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2020年8月10日月曜日

【国家の流儀】中国の“人権侵害”に加担していいのか? 政府は日本企業に注意喚起を促すべき―【私の論評】中共幹部が、米国の「関与」に甘い期待を抱いているとすれば、それは完璧な間違い(゚д゚)!

【国家の流儀】中国の“人権侵害”に加担していいのか? 政府は日本企業に注意喚起を促すべき

習主席率いる中国人民解放軍は、新疆ウイグル自治区でも軍事訓練を続けている

 国際社会では、企業の社会的責任(CSR)が叫ばれるようになって久しい。企業は自らの社会的影響力を踏まえ、法令順守、消費者保護、環境の重視、人権擁護などに取り組むべきだ-という考え方だ。

 このCSRと中国の人権問題を結び付けているのが、ドナルド・トランプ米政権だ。

 トランプ政権は5月下旬、中国に対する総合戦略をまとめた報告書「中国に対する米国の戦略的アプローチ」において、中国の人権侵害についてこう厳しく批判している。

 ◇2017年以降、中国当局は100万人以上のウイグル人やその他の少数民族・宗教団体のメンバーを再教育収容所に収容した。

 ◇キリスト教徒、チベット仏教徒、イスラム教徒、法輪功のメンバーに対する宗教的迫害は、礼拝所の破壊や冒涜(ぼうとく)、平和的な信者の逮捕、強制的な信仰の放棄などを含めて広範囲に渡って行われている。

 トランプ政権のすごいところは、こうした批判が単なる口先だけで終わらないことだ。報告書はさらに続ける。

 ◇19年9月の国連総会において、米国とパートナー国は共同声明を発表し、中国において抑圧と迫害に直面しているウイグルを始めとするトルコ系イスラム教徒、チベット仏教徒、キリスト教徒、法輪功信奉者の権利を尊重するよう中国政府に呼びかけた。

 こうやって中国の人権侵害について国際社会に訴えるとともに、その人権侵害を阻止するために民間企業がなすべきことがあるとして、次のように指摘している。

 ◇米国は、新疆(ウイグル)の人権侵害に加担した中国政府機関や監視技術企業への米国の輸出を停止した。また、新疆で強制労働を用いて生産された中国製品の輸入を阻止する行動を開始している。
◇米国やその他の外国企業は、中国の軍民融合戦略のために、知らず知らずのうちに中国の軍事研究開発に自らの技術を提供しており、国内の反対勢力を弾圧し、米国の同盟国などを脅迫する中国の強圧的な能力を強化している。

 日本を含む自由主義陣営の民間企業の皆さん、中国による人権弾圧に加担したくないのであるならば、人権弾圧に加担している中国企業への輸出の停止、製品輸入の中止、技術提携の中止に踏み切るべきではないか、とトランプ政権は訴えているのだ。

 米国政府がこうした報告書を出すと、CSRを重視する米国では当然、株主やマスコミから「御社は、中国の人権侵害に関与する企業と取引はありますか。あったとするならば今後はどうしますか」と追及されることになる。その矛先は当然、日本企業にも向けられることになる。

 日本政府も、自由と人権を尊重するつもりがあるのならば、首相・官房長官の名前で、日本企業に対してはっきりと注意喚起を促すべきだ。

 ■江崎道朗(えざき・みちお) 評論家。1962年、東京都生まれ。九州大学卒業後、月刊誌編集や、団体職員、国会議員政策スタッフを務め、現職。安全保障や、インテリジェンス、近現代史研究などに幅広い知見を有する。著書『日本は誰と戦ったのか』(KKベストセラーズ)で2018年、アパ日本再興大賞を受賞した。自著・共著に『危うい国・日本』(ワック)、『インテリジェンスと保守自由主義-新型コロナに見る日本の動向』(青林堂)など多数。

【私の論評】中共幹部が、米国の「関与」に甘い期待を抱いているとすれば、それは完璧な間違い(゚д゚)!

日本政府もこのことをまず理解すべきです。

5月20日に発表された「中国に対する戦略的アプローチ報告書(以下、報告)」中の中国の脅威と米国の対抗策の部分の概要を以下に示します。

3つの挑戦と4つの対抗戦略

「報告」では,中国が経済,価値,安全保障の3分野で米国に挑戦し脅威となっていると述べています。

①経済
技術移転強制、米企業へのサイバー攻撃など略奪的経済慣行、模倣品による合法的なビジネスの数千億ドルの被害、一帯一路による不透明な融資と受入国の財政悪化などを指摘しています。
②価値
一党独裁制、国家主導経済、個人の権利を抑圧する中国のシステムが西側先進国のシステムに勝ると主張し,米国の価値への挑戦を中国はグローバル規模で行っていると分析している。③安全保障では,東シナ海,南シナ海,台湾海峡などでの中国の行動,軍事民間融合による最新技術を開発し獲得している民間組織への自由なアクセスなどを批判している。
中国の挑戦に対して米国は,2017年国家安全保障戦略の4つの柱で対応しています。す

①米国の国民、国土と生活様式を守る
経済スパイの摘発、外国投資リスク審査現代化法の強化、輸出管理規制の強化
②米国の繁栄の推進
強制的技術移転と知的財産侵害に対する制裁関税、第1段階の経済貿易協定合意で中国が2000億ドルの米国産品を今後2年間で輸入することなどがあげられています
③力を通じての平和の維持
三元戦略核戦力の現代化を進めること、航行の自由作戦、台湾への100億ドルを超える武器売却,
④米国の影響力の向上
宗教的自由を進める閣僚会議の開催、国際宗教自由連盟の発足、香港の高度の自治、法の支配、民主的自由の維持の要求などがあげられています。
これだけ読むと「報告」は中国を批判し、対決策を提示する文書と思われますが、「報告」の意義は米中関係を「大国間競争」と位置づけ、「長期的戦略的競争」にあると認識したことです。

中国を自由でルールに基づく国際秩序に受け入れ、自国市場を開放し企業を進出させ中国の発展を支援すれば、中国は民主化し自国市場を開放しルールを守る国になるだろうという「関与」アプローチは失敗したという過去40年の対中政策の総括に基づいた戦略の転換です。

ピルズベリーのChina 2049』(日経BP社、327頁)の言葉を借りれば、中国を生活保護受給者ではなく競争相手であると認めたのです。



大国間競争という世界認識は、2017年国家安全保障戦略(NSS)に基づきます。NSSは、「競争する世界」というタイトルで中国とロシアが米国のパワー、影響、国益に挑戦しており,自由で公正な経済に反対し、情報を管理し、社会を抑圧し、自国の影響を強めようとしていると分析しています。

競争相手を国際制度とグローバルな貿易に包含すれば、善意の信頼できるパートナーになるという前提は誤っており、そうした前提に基づく政策は再考しなければならないと論じています。

留意する必要があるのは、競争は対決や敵視だけではないことです。「報告」では、競争アプローチは対立あるいは紛争を導くものではないとし、中国の発展の封じ込めを求めないと述べています。

関与と協力も強調されている。競争は中国への関与を含み,米国の関与は選択的,結果志向であり,両国の国益を前進させると説明しています。中国への関与については、2019年10月にペンス副大統領がウイルソンセンターで「中国への建設的な関与を望んでいる」と演説しており、一貫しています。

2019年10月にウイルソンセンターで演説するペンス副大統領

従来型の関与とは当然内容は異なってきており、競争的関与あるいは競争と関与の両面政策というべきものです。意思疎通と協力も重視されており、危機を管理し、紛争へのエスカレーションの防止とともに利益が共有できる分野での協力を進めると述べています。

米国の対中戦略は対立強化と敵視という一面的な見方でなく、関与も求めているという複眼的な見方が必要です。

この「報告」の詳細については、ぜひ下のリンクから原点にあたってください。


米国の国務省も年次の「国別人権報告書」が出されていて、言論の自由、信教の自由など人権に関して多くの報告がなされています。

2018年版は、昨年3月13日に公表されており、マイク・ポンペオ国務長官は人権状況が悪化しているとして、中国、イラン、南スーダン、ニカラグアを名指しして批判した。特に中国については「人権侵害はケタ外れ」と指摘しました。

新疆ウイグル自治区では100万人以上のウイグル人が強制収容され、虐待や拷問によって「中国化への再教育」が進められているといいます。一方、中国政府の新疆ウイグル自治区をめぐる「白書」によると、ウイグル族が不当に拘束されているという外国からの指摘に対して、テロを予防するための職業訓練が目的だ、として事実上拘束を正当化しています。

香港も含め、中国では反政府的とされるジャーナリスト、弁護士、ブロガー、請願デモをした人たちに対して、超法規的な殺害、拉致、厳しい環境下への拘束、拷問が行われています。ネットの検閲やブロッキング、集会、結社の自由の侵害など枚挙にいとまがないです。

現在、中国の決済は顔認証になっていますが、そのデータは共産党政権に渡さなくてはならず、集会を開いた場合、誰がいるかということが瞬時にわかってしまいます。

また、「信教の自由」もありません。共産党という宗教を信じなさい、と言っているだけです。さらに「三権分立」も機能していません。捜査、逮捕、判決まで全部、共産党政権がコントロールしています。それが中国の現実です。

