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2019年5月26日日曜日

「国の借金」だけを報告し続ける、財務省のおかしな体質―【私の問題】財務省に騙されず、会計も理解できる人材が、令和日本では重宝される(゚д゚)!

「国の借金」だけを報告し続ける、財務省のおかしな体質

もともとは国民のお金ですが…



過去最大の「国の借金」…

財務省は、国債と借入金などを含めた、いわゆる「国の借金」を3ヵ月ごとに発表している。これが2019年3月末時点で1103兆3543億円となり、過去最大を更新したと5月10日に発表した。

      財務省は国借金(正確には政府の借金)については公表するが
      同時に政府の資産も増えていることは一切公表しない

NHKなどのテレビ、日経などの新聞は律儀にこの「国の借金」報道をし続けている。先の額を国民一人当たりで割ると、およそ874万円になる、という定番の「脅し」も付け加えられることがほとんどだ。

「財政再建が必要」という財務省の言葉とセットで、さすがに国民は耳にタコだろう。本コラムで度々触れているとおり、「国の借金」だけをニュースで取り上げるのは間違っていると筆者は考えている。

このニュースに対し、「『国の借金』ではなく、『政府の借金』で、国民にとっては逆に『資産』だ」と反論する向きもある。もっともらしい言い方のように見えるが、実はあまり意味をなさないロジックだ。

たしかに国債は国民にとって「資産」であるが、所有している一般人はほんのわずかなものだ。財務省の資料によると、'18年12月末の国債等の保有者別内訳は、日本銀行43%、銀行等16・7%、生損保等18・8%、海外12・1%となっていて、家計はわずか1・2%である。それも銀行や生命保険会社を通じて間接的に保有しているから、自分の資産だと実感している人は少ないだろう。

さらに、「政府の借金」という考え方で政府を叩いても、むしろ政府がカネを借りている側なのだから意味をなさない。「増税に応じないなら借金(国債)を返さない」と開き直られたらおしまいだ。「借金は借りた側が偉い」というのがビジネスでの常識だが、国債においてもまさしくそのとおりだ。

財務省が「公表しない」こと

政府に限らず、財務状況をしっかりと理解するためには、資産と負債を包括的に示したバランスシートをきちんと見ることが第一だ。むろん、サラリーマンでも自分の会社のバランスシートすら読んだことないという人も多いだろう。

財務省はこうした弱みに付け込んで、バランスシートでいえば負債の数字だけを年4回も公表し、財政再建の必要性を煽り続けるのである。簡単に言えば、「国の借金」だけでなく、「国の資産」も公表し、その両方が報じられるべきなのだ。

財務省がこのデータを公表していないのはおかしい。

上場企業であれば、四半期報告について、毎四半期末日から45日以内の提出が義務付けられている。民間は縛り付けておいて、政府は公表しないというのでは道理が立たない。

さらにいえば、民間企業はグループ会社全体の決算も行う。政府も同じように、国全体の資産と負債をつまびらかにした「グループ決算」を是非行うべきなのだ。もちろん、マスコミがそれを適切に解釈して国民に知らせ、会計に関するリテラシーを高めていくことが必要なのだが。

負債は増えているが、資産も増えていて、それが政府や財務省の利権となる、というのが不都合な真実だ。先の消費増税がまかり通ろうとするのも、財務省が「知らしむべからず」の姿勢で国民に事実を伝えていないことが大きな問題なのである。

『週刊現代』2019年6月1日号より

【私の論評】財務省に騙されず、会計も理解できる人材が、令和日本では重宝される(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事で「政府に限らず、財務状況をしっかりと理解するためには、資産と負債を包括的に示したバランスシートをきちんと見ることが第一だ」とあります。

企業、特に上場企業には、バランスシートは無論こと、他の財務諸表も作成して公開義務があります。

私自身も、元々は理工系出身で、財務諸表からは縁遠かったのですが、自らが所属していた会社が上場の準備をはじめ、しかも自分が上場準備に関わることになり、そこで財務諸表の分析の仕方や、作成の仕方(会計)を初めて勉強しはじめました。

そうして、わかったことですが、企業の財務諸表を分析することができなけれれば、企業の内容を本当に把握することはできないということでした。いくら現場で努力したとしても、顧客のことをよく知っていたにしても、まずは財務諸表を分析できなければ、とても経営者(ただしまともな経営者)の考えなどわかりませんし、企業の本当の姿を知ることはできません。

