2017年7月23日日曜日

「空母大国」に突き進む中国に待ち受ける「財政の大惨事」 米専門家指摘に反論「偉業を快く思っていない」―【私の論評】日本は既に戦闘力では米空母と同等ものを建造できる(゚д゚)!

「空母大国」に突き進む中国に待ち受ける「財政の大惨事」 米専門家指摘に反論「偉業を快く思っていない」

大連港で進水した中国初の国産空母(今年4月26日撮影)
【国際情勢分析】

 4月26日、中国初の国産空母が遼寧省大連の建造ドックから進水し、軍当局は「わが国の空母建造は重大な段階的成果を得た」(国防省報道官)と自賛した。上海では2隻目の国産空母が建造中で、原子力空母の建造も視野に入れるなど中国は「空母大国」に向け突き進んでいる。一方で巨費を投じる空母の建造が中国の財政を圧迫するとの指摘も米国の専門家から出ている。

将来、中国の空母戦力が「財政的な大惨事」を招く-。米ニュースサイト「ワシントン・フリービーコン」は新空母の進水にあたり、米軍事専門家の分析を紹介した。

「計画が見直されない限り、中国の空母は大きな財政的難題となるだろう。空母への資源の投入は米国においても巨大な財政負担となっている」

こうした専門家の見方の背景にあるのが、中国における空母建造の進め方だ。新空母は中国初の空母「遼寧」の前身である旧ソ連の未完成空母「ワリヤーグ」を元に設計、改良したもの。米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)によれば、艦載機の殲(J)15の収用数は遼寧の18~24機から8機程度増える見通しだ。一方、スキージャンプ方式の甲板によって艦載機自らの推力で発艦する方式を踏襲しており、艦載機の搭載燃料や武器重量が制限される課題は残されたままだ。

上海で建造中の空母は、まったく別タイプの設計とみられている。現在の米原子力空母に設置されている、高圧蒸気で艦載機を発進させる装置「カタパルト」(射出機)を備えていると同サイトは予測。さらに次世代の空母は、リニアモーターによる電磁式カタパルトが設置され、原子力による動力システムが導入されると分析する。

ただ日本の軍事アナリストによれば、中国は現在、蒸気カタパルトよりも高度な技術が必要な電磁式カタパルトを優先的に開発しているもようだ。通常動力型の空母に蒸気カタパルトを搭載すれば、船の動力の相当部分をカタパルトが消費してしまうためだ。

いずれにしろ、大連と上海の空母は設計思想が根本的に異なっており、それぞれを運用させた上で設計を統一するとみられている。

こうした中国のやり方に対して、米国の空母設計の専門家は同サイトにこう指摘している。「甚だしく設計が異なるタイプの艦隊を運用するのは、効果的な空母戦力を形成する方法ではない。いずれ後方支援上の悪夢であることが明らかになるだろう」

また別の米研究者は「海軍の艦船の維持には巨額のコストがかかる。それ(空母の建造)は絶え間なく拡大を続ける資源の消耗であり、手遅れになるまで中国側は気づかないだろう」と警告した。

ロシアメディアは2013年、中国初の国産空母の建造費用が約30億ドル(約3300億円)に上るとの建造関係者の話を報じている。空母打撃群としての運用・維持には、さらに数千人の空母乗組員や数十の艦載機、さらには一体運用する駆逐艦や潜水艦などが必要となり、莫大(ばくだい)な費用がかかることは間違いない。

「空母に投じられた資金は、ただの浪費ではなく投資だ」

中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報(英語版)は、ワシントン・フリービーコンへの反論を掲載した。中国人専門家は「国産空母には8000もの革新的技術が使用されている」として、空母の建造が電子設備や動力、鋼材などの製造分野での技術向上につながったと主張した。

また別の専門家は、今後数年間で中国が空母を複数建造した場合、投資額は計1300億元(約2兆800億円)に上り、中国の経済成長を刺激すると指摘。ハイテク分野での雇用創出や、コンピューター・通信産業などの発展をもたらし、国内総生産(GDP)への直接的な貢献額は数千億元に上ると楽観的な見方を示した。

米国は現在10隻の空母を保有しており、さらに2隻を建造中だ。中国はそこまで多くの空母を建造するつもりはないとして、中国の専門家は同サイトの「財政危機説」を否定する。「そうした考え方は完全に間違っている。米国の専門家が中国をよく理解していないか、われわれの偉業を快く思っていないかだ」(中国総局 西見由章)

【私の論評】日本は既に戦闘力では米空母と同等ものを建造できる(゚д゚)!

