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2018年10月22日月曜日

【国難突破】習政権が目論む“情報洗脳的世界支配” 日米連携で中国「情報謀略網」解体を―【私の論評】2012年から日中は戦争状態!なるべく多くの国々と同盟関係になることが日本を守る(゚д゚)!

【国難突破】習政権が目論む“情報洗脳的世界支配” 日米連携で中国「情報謀略網」解体を

マイク・ペンス米副大統領が4日、ワシントンでの公園で、かつて米国政府が
したことのない中国非難を展開した。写真はブログ管理人挿入 以下同じ。

 マイク・ペンス米副大統領が4日、ワシントンでの講演で、かつて米国政府がしたことのない中国非難を展開した。

 《中国共産党は、米国企業、映画会社、大学、シンクタンク、学者、ジャーナリスト、地方、州、連邦当局者に見返りの報酬を与えたり、支配したりしている。最悪なことに、中国は米国の世論、2018年の選挙、そして、20年の大統領選挙につながる情勢に影響を与えようとする前例のない取り組みを始めた(概略)》

 衝撃的な率直さと言うべきだろう。しかも、ペンス氏は中国国内の監視体制についても次のように言及している。

 《20年までに、中国の支配者たちは、人間の生活の事実上すべての面を支配することを前提とした、いわゆる『社会的信用スコア』と呼ばれるジョージ・オーウェル(=英作家、全体主義国家の恐ろしさを描いた小説『1984年』が有名)式のシステムを実施することを目指している(同)》

 要するに、中国は世界最強国・米国を、軍事や産業のみならず、大規模な情報工作で大統領選まで蚕食しつつ、一方で「1984年」的な支配網の構築を急いでいることになる。

 ペンス氏は、いずれの戦略目標年限も2020年だとしている。とすれば、これは中国の現執行部が、20年までに情報洗脳的な世界支配をもくろんでいると言っているに等しい。

 対岸の火事でないどころか、ペンス氏の指摘は、日本の「存亡の危機」そのものではないか。

 CIA(中央情報局)とFBI(連邦捜査局)を持ち、世界最強の軍隊を持つ米国がここまで蚕食されているというのだ。すべてにおいて無防備、無警戒な日本の「企業、映画会社、大学、シンクタンク、学者、ジャーナリスト、地方と国の当局者」に、すでに幅広く中国の間接支配網ができていると仮定しないとすれば、その方がよほどどうかしていよう。

 とりわけ、「モリカケ」問題による長期的な疑惑キャンペーンは、日本のマスコミの反保守・反自民の慣習を差し引いても、あまりにも常軌を逸していた。

 私は繰り返し提言しているが、この倒閣キャンペーンについては、情報謀略と、間接協力者らに関して、徹底的に検証すべきだ。

 折しも、外交評論家、宮家邦彦氏が『正論』10月号への寄稿で、中国の諜報への対処を切言し、「外国の諜報員に諸外国なみの厳罰を科すことなどを可能とする『スパイ防止法』の制定を急ぐべきである」と論じている。

 宮家氏は外務省キャリア出身で、穏当な議論を立てる方だが、その氏をして、ここまで言わしめる段階に日本はいたっているのだ。

 日本政府は、あらゆる非難に怯まず、米国と連携して、中国の情報謀略網の解明・解体へと、断固たる一歩を踏み出してもらいたい。=おわり

 ■小川榮太郎(おがわ・えいたろう) 文芸評論家。1967年、東京都生まれ。大阪大学文学部卒。埼玉大学大学院修了。国語や文学の衰退など、日本人の精神喪失に対して警鐘を鳴らす。一般社団法人「日本平和学研究所」理事長を務める。第18回正論新風賞を受賞。著書に『天皇の平和 九条の平和-安倍時代の論点』(産経新聞出版)、『徹底検証 安倍政権の功罪』(悟空出版)など多数。

【私の論評】2012年から日中は戦争状態!なるべく多くの国々と同盟関係になることが日本を守る(゚д゚)!