財務諸表には、貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書、株主資本等変動計算書の主に4種類があります。

会社の財務状況を理解する上で、財務諸表のつながりは非常に大切です。今回は財務諸表のつながりについて、説明します。

財務諸表には大きく2種類ある

財務諸表には、主に二種類あり、フローの財務諸表としては、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書、株主資本等変動計算書があります。

ストックとは、一定時点の状況を示すものです。貸借対照表のみがストックに関する財務諸表で、その他の3つはすべてフローの財務諸表ということです。

貸借対照表を中心として考える

現在は財務諸表が4つありますが、最も重視されるのが貸借対照表です。現在どれだけの財産があり,どれだけ借金があるのかということが企業分析のスタート地点になるからです。

それでは具体的に貸借対照表をみてみましょう、細かいところまで、掲載すると、非常に煩雑になりますので、ざっくりと模式的なものにします。現実の貸借対照表ではさらに細かく、様々な勘定科目があるのはいうまでもありません。


貸借対照表から現在の企業の情報がわかります。

さらに前期の貸借対照表も用意し2年分を並べてみます。

こうすると情報量が増えます。「1年間で現金が30増えた」というように増減までわかりますので、企業分析にさらに役立てることができます。


他の財務諸表は貸借対照表を補完している

ストックの財務諸表である貸借対照表(英語で、バランスシート)だけでもフローの額はわかります。ではフローの財務諸表は不必要なのでしょうか。無論、そのようなことはありません。

なぜなら貸借対照表のフローには限界があるからです。それは「現金がどういう活動で増えたのか?」というように増減理由がわからないということです。(上記の貸借対照表を見ても、何で現金が増えたかはわからないです。)

そこで、他の財務諸表の出番です。

損益計算書などフローの財務諸表はフローの理由を示すという役割があるのです。

損益計算書は利益剰余金の増減理由を、キャッシュ・フロー計算書は現金の増減理由を,そして、株主資本等変動計算書は純資産の増減理由を示しているのです。

これらをまとめると以下のようになります。


どうでしょうか?

4つの財務諸表は、貸借対照表が中心でそれ以外の財務諸表はその情報を補完していると捉えることができるのです。

いずれにしても、財務諸表の中でも、貸借対照表が最も重要であることをご理解いただけたと思います。

ここで、また政府の財務の話に戻しますが、政府の貸借対照表などとは無関係に、財務省は政府の借金ばかり、報告し続けているのが、財務省のおかしな本質というのが、上の記事の要旨です。

冒頭の記事では、「さらにいえば、民間企業はグループ会社全体の決算も行う。政府も同じように、国全体の資産と負債をつまびらかにした「グループ決算」を是非行うべきなのだ」としています。

それは当然のことです。そうでないと、負債が小会社に財務的に隠蔽されたりして、企業グループの正しい姿を見ることはできなくなります。

政府の場合も、本当は日銀等も含めた、政府全体の財務諸表を作成し、公表し説明すべきです。無論、財務省もバランスシートは作成しているのですが、日銀等を含めたもの(これを統合政府という)は作成しておらず、その上内容が良く説明されていないか、著しく作為的であり、結局のところ財政赤字を煽るようなものになっています。

財務省は政府の貸借対照表を公表しているのだが・・・・・・

これは、本当におかしいです。会社の状況を知るためには、負債だけではなく、資産もみるのが当然です。

もし、会社の取締役会で、毎年負債ばかり言い続け、危機感を煽るだけの取締役がいたとしたら、それはとても会社にの正しい財務状況を表明しているとはいえず、そのような取締役は辞任させられると思います。

これは、政府の財政状況をみる最も同じことです。財務省は、この面で説明責任を果たす必要があります。

それと、我々国民のほうも、財務諸表等を理解して、財務省の詭弁を暴けるようにすべきです。そうでないと、自分の会社の状況もわからず、果は財務省の詭弁も見抜けず、財務省のいいなりの誤った財政政策で、日本経済が悪化して、ある日気づいてみたら、会社をリストラされていたとか、そこまでいかなくても、何十年たっても給料が上がらないなどという事態に直面しかないです。

私自身は、先程の述べたように、理工系出身だったので、高校のときは無論のこと、大学でも財務諸表について学ぶ機会は全くありませんでした。

おそらく、商業高校(簿記を学ぶ)とか、経済学部(まったく会計に触れないところもある)とか商学部などにでもいかなければ、そのような機会に恵まれることはないのだと思います。

