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2019年5月26日日曜日

「国の借金」だけを報告し続ける、財務省のおかしな体質―【私の問題】財務省に騙されず、会計も理解できる人材が、令和日本では重宝される(゚д゚)!

「国の借金」だけを報告し続ける、財務省のおかしな体質

もともとは国民のお金ですが…



過去最大の「国の借金」…

財務省は、国債と借入金などを含めた、いわゆる「国の借金」を3ヵ月ごとに発表している。これが2019年3月末時点で1103兆3543億円となり、過去最大を更新したと5月10日に発表した。

      財務省は国借金(正確には政府の借金)については公表するが
      同時に政府の資産も増えていることは一切公表しない

NHKなどのテレビ、日経などの新聞は律儀にこの「国の借金」報道をし続けている。先の額を国民一人当たりで割ると、およそ874万円になる、という定番の「脅し」も付け加えられることがほとんどだ。

「財政再建が必要」という財務省の言葉とセットで、さすがに国民は耳にタコだろう。本コラムで度々触れているとおり、「国の借金」だけをニュースで取り上げるのは間違っていると筆者は考えている。

このニュースに対し、「『国の借金』ではなく、『政府の借金』で、国民にとっては逆に『資産』だ」と反論する向きもある。もっともらしい言い方のように見えるが、実はあまり意味をなさないロジックだ。

たしかに国債は国民にとって「資産」であるが、所有している一般人はほんのわずかなものだ。財務省の資料によると、'18年12月末の国債等の保有者別内訳は、日本銀行43%、銀行等16・7%、生損保等18・8%、海外12・1%となっていて、家計はわずか1・2%である。それも銀行や生命保険会社を通じて間接的に保有しているから、自分の資産だと実感している人は少ないだろう。

さらに、「政府の借金」という考え方で政府を叩いても、むしろ政府がカネを借りている側なのだから意味をなさない。「増税に応じないなら借金(国債)を返さない」と開き直られたらおしまいだ。「借金は借りた側が偉い」というのがビジネスでの常識だが、国債においてもまさしくそのとおりだ。

財務省が「公表しない」こと

政府に限らず、財務状況をしっかりと理解するためには、資産と負債を包括的に示したバランスシートをきちんと見ることが第一だ。むろん、サラリーマンでも自分の会社のバランスシートすら読んだことないという人も多いだろう。

財務省はこうした弱みに付け込んで、バランスシートでいえば負債の数字だけを年4回も公表し、財政再建の必要性を煽り続けるのである。簡単に言えば、「国の借金」だけでなく、「国の資産」も公表し、その両方が報じられるべきなのだ。

財務省がこのデータを公表していないのはおかしい。

上場企業であれば、四半期報告について、毎四半期末日から45日以内の提出が義務付けられている。民間は縛り付けておいて、政府は公表しないというのでは道理が立たない。

さらにいえば、民間企業はグループ会社全体の決算も行う。政府も同じように、国全体の資産と負債をつまびらかにした「グループ決算」を是非行うべきなのだ。もちろん、マスコミがそれを適切に解釈して国民に知らせ、会計に関するリテラシーを高めていくことが必要なのだが。

負債は増えているが、資産も増えていて、それが政府や財務省の利権となる、というのが不都合な真実だ。先の消費増税がまかり通ろうとするのも、財務省が「知らしむべからず」の姿勢で国民に事実を伝えていないことが大きな問題なのである。

『週刊現代』2019年6月1日号より

【私の論評】財務省に騙されず、会計も理解できる人材が、令和日本では重宝される(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事で「政府に限らず、財務状況をしっかりと理解するためには、資産と負債を包括的に示したバランスシートをきちんと見ることが第一だ」とあります。

企業、特に上場企業には、バランスシートは無論こと、他の財務諸表も作成して公開義務があります。

私自身も、元々は理工系出身で、財務諸表からは縁遠かったのですが、自らが所属していた会社が上場の準備をはじめ、しかも自分が上場準備に関わることになり、そこで財務諸表の分析の仕方や、作成の仕方(会計)を初めて勉強しはじめました。

