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2020年2月16日日曜日

いまは“政治休戦”して「新型肺炎対策」に集中! 感染拡大も政府の対応チグハグ…早急に体制立て直しを ―【私の論評】今は挙党一致で、武漢肺炎の撲滅と、革新的な危機管理計画を実行できる体制築くべき(゚д゚)!


     新型コロナウイルス対策本部の会合で発言する安倍首相。
     左は加藤勝信厚労相=1日、首相官邸

中国・武漢発の新型肺炎の感染が拡大するなか、安倍晋三政権の対応がチグハグだ。戦いはむしろ、これからが本番である。早急に体制を立て直すべきだ。

 例えば、武漢からチャーター機で救出した邦人の帰国費用、1人約8万円は政府が負担する方針という。当初は本人負担のはずだったのに、与党の一部が異を唱え、途中で方針転換した。

 政府が強制的に帰国させたならともかく、帰国は本人の意思を尊重した結果である。救援機が飛ばなかったら、すぐ帰れなかったのも明白だ。それなら、政府に感謝して、本人が負担するのは当然ではないか。

 公明党など与党の一部は「これは災難」「緊急事態に余儀なくされた結果だ」などと理由を挙げた。そんなことを言ったら、地震でも台風でも政府が全部、カネを出す話になりかねない。人気取りで言ったのだとしたら、とんでもない勘違いである。

 第1陣で帰国した中では、帰国後の検査を2人が拒否した。「強制帰国」ではなかった証拠である。政府の詰めが甘かったから、後になって右往左往している。

 外国人の入国制限についても、安倍政権は「湖北省滞在者の外国人」に限って制限する方針を決めた。これも甘い。武漢市長は都市を閉鎖する前に「500万人が街を出た」と認めている。中には、感染者もいたはずだ。

 それなら、感染者は上海や北京など他都市や外国にも散らばっている。入国制限の対象を湖北省に限っていたら、他からの感染を食い止められないのは自明である。

 安倍政権の入国制限は、世界保健機関(WHO)が「世界的な公衆衛生上の緊急事態」を宣言したのを受けて、発動された。そんなWHO頼みの判断自体が間違っている。WHOの事務局長が中国に甘いエチオピアの元外相で、中国に及び腰なのは、周知の事実ではないか。

 米国やオーストラリア、シンガポールなどは、いち早く「過去2週間以内に中国に滞在した外国人」の入国を制限した。日本も手遅れにならないうちに、制限対象を中国全土に広げるべきだ。

 細かい話で言えば、帰国者の宿泊を民間のホテルに任せたのも問題だった。ホテル側の善意は評価したいが、本来、これは政府の責任で「隔離と検査」を実施すべき話である。後になって、警察施設などが用意されたが、対応が後手に回ったのは否めない。

 政府の対応が甘いままだと、世界から日本に対する信頼を失いかねない。そうなったら、東京五輪・パラリンピックの開催も危うくなる。国際オリンピック委員会(IOC)が何を言おうと、選手たちが「日本に行きたくない」と言い出したら、おしまいだ。

 いま、日本は世界で一番厳しい防疫体制を敷いて当然の立場にある。必要があるなら、新規立法も検討すべきだ。

 与党内は「ポスト安倍」をめぐる思惑も交錯しているが、そんな駆け引きをしている場合ではない。いまは政治休戦して、新型肺炎対策に集中して取り組んでほしい。

 ■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務める。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。最新刊に『明日の日本を予測する技術』(講談社+α新書)がある。

【私の論評】今は挙党一致で、武漢肺炎の撲滅と、革新的な危機管理計画を実行できる体制築くべき(゚д゚)!
確かに、武漢肺炎の感染が拡大しているにもかかわらず、安倍政権の対応チグハグでした。そのためでしょうか、内閣支持率が下がっています。

