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2020年3月26日木曜日

国際的にも異常!財務省をサポートする「使えない学者」たち 震災でもコロナでも増税路線 マスコミも「アメ」与えられ…情けない日本の現状 ―【私の論評】異次元の積極財政と金融緩和を迅速に実行し、増税・コロナによるダブルパンチ不況をいち早く抜け出すべき(゚д゚)!

高橋洋一 日本の解き方


 新型コロナウイルスによる景気後退がいよいよ現実のものになってきた。欧米では外出禁止などの行動制限や規制が行われ、実体経済がどんどん縮小しており、2008年のリーマン・ショック級になりつつある。

 米国では、200兆円規模の経済対策が検討されようとしている。しかし、日本では消費回復の起爆剤になる消費減税を有力政治家が否定している。その背後には財務省がいるからだ。

 財務省には、実は多くのサポーターがいる。それらは、学者、マスコミと財界だ。

 一部の経済学者が、コロナ・ショック対策として経済政策を発表した。提言では、消費増税による悪影響がまったく言及されず、消費減税は完全に否定されていた。経済政策の提言としてはまったくお粗末だといわざるをえない。

 しかし、提言者の名前を見ると納得する。11年の東日本大震災後の復興増税から、昨年10月の消費増税まで、増税一本やりの人たちだったのだ。

 本来、大震災のような500年に1度の危機の際には超長期国債で対応し増税しないというのは基本中の基本だ。日本の復興増税のような悪手は、古今東西でほぼ見当たらない。

 今回のコロナ・ショックは、リーマン・ショック級のインパクトを経済に与える。各国の政策担当者は、そうした認識だろう。

 そうした学者たちを持ち上げ、財務省の宣伝記事をしばしば書くのが日本の大半のマスコミだ。日本の財政事情が悪くないのに財政再建の必要性をたれ流し、減税政策にも否定的だ。

 日本の場合、日刊新聞紙法により新聞社の株式には譲渡制限があるので、新聞社を中核としてマスコミグループが形成されるケースが多い。財務省はその新聞社に消費税の軽減税率という「アメ」を与えた。このため、新聞業界は消費減税に賛成と言いにくい事情があるのだろう。

 経済界も、消費増税の代わりに法人税の減税を主張する財務省を支持している。また、社会保障の充実のためには、社会保険料負担が不可避であるが、財務省は企業にも負担が及ぶ社会保険料ではなく、消費者に負担が及ぶ消費税を推してくれている。そこで財界も目先の利益のために、財務省支持になっているのだと思われる。

 このように、財務省は、学者、マスコミと財界の支持を得て緊縮財政を行っているので、政治家としても簡単には財務省に反対できない。

 マスコミと財界が自分の利益で行動するのはどこの世界でもある話だが、それにしても日本の学者の体たらくぶりは、国際的にみてもちょっと尋常ではない。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】異次元の積極財政と金融緩和を迅速に実行し、増税・コロナによるダブルパンチ不況をいち早く抜け出すべき(゚д゚)!

3月14日夕、安倍晋三首相は首相官邸で開いた記者会見で声を張り上げた

「現在はあくまで感染拡大の防止が最優先ですが、その後は日本経済を再び確かな成長軌道へ戻し、皆さんの活気あふれる笑顔を取り戻すため、一気呵成かせいにこれまでにない発想で思い切った措置を講じてまいります。その具体的な方策を政府・与党の総力を挙げて練り上げて参ります」

3月14日夕、安倍晋三首相は首相官邸で開いた記者会見で声を張り上げました。今の経済状況は極めて深刻です。会見から3日後の17日には日経平均株価(225種)の終値は1万7000円レベルでした。既に「危険水域」を突破しており、大胆な経済対策は待ったなしの状態です。

