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2020年5月4日月曜日

情報機関分析:中国は物資買いだめのためにコロナウイルスの重大度を隠した―【私の論評】情報統制や役人の保身などに起因する初動の遅れこそが、中国ウイルスのパミデミックを招いたことを忘れるな(゚д゚)!


ドラナルド・トランプ米大統領

<引用元:ブライトバート・ニュース 2020.5.3

ワシントン(AP)―中国がコロナウイルス発生の範囲―そしてその感染性の強さ―を隠蔽したのは、対応に必要な医療用品をため込んでおくためだったと米国当局者が考えていることが、情報機関の文書から明らかになっている。

AP通信社が入手した5月1日付の4ページからなる国土安全保障省の報告書によると、中国指導部は1月初めに、世界からパンデミックの「重大度を意図的に隠蔽」したとされる。トランプ政権が中国に対する批判を強める中での発覚であり、マイク・ポンペオ国務長官は3日、中国に疾病拡大の責任がありその責任を果たさなければならないと述べていた。

中国に対する論調の厳しさが強まるのと同時に、政府のウイルス対応は不適切で遅いという政権批判が出ている。ドナルド・トランプ大統領の政治的敵対者は、大統領と政権が国内での批判をかわそうとして、地政学な敵でありながら米国の重要な貿易相手でもある中国を厳しく批判しているのだと訴えている。

分析では、中国はコロナウイルスの重大度を軽視しながら、医療用品の輸入を拡大して輸出を縮小させたとされている。「輸出規制があることを否定し、貿易データの提供を分かりにくくして遅らせることで」そうした行動を隠蔽しようと試みた、と分析にはある。

また報告書は、中国はコロナウイルスが「(人から人への)伝染病である」ことをWHOに知らせることを遅らせたので、海外の医療用品を注文できた―そしてマスクと手術着の輸入が急激に増加していた、としている。

報告書によると、そうした結論は、95パーセントの確率で中国の輸出入のパターンの変化が通常の範囲に収まらないとされる点に基づいている。

トランプは、中国が何らかの恐ろしい「過ち」のせいでコロナウイルスを流出させてしまった可能性があるのではないかと考えている。情報機関は、パンデミックが中国の研究所での事故の結果かもしれないという、大統領と側近の見解をまだ検証中だとしている。

ポンペオ長官は3日、ABCの「This Week」に出演し、ウイルスが意図的に拡散されたと信じるだけの根拠はないと述べた。が、こう付け加えた。「忘れないで欲しいが、中国は世界に感染を広げた歴史を持っており、基準を満たしていない研究所を運営していた歴史を持っている」

【私の論評】情報統制や役人の保身などに起因する初動の遅れこそが、中国ウイルスのパミデミックを招いたことを忘れるな(゚д゚)!

中国共産党が、医療用品をため込んでおくため、コロナウイルス発生の範囲―そしてその感染性の強さ―を隠蔽したというなら、本当に中共はクズです。

たとえそうでなかったにしても、隠蔽の事実は、消えません。中国ウイルスによる感染症が確認された初期の段階で、何が理由だったかは、別にしても中国の当局は情報を隠し、告発者を「デマの発信源」と名指しで批判しました。そして武漢から情報発信したジャーナリストは姿を消しました。

こうした情報統制や役人の保身などに起因する初動の遅れこそが、中国ウイルスの感染拡大を招いたことを忘れてはならないです。以下に1月から2月の中国におけるウイルスに関する出来事をふりかえっておきます。

春節休みの時期だった中国において、超過勤務を続けていたのは病院職員だけではありませんでした。警察も体制を強化する必要性が生じていたのです。

1月24日、ひとりの警察官が湖南省の省都である長沙市へと飛んだ。彼はそこから封鎖を通り抜け、隔離されていた湖北省へと移動し、中国ウイルス大流行の中心地となった武漢へと入りました。この警察官は、武漢にある刑務所の警備強化のために派遣されたのです。

新型ウイルスが爆発的に広がって以降、刑務所ではテレビの電源が切られ、親類の訪問も禁止されていました。中国政府は現在、主なテレビチャンネルでマスクの着用方法を説明するアニメを流していますが、服役囚の暴動は望んでいません。情報の流れは刑務所の入り口で止まっています。