このような中国から、輸入をするということは、ブラック企業から商品を購入しているのとかわりありません。ブラック企業に関しては、景気を良くすれば、特に雇用をかなり良くすれば、誰もブラック企業に務めなくなり、勤めている人も、良い条件の企業に転職しますので、いずれ消えます。

中国ブラック企業のペナティー。湖の周辺を四つん這いで、一周させるというもの

しかし、国はそういうわけにはいきません。政府の体制が全体主義的であれば、一部の特殊な人を除いて、多くの国民は、一生国内で迫害を受け続けなければならないどころか、子孫もそのような目にあうことになるのです。

現在の中国の体制は変えなければなりません。特に中国共産党は、崩壊してもらなわなればなりません。上の「報告書」には"競争的関与あるいは競争と関与の両面政策"についても記載されていますが、ここでいう「関与」とは、中国共産党が崩壊したあとの新しい体制の中国に「関与」することを言っているのであり、現中国共産党に関与するという意味ではありません。

実際、「報告書」では、中国を(ここでは暗に、中国共産党のことと解釈すべき)自由でルールに基づく国際秩序に受け入れ、自国市場を開放し企業を進出させ中国の発展を支援すれば、中国は民主化し自国市場を開放しルールを守る国になるだろうという「関与」アプローチは失敗したと述べています。

2019年10月にペンス副大統領がウイルソンセンターで「中国への建設的な関与を望んでいる」と演説していますが、これも当然のことながら、中国というよりは、中共が崩壊した後の新体制の中国であると解釈すべきです。

中共に懲りた米国は、二度と中共に関与する政策はとらないでしょう。新しい体制ができあがっても、その体制が本質的に人が入れ替わっただけで、現体制と変わらなかったり、あるい一見変わったようにみえても、全体主義を目指すものであった場合も、関与しないでしょう。

これは様々な報告書や、トランプ政権の要人たち、米国議会、米国司法関係者などの発言や行動から明らかです。

中共の幹部たちや習近平が、米国の「関与」に甘い期待を抱いているとすれば、それは完璧な間違いです。たとえば、仮に大統領がバイデンになったとしても、これは変わりません。米国は、中国共産党が崩壊するまで、制裁を継続するでしょう。

日本政府もこのことをまず理解すべきです。

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2020年3月2日月曜日

「国会質問で不当な人権侵害」原英史氏が森ゆうこ参院議員を提訴 国会議員の「免責特権」どこまで許されるのか? 作家・ジャーナリスト、門田隆将氏が緊急寄稿―【私の論評】国会での誹謗中傷は、処罰しないと野党は認知症になるだけ(゚д゚)!


門田隆将氏

国民民主党の森ゆうこ参院議員の国会質問によって、不当な人権侵害を受けたとして、政府の国家戦略特区ワーキンググループ(WG)座長代理の原英史氏が25日、東京地裁に損害賠償訴訟を起こした。作家でジャーナリストの門田隆将氏が緊急寄稿した。


 この件をひと言で表現するなら「国会議員による国民に対する誹謗(ひぼう)中傷・住所公開事件」となる。

 森氏は昨年11月15日の参院予算委員会で、毎日新聞の記事を根拠に、原氏が特区提案者から金銭を受け取ったとして、「国家公務員なら斡旋(あっせん)利得、収賄で刑罰を受ける」と発言し、自身のホームページで原氏の自宅住所を公開した。

森ゆうこ参議院議員

 だが、森氏の質問の根拠となった毎日新聞は昨年6月、原氏から損害賠償訴訟を起こされている。同紙は法廷で、原氏が金銭を受け取ったという報道をしたつもりはないと答弁をしている。あぜんとする主張である。

 にもかかわらず、森氏は国会の場で、原氏を糾弾した。

 原氏は「事実無根の誹謗中傷」として謝罪・訂正を求めたが、森氏は応じなかった。国会議員が議院で行った演説や討論、表決は、憲法第51条に定められた「免責特権」の対象となるのだ。

 これで納得できるはずがない。免責特権がある以上、「国会内」で自律的に対処するのが筋として、原氏は参院に対して、6万7000人分のネット署名を添えて「森氏の懲罰」を求める請願を行った。

 ところが、原氏の請願に応えたのは日本維新の会だけだった。それ以外の与野党は完全無視し、森氏も、原氏の度重なる謝罪・訂正要求を無視し続けた。

 原氏は泣き寝入りか、一個人として国会議員と戦うかという“二者択一”を迫られた。

 最終的に、原氏は提訴に踏み切った。森氏が原氏の自宅住所情報をネットで拡散したことなどは「国会外での不法行為」にあたり、免責特権で保護されないとの主張だ。

原英史氏

 多くの国民は、野党議員の傍若無人な振る舞いや、新聞や週刊誌をもとにした「事実の裏取りもしてもいない」質問内容にあきれている。国政調査権を有する国会議員による国会での質問は、新聞や週刊誌の“下請け”であってはならない。

 原氏はさらに、「国会での言論を検証する独立機関」をつくる構想も持っている。国会議員の言論について、中立・客観的で、事実に基づく検証・提言を行う、「国会版BPO」である。

 こうした組織ができれば、国会にも緊張感が生まれる。国民への名誉毀損も「平気だ」といった言動も減るはずだ。国民のために動いた、原氏の果敢な決断を評価したい。


 原氏の提訴について、森氏は28日、事務所を通じ、「まだ訴状を見ておりません。特別申し上げることはございません」とコメントした。

【私の論評】国会での誹謗中傷は、処罰しないと野党は認知症になるだけ(゚д゚)!

原 英史(はら えいじ、1966年)は日本の文筆家で、政策コンサルタント、元通産省・経産省職員。フェイクニュース研究所副所長と称しています。株式会社政策工房代表取締役社長で、大阪府市統合本部特別顧問です。

以前、経産省の職員であったことはありましたが、今では純然たる民間人です。森ゆうこ参議院議員は、その民間人を侮辱するだけではなく、住所を公開したりしたのですから、これはもう良識の範囲を完璧に逸脱しています。

Change.orgでは、原氏を支援するキャンペーンを実施しています。その内容を以下に掲載します。なおこのキャンペーンでは、趣旨に賛同するとともに、支援金を寄付できるようになっています。
賛同いただける皆さまに署名お願いいたします。 
【発起人】
朝比奈一郎、生田與克、池田信夫、岩瀬達哉、上山信一、加藤康之、岸博幸、鈴木崇弘、髙橋洋一、冨山和彦、新田哲史、原英史、町田徹、八代尚宏、屋山太郎
(敬称略、五十音順)
=======
参議院議長殿 
 憲法第51条では、「両議院の議員は、議院で行つた演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない」とされています。 
 しかし、だからといって、誤った報道に安易に依拠した名誉毀損など、国会議員による不当な人権侵害は許されるべきでありません。 
 この観点で、森ゆうこ参議院議員に対し、以下の理由から、除名などの懲罰を検討いただくことを求めます。 
 あわせて、こうした事案の再発防止のため、さらなる対策を国会において検討いただくことを求めます。

【理由】
 森ゆうこ議員は、10月15日参議院予算委員会で、原英史・国家戦略特区 ワーキンググループ座長代理が不正行為を行ったかのような発言を繰り返したうえ、「(原氏が)国家公務員だったらあっせん利得、収賄で刑罰を受ける(行為をした)」、すなわち「原氏が財産上の利益を得た」との事実無根の虚偽発言をしました。
 森ゆうこ議員は、発言の根拠として、6月11日の毎日新聞一面記事をパネル化して提示・配布しました。しかし、この記事が虚偽報道であることは、原氏が根拠を挙げて繰り返し説明しています(別紙:10月14日の公開記事、これまでの毎日新聞への反論)。 
 同氏は毎日新聞社に対して名誉毀損訴訟を提起しており、訴訟の中で毎日新聞社は、「原氏が金銭を受け取ったとは報じていない」と弁明していることも、すでに明らかにされています。 
 その状況下で、森ゆうこ議員がNHK中継入りの予算委員会において、十分な事実関係の調査もなしに、何ら根拠のない誹謗中傷を行ったことは、許されるべきでない人権侵害です。

(別紙)
http://agora-web.jp/archives/2042082.htmlhttp://agora-web.jp/archives/author/haraeiji
このほか、必要に応じ、さらに理由を追加します。
このような議員の傍若無人な振る舞いは決して許されるものではありません。私自身は、このような振る舞いが許されているからこそ、国会での不毛な論議がいつまでも継続されるのだと思います。

国会をまともな場にするためにも、このようなキャンペーンは有意義だと思います。

さらに、森議員は、国会審議の場では「国家公務員だったら斡旋利得、収賄で刑罰を受ける」と発言した一方で、ツイッター上では「仮に金銭の授受があれば、特区WG委員に公務員と同等の倫理規定がないため、刑事罰を課されないないものの、脱法行為ではないのか」と発言しています。