共同通信社が15、16両日に実施した全国電話世論調査によると、安倍内閣の支持率は41・0%で、1月の前回調査から8・3ポイント下落しました。「桜を見る会」の疑惑に関し、安倍晋三首相が「十分に説明していると思わない」は84・5%と依然高く、首相の国会対応への批判が背景にあるとみられます。新型コロナウイルス感染拡大による日本経済への影響について「懸念」「ある程度懸念している」との回答が計82・5%に上りました。

支持率に関しては、森友学園問題を巡る決裁文書改ざん発表後の18年3月の調査で9・4ポイント急落して以来の大幅下落でした。回答は固定電話513人、携帯電話516人でした。

ただし、1月前回調査では、「桜を見る会」の疑惑も追求されいましたし、この頃はまだ新型肺炎に関しては、まだ報道されておらず、やはり新型ウィルス感染拡大への対処がチグハグなことが、大きく影響しているものと考えられます。

さて、危機的状況の時に過去の政権はどのように対応してきたのか、振り返って見たいと思います。疫病に関しては、今回のような規模では、現自民党以外の政権は経験したことはなく、地震による震災は自民党以外の政権でも経験していることから、比較のため震災の時の対応を見てみようと思います。

関東大震災のとき、総理大臣は交代中、内閣は不在でした。2011年3月11日には、日本を襲った100年で3度目の大震災ともいわれる大地震が発生しました。

2カ月前の3月11日、民主党菅直人首相は絶体絶命のピンチでした。

「献金については、事務所に確認したところ、いただいている」

午前中、参議院決算委員会で、背広姿の菅は苦しい表情で答弁しました。

2011年度予算は自然成立が決まったものの、予算関連法案は成立のメドが立っていませんでした。内閣支持率も20%まで下落した(2月21日発表の朝日新聞の調査)。

2月下旬から専業主婦の年金救済問題で迷走が始まりました。苦境が続いていたときに、首相自身の在日外国人からの違法献金疑惑が飛び出したのです。不人気のまま4月の統一地方選を迎えれば、惨敗必至で、4月下旬に進退極まる可能性がありました。

ところが、3月11日の午後2時46分、マグニチュード9.0の大地震が襲ったのです。防災服に着替えた菅は6時過ぎ、与野党党首会談に臨む。自民党の谷垣禎一総裁、公明党の山口那津男代表とも「全面協力」を表明し、一転して「政治休戦」となりました。未曽有の大災害で、「救国」「挙国一致」「総力結集」が世論になりました。一瞬にして事実上の大連立体制が出来上がったのです。菅は九死に一生で息を吹き返しました。

明治時代に建設された浅草にあった凌雲。震災当時日本で一番高い12階建ての建物だった

大震災は1923(大正12)年9月1日の関東大震災(マグニチュード7.9)、95(平成7)年1月17日の阪神大震災(同7.3)に次いで、この100年で3度目でした。関東大震災は死者・行方不明が10万5000人余、被害総額は約46億円(当時のGDPの約28%)、阪神大震災は6400人余、被害は約10兆円(GDPの約2%)、東日本大震災は約2万6000人で、被害総額は20兆円(GDPの4%超)を超えました。

関東大震災のときは、実は政権交代の真っただ中でした。8日前の8月24日、加藤友三郎首相が病没しまし。28日に後継の山本権兵衛元首相(海軍大将)に組閣の大命が下ったのです。政党側は第一党の政友会が内部分裂を起こしていて、山本の強力な指導力が求められ、9年ぶりに首相に返り咲きました。

   後藤新平。1857年生まれ。関東大震災後に内務大臣兼帝都復興院総裁。当初の復興案は、
   規模縮小を余儀なくされたが、今日の東京の骨格が造られた。

山本は9月1日の朝、東京市長の後藤新平を参謀役にして組閣を始めました。閣僚の人選を進めていたとき、午前11時58分32秒に大震災が襲いました。

内務大臣に決まった後藤は大蔵大臣に日本銀行総裁の井上準之助を推しました。翌2日に自ら日銀本店に向かいました。路上で井上の車と出合ったので、自分の車に乗せ、自邸に連れていって説得しました。