そうして、わかったことですが、企業の財務諸表を分析することができなけれれば、企業の内容を本当に把握することはできないということでした。いくら現場で努力したとしても、顧客のことをよく知っていたにしても、まずは財務諸表を分析できなければ、とても経営者(ただしまともな経営者)の考えなどわかりませんし、企業の本当の姿を知ることはできません。

財務諸表には、貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書、株主資本等変動計算書の主に4種類があります。

会社の財務状況を理解する上で、財務諸表のつながりは非常に大切です。今回は財務諸表のつながりについて、説明します。

財務諸表には大きく2種類ある

財務諸表には、主に二種類あり、フローの財務諸表としては、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書、株主資本等変動計算書があります。

ストックとは、一定時点の状況を示すものです。貸借対照表のみがストックに関する財務諸表で、その他の3つはすべてフローの財務諸表ということです。

貸借対照表を中心として考える

現在は財務諸表が4つありますが、最も重視されるのが貸借対照表です。現在どれだけの財産があり,どれだけ借金があるのかということが企業分析のスタート地点になるからです。

それでは具体的に貸借対照表をみてみましょう、細かいところまで、掲載すると、非常に煩雑になりますので、ざっくりと模式的なものにします。現実の貸借対照表ではさらに細かく、様々な勘定科目があるのはいうまでもありません。


貸借対照表から現在の企業の情報がわかります。

さらに前期の貸借対照表も用意し2年分を並べてみます。

こうすると情報量が増えます。「1年間で現金が30増えた」というように増減までわかりますので、企業分析にさらに役立てることができます。


他の財務諸表は貸借対照表を補完している

ストックの財務諸表である貸借対照表(英語で、バランスシート)だけでもフローの額はわかります。ではフローの財務諸表は不必要なのでしょうか。無論、そのようなことはありません。

なぜなら貸借対照表のフローには限界があるからです。それは「現金がどういう活動で増えたのか?」というように増減理由がわからないということです。(上記の貸借対照表を見ても、何で現金が増えたかはわからないです。)

そこで、他の財務諸表の出番です。

損益計算書などフローの財務諸表はフローの理由を示すという役割があるのです。

損益計算書は利益剰余金の増減理由を、キャッシュ・フロー計算書は現金の増減理由を,そして、株主資本等変動計算書は純資産の増減理由を示しているのです。

これらをまとめると以下のようになります。


どうでしょうか?

4つの財務諸表は、貸借対照表が中心でそれ以外の財務諸表はその情報を補完していると捉えることができるのです。

いずれにしても、財務諸表の中でも、貸借対照表が最も重要であることをご理解いただけたと思います。

ここで、また政府の財務の話に戻しますが、政府の貸借対照表などとは無関係に、財務省は政府の借金ばかり、報告し続けているのが、財務省のおかしな本質というのが、上の記事の要旨です。

冒頭の記事では、「さらにいえば、民間企業はグループ会社全体の決算も行う。政府も同じように、国全体の資産と負債をつまびらかにした「グループ決算」を是非行うべきなのだ」としています。

それは当然のことです。そうでないと、負債が小会社に財務的に隠蔽されたりして、企業グループの正しい姿を見ることはできなくなります。

政府の場合も、本当は日銀等も含めた、政府全体の財務諸表を作成し、公表し説明すべきです。無論、財務省もバランスシートは作成しているのですが、日銀等を含めたもの(これを統合政府という)は作成しておらず、その上内容が良く説明されていないか、著しく作為的であり、結局のところ財政赤字を煽るようなものになっています。

財務省は政府の貸借対照表を公表しているのだが・・・・・・

これは、本当におかしいです。会社の状況を知るためには、負債だけではなく、資産もみるのが当然です。

もし、会社の取締役会で、毎年負債ばかり言い続け、危機感を煽るだけの取締役がいたとしたら、それはとても会社にの正しい財務状況を表明しているとはいえず、そのような取締役は辞任させられると思います。