一見、同じような表現に見えますが、実は微妙に表現を使い分けています。国会では事実があったとほぼ断言している一方で、ツイッター上では“仮に金銭の授受があれば”と仮定の話に変えています。

かつ、国会では“あっせん利得、収賄”と犯罪行為であるかのように決めつけているのに、ツイッター上では“倫理規程“と弱い話にすり替えられています。

森議員は、国会では免責特権があって責任を問われないので意図的に激しい表現で原氏を誹謗中傷し、ツイッター上では訴訟リスクがあるので表現を弱めたとしか考えられません。憲法第51条がある中で、こうした狡猾な使い分けが行われているのが現実なのです。

私は、憲法改正で第51条を大幅に弱めることが必要と思いますが、それは難しいでしょう。しかし、その場合でも、たとえば国会議員が国会審議の場で他者の誹謗中傷、名誉毀損、人権侵害につながる発言を行なった場合、両院が当該懲罰を課すとともに、被害を受けた者に国会の中で事実確定と名誉回復の機会を与えるなど、知恵を出せばやりようはいくらでもあります。

今回の訴訟が、単なる法定論争に終わることなく、なにかこのような動きにつながることを期待しています。

そうでないと、日本の野党は国会で弛緩して、頭をつかわず、楽に楽を重ねて、現在の馬鹿の次元から認知症にすすむのではないかと思います。ツイッターの投稿よりも、頭を使わないですむ国会であってはいけないです。

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2019年12月1日日曜日

人も企業も…韓国&中国から“大脱出”を 経済援助も“反日運動”で返し…識者「このような国への投資は愚かな行為でしかない」―【私の論評】人権侵害を平気で行う、中韓にはナチス・ソ連と同じく先がない(゚д゚)!


文在寅(左)と習近平(右)

 香港やウイグル、チベットなどでの人権侵害が国際社会から非難されている中国の習近平政権と、北朝鮮にすり寄り、「反日」に血道を上げる韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権。市場経済や民主主義、受けた恩を忘れないといった根本的な価値観で、日本と相いれない中韓への深入りは重大なリスクだと指摘するのは、国際投資アナリストの大原浩氏だ。米国はすでに動き出したが、日本企業も「脱出」のラストチャンスだと強調する。


 11年前に発刊した拙著『韓国企業はなぜ中国から夜逃げするのか』(講談社)では、夜逃げをする韓国企業と、夜逃げを誘発する共産主義中国の政治・経済体制を取り上げ、日本企業に警鐘を鳴らした。

 ところが、その後も多くの日本企業が能天気にも中国・韓国進出を続けた。たぶん今になって、好調な経済の裏に隠されていた巨大なリスクに青ざめているはずである。

 米議会は上下両院で「香港人権・民主主義法案」を可決、トランプ大統領も署名して法案は成立した。この法律は、米政府に香港の「一国二制度」が機能しているかどうかの検証を義務付け、中国政府関係者に制裁を科すことができるようにするものだ。

 貿易依存度が40%もある中国の経済において、香港は自由主義・資本主義世界への窓口であるだけではなく、共産党幹部の不正蓄財に欠かせない闇ルートとしても機能しているといわれる。

 香港からは、まず留学生などから脱出を始めている。中国大陸でも過去、大躍進や文化大革命で8000万人もの人々が「虐殺」(西側推計、人為的飢饉による死者を含む)で亡くなったとされるが、そのような時代が到来しつつあるのかもしれない。

 韓国においても外資系企業だけではなく、富裕層も「何の躊躇(ちゅうちょ)もなく」脱出を始めている。

 その中で、日本企業が取り残されている。確かに長期的視点で辛抱強く投資を行うのが「日本企業の美風」だが、それも相手による。実際、日本側の多大な支援や思いやりに対して、中韓は「恩をあだで返してきた」。

 改革開放の初期、資本主義・市場経済のノウハウを持たなかった中国に、日本は政府や民間企業がほぼ無償で援助を行った。例えば、中国の株式市場設立には、日本の大手証券会社などが全面的に協力し、システムは日本にルーツがある。しかし、共産党政府は天安門事件以降、日本の恩に「反日運動」で応えた。

 韓国も、経済・社会の基盤の相当な部分は、日韓併合以降に創り上げられた。戦後は日本人の資産を没収し、多額の援助(賠償金)を受けたことによって繁栄した。

 しかし、1997年の世界通貨危機で、韓国が事実上破綻したときには、国際通貨基金(IMF)だけではなく、日本企業の力を借りて立ち直ったのだが、「安く買いたたかれた」と逆恨みをしている。そして、いわゆる「慰安婦」や「元徴用工」問題でも傍若無人に振る舞っている。

 このような国々に「長期的観点」から投資を行うのは、愚かな行為でしかない。値段が付くうちに売れるものを売り払い、撤退すべきなのだ。

 また、中国や韓国企業との取引には、後々に「人権問題」で大きな非難を浴びる可能性がある。中国の人権侵害は、香港、ウイグル、チベットなど数限りがないが、「共産化」しつつある文政権も、人権侵害の度合いが激しくなっている。

 11月7日に韓国政府は、日本海上の漁船で発見し拘束した北朝鮮人漁師2人について、船内で同僚の乗組員16人を殺害した疑いがあるため強制送還したと発表した。しかし、脱北者を強制送還すれば、拷問の上、殺害されるのは火を見るよりも明らかだ。韓国の北朝鮮化を象徴する出来事だといえる。

 このような国々の企業と密接な関係にある企業は大きなリスクを負う。「大赤字」で話題となっているソフトバンクグループの最大の投資先は、中国のアリババだが、同社はソフトバンクGを助けるかのように香港上場を急いだ。また、ソフトバンク傘下のヤフー(Zホールディングス)は、韓国企業の子会社であるLINE(ライン)との経営統合を発表した。

 サイバー戦争の最前線ビジネスでの中韓との密接な関係は最大のリスク要因になるのではないかと思う。

 中韓に深入りしている企業にとって、現在が「脱出のラストチャンス」といえるのではないだろう。

 ■大原浩(おおはら・ひろし) 人間経済科学研究所執行パートナーで国際投資アナリスト。仏クレディ・リヨネ銀行などで金融の現場に携わる。夕刊フジで「バフェットの次を行く投資術」(木曜掲載)を連載中。

【私の論評】人権侵害を平気で行う、中韓にはナチス・ソ連と同じく先がない(゚д゚)!

米国では、政治家は超党派で、財界もほとんどが反中派で占められるようになっていますが、これは以前もこのブログで掲載したことですが、日本では、財界親中派が未だ一定の勢力を保っているようです。そのためか、安倍政権も未だ財界親中派に一定の配慮をしなければならないようです。

日本の財界親中派は、未だ香港市民が実弾を発砲する警官隊に勇気を持って立ち向かい、校内に立てこもった学生たちが遺書まで書いて抵抗するのも、「香港が、共産党が一党独裁を行う大陸中国のような場所になるのなら死んだ方がまし」だからということを理解できていないようです。

過去、中国大陸でも、大躍進や文化大革命で8000万人もの人々が「虐殺」(西側推計、人為的飢饉による死者を含む)で亡くなったとされるが、そのような時代が人々の頭の中によぎったはずだ。

日本のオールドメディアの偏った情報しか知らない財界親中派などは、これを大げさだと思うかもしれないですが、例えば、これまでも「天井の無いアウシュビッツ」と呼ばれてきたウイグル問題があります。

英国政府は11月25日、新疆ウイグル自治区に、国連監視団が「即時かつ無制限にアクセス」できるよう、中国政府に求めました。

この要求が行われたのは、中国の公文書が流出し、何十万人ものウイグル人が、新疆ウイグル自治区の収容施設で虐待されている状況が判明したからです。

米国FOXテレビでも、収容所のおぞましい内部映像が放映されています。ディレクターが、そのあまりの残虐さに放送をためらったほどで、コメンテイターたちもショックのあまり茫然としていました。

5月には、以下のよう動画が、FOXTVで報道されました。




これは、米大手メディアネットワークFOXの地方支局「FOX11ロサンゼルス」が5月20日、中国国内における法輪功学習者に対する人道犯罪を報道した時の番組の一部。番組は、厳しい情報統制が敷かれる中国本土の収容所や病院内部で撮られた映像を公開しました。映像は今年1月、中国から米国へ渡った元実業家の法輪功学習者によって提供されました。

