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2018年12月5日水曜日

米国から飛び込んできた日本人拉致事件への朗報―【私の論評】年明け早々「安倍首相の電撃訪朝」というニュースが飛び込んでくるかもしれない(゚д゚)!

米国から飛び込んできた日本人拉致事件への朗報
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北朝鮮に拉致された米国人青年、トランプ政権が本格調査開始へ



 米国の議会と政府が、北朝鮮による米国人拉致疑惑の解明に動く気配をみせている。日本人拉致の解決に向けて意外な側面支援となりそうな新たな状況が生まれてきた。

 米国議会上院本会議は2018年11月末、中国雲南省で14年前に失踪した米国人男性が北朝鮮に拉致され、平壌で英語の教師をさせられている疑いが強いとして、米国政府機関に徹底調査を求める決議を全会一致で採択した。下院でも同様の趣旨の決議がすでに成立している。今回の上院での決議によって、トランプ政権が北朝鮮による米国人拉致疑惑の解明に本格的に動く見通しが生まれてきた。

デービッド・スネドン氏が消息を絶った中国雲南省の虎跳峡(

 この米国人男性の失踪は、北朝鮮による日本人拉致事件とも関連しているとされる。米国での今回の新たな動きは日米合同の捜査も求めていることから、日本の拉致事件解決への予期せぬ側面支援となる可能性が浮んできた。

スネドン氏は今も拘束されている?

 米国連邦議会上院本会議は11月29日、「デービッド・スネドン氏の失踪への懸念表明」と題する決議案を全会一致で採択した。

 同決議案は上院のマイク・リー議員(共和党)やクーンズ・クリストファー議員(民主党)ら合計9人により共同提案され、今年(2018年)2月に上院外交委員会に提出されていた。今回、その決議案が上院本会議で採決に付され、可決された。

 2004年8月、当時24歳だったスネドン氏は中国の雲南省を旅行中に消息不明となった。同決議によると、スネドン氏は、当時、雲南省内で脱北者や北朝鮮の人権弾圧に抗議する米人活動家を追っていた北朝鮮政府工作員によって身柄を拘束されて平壌に連行され、北朝鮮の軍や情報機関の要員に英語を教えさせられている疑いが濃厚だという。そのうえで同決議は、トランプ政権の国務省や中央情報局(CIA)などの関連機関に、徹底した調査の実施を求めている。

 スネドン氏は韓国に2年ほど留学した後の帰国途中、中国を旅行し、雲南省の名勝の虎跳渓で行方不明となった。当初、中国当局は同氏の家族らからの問い合わせに対し、同氏が渓谷に落ちたと答えていた。だがその後、家族の現地調査でスネドン氏は渓谷を渡り終えていたことが確認された。

 また、日本の拉致問題の「救う会」は、中国側から「当時、雲南省の同地域では北朝鮮工作員が脱北者などの拘束のために暗躍しており、米国人青年も拉致した」という情報を得ていた。その情報をスネドン家などに提供したことで、北朝鮮拉致疑惑が一気に高まった。

 決議案はこの展開を受けて提出されていた。米国務省は決定的な証拠がないと主張してこの案件に消極的だったが、今回の同決議の採択で本格調査を義務づけられることとなる。

 同決議は、スネドン氏が北朝鮮に拉致され、今なお拘束されている公算が高いと断定する。その主な根拠は以下の通りである。

(1)中国領内では同氏の事故や死亡を示す証拠は皆無だった。
(2)失踪当時、北朝鮮工作員の雲南省内同地域での活動が確認された。
(3)日本の「救う会」関係者が「スネドン氏は確実に北朝鮮工作員に拉致され、平壌に連行された」という情報を中国公安筋から得た。
(4)北朝鮮では当時、軍や情報機関の要員に英語を教えていた元米軍人のチャールズ・ジェンキンス氏が出国したばかりで、新しい英語教師を必要としていた──など。

 2016年には、「スネドン氏は平壌で現地女性と結婚して2児の父となり、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長を含む要人らに英語を教えている」という証言が韓国から伝えられ、米国のメディアもスネドン氏拉致説を一斉に報道していた。

調査が進まなかったオバマ政権時代

 今回の上院決議は拘束力こそないが、国務省やCIAをはじめとする関係省庁がスネドン氏の行方の本格調査を実施することや、日本や韓国の政府と協力し合って北朝鮮のスネドン氏拉致の可能性について合同調査を始めることを、米国政府に明確に求めていた。

 米国議会ではオバマ政権下の2016年9月に、下院本会議がスネドン氏の北朝鮮拉致説に関連して同趣旨の決議を採択した。しかし、当時はオバマ政権の中国への配慮などからスネドン氏の行方調査が実際には進まなかった。

 この間、日本側では元拉致問題担当相の古屋圭司衆院議員が、米側上下両院に決議案の提出と採択を一貫して訴えてきた。古屋議員は、超大国である米国が自国民の北朝鮮による拉致の可能性を認識し、その行方調査を本格的に始めれば、必ずや日本人の拉致事件の解決にも有力な材料になると主張して、米議会が動くよう働きかけてきた。

 今回の上院での決議採択は、上下両院がそろって同趣旨の決議を採用したこととなる。トランプ政権がついに腰を上げる確率が高くなってきた。

【私の論評】年明け早々「安倍首相の電撃訪朝」というニュースが飛び込んでくるかもしれない(゚д゚)!