武漢市の当局は、すべてが統制下にあると考えていました。市の公安当局は1カ月前、SARS(重症急性呼吸器症候群)に似た疾患についてチャットアプリのWeChat(微信)で友人に警告を発していた眼科医の李文亮(リー・ウェンリアン)が、デマを流していたと誇らしげに発表しました。

武漢が封鎖される2日前、省の指導部は武漢市のホールで民族舞踊を鑑賞していました。中国は権威主義の国としてよく知られていますが、地方政府は自らの管轄域において、ほぼ独立した統治権を有しています。

省の指導部が武漢市のホールで鑑賞していたとされる民族舞踊

当局の職員はウイルスについて上層部に報告したでしょうが、その重大性を甘く考えていたようにも見えます。叱責を受けたり、対応能力がないとみなされたりすることを恐れていたのでしょう。口をつぐんで静かにしているというのが、その基本的な姿勢でした。

このため旧正月を前に、国営メディアは年に一度の伝統行事をいつも通りに祝い、40,000人が武漢の街中に料理を持ち寄って宴を繰り広げていました。中国全土で企業が祝賀行事を催していたが、中止を考えるほど新型コロナウイルスが深刻であるとは思っていませんでした。

このころSNSで最もシェアされていた医療用品の写真は、飲みすぎた社員が回復するための点滴やベッドの様子でした。これはスマートフォンメーカーのOPPO(広東欧珀移動通信)から“流出”したものです。

飲みすぎた社員が回復するためとそれた点滴やベッドの様子

それから数日、医療体制の不足を嘆く投稿がソーシャルメディアに広がりました。医師たちは、防護服をいったん脱いでしまうと着替えがないかもしれないことから、怖くて食事すらできないと報告しました。手を休めれば職務に忠実ではないと思われる可能性があるため、休みなく働いたあとに倒れる看護師の映像もあります。

フリージャーナリストで弁護士の陳秋実(チェン・チウシー)は、武漢の病院の廊下に遺体が放置されていると報告した。彼はそれ以来、姿を消している


陳秋実(チェン・チウシー)

「いま国は、人民を怖がらせるという仕事をとてもうまくやっています」と、北京在住の学生チャン・チン(仮名)は言います。「最初の数週間の対応が大きな怒りを買っているのです」

その最初の時期、中国の高齢者のほとんどは警戒を怠っていました。古い世代の多くは社会主義的な生産組織で育ち、生活のすべての面で政府に面倒を見てもらっていました。高齢者たちは、自分の子供の言葉よりも政府の言うことのほうを、はるかに信じているのです。

春節に故郷の浙江省に帰省したサム・ガオ(24歳,仮名)は、家に帰ると両親がマスクもしないで歩き回っている様子に気づいた。彼はすぐに通販サイト「京東商城(JD.com)」でマスクを注文したが、その後すぐに売り切れてしまいました。

地元の政府で働いている親にマスクをするよう促したのですが、彼の心配は軽くあしらわれました。「両親が新型ウイルスの存在を信じ始めたのは、武漢が封鎖された あとのことでした」とガオは言います。

そして彼の両親が住む集合住宅で症例が報告され、国営の中国中央電視台(CCTV)が公衆衛生の啓蒙活動を強化し始めてから、ようやく新型コロナウイルスを本当に真剣に捉え始めました。WeChatや中国版Twitterの「微博(ウェイボ)」といったSNSでは、親に警戒するよう説得することがいかに難しかったか、若者たちが経験を共有しています。


政府による情報統制のために、デマが広がる余地が生まれました。検閲機関は政府の情報統制に対する批判を集中的に取り締まり、李文亮の死に捧げられた投稿を削除しています。

「ほかの街も封鎖される」「野菜の値段が急騰している」といった噂が氾濫してパニックや買いだめにつながり、政府の情報源にも圧力がかかっています。国営メディアは「双黄連口服液」という薬を推奨しており、ウイルスの症状に効果があると報道しました。薬は売り切れましたが、虚偽のニュースだとする医師もいます。人々はほかの情報源に頼るのみならず、発表があるたびに過剰反応しています。