中国を厳しく非難するペンス副大統領の演説を、米国による中国への宣戦布告であると評する人々もいます。私は、そうは思いません。なぜなら、すでに米中は以前から、戦争状態に入っていたとみなすべきだからです。ペンス大統領の演説は、中国に対する宣戦布告ではなく、すでに戦争状態に入っている両国との戦いに米国は絶対に勝つとの意思表示であると私は思います。

多くの人々は気づいていないようですが、実は日本もすでに、中国と戦争状態に入っています。とはいいながら、最近日中関係が、一見改善されてきているようにみえます。安倍総理は昨年11月11日、ベトナムで習近平と会談しました。雰囲気は、きわめて友好的で、両首脳は関係改善への意欲をはっきり示しました。さらに、今週は安倍総理が中国を訪中する予定です。
日中関係が改善されるのは、良いことのようにもみえますが、決して油断することはできないです。中国は6年前、尖閣、沖縄を奪取するための戦略を策定しました。「広義」での「日中戦争」は、もう始まっているのです。
私自身「日中戦争が始まった」という事実に大きな衝撃を受けたのは2012年11月15日のことでした。
私はこの日、「ロシアの声」に掲載された「反日統一共同戦線を呼びかける中国」という記事を読みました(現在リンク切れ状態になっています)。この記事には衝撃的な内容が記されていました。
・中国は、ロシア、韓国に「反日統一共同戦線」の創設を提案した。 
・「反日統一共同戦線」の目的は、日本の領土要求を断念させることである。 
・日本に断念させるべき領土とは、北方4島、竹島、尖閣および沖縄である。 
・日本に沖縄の領有権はない。 
・「反日統一共同戦線」には、米国も引き入れなければならない。
これを読み、私は「日中戦争が始まった」ことを確信しました。そうして、中国は米国を「反日統一共同戦線」に米国を引き入れようとしましたが、米国はそれに応じなかっために、米中もまもなく戦争状態に入りました。これは、はっきりしませんが、おそらく2016年か2017年頃だと考えられます。
しかし、普通の人がこれを読んでも「確かに衝撃的な内容だが、『戦争が始まった』というのは、大げさだ」と思うでしょう。そう、日本人は「戦争」というと、バンバン撃ち合う「戦闘行為」を思い浮かべます。いや、それしか思い浮かべることができないようです。
具体的な戦闘こそ起きていないが、「情報戦」は展開しており、日中戦争は
実質的には始まったと考えるべき。今や米国に次ぐ軍事費大国に
なった中国と戦闘をせずに勝つために、日本は何をすべきなのだろうか?

実をいうと、「戦争」は「戦闘」に限定されません。むしろ「戦闘」は、広い意味での「戦争」の「最終段階」で起こります。そして実際は、戦闘が起こった段階で、勝敗は決している場合がほとんどなのです。
J国とC国が、同じ物を欲しているとします(例えば島など)。そこで、J国とC国は話し合いをするのですが、埒があかない。それで、C国の指導者の頭の中に、「戦争」という2文字が浮かびます。そう、戦争は、まずどこかの国の指導者の「頭の中」「心の中」で始まるのです。
さて、「戦争」の2文字を思い浮かべたC国の指導者は、翌日J国に軍を送るでしょうか?そんな愚かなことはしません。まず彼は、「戦争に勝つ方法」(=戦略)を考えます。
次に、「情報戦」を開始します。情報戦の目的は、「敵国(この場合J国)は、悪魔のごとき存在で決して許すことができない」と、自国民や全世界に信じさせることです。現在の日米と中国はこの「情報戦」を展開している段階なのです。
まず、自国で「反戦運動」が盛り上がって戦争の邪魔をされないようにしなければならないです。次に、国際社会で敵国の評判を失墜させ、いざ戦争(戦闘)が始まったとき、敵が誰からも支援されない状況をつくる必要があるからです。
「情報戦」の良い例が、1930年代初めにあります。満州問題で日本と争っていた中国は、日本の「世界征服計画書=田中メモリアル(田中上奏文)」という偽書を世界中にばらまきました。それで、非常に多くの人々が「日本は世界征服を企んでいる」と信じてしまったのです 


