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2018年11月18日日曜日

来年1月4日の国会召集は妙手 消費増税の最終判断は4月に 7月衆参ダブル選の可能性も―【私の論評】増税すれば、安倍政権はレイムダック化し憲法改正もできず、何も良いことはない(゚д゚)!

来年1月4日の国会召集は妙手 消費増税の最終判断は4月に 7月衆参ダブル選の可能性も


高橋洋一 日本の解き方



国会 衆議院会場

来年の通常国会を1月4日召集とする説が浮上している。消費増税をめぐる判断や憲法改正のスケジュール、参院選と衆院選との同日選の可能性など、来年想定される政治日程を考えてみよう。

 政治の世界は一寸先は闇といわれる。そのとおりなのだが、その中でも予測をするためには、スケジュールがどうなるかを検討するのはイロハのイだ。そこでまず押さえておくのは事前に確定している政治・外交日程と経済指標の発表日である。

 確定している政治日程として、来年1月中に通常国会召集、3月中に来年度予算案成立(見込み)、4月上旬から中旬に統一地方選、5月1日改元、6月中に通常国会会期末、7月中に参院選、7月28日参院の任期満了となっている。

 外交日程は、今年11月末にアルゼンチンのブエノスアイレスで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議、来年6月末の大阪でのG20首脳会議がある。

 経済指標発表では、来年2月中旬に2018年10~12月期国内総生産(GDP)速報値、来年5月中旬に1~3月期GDP速報値が予定されている。

 来年の最大の政治イベントは7月の参院選だ。この結果いかんでは憲法改正のスケジュールなどは全く無意味になってしまう。そこで、参院選の争点となりうる経済、消費増税の是非に関心がいく。消費増税については、法律上、来年10月から実施が予定されているが、まだ安倍晋三首相が最終決断したわけでない。本コラムでも書いてきたが、今のところ可能性は高くないものの、来年4月に君子豹変(ひょうへん)する可能性なしとはいえない。

 焦点は参院選の投開票日だ。確定しているのは7月28日の任期満了である。公職選挙法では、「議員の任期が終わる日の前30日以内」(32条1項)と、この30日間が国会閉会から23日以内にかかる場合は閉会から「24日以後30日以内」(同2項)だ。

 結論を言おう。国会は150日間開催なので、できるだけ早く通常国会を召集したほうが、延長をしなければ会期末が早くなり、結果として参院選の開催オプションが広がるのだ。国会召集は法律上、1月中なら可能なので、一番早い1月4日にすると参院選は6月28日から7月27日の間、日曜なら6月30日、7月7日、14日、21日で可能になる。

 いずれにしても、国会召集日がいつになるかによって参院選の日程が絞られる。

 国会開催中に首相が衆議院を解散すれば、40日以内で総選挙になるので、衆参ダブル選挙も可能になる。来年の通常国会で予算案以外の法案を出さずに1月に早期召集すれば、参院選日程のオプションが広がる。その場合、7月のどこかで衆参ダブル選もありえる。

 ダブル選挙は、野党の共闘が困難になるので、与党有利といわれている。年内は政府・与党内で来年度予算が作られるが、来年早々から与野党間で国会スケジュールをめぐるつばぜり合いがあるだろう。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】増税すれば、安倍政権はレイムダック化し憲法改正もできず、何も良いことはない(゚д゚)!

増税は、まともに考えれば、安倍政権にとっては命取りになることははっきりしています。なぜなら、10%増税を予定通りに来年の10月に実行してしまえば、その後安倍政権の支持率は確実に落ちます。そうなると、国会では改憲派が過半数以上という状況を維持するのは困難になります。

安倍総理

そうなると、残りの任期中には、憲法改正どころか、レームダックになってしまうことになります。安倍総理は念願の憲法改正には、手も足もでなくなってしまいます。

私は、安倍総理がこのような道を選ぶとは思えないのです。安倍総理は、国会て改憲派が半数以上という状況を維持しつつ、何とか憲法改正に道筋をつけたいと考えているはずです。であれば、増税を回避あるいは、延期するのが、もっとも安全策であると考えるはずです。

それに、安倍総理自身は、10%への消費税増税は全く無意味であることをご存知であると考えます。

消費税を増税しても無意味であることは、このブログでも過去に何度も掲載してきました。これについては、過去のブログの記事を参照していただきたいと思います。それはそれとして、経済的な知識などなくても、常識で考えれば増税しても無意味なことは小学生でも簡単に理解できることです。本日はそのことを以下に掲載します。