この動画自体は、英語で放送されたものであり、日本語の字幕もついていないので、以下に若干の説明を加えます。

2018年、中国遼寧省本溪の病院のベッドで、昏睡状態にある胡國艦さん(48)は、死の時を迎えようとしています。傍らには、号泣する妻。ひん死の状態にあるにもかかわらず、足には太い鎖がかけられています。胡さんは十数年あまりの収監を強いられた法輪功学習者で、その後、拷問によるダメージで死亡しました。 
これは、米大手メディアネットワークFOXの地方支局「FOX11ロサンゼルス」が5月20日、中国国内における法輪功学習者に対する人道犯罪を報道した時の番組の一部。番組は、厳しい情報統制が敷かれる中国本土の収容所や病院内部で撮られた映像を公開しました。映像は今年1月、中国から米国へ渡った元実業家の法輪功学習者によって提供されました。 
FOX11の記者ビル・メルキン氏は、残忍な映像に慣れているジャーナリストでさえ、この映像は、堪えがたいものだったと述べました。しかし、「これが真実である」として放送に至ったのです。 
骨の形があらわになりげっそりとやつれた男女、拷問で2年間の意識不明に陥り絶命する男性、棒状スタンガンを押し付けられて顔の皮膚が焦がされた女性―。番組が伝えた中国共産党による非人道的犯罪は、視聴者に衝撃を与えました。 
映像を見た人々はSNSに、「信じがたい、悪魔のような残忍さだ」「なぜこれほどまで残虐な政権が21世紀に存在しているのか?」「人類史上最もおぞましい犯罪だ」と書き込みました。
法輪功は、90年代後半に人気を博した中国の気功修煉法。中国体育局は1998年、7000万人を超える学習者がいると推計しました。FOX11は番組で、法輪功の広がりと迫害の実態を、内部映像を織り込んで報じました。 
5月20日に放送された「姉の救い」と題する番組は、主にある姉妹の境遇に焦点を当てました。 
王易非さんと、長春農民銀行の行員だった姉の可非さんは2001年1月、当局による法輪功への迫害に反対し、陳情のために北京の天安門へ出かけました。「真善忍」の言葉が書かれた横断幕を広げたとたん、2人は警官により別々の拘留所に連行されました。
易非さんは、迫害に同情的な看守の助けを得て、脱出に成功しました。しかし、拘留から4カ月後、長春の女性収監所から家族の元に、可非さんは「心臓発作で死亡した」との通知が届きました。家族は、健康的な34歳の可非さんが突然死するはずはなく、拷問により死亡したと考えています。
妹の王易非さんはその後、カリフォルニアに移住したのですが、「突然死」したという姉の遺体を返却するよう、家族は中国の収監所に訴え続けています。 
2015年、易非さんの夫が一時帰国し、可非さんの遺体を返却するよう女性収監所の責任者に迫る様子を秘密裏に撮影しました。責任者は「家族が『自然死』と認めなければ、返すことはできない」と拒んだのです。
番組が放送した迫害の場面は、遼寧省瀋陽の企業家だった于溟さんが撮影したものです。

100人ほどを雇用するアパレル工場を営んでいた于さんでしたが、弾圧開始後の2000年、すべての仕事を失い、倒産に追いやられました。于さんもまた、共産党の労働教養所で12年間収容され、スタンガンや極小の鉄格子の檻に入れられるなどの拷問を受けて、命を落としかけました。

于さんは、自分のみならず、多くの法輪功学習者が惨い迫害の犠牲者になっていることを知り、ピンホールカメラを使って収容所内部を撮影しました。映像は、北京オリンピックが開催される2008年、多数の法輪功学習者が施設内で、強制労働を強いられている様子を映しています。海外輸出用の商品もここで作られています。

「この映像の存在が知られてしまえば、私は間違いなく、殺されていた」。持ち出された内部映像により「残忍な迫害が公になり、一刻も早く弾圧が停止することを望んでいる」と語りました。

2019年1月27日、于さんはタイを経由して米サンフランシスコに到着しました。迫害の状況の証拠となる機密映像を、公に報道してくれるメディアを探したところ、FOX11ロサンゼルスが編集・放送しました。

于さんがFOX11に提供した映像によれば、収容所の法輪功学習者たちは、毎日長時間の作業を強いられ、ノルマが達成するまで休むことを許されません。睡眠は作業机の下の床で、ただ横になるだけでした。

別の映像はまた、息も絶え絶えにベッドに横たわる複数の男性の姿を映しています。こうした生命の危機にあるなかでも、彼らの身体は手錠などで縛られており、身の自由を制御されています。

なぜ法輪功は迫害されているのでしょうか―。FOX11スタジオ司会者の質問に、記者メルキン氏は答えました。法輪功は静かで平和的な精神修養。共産党イデオロギーが統制できない思想を持つ学習者の拡大に、共産党は体制維持の脅威を覚え、迫害に踏み切ったと考えられます。法輪功の修煉は、中国政府高官にも広がっていた、と伝えています。

法輪功の迫害情報を伝えるウェブサイト・明慧ネットによれば、1999年7月20日、当時の江沢民中国国家主席の命令で、「身も心も殲滅(せんめつ)させる」のスローガンを掲げる弾圧が始まりました。身元が確認できただけで、4304人が迫害で死亡しました。

法輪功弾圧から20年。明慧ネットの情報によれば、「真、善、忍」を基準に修煉する数百万人の学習者が、裁判なしの長期拘束、弁護士不在の有罪判決、拷問による虐待、また子どもが学校から追い出されたり、家族や親戚、法輪功を支持する友人が嫌がらせなどを受けたりしています。

中国共産党政府の法輪功に対する深刻な迫害は、今もなお続いています。

私もこれらの、動画を見ましたが、まさに「天井の無いアウシュビッツ」であり、多くの米国民が戦後、ナチス・ドイツの収容所の内部写真・映像が公開された時と同じ嫌悪感を抱いたと思います。

以下には、中国政府が主にイスラム教徒のウイグル人を何十万人も組織的に洗脳していることが、流出文書で明らかになったことを示す動画を掲載します。



韓国も上の記事にもあるように、甚だしい人権侵害をしていることが明らかになりました。これは氷山の一角でまだまだ報道されていない人権侵害があるかもしれません。

「われわれの友好国、同盟国、パートナー諸国ですら、人権侵害を行っている」

マイク・ポンペオ国務長官は3月13日、こう述べまし
た。国務省が公表した2018年の「各国の人権報告書」に関する記者会見での発言でした。

報告書では、同盟国の1つである韓国・文政権による脱北者への圧力を取り上げ、「北朝鮮との対話に乗り出すと、北朝鮮への批判を抑制するよう求める直接的、間接的な圧力が脱北者組織にかけられたとの報告があった」と指摘しました。

具体的圧力としては、20年続いていた脱北者団体への資金援助打ち切りや、風船を使った北朝鮮へのビラ散布阻止、警察が団体を訪れて財務情報などを出すよう要請した-ことが挙げられまし
た。

現状の韓国を認識するためには、以下の動画は非常に良いと思いますので、以下に掲載します。これは最近ベストセラーになっている「反日種族主義」の筆者イ・ヨンフン ソウル大学校名誉教授によるものです。



中韓に援助の手を差し伸べて将来なにか良いことがかえってくるのでしょうか。これまでの歴史を見る限り、その答えは「ノ―」であるといえる。

さらに、米国の対中冷戦は、もうすでに貿易戦争の段階から、中国共産党を弱体化させることに軸足を移しました。ポンペオ長官は、中国共産党は中国ではないと、はっきり言いました。

米国にとっては、すでに貿易戦争などは、中国共産党を弱体化させるための、一つのツールにすぎなくなりました。米国はありとあらゆる手段を使って、中国共産党が中国の体制を変えるか、もし変えないなら、中国共産党自体を弱体化させ、当地の正当性を奪い、崩壊させることでしょう。

それは、韓国に対しても同じことです。米国が最優先するのは無論対中国冷戦であり、韓国はそのための従属関数に過ぎないのですが、中国を弱体化させるために必要とあらば、韓国を潰すことも厭わないでしょう。

米国にとって、韓国自体はさほど意味のある存在ではないのですが、韓国経由で、日米の最新技術や情報が中国に伝わり、それが中国を利するというのなら、韓国を崩壊させることも厭わないでしょう。

韓国に対してそのような見方をしている米国です。日本の、いや世界の財界親中派が邪魔になるなら、あらゆる手段を講じて、なきものにすることすら厭わないでしょう。

日本企業の経営者には、冷静かつ正しい判断を望みたいです。とにかくは、YouTubeなどで、日本のマスコミが報道しない、中国や韓国の実体を知るべきです。中韓に、幻想を持つなど現在の世界情勢では禁物であることが理解できるはずです。

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2017年2月11日土曜日

「Nスぺは小保方氏の人権侵害」 BPO勧告、NHKは異例の反論―【私の論評】小保方大悪人説だけでは未だ納得できないこの事件(゚д゚)!