次に「外交戦」で、自国の味方を増やし、敵国を孤立させます。必要とあれば、「経済戦」を仕掛けます。わかりやすい例は、日本が石油を買えないようにした「ABCD包囲網」でしょう。そして、最後に、必要とあらば「戦闘」し、望みのものを手に入れるのです。
さて、私が「戦争がはじまった」と確信した12年11月15日、中国はどの段階にいたのでしょうか。
日本をつぶす戦略は、すでに立てられていました。そして、ロシアと韓国に「反日統一共同戦線」創設を提案しているので、すでに「情報戦」「外交戦」は開始されていたことがわかります。
私は、決して「誇大妄想的」に「戦争が始まった」と思ったわけではありません。実際、12年11月、「日中戦争」は開始されたのです。ただし、その後、「反日統一共同戦線戦略」は、かなり無力化されています。中国にとって全くの誤算だったのは、米国が「反日統一共同戦線」に入らなかったことです。そうして、結局米中は戦争状態に突入しました。
普通の国が「反日統一共同戦線」のような情報を得れば、即座に対応策を考え始めるでしょう。つまり、対抗するための「戦略」を練るのです。しかし、日本はなかなかそうなりません。
日本では、「平和ボケ病」に冒された左派寄りの人たちと、「自主防衛主義(専守防衛主義)」、さらには「核武装論」を主張する右派寄りの人たちが議論を戦わせています。しかし、いずれも日中戦争に勝つ結果にはつながらない発想です。
平和論者の人たちは、「世界は第2次大戦後、平和になった」と主張します。しかし、新世紀に入って以降も、世界では以下のような戦闘が起きています。
2001年 アフガニスタン戦争が始まった。 
2003年 イラク戦争が始まった。 
2008年 ロシアージョージア(旧グルジア)戦争が起こった。 
2011年 リビア戦争があり、カダフィが殺された。 
2014年3月 ロシアがクリミアを併合。続いて、ウクライナ内戦が勃発した。 
2014年9月 米国を中心とする「有志連合」がIS空爆を開始した。 
2017年4月 米国は、シリアをミサイル攻撃した。 
そして現在、世界は「朝鮮戦争は起こるのだろうか?」と恐怖しています。事実を見れば、「今の時代」は決して「平和な時代」ではなく、逆に「戦国時代」であることがわります。

「平和憲法があれば、戦争は起こらない」「平和主義を守れば、日本は安全」という神話もあります。「平和主義なら日本は安全」というのなら、なぜ中国は、虫も殺さぬ平和主義のチベットを侵略し、100万人を虐殺したのでしょうか

このように「平和ボケ病」は、「戦略的思考」を停止させるようです。彼らによると、「何もしなければ戦争は起こらない」。だから、「戦争に勝つ方法」(=戦略)を考える必要は、まったくないという結論になってしまうのです。

一方、右派寄りの人たちは、自国防衛の強化を主張します。しかし、もはや中国の軍事力は、実際にはまだまだとはいいつつ、現状でも侮れない状況になっています。

16年の中国の軍事費は2150億ドルで、米国に次いで世界2位でした。日本の防衛費は461億ドルで世界8位。中国の軍事費は、なんと日本の4.6倍です。さらに中国は、米国、ロシアに次ぐ「核兵器大国」でもあります。

今から中国に追いつくべく、大金を投じて軍拡するというのは、現実的ではありません。「いや、そんなにたくさんの金はいらない。なぜなら核武装すればいいからだ」という意見もあります。確かに、最貧国の北朝鮮が保有していることからもわかるように、核兵器は「もっとも安上りな方法」かもしれません。

しかし、これも話は簡単ではありません。核兵器の拡散を防ぐ「核拡散防止条約」(NPT)があります。NPTは、米国、英国、フランス、ロシア、中国以外の国の核保有を禁ずる、極めて「不平等」な条約です。それでも、現在190ヵ国が加盟し、世界の安定を守る秩序として、機能しています。

世界には、「NPT未加盟」で「核保有国」になった国もあります。すなわち、インド、パキスタン、イスラエルです。NPTに加盟していたが、脱退して核保有国になった国も、一国だけあります。そう、北朝鮮です。

日本が核武装を決意すれば、NPTを脱退せざるを得ないです。つまり、核武装論者は、「日本は、北朝鮮と同じ道を行け!」と主張しているのです。そんな道を行けば、国連安保理で過酷な制裁を課されることは、想像に難くないです。

日本の核武装論者は、「日本の立場は特殊だ」と主張するのですが、「アグレッシブな核保有国が近くにいる」のは日本だけではないです。

たとえば、核大国ロシアと戦争したジョージアは、自衛の為に核を持つべきでしょうか。ロシアにクリミアを奪われたウクライナは、核を持つべきでしょうか。核大国・中国の脅威に怯えるフィリピンやベトナムは、核を保有すべきでしょうか。