本来であれば新年度予算案の国会審議が続いている時に追加経済対策や補正予算の議論をするのはタブーだったかもしれません。野党側から「ならば本予算案を組み替えればいい」と横やりを入れられて予算案審議がストップする恐れがあるからです。しかし、今は、そんな悠長なことは言っていられない状況です。野党も審議を拒否すれば、自分たちに批判が集まることを知っているでしょう。

現段階で経済対策の柱として語られているのは、キャッシュレス決済時のポイント還元の延長・拡充や、子育て世帯などへの現金給付などがあります。ところが、これらはいずれも「想定の範囲内」の対策です。特に「ポイント還元」については、昨年10月に消費税率が10%に上がった際の景気冷え込み策と目されていたが、その期待を見事に裏切ったことは実証済みです。今は「異次元」の対応が求められているのです。

そこで浮上したのが消費税減税論でした。消費税は1989年に導入されて以来、約30年の間に3%、5%、8%、10%と税率が上がってきました。1度も下がっていません。

それは、財務省が消費税減税に絶対反対の立場を貫き、多くの自民党議員も財務省に同調するだけではなく、上の記事にもある通り、多くの経済学者やマスコミまでが同調しているからです。

財務省は、少子高齢化が進み社会保障費の増大が避けられない状態の中、安定的な税源である消費税は、税率を上げる議論をすることはあっても、下げる議論はあり得ないかのごとく、世論を操作し、実際世論はその方向に動きました。この議論に反対するのは、少数派という状況になっていました。

財務省にとっては、消費税は税率を上げる際、大変な政治的エネルギーを費やしてきました。1度下げると、再び上げるのは途方もない苦労がいる。それは回避したかったのでしょう。

破綻した山形県の老舗百貨店、大沼。コロナショックは構造不況業種の百貨店の淘汰も加速させる

しかし、それが許されたというか、なんとか財務省が抑えつけられたのは、コロナショック前のことです。それにしても、10%増税後の景気の落ち込みは酷く、内閣府が9日発表した2019年10~12月期の国内総生産(GDP)改定値は、物価変動を除いた実質で前期比1.8%減、年率換算では7.1%減でした。

昨年10月の消費税の10%増税に対処するため、ポイント還元制度などを導入したのですが、これらは全く何の役にもたたかなかったことが実証されたのです。

それに、今回のコロナウイルスによる打撃は、リーマンショック以上といわれるのですから、消費税減税もタブーとせずに議論すべきなのです。

そうして、無論そのような動きは自民党の中でも起こりました。自民党の安藤裕衆院議員ら若手有志は11日、西村康稔経済再生担当相と面会し「消費税は当分の間軽減税率を0%とし、全品目に適用する」よう提案しました。形式的には軽減税率の拡大だが、実質的には「消費税を0%にする」という意味になります。

「消費税0%」は、昨年の参院選、れいわ新選組の山本太郎代表が主張したことで知られています。当時は他の野党でも荒唐無稽と受け止められたものです。しかし新型コロナ問題が起きてからはにわかに現実味を帯びてきました。

安藤氏ら以外にも、自民党若手・中堅を中心に消費税率の一時引き下げ論が高まっていました。

安倍総理は14日の会見で消費税減税について問われ「自民党の若手有志の皆さまからも、この際、消費税について思い切った対策を採るべきだという提言もいただいている。今回(昨年10月)の消費税引き上げは全世代型社会保障制度へと展開するための必要な措置ではあったが、今、経済への影響が相当ある。こうした提言も踏まえながら、十分な政策を間髪を入れずに講じていきたい」と発言。わざわざ若手の提言を口にして思わせぶりなことを語りました。

安倍総理はもともと財務省の「増税史観」に懐疑的で、消費税率アップを先送る決断も二度経験済みです。自民党内では消費税増税には最も慎重な考えの1人ともいえます。もし、昨年の今ごろ「新型コロナ」がまん延していたら、昨年10月の「消費税10%」は先送りしていたかもしれません。であれば、時限的に8%に戻す選択をしてもおかしくないです。

