ラベル 中国、検閲ソフト、1万人、ネット署名、数値感覚、富裕層、貧困層、年収、内需、社会、社会変革、社会事業 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
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2009年7月2日木曜日

検閲ソフトに反対 1万人ネット署名 中国―この数値感覚は?

検閲ソフトに反対 1万人ネット署名 中国(この内容すでにご存知の方は、この項は読み飛ばしてください)

中国検閲ソフトの萌えキャラ

中国政府によるパソコンへの「有害サイト」の検閲ソフト搭載義務化に反対するインターネットサイトが、政府の監視の目をかいくぐって作られ、一日までに約一万千九百人が反対署名をした。

 中国当局は同日から義務化を実施する予定だったが、前日夜に急きょ延期を発表している。

 同サイトには「ネット社会に自由を」「ソフト開発に費やした約四千百七十万元(約五億九千万円)で貧困層を救え」といった書き込みが目立ち、反対論の根強さをうかがわせている。

この数値感覚は?
このブログでは、随分前から、現代中国政府を痛烈に批判し、すぐにも「民主化」「政治経済の分離」「法治国家化」をすべきであると訴えてきました。

今回の検閲ソフトの問題に関しては、掲載したことはないですが、これに関してもむろん反対で、こんな愚かなことは実施すべきではないです。そんなことは、あまりにも当たり前のことなので、特にこのブログには掲載しませんでした。

それよりも、約一万千九百人が、「ソフト開発に費やした約四千百七十万元(約五億九千万円)で貧困層を救え」という表記の数値に着目していただきたいです。

現在日本では、中国の富裕層をターゲットにしたビジネスを実施しようとか、中国の内需をあてにする風潮がありますが、この数字を良くにらんでみると、それが正しいのかどうか不安になります。

普通の日本人だったら、5億程度のお金でいったい何ができるだろうと思うのではないでしょうか。現在の中国全土の人口は1,276,270,000人です。これは、日本の10倍に相当します。こんなところで、5億のお金で何ができるというのでしょうか?この事例を見るまでも、なく、中国の場合人口が10倍なのですから、中国の経済対策などそもそも日本に置き換えたら、1/10規模ということになります。そう考えると、いかに中国の経済対策の規模が小さいのかを納得することができます。この検閲ソフトの5億も、日本であれば、1/10の5千万円で何ができるでしょうか?

しかし、このサイトの書き込みにも見られるように、少なからぬ人々が5億で何かできると思い込んでいます。では、どうしてこのようなことが起こるのでしょうか?

それは、多くの日本人が思っているほど、中国は裕福ではないということです。情報通の中国人にとってさえ、5千万円は天文学的数字なのです。日本のマスコミなどで報道する中国人の姿は、普通の中国人とはかけ離れたものばかりです。

以前にも、このブログで書いたことがありますが、中国に進出している資生堂の調査によれば、中国も最近は従来から比較すると随分裕福になり、富裕層も増えてきていて「中国の1千万人の人々の年収が100万円を超えた」ということを発表していました。1千万人が100万ですよ!!

しかし、逆にいえば、中国人民の大多数は、年収が100万に満たない貧困層だということになります。ということになれば、日本感覚でいうところの、富裕層はほんの一握り(1千万人のなかのまた、ごく一部)ということになります。現状は、日本企業は富裕層をほとんど開拓していない状況にあります。本気で開拓しはじめたら、あっという間に行き詰るのではないでしょうか?

また、日本の産業界の中国の内需頼みの姿勢にも問題があります。現在の中国の現状は、1960年代の日本のようなものであって、確かにテレビや洗濯機、冷蔵庫など当時三種の神器がこれからかなり売れることはわかりきっていることです。しかし、日本のことを思い返せば、日本はこれらの需要の日本国内の産業でまかないました。そうして、それが日本の発展の原動力となり、日本が発展する基盤ともなりました。

1960年代の日本の三種の神器、現代中国でも、これらは、現代
の技術でつくられているというだけで、日本の1960年代と同じことだ


中国でも同じことです。中国でもこれらの需要は、国内産業でまかなうと思います。また、そのほうが、海外製品を輸入するよりも、安くて良い製品ができあがります。だからこそ、日本はこれらの中国の需要など本格的にあてにはできないと思います。

では、日本は、どうしたら良いのかということになります。やはり、日本は社会変革が必要になると思います。もう、物資的には恵まれているのですから、次の段階では、心の豊かさや、知性、知恵などに向かっていくべきです。私たちの物質的な豊さに関しては、はるかに恵まれるようになってきました。しかし、それ以外にはまだまだです。まずは、年金、少子高齢化、医療などの社会の基盤を整備しなおし、さらに新しい次元の社会に突入するべく、努力の方向を定めるべきです。

1960年代の日本を振り返ってみると、確かに経済、物質的豊さを求めていました。しかし、別な見方をすると、当時の西欧の先進国の社会に追いつけ追い越せをしていたのだと思います。

新たな次元の社会での心の豊かさ、知性、知恵とはどのようなものでしょうか?いろいろありすぎていちいち掲載していると大変なことになりそうですが、非常に判りやすい一例として、たとえば、日本の国民のほとんどが英語を無理なく使えて世界に通用するコミュニケーションができるようになるというのはどうでしょうか?これは、あくまでたとえです。ほかにもたくさんあります。

現在、日本では、中学・高校だけでも、6年間も英語を勉強します。しかし、多くの人が6年間も勉強しているのにほとんど英語でのコミュニケーションができません。これを誰にでもできるようにするのです。無論その人の社会的地位に応じてできるようにするのです。世界の最先端のコミュニケーションから、お年寄りの井戸端会議程度まで、ニーズは様々だと思います。そのためには、学校の教育を抜本的にかえなければなりません。さらに、成人のための教育も必要となります。こんなことすら、今の日本ではできていないのです。これは、一例にすぎず、まだまだできていそうで、できていないことは山積しています。

これを抜本的に変えて本当に実行するためには、相当の投資も必要になります。しかし、多くの人がこれを身につければ、目にはみえないですがかなりの資産価値となると思います。新たな富を生み出すきっかけとなりますし、個人生活もかなり充実したものになると思います。中小零細企業が海外の仕事を受注できる可能性が高まります。日本が、国際社会で英語ができないという理由で受けてい様々な不利益を解消することができます。

おわかりでしょうか?もう日本は、中国の社会などとは異なる上の次元に進みつつあるのです。中国の社会では、英語などよりは、テレビ、洗濯機、冷蔵庫のほうがはるかに重要なのであって、英語などは後回しの社会なのです。

逆に日本は、テレビ、冷蔵庫、洗濯機などの時代ではないのです。日本は、こうした、目に見えない、知識・知恵・絆などを充実させていく社会を目指すべきなのです。そうでなければ、日本国内の内需などを喚起することなどできません。いまさら、日本企業が中国の内需などに期待していれば、中国にとっても迷惑でしょうし、日本もジリ貧になるだけです。日本の未来、将来がなくなります。

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