8月28日付の米紙ワシントン・ポストは、7月に日本と北朝鮮の当局者がベトナムで極秘会談を行ったと報じました。これに関しては、このブログでもお伝えしました。この会談は米国にも秘密にされていたとのことで、トランプ米大統領は安倍晋三首相に対して非常に立腹しているらしいとされていました。

トランプ氏は米朝首脳会談で日本人拉致問題に言及したと言っているから、「日本が北朝鮮と抜け駆けするのはけしからん」という理屈なのでしょうが、米メディアの報道によると、トランプ氏は金正恩朝鮮労働党委員長に「安倍が『日本人拉致被害者を返してくれるよう、金委員長に言ってください』と私に泣きついているんだ」という程度しか触れていないというのですから、日本が本気で拉致被害者を取り返すには北朝鮮との直接交渉するしかないです。日朝当局者の秘密接触は当然のことです。

問題は首相官邸などごくわずかの人間しか知り得ない極秘情報を、誰がワシントン・ポストの記者に漏らしたかです。同紙の記事を読むと、ニュースソースとして「北朝鮮問題に詳しい人」という漠然とした表現を使っています。また、「米政府高官(複数)」が日朝の秘密協議について「苛立ちをあらわにした」と書いているので、日本側が意図的に複数の米政府高官に情報をリークしたのは間違いないでしょう。

北村滋内閣情報官

日本政府を代表して交渉に臨んだのは、安倍首相の側近中の側近といわれる北村滋内閣情報官ですが、彼は北朝鮮の専門家ではありません。本来ならば、北朝鮮問題のエキスパートである外務省担当者、あるいは高官が北朝鮮当局者と接触すべきところですが、外務省ルートが機能しないことから、北村氏が出てきたとみるべきでしょう。読売新聞は今年6月、外務省が動かないため、安倍首相が北村情報官を主軸とする情報担当者を通じ、北朝鮮との接触を模索していると報じています。

それを裏付けるように、北村氏が接触した相手が北朝鮮の情報機関といわれる朝鮮労働党統一戦線部の金聖恵(キム・ソンヘ)策略室長だったことも、外務省関係者が外された理由とみられます。このため、なんらかのかたちで、この秘密接触の情報を入手した外務省関係者が北村・金接触をつぶそうとして、旧知の米政府高官にリークした可能性も考えられます。



それでは、金聖恵氏とはどのような人物なのでしょうか。

韓国メディアによると、金日成(キム・イルソン)総合大学出身とされる50代のエリート官僚で、南北閣僚級会談など「対南(韓国)交渉」に長く関わっており、「いつも自信満々」「柔らかく落ち着いた言動が普通の人ではない印象」とされています。

金聖恵氏

統一戦線部はCIA(米国中央情報局)とともに、米朝首脳会談への事前交渉を主導した工作機関であり、同部トップの部長はポンぺオ米国務長官のカウンターパートである金英哲(キム・ヨンチョル)党副委員長であることから考えると、金聖恵氏は同部ナンバー2の実務責任者で、金正恩氏の妹の金与正・党副部長の側近ともされます。

金聖恵氏の対外的肩書は党中央員会室長ですが、裏の肩書が統一戦線部策略室長であり、2013年には祖国平和統一委員会書記局部長という肩書で紹介されるなど、これまでは主に対韓、統一部門を担当してきたのですが、ここにきて対米、対日部門にも責任分野が拡大したとみてよさそうです。

いずれにしても、金正恩指導部を支える有力幹部といえ、北朝鮮の女性指導者としては、金氏の妻の李雪主氏、金与正氏、外務官僚としては崔善姫・外務次官とならんで4本柱の一角を占めているといえそうです。

それでは、北村・金接触を受けて日朝関係はどうなるのでしょうか。両者がベトナムで接触したのが7月14日午後から17日午前の間だったとみられます。というのも、北村氏はほぼ毎日、官邸などで安倍首相と会っているのですが、この期間は安倍首相とは接触していないからです。ちなみに、北村氏は17日午後に官邸で安倍首相と会っています。時事通信の首相動静では次のようになっていました。