これは、政府の財政状況をみる最も同じことです。財務省は、この面で説明責任を果たす必要があります。

それと、我々国民のほうも、財務諸表等を理解して、財務省の詭弁を暴けるようにすべきです。そうでないと、自分の会社の状況もわからず、果は財務省の詭弁も見抜けず、財務省のいいなりの誤った財政政策で、日本経済が悪化して、ある日気づいてみたら、会社をリストラされていたとか、そこまでいかなくても、何十年たっても給料が上がらないなどという事態に直面しかないです。

私自身は、先程の述べたように、理工系出身だったので、高校のときは無論のこと、大学でも財務諸表について学ぶ機会は全くありませんでした。

おそらく、商業高校(簿記を学ぶ)とか、経済学部(まったく会計に触れないところもある)とか商学部などにでもいかなければ、そのような機会に恵まれることはないのだと思います。

子供の頃にお小遣い帳をつけるように言われた人もいると思います。現金の出入りを記録するのですが、多くの役所の会計もそういう感じです。

企業の会計では、「発生主義」といってその事実が発生したときに記録します。例えば、ある時に掛け売りをしたら売掛金を計上し、回収したときに現金に振り替える、というようにします。

ところが役所ではお小遣い帳ですから、現金のやりとりがなければ記録されません。しかし、道路整備など作業と支払いに間があるようなことでは管理が難しいので、他の管理項目も使われます。

このようなことでは、本当の意味でお金の流れを把握することはできないです。財務省も日々の会計はこのようなことをしているようです。

財務省自体も、会計にはうといのではないでしょうか。こういうことを見抜くためにも、会計は必須だと思います。

現状では、会計を良く理解してない大手の経営者もいるようで、彼らは財務省の発表をそのまま鵜呑みにして、財務省よりの発言をしているようです。彼らは、財務省と顧客を両天秤にかけているのでしょうか。その上で、財務省のスポークスマンをしているのなら、良いですが、そうでなければ、経営者失格です。

どう考えてみても、普通は財務省と顧客を天秤にかければ、顧客のほうが数段上のはずです。顧客に離反されれば、企業はなりたちません。財務省は、自分が都合が悪くなれば、企業を守り通すようなことはしません。

両者を正しく両天秤にかけるためには、会計的な能力は必須だと思います。そのような見方ができない経営者はこれからどんどん排除されていくと思います。排除しないような企業は、社会から見捨てられ、淘汰されることになるでしょう。

このような状況をみていると、会計を本当に理解した上で、オペレーションや運営に関わることができれば、そのような人物は企業にとって希少価値が大きくなると考えられます。

会計だけが専門だと、カネの流れだけを重視するようになりがちだと思います。そうなると、企業経営や、日々のオペレーションに支障がでかねません。無論、会計を専門としても柔軟な考え方ができる人は別であるとは思います。

いくら、AIが自動的に会社の財務諸表を作成するようになったとしても、あるいはそれに基づき、改善点を示唆するようになったとしても、それを読み解き、会社運営や日々のオペレーションを改善・改革するのは人間です。財務諸表もそれだけでは、ただのデータに過ぎません。

しかし、我が国には、そのような人材は稀なようです。

これからは、財務省に騙されず(会計が専門でも、財務省の詭弁に騙される人もいる)、自分の専門分野だけではなく、会計も理解できる人材が、これから日本では重宝されるようになるでしょう。

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2016年10月25日火曜日

総裁任期「3期9年」に延長=26日に全体会合へ提示―自民―【私の論評】財務省とわたりあえる人材が出てくるまでは安倍総裁とすべき(゚д゚)!