ところが、麻生太郎財務相は19日の閣議後記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う景気対策として浮上する消費税減税論について「現段階で消費税を考えているわけではない」と述べました。国民に現金を配る「現金給付」についても「今の段階で検討しているわけではない」と否定的な考えを示しました。

麻生財務大臣 19日日閣僚会議記者会見で

3月前半に大型経済対策の検討が伝わると、真っ先に動いたのは財務省でした。消費喚起策として、消費税率を5%程度に引き下げるべきとの主張が与野党の一部から出始めたため、その火消しに回ったのです。

消費税率引き下げについては、自民党の岸田文雄政調会長らも慎重な姿勢です。財務省の火消し作業は官邸や与党内で一定の成果を上げており、消費減税の可能性はかなり低くなってしまいました。

ただ、安倍首相は経済対策の考え方として「前例にとらわれた対応では、前例なき危機に対応できない」という言葉を繰り返しており、それが財務省との駆け引き材料として使われているようです。安倍首相は消費減税の可能性は排除していません。

そこで、消費減税に代わる経済対策案の目玉として浮上したのが、財務省自身も否定しない現金給付案です。目下の議論では、リーマンショック後の2009年4月の経済対策で配った1人当たり1.2万円(子どもと高齢者は2万円)を大幅に上回るのは確実です。最大で国民1人当たり10万円とする案が出ています。

しかし、これは明らかに財務省の政治的越権行為です。いつの間にか、消費減税と給付金が財務省の中でいずれをとるかの選択肢となっています。

これに沿った論評をする経済学者もでてきました。たとえば、Yahooニュースにもでていた、以下の記事です。
新型コロナショックに対しては、生活下支えが目的なら給付金、景気浮揚なら消費税減税が望ましい
詳細は、この記事を読んでいただくものとして、この記事で著者は、経済対策の選択肢とそのシミレーションをあげ、以下のような結論を述べています。
このように、消費税減税が得になるか、給付金の支給が得になるかは、その人が置かれた所得水準やライフステージに依存することが分かります。つまり、誰もが納得する所得支持策はないのです。 
強いて言えば、低所得層や子育て世帯の生活底上げを目指すのであれば給付金の支給が望ましく、景気の底上げを目指すのであれば高所得階層に有利な消費税減税が望ましい、ということになるでしょうか。 
蛇足ながら付け加えれば、金持ちに給付金を渡すぐらいなら消費税減税の方が望ましいという意見も一部に見られますが、実際には消費税減税の方がお金持ち有利な政策であるということが明らかになります。
現状は、コロナによる経済の大停滞と未曾有の危機であり、かつ、消費税増税で景気が低迷しているわけですから、低所得層や子育て世帯の生活底上げを目指す給付金の支給と景気の底上げを目指す、消費税減税の両方を目指すべきなのです。

財源は、国債を大量に発行すれば良いだけです。これは、以前もこのブログに掲載したように、現状の日本では将来世代のつけにはなりません。それについては、以前のブログに掲載したことがあります。
政府、赤字国債3年ぶり増発へ 10兆補正求める与党も容認見込み―【私の論評】マイナス金利の現時点で、赤字国債発行をためらうな!発行しまくって100兆円基金を創設せよ(゚д゚)!

詳細は、このブログをご覧いただくものとして、この記事では、「国債は将来世代のつけにはならない」というラーナーの議論を掲載しました。

さらに、この記事ではマイナス金利の国債を大量に発行すれば、政府は国債で利益が得られることも掲載しました。

現状では、国債を大量に発行しても何の問題もないので、大量に発行し100兆円基金を創設べきことを掲載しました。この状況は現在もあまり変わってません。とにかく、現状はためらうことなく、国債を大量に発行し、異次元の積極財政を行うときなのです。