双黄連口服液

武漢は新型コロナウイルスに対してまったく体制が整っていませんでした。「医療資源は全国的に厳しい状況です」と、武漢の大学に通っていたシン・ヤーチァン(仮名)は語っています。

まだ彼女が大学に行っていたころ、のどに腫瘍があることに気づきました。病院のベッドで3日間を過ごしたあと、腫瘍が取り除かれて体調が回復すると、医師は彼女を追い払い、ほかの患者のためのスペースを確保しました。

彼女は手術まで3週間も待たされました。ウイルスのせいではなく、基本的な治療が不足していることから多くの人が亡くなっています。「李文亮の言葉に耳を傾けていれば感染者は少なくて済んだはずです」と、シンは言います。

公衆衛生の専門家は状況の全貌を把握していませんでした。「医師と公衆衛生の専門家が連携していなかったことで、市民は大きく混乱しました」と、匿名を希望する北京在住の公衆衛生専門家は指摘します。

中国では医師に対する信頼が一般的に低いです。このため今回の公衆衛生の危機がさらに深まっていました。多くの中国人は、本当の必要性を感じない限り病院へ行くことはないです。人々は医者が自分たちをだましていると感じているからです。

長い間、中国の医療制度では過剰な処方や検査が奨励されていました。正当性を高めるため中央政府は、SARSと戦った鍾南山(チョン・ナンシャン)氏に、コロナウイルスの大流行について調査している衛生健康委員会を率いるよう要請せざるをえませんでした。

鍾南山(チョン・ナンシャン)氏
当時中国では、中国ウイルスに対する勝利を宣言しようと躍起になっていました。地方政府は症例をできる限りゼロに近づけ、退院した患者数を増やすよう大きな圧力をかけられていました。

調査報道メディア「南方週末」の2月6日の報道によると、患者が新型コロナウイルスに感染したかどうかを判断するうえで広く使用されているPCR検査で、偽陽性になる例がありました。杭州の病院で、7回の試験後にようやく陽性と判明した患者がいたというのです。

病院において「感染源ではない」と判断された患者が外を歩き回り、他人をリスクにさらしている可能性もあります。今回のウイルスで最も胸が痛む特徴のひとつは、家族間での感染が見られるという点でした。

北京の中央政府が事態解決に乗り出してから、途方もない仕事をやってのけました。それぞれが1,000床以上もある2つの病院が、わずか1週間で建設されたのです。さらに人口が5,850万人の湖北省を封鎖し、経済の中心地のひとつを切り離しました。低賃金労働者の多くはいまだに家族と過ごしており、ほかの街での仕事に戻れないでいます。

その後中国が全力を尽くしたことに疑いの余地はないでしょう。しかし、もし春節の行事の前の段階で、人々が新型コロナウイルスを家族や恋人のもとに持ち帰る前に周知されていれば、どうだったでしょうか。

いま中国の徹底的な対応を称賛している人々は、初期の決定的な遅れが死者や感染をもたらしたことを忘れるべきではないです。こんなはずではなかったのです。そうして、これは中国国内のみならず、他国でもそうなのです。

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2020年4月19日日曜日

中国が言い張るコロナ「市場起原説」は覆されるのか―【私の論評】中国人医師らが、ウイルスの存在を突き止めた段階で、中共がこれを隠蔽したことが後にパンデミックを招いたことこそ詳細に調査するべき(゚д゚)!