自民党役員連絡会であいさつする高村正彦副総裁
(中央右)。同左は下村博文幹事長代行=25日午前、国会内
自民党は25日、党総裁任期を現行の連続2期6年から連続3期9年に延長する方針を固めた。

総裁任期延長「なぜ今なのか」=自民・小泉氏が疑義

 党・政治制度改革実行本部(本部長・高村正彦副総裁)では、「期数制限撤廃案」も検討されたが、高村氏は26日に、党所属国会議員全員が参加できる全体会合に「3期9年」案のみを諮る方針だ。

 高村氏は25日の党役員連絡会で、「あした私の考えを伝えて、全体会合に諮る」と述べた。これに関し、党幹部は記者団に「期数撤廃はない」と指摘し、3期9年の方が「国民に受け入れられやすい」との認識を示した。

 現行の党則は、総裁任期を1期3年と定め、連続3選を禁止している。任期延長はこれを改正するもので、安倍晋三首相(総裁)に限定しない。実行本部で了承が得られれば、総務会などを経て、来年3月の党大会で正式決定する運びだ。

 安倍総裁は2018年9月に任期満了を迎えるが、党則改正後は次期総裁選に出馬できる。当選すれば、自ら招致に当たった20年東京五輪・パラリンピックに首相として臨む可能性も出てくる。

【私の論評】財務省とわたりあえる人材が出てくるまでは安倍総裁とすべき(゚д゚)! 

上の記事を読んでまず思ったのは、財務省と渡り合い時には死んだふりや、やるとき衆院を解散しても増税を阻止した安倍総理のような総裁候補が出てこない限りは、安倍総裁であるべきということです。

先日行われた民進党の代表戦では、候補者の3人が3人とも増税論者であり、経済に関してはまるで擦り切れたテープのように財務省のパンフレットのような経済論を繰り返すばかりでした。

そうして、代表は蓮舫氏になったのですが、蓮舫氏の人選によって、幹事長に決まったのは野田氏であり、これも消費税狂の馬鹿でした。

野田元総理の増税狂発言。おまけ、安住元財務省の増税狂発言。
最近野田氏は、最近北方領土の2島返還「馬鹿も休み休み言え」 と語っています。本当に消費税増税狂のバカにこのようなことは言われたくはないです。最近、偽装右翼などといわれていますが、野田氏こそまさに偽装右翼の名にふさわしい人物かもしれません。

民進党のほとんどは、増税狂であり、例外はほんの一部です。金子洋一元参議院議員は、増税狂ではないのですが、残念ながら今年の夏の参院選で落選してしまいました。あと増税狂でないのは、馬渕氏くらいなものです。

他の議員はことごとく幹部も含めて、増税狂です。そうして、かつての民主党政権は単なる財務省に使い捨て政党でした。これについては、このブログにも以前掲載したことがあります。
臨時国会も安倍政権VS財務省 民進党の本音は消費増税優先か―【私の論評】元々財務省の使い捨て政党民進党にはその自覚がない(゚д゚)!
参院本会議で、民進党の蓮舫代表の代表質問を
聞く安倍晋三首相(左奥右)=28日午前
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、民進党が民主党として政権を担っていたときに、財務省の使い捨て政党であったことを示す内容を以下に引用します。


"
民進党と財務省といえば、民進党が民主党だったときの民主党政権の最後の、2012年の野田総理による衆院解散に関して、当時みんなの党の代表であった渡辺喜美氏が会見で興味深い話をしていました。その動画を以下に掲載します。


この動画の7:30あたりのところから、渡辺氏が記者になぜこのタイミングでの解散になったのか、問われて以下のように話しています。
「これは、財務省の路線そのものなのであって、とにかく新製権で、予算編成をしたいと・・・。旧政権でつくった予算をグタグタにされるのは困るという財務省の路線が、そっくりそのまま、野田総理を動かしたというだけのことですね。 
党首会談をやったときに、もう自分は財務省に見放されているということを、はっきりと言っていました。その見放された総理が、最後まで財務省路線に乗っからざるをえないと、まあー、非常に情けない内閣ですね」。
後は、ご存知のように野田佳彦氏は財務省の意向を反映した自民党が提案した消費税増税を法定化して民主党政権が壊滅する道を突き進みました。これは、本当に理解に苦しみます。民主党は政権交代直前の選挙の公約では「民主党が政権の座についている間は増税しない」としていました。