子供の頃にお小遣い帳をつけるように言われた人もいると思います。現金の出入りを記録するのですが、多くの役所の会計もそういう感じです。

企業の会計では、「発生主義」といってその事実が発生したときに記録します。例えば、ある時に掛け売りをしたら売掛金を計上し、回収したときに現金に振り替える、というようにします。

ところが役所ではお小遣い帳ですから、現金のやりとりがなければ記録されません。しかし、道路整備など作業と支払いに間があるようなことでは管理が難しいので、他の管理項目も使われます。

このようなことでは、本当の意味でお金の流れを把握することはできないです。財務省も日々の会計はこのようなことをしているようです。

財務省自体も、会計にはうといのではないでしょうか。こういうことを見抜くためにも、会計は必須だと思います。

現状では、会計を良く理解してない大手の経営者もいるようで、彼らは財務省の発表をそのまま鵜呑みにして、財務省よりの発言をしているようです。彼らは、財務省と顧客を両天秤にかけているのでしょうか。その上で、財務省のスポークスマンをしているのなら、良いですが、そうでなければ、経営者失格です。

どう考えてみても、普通は財務省と顧客を天秤にかければ、顧客のほうが数段上のはずです。顧客に離反されれば、企業はなりたちません。財務省は、自分が都合が悪くなれば、企業を守り通すようなことはしません。

両者を正しく両天秤にかけるためには、会計的な能力は必須だと思います。そのような見方ができない経営者はこれからどんどん排除されていくと思います。排除しないような企業は、社会から見捨てられ、淘汰されることになるでしょう。

このような状況をみていると、会計を本当に理解した上で、オペレーションや運営に関わることができれば、そのような人物は企業にとって希少価値が大きくなると考えられます。

会計だけが専門だと、カネの流れだけを重視するようになりがちだと思います。そうなると、企業経営や、日々のオペレーションに支障がでかねません。無論、会計を専門としても柔軟な考え方ができる人は別であるとは思います。

いくら、AIが自動的に会社の財務諸表を作成するようになったとしても、あるいはそれに基づき、改善点を示唆するようになったとしても、それを読み解き、会社運営や日々のオペレーションを改善・改革するのは人間です。財務諸表もそれだけでは、ただのデータに過ぎません。

しかし、我が国には、そのような人材は稀なようです。

これからは、財務省に騙されず(会計が専門でも、財務省の詭弁に騙される人もいる)、自分の専門分野だけではなく、会計も理解できる人材が、これから日本では重宝されるようになるでしょう。

【関連記事】

2014年7月25日金曜日

高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ 増税路線を遮二無二進める財務省 ついに「消費税10%超」が動き出した―【私の論評】このままでは、いずれ財務省は解体される、組織として本当は何をどうすれば良いのかよく考えて立ち直っていただきたい(゚д゚)!

高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ 増税路線を遮二無二進める財務省 ついに「消費税10%超」が動き出した

高橋洋一氏
   先日ツイッターで、「Z省の暗黒史は小泉時代。増税はストップで、特殊法人民営化で天下り先はなくなるから、踏んだり蹴られたり。民営化は株式売却収入だけではなく、補助金機関が納税法人に転化するので、財政収支好転で増税勢力には不都合。民営化反対勢力と増税勢力に親和性があるのは意外と知られていない」と書いた。

   もちろん、Z省は財務省のことで、いろいろなコメントが来た。

小泉政権時代と「増税なしで財政再建」
   その中で、面白かったのは、私の見立てとは逆に、「マスコミでは、小泉首相が財務省の『後ろ盾』として予算を削減して、小泉政権時代は財務省にとっては財政改革が進んだ『よき時代』と思っている」というものだった。

  しかし、 この「増税なしで財政再建」という事実は、財務省にとって不都合だ。多くのマスコミはこの事実を忘れ、財政再建のためには増税やむなしというが、それを根底から覆す話だ。また、小泉政権時代、筆者は特殊法人民営化とともに特別会計の埋蔵金発掘もやらせてもらい、大いに財政改革をやりながら「増税なし」に貢献したはずだが、財務省の諸先輩からは「それを行ったから財務省を裏切ったと言われるのだ」と再三にわたって注意を受けた。