中国が言い張るコロナ「市場起原説」は覆されるのか

米国人医療専門官が警告していた研究所からウイルス流出の危険性

武漢にある中国政府のウイルス研究機関(手前)

(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)

 全世界に広がった新型コロナウイルスがどこで発生したのかはいまだ不明のままであるが、真相に迫る動きが米国で進んでいる。

 まず4月14日、米国政府専門官が2年前に武漢にある中国政府のウイルス研究機関を訪れ、コウモリ由来のコロナウイルスの研究を視察して、「安全性に問題があり、流出の危険もある」と警告を発していたことが明らかとなった。また、米国の大手テレビは4月15日、「米国政府は、今回のコロナウイルスが武漢の中国政府研究機関から流出したことを確信するに至った」と報道した。

 新型コロナウイルスが武漢の市場ではなく研究機関から流出したという説は、これまで根拠のない「陰謀説」とみなす向きが多かった。だが、こうした新情報により、新型ウイルスが市場で発生したという説が揺らぎ、陰謀説の真偽が問い直されようとしている。

武漢の研究所を訪れた米国の医療専門家の警告

 ワシントン・ポストは4月14日、国際問題専門のジョシュ・ローギン記者による「コウモリのコロナウイルスを研究する武漢の研究所の安全性について国務省が警告していた」と題するコラムを掲載した。

 同報道によると、米国政府国務省は2018年1月から3月の間に数回、北京の米国大使館の科学・医療担当専門官2人を、武漢の国立武漢ウイルス研究所(WIV、中国の公式名称は「中国科学院武漢病毒研究所」)に派遣して、同研究所内でのコロナウイルス関連の研究や実験を視察させた。

 中国では2002年にSARS(重症急性呼吸器症候群)が発生し感染を国際的に広げたが、2018年1月当時、同研究所ではSARSコロナウイルスに似たコロナウイルスに関する研究や実験が行われていた。その研究にあたっていたのはウイルス研究の著名な学者として知られる石正麗氏だ。石氏らは、コウモリから発生したコロナウイルスも調査していたという。

 北京の米国大使館の同専門官2人は、この視察の結果に基づき、国務省本省あてに懸念や警告を表明する公電を送ったという。ローギン記者はその公電を入手したとして、その内容の骨子を以下のように記していた。

・この研究所では、コウモリ由来のコロナウイルスの発生とそのウイルスの人間への感染について研究をしている。その目的は人間への感染を防ぐことだとされているが、研究所でのウイルスの扱い方は安全性や管理方法に問題があり、ウイルス流出の危険性がある。

 ローギン記者によると、以上の公電を書いた米側2人の専門家の最後の来訪は2018年3月18日で、同研究所側の記録サイトにもその来訪が詳しく記されていたが、その記述は2020年4月上旬に削除されたという。

 同記者は「今回の新型コロナウイルスが同研究所から発生したと断定する証拠はない」と述べながらも、「同研究所からではないと断ずる根拠もない」と総括していた。

トランプ大統領は「全力で調査中」
 このワシントン・ポストの報道に歩調を合わせる形で、FOXテレビは4月15日、「米国政府国務省は、新型コロナウイルスが中国・武漢の研究所から発生したと確信するに至った」という内容のニュースを放映した。

 同ニュースは、複数の政府筋からの情報として「米国政府が『同ウイルスが武漢ウイルス研究所(WIV)で生まれ、外部へ流出した』と断定するようになった」と伝えていた。

 そのウイルスは生物兵器として作られたわけではない。危険なウイルスの拡散防止や管理に関して中国のほうが米国よりも優れていることを証する目的で研究が進められた。ところが、コウモリから人間への感染を研究したその後にウイルスが外部へ流出したという。

 こうして米国では、「研究所発生源説」がにわかに注目されつつある。中国政府は武漢市内の海鮮市場で新型コロナウイルスが発生したと主張しているが、いまだにその明確な証拠は示されていない。当初、武漢でのウイルス拡散を隠ぺいしたこともあり、中国政府が唱える「市場起源説」に改めて疑惑の目が向けられている。

 この研究所発生源説について、4月15日の記者会見で記者から質問されたトランプ大統領は「政府はいま全力で調査中だ」と答えた。

 いまや全世界を揺るがす新型コロナウイルスの発生源をめぐって、中国政府の当初の発表がいよいよ疑われる状況となってきた。

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中国ウイルスの世界的大流行をめぐり、エマニュエル・マクロン大統領率いるフランスが、米国に続いて「中国・武漢の生物研究所から流出」「中国政府による情報隠蔽」といった疑惑の検証・追及に乗り出す可能性が出てきました。自国内で感染者や死者が多発しているからです。フランスが誇る原子力空母「シャルル・ドゴール」の艦隊でも多数の感染者が確認されています。