民主党政権というと、蓮舫氏による事業仕分けが有名ですが、蓮舫氏がどうして専門知識を有する官僚を「公開処刑」できたのかというと「仕分け人」たちは、財務省が作った“極秘の査定マニュアル”に基づいて発言、追及していたからです。

要するに行政刷新会議の概算要求の無駄を洗い出すという「事業仕分け」は、「政治主導」ではなく、「官僚主導」のパフォーマンスだったのです。何のことはない、官僚官僚の手の上で踊ったに過ぎなかったのです。法的にも何の権限もなく本格化する財務省の査定の下馴らしとPRをしただけだったのです。 
"  
現在の民進党の議員のほとんどは、増税推進派で、経済や財政について語るときは、まるで財務省のスポークスマンのようです。民主党政権だったときの、民主党は上記の事実でもわかるように、財務省の使い捨て政党です。その性質は昔から変わらず、現在もそうであり、将来も継承続けていくことでしょう。

一方自民党はどうかというと、これも民進党と同じように、財務省の影響下にあったのは間違いないです。というより、自民党でも安倍総理が、衆院を解散してまで、財務省に反旗を翻して増税を阻止して、真正面からわたりあった最初の総裁ということになります。

自民党も民進党の財務省の使い捨て政党というところまではいかないものの、同じように財務省の影響下にあって、財務省にはなかなか正面切って逆らえなかったというのが実体です。

ただし、今の自民党は、安倍総理と一部の安倍総理に近いブレーンが財務省と渡り合っているだけであって、他の自民党議員はなかなか財務省に諜略されているか、諜略されないまでも正面切って逆らえないというのが実体です。

例えばかって小泉純一郎元首相は在任時に「景気が回復すると構造改革ができなくなる」と明言していました。これは、平たくいうと、構造改革をするためには、金融緩和や積極財政はしてはならないということです。これでは、まるで財務省のスポークスマンのようです。

そのためでしょうか、財務省がかつての日銀を含む大蔵省であったときから、日本では本来金融緩和をすべきときに、金融緩和どころか、金融引き締めを行い、積極財政をすべきところを緊縮財政を行なうといことで、失われた20年という不毛の時代を招いてしまいました。

大蔵省が、財務省と日銀に分離された後も、この政策はしばらく温存され、日銀が金融緩和に転じたのは、2013年のことです。そのため雇用は最近に至るまで、一環して良くなって今います。ところが、財務省は、積極財政をするどころか、結局のところ8%増税をするという失策を行い、経済は低迷しました。

実際に8%増税は、大失敗だったことは統計数値をみれば明らかなのに、民進党は先ほど述べたように、ほとんどが増税狂です。

しかし、自民党でも安倍総理とこれに近いブレーンは別として、ほとんどの議員は金融政策の意味や、財政政策の正しい運用の仕方を理解してないか、理解していたとしても、財務省に正面切って逆らえないでいるようです。

財務省にとって消費増税が自己目的化していますから、それに貢献する政治家たちもすべて消費増税のための手段でしかないのです。なんといっても財務省的な経済政策観をもつ政治家やそうでなくても、財務省に逆らえない政治家が今の日本の政治家のほとんど占めているといのが実情なのです。

ちなみに自民党の中の「ポスト安倍」と目されている人たち、たとえば、稲田朋美防衛大臣、小泉進次郎衆議院議員、石破茂衆議院議員らの過去の発言をみれば、消費増税ありきの財政再建主義か、もしくは金融政策中心のデフレ脱却への懐疑的であったり批判的であることが明瞭です。


稲田大臣は、先の再延期の前には「消費税をまず1%引き上げる」案をだしていましたが、そもそも消費増税を経済が低迷しているときになぜ増税にそこまでこだわるのか、その背景についての説明は全くありませんでした。最初から消費引き上げ自体を目的とした発言としか思えません。

