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2013年11月1日金曜日

中国の人権侵害に「赤の巨星が崩れる」と警鐘 年間8万7千件もの暴動 / ハフィントンポスト各国版 本日のスプラッシュ ―【私の論評】鄧小平の改革路線が功を奏する時代はとっくに終わった、社会構造改革をこれ以上ないがしろにすれば後は、崩壊あるのみ!

中国の人権侵害に「赤の巨星が崩れる」と警鐘 年間8万7千件もの暴動 / ハフィントンポスト各国版 本日のスプラッシュ 

天文の世界でも、赤色巨星は崩壊の前兆だといわれている。赤色巨星にはまともな生物は生存できない

ハフィントンポスト各国版10月31日のスプラッシュを紹介します。スプラッシュとは、ハフィントンポストのトップ記事のこと。

ハフィントンポスト・ドイツ版では、天安門広場に自動車が突っ込み5人が死亡した事件を取り上げて、中国政府の圧制による人権侵害に警鐘を鳴らしています。中国では言論統制が非常に厳しく行なわれており、天安門広場という象徴的な場所で起こったこの事件も中国のメディアでは報道されず、Facebookに掲載された現場の写真も掲載直後に削除されたようです。

中国では、毎年8万7千件もの暴動が勃発しており、300人以下の小規模のものも含むとその数はさらに大きくなるだろうと言われています。最近では、ここ数日さらに深刻化している大気汚染問題に反発して、抗議を行なう人も増えています。

インターナショナル・ソサイエティ・フォー・ヒューマン・ライツ(ISHR)の職員は、「2008年の北京オリンピック以来、状況は悪化している」と指摘し、経済成長が進んではいても「近い未来に、システム全体が崩壊するだろう」と、懸念を表明しました。

「赤の巨星」中国は、今後どのような道を歩んで行くのでしょうか。ご意見をお聞かせください。

【私の論評】鄧小平の改革路線が功を奏する時代はとっくに終わった、社会構造改革をこれ以上ないがしろにすれば後は、崩壊あるのみ!

ハフィントン・ポスト日本版紙面

赤の巨星、赤色巨星は、恒星が主系列星を終えたあとの段階です。大気が膨張し、その大きさは地球の公転軌道半径から火星のそれに相当します。肉眼で観察すると赤く見えることから、「赤色」巨星と呼ばれます。

いずれにせよ、赤色巨星も、現代の中国も、通常の段階は終わった後の状況にあるということです。上の記事では、「ご意見お聞かせください」と結ばれていたので、意見を書きました。その内容を以下に掲載します。
これ以上、中国が社会構造改革を怠れば、後は崩壊あるのみです。過去の歴史で繰り返されてきたように、分裂することでしょう。 
とにかく、今の中国、かつてヨーロッパが数百年、日本が数十年でやり遂げた、社会構造改革が全く進んでいません。特に、民主化、政治と経済の分離、法治国家化が進んでいません。これを実施し、中間層の数を増やし、規模は小さなものの、これらが活発に社会・経済活動を行うようにしないかぎり、中国の今後の発展はあり得ません。 
このままだと、いくつかの国に分裂することは必至です。分裂したあかつきには、世界各国は、社会構造改革に本気で取り組むいずれかの国もしくは、国々とつきあっていくべきでしょう。
さて、上の記事に関して、私がコメントすべきことは、これ以上でもこれ以下でもありません。まったく、この通りです。これは、中国に関してある程度知っている方なら、この部分ではほぽ一致することと思います。後は、それぞれの方々がそれぞれの専門的な立場からいろいろ付加することもあるでしょうが、現代中国に関しては、何をさておいてもまずはやらなければならない、最低限の事柄はこれらです。

日本や、西欧などの社会にもいろいろ問題はあります。解決の難しい問題もあります。しかし、すくなともいわゆる日本を含む先進国といわれる国々は、少なくとも民主化、政治と経済の分離、法治国家化は不十分ながら、ある水準以上は実施しています。そうして、中国はこの水準には全く及びません。ただ、経済だけが、ここ20年ほど目を見張る勢いで拡張してきました。しかし、最近ではそれすらもおぼつかなくなりました。

そうして、おぼつかなくなった大きな原因の一つが、日本が今年の4月から異次元の包括的金融緩和に踏み切ったことです。これにより、デフレは来年4月からの増税で延びることがことが予想されるものの、終焉する過程にありますし、円安傾向にもなっています。