それと、先日もこのブログで述べたことですが、我が国のような変動相場制の国において、財政政策の効果は非常に低くなるので、金融緩和を同時に行う必要がります。

とにかく、現状では、減税・給付金による異次元の積極財政と異次元の金融緩和が必要であり、これらを迅速に実行して、いちはやく増税とコロナウイルスによるダブルパンチの不況をいち早く抜け出すべきなのです。

財務省の省益などに、かかずらわっている場合ではないのです。米国のように、挙党一致で、真に効果のある経済対策を打つときなのです。

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2018年6月1日金曜日

時間のムダだった「愛媛県文書」騒動 確認取らず公表する醜態、ダブスタ目立つ「反アベ」の人―【私の論評】財務省の増税路線を批判しない不思議な野党とマスコミ(゚д゚)!

時間のムダだった「愛媛県文書」騒動 確認取らず公表する醜態、ダブスタ目立つ「反アベ」の人

「愛媛県文書」の存在を知らせる朝日新聞の紙面

 先日の本コラムで、加計学園をめぐり、安倍晋三首相と加計孝太郎理事長が面談したなどと記述された「愛媛県文書」を取り上げた。その際、1年前の「文部科学省文書」とそっくりな構図であることを説明し、最後に、万一事実でなかった場合、メモの提出者と、それを裏取りなしで報道した多くのマスコミの責任は大きいと断じた。

 どうやら、愛媛県文書は事実が書かれていなかったようだ。当事者の加計学園が「誤った情報を与えた」とのコメントを公表したのだ。

 筆者の懸念したとおり、愛媛県文書は書かれている人の確認も取っておらず、証拠能力のある公文書にもならないメモだった。伝聞に伝聞を重ねたようなものだったのだ。文書に書かれている人の確認を取らず、公文書にもならないというのは文科省文書と同じである。

 確認が取れていない文書をそのまま公表したり、マスコミが報じたり、さらには国会で問題視したりすることにどこまで意味があるのだろうか。

 公文書ではないメモを公表するにせよ、書かれている人の迷惑になってはいけないので、その人に事前に確認を取るのが一般常識だろう。

 愛媛県文書も文科省文書もそうした当然の確認行為がないまま公表しており、何らかの意図を持ったものであるといわざるを得ない。その確認をしておけばこのような醜態をさらすこともなかっただろうに。

 そうした文書を報道するためには、裏を取る必要があるだろう。愛媛県文書も文科省文書もともに裏を取るのはそれほど難しいことではないと思われるが、マスコミはそうした当然のことを怠り、あたかも事実のように報道したこともおかしい。

 これを取り上げる国会議員も、国家戦略特区が認可の「申請」を認めただけなのに、認可をしたと間違った理解をしているので嘆かわしい。筆者は以前のコラムでNHKのウェブサイトの記述の間違いを指摘したが、報道は相変わらずである。

 文科省による認可作業は、昨年の4~10月に行われている。3年前に愛媛県と加計学園の間で行われた話が、昨年行われた認可作業にどのような影響があったというのだろうか。

 このように今回の愛媛県文書と1年前の文科省文書にはともに多少「盛って書いた」ところなど共通点が多い。しかし、文科省文書の時には、「首相の意向」と盛って書いた文科省官僚は一切非難されていないが、今回の愛媛県文書の場合、誤った情報を出した加計学園関係者が批判されるのは、ダブルスタンダードだ。

 筆者は、こうしたメモは往々にして伝聞が多く、盛った話ばかりなのでそれを信じないが、首相を追及する手がかりを失ったと残念がる人ほど、こうした「ダブスタ」が多いようだ。

 重ねて言うが、特区で行ったのは単に「認可の申請」だけで、「認可」そのものではない。首相を追及したいなら、この点をきっちりと勉強する必要がある。特区関係の新文書が出てきたと騒いでマスコミが報道し、国会で取り上げるのは時間の無駄でしかない。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】財務省の増税路線を批判しない不思議な野党とマスコミ(゚д゚)!