中国初の国産空母とされる、最新鋭のものとあまり変わりがないともいわれている空母「遼寧」のボロ船ぶりについては、このブログにも掲載しました。その記事のリンクを以下掲載します。
【中国空母、太平洋進出】遼寧は台湾南部を抜け南シナ海へ―【私の論評】ボロ船「遼寧」で中国の国内向けイッツ・ショータイムが始まる(゚д゚)!
中国の空母は、日米や台湾にとつても全く脅威でも何でもありません。結論から言ってしまうと、西側の空母は「実用品」ですが、中国の空母は見世物にすぎないからです。 
昔日本のある軍人が「空母の性能は艦載機で決まる」と言ったそうですが、現代でもこの言葉は当てはまります。 
高性能な艦載機を安定して運用できる空母が高性能なので、空母自体は極論すれば、飛行機の入れ物に過ぎないのです。 
アメリカの空母は地上基地と同じような性能の大型戦闘機を80機以上も搭載可能で、カタパルト(射出装置)によって数十秒ごとに離陸させることができます。平常時は航空機55機程度とヘリコプター15機程度を運用しています。
米空母「ニミッツ」
離陸の際には蒸気式カタパルト4基が1分ごとに艦載機を射出するので最大15秒で一機ずつ離陸できます。この蒸気式カタパルト4基を稼動させるのに原子力機関の電力が必要で、通常エンジンで運用するのは困難とされています。 
アメリカが空母に原子力機関を用いる一番の理由がこの電力確保ではないかとも言われています。良く言われる「地球を何周も出来る航続距離」についてはアメリカ軍自身が、あまり実用的な意味は無いと認めています。 
船の燃料だけ無限でも、航空機燃料や乗組員の食料や飲料が先に尽きてしまうからです。収容の際も数十秒間隔で着艦し、2機同時に昇降できる大型エレベーター3基で艦内に格納することができます。 
艦載機は同じ時代の地上用戦闘機と比較しても、遜色の無い性能が確保されている。現在のFA-18はF-15と同等とされていますし、今までの艦載機もずっとそうでした。今後もF-35ステルス機を海軍と空軍で運用する事が予定されています。 
アメリカの空母はまさに空母の理想形といえ、一隻の空母を50年間運用するのに1兆円以上掛けているとされます。他国の空母はアメリカよりぐっと下がり「とりあえず飛ばせる」のを目的にしている事が多いです。 
実戦で役に立ちそうなのはフランスとイギリスの空母くらいで、他は地上の基地から飛び立つ敵機と交戦するのは厳しいです。欧米先進国はハリアーや将来はF-35のような優れた艦載機を運用できるのですが、他の国は「とりあえず飛べる」程度のものしか確保できないからです。