「午後2時45分、谷内正太郎国家安全保障局長、北村滋内閣情報官、浦田啓一公安調査庁次長が入った。同56分、谷内、浦田両氏が出た。同3時25分、北村氏が出た」

日本の重要な情報関係者3人が雁首をそろえて、安倍首相に会いに行っているのですから、よほど重要な案件であることは間違いないです。つまり、北村氏が上司に当たる谷内氏、部下の浦田氏とともに、北村氏の対北接触の報告を行ったとみることができます。

その後、8月10日に観光ツアーで北京から空路で平壌入りした日本人男性が北朝鮮の秘密警察組織である国家保衛省要員に拘束されましたが、その2週間後に電撃的に釈放されています。わずか2週間で釈放というのはこれまでで最短期間です。以前には日本人男性が2年間も拘束されていたこともあっただけに、極めて異例の措置といえます。

なぜ釈放されたのかを考えると、日朝の秘密接触が今も継続中であり、北朝鮮が「日本側を刺激するとまずい」という判断を下したとの推論が成り立ちます。そう考えると、日朝交渉は水面下で続いているのは間違いないです。

拉致問題に関しては、他にも動きがあります。それは、モンゴルのフレルスフ首相が日本を来週訪れ、安倍晋三首相と会談する方向で調整に入ったことです。

モンゴルの第30代首相フレルスフ氏

モンゴルは北朝鮮と関係が深いです。安倍首相は日本人拉致問題の早期解決に向けた協力を要請する考えです。両国外交筋が5日、明らかにしました。

安倍首相はモンゴルに拉致問題を巡る仲介役を期待。9月にロシアで国際会議に出席した際にはバトトルガ大統領と会談し、連携を確認しました。ハイレベルの対話を重ねることで、北朝鮮への働き掛けや情報収集を強化する狙いがあります。

さて、2019年初頭にも2度目の米朝首脳会談が実現する可能性が高まるなか、拉致問題解決に向けた日朝首脳会談の道筋は見えないままです

それどころか、北朝鮮メディアは相次いで日本批判を展開しており、慰安婦問題などを引き合いに、日本を「拉致王国」呼ばわりするほどです。

北朝鮮がやり玉に上げているのは、日本が国際社会に対し拉致問題解決に向けた協力を求めている点です。朝鮮労働党の機関紙、労働新聞は18年12月2日付の論評記事で、安倍晋三首相が東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議のためにシンガポールを訪問した際、ASEAN首脳に対して協力を求めたことについて、
「日本軍性奴隷犯罪をはじめ、過去の日本の特大反人倫犯罪行為を上書きしようという卑劣な策略」

などと非難。朝鮮出兵として知られる文禄・慶長の役(1592~93、1597~98)、大韓帝国最後の皇太子、李垠(リ・ウン、1897~1970)の訪日、慰安婦問題などを引き合いに、
「世界的に公認された特大型の拉致犯罪国家は、まさに日本だ」
などと主張した。さらに、
「日本の当局者が、すでに解決された拉致問題を持ち出して卑屈な請託外交を繰り広げていることこそ、盗人猛々しい妄動」
だとして、「拉致問題は解決済み」だとするこれまでの立場を繰り返し、
「国際社会は、拉致王国である日本の図々しさに憤怒を感じている」
としました。

12月4日付の論評記事では、15年末の慰安婦合意に基づいて設立された財団の解散について、「南朝鮮の各階層は、これを一斉に歓迎」しているとして、韓国は合意を「完全に廃棄」すべきだと主張。「日本の永遠の罪を決算するための闘争をさらに果敢に展開」すべきだとした。

菅義偉官房長官は12月3日の会見で、米朝首脳会談が日朝首脳会談の実現に与える影響について聞かれ、
「日朝首脳会談については、その時期を含め、決まっていることは何もない。北朝鮮との間では、北京の大使館ルート等、様々な手段を通じてやり取りを行っているが、今後の交渉に影響を及ぼすおそれがあるため、詳細については控えたい」
などと述べるにとどめました。

このようなことは、北朝鮮では良くあることです。第一回米朝会談の直前にもあったことです。トランプ氏はこれに応酬し、「金正恩はチビのロケットマン」などと揶揄していました。このようなことでは、米朝会談が開催されないなどということはありませんでした。

というより、北朝鮮側が日朝首脳会談など全く考えていないというのなら、余計な期待を与えたりしないように、沈黙を保つはすです。北としては、拉致被害者問題を少しでも自らに有利にするため、敢えて罵詈雑言を放っているのでしょう。

ある日突然「安倍首相の電撃訪朝」というニュースが飛び込んでくるかもしれないです。

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