昨日は、国会で嘘の答弁をしたとして市民から刑事告発されていた佐川氏らが大阪地検により不起訴となりました。この1年間、マスコミ・野党は必死で追及しましたが、この結果でした。

マスコミと野党の財務省の文書書き換え追求の目的は麻生太郎財務大臣の辞任でだったと思います。麻生大臣が辞任すれば、安倍政権の屋台骨が大きくゆらぎ、秋の総裁選での安倍三選に赤信号がともると、反安倍陣営は思っていたのでしょう。

29日の国会で麻生大臣は、森友学園をめぐる文書改ざん問題について「改ざんとか、悪質なものではない」との発言に関しての、野党やマスコミの追求もこの麻生下しが主目的でした。

麻生大臣の言葉尻をとらえた、テレビ報道

麻生大臣は「書き換えられた文書の内容を見る限り、少なくともバツをマルにしたとか、白を黒にしたとか、改ざんとかそういった悪質なものではないのではないか。いわゆる答弁に合わせて書き換えたということが全体の流れである」と発言しました。

文書書き換えでも文書改ざんでも、財務省のしたことは国民の信頼を失墜させたことで重大なことには違いありません。しかし、これが麻生大臣の責任かといえば、さすがにそれは違います。

文書の書き換えは麻生大臣の認識できない範疇行われました。あのようなことで、大臣が辞任するということになれば、官僚は大臣をいつでも辞任させることができることになってしまいます。

そうなれば、安倍政権であろうと、安倍首相以外の自民党政権であろうと、他の政党の政権であろうと、文書を書き換えれば官僚はすぐに大臣を辞任させることができます。そんな馬鹿な話はないでしょう。

しかし、マスコミは、麻生大臣が「改ざん、悪質なものではない」「悪質なものではない」と題して、その言葉尻をとらえて報道しています。さらに、野党がこの言葉尻をとらえて、麻生大臣に辞任を迫るという発言も紹介しています。

彼らの報道ぶり、からはマスコミが麻生大臣の言葉尻をとらえていますぐにでもやめさせたいという意図がはっきりとみえます。もちろん野党がそうするのはある程度は、政治的に理解できるところがありますが、マスコミの報道姿勢としてはどうなのでしょうか。 

ところで野党もマスコミも麻生大臣辞任の世論形成にだけ集中しているようで、国民や政治家などの真の敵である財務省については生ぬるい批判しかしていません。さすがに最近の財務省自体は大人しくみえはしますが財政再建や社会保障の拡充という理由で消費増税路線は健在です。

経済財政諮問会議は「骨太の方針」の中に消費増税を明記し、さらに財政再建の期限や目標値を設定しています。昨年の「骨太の方針」では「増税」の文字はありませんでした。

昨年の「骨太の方針」の表紙、中身に「増税」という文字はなかった

昨年なかった「増税」の文字が、今年の「骨太の方針」には現れたということは、野党やマスコミ、識者などの財務省批判などとは全く別に、増税に関しては本来あってはならない財務省の政治的な力は昨年よりもさらに強力になっていることを意味します。

またマスコミも財務省発と思われる消費増税対策を報道したり、または「識者」の中でも消費増税の影響を論じる人が最近目立って増えてきています。

どれも「(消費税の悪影響に)万全の構え」という表現を用いて景気対策の有効性を強調したり、あるいは消費増税の影響自体を過少にみるものが多いです。財務省は見かけは大人しくしていても、その他の増税マスコミや増税政治家、そして増税識者たちが代わりに消費増税を宣伝し、それを着実に具体化していこうとしています。

その増税への熱意は未だに全く衰えていないようです。文書書き換え問題がどうなろうと、国有地売却の疑惑があつたにしても、財務省そのものは何も変わらず、あいかわらず増税路線をひた走りに走っているのです。

消費税増税を前提とした日本経済新聞の記事

増税を推進する、マスコミ、政治家、官僚、識者は消費増税の万全の対策だとか、日本経済への影響は軽微であるとか、2013年から14年にかけて言っていたのと同じような屁理屈で、増税を正当化しています。