燃料も装備を全部外さないと「遼寧」を離陸できないJ-15
では中国の空母および艦載機はどうなのでしょうか?中国の空母「遼寧」は旧ソ連空母の「ヴァリャーグ」がウクライナの造船所で未完成のまま野ざらしになっていたのを買い取りました。エンジンが無かったので中国製のエンジンを搭載し、搭載装備も間に合わせの中国製や輸入品でできています。 
特徴は速力が遅いこと、カタパルトが無いこと、スキージャンプ方式であることです。滑走路の先端にスキージャンプを取り付けるのはイギリス空母で始まり、垂直離着陸機のハリアーを少ない燃料で離陸させる事ができました。 
このように西側先進国の空母では垂直離着陸機(VTOL機)でスキージャンプを使用しています。本来ジャンプ台を使わなくても離陸できるのです。 
対してソ連やロシアの空母では、元々空母から離陸する能力が無い戦闘機を、ジャンプ台を用いて離陸させています。空母からは飛べない戦闘機を無理やり飛ばしているので、空母のミサイルや爆弾の搭載量は非常に少なく、航続距離も短いのです燃料を多く積むと兵器を減らす必要があるのです。 
ソ連とロシアの艦載機SU-33は、地上運用型のSU-27の改造機に過ぎません。中国が「遼寧」で運用しているJ-15(殲-15)もソ連のSU-27を中国が勝手にコピーして艦載機にしたもので、ロシア側はSU-33の模造品だと言っています。 
J-15はSU-33よりも電子装備などが新しいものの、基本性能はSU-33より劣っています。以前アメリカの軍事メディアが「J-15は2トンしか武器を積載できない」との解説をしていたことがありますしかも実際の運用時には翼の下に増加タンクも装備するので、1トン以下かゼロという可能性すらあります。
「遼寧」を発艦するJ-15
元になったソ連の空母とSU-33は現在もロシアが運用しているのですが「飛行しているのを何度が確認された」という程度で、あまり活動はしていないようです。 SU-33の生産奇数はたった24機で、J-15は11機に過ぎません。これでは、通常では試作機の数程度に過ぎません。 
中国の空母はロシアと同じく、保有しているのを見せびらかす以上の機能を持っていないと考えられています。 
今後新型のJ-31が実戦配備されても空母「遼寧」の戦力はあまり変わらないでしょう。中国は「遼寧」に変わるような10万トン級の大型空母を多数建造するという計画を発表しています。 
しかし、技術的、予算的な裏づけがないのに、大風呂敷を広げるのは中国の伝統芸能ですす。本当に建造したとしたら、やはり専門家の笑いの種になるのでしょう。
下の動画は、蒸気カタパルトで巨大な戦闘機を一気に加速させ、空に放つ米空母の飛行甲板で働く様子を、とある作業員の装着したGoProカメラの視点から眺められる動画です。


船の上の作業は戦闘中に電源を失ってもできるよう、基本的には人力で行われます。こうした発艦作業もオートメーション化はされていません。事故を防止するためにいろいろな人がいろいろな工夫や手順を踏んでいる様子がなかなかおもしろい動画です。

そうして注目転点は、空母「遼寧」の搭載している殲(J)15はミサイルも燃料タンクも搭載していませんが、米国の航空機はミサイルと燃料タンクも搭載していることがはっきりわかります。

米国の空母の専門家は、この有様をみて、「中国が何のためにこのような空母を運用するのか、その理由がわからない」と語ったと言われています。私にも全くわかりません。

中国初の国産空母も、スキージャンプ方式なので、実質は遼寧とあまり変わりないでしょう。ただし、電子機器や兵装が近代化された程度のものでしょう。

それと、次世代の空母は、リニアモーターによる電磁式カタパルトが設置され、原子力による動力システムが導入されると予測しているようですが、中国のリニアモーターの技術もかなり拙いものです。

2027年、東京~名古屋間に世界で初めて超電導技術を採用したリニア中央新幹線が開通します。品川駅から名古屋駅までを最速40分、さらに2045年には大阪までを67分で結ぶ計画です。

「でも、リニアモーターカーって上海にもなかった?」という人もいるかもしれないですが、上海のリニアと日本のリニアとでは技術レベルの次元に雲泥の差があります。そうして、この技術は空母で戦闘機を発艦することに転用できます。

技術的には拙い上海のリニアモーターカー
リニアモーターカーとは、車両側に取り付けた電磁石と地上側の電磁石の、磁界(N極・S極)の反発する力と引っ張る力を利用して進むものをいいます。なかでも日本のリニア中央新幹線の特徴は、超電導技術を導入している点です。

ある種の金属・合金・酸化物を一定温度以下に冷やすと、電気抵抗がゼロになる「超電導現象」が生まれます。超電導状態になったコイルに一度電流を流せば、電流は永遠に流れ続け、強力なパワーをもつ超電導磁石となります。この「超電導現象」を生み出すのが技術的に極めて難しいのです。

日本のリニアは超電導材料としてニオブチタン合金を使用し、液体ヘリウムでマイナス269度まで冷却することで超電導状態を作り出しています。

日本のリニアは“超電導”技術を使い、10センチも浮上して走行します。一方、上海のリニアはドイツが開発したトランスラピッドリニアという方式を採用していますが、これは超電導ではなく“常電導”磁気浮上と呼ばれるものです。超電導に比べて圧倒的に磁場が弱く、浮上する高さは1センチメートル程度しかありません。もしも地震などで軌道が歪めば、すぐに車両と軌道が接触する危険があります。