「すべての国は平等」という原則に従えば、「持つべきだ」となるでしょう。あるいは、「すべての国が核を廃棄すべきだ」と。しかし、これらは、いずれも「非現実的な議論」に過ぎないです

結局、「自分の国を自分で守れる体制を今すぐ作ろう」という主張は、とても現実的とはいえないです。では、中国に屈伏するしか道はないのでしょうか。

実をいうと、柔軟に考えることができれば、「中国に勝つ方法」を考え出すのは難しくないです。

日本には、世界一の軍事力を誇る米国という同盟国がいます。この事実について、「米軍に守ってもらうなんて日本は属国に等しい。恥ずべきだ」という意見があります。しかし、冷静に考えて、これは「恥ずかしいこと」なのでしょうか。



たとえば、欧州には、北大西洋条約機構(NATO)があります。これは、29ヵ国からなる「対ロシア軍事同盟」です。そして、内実を見れば、「NATO加盟国28ヵ国は、米国に守ってもらっている」状態です。NATOの中には、英国、フランス、ドイツのような大国もいます。彼らですら、核超大国ロシアの脅威に対抗するため、米国に頼っているのです。

ただ、日本とNATO加盟国の違いもあります。NATO加盟国は、どんな小国でも「NATOに貢献しよう」という意志を持ち、実際に行動しています。

日本の場合、「米国が日本を守るのは当然だが、日本が米国を守ることはできない。なぜなら日本は平和主義国だからだ」というロジックを持っており、長らく、まったく貢献する意志を見せてきませんでした。ただし、小泉総理時代から、少しずつ変わってきてはいます。

これは、日本人に言わせれば「平和主義」である。しかし、米国からは、そう見えないです。

「米国兵が日本のために何万人死んでも、それは当然だ。しかし、日本兵が米国のために死ぬことは、1人たりとも許さない」という大変狡猾なロジックだからです。

それで、安倍総理は「安保法」を成立させ、「集団自衛権行使」が可能になりました。日本は米国を守れるようになったので、もはや「属国だ」と卑屈になる必要はないのです。

また、「いざという時、米国は日本を守りませんよ」と断言する「専門家」も多いです。そうかもしれないですが、実際、日米安保は機能しています。

たとえば10年の「尖閣中国漁船衝突事件」、12年の「尖閣国有化」。これらの事件の直後、日中関係は大いに悪化し、人民解放軍は尖閣に侵攻する意志を見せていました。しかし、どちらのケースでも、米国政府高官が「尖閣は、日米安保の適用範囲」と宣言したことで、中国はおとなしくなりました。

そう、日米安保には、いまだに「中国の侵略を抑止する効果」が十分あるのです。

とはいえ、米国の衰退は著しいです。引き続き、米国と良好な関係を維持するのはもちろんですが、日本は未来に備える必要があります。その「未来の同盟国」とは、将来中国に並ぶ大国になることが確実なインドです。

安倍総理は今、「インド太平洋戦略」を提唱し、トランプ大統領も乗り気です。これは、日本、米国、インド、オーストラリアで、中国を牽制するのが目的です。

とにかく日本が中国に勝つには、一貫した誠実さと努力によって、強い国々を味方につけていく必要があります。具体的には、最重要国家として、米国、インド。次に、EU、ロシア。そして、東南アジア諸国、オーストラリア。これらの国々との関係をますます強固にすることで、日本は守られます。

そうして、安倍総理はこの方向で外交を強力にすすめ、今日多くの国々が日本と同盟関係に入ったり、入りつつあります。

【関連記事】

2018年8月31日金曜日

米も知らなかった…日朝極秘接触 7月にベトナムで拉致問題全面解決に向け協議 日米連携に影落とす危険性も ―【私の論評】ワシントン・ポストでは相変わらずパンダハガーが勢いを維持している(゚д゚)!