しかし、現実は彼らの主張とはまったく異なり、日本経済は大きなダメージを負いました。金融緩和策で雇用は良くなったものの、増税の悪影響が未だ続いており、GDPの伸び率では未だお隣の韓国よりも低い状況です。現状でも、まだ完璧にデフレから回復したとは言い難い状況にあります。これを喜んだのは消費税率を上げることに成功した財務省と増税陣営だけでしょう。もちろん増税陣営の中には野党勢力の多くも存在します。

本当は、麻生大臣の言葉尻りをとらえることよりも、はるかに重大なのはこの財務省の消費増税路線とその弊害です。この問題にこそ日本の将来がかかっています。この問題を追求する野党やマスコミが存在しないというのが、本当に残念です。

もう一度増税すれば、日本経済はとんでもないことになるのは明らかです。また、デフレに戻るのは必定です。そうなれば、円高にもなり、また日本の産業の空洞化がはじまり、若者は、就活に苦しむようになります。やはり、財務省は分割して、他省庁の下部組織につけるという方式で完璧に解体するしかないのかもしれません。

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2014年7月25日金曜日

高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ 増税路線を遮二無二進める財務省 ついに「消費税10%超」が動き出した―【私の論評】このままでは、いずれ財務省は解体される、組織として本当は何をどうすれば良いのかよく考えて立ち直っていただきたい(゚д゚)!

高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ 増税路線を遮二無二進める財務省 ついに「消費税10%超」が動き出した

高橋洋一氏
   先日ツイッターで、「Z省の暗黒史は小泉時代。増税はストップで、特殊法人民営化で天下り先はなくなるから、踏んだり蹴られたり。民営化は株式売却収入だけではなく、補助金機関が納税法人に転化するので、財政収支好転で増税勢力には不都合。民営化反対勢力と増税勢力に親和性があるのは意外と知られていない」と書いた。

   もちろん、Z省は財務省のことで、いろいろなコメントが来た。

小泉政権時代と「増税なしで財政再建」
   その中で、面白かったのは、私の見立てとは逆に、「マスコミでは、小泉首相が財務省の『後ろ盾』として予算を削減して、小泉政権時代は財務省にとっては財政改革が進んだ『よき時代』と思っている」というものだった。

  しかし、 この「増税なしで財政再建」という事実は、財務省にとって不都合だ。多くのマスコミはこの事実を忘れ、財政再建のためには増税やむなしというが、それを根底から覆す話だ。また、小泉政権時代、筆者は特殊法人民営化とともに特別会計の埋蔵金発掘もやらせてもらい、大いに財政改革をやりながら「増税なし」に貢献したはずだが、財務省の諸先輩からは「それを行ったから財務省を裏切ったと言われるのだ」と再三にわたって注意を受けた。

「財務省が財政改革をするはず」?
   マスコミ諸氏のいうように、財務省にとって小泉時代が「よき時代」なら、当時の政府資産売却反対、埋蔵金取崩反対は何だったのだろうか。マスコミは、財務省が財政改革をするはず、というか財務省にそうしたレクを受けて信じ込んでいるにすぎない。
 
   現在財務省は増税路線を遮二無二進めている。政権運営に不慣れな民主党時代に消費税増税法案を成立させ、安倍政権で8%への増税をまず実現させ、さらに10%への再増税(2015年10月)について、今年(14年)12月には、最終判断が予定されている。さらに、次の10%超への消費税増税に向けて動き出したらしいという噂がある。そこでは、経済成長、資産売却や埋蔵金の話などは、再増税、再々増税に不都合なので一切出ない。ひょっとしたら、消費税増税後の今の景気の落ち込みさえ、再増税の口実にするのかもしれない、という予感さえする。

   今と小泉時代のどちらを財務省がいいと考えているのか、答えは明らかだろう。

上記は、要約記事です。この記事の詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】このままでは、いずれ財務省は解体される、組織として本当は何をどうすれば良いのかよく考えて立ち直っていただきたい(゚д゚)!

