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2018年8月8日水曜日

いつの間にか「日本主導」のTPP 自由主義圏の「対中連携」に期待 デタラメと無知露呈の反対派 ―【私の論評】TPPは加入できない中国と、保護主義に走りそうな米国の両方を牽制する強力な武器(゚д゚)!

いつの間にか「日本主導」のTPP 自由主義圏の「対中連携」に期待 デタラメと無知露呈の反対派 

TPPにはかつて、世界中で反対運動が巻き起こった
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 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)をめぐっては根強い反対論があったが、現状では英国の参加支援などでも日本が中心的役割を担っているようにみえる。

 TPPのメリットは自由貿易の恩恵だ。これは約200年の経済学の歴史で最も確実な理論だといえる。ただ、自由貿易でメリットを受けるのは輸出者、そして消費者だ。一方で、デメリットになるのが輸入品と競合する国内生産者だ。「自由貿易の恩恵」とは、メリットがデメリットを上回ることを言う。

 これは経済理論だけではなく、定量的にも国際標準の方法で確かめられる。それに基づく政府試算で「おおむね10年間で実質国内総生産(GDP)3兆円増」とされている。これは、「おおむね10年後に今よりGDPが差し引きで3兆円増加し、それが続く」というもので、反対論者が唱えていた「10年間累積で3兆円」ではない。反対論者は経済分析もできずに、意味不明なまま反対していたのだ。

 国家間紛争ルールを定めたISD条項など一般になじみのないものを毒素条項だと脅す反対論者もいた。この条項を利用して、米企業が日本を訴えて日本は負けるというものだ。

 しかし、この条項は、これまでの国際協定ではかならず盛り込まれており、日本が不利益を被ったこともない。法律上の不備があるとまずいが、日本の精緻な法体系ではこれまでやられたことはない。このように、反対論者は無知で、かなりでたらめだった。

 米国がTPPから離脱すると、反対派は一気にトーンダウンしたのだが、TPPから米国がいなくなっても、TPP加盟国の中には米系企業があるので、ISD条項の脅威は同じだ。反対派がいかに感情的で、ロジカルでない意見を言っていたかがここでも分かる。

 米国のおかげで、日本の存在感が高まったのは間違いない。米国がTPPに失望したのは、かつて本コラムで書いたように医薬品などで日本が交渉をうまくやって勝ちすぎたのもある。

 加盟国のバイオ医薬品の独占的に販売を認めるデータ保護期間(製薬会社に独占的に販売を認める期間)が基本は各国の法制度、実質8年間となって日本の主張がほぼ認められた。米国の国内法は12年であり、米国は医薬メーカーのために、独占期間をできるだけ長くと主張していたが、日本などの主張に負けた格好だ。

 こうした交渉にもまして、基本的なスタンスとして、日本は自由貿易のメリットを強調し、粘り強く交渉したのが大きい。経済的な連携は政治や軍事での同盟関係と密接な関係があり、TPPは中国抜きの経済連携として重要であることを日本は一貫して主張した。自由主義圏の日本はその点でぶれないのが、TPPの中でも主導的な役割を果たしている最大の理由だろう。

 中国の国際覇権的な野望が明らかになるにつれて、対中国の関係で、日本に期待する国は少なくない。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】TPPは加入できない中国と、保護主義に走りそうな米国の両方を牽制する強力な武器(゚д゚)!

日米などアジア太平洋地域の12カ国が署名した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)から米国が離脱したため、残る11カ国でまとめ直した新協定をTPP11といいます。2018年3月に署名しました。

参加国は日本、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、メキシコ、ペルー、チリ、シンガポール、マレーシア、ベトナム、ブルネイ。6カ国以上が国内手続きを完了すると、60日後に発効します。

この、TPPに参加する11カ国が加盟国拡大に向け、一歩踏み出しました。協定が発効すれば世界の貿易額の15%を占める巨大な自由貿易圏が誕生し、加盟国が増えれば経済効果はさらに高まります。

TPPには中国の「包囲網」の意味合いもあったが今では保護主義に走る米国も同様、自由で公正な貿易を守るためにも加盟国拡大が急がれるところです。

先月19日に閉幕したTPPの首席交渉官会合は、後から加盟したい国が次々と手を挙げました。このような、貿易枠組みは世界初です。参加に意欲を示す6カ国・地域のうち、タイとコロンビアは協定発効直後にも参加の意思を正式に通知してくる可能性があります。

TPPは地域や経済の発展段階が異なる国が集まりますが、知的財産権保護など幅広い分野のルールを定め、企業がビジネスを展開しやすくする質の高い協定です。11カ国は新規加盟国にも高水準のルールを当てはめる方針で、受け入れ側としても準備を急がなければならないです。

ただし、トランプ米政権は11月の中間選挙を意識してか、日本にも自動車や鉄鋼の輸入に関して一方的な要求を突きつけてきました。国際通貨基金(IMF)は事態が激化すれば、世界の国内総生産(GDP)が最大0・5%縮小すると試算しています。