「未曽有の大震災が発生した。この惨状を目の前にして躊躇している場合ではない。復興には財政、金融における君の手腕がどうしても必要だ。大蔵大臣を引き受けてもらいたい」

井上は応諾しました。

後藤新平は、関東大震災後に与党立憲政友会の内務大臣兼帝都復興院総裁でした、当初の復興案は規模縮小を余儀なくされたが、今日の東京の骨格が造らました。もし、後藤新平の計画通りに、東京の復興がすすめられていたとしたら、大東亜戦争で米軍に爆撃されたとしても、東京は焼け野ヶ原にならずにすんだだろうといわています。

後藤新平の帝都復興計画は、それほど革新的なものだったのです。立憲政友会(りっけんせいゆうかい、旧字体:立憲政友會)は、戦前の帝国議会において日本最初の本格的政党内閣を組織した政党で、明治後期から昭和前期の代表的な政党です。略称は政友会(せいゆうかい)です。

関東大震災は正午前でしたが、阪神大震災は午前5時46分に発生しました。時の首相は自民、社会、新党さきがけの三党連立による村山富市で、史上2人目の社会党委員長でした。

村山は回顧録『そうじゃのう…』(辻元清美・インタビュー)で、地震発生は首相公邸で朝6時のNHKのテレビニュースを見て知ったと述べています。

「警察庁から来ている秘書官がおってだな。……7時半ごろ電話がかかってきて……被害の状況はわからんけれども、相当大きくなりそうですよというような意味の連絡があった。それで、僕は8時ごろ官邸に出た」

政府の災害の所管は当時、国土庁防災局でしたが、宿直を常備する体制ではなかったため、国土庁も担当する警察庁出身の首相秘書官の金重凱之が兵庫県の警察の情報に基づき、首席秘書官だった園田原三(元社会新報編集長)を通じて村山に連絡を入れました。園田が当日の村山の行動を振りかえっています。

「火曜日で、10時から閣議があった。総理は8時45分に官邸で報道陣にコメントした。その段階では被害状況を把握していない。午前中は甚大になる危険性ありというだけ。正午過ぎに死者203人と聞かされて、エッと驚いた。それからです」

被害状況の把握に手間取り、首相官邸の動きは鈍いものでした。被災者救出など政府の震災対策が本格化するのは、地震発生から6時間以上が経過してからで、初動の遅れに批判が集中しました。(文中敬称略)

阪神大震災

民主党の菅政権のときにも、様々な問題に対する対応が遅れがちで批判をうけました。結局菅政権は、崩壊し、民主党野田政権のときに、選挙で負けて、民主党は下野し、自民党の安倍政権が成立し今日に至っています。

東日本大震災の直後には、自民党の谷垣禎一総裁、公明党の山口那津男代表とも「全面協力」を表明し、一転して「政治休戦」となりました。ネットをみていると、東日本震災があっても、自民党は民主党をせめていたなどの記載などが散見されますが、それは単なる印象操作であり、震災直後からしばらくは、「政治休戦」体制が続いており、自民党が政権与党を徹底的に批判しだしたのは、復興の目処がたってからのことです。

今日の野党は、武漢肺炎が深刻になりつつあったときも「桜問題」で、安倍政権を追求し続けていました。

最近、この武漢肺炎がより深刻になってからも、「桜問題」を追求し、武漢肺炎でも、政権を批判しようとしています。

民主党政権時代の最大野党自民党とは、あまりにも違いすぎます。野党が一時的にでも「政治休戦」をせずに、与党を批判し続ければ、今度は野党に批判が集まり、野党の支持率は地に落ち、政権与党の支持率があがることでしょう。

そのような不毛なことはやめ「武漢肺炎」が、終息の兆しがみえるまでは、「政治休戦」をして、超党派で武漢肺炎の撲滅にあたるべきです。撲滅の兆しがみえたときに、「政治休戦」を採りやめれば良いのです。