「財務省が財政改革をするはず」?
   マスコミ諸氏のいうように、財務省にとって小泉時代が「よき時代」なら、当時の政府資産売却反対、埋蔵金取崩反対は何だったのだろうか。マスコミは、財務省が財政改革をするはず、というか財務省にそうしたレクを受けて信じ込んでいるにすぎない。
 
   現在財務省は増税路線を遮二無二進めている。政権運営に不慣れな民主党時代に消費税増税法案を成立させ、安倍政権で8%への増税をまず実現させ、さらに10%への再増税(2015年10月)について、今年(14年)12月には、最終判断が予定されている。さらに、次の10%超への消費税増税に向けて動き出したらしいという噂がある。そこでは、経済成長、資産売却や埋蔵金の話などは、再増税、再々増税に不都合なので一切出ない。ひょっとしたら、消費税増税後の今の景気の落ち込みさえ、再増税の口実にするのかもしれない、という予感さえする。

   今と小泉時代のどちらを財務省がいいと考えているのか、答えは明らかだろう。

上記は、要約記事です。この記事の詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】このままでは、いずれ財務省は解体される、組織として本当は何をどうすれば良いのかよく考えて立ち直っていただきたい(゚д゚)!

デフレの最中に消費税増税をすると、消費がさらに冷え込み、税収の源泉である国民所得が減り、課税対象そのもが大幅に減ることが予想されます。消費税増税によって、消費税による税収は増えますが、国民所得を源泉とする所得税・法人税などが大幅に減少し、結局それが消費税増加分より上回り、全体として税収が減るおそれが十分にあります。

もしそうなれば、税収そのものが減ってしまうわけで、そうなれば、財政再建などできなくなるおそれが十分にあります。昨年辺りでは、イギリス、イタリア、スペイン、ポルトガルなどのEU諸国が、財政再建を目指すという目的で、日本でいうところの消費税増税をしましたが、これらの国々すべてにおいて、税収総額が減り、増税は、結局財政再建にはマイナスの効果しかありませんでした。

日本においても、過去の2回の消費税増税のときは、結局消費の冷え込みにより、国民所得が小さくなり、所得税収などが減少し、それが消費税増税分を上回り、全体の税収ではマイナスになりました。

ただし、前二回の増税時には、日本はまだデフレではなく、賃金が下がっている状況ではなく、わずかながらも上昇している最中での増税でした。今年5月には、消費などの景気指標が一気にかなり悪化しています。

日銀は小泉内閣の時期にだけ例外的に、金融緩和をシましが、その後第一次安倍内閣になってから、金融引締めに転じましたが、それでも、日本はまだデフレではありませんでした。

しかし、今回は日銀は金融緩和をしているものの、まだ日本はデフレから脱却しきっていない時期の増税ですから、今回の消費税増税はかなり大きな悪影響を及ぼすことは明らかてす。

もともと、デフレ期の消費税増税は、財政再建には役立ちません。逆の効果を及ぼします。そうして、増税などとは全く関係なく、財政再建の方法はあります。それに関しては、私が解説するより、これも、高橋洋一氏が解説したいた記事がありましたので、そのURLと一部を以下に掲載します。
消費税増税せずとも財政再建はできる――嘉悦大学教授 高橋洋一
増税なしの財政再建策は、アベノミクスによるデフレ脱却すなわち名目GDP成長率アップと、歳入庁創設や消費税のインボイス制度導入による不公平是正かつ増収策である。
これによって財政再建が可能なのは、一部を行った小泉政権でさえ財政再建の実績があることから明らかだろうが、これまでの連載コラムに書いたものからも数量的に確認できる。5月30日付け連載コラム『経済財政諮問会議が放ったとんでもない“矢” 「財政健全化を第4の矢に」は正しいか』では、アベノミクスの数量分析をしている。同コラムのグラフ3から、今のアベノミクスの金融緩和によって2年後は名目GDP成長率は4%程度超になる。となると、同コラムのグラフ2から、その時の基礎的財政収支対名目GDP比は悪くても▲1.2%程度である。
そこで、歳入庁創設で10兆円(名目GDP比2%)や消費税インボイスで3兆円(名目GDP比0.6%)の増収があることを考えると、基礎的財政収支対名目GDP比は、▲1.2+2.6=1.4%以上もプラスになる。これで財政再建は終了だ。
社会保障費が毎年1兆円増えて大変という話も基礎的財政収支の中に含まれている。債務残高がGDPの2倍になっていて大変という話も、5月30日付けラムで数式で説明しているように、基礎的財政収支対名目GDP比がプラスになれば何の心配もいらない。
歳入庁創設や消費税インボイスは、公平な社会保障政策を実施したり、公正な税執行を行うために必要な社会インフラだ。これらはどのような社会保障政策、税制をとるにしても必須なので、これらは増税派でも否定できないものだ。それらをやらずに、消費税増税をするのでは、官僚の歳出権を増やすだけで、経済成長にも財政再建にもつながらない。
 私は、実はこの記事のタイトルには賛成しかねます。この記事のタイトルは、「消費税増税せずとも財政再建できる」とありますが、これでは、あたかも消費税増税をすれば、財政再建ができるが、消費税増税しなくても、財政再建ができる方法があるという意味に受け取れます。