北朝鮮交換と接触したとされる北村滋内閣情報官
写真はブログ管理人挿入 以下同じ

 日本と北朝鮮の情報当局高官が7月、ベトナムで極秘接触していた。日本人拉致被害者の全員救出を目指し、安倍晋三首相が信頼する内閣情報官が、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の側近である、金英哲(キム・ヨンチョル)党副委員長(統一戦線部長)に直結する女性幹部と非公式協議を行ったという。日朝首脳会談の可能性も探ったとみられる。ただ、ドナルド・トランプ米政権には事前に伝えておらず、今後の日米連携に暗い影を落とす可能性もある。

 米紙ワシントン・ポスト(電子版)は28日、衝撃の「日朝極秘接触」のニュースを、関係者の話として伝えた。

 同紙によると、日本からは北村滋内閣情報官、北朝鮮からは南北関係を担当する統一戦線部の金聖恵(キム・ソンヘ)統一戦線策略室長が出席した。拉致被害者問題などについて協議したという。

金聖恵(キム・ソンヘ)統一戦線策略室長

 北村氏は警察庁出身で、第1次安倍政権では首相秘書官(事務担当)を務めた。民主党政権時代の2011年12月末に、内閣情報調査室(内調)を率いる内閣情報官となった。自民党の政権奪還後も留任し、「首相動静」の登場回数が断トツなど、安倍首相の信頼は絶大である。

 金聖恵氏は、金日成(キム・イルソン)総合大学出身とされるエリート官僚で、金英哲氏が5月、正恩氏の親書を持参して訪米した際に同行して注目された。統一戦線部は、CIA(中央情報局)とともに、6月の米朝首脳会談への事前交渉を主導した工作機関であり、金聖恵氏は実務責任者とみられている。

 トランプ大統領と正恩氏がシンガポールで行った米朝首脳会談で、正恩氏は「日本と対話する用意がある」と前向きに語ったとされる。拉致問題は、米国任せだけでは解決しない。そこで、北村氏と金聖恵氏による日朝極秘接触がセットされたようだ。

 官邸周辺は「正恩氏は昨年以降、米朝対話の総指揮を金英哲氏に一本化している。米国でいえば、金英哲氏は国務長官とCIA長官を兼ねているような存在で、北朝鮮の外交と諜報の両面で絶大な力を持つ。官邸とすれば、拉致問題の解決のためには、金英哲氏に絶対につながる金聖恵氏は、ノドから手が出るほど欲しいパイプだった。このため、本来は格が上の北村氏(=格的には金英哲氏と同等)を直々に接触させたと聞く」と語る。

金英哲氏

 この後、8月にも河野太郎外相が訪問先のシンガポールで、北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相と短時間接触した。

 安倍首相にとって、拉致問題の全面解決は悲願である。

 拉致被害者家族会の結成20年にあたる昨年、安倍首相は夕刊フジの独占インタビューに応じ、次のように語った。

 「13歳の少女(横田めぐみさん)を含む、多くの日本人が拉致され、今も北朝鮮でとらわれたままだ。この問題を解決するのは、安倍政権にとって最重要課題だ」

 「正恩氏に対し、『拉致、核、ミサイルの諸問題を解決しない限り、北朝鮮は世界からますます孤立し、明るい未来を描くことはできない』と理解させなければならないと思っている」

 「拉致問題を解決するために、あらゆる選択肢を検討する用意はある。一方、『対話のための対話』では意味がない。私と正恩氏が握手するショーのための会談は、むしろ行うべきでないと思う」

 2002年の日朝首脳会談にも、官房副長官として出席した安倍首相は、北朝鮮の欺瞞(ぎまん)性を熟知している。北朝鮮が何度も日本や世界をだましてきたことも体験している。

 このため、安倍首相は6月、官邸で拉致被害者家族と面会した際、「拙速にはやらない。北朝鮮が被害者をすべて帰すといったら(北朝鮮に)行く」と、慎重に語った。

 「北朝鮮の非核化」をめぐる米朝協議が停滞・難航するなか、拉致問題をめぐる日朝協議の進展も簡単ではない。

 加えて、日朝極秘接触が事前に知らされなかったことに、米政府当局者らは不満を高めているという。

 前出のワシントン・ポストによると、複数の米政府高官は、北朝鮮政策について日本と日々情報を共有しているにもかかわらず、日本政府が接触の計画を事前に伝えなかったことに不快感を示したという。

 官邸周辺は「情報の出方を精査する必要があるが、今回の(ワシントン・ポストへの)リークは、北朝鮮問題をめぐる日米連携に暗い影を落とす危険性がある」と語っている。

【私の論評】ワシントン・ポストでは相変わらずパンダハガーが勢いを維持している(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事における、ワシントン・ポストの報道はすぐに真に受けない方が良いと思います。