そのようなこともせずに、今時のような危急存亡のときに、倒閣運動ばかりに力を入れていれば、やがて国民の怨嗟の声が、野党に向けられることになります。

自民党内も、「武漢肺炎」撲滅のため一致して事にあたるべきです。特に、親中派は、一時的にでも良いですから中国への忖度などはやめて、日本国の命を最優先して、とくにかく「武漢肺炎」を撲滅のため安倍総理に協力すべきです。

親中派も、この危急存亡のときに、中国に忖度を続ければ、日本も中国なみに、武漢肺炎の罹患者や死亡者が増えて、日本を危険に晒した首謀者として、国民から怨嗟の声があがることになるでしょう。

とにかく、今は挙党一致で、武漢肺炎の撲滅と、そうして後藤新平が革新的な帝都復興計画立案したように、革新的な危機管理計画を立案し、それが実行できる体制築くために邁進すべきです。

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2019年10月5日土曜日

韓国騒然!反文デモに“300万人”集結 「文氏を大統領の座から引きずり下ろす!」声を上げた退役軍人 識者「文政権の実態がバレ始めた」―【私の論評】文在寅政権は早急に雇用を改善しなければ、朴槿恵政権と同じく崩壊!その後の政権も同じ(゚д゚)!


 「反文在寅政権」を掲げる大規模デモ。ソウル中心部の青瓦台周辺を人の
 波が埋め尽くした=3日クリックすると拡大します

 韓国の首都ソウルで、想像を絶する大規模集会が開かれた。最大野党「自由韓国党」が3日、チョ国(チョ・ググ)法相の辞任や、文在寅(ムン・ジェイン)政権の打倒を訴える集会を開いたところ、「300万人以上」(同党広報室)が集まったというのだ。退役軍人会や、キリスト教団体、大学教授、学生らも参加した。チョ氏周辺のスキャンダルや、韓国経済の危機的現状、北朝鮮主導の「赤化統一」への警戒・拒否感から、文政権への批判が一気に高まっている。識者は「文政権崩壊の時限爆弾に火を付けた」と語る。隣国はまた動乱期に突入した。 


 「むいてもむいても(疑惑が)出てくる『タマネギ(男)』に、法相の資格があるのか!」

 自由韓国党の黄教安(ファン・ギョアン)代表は3日の大規模集会で、チョ氏絡みの疑惑が次々と浮上していることを受け、こう辞任を要求した。

 文政権が、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を一方的に決定したことについても、黄氏は「氏から関心をそらすためだったのではないか」と訴えた。北朝鮮が当日朝、新型潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を発射するなど、国民が自国の安全保障に不安を感じていることを踏まえた発言といえる。

 大規模集会は、ソウル中心の光化門(クァンファムン)広場で行われた。韓国の建国記念日「開天節」で祝日だったこともあり、中央日報(日本語版)などによると、光化門からソウル駅まで続く、長さ約2・1キロの10~12車線道路が開放され、「文政権打倒」「チョ法相辞めろ!」などを訴える人々で埋め尽くされたという。

 「300万人」といえば、茨城県(約290万人)や大阪市(約270万人)の人口より多く、実際より過大に見積もったとの見方が大勢だ。ただ、集会の写真を見る限り、日本では考えられない規模なのは確かだ。

 この大規模集会に、元韓国国防省北韓分析官で、拓殖大学主任研究員の高永チョル(コ・ヨンチョル)氏は「退役軍人」として参加した。

 高氏は「地元の左派系テレビは『3000人程度』と報じたが、とんでもない。150万人はいた。全国からバスが連なり、家族ぐるみで参加していた。人々は『文在寅、打倒!』を叫び、大統領府(青瓦台)まで行進した。800人程度が『決死隊』を名乗り、『命をかけて、文氏を大統領の座から引きずり下ろす』と声を上げていた。退役軍人も高齢者ばかりではなく、3分の1は兵役を終えて間もない20~30代だった。現場では『文氏が戒厳令を敷くかもしれない』と噂が流れたほどだ」と振り返る。