米紙ウォールストリート・ジャーナル(日本語版)は18日、米軍制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長が「多大なる関心を持って情報当局が調査を実施することに、驚きは全くないはずだ」と記者団に語ったと報じました。

フランスは科学技術で中国と協力関係にあったとされます。もし、米国主導の疑惑検証に加われば、「中国の闇」が明らかになるかもしれないです。

武漢にある中国政府のウイルス研究機関の正式名称は、「中国科学院武漢ウイルス研究所」のことで、ここでは、危険性が最も高い、バイオセイフティーレベル4のウイルスや病原体が研究されており、コロナウイルス研究の中心的な研究所としても知られています。

この研究所で感染した科学者が“感染者第1号”となって、地域に感染を広めたという“武漢研究所起源説”は“中国ウイルス生物兵器説”とともに、“トンデモ説”として、科学者たちに否定されていますが、今、トランプ政権は、この説の検証を進めています。

私自身は、生物兵器説は、当初からあり得ないと考えていました。なぜなら、世界のいくつかの国々が長い間、生物兵器を開発してきたのですが、現在に至るまで様々な障害があったために、未だに生物兵器が実用化の段階に入ったという報告はありません。ただし、原始的な方法で最近やウイルス等をばら撒くことまで、生物兵器の範疇に含めるというなら、そのような兵器は作成可能だと思います。

ただし、「中国科学院武漢ウイルス研究所」で保存してあったウイルスが、外部に何らかの形で外に漏れたということは十分にあり得ることだとは思っていました。そのウイルスに人為的に何か手を加えたものなのか、あるいは天然のウィルスが、漏れてしまっただけなのかは、現状では何らのエビデンスもないので、それは新たな情報を待つしかないと考えます。

一方、検証を進めているトランプ政権にとっては、好ましくない情報も流れています。英米メディアが、武漢研究所のコロナウイルスの研究に、米政府が莫大な研究資金を援助していたことを報じているからです。

つまり、もし、この研究所から新型コロナが流出していたことが証明された場合、新型コロナの感染拡大には、間接的ではありますが、米政府も関与していたということになるからです。米の議員は、米国民の税金が中国の危険な研究に使われた可能性があるとして、怒りの声をあげているそうです。

トランプ政権の国家安全保障担当の高官らは、武漢研究所から中国ウイルスが流出した可能性と、中国ウイルスが人工的に開発された生物兵器であるという可能性を考えていました。しかし、このブログでも指摘したように、後者の可能性はゲノム解析の結果、人工的に作られたものではないとわかり、否定されました。

そして、2ヶ月前から、2年前の公電がトランプ政権内を駆け巡り始め、安全運営に問題があったと指摘されていた武漢研究所から新型コロナが流出した可能性が議論され始めたといいます。

2年前の公電とは、北京のアメリカ大使館の外交官が、武漢研究所を数度訪問、その際、研究所の安全性に問題があることに気づかされた外交官は、米政府に「コウモリのコロナウイルスに関する危険な研究を行なっている研究所の安全性が不十分である」と警告する公電を2回送っていたというのです。

2018年1月19日付の公電は、

「この研究所には、高度に密閉された研究室の安全運営に必要な、訓練された技術者や調査員が非常に不足している」

と安全運営の問題を指摘していました。

では、どうやって新型コロナは流出したのでしょうか。

英紙デイリーメールは、新型コロナを含んだ血を浴びた武漢研究所の科学者が感染者第1号となり、その科学者が地域に感染が広めた可能性があると報じています。

公電はまた、コウモリのコロナウイルス研究は重要かつ危険であることから、米政府は武漢研究所を支援するよう訴えていますが、実際、米政府は研究所に研究資金を援助をしていたと英米のメディアは指摘しています。

英デイリーメールが入手した書類によると、米国は武漢研究所のコロナウイルス研究に370万ドルの資金援助を行なっていたといいます。

武漢研究所は、研究所から1千マイル以上離れた雲南省の洞窟に住むコウモリをコロナウイルスの実験に使っていたのですが、同紙によれば、その実験には、米国立衛生研究所(NIH)が出した370万ドルの研究資金が投じられていたというのです。

