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2019年1月17日木曜日

レーダー照射問題 韓国軍、日本の武官を呼び抗議―【私の論評】今年は、米国が韓国から本格的に北朝鮮に軸足を移していく年となる(゚д゚)!

レーダー照射問題 韓国軍、日本の武官を呼び抗議


レーダー照射問題 韓国軍、日本の武官を呼び抗議

韓国国防部は17日、日韓のレーダー照射問題に対して日本が一方的な主張だけを続けていると判断しこの日、国防武官を呼んで抗議した。

これは昨年12月21日、日韓のレーダー照射問題が起きて以来、韓国側で約1か月ぶりに行う駐韓日本国防武官に対する初めての措置だ。

双方はテレビでの実務者会議(12月27日)と将官級が参加する対面実務会議(シンガポール、1月14日)など2度にわたり協議を行ったが、立場の違いを確認しただけで、これといった解決策は用意できなかった。

国防部によると、イ・ウォンイク国際政策官はこの日午前、日本海上自衛隊の武官をソウル・国防部庁舎に呼び、1時間ほど最近の事態への懸念と共に抗議の意を伝えた。

国防部は「昨日、日本防衛省が韓国の武官を呼び、(14日の実務会議関連)報道官会見に対して抗議したことと関連し、きょう駐韓日本武官を呼んで関連内容に対する事実関係を明白にし、厳重に抗議した」と伝えた。

また「報道官会見の際に言及した実務会議内容の言及は、正確な事実であることを強調した」とし、「日本メディアが両国間の会議終了前には報道しないとする事前合意を破り、関連内容を報道したことに対して防衛省へ厳重に抗議し、再発防止を促した」と付け加えた。

【私の論評】今年は、米国が韓国から本格的に北朝鮮に軸足を移していく年となる(゚д゚)!

レーダー照射に関して、韓国軍が日本の韓国駐在武官を呼びつけ、抗議をしたというのですから、本当にあきれてしまいます。韓国は、この問題で日本に謝罪するつもりもないですし、よほどのことがない限りこれからもそうすることはないでしょう。

さて、このようなことがあっても、日米韓の同盟を大事にしろとか、韓国は中国・北朝鮮の緩衝地帯であるから、日韓関係を良くしなければならないなどとする人もいるようですが、これが根本的に間違いであることを本日は掲載したいと思います。

韓国というかその当時の朝鮮半島を「緩衝地帯」と明確に位置づけたのは、他ならぬロシアの南下を見据えた明治日本でした。ロシアはすでに1860年の時点で清から沿海州(外満州)を割譲させており、その最終目的地が朝鮮半島であることは当時の国際常識でした。



そのため、「日本の朝鮮侵略は1875年の江華島事件から始まっていた」等いう説は史実に反します。当時は大陸進出どころか、いかにロシアの南下に備えるか、という受身の戦略で精一杯でした。

その国家安全保障政策こそ、「清の属国から朝鮮を切り離し、近代的な独立国家に仕立て上げることで、日露間に緩衝地帯を設ける」というものだったのです。

その戦略を忠実に実行したのが1894年の日清戦争です。その後の下関条約で、日本はわざわざ朝鮮に独立を与え、お節介にも内政干渉してまで近代化を支援したのです。

ところが、この戦略は失敗に終わりました。というのも、「独立させれば朝鮮人とてロシアから自国を守ろうとするはずだ」という予測が外れたからです。

いや、「常識」が通用しなかったと言うべきか。国王を中心とする朝鮮支配層は、日本主導の近代化改革で制限された己の特権を取り戻すべく、ロシアの軍事力をバックにクーデターで日本派内閣を打倒してしまったのです。その直後から凄まじい勢いで国の権益をロシアに切り売りし、自ら属国へと傾斜していきました。

もともと当時の朝鮮は、日本が三国干渉に屈したのを見て、「清に代わる次の宗主国はロシアだ」と確信しようです。彼らには最初から独立の気概も願望もなかったのです。

こうして、朝鮮を緩衝地帯に仕立てるという日本の対ロ戦略は頓挫しました。それどころか、朝鮮は進んでロシアの手先になり、その軍事力を引き込み始めたのです。

結局、日本は己一人でロシアを迎え撃つ羽目になってしまったのです。

そうして次は、第二次大戦後の事例です。

朝鮮戦争は北朝鮮による南侵で始まりました。だから一般に「共産主義陣営と自由主義陣営の戦い」とされています。今でも「怒涛のごとく攻め込んできた中朝軍に対して、米軍を中心とした国連軍が必死で持ちこたえた」というイメージが強いです。ゆえに「韓国が緩衝地帯の役割を果たした」と漠然と信じられ、またこの事例が同説の最大の根拠となっています。

ところが、これですら「韓国緩衝地帯神話」に当てはまらないのです。なぜなら、日本に侵略したのは「南」のほうだからです。李承晩は独裁者に就任した直後から「北侵」による統一を何度も訴え、一方で「対馬奪還」を宣言し、軍を南部に集めました。

こうして、狂気の独裁者は、北朝鮮を散々挑発し、日本を侵略しようとして、自ら南侵を誘発したのです。むしろ、期せずして結果的に北が日本を助ける格好になっています。

朝鮮戦争時、日本は機雷対策や兵站などで国連軍を支援しました。日本という後方基地があったからこそ国連軍は機能したのです。また、大量の避難民も受け入れました。

それに対して礼を言うどころか、1952年、李承晩は一方的に「李承晩ライン」を敷き、竹島を強奪したのです。そして越境を理由に日本人を殺傷し、海上保安庁巡視船16隻を攻撃し、日本漁船を拿捕して約四千名を拉致抑留し、外交交渉の人質としました。