◆文政権の実態がバレ始めた

 ソウルでは先月28日、文政権が進める検察改革を支持する左派の大規模集会も開かれた。主催者は当時、参加者を「80万人」と発表した。中央日報は、今回の保守派集会の方が人数が多いと報じている。

 これまで、「反日」が目立った韓国だが最近、デモや集会の様相が変わってきているという。

 これは、文大統領が先月9日、娘の不正入学疑惑や、息子の兵役逃れ疑惑、私募ファンド投資疑惑などが連続炸裂(さくれつ)していたチョ氏を法相に強行任命してからだという。

 先月後半、ソウルのデモ・集会を取材してきたフォトジャーナリストの山本皓一氏は「超学歴中心社会や、兵役制度に苦しんでいる学生や若者たちの神経を逆なでし、激怒させたようだ」「赤化統一を進める文政権の実態もバレ始めた」という。

 山本氏は、ソウルの日本大使館前で、日韓関係の悪化を懸念する70~80人の中年女性によるデモも目撃したという。山本氏が撮影した写真を見ると、女性たちは「文政権は日本政府に謝れ!」と書かれた横断幕を掲げており、参加者が持つ紙には「文在寅は責任をとれ!!」「韓米日三角同盟解体するな」「亡国的反日扇動はもうやめろ」という言葉も踊っていた。

 保守派が3日の大規模集会を成功させたことで韓国は大きく動くのか。

 前出の高氏は「文政権は、今回の大規模集会で相当参ったはずだ。これまで文政権を支持していた人々も、『ウソつき政権』『詐欺政権』と言い出すなど大きく変わってきた。毎週土曜日には『反文』デモ・集会が行われており、今後も勢いを増すだろう。3日の大規模集会は、文政権崩壊の時限爆弾に火を付けたターニングポイントになった。朴槿恵(パク・クネ)前大統領が倒れたときと同じで、国民は『文政権もいずれ崩壊する』と肌で感じた」と語っている。

【私の論評】文在寅政権は早急に雇用を改善しなければ、朴槿恵政権と同じく崩壊!その後の政権も同じ(゚д゚)!

今日このようなことになることは、結構多くの人たちが予め予想していたのではないでしょうか。私もその一人です。実際このブログでも早い時期からそれを予想していました。その記事のリンクを以下に掲載します。
【韓国新政権】文在寅政権の最重要課題は経済や外交 韓国メディア「対日政策、全般的に見直し」と展望―【私の論評】雇用を創出できない文在寅もスキャンダルに塗れて自滅する(゚д゚)!

大統領に就任したばかりの頃の文在寅氏
この記事は、文在寅氏が大統領選挙に勝利して間もない2017年5月10日のものです。私は、この頃から文在寅氏はいずれスキャンダルに塗れて自滅すると予想していました。

これは、当てずっぽうではありません。なぜそのような予想をしたかといえば、当時発表した文政権の新経済対策を読んだところ、朴槿恵政権時代と変わらず、めぼしい金融緩和政策をしないということとを理解したからです。

金融緩和をしないということは、雇用を拡大しないと宣言しているのと同じです。日本でも、雇用=金融政策ということを理解しない政治家も多いですが、文在寅大統領も同じく全くそれを理解していません。

韓国では朴槿恵政権の頃から雇用がかなり悪化していたわけですから、新政権としては、いちはやく大規模な量的金融緩和を実行すべきでした。そうすれば、雇用は改善されたはずです。

であれば、韓国では根本的な雇用の改善は期待することもできず、結局それを実現できなかった朴槿恵政権といずれ同じ運命をたどるということは、予め予測できました。

ところが、文在寅政権は、その予測をはるかに上回りました。なんと、文在寅大統領は、金融緩和をしないどころか、最低賃金を上げるという政策を始めたのです。これは、さすがの朴槿恵政権も実施しなかったことです。

これは、金融緩和はせずに、再分配を拡大するという、日本でいう立憲民主党代表の枝野氏と同じ政策です。

この政策を実行したため、韓国では、雇用が回復しないどころか、激減してしまいました。こうなることは、最初からわかりきっていました。それについては、このブログでも何度か警告を発しました。