「Nスぺは小保方氏の人権侵害」 BPO勧告、NHKは異例の反論

理化学研究所の小保方晴子元研究員らによるSTAP細胞の論文不正問題を特集した「NHKスペシャル」について、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会は2017年2月10日、「名誉棄損の人権侵害が認められる」として再発防止に努めるようNHKに勧告した。NHK側は異例の反論コメントを発表した。

番組は2014年7月27日に放送された「調査報告 STAP細胞 不正の深層」。英科学誌「ネイチャー」に掲載された小保方氏らによるSTAP細胞論文を検証したものだ。

NHK放送センター

 
BPO「真実性・相当性が認められない」

放送後、小保方氏は「ES細胞を『盗み』、それを混入させた細胞を用いて実験を行っていたと断定的なイメージの下で作られたもので、極めて大きな人権侵害があった」などと主張し、申立書を提出。

これに対し、NHKは「『STAP細胞はあるのか』という疑問に対し、客観的な事実を積み上げ、表現にも配慮しながら制作したものであって、申立人の人権を不当に侵害するようなものではない」などと反論していた。

15年8月から審理していた放送人権委員会は、17年2月10日に「委員会決定」を公表。同番組で、小保方氏がES細胞を不正行為によって入手・混入し、STAP細胞を作成疑惑があると摘示したことについて「真実性・相当性が認められず、名誉毀損の人権侵害が認められる」と結論付けた。

また、番組放送直前にNHKがホテルのロビーで行った執拗な取材方法についても「放送倫理上の問題があった」と指摘し、
「本決定を真摯に受け止めた上で、本決定の主旨を放送するとともに、過熱した報道がなされている事例における取材・報道のあり方について局内で検討し、再発防止に努めるよう勧告する」
とした。

 NHK「客観的事実を積み上げ、表現にも配慮」

これを受け、NHK広報局は、
「BPOの決定を真摯に受け止めますが、番組は、関係者への取材を尽くし、客観的な事実を積み上げ、表現にも配慮しながら制作したもので、人権を侵害したものではないと考えます」
とのコメントを発表し、小保方氏に対する人権侵害を否定。その上で、
「今後、決定内容を精査した上で、BPOにもNHKの見解を伝え、意見交換をしていきます。また、放送倫理上の問題を指摘された取材の方法については、再発防止を徹底していきます」
とした。

【私の論評】小保方大悪人説だけでは未だ納得できないこの事件(゚д゚)!

小保方晴子氏
ブログ冒頭の記事には掲載されていませんでしたが、小保方氏は「正当な認定で感謝している」と代理人の三木秀夫弁護士通じてコメントしています。

放送倫理・番組向上機構(BPO)が「NHKスペシャル」の人権侵害を認めたのを受け、小保方晴子氏は10日、代理人の三木秀夫弁護士を通じ、「放送が私の人生に及ぼした影響は一生消えるものではありません」とのコメントを出しました。

小保方氏はコメントで「人権侵害や放送倫理上の問題点を正当に認定してもらい感謝している」とし、「国を代表する放送機関であるNHKから人権侵害にあたる番組を放送され、このような申し立てが必要となったことは非常に残念なことだった」と振り返えりました。

三木弁護士によると、小保方氏は現在も療養中で、BPO側からNHKに対する勧告について直接説明受けました。

"NHKスペシャル"「調査報告 STAP細胞 不正の深層」の動画、Youtubeに掲載されていますので、以下に掲載します。


この動画は元のNHKの番組を四分割しています。上の動画の続きのリンクを以下に掲載します。
https://www.youtube.com/watch?v=gq334DlC7mo
https://www.youtube.com/watch?v=mv5uv3p5JKU
https://www.youtube.com/watch?v=86tuZiM6-Xo

私が、この番組で一番問題であると思ったのは、やはり小保方氏が「ES細胞を『盗み』、それを混入させた細胞を用いて実験を行っていたと思わせるるような内容であったことです。

番組内で、若山研にいた留学生と名乗る人物(後に、Chong Li博士と判明)が登場し、小保方氏の研究室にあったサンプルボックスについて次のように証言していた。

「びっくりしました。保存しているのは全部ES細胞ですので、なぜかSTAP細胞に関係があるところに見つかったのは本当にびっくりしましたね。(小保方氏に)それを直接私が渡したことはないです」(Li博士)

この発言を受けて、番組では次のようなナレーションを流していました。

「なぜこのES細胞が小保方氏の研究室が使う冷凍庫から見つかったのか、私たちは小保方氏にこうした疑問に答えてほしいと考えている」

Li博士に対しては石川氏も取材したといい、Li博士は「(若山研では、続きの実験が計画されていたので、実験を)山梨大で続けるつもりだったが、ES細胞を紛失したことで、それを断念した」と語ったと証言しています(「フライデー」<講談社/15年2月6日号>より)。

そもそもLi博士のES細胞は、STAP研究とはまったく関係のない種類のES細胞であることは、石川氏の告発状が出される時点で判明していました。それにもかかわらず、『NHKスペシャル』と同様に石川氏は、あたかもLi博士のES細胞がSTAP研究に混入されたとされるES細胞と同一であるかのような告発状を作成し、マスコミに配布していました。石川氏の告発内容がのちに虚偽であったことが判明したのですが、マスコミはその告発状の論旨をベースに国民をミスリードさせていきました。

また、若山研ではES細胞を紛失したため実験が続けられなくなったと報道されたにもかかわらず、若山研から理研に対し紛失届が出されていませんでした。本当に必要なサンプルだったのならば、実験を断念せず、理研に紛失届を出すのが自然です。それを出さずにマスコミに「盗まれたかもしれない」とリークする目的はなんだったのでしょうか。NHKや毎日新聞がそうであったように、石川氏も若山研を情報源とするものが多いのですが、何か理由があるのでしょうか。

同番組放送後、世間は一気に「小保方氏犯人説」に傾いていきました。その影響は今なお色濃く残っています。NHKは十分な取材をしたと主張していますが、なぜMTAを確認するという基本的な裏取りをせずに、このようないい加減な放送をしたのかはなはだ疑問です。

昨年婦人公論に掲載された小保方さんの写真

小保方氏が理化学研究所(神戸市)の研究室から胚性幹細胞(ES細胞)を盗んだ疑いがあるとして告発され、兵庫県警が容疑者を特定せず捜査結果を書類送付した事件について、神戸地検は昨年5月18日、嫌疑不十分で不起訴処分としました。「事件の発生自体が疑わしい」と判断しました。

不起訴処分を受け、小保方氏の代理人を務める三木秀夫弁護士は取材に「当然の結論だ。若山氏の研究室の引っ越しで残されていたものの中にES細胞があっただけで、刑事告発したこと自体がおかしい」と話しました。

この事件に関しては、このブログでも何度か掲載してきました。それらの中でも強調してきたのですが、仮に小保方氏が大悪党だったにしても、それでもなおこの事件には疑問が残るし、それに小保方氏一人だけを悪者にしてそれですべてが一件落着というわけではないと思います。

理研の上層部や、その監督省庁である文部省では誰も責任を追求されることもないし、笹井氏の自殺という残念な結果を招いたのにもかかわらず、危機管理上の改善などがされたという話は聴いたことがありません。

私は過去にこのブログで、このままでは、また同じようなことが起こるという懸念は払拭されないことを強調しました。その考えは、今でも変わりありません。多くの人が忘れたころに類似の事件が理研でまた発生することでしょう。

この事件は、もう小保方氏一人が大悪党で、その大悪党が処分を受けたので、大方の人はもう忘れてしまい、今回のこのニュースもほとんど取り上げられず、闇に葬られそうです。

これでは、何の解決にもなりません。悪い体質が温存されるだけです。BPOの今回の勧告がきっかけとなり、こちらのほうにも目が向けられと良いのですが、どうもそうはならないようです。このようにして、日本の悪い部分はいつまでも温存されて、あるとき限界を超えてさらにとんでもない事態を招いてしまい、そのときにはじめて改善・改革が行われるのだと思います。

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2015年10月31日土曜日

井沢元彦氏がSEALDsに意見 「9条を守れ」の主張は人権侵害―【拡散希望】主流派憲法学者の解釈を踏襲するな!京都学派の解釈に従えば、ほとんど現実世界と矛盾しない(゚д゚)!


井沢元彦氏(写真左)今年1月 写真、動画はブログ管理人挿入 以下同じ

作家・井沢元彦氏は、集団的自衛権行使容認に反対する人たちのやみくもな軍隊否定や護憲主義に疑問を投げかけている。憲法9条を守れと主張することは、ときに人権侵害にも及ぶ状況があるという。週刊ポストの連載「逆説の日本史」における井沢氏の解説を紹介しよう。

* * *
1985年(昭和60)のことである。当時イランと戦っていたイラクのフセイン大統領は、敵国イラン領空を飛ぶ飛行機はたとえ民間航空機であってもすべて撃ち落とすという、とんでもない声明を発表した。当時イランにいた日本人二百人余りは直ちに脱出しようとしたが、脱出のための航空機派遣を政府から依頼された日本の民間航空会社はこれを拒否した。労働組合が反対したのである。

もっともこれは当然の反応ではある。ミサイルが飛んでくるかもしれない危険空域に丸腰の民間機が入ったら乗務員の安全は保証できない、反対したこと自体は責められない。だからこそ、こういう時のために訓練を積んだ軍隊というものが必要なのである。警察では国外の戦争が絡んだ事件に対処する能力も権限もない。

しかしそういう能力を持った自衛隊機は現地に飛べなかった。日本社会党を中心とする護憲派が「海外派兵絶対反対」と強く反対したからである。このためイランの首都テヘランに残された日本人約二百人は脱出できず、中には死を覚悟した人もいたという。


助けてくれたのはトルコであった。トルコ共和国政府の意を受けたトルコ航空の民間パイロットが名乗りを上げ、危険を冒してテヘランに飛び日本人全員を脱出させてくれた。実は1890年(明治23)、トルコ海軍の軍艦エルトゥールル号が日本の紀州沖で沈没した時、近くの村の日本人が命がけで乗組員多数を救助してくれたという話がトルコでは歴史の教科書に載っていて、「その借りを返すため」に命がけで助けてくれたのである。

ところが、この行為に対して感謝するどころか、もっとも不快に思ったのが「護憲派の守護神」朝日新聞である。朝日は記事でトルコが助けてくれた理由を、日本が「トルコ経済援助を強化している」からだと書いた。要するに「カネがもっと欲しいんだろう」と貶めたのである。朝日がなぜそんなことを書いたか、これをきっかけに「軍隊は必要だ」という議論が高まることを恐れ「カネをバラ撒いていれば大丈夫だ」と思わせたかったのだろう。

こんな事件が過去にあったことを、つい最近まで国会を包囲していたSEALDsの若者たちは知っているのだろうか? そしてまた同じような事件が起こったら「海外派兵絶対反対」と叫んで、再び「平和憲法を守るため」戦うのか?