経済政策を重視する安倍晋三首相は「保護主義からは何も生まれない」として、自由貿易体制の維持に取り組みます。今月は東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の年内大筋合意の方向性を打ち出し、欧州連合(EU)と経済連携協定(EPA)にも署名しました。

TPPはEPAの一種でもあり、2018年2月に署名した環太平洋パートナーシップ協定(TPP)及び2018年3月に署名した環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)は、いずれも内容的にはEPAです。協定名は「パートナーシップ協定」となっています。

このEPA、TPPには中国は参加できません。それについては、このブログでも以前掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
中国は入れない日欧EPA 中国に“取り込まれる”ドイツを牽制した安倍外交 ―【私の論評】「ぶったるみドイツ」に二連発パンチを喰らわした日米(゚д゚)!
記者会見を終え、トゥスク欧州理事会議長(右)と握手を交わす
ユンケル欧州委員会委員長。中央は安倍晋三首相=7月17日午後、首相官邸
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、中国がEPAやTPPに最初から入ることができない理由を掲載した部分のみ以下に引用します。
中国においては、そもそも民主化、政治と経済の分離、法治国家がなされていません。
わかりやすい事例をだすと、たとえば戸籍です。すべての中国人の戸籍は、農村戸籍(農業戸籍)と都市戸籍(非農業戸籍)に分けられています。農村戸籍が約6割、都市戸籍が約4割で、1950年代後半に、都市住民の食糧供給を安定させ、社会保障を充実させるために導入さました。 
以来、中国では農村から都市への移動は厳しく制限されていて、日本人のように自分の意思で勝手に引っ越ししたりはできないです。ちなみに都市で働く農民工、いわゆる出稼ぎ労働者がいるではないか、と思われるでしょうが、彼らは農村戸籍のまま都市で働くので、都市では都市住民と同じ社会保障は受けられません。これでは、民主的とはいえば、EPAには入れないのは当然です。
株価が急落したため落ち込む中国の個人投資家
株価が急落すると政府が介入して株式取引を中止することもある
さらに、中国は国家資本主義ともいわれるように、政治と経済が不可分に結びついており、先進国にみられるような、政府による経済の規制という範疇など超えて、政府が経済に直接関与することができます。実際中国の株式市場で株価が下落したときに、政府が介入して株式を売買できないようにしたこともあります。

中国にも司法組織なるものが存在するが、
その組織は中国共産党の下に位置している

中国は30年にわたる「改革開放」政策により、著しい経済発展を成し遂げました。ところが、依然として法治国家ではなく「人治国家」であるとの批判が多いです。それに対して中国政府はこれまでの30年間の法整備を理由に、「法制建設」が著しく進んでいると主張しています。 

確かに30年前に比べると、中国の「法制」(法律の制定)は進んでおり、現在は憲法、民法、刑法などの基本法制に加え、物権法、担保法、独占禁止法などの専門法制も制定されています。それによって、人々が日常生活の中で依拠することのできる法的根拠ができてはいます。 

その一方で、それを効率的に施行するための施行細則は大幅に遅れています。何よりも、行政、立法、司法の三権分立が導入されていないため、法の執行が不十分と言わざるを得ないです。中国では、裁判所は全国人民代表会議の下に位置づけられている。つまり、共産党の指導の下にあるわけです。  

このような中国は、とても日米をはじめとする先進国と、まともな自由貿易などできません。検討するまでもなく、最初から経済連携協定(EPA)など締結できないのです。
このようなTPPは、中国包囲網となるばかりではなく、保護主義に走りそうな米国に対する大きな牽制ともなります。ただし、首席交渉官会合では関係者によれば、米国の復帰や保護主義への懸念は一切話題にならなかったそうです。

また、新規加盟の可能性がある国・地域もさまざまな事情を抱えています。英国はEU離脱の行方が定まらないです。韓国や台湾も、日本や米国、中国との関係に影響が出ないように情勢を見極める可能性があります。米国と強固な同盟関係を結ぶ日本の重要性が、ひときわ高まってきました。

日本が自由貿易に邁進することが、世界の安定に寄与することは間違いないです。米国が中国に対して、金融などの分野での市場開放や人民元の完璧な自由相場にすることを迫ったり、知的財産権の保護を迫ったりすうちは良いですが、その範疇を超えて他国にまで保護主義的になることは、絶対に防がなければなりません。

これに関しては、やはりTPPが強力な武器になることは言うまでもありません。TPPにより域内が発展し、これに乗り遅れた米国が脅威に感じるくらいに域内を発展させていくべきです。

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2015年5月22日金曜日

やはりデタラメだったAIIB 中国が拒否権、人材は引き抜き頼り―【私の論評】中国の妄想や、日本に多数存在する中国スパイの妄言には注意せよ(゚д゚)!