冒頭の記事では、金融政策などについては一言も触れず、今日の事態を招いた原因を、文政権の実態がバレ始めたからとしていますが、私はそのようなことよりも、文政権が雇用政策に大失敗したことが真の原因だと思います。

特に、朴槿恵政権でもみられなかった、金融緩和をせずに最低賃金をあげて、雇用を最悪にしてしまったことが最大の原因だと思います。

韓国では最低賃金そのものは本年も上昇しているが、引上げ率は引き下げざるをえなくなった

上のグラフは、韓国の最低賃金(時給)の推移です。2019年は引き上げ率はマイナスになってますが、最低賃金額そのものは上がっています。

これでは、最悪の事態を招くだけです。本来金融緩和をすれば、最初はパート・アルバイトや新人正社員の雇用が増えるので、最低賃金は下がることになります。韓国では逆になっています。金融緩和をしないというなら、最低賃金を下げたほうが多少は雇用は改善するはずです。

このようなことになるのは、何もマクロ経済理論を持ち出さなくなても、経済状況が何も変わらないのに、最低賃金だけをあげたらどうなるか理解できるでしょう。企業としては、売上を変えずに賃金だけ上げざるを得ないというのなら、何をするかといえば、新規採用を控えたり、リストラするしかなくなります。

日本では、金融緩和をはじめてから少しの間は、賃金が下がったので、立憲民主党の枝野代表などの野党の面々は「最低賃金ガー」などといって大騒ぎしていました。これでは、経済政策は文在寅と同レベルを言わざるを得ません。

いずれの国でも、他の政策がどうであれ、経済政策がうまくいっていれば、大多数の国民は政府を支持します。特に経済政策の中でも、雇用がある程度良い状態にあれば、多くの国民は政府を支持します。

雇用状況が満足できる状況であれば、他の政策が一切駄目でも、政府の成績は60点くらいにはなるでしょう。しかし、逆に雇用が駄目であれば、他の政策がどんなに良くても、国民にとっては落第点しかつけられません。

それは、まともに考えれば誰にでも理解できるはずです。雇用情勢がある程度良ければ、若者は先に希望が持てます。逆に雇用情勢が悪ければ、民主党政権時代の日本のように、悲惨な就職活動でいくら頑張っても内定がとれずに、多くの若者が希望を失ってしまいます。

そうして、このように雇用がかなり悪化していると、多くの人々が他の勢力によって容易に扇動されやすくなります。日本も戦後間もなく、雇用や経済状況が悪い時には、当時のソ連にかなり影響を受けましたが、経済・雇用がよくなってからは、ソ連の勢力は日本から一掃されました。

雇用を改善できなかったために、朴槿恵政権は様々な反朴槿恵勢力(当然北朝鮮の工作員やそのシンパを含まれる)によって崩壊しました。文在寅も雇用を改善しない限りそのような運命が待っているでしょう。

朴槿恵大統領退任要求の大規模デモ。主催者推定10万人を超える人数が集まり収拾付かなくなった。

それほど雇用は重要なのです。現在日本では、10月1日より消費税があがり、日銀はイールドカーブコントロールを導入して以来、金融引き締め気味ですが、それにしても緩和していることには変わりがなく、雇用情勢は悪化していません。そのためもあってか、安倍政権の支持率は悪化していません。

これからは、どうなるかわかりませんが、少なくとも文在寅政権のように、金融緩和せずに最低賃金だけあげて雇用を破壊するという馬鹿真似はしないでしょうから、文在寅政権や、日本の民主党政権の末期のようなことにはならないでしょう。

もし、文在寅政権が、政権設立直後から、金融緩和策を積極的に推し進めていれば、このようなことにはならなかったと思います。

そうして、今後いかなる政権が樹立されようとも、雇用を改善できない政権であれば、朴槿恵政権や文在寅政権と同じ運命をたどることになります。

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