シナ海に戦略型原潜の他に、戦術核を装備した攻撃型原潜を配備するようになるかもしれません。
なぜ中国がそこまでするかといえば、中国は本気で冷戦時代のソ連のようになろうとしているからです。この世界を米中二つの国で覇権の及ぶ範囲を分け合おうとしているのです。まさに、身の程知らずとはこのことです。
このような危機があるからこそ、米国は、「航行の自由作戦」を展開し、この海域に艦艇を派遣したりしているのです。艦艇を派遣して、必要なときにこの海域にいつでも自由に米軍の艦艇等派遣する用意があることを中国に見せつけているのです。
その目的は、中国の戦略型原潜がこの海域を自由に航行することを阻止することです。中国がそれでも、戦略型原潜をこの海域で航行させるというなら、米国もいずれは武力を行使することもあり得ます。
この事態が進行すれば、いますぐどうこうのということはないにしても、いずれPoint of No Return (帰還不能点、もはや後に引けない段階)は、いずれ必ずやってきます。これについては、日本も関係ないなどとはいえません。それなりの覚悟を決めておく必要があります。
このような、事実を政府も公表しません。そうして、マスコミも報道しません。くだらないスキャンダルなど報道するくらいなら、このような南シナ海での本当の危機について報道すべきです。政府もこれを国民に直截に知らせるべきです。すべての国民には、「知る権利」があるはずです。
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