ワシントン・ポストには「複数の米政府高官は、北朝鮮政策について日本と日々情報を共有しているにもかかわらず、日本政府が接触の計画を事前に伝えなかったことに不快感を示した」としていますが、これが具体的には誰なのかについては触れられていません。

当然のことながら、日本が北と接触することは、内密に行われていたことであり、米国には全く知らせないか、知らせたにしても、ごく一部にしか知らせない可能性もあります。

仮にワシントン・ポストが比較的下の職位の関係者に複数確認を入れたとしても、知らないのは当然なのかもしれません。

もし、複数の関係者の名称が具体的にあげられていたら、このワシントン・ポストの報道はかなり信憑性があると考えて間違いないです。日本側の関係者の実名もあげられていれば、さらに信憑性があるものといえます。

それに、そもそも独立国である日本が、米国に対して日本の高官が、北朝鮮の比較的低い職位の関係者に会ったことまで、何もかも報告する義務があるのでしょうか。

日米関係については、日本は何でも米国の言うとおりとする識者も結構いますが、それは、あのTPP交渉において、そうとばかりはいえないことがはっきりしました。TPP交渉反対派の人々は、TPP交渉をすれば日本は米国の良いようにされるといって大騒ぎしましたが、その懸念はトランプ大統領がTPPから離脱し、そうではなかったことがはつきりしました。

無論、今でも日本は米国の大きな影響下にあることは否定しませんが、何もかも米国の言いなりというのは、正しくはないです。

なぜ、このようなことを言うかといえば先日も、ワシントン・ポスト氏はトランプ大統領に関して間違った報道をしていましたので、特に日米関係の報道は、信憑性が疑われるからです。

それについては、昨日のこのブログにも掲載しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
「真珠湾攻撃忘れないぞ」トランプ米大統領、安倍首相に圧力―【私の論評】日本のメディアは米国保守派の歴史観の変貌に無知(゚д゚)!
会談で握手する安倍首相(左)とトランプ米大統領=6月、ワシントンのホワイトハウス

詳細はこの記事をご覧いただくものとして、以下に一部を引用します。
米紙ワシントン・ポスト電子版は28日、トランプ大統領が6月にホワイトハウスで安倍晋三首相と会談した際「(第2次大戦の)真珠湾攻撃を忘れないぞ」と前置きした上で、難航している通商問題の協議を始めたと伝えた。異例の発言の背景には、対日貿易赤字の削減を目指し圧力を強める狙いがありそうだ。 
・・・・・〈中略〉・・・・・・・ 
一方多少まともに報道しているところもあります。これは、FNNの取材でわかったことですが、6月にアメリカで行われた日米首脳会談において、トランプ大統領は確かに「アメリカが日本の防衛費を負担して、対日貿易赤字も解消されなければ、ダブルパンチになる」と不満を表明しました。 
そのうえで、「真珠湾攻撃を忘れていない。日本も昔はもっと戦っていただろう。日本も周辺国ともっと戦うべきだ」と述べたのです。
この発言は、「日本が自国の防衛を強化して、アメリカの防衛費の負担を減らすべきだ」と、暗に求めたとみられます。 
関係筋などによると、この時トランプ大統領は、「日本はかつて真珠湾を攻撃したほどの軍事強国であったじゃないか」と言う意味で述べたもののようです。
日本は「防衛費をもっと増やすべきだ」という意味で発言したもので、通商問題で日本を非難する意味ではなかったとしています。
 また、トランプ大統領は、「パールハーバー」と発言したものの、「あのひきょうな攻撃を忘れないぞ」という批判的な意味、言い方はしていないとのことです。
外交上、際どい言葉は、異なる解釈を生み出すケースがあるため、そうした言葉が波紋を生んだケースだといえそうです。 
また、メディアとの関係もあります。トランプ大統領に対して批判的な米リベラル・メディアは、そういうふうに報道したというベースがあるとも忘れてはいけないです。
また、この記事では、 日本のパールハーバー攻撃を卑怯なだまし討とみるのではない見方もあることも掲載しました。米国では特に保守層では、真珠湾攻撃は日米両国がそれぞれの国益を追求した結果起こったものであるとして、日本を「侵略国」であると決めつけた「日本悪玉史観」は事実上、見直されているのです。