最高速度も日本のリニアが最高時速581キロなのに対し、上海リニアは430キロが限度です。さらに加減速の性能にも大きな差があります。

上海リニアの常電導では最高時速430キロに到達するのに13.3キロメートルの距離を要していますが、日本の超電導リニアが最高速度581キロを出すまでに必要な距離はわずか8.8キロメートル。時速500キロになら、上海リニアの半分の距離で達することができます。

上海リニアは2002年、中国・上海の浦東空港と郊外の地下鉄駅の間、約30キロの区間を8分弱で結んで話題になりましたが、実際に乗った人は、「加速に時間がかかり、最高速度に到達するとすぐに減速を始めてしまった」と話しています。

技術レベルで見れば、超電導と上海の常電導は“機械とオモチャ”ほどの違いがあることは間違いありません。

中国は、日本の大型ヘリコプター搭載護衛艦の存在をかなり恐れているようですが、それも理解できるような気がします。

海上自衛隊最大の護衛艦「かが」が3月22日、横浜市のジャパンマリンユナイテッド磯子工場で就役しました。

護衛艦「かが」
「かが」は全長248メートル(遼寧は304メートル)で艦首から艦尾までが空母のように平らな「全通甲板」を持つヘリコプター搭載護衛艦です。哨戒ヘリは5機が同時に離着艦でき、対潜水艦戦に従事して強引な海洋進出を続ける中国を牽制します。

輸送ヘリや攻撃ヘリ、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイなども搭載でき、南西諸島をはじめとした離島防衛や災害派遣などでの活躍も期待されています。

この「かが」は見た目は、ほとんど空母です。そうして、甲板をある程度加工すれば、垂直離着陸機(VTOL機)でもあるF35Aを搭載すれば、実質的に空母として運用できます。

航空自衛隊のF35A
それに、日本がリニアモーターカーの技術を、空母のカタパルトに転用することは可能です、そうすると、原子力ではない通常のエネルギーで動く空母でも、原子力空母と同等の攻撃力を持った空母も建造可能です。

中国にはまだない技術を日本は、はるかに先んじて持っているわけで、日本にとってはすでにまともな空母を建造するのは可能なのです。

それにしても、中国は工作技術や、先端技術でかなり劣っていますから、「遼寧」を改装したり、国産空母を建造するのでさえ、莫大な費用がかかります。どの程度かかるのかは、わかりませんが、日本が「かが」や「ひゅうが」を建造したり、リニアモーターによる電磁式カタパルトを備えた本格的空母を建造するよりもはるかに費用がかかるのは間違いないです。

これから、中国が空母大国になりたいと望むなら、莫大な経費を必要として、末期のソ連のようになる可能性は高いです。旧ソ連は、軍事力で米国に追いつき追い越そうとしたため、かなりの軍事費をついやさなければならなくなり、それがソ連崩壊の原因の一つにもなった面は否めません。

日本も、これから空母を建造すべきだと思います。日本が空母を5隻くらいも持つようになれば、アジアの軍事バランスも相当変わると思います。それに、日米に追いつけ、追い越せと中国が空母建造に血道をあげれば、中国が弱体化します。どんどんやってほしいです。

リニアモーターカーによる電磁カタパルトを備えた本格的空母を二隻建造し、あとはヘリコプター護衛艦の甲板を改装して、F35Aを搭載するようにすれば、日本としては無理なくできる範囲だと思います。それと、当然のことながら、オスプレイも搭載すべきです。

日本のリニアモーター技術と省エネ技術をもってすれば、後続距離では米国の原子力空母には到底及ばないものの、戦闘力では同等のものを十分に建造できます。ただし、ブログ冒頭の記事にもあるように、「地球を何周も出来る航続距離」についてはアメリカ軍自身が、あまり実用的な意味は無いと認めています。

船の燃料だけ無限でも、航空機燃料や乗組員の食料や飲料が先に尽きてしまうからです。

日本は、米空母の航空燃料や乗組員の飲食料の搭載分の範囲の航続距離を有し、エネルギーを節約し、米原子力空母と同等の航空機発艦・着艦回数と同等の能力を持つ安全な空母を建造する事が可能です。

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