デフレの最中に消費税増税をすると、消費がさらに冷え込み、税収の源泉である国民所得が減り、課税対象そのもが大幅に減ることが予想されます。消費税増税によって、消費税による税収は増えますが、国民所得を源泉とする所得税・法人税などが大幅に減少し、結局それが消費税増加分より上回り、全体として税収が減るおそれが十分にあります。

もしそうなれば、税収そのものが減ってしまうわけで、そうなれば、財政再建などできなくなるおそれが十分にあります。昨年辺りでは、イギリス、イタリア、スペイン、ポルトガルなどのEU諸国が、財政再建を目指すという目的で、日本でいうところの消費税増税をしましたが、これらの国々すべてにおいて、税収総額が減り、増税は、結局財政再建にはマイナスの効果しかありませんでした。

日本においても、過去の2回の消費税増税のときは、結局消費の冷え込みにより、国民所得が小さくなり、所得税収などが減少し、それが消費税増税分を上回り、全体の税収ではマイナスになりました。

ただし、前二回の増税時には、日本はまだデフレではなく、賃金が下がっている状況ではなく、わずかながらも上昇している最中での増税でした。今年5月には、消費などの景気指標が一気にかなり悪化しています。

日銀は小泉内閣の時期にだけ例外的に、金融緩和をシましが、その後第一次安倍内閣になってから、金融引締めに転じましたが、それでも、日本はまだデフレではありませんでした。

しかし、今回は日銀は金融緩和をしているものの、まだ日本はデフレから脱却しきっていない時期の増税ですから、今回の消費税増税はかなり大きな悪影響を及ぼすことは明らかてす。

もともと、デフレ期の消費税増税は、財政再建には役立ちません。逆の効果を及ぼします。そうして、増税などとは全く関係なく、財政再建の方法はあります。それに関しては、私が解説するより、これも、高橋洋一氏が解説したいた記事がありましたので、そのURLと一部を以下に掲載します。
消費税増税せずとも財政再建はできる――嘉悦大学教授 高橋洋一
増税なしの財政再建策は、アベノミクスによるデフレ脱却すなわち名目GDP成長率アップと、歳入庁創設や消費税のインボイス制度導入による不公平是正かつ増収策である。
これによって財政再建が可能なのは、一部を行った小泉政権でさえ財政再建の実績があることから明らかだろうが、これまでの連載コラムに書いたものからも数量的に確認できる。5月30日付け連載コラム『経済財政諮問会議が放ったとんでもない“矢” 「財政健全化を第4の矢に」は正しいか』では、アベノミクスの数量分析をしている。同コラムのグラフ3から、今のアベノミクスの金融緩和によって2年後は名目GDP成長率は4%程度超になる。となると、同コラムのグラフ2から、その時の基礎的財政収支対名目GDP比は悪くても▲1.2%程度である。
そこで、歳入庁創設で10兆円(名目GDP比2%)や消費税インボイスで3兆円(名目GDP比0.6%)の増収があることを考えると、基礎的財政収支対名目GDP比は、▲1.2+2.6=1.4%以上もプラスになる。これで財政再建は終了だ。
社会保障費が毎年1兆円増えて大変という話も基礎的財政収支の中に含まれている。債務残高がGDPの2倍になっていて大変という話も、5月30日付けラムで数式で説明しているように、基礎的財政収支対名目GDP比がプラスになれば何の心配もいらない。
歳入庁創設や消費税インボイスは、公平な社会保障政策を実施したり、公正な税執行を行うために必要な社会インフラだ。これらはどのような社会保障政策、税制をとるにしても必須なので、これらは増税派でも否定できないものだ。それらをやらずに、消費税増税をするのでは、官僚の歳出権を増やすだけで、経済成長にも財政再建にもつながらない。
 私は、実はこの記事のタイトルには賛成しかねます。この記事のタイトルは、「消費税増税せずとも財政再建できる」とありますが、これでは、あたかも消費税増税をすれば、財政再建ができるが、消費税増税しなくても、財政再建ができる方法があるという意味に受け取れます。

