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2012年8月19日日曜日

他人の行動をしっかり評価できない人は、心理学的なマジックにとらわれている―【私の論評】マネジメントは、根本的な帰属の誤りをどう防いできたか!!

他人の行動をしっかり評価できない人は、心理学的なマジックにとらわれている:


鍵が見つからないとき、あなたは「ツイてない」と思うでしょう。でも、あなたの友人は「不注意な人だな」と思うかもしれません。これを心理学用語でいうと「根本的な帰属の誤り(fundamental attribution error)」と呼びます。つまり、ある人の行動について、誤った部分に原因を当てはめる傾向のことです。イギリス「BBC」では、次のように説明しています。Photo by Thinkstock/Getty Images.

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【私の論評】マネジメントは、根本的な帰属の誤りをどう防いできたか!!

人間というものは上の記事のような、「根本的な帰属の誤り」をするのが普通です。これは、特に職場においては良くあることです。特に、仕事ができない人に対しては、こうした見かたをしがちです。愚かなマネジメントは、こうした人を「仕事ができない人」と決めつけ、アメリカなどでは、解雇したり、日本の職場であれば、人事などに誤った情報を流し続けることになります。


これに関しては、駄目な職場ということになると思いますが、こんな職場ばかりであれば、アメリカでも、日本でも、組織そのものが、駄目になり、組織は存続できなくなくなります。しかし、優秀なマネジメントは、このような見方をせず、組織を存続させ、さらに高めていきます。


では、マネジメントは、根本的な帰属の誤りをどう防いできたかきたのでしょうか?それには、いくつか原則がありますが、もっとも重要な原則を下に掲載します。


マネジメントが、成果をあげるには、人の強みを生かさなければなりません。弱みを気にすべきではありません。利用できるかぎりのあらゆる強み、すなわち同僚の強み、上司の強み、自らの強み、部下の強みを総動員しなければなりません。強みを生かすことは組織特有の機能です。組織における権力の正統性の基盤も、この人の強みを生かすという組織の機能に置くべきです。


組織といえども、人それぞれが持つ弱みを克服することはできません。しかし、組織は人の弱みを意味のないものにすることができます。成果をあげるには、強みを中心に据えて異動を行ない、昇進させなければなりません。人事には、人の弱みを最小限に抑えるよりも、人の強みを最大限に発揮させなければならないのです。


リンカーンは、グラント将軍の同僚の将軍たちから、「グラント将軍は酒好きだ」という話聞いたとき、即座に「だが奴は仕事ができる」と言ったという逸話が残っており、その後も、リンカーンは、グラント将軍を重要なところに配置し続け、結局は南北戦争で勝利を収めました。

人のできることではなく、できないことに気をとられ、弱みを避ける者は弱い人間です。しかし部下が強みを持ち、成果をあげることによって苦労させられた者など、一人もいません。

アメリカの鉄鋼王アンドリュー・カーネギーが自らの墓碑に刻ませた『おのれよりも優れた者に働いてもらう方法を知る男、ここに眠る』との言葉ほど大きな自慢はないと思います。これこそが成果をあげる処方であり、「根本的帰属の誤り」に陥ることを防ぐ処方箋だと思います。

こういった精神を組織のものとした、組織においては、「根本的帰属の誤り」などが付け入る隙はなくなります。なぜなら、人を見るときに、その人の弱いところを見るのではなく、強みを中心に据えるからです。しかし、これは、簡単なことのように見えて、そんなに易しいことではありません。人の弱みについては、小学生でも、いくつもあげることができます。しかし、人の強みについては、なかなか指摘するのは難しいです。それどころか、自分自身で、自分の強みをあげられる人も少ないです。しかし、あげられるようにする方法はあります。ただし、これは、本日の本題ではないので、ここで、詳細をあげることはしません。いずれ機会を設けて掲載するものとします。しかし、難しいからといって、手をこまねいているようでは、いつまでたっても、大きなな成果をあげることはできないし、いつも「根本的帰属の誤り」につきまとわれることになります。

上の記事では、「根本的帰属の誤り」について解説していますが、その解消法までは掲載していません。しかし、このようなことは、まともな組織では、「人の強み」に着目するということで、解消してきており、成功しています。そうして、この原則は、何も民間営利企業だけに当てはまるものではありません。学校でも、研究所でも、官庁でも、非営利組織などおおよそほぼすべての組織においてもあてはまることです。

このような原則を当てはめている組織は、これからも、「根本的帰属の誤り」に影響されることなく、発展し続けていくし、そうではない企業は淘汰されると思うのは、私だけでしょうか?


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