また、フォックスニュースも、武漢研究所は、米国立衛生研究所から710万ドル相当の研究資金を得ていたと報じています。うち、370万ドルが前述のコウモリのコロナウイルス研究に関する研究資金で、340万ドルがウイルスをねずみの脳に注入する研究資金だったといいます。

ちなみに、中国は、コロナウイルス研究を通して、中国は米国並みか米国以上に、コロナウイルスの発見に取り組んでいることを示したかったようです。

また、武漢研究所の主任研究員で「コウモリ女」というニックネームを持つジェンリー・シー氏は、1年前に発表した論文で、コウモリに由来するSARSのようなコロナウイルスの感染爆発が中国で起きることを、以下のように警告していたといいます。

「将来起きるSARSやMERSのようなコロナウイルスによる感染爆発はコウモリに由来する可能性が非常に高い。そして、感染爆発は中国で起きる可能性が高まっている」

コロナ研究を行なっている武漢研究所

米政府の資金援助で行われたコロナウイルス研究の過程で新型コロナが流出し、感染が世界に拡大した可能性があることに対し、米国の議員たちは怒りを抑えきれません。

「米国立衛生研究所は370万ドルの研究資金を武漢研究所に提供し、研究所はそのお金でコロナウイルスの研究者を募集、その後に、武漢で新型コロナ感染が発生した。アメリカ政府が何年間も、武漢研究所の危険で残酷な動物実験に資金提供を行い、それが、新型コロナ感染の世界拡大を引き起こした可能性があることを知り、むかついている」(共和党下院議員のマット・ガエズ氏)

「米国人が死んでいるのは中国共産党政府の責任であることに疑いの余地はない。彼らは、新型コロナの起源を隠蔽することで、米国人の命を危険にさらしている。米国立衛生研究所はすぐに米国人の税金を中国の危険な研究に投じるのをやめなければならない」(共和党上院議員のマーサ・マクサリー氏)

ところで、武漢研究所に資金提供していたのは米国だけではありませんでした。

カナダも、直近では、先月、この研究所に資金提供していたことを、カナダのレベルニュースが伝えています。カナダの研究機関は、3月初め、新型コロナと闘うための研究開発資金を同研究所に提供すると発表したといいます。

信憑性を帯びてきた、武漢研究所起源説ですが、武漢研究所も中国政府も感染爆発は研究所とは無関係と主張しており、多くの専門家も関係性を否定しています。

一方で、新型コロナが武漢の海鮮市場に由来するという中国政府の主張はおかしいという指摘もあります。

ランセットに出された中国人研究者の論文によると、昨年12月1日に確認された最初の感染者や、最初の感染者集団の3分の1以上の人々は海鮮市場と繋がりがなく、また、市場ではコウモリが売られていなかったからです。