エウトール号の遭難や、テヘランでの日本人救出に関してはこの動画をご覧ください

以上のような事例を知った上で、まだ「日本に軍隊は必要ない」と叫ぶなら、それはそれで仕方がない。論理を受け付けない人間と議論はできない。しかしそうでないなら言おう。

 軍隊の必要性を認めた上で「憲法九条を守れ」と主張することは、極めて重大な人権侵害であることに君たちは気がついているのか? 「必要ない」と言うなら仕方がないが「必要」ならば、自衛隊及び自衛隊員は法治国家日本において正式な存在であるべきだ、しかし憲法九条は法律がなんと言おうと彼等の存在を否定している。だから憲法九条を守るということは、実は自衛隊員の地位と権利を正式なものとしては絶対に認めないということになる。

これもわかりやすく時代劇にたとえようか。

ある旗本の家、そこが突然武装強盗に襲われた。先代の嫡男である当主が撃退しようとしたが日ごろから武芸にはうとく、危うく殺されそうになった。そこへ颯爽と登場したのが側室の生んだ次男、つまり当主の弟である。次男の命をかけた奮闘で賊は撃退された。そして、あそこには強い用心棒がいるという評判が立ち賊も敬遠するようになった。何もかも弟のおかげである。

ところが兄は感謝するどころかこう言う。「メカケの子のくせに図に乗るな、お前はあくまで日陰の存在だ。メシは食わせてやるが、名誉も地位も求めるな!」。

どうです? ひどい兄だとは思いませんか? 人間のクズと言っても過言ではないだろう。

しかし「憲法九条を守れ」と言うのは実はこれと同じことで、「自衛隊員よ、お前たちはあくまでメカケの子だ、引っ込んでいろ」と言っているに等しい。そのことに君たちは気がついているのだろうか?

たぶん気がついてはいないのだろう。気がついているならばこんな態度をとるわけがない。瀬戸内寂聴さんや大江健三郎さんのような日本の良心と言われている人たちも気がついていないのだから仕方がない。本当の日本の歴史を知らないからだ。

【拡散希望】主流派憲法学者の解釈を踏襲するな!京都学派の解釈に従えば、ほとんど現実世界と矛盾しない(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事の、トルコが助けてくれた話は有名なものです。もし、あの時トルコが助けてくれなかったら、多くの日本人が本当に命を落としたかもしれません。そうして、この事例は日本の安全保障を考える上で非常に良い事例だと思います。

さて、井沢氏が指摘するとおり憲法9条には上記で示すような矛盾があります。しかし、このような矛盾は、日本の東大を頂点とする憲法学者主流派の解釈を踏襲しているから矛盾しているように見えるだけです。

その解釈とは、憲法9条ではいかなる戦力を保持しても、武力を行使してもいけないう解釈です。東大を頂点とする、日本の主流の憲法学者の解釈を踏襲すれば、確かに上記のように、人権侵害を憲法が許容しているようなとんでもないことが起こる可能性がこれからもあり得ます。

しかし、憲法9条に対する解釈を変えれば、このような矛盾は生じません。実際、憲法学会における京都学派の解釈に従えば、このような矛盾は生じません。

では、京都学派の解釈とはどのようなものでしょうか。それに関しては、このブログに以前掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
佐々木惣一の「憲法第九条と自衛権」―【私の論評】安保法制=戦争法案としてデモをする人々は、まるで抗日70周年記念軍事パレードをする人民解放軍の若者と同じか?

佐々木惣一氏は憲法学者の中で、京都学派の重鎮だった方です。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事から憲法9条の解釈に関する部分を以下に掲載させていただきます。
さて佐々木惣一は戦後、特に力をいれた仕事は、憲法第九条と自衛力との関連のものである。今日の安保法制に関してマスコミの報道では、「集団的自衛権は違憲である」というのがまるで総意であり、「真理」であるかのように喧伝されている。だが敗戦後、佐々木惣一は一貫して、憲法第九条の法理論的解釈として、日本が自衛力を保有することを合憲としていた。ちなみに今日の議論のように、自衛権を個別的自衛権と集団的自衛権にわけて、それを厳密に区分して議論する日本的な風土とは、佐々木の自衛権解釈は一線を画している。つまり自衛self-defenseには、国際的な解釈と同じように、自分(自国)のみならず、親や子など近しいもの(同盟を組んでいる他国など)を守るという意味も含んでいる。
佐々木の自衛権解釈の多くはネットなどで容易に見ることができないせいか、ほとんど忘却されている。まず佐々木は、さきほどの倉山本の内容を紹介したときに言及したように、憲法論と政策論は別にわけて慎重に議論すべきだとしている。つまり憲法解釈がいかに解されようと、それと現実の問題はまた別に認識し、相互の関係を判断しなければならない、という姿勢である。これは佐々木の憲法第九条解釈の重要なポイントである(後の砂川最高裁判決の内容と共鳴する論点ではないかと思案する)。佐々木のこの区別(憲法解釈の次元と政策論の次元の区別)は、彼の戦前からの立憲主義の見方にも通ずるものである。つまり単に条文解釈に安住するのが立憲主義ではなく、その現実的政策、政治のあり方との関連を厳しくみることが、立憲主義の本意である(佐々木惣一『立憲非立憲』)。
佐々木の「憲法第九条と自衛権」をめぐる主張は、まずは純法理論的に行われている。この憲法第九条と自衛権の関係については、佐々木の『憲法学論文選(三)』(有斐閣)を中心に収録されている。ここでは、以下の著作から引用しておく。
「国際関係複雑を極め,諸国間の対立激甚を極める今日,いかなる場合にも,いかなる国家よりも,侵略をうけることがないとは限らぬ。そういう場合に,国家としては,自己の存在を防衛するの態度をとるの必要を思うことがあろう。これに備えるものとして戦力を保持することは,国際紛争を解決するの手段として戦力を保持することではないから,憲法はこれを禁じていない。このことは,わが国が世界平和を念願としている,ということと何ら矛盾するものではない。これは,今日いずれの国家も世界平和を希求していること,何人も疑わないにもかかわらず,戦力を保持しているのと同じである。」(佐々木惣一『改定 日本国憲法論』)。
また佐々木は憲法第九条の条文そのものに即して以下のように詳述する。
「憲法によれば、国家は、戦力、武力による威嚇及び武力の行使については国家が国際紛争を解決する手段としてする、というものという標準を設け、かかる戦争、武力による威嚇及び武力の行使を放棄している。故に、国際紛争を解決する手段としてではなく、戦争をし、武力による威嚇をし、武力を行使することは、憲法はこれを放棄していない。即ち禁じているのではない。このことは、前示憲法第9条第一項の規定を素直に考究すれば、明瞭である。同条項によりて、国家は、戦争、武力による威嚇及び武力の行使の三者を放棄する。換言すれば、してはならぬ、と定めている。が、併し、これらの行動を全般的に放棄しているのではなく、その行動を、国際紛争を解決する手段として、することを放棄する、のである。故に、国際紛争を、解決する手段以外の手段として、戦争することは、憲法により禁ぜられているのではない。国際紛争を解決する手段以外の手段として、戦争をする、という場合としては、例えば、わが国が突如他国の侵略を受けることがあって、わが国を防衛するために、その他国に武力を以て対抗して、戦争をするが如きは、明らかにこれに属する。(略)故に、いわゆる自衛戦争は憲法の禁ずるところではない」(佐々木惣一『憲法論文選(三)』)。 
また第二項の戦力の保持や交戦権についての条文については、まず前者は国際紛争を解決する手段としての戦力保持を禁じているだけであり、自衛のための戦力保持を禁じてはいないとする。また交戦権については、「第一項は戦争するという事実上の行動に関する規定であり、第二項は、戦争に関する意思の活用に関する規定である」として、国際紛争を解決する手段としての戦争をする意思を活用することを表現している。そのためこの交戦権も自衛権を放棄していることではない。
この佐々木の解釈は純粋な法理論のモノであり、現実の政策とは分けて考えるべきだと、繰り返し佐々木は強調している。わかりやすくいえば、どんなに憲法解釈が純法理的にすばらしくても、現実に平和が維持されないでは意味をなさない。そこに佐々木の平和主義的な立場が濃厚に表れる。現在の安保法制議論でも単なる憲法学者の「違憲」表明だけで法案の現実政策的側面が忘却されがちであるが、その点を合わせて考えると、佐々木の視点はいまも鋭い。
また(旧)日米安保条約について、佐々木は米国軍の日本駐屯と憲法第9条は矛盾しないと述べている。この点は純法理的な解釈だけではなく、佐々木がどのように、現実の政策と純法理的な解釈との(緊張)関係をみていたのか、それを考えるうえでも有益である。
佐々木は当時の日本の現実の自衛力を踏まえた上で、「然るに、わが国は、現在では一切の戦力を有していないのだから、自衛のための戦争でも事実、することはできない。それで、自国を防衛する方法として、他国の戦力に依頼し、他国の軍隊をして、わが国の領土に駐屯して、必要に応じてわが国の防衛に当らしめる、ということを定めたのが日米安全保障条約である。これは、わが国が他国の侵略に対して自国を防衛する一方法である。憲法第九条に抵触するものではない」(『憲法論文選(三)』)。
今日では砂川判決をめぐる議論の際に、「判決は日本の個別的自衛権のみについてふれていて、米軍基地は米軍の集団的自衛権に関わる」などの主張がきかれる。これらの「通説」と佐々木の主張がいかに離れたものであるかが、わかるだろう。