これ以前には、日銀は、中国にとって非常に都合の良い金融政策ばかりとって、中国がかつての西欧諸国や日本のように社会変革をせずとも、経済成長できる余地をつくりだしてしまいました。

これについては、このブログでも以前掲載したことがありますので、その記事のURLを以下に掲載します。

中国は世界で最もストレスの大きい国に―【私の論評】日本の円高・デフレを終わらせ、中国麻薬漬け政策を終わらせ、中国に新社会秩序を打ちたてよ!!
中国を支えているのは為替操作によるキャッチアップ型の経済成長であり、円高とデフレを放置する日本銀行によるものだ。からくりはこうだ。  
慢性的な円高に苦しむ日本企業は、過度な「元安」政策をとる中国に生産拠点を移し、出来上がった製品の一部を逆輸入している。国内で一貫生産するより、わざわざ中国を経由した方がもうかる構造になっているのだ。つまり日銀は、「デフレ政策で日本の産業空洞化を促進し、雇用と技術を中国に貢ぎ続けた」ことになる。  
これ以上、日本経済が中国に振り回されないで済むにはどうしたらいいか。答えは簡単だ。日銀にデフレ政策をいますぐやめさせることである。
日本国民を塗炭の苦しみ追いやり、中国の社会構造改革をも遅らせた白川
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事の時点では、日銀の異次元の包括的金融緩和は、行われいない時期であり、この部分は経済評論家の上念司氏の、論考ですが、この記事では、これに続けて、私の見解である日銀の金融政策=中国麻薬漬け政策という持論を展開しました。その部分を以下に掲載します。
そうして、どこの国でもずいぶん前から終焉し、特に今世紀になってからは、どこの国にも残っていないような中国の古い社会構造がそのまま残ってしまいました。これは、過去においては、中国が、何か社会問題が起こったとしても、国家資本主義体制の推進ばかり優先して、それらをことごとく圧殺してきたからです。そうして、特に今世紀に入ってからは、日銀が円高・デフレ政策によって、中国の経済発展に寄与してからです。

本来まともな資本主義体制には、まともな社会構造が必要不可欠であり、少なくとも他の資本主義体制の先進国では、社会構造を変えてきました。無論では、日本をはじめとする、他の国々の社会が問題がないかといえば、そのようなことはありません。まだまだ、理想的ではなく、理想を追求すべきです。しかし、中国では理想を追求するどころか、多くの高級官僚やエリートですら、このようなことをそもそも理解していません。だから、古い社会構造のままの環境で、サラリーマンが市場に本気に対応しようとしても、そもそも、限界があるのです。だから、ますます、ストレスが高まるのです。 
社会構造そのものを変えないと、まともな資本主義体制は、体裁だけでも整えることすらできません。しかし、これを変えなければ中国の経済の回復はありえません。しかし、中国政府はこれを変えることは、本気では考えてはいないようです。これは、今までも、日銀の支援があったし、これからもあるであろうという希望的観測があるからだと思います。

しかし、このようなことが長続ききするはずはありません。日銀は、はからずも、中国を人間でいえば、麻薬漬けにしてしまったといえるかもしれません。しかし、先に述べたようにこのような麻薬漬け政策をつづけたとしても、日本を、デフレと円高で苦しめるし、中国は麻薬漬け体質からなかなか抜け出しにくくするだけです。日銀の白川総裁も、いい加減、中国麻薬漬け政策など、中国を駄目にしていずれ人民に恨まれるだけであろうことを認識していただきたいものです。 
やはり、日本の円高・デフレを終わらせ、中国麻薬漬け政策をおわらせ、中国に新社会秩序を早期に打ちたてるためにも、日銀のとんでもない金融政策は、一刻もはやく終わらせるべきだと思います。そう思うのは私だけでしようか? 
そうして、この記事(2012/11/04)の後しばらくしてから、実際に日銀は金融緩和に転じて、実際に中国への麻薬漬け政策は終焉したわけです。

過去の中国は分裂と集合を周期的に繰り返してきた
これから、円安だけではなく、日本のデフレ終焉にともない中国の経済はますます苦しくなると思います。

これから、中国が発展していく道筋は、社会構造改革しかありません。そのことに気づかずいつまでも本気で取り組まなければ、過去の歴史の繰り返しで、必ず中国は分裂します。私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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