つまり、朝鮮戦争中(休戦は53年)に韓国は、日本を侵略したのです。しかも、完全に恩を仇で返す格好ですから、二重に悪質といえます。今でも韓国人は、「日本は朝鮮戦争で儲けた」とか「朝鮮戦争を引き起こした」などと、逆に因縁をつけてくる始末です。

日本が温かく受け入れた避難民をルーツとする在日コリアンですらそうです。「自分たちは強制連行されてきた」などと嘘八百を吹聴し、恩を仇で返し続けています。

以上、李氏朝鮮・戦後韓国の2つの事例を見てきました。

これらの歴史的事実からすると、韓国が大陸に対する「防波堤」や「緩衝地帯」であるとする見方は、とんでもないジョークであることが分かります。

むしろ、自ら侵略の拠点となるか、でなければ進んで大陸の手先をやってきたというのが事実です。バッファーどころか、韓国こそが常に対日侵略の震源地だったのです。

戦後においては、北朝鮮と韓国に別れましたが、韓国のほうが昔の朝鮮の気質をうけついでいるようです。北朝鮮も韓国も元々は一つでしたが、北朝鮮は中国とソ連と国境を接していて、これらと国境を接しておらず、しかも終戦直後は最強の米国軍が駐留したいない韓国とは、安全保障に対する考え方が全く異なります。

現状では、北朝鮮のほうが独立心は強く、韓国のほうは、従来の朝鮮のまま、独立の気概も願望もないようです。

この事実をみれば、ここ何日か私がこのブログで、以下のように掲載してきたことをご理解いただけるものと思います。
中国からの朝鮮半島の中国からの独立を守っているのは北朝鮮の核であり、韓国ではない。 
韓国は歴史的に中国や日本、米国の支配下に置かれてきた経緯からみても自国の防衛や独立に関心がない。中国に抵抗しようという気もない。 
韓国は中国の覇権に対抗するための国際連携の一員に加わることはできない。 
韓国が自らの独立に関心があるのであれば、在日米軍基地がある日本に安全保障を全面的に依存しているのに、日本といさかいを起こしたりしないはずだ。 
韓国が反日であるということは、韓国が本質的な外交政策に関心がないことを意味する。 
文在寅政権はこれまで米国に保護されていたのを中国に保護してもらうよう、打算的に移行しているにすぎない。
そうであるとしても、確かに北朝鮮の核は日米にとって脅威であることには変わりないですし、北朝鮮国内の人権侵害に関しては許容できません。

ただし、安全保障のみを考えると、上記のようなことは正しいです。

米国としては、当面の中国との対決を最優先するでしょうから、北朝鮮の中国からの独立の気概や願望を最大限に利用することになると思います。まさに、米国にとって、朝鮮半島が南北に分断され、北朝鮮が核を保有している現状が中国をにらみ望みうる最善の状態です。

韓国に関しては、もうすでに特にトランプ大統領は関心がなくなっているようです。

そうして当の韓国ですが、習近平主席が今年韓国を訪問するようです。

ノ・ヨンミン韓国大統領秘書室長は11日、習主席が来る4月の北朝鮮訪問に続き、5月に訪韓する可能性を認めたそうです。

ノ室長はこの日、国会で「共に民主党」のイ・へチャン代表を表敬訪問した直後、記者らに「確定した日程ではない」としながらも、「韓中間の疎通をしているが、まだ具体的安日程が出たわけではない。(しかし)いつからいつまでは出ている」と伝えました。

ノ室長は「上半期に訪問するのか」という記者の質問に「そうなる可能性が高い」と答えました。

先立って、イ・へチャン代表はノ室長との会談で「中国の習近平国家主席が4月に北朝鮮を訪問することが予定されているようで、5月には韓国に来る可能性が高そうだ」とし「中朝首脳会談が開かれ、米朝会談、南北首脳会談が開かれれば、朝鮮半島をめぐる北東アジアの平和ムードがかなり良くなると考える」と述べました。

文在寅と習近平

これによって、ますます文在寅政権は、中国に傾倒していくでしょう。ただし、文在寅の誤解は、北朝鮮が文氏が思っているよりはるかに、中国からの独立を希求しており、どちらかというと反中もしくは嫌中であるということです。金正恩は、文在寅を都合の良いように利用しているだけなのです。

以上から、ここしばらく、ますます中国に接近する韓国、中国からの独立する北朝鮮の独立の気概や願望を利用しようとする米国という図式で、朝鮮半島情勢が推移していくと見るべきです。

今年は、米国が韓国から本格的に北朝鮮に軸足を移していく年となるでしょぅ。無論、これは北朝鮮が米国の対中国冷戦に対して協力するか、あるいは許容するかを条件とすると思います。無論、中国の脅威がなくなった場合の北の核の廃棄も条件とすると思います。ただし、北への制裁はさらに継続し、北が人権問題に取り組む姿勢をみせ、米国に協調する姿勢を見せれば、少しずつ緩和する可能性はあると思います。

金正恩は、北朝鮮の中国からの独立、金王朝の存続を希求しています。北の核兵器の真の目的は、日米を脅すことではなく、中国からの完全独立です。米国は、中国の体制を変えるか、経済的に潰すことを希求しています。両者とも中国が敵であることは確かなので、両者が協調することは十分に考えられます。

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