また、中国政府は新型コロナの感染源に関する情報を完全に封じ込め、米国人専門家に、初期の患者から採取した新型コロナの検体をまだ提供していないといいます。

1月11日に新型コロナのゲノムを発表した上海の研究所はすぐに閉鎖され、医者や初期に感染拡大を報じたジャーナリストは姿を消してしまったとも言われています。

トランプ政権がこの研究所から新型コロナが流出したという証拠を突き止めるのは難しいという声もありまうが、今後の行方が注目されるところです。

上記のように様々な情報が錯綜してますが、このブログでも以前指摘したように一つだけ確かなことがあります。

それは、このブログでも掲載した2010年にノーベル文学賞を受賞したペルーのリョサ氏の発言です。その発言を掲載した記事のリンクを以下に掲載します。
ノーベル賞作家、中国が「独裁国家」でなければ事態は違った 新型コロナ―【私の論評】中国に対する怨嗟の声が世界中から沸き上がり世界は大きく変わる(゚д゚)!
2010年ノーベル文学賞を受賞したマリオ・バルガス・リョサ氏
この記事より、一部を引用します。
 リョサ氏は最近スペイン紙パイスとペルー紙レプブリカに執筆した論説で「もしも中国が独裁国家ではなく自由な民主国家だったら、今世界で起きているようなことはどれも起きていなかったかもしれない、とは誰も指摘していないようだ」と記しました。 
 一党独裁国家で反体制派に容赦ない弾圧を加えていると人権団体などから広く批判されている中国は、このリョサ氏の言及に激怒し、在ペルー中国大使館が抗議声明を発表。 
 「わが国は表現の自由を尊重しているが、そのことは恣意(しい)的な中傷や汚名を受け入れることを意味するものではない」と述べた。 
 また中国大使館はリョサ氏に対し、「著名人として、無益で無責任、偏見に満ちた意見を広めないよう」求めると述べた。 
 リョサ氏は同じ論説の中で、「少なくとも一人、あるいは複数の高名な医師が、十分に時間がある段階でこのウイルスを突き止めたにもかかわらず、中国政府は対応する措置を取る代わりに情報の隠蔽(いんぺい)を試み、そうした声、良識ある声を黙殺し、情報を抑え込もうとした。すべての独裁国家がそうするようにだ」とも述べている。 
 リョサ氏はまた新型コロナウイルスは「中国が発生源」とも表現しているが、中国大使館はこれを「不正確」だと指摘。「世界保健機関(WHO)は現段階まで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生源を特定できていない」と反論した。
中国ウイルスの発生源がいずれであろうと、それが生物兵器であろうとなかろうと、それに米国などが資金援助をしていたかどうかなどとは、別にして、 少なくとも一人、あるいは複数の高名な医師が、十分に世界が、そうして当の中国が、中国ウイルスに対応できる時間がある段階でこのウイルスを突き止めたにもかかわらず、中国政府は対応する措置を取る代わりに情報の隠蔽を試み、そうした声、良識ある声を黙殺し、情報を抑え込んだことは事実です。

米国やフランスも、「中国・武漢の生物研究所から流出」「中国政府による発生源の情報隠蔽」などを追求することも実施できるならすべきですが、中国人医師らが、ウイルスの存在を突き止めた段階で、中国政府がこれを隠蔽、それが後のパンデミックにつながったことこそ、時系列的に整理し、詳細を調査するべきです。

それなしに、他の調査を詳細に行ったところで、それが今後中共がパンデミックスを起こすことを防ぐための端緒にはならないどころか、中国に格好の隠れ蓑を与える結果になってしまいかねません。

そうして、詳細を調査し、さらに具体的な改善点を指摘し、それを中共に実施させるべきです。そうして、実施したか否かを模擬的に試験などをして、調査すべきです。

そうして、もし中国がそうした要請に応じないというのなら、世界の国々は、中国を自分たちの社会から隔離すべきです。これは、厳しい措置にみえるかもしれませんが、曖昧にしたまま、中国を隔離しなければ、次に何か中国発でウイルスとなども含めて、危険なことが発生した場合、また危機が世界に及ぶこと可能性は否定できないどころか、かなりの高い確率で発生しうるからです。

当然、陸上の国境はすべて封鎖、海上は機雷などで封鎖し、人的交流はなし。そのために、世界の国々の軍事力を総動員することになるでしょう。貿易もしません。それを実行するため、中国による対外的なドル使用は禁止とします。ただし、定期的にオブザーバーを受け入れるなら、定期的に調査をして、中国人民が窮乏して危険なレベルになったときは、援助をするということにするべきです。

もし、そのようなことに反対する国々が多かったとすれば、それらの国々と、中国とを、自由世界から隔離するしかないでしょう。無論これらの国々では、ドル使用はできないようにすべきです。要するに、世界は東西冷戦の時代のようになるかもしれません。ただし、東側陣営はかなり少なくなることが予想されます。

こんなことを言うと、ヘイトだなどという方もいらっしゃるかもしれませんが、中共が自らを変える、すなわちそれは、自ら崩潰することを意味しますが、それを決心しない限り、中国発の危機を食い止めるにはこれしか方法はありません。それが現実です。そうしなければ、世界はいつまでも中国発のパンデミックなどの脅威に悩まされることになります。

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