高橋洋一しも、無論そんなことはなく、増税すれば、財政再建はますます困難になることを知って折られると思います。

であれば、上の記事のタイトルは本来、「消費税増税をすれば、ますます財政再建は遠のく、本来の財政再建のあり方」などというようなタイトルにすべきだったと思います。

私は、皆さんが、この記事を読む際には、本来は、私が提案したタイトルのほうが、相応しいということを念頭に置いて読んでいただけたら幸いです。

仮に、来年から10%増税をした場合、今年の5月でも経済指標がかなり、落ち込んでいるので今年も経済が悪化することが十分予想できるのですが、来年になるとさらに悪化することが懸念されます。懸念というより、経済の落ち込みは確定したようなものです。

そうなると、デフレはさらに深化して、昨年あたりの景気の良さなど帳消しになると思います。そうなると、また財務省は15%増税を打ち出すことでしょう。

15%にすれば、景気はまた落ち込み、税収が減り、今度は20%増税を打ち出すことになります。

これでは、きりがありません。50%増税にしても、ますます景気は冷え込むばかりです。

しかし、そうなると、国民も馬鹿ではないので、政府や財務省に対して批判的になります。その時に、昔の大蔵省解体のようなことがおこるかもしれません。これは、単なる空想にも過ぎないようにもみえますが、このまま増税を幾度なく繰り返すとなれば、そうなります。

財務省としては、大蔵省が解体されたように、財務省も解体されることを望んでいるのでしょうか。国民の憤怒のマグマが財務省や政府に向けられ大変なことになっても良いのでしょうか。

そんなはずはないと思います。財務省は、常識的な道を歩むべぎてす。それはどういう道かといえば、公共工事の供給制約がある現在においては、公共工事が経済に及ぼす影響も少ないため、所得税減税、給付金政策、それも再配分的にこれらを行うことです。

これで、直近の貧困問題など緩和しつつ、日銀には金融緩和政策を継続してもらい、こんごなるべくデフレから一刻も早く脱却して、マイルドなインフレになるようにします。

そのままにしておけば、いずれ、インフレが亢進するようになります。インフレが亢進したときには、財務省は、増税を実施して、過度のインフレを是正すれば良いのです。

そうすれば、まともな政策を実施している財務官僚の評価も高まり、財務省も国民から感謝され、官庁のなかの官庁として、君臨することができるようになります。こうなれば、国民も財務省を信頼し、官庁の中で君臨しても、当然のこととして受け止めるようになると思います。

今のままでは、過去の大蔵省がそうであったように、財務省もこのまま増税路線に突っ走れば、いずれとんでもない破局の憂き目に合うと思います。もし、そうなったら、財務省など5つくらいに分割され、分割された部署などは、官庁の中でも、小さく非力な存在となり、他省の後塵を拝する、あまり重要でない役所に成り下がると思います。

財務省解体論
以前は『大蔵省解体論』という書籍があったが、実際に解体
されたため、現在てはこのような書籍が販売されている

エリートが行くところではなく、一応お役人という立場に甘んずるしかなくなる可能性も大です。現在の財務省のトップクラスにある人々はそれでも良い天下り先に行ける可能性があるので、良いかもしれませんが、もっと若い層の人々かそうした憂き目にあうかもしれません。

財務省の有能な若手官僚の方々、それで良いのですか?大蔵省がなぜ解体されたか、今一度思い起こすべきです。

私はそんなことは、国民にとっても、財務省にとっても良いことでは無いと思います。

財務省、組織として、本当は何をどうすれば良いのかよく考えて立ち直っていただきたいものと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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