そうして、小泉議員はより深刻です。先の再延期のときの報道を読むかぎりでは、消費増税先送りへの懐疑的な態度にくわえて、親譲りなのでしょうか、とにかく社会保障の見直しなどで、倹約という視点しかありません。景気循環的な発想が全くありません。増税延期が決まった直後の、「延期するけれども決まっていた(社会保障)充実策はやるというなら、こんなおいしい話はない。そんなおいしい話に若い人たちはだまされない」と発言にはほんとうに驚いてしまいました。これでは、まるで財務省のスポークスマンであり、経済・財政などに関しては、民主党議員とほとんど変わりありません。


むしろ消費増税は積極的に先送りすることで、経済成長を安定化させ、そこで財政再建(社会保障制度の積極的な拡充)も実現していくべきなのですが、その手の発想は過去の発言をみるかぎり皆無です。石破議員は、デフレ脱却を金融政策中心で行うと高いインフレに帰結するなど副作用の可能性を指摘してきました。

石破茂氏
いずれも財務省の消費増税路線やその背景にある財政再建主義や税と社会保障の一体改革という考え方に親和的です。とりあえず代表的な三者をあげたのですが、さきほど指摘したように他の政治家もごく少数を抜かして同じ考えです。

今の日本では、安倍総理自身と、その身近な一部のブレーンたちのみが、政治家の中では、財務省と渡り合えるだけの、力量を持っているだけです。そうして、稲田朋美氏のように、安倍総理の身近な一部のブレーンと目される人ですから、この有様なのですから、本当に自民党内に安倍総理の経済に関する考え方を理解しつつ、財務省と対等に渡り合える人材が自民党総裁になれるまで成長を待たなければ、ポスト安倍の後は、安倍としか言いようがありません。

もし、そうしなければ、日本経済はまたデフレ・スパイラルのどん底に沈み、せっかくの金融政策の効果も台無しになり、雇用はずたずたになり、若者はまた異様な就活で苦しむことになります。自殺者も増えることでしょう。

今回の総裁任期の延長は、経済や財政などとは関係なく、おそらく政治的駆け引きや、派閥の均衡などでそのように決まったのでしょうが、いずれにしても当面の日本経済のことを考えた場合、良い選択であったと言わざるを得ません。

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2015年5月22日金曜日

やはりデタラメだったAIIB 中国が拒否権、人材は引き抜き頼り―【私の論評】中国の妄想や、日本に多数存在する中国スパイの妄言には注意せよ(゚д゚)!

やはりデタラメだったAIIB 中国が拒否権、人材は引き抜き頼り
2015.05.22

AIIBを揶揄する中国の風刺画
アジアインフラ投資銀行(AIIB)は、やはり中国がすべてを握る銀行となりそうだ。設立に向けたシンガポールでの第5回首席交渉官会合は22日、実質的な討議を終え、出席者の一人は「中国が(重要な案件を否決できる)事実上の拒否権を持つことで合意した」と明らかにした。

中国は30%弱の出資比率を持つ見通しで、総裁も中国出身者が最有力。予想通り大きな権限を握ることになりそうだ。

一方、中国は国際金融のノウハウが乏しいため、先進国からの出向受け入れや既存の国際金融機関からの人材引き抜きも含めた採用活動を行っている。英国や韓国に、財務当局者などの出向を要請したほか、アジア開発銀行(ADB)から人材を引き抜く動きもある。「ADBと同額の給料は保証すると持ち掛けているようだ」(北京の金融関係者)という。

中国は大手国有銀行などでも「レベルの高い人材は限られる」(邦銀幹部)とみられている。

【私の論評】中国の妄想や、日本に多数存在する中国スパイの妄言には注意せよ(゚д゚)!