佐々木惣一氏は、憲法9条は、国際紛争を解決する手段として武力を用いることを否定しているのであって、これ以外の自衛戦争まで禁じているわけではないと解釈しています。例えば、わが国が突如他国の侵略を受けることがあって、わが国を防衛するために、その他国に武力を以て対抗して、戦争をすることは、明らかにこれにこれを禁じているわけではないとしています。

そんなこと憲法典(文書として書かれた憲法)には、一つも書かれてはいないから、それは詭弁にすぎないという人もいるかもしれません。しかし、憲法9条を端から端まで何度読んでみても、明らかに防衛戦争を否定するとは、はっきりとは書かれていません。

このようなことをいうと、書かれていないからといって、書かれていないことが、なんでもできたらとんでもないこになてしまうから、そんなのは詭弁だというかもしれません。

しかし、そんなことはありません。世界の多くの国々の憲法典でも、自衛権に関してはっきり明記しているものは多くはないです。それは、自然権であり、当然の権利であり、わざわざ記載する必要もないということなのだと思います。

この事実からも、憲法典に書かれていない事柄は、やってはいけいことなどという解釈は成り立たないことが理解できます。であれば、佐々木惣一氏の日本憲法典の解釈は、突飛でも、詭弁でもないことが理解できます。

ブログ冒頭の記事を書いた井沢元彦氏は、おそらく改憲派だと思うのですが、それにしても、佐々木惣一氏らの京都学派による憲法解釈はご存知ないのではないかと思います。確かに、日本主流の憲法学者らの解釈によれば、外国にいる日本人の生命がおびやかされても、日本は何もできないということになってしまいます。

しかし、京都学派の解釈なら、自衛隊そのものはそもそも違憲ではないし、場合によっては、日本人の生命を守るために海外に自衛隊を送っても何ら憲法違反にはならないことになります。

かつては、京都学派の憲法解釈も知られていた時期がありました。私が中学生か高校生だった頃に、社会科の教師が「京都学派」という名称までは語らなかったとは思いますが、憲法学者の中にはこういう考え方の人もいるという話をしていたことを覚えています。

確か、テレビでも、コメンテーターがそのようなことを語っていたこともあったことを記憶しています。

しかし、今では、この京都学派の憲法解釈はほとんどの人が知りません。井沢氏も知らないのだと思います。だからこそ、ブログ冒頭の記事のような矛盾を指摘したのだと思います。

作家といえば、百田尚樹氏もあるテレビ番組で「確かに憲法を字面通りに読めば、軍隊を持てないし、武力も行使できません」と語っていました。おそらく、百田尚樹氏ですら、京都学派の憲法解釈のことなど知らないのだと思います。

百田尚樹氏

日本の安全保障を考える上で、今の日本の主流の憲法学者の憲法解釈を踏襲すると、ほんとうに矛盾だらけです。しかし、京都学派の解釈であれば、大きく矛盾するようなことはありません。

であれば、私たちは京都学派の憲法解釈を踏襲するべきではないでしょうか。そうすることにより、憲法を改正しなくても、自衛隊を自衛軍とすることもできますし、日本人の生命を守るために、自衛隊を海外に送ることもできます。そうして、実際に他国が日本を攻めたり、日本人の生命を脅かすような軍事行動をとった場合、それに対抗しても、何ら矛盾は発生しません。自衛隊員を日陰者扱いする必要性もありません。

それにしても、どうして日本では京都学派の憲法解釈が顧みられなくなったのでしょうか。私自身は、京都学派の憲法解釈が忘れさられたからこそ、日本の安全保障の論議が全くおかしなことになっているのだと思います。

私自身、憲法解釈としては、こと憲法9条などに関しては、京都学派の見方が正しいと思います。そもそも、日本国憲法は、GHQが作成したものを下敷きにして作成されたものです。そうして、GHQには当時コミンテルン(旧ソ連のスパイ)が多数存在していました。

そのコミンテルンらが、日本国憲法草案に関わったとされています。これは、ベノナ文書などでも明らかにされています。

当時のコミンテルンがソ連に有利になるように、日本国憲法で日本国弱体化を目論んだのでしょうが、さすがに彼らも「日本国には防衛権すらない」などとはっきりと、憲法典に明記することはできなかったのでしょう。

もし、「日本国には自衛権がない」という条文を日本国憲法に盛り込んだ場合、さすがに日本国弱体化を目論むマッカーサーや、米国大統領や議会もこれではあまりにもあからさまということで、承認しなかったことでしょう。そもそも、西欧諸国にとっては、自衛権は独立国にとって「自然権」であるという大前提があります。さすがに、この大前提を崩すことはできないかったと思います。

実際には、ひよっとすると、コミンテルンは「日本には自衛権がない」という条文を盛り込んでいたかもしれませんが、そんなことではとても独立国の憲法としては認められないということで上層部に却下されて、今日の日本国憲法になったのかもしれません。

いずれにしても、憲法典に書いてあることだけは正しくて実行しても良いことであり、書かれていないことはとにかく何が何でも実行してはいけないなどということでは、あまりにも硬直的であり、それはもうすでに、実務的な政治や法律の世界とはかけ離れており、それはすでに宗教の領域です。それも、宗教の権威だけが正しいとする教条的、強権的なものであり、それこそ、イスラム過激派、原理主義者などとあまり変わりないと思います。

日本の護憲派は、行動ではさすがに、過激派や原理主義者のような酷いテロ行為はしませんが、考えたは非常に似ていると思います。テロリストにとっては、自分たちの考えが絶対的ですが、日本の護憲派にとっては、憲法典そのものが絶対的なものになっていて、京都学派などの憲法解釈などは全く受け付けません。

こんな状態を打破するためには、井沢氏や百田氏ですら知らない、京都学派の憲法解釈を拡散していく必要があると思います。井沢氏や百田氏だって、これを知れば随分と考え方が根本から変わると思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年3月15日日曜日

安倍首相に「言論の自由」あるか 「TV報道を批判」めぐり論戦―【私の論評】この程度のことでテレビ局が萎縮するというなら、普段から萎縮して左翼のいいなり放題になっているということだ! だから既存テレビ局の崩壊は近い(゚д゚)!

安倍首相に「言論の自由」あるか 「TV報道を批判」めぐり論戦

クレームを「言論の自由」と主張することは「人権そのものに対する大変な侵害」

国会で言論の自由に関して答弁する安倍総理 右端

安倍首相の「言論の自由」発言が波紋を広げている

発端は安倍首相が解散を表明した14年11月18日に出演した「NEWS23」(TBS系)での発言だ。

番組では、アベノミクスで景気回復の実感を得ているかについて「街の声」を集めたVTRを放送。5人中4人が「僕は全然恩恵受けていない」などど否定的なコメントをした。これに対して、安倍首相は

「事実6割の企業が賃上げしている。全然声が反映されてませんが、おかしいじゃないですか」
「これ、問題だ」

などと不満をもらした。この発言が15年3月3日に衆院予算委員会で批判されると、安倍首相は「私の考えを述べるのは言論の自由」だとして反論。この「言論の自由」発言が、3月12日の衆院予算委員会で改めて問題視された。

民主党の細野豪志政調会長は、国民が権力者を批判できるようになったのが近代立憲主義で、「人権のこれまでの戦い」だと主張。番組内容にクレームをつけることを「言論の自由」だと主張することは「人権そのものに対する大変な侵害」だと批判した。

国会で言論の自由に関して質問する細野豪志民主党政調会長
これに対して安倍首相は、国民が見ている番組の中で番組内容に反論したに過ぎず、
「私が当該番組の関係者に電話して、なんかクレームをつけるのとは違う」