高橋洋一しも、無論そんなことはなく、増税すれば、財政再建はますます困難になることを知って折られると思います。

であれば、上の記事のタイトルは本来、「消費税増税をすれば、ますます財政再建は遠のく、本来の財政再建のあり方」などというようなタイトルにすべきだったと思います。

私は、皆さんが、この記事を読む際には、本来は、私が提案したタイトルのほうが、相応しいということを念頭に置いて読んでいただけたら幸いです。

仮に、来年から10%増税をした場合、今年の5月でも経済指標がかなり、落ち込んでいるので今年も経済が悪化することが十分予想できるのですが、来年になるとさらに悪化することが懸念されます。懸念というより、経済の落ち込みは確定したようなものです。

そうなると、デフレはさらに深化して、昨年あたりの景気の良さなど帳消しになると思います。そうなると、また財務省は15%増税を打ち出すことでしょう。

15%にすれば、景気はまた落ち込み、税収が減り、今度は20%増税を打ち出すことになります。

これでは、きりがありません。50%増税にしても、ますます景気は冷え込むばかりです。

しかし、そうなると、国民も馬鹿ではないので、政府や財務省に対して批判的になります。その時に、昔の大蔵省解体のようなことがおこるかもしれません。これは、単なる空想にも過ぎないようにもみえますが、このまま増税を幾度なく繰り返すとなれば、そうなります。

財務省としては、大蔵省が解体されたように、財務省も解体されることを望んでいるのでしょうか。国民の憤怒のマグマが財務省や政府に向けられ大変なことになっても良いのでしょうか。

そんなはずはないと思います。財務省は、常識的な道を歩むべぎてす。それはどういう道かといえば、公共工事の供給制約がある現在においては、公共工事が経済に及ぼす影響も少ないため、所得税減税、給付金政策、それも再配分的にこれらを行うことです。

これで、直近の貧困問題など緩和しつつ、日銀には金融緩和政策を継続してもらい、こんごなるべくデフレから一刻も早く脱却して、マイルドなインフレになるようにします。

そのままにしておけば、いずれ、インフレが亢進するようになります。インフレが亢進したときには、財務省は、増税を実施して、過度のインフレを是正すれば良いのです。

そうすれば、まともな政策を実施している財務官僚の評価も高まり、財務省も国民から感謝され、官庁のなかの官庁として、君臨することができるようになります。こうなれば、国民も財務省を信頼し、官庁の中で君臨しても、当然のこととして受け止めるようになると思います。

今のままでは、過去の大蔵省がそうであったように、財務省もこのまま増税路線に突っ走れば、いずれとんでもない破局の憂き目に合うと思います。もし、そうなったら、財務省など5つくらいに分割され、分割された部署などは、官庁の中でも、小さく非力な存在となり、他省の後塵を拝する、あまり重要でない役所に成り下がると思います。

財務省解体論
以前は『大蔵省解体論』という書籍があったが、実際に解体
されたため、現在てはこのような書籍が販売されている

エリートが行くところではなく、一応お役人という立場に甘んずるしかなくなる可能性も大です。現在の財務省のトップクラスにある人々はそれでも良い天下り先に行ける可能性があるので、良いかもしれませんが、もっと若い層の人々かそうした憂き目にあうかもしれません。

財務省の有能な若手官僚の方々、それで良いのですか?大蔵省がなぜ解体されたか、今一度思い起こすべきです。

私はそんなことは、国民にとっても、財務省にとっても良いことでは無いと思います。

財務省、組織として、本当は何をどうすれば良いのかよく考えて立ち直っていただきたいものと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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