まずは、以下に1989年と2016年の税収内訳を掲載します。1989年というと、3%の消費税が導入された年です。


2016年は、消費税が8%です。1989年と、2016年を比較すると、消費税の税収はあがっていますが、所得税と法人税は下がり、総税収は54.9兆円と55.5兆円でほぼ同水準です。

消費税の無かった1988年の税収も54兆9000億ですから 消費税を何%上げても総税収は変わらないといえるのではないかと思います。結局総税収上げるなら経済成長するしか無いようです。

以下に、過去の"消費税の「導入」と「増税」の歴史"をチャートにまとめたものをあげておきます。


以下には、消費税を導入してから直近までの税収の推移のグラフを掲載します。


消費税をはじめて導入した1989年には、税収は確かに伸びていますが、消費税を上げる直前の2013に至るまで、1988年の税収を一度も上回っていません。それでも、消費税を8%にした後の、17年、18年には、1988年の税収を若干上回っているようですが、それもごく僅かです。

さらに、先にあげたように、2016年の1989年と総税収はほぼ同等なのですが、所得税、法人税は減って、消費税が増えています。

これは、常識的に考えると、消費税をあげると景気が落ち込み、所得税と、法人税が減少し、税収はあまりかわっていないことを示しています。

これをみただけでも、消費税増税はほとんど意味がないことがわかります。

景気の回復指標としては、値動きが激しい生鮮品とエネルギー価格を抜いた、コアコアCPIの前年同月比が参考になりますが、直近の数字は+0.4%の微弱な上昇を示しています。日銀のインフレターゲットは2%ですので、全く達成できていません。

このようなときに増税すれば、微弱や0.4%の物価上昇など、消費が低迷して、すぐにマイナスになることでしょう。せっかくデフレの重力から抜けかかっている日本経済が、再びデフレ状態に舞い戻ることになります。

せっかく日銀が、マイナス金利政策を導入し、市場から国債を買って金融緩和をしているにもかかわず、これでは景気の回復を政府(財務省)が邪魔をすることになります。

しかも、何らかの規制をするにしても、外国人労働者を受け入れ、さらに増税をするということになれば、日本人はもとより外国人も失業というダブルパンチを見舞うようなものです。

この試みは、結局日本人は無論のこと、まさか一端受け入れた外国人を生活できないなら母国に帰れなどとはいえないでしょうから、外国人の生活保障という形で跳ね返ってくることになります。財務省は、財政と社会保障の一体改革などという看板をあげているにもかかわらず、消費税をあげて生活保障のコストをあげるという全く相矛盾したことになります。

財務省は、消費が下がらない前提で、消費税1%の増税で、税収2.4兆円の増収などというとんでもない計算をしていますが、本当に増税して個人消費がさがならないなどと言い切れるのでしょうか。14年に増税したときは、個人消費が落ち込み、その悪影響はかなり長期わたって続きました。

税収を上げる方法は、税収の式を見ればすぐに理解できます。

税収=名目GDP✕税収弾性値✕税率
税収弾性値=税収の伸び率÷名目成長率

1995年から2013年までの財務省公式税収弾性地平均は4.4です。この式からも、税収をあげるには、税率を1%あげるよりも、名目GDPを1%あげるほうが、4.4%税収が増えることがわかり、はるかに増えることが理解できます。

税収を増やすには、マイルドなインフレによる経済成長にともなう税収アップ以外にはありえません。

どうしても、消費税を10%にあげたいというのなら、会計上は10%ということにして予算を組み、消費税減税法を作れば良いです。そもそも、消費税をあげて皮算用の税収を稼げない場合は、国債を発行することになるわけですから、減税して国債発行するのも同じことです。

インフレターゲット2%を達成するには、現在の8%では達成できないのは、もうわかっているのですから、現在消費税5%、できれば0%にまで減税すべきです。

インフレ率が2%超えてきたら、減税分を減らして8%にして、それでも歯止めが止まらなければ10%にするなどの調整が必要です。

それでも、まだインフレが亢進するというなり、マイナス金利をやめれば良いのです。

それでも、まだ亢進するというなら、今度は日銀が溜め込んだ国債を今度は市中銀行に売り出し、日銀が現金を吸い上げればよいだけの話です。国債の金利もかなり下がっているにもかかわらず、現状はかなり国債は品薄ですし、日銀が国債を売り出せば、入れ食い状態になるのはわかりきっています。

ようするに、ハイパーインフレの心配など全くないということです。

安倍総理には、無意味な消費税増税は、先送りもしくは廃止していただき、そのためには、「消費税先送り」を公約として、来年は衆参同時選挙を行い、大勝利して、経済を立て直し、国民の支持率をさらにあげて、改憲勢力をさら多くして、改憲に成功していただきたいものです。

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