と反論。反論でメディアが委縮するとすれば「極めて情けない」とした。

岡田代表「そこは相当考えてご発言にならないと...」

翌3月13日の記者会見でも、与野党の立場は対立した。民主党の岡田克也代表は、首相の発言は相当抑制的であるべきだとの立場だ。

「憲法というものは権力者を縛るというのが一番重要な役割。最大の権力者は総理ですから、『おれは憲法上保障された言論の自由があるから縛られないんだ』というのは、憲法観が根本的に間違っていると思う。もちろん総理大臣だからと言って何も言えない、ということではないと思う。しかし、やはりそこは相当考えてご発言にならないと、報道の自由、言論の自由というものが萎縮してしまう」

これに対して菅義偉官房長官は

「まったく民主党の皆さんの発言はあり得ないことだと思う。報道機関の表現の自由は最大限尊重されるというのは大事。総理大臣の地位にある者についても、当然憲法上の表現の自由は保障されている」

として、安倍首相のTBSでの発言についても問題ないとの見方を示した。

「答弁等の中で、総理は裏で報道の自由を抑制するようなことをしたわけではなく、その場で放映された映像について偽らざる強い違和感を吐露したものであって、それを問題視する方がおかしい」

などと真っ向から反論した。

本日9:30ころの集計結果 クリックすると拡大します
【私の論評】この程度のことでテレビ局が萎縮するというなら、普段から萎縮して左翼のいいなり放題になっているということだ! だから既存テレビ局の崩壊は近い(゚д゚)!

以下に、細野豪志氏の「人権侵害だ」に反論する菅長官の動画を掲載します。


まったく当たり前のど真ん中のことを発言していると思います。

言論の自由(げんろんのじゆう,英: Freedom of speech)は自由権の一種で、検閲を受けることなく自身の思想・良心を表明する自由を指します。表現の自由の根幹をなすと考えられ、今日では国際人権法で保護され世界人権宣言第19条、市民的及び政治的権利に関する国際規約(国際人権B規約、自由権規約)にも規定されているものの、多くの国で保障されるには至っていません。

この言論の自由の定義からして、上の、民主党の議員たちの言い分、まったくもって理解不能です。日本において言論の自由は、全国民に保証されているものです。そうして、当然のことながら言論の自由は、首相にも認められるものです。なぜなら、首相も国民の一人であることには変わりがないからです。

さらに、中国においては言論の自由はありませんが、習近平国家主席にはけ無論言論の自由があり、当然のことながら、報道機関の報道について、意見を述べる自由があります。言論の自由がない中国ですら、できるようなことが、自由主義陣営の中にある、日本の首相には認めらないなどというのは、全く奇妙奇天烈、摩訶不思議であり、なぜそのような考えが思い浮かぶのか、それ自体が非常に疑問です。ひよっとして、認知症などにより精神に異常をきたしているのでないか思われるほどです。

習近平中国国家主席

この日本においては、首相がどのような発言をしようとも、その責任を首相が持つという限りにおいて、何を発言しても良いはずです。

無論その発言が極めて不穏当であれば、国民の怒りをかって、首相をやめなくてはならないとか、政権が維持できなくなるという責任を追わなければならないのは言うまでもありません。

では、安倍総理の今回の発言が、責任を追わなければならないほどの内容であるかといえば、全くそんなことはありません。誰の目からみても、景気は回復しつつあります。これを否定する人は、よほど世事に疎いか、目か頭が極端に悪いかのいずれかだと思います。

頭の悪い人への処方箋 目の悪い人は病院に行ってください(笑)

これについては、以前このブログにも掲載しました。その記事のURLを以下に掲載します。
ディズニーの「肉」が3月からサラリと値上げしたのは本当か?調べてきた!―【私の論評】金融緩和しても何も変わらないと言っていた輩は、ディズニーランドの肉でもたらふく食って、脳みそをインフレ脳に転換してはいかが?



詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、身近なディズニーランド内のフードコーナーの肉類が値上げされていることをあげて、世の中は景気の良い方に向かっていることを指摘しました。

その内容を以下にあげると、

全産業(資本金1千万円以上、金融機関を除く)の経常利益は前年同期比11.6%増の18兆651億円。
  • 日銀が市場に供給しているお金の量を示す「マネタリーベース」は、2月末の時点で278兆円余りで、大規模な金融緩和を背景に7か月連続で過去最高を更新
  • 高卒就職内定率88.8%=バブル崩壊前水準まで回復
  • 緩和マネー 地方波及 地銀融資、6年ぶり高い伸び
これらは、すべて景気がよくなりつつことの、査証です。他にも、安倍総理が指摘してるように、6割の企業が賃上げしているという事実もありますし、最近の株価はかなりあがっています。いずれを見ても、民主党政権時代とは大違いです。この傾向は、現在でははっきりしてますが、昨年の暮にもみられていたものです。

ただし、4月からの増税の影響で悪化していた部分があったのも事実です。しかし、これら景気指標が良くなっていることが明確になった今になって、なぜ民主党が安倍総理の当時の発言を問題にするのか、全く理解できません。

これだけの事実がありながら、景気回復の実感を感じないという人は、相当頭の悪い人か、興味の範囲が自分を中心とした半径1メートルくらいしかない自己中心的人だと思います。


ブログ冒頭の記事で、"「NEWS23」(TBS系)がアベノミクスで景気回復の実感を得ているかについて「街の声」を集めたVTRを放送。5人中4人が「僕は全然恩恵受けていない」などど否定的なコメントを放映した。"としていますが、実際これでは昨年暮当時であっても、全く世相を反映していません。以下にその問題になった部分を含むnes23の番組の内容を掲載します。

問題となっている、インタービューは、17分46秒あたりからです。


NEWS23は、相当頭の悪い人か、興味の範囲が自分を中心とした半径1メートルくらいしかない人の意見を恣意的に選んで放映したとしか思えません。

このインタビューの後の安倍総理の説明も、ごくまともであり、当たり前のど真ん中を話しているだけです。

これは、偏向報道だといって差し支えないです。偏向報道が疑われるような、報道内容について、首相が懸念を表明するのはごく自然な反応です。

NEWS23としては、これが偏向報道でないと主張するのであれば、報道において、インタビューした人の選考基準など明らかにすべきものと思います。それを明らかにしないということは、自ら偏向報道をしていることを認めるようなものです。

この程度のことが問題になるということであれば、最早言論統制です。

さらに、この程度でマスコミが萎縮するというのなら、これも問題外というものです。それについては、以前もこのブログに掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
自民"牽制"による効果?テレビ朝日はひるんだのか!?―【私の論評】この程度の申し入れで、ひるんで萎縮するテレビ局は、普段から市民活動家などにひるんで偏向報道をしている!だから、視聴率が減る!もっとシャンとしろテレビ局(゚д゚)!
テレビ朝日
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、自民党がテレビ局会社に「要請」という名の牽制を行ったとたん、ひるんでしまったように見えるテレビ局が出ているのだ。そうして、そのテレビ局と番組名は、テレビ朝日「朝まで生テレビ!」です。

しかし、この程度でひるむようなマスコミにはかなり問題があるとして、私はこの記事で以下のような論を展開しました。
しかし、こういうテレビ局の実体を見ていると、普段から市民団体、左翼勢力、在日勢力、反日勢力、中国スパイ、財務省などからの、いろいろな圧力や、牽制などがあれば萎縮してまともな報道ができないようになっているのだと思います。 
そもそも、何のために報道するのかという理念がしっかりしていないのだと思います。だからこそ、わずかのこでもグラつくのだと思います。 
私は、議論するときには、反対派の人がいるべきと考えています。反対派がいれば、こちらの論点がより一層明確になるし、様々な観点からみることができ、見過ごされがちな、観点も明らかになるからです。全員一致ほど怖いものはありません。これが成り立つのは、全体主義のみです。 
それにしても、この程度のことで、萎縮するというのなら、そもそも民主的な行動などできないです。もうマスコミとしての存在価値はないと思います。だから、視聴率が下がるのだと思います。お前たちに、信念はないのかと言いたいです。 
「情けないぞ、テレビ局もっとシャンとしろ(゚д゚)!」と言いたいです。
まさに、TBSやテレビ朝日などに限らず、テレビ局のほとんどは、様々な圧力に負けて萎縮してしまって、まともな報道ができないのです。

上記の摩訶不思議、奇妙奇天烈な民主党の行動は、それを示す明らかな査証であると私は、認識しています。

テレビ局は、様々な圧力に負けることなく、まともな報道をしてほしいものです。そうでなければ、日本のテレビ局の崩壊は近いです。崩壊というと、いろいろ定義がありますが、私は今のままのテレビ局の存在は、今後有りずこのままであれば、いずれ近いうちテレビ局は、少なくとも現状のラジオ局並のメディアになると思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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テレビ局をはじめとする、マスコミがなぜ上記記事で指摘してたように、普段から市民団体、左翼勢力、在日勢力、反日勢力、中国スパイ、財務省などからの、いろいろな圧力や、牽制などがあれば萎縮してまともな報道ができないのか、その背景を詳しく知りたいかたのために、以下の二冊は最適の書籍です。


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