やはりデタラメだったAIIB 中国が拒否権、人材は引き抜き頼り
2015.05.22

AIIBを揶揄する中国の風刺画
アジアインフラ投資銀行(AIIB)は、やはり中国がすべてを握る銀行となりそうだ。設立に向けたシンガポールでの第5回首席交渉官会合は22日、実質的な討議を終え、出席者の一人は「中国が(重要な案件を否決できる)事実上の拒否権を持つことで合意した」と明らかにした。

中国は30%弱の出資比率を持つ見通しで、総裁も中国出身者が最有力。予想通り大きな権限を握ることになりそうだ。

一方、中国は国際金融のノウハウが乏しいため、先進国からの出向受け入れや既存の国際金融機関からの人材引き抜きも含めた採用活動を行っている。英国や韓国に、財務当局者などの出向を要請したほか、アジア開発銀行(ADB)から人材を引き抜く動きもある。「ADBと同額の給料は保証すると持ち掛けているようだ」(北京の金融関係者)という。

中国は大手国有銀行などでも「レベルの高い人材は限られる」(邦銀幹部)とみられている。

【私の論評】中国の妄想や、日本に多数存在する中国スパイの妄言には注意せよ(゚д゚)!


上の動画をご覧いただいてもお分かりになるように、TPPを強力に反対して、AIIBバス乗り遅れ論を語る輩共は、中国スパイです。このことは、前からこのブロクでも何度か掲載してきました。冷静に考えると、こんなことは当たり前のど真ん中です。

日本には、呆れるほど多くの中国スパイがいるということです。一般国民の中にも、AIIBに入るべきなどと考える人も多数いたのではないかと思います。そういう考えをする人は、意図的ではないものの、中国スパイを助けることになります。まあ、左翼とかマスコミ関係者ならそれでも通じるかもしれませんが、そうでない人が中国スパイを助けるような行為はつつしむべきです。


そもそも、AIIBは、中国には有望なインフラ投資先がなくなったため、外貨が入らなくなった中国が、再び中国も含めたアジア地域で、大規模な開発を行い、過去のように経済の急速な発展を図ろうとするものであり、中国による、中国のだけが得をする似非国際金融機関に過ぎません。

こんなことは、最初からわかりきたことであり、日本と米国が、AIIBに参加しないということは、中国にとってかなりの痛手です。なぜなら、日米だけで、世界の金融資産の半分以上にも相当する金融資産を有しているからです。

日本人の個人金融資産合計(家計)は、『約1600』兆円と、アメリカ人の個人金融資産合計の『約6400兆円』に次ぎ、『世界で2番目!!』の多さです(2013年)。これら2国が参加しない、このような世界の半分以上の金融資産と最初から無縁のAIIBは、まともとはいえないでしょう。

これから、中国は国際金融ノウハウのなさを補うために、世界中から人材を引き抜くことでしょう。しかし、引き抜かれるのは、クズばかりです。なぜなら、まともな連中は最初から中国の金融の実体を知っており、最初から失敗するのは目に見えているので、誰も行かないからです。

AIIBに参加した国々も、当然のことながら、自国の利益を最優先しますから、ひよっとしたら儲かるかもしれないとか、イギリスのようにまともな産業が何もなく金融で成り立っているような国が、儲け話を探しているだけと見るのが妥当でしょう。

結局、儲けにならないAIIBは、最初は期待を持って参加した国々も、早晩失望することになり、有名無実の存在になることでしょう。これについては、以下の河添恵子さんの動画でわかりやすく説明されています。



日本は、いくら日本国内の中国スパイが「バス乗り遅れ論」を声高に叫んだとしても、このようなAIIBには加入することはないでしょう。

実際、安部総理は講演において、それを語っています。その記事を以下に掲載します。
安倍首相「質も量も、二兎を追う」 アジア向けインフラ投資、5年間で13兆円表明

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部分のみコピペさせていただきます。
 安倍晋三首相は21日、東京都内で開かれた国際交流会議で講演し、公的資金によるアジア向けのインフラ投資を今後5年間で約3割増やすと表明した。日本が主導するアジア開発銀行(ADB)や政府開発援助(ODA)を通じた融資を含め、約1100億ドル(約13兆2千億円)の投資拡大を目指す。アジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立を目指す中国に対抗する狙いがある。 
 講演で安倍首相は、「世界中から多様な資金をアジアに呼び込み、ダイナミックなイノベーションが開花する大地へと変えたい」と訴えた。各国や国際機関などと協働し、日本の高い技術力を生かす「質の高いインフラ投資」を推進する考えだ。 
 その上で、具体的な施策として(1)円借款や技術協力などODA支援の拡大・迅速化(2)融資能力の拡大などのADB改革を後押し(3)政府系金融機関の国際協力銀行(JBIC)によるリスク資金の積極的供給(4)質の高いインフラの世界標準化-を挙げた。 
 成長著しいアジアでは、鉄道や道路などインフラ整備に毎年100兆円が必要とされている。安倍首相は「質も量も。二兎(にと)を追う」と語った。
中国のすぐに沈みそうなボロ船AIIBは、早晩破綻するでしょうが、安部総理としては、この機会に乗じて、日本のアジアでもプレゼンスを高める狙いがあるものと思います。

私達は、これらのことを十分理解して、中国の妄想には付き合わないというが得策でしょう。そうして、日本に多数存在する中国スパイの妄言には注意すべきです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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