上の動画をご覧いただいてもお分かりになるように、TPPを強力に反対して、AIIBバス乗り遅れ論を語る輩共は、中国スパイです。このことは、前からこのブロクでも何度か掲載してきました。冷静に考えると、こんなことは当たり前のど真ん中です。

日本には、呆れるほど多くの中国スパイがいるということです。一般国民の中にも、AIIBに入るべきなどと考える人も多数いたのではないかと思います。そういう考えをする人は、意図的ではないものの、中国スパイを助けることになります。まあ、左翼とかマスコミ関係者ならそれでも通じるかもしれませんが、そうでない人が中国スパイを助けるような行為はつつしむべきです。


そもそも、AIIBは、中国には有望なインフラ投資先がなくなったため、外貨が入らなくなった中国が、再び中国も含めたアジア地域で、大規模な開発を行い、過去のように経済の急速な発展を図ろうとするものであり、中国による、中国のだけが得をする似非国際金融機関に過ぎません。

こんなことは、最初からわかりきたことであり、日本と米国が、AIIBに参加しないということは、中国にとってかなりの痛手です。なぜなら、日米だけで、世界の金融資産の半分以上にも相当する金融資産を有しているからです。

日本人の個人金融資産合計(家計)は、『約1600』兆円と、アメリカ人の個人金融資産合計の『約6400兆円』に次ぎ、『世界で2番目!!』の多さです(2013年)。これら2国が参加しない、このような世界の半分以上の金融資産と最初から無縁のAIIBは、まともとはいえないでしょう。

これから、中国は国際金融ノウハウのなさを補うために、世界中から人材を引き抜くことでしょう。しかし、引き抜かれるのは、クズばかりです。なぜなら、まともな連中は最初から中国の金融の実体を知っており、最初から失敗するのは目に見えているので、誰も行かないからです。

AIIBに参加した国々も、当然のことながら、自国の利益を最優先しますから、ひよっとしたら儲かるかもしれないとか、イギリスのようにまともな産業が何もなく金融で成り立っているような国が、儲け話を探しているだけと見るのが妥当でしょう。

結局、儲けにならないAIIBは、最初は期待を持って参加した国々も、早晩失望することになり、有名無実の存在になることでしょう。これについては、以下の河添恵子さんの動画でわかりやすく説明されています。



日本は、いくら日本国内の中国スパイが「バス乗り遅れ論」を声高に叫んだとしても、このようなAIIBには加入することはないでしょう。

実際、安部総理は講演において、それを語っています。その記事を以下に掲載します。
安倍首相「質も量も、二兎を追う」 アジア向けインフラ投資、5年間で13兆円表明

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部分のみコピペさせていただきます。
 安倍晋三首相は21日、東京都内で開かれた国際交流会議で講演し、公的資金によるアジア向けのインフラ投資を今後5年間で約3割増やすと表明した。日本が主導するアジア開発銀行(ADB)や政府開発援助(ODA)を通じた融資を含め、約1100億ドル(約13兆2千億円)の投資拡大を目指す。アジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立を目指す中国に対抗する狙いがある。 
 講演で安倍首相は、「世界中から多様な資金をアジアに呼び込み、ダイナミックなイノベーションが開花する大地へと変えたい」と訴えた。各国や国際機関などと協働し、日本の高い技術力を生かす「質の高いインフラ投資」を推進する考えだ。 
 その上で、具体的な施策として(1)円借款や技術協力などODA支援の拡大・迅速化(2)融資能力の拡大などのADB改革を後押し(3)政府系金融機関の国際協力銀行(JBIC)によるリスク資金の積極的供給(4)質の高いインフラの世界標準化-を挙げた。 
 成長著しいアジアでは、鉄道や道路などインフラ整備に毎年100兆円が必要とされている。安倍首相は「質も量も。二兎(にと)を追う」と語った。
中国のすぐに沈みそうなボロ船AIIBは、早晩破綻するでしょうが、安部総理としては、この機会に乗じて、日本のアジアでもプレゼンスを高める狙いがあるものと思います。

私達は、これらのことを十分理解して、中国の妄想には付き合わないというが得策でしょう。そうして、日本に多数存在する中国スパイの妄言には注意すべきです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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