トランプ氏も保守派であることから、当然のことながら、こうした歴史観に立脚して「リメンバー・パール・ハーバー」という言葉を使っているとみるべきなのです。であれば、対日貿易赤字の削減を目指し圧力を強める狙いでこの言葉を使った事はありえないわけであり、ワシントン・ポスト紙によるトランプ大統領の「リメンバー・パールハーバー」報道はかなり偏向しているといわざるをえません。

ワシントン・ポスト紙は以前から、日本報道に関して、かなり偏向していました。たとえば、在米の複数の中華系団体は2016年8月15日付け付の米紙ワシントン・ポスト無料版に、日本最南端の東京都・沖ノ鳥島は「島ではない」と主張する意見広告を出しました。また、台湾が実効支配する南シナ海の太平島は「島」ではないとした7月の仲裁裁判所の判断は「不合理だ」と訴えました。

意見広告には台湾の大学の卒業生が組織したとみられる団体や、日本の戦争責任を追及する中華系の団体など台湾系を中心とするグループや個人が名を連ねました。仲裁判断への不満や、沖ノ鳥島を巡る異論を米国で認知させる狙いがあるとみらます。

このことから、ワシントン・ポストは、パンダハガー(親中派)が力を持った新聞であると考えれます。ちなみに、ワシントン・ポストは米国では発行部数が第5位です。

ルパート・マードック氏(左)と三番目元妻ウェンディ・トン氏(右)

一方米国で販売部数が第1位のウォール・ストリートはオーナーのルパート・マードック氏は三番目元妻ウェンディ・トン氏が、中国系であり、親中派であったとみられていますが、その後離婚しました。そのせいもあるのか、極端に親中的な報道をするということありませんでした。

そうして、今年の3月に、ウォール・ストリート紙は、ウェンディ・トン氏は「中国のスパイ」との疑惑を報じています。トン氏は米ドナルド・トランプ大統領の娘婿で、大統領上級顧問を務めるジャレット・クシュナー氏との親しい関係を利用して、トランプ政権内部の機密情報を入手し、中国共産党指導部に流しているというのです。

さらに、親中派の論客として知られ『鄧小平伝』も書いたデーヴィッド・シャンボー(ジョージワシントン大学教授)は大胆にも中国共産党の崩壊を予測し、「ウォール・ストリート・ジャーナル」(2015年3月10日)に寄稿していました。

これについては、詳細は、このブログにも掲載しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
中国寄りの専門家さえついに唱えだした「中国大崩壊」の論拠―【私の論評】ニッポン人中国スパイ、親中派、媚中派は速やかに転向せよ、そうでないと飯のくいあげになるぞ(゚д゚)!
デビッド・シャンボー教授
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、これはタイトルの通り、中国共産党による支配が、今後〈終焉に向かうだろう〉ことを、理由を挙げながら指摘したウォルストリート紙のコラムで。

これが世界的な話題となった理由の一つは、チャイナハンド(*注)と考えられた人物が中国の崩壊に警鐘を鳴らしたからです。中国に対するスタンスは本人も認めているようで、天安門事件後に体制崩壊と衰退が不可避だと主張する中国ウォッチャーがいるなか、より慎重な立場をとってきたとしています。

【*注:中国の立場を理解する外交官、ジャーナリスト、学者の総称】

つまり衝撃の正体は「あの中国にやさしい専門家さえ『危ない』といっている」という点にあったのです。

以前からこのブログで指摘しているように、米国の新聞は、全部がリベラル系であり、日本でいえば産経新聞がないといっても良い状況ですが、その中でも老舗のウォール・ストリート・ジャーナルは比較的まともな報道をしているといえそうです。

しかし、ワシントン・ポストはあいかわらす、パンダハガー(親中派)の勢いが強いのでしょう。

これは、同時に中国の現状の大変さを物語っているとも受け取れます。日米が協同して、中国を叩くということになれば、中国には太刀打ちできません。

中国としては何とかして、日本を味方に引き入れ、日本を親中派政権にして米国の経済冷戦をかわしたいと考えているのかもしれません。だからこそ、ワシントン・ポストを利用して、日米が離反するように仕向けている可能性があります。しかし、次の総裁選では安倍総理が圧倒的に有利ですから、そのような目論見は成就することはないでしょう。

これは、しばらく趨勢をみてみないことには、まだなんとも言えませんが、ワシントン・ポストの報道にはこういう背景があるということを知った上で、報道を吟味すべきと思います。特にワシントン・ポストを鵜呑みにする日本の報道には、留意すべきです。

【私の論評】


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