ロンドンオリンピック、ビーチバレーボールの試合 |
【私の論評】不況のイギリスでは財政再建のため増税した後で増刷して、さらにオリンピックでも景気浮揚の効果はなくなったというのに、日本ではこれから増税とはこれいかに?
上の記事では、「オリンピックを見にロンドンを訪れる外国人観光客は10万人に達しており、過去のオリンピックでの実績を上回っている。しかし、ロンドンでは普通の年でも推定30万人の観光客を見込むことができ、これに比べれば見劣りする」と掲載されておらり、オリンピックによる短期的な景気浮揚効果の予測に疑問符ということを掲載していますが、この見方はあまりに一面的すぎると思います。
本当の原因は、もっと大きいところにあると思います。まずは、現在のEUの経済の状況をみてください。ギリシャの財政破綻に端をはっした、欧州の経済危機は様々なスペインをはじめ様々な国々に波及しています。この状況では、本来オリンピックで訪れるはずだった人たちも相当控えることになっているはずです。本来なら、過去に二度行ったロンドン・オリンピックなどはるかに上回るような人々もっとロンドンに訪れていたことでしょう。過去との単純比較は、成り立たないと思います。
さらに、もう一つの原因があります。それは、無論のこと、イギリス政府は、不況の最中に財政再建をすると称して愚かな付加価値税(日本の消費税に相当)を増税しました。そうして、その後、これは、日本とは大違いですが、イングランド銀行(イギリスの中央銀行、イングランド銀行)が大増刷を行いました。その後どうなったといえば、大増刷によっても、不況からは脱出できていません。やはり、増税が間違いあったことがはっきりしました。この環境下で、オリンピックなどの短期経済浮揚策をしても、あまり効果は期待できないということです。
イングランド銀行 |
イギリスのような不況に陥っている国では、財政赤字を是正するために、増税すべきであるとの、誤った考え方に従い、付加価値税を増税をしました。どうなったかといえば、無論のことさらなる景気の悪化です。その後イングランド銀行は、金融緩和措置として大増刷をはかりました。この増刷に対していわゆるリフレ反対派の人々は、インフレになると警告していて、実際、インフレ傾向が続いていました。そうして、リフレ反対派は、これを景気が悪くなったからといって、増刷すれば、インフレになるという持論の格好のケーススタディーとしていました。しかし、それが、最近では、インフレが収束しており、リフレ反対派の間違いが明らかになっています。そうして、イギリスの場合、増税は明らかな間違いであり、増税してしまった後のイングランド銀行の行動は正しいものであり、もし、大増刷していなければ、イギリス経済はさらに落ち込んだものと思われます。さて、インフレが収束しているイギリスのインフレ率、いくらくらいかといえば、2%前後です。これで、インフレ収束というのが、世界の常識です。にもかかわらず、日銀は、インフレ目処を1%としていますが、これすらも実行する気はありません。1%に到達しそうになると、すぐに、緩和措置をとめてしまいます。どこまでも、デフレ路線を突っ走っています。そうして、それを財務省はおろか、政府も止めることはできません。
イングランド銀行キング総裁 |
中央銀行の独立性とは、本来の意味では、「政府が決定した日本国の金融政策に従い、中央銀行は、その金融政策を実行する際の方法を選択できる」ということです。ところが、日銀が独立して以来なぜか、日銀は、この独立性に関して勘違いしたのか、他者(外国勢力も含む)の入れ知恵か、日銀に日本国の金融政策を決定するのが中央銀行の独立性であるとの考えを貫き、勝手に日本国の金融政策を自分たちで決定し、実行しています。
日本銀行 |
やはり、デフレから脱却するには、財政政策と、金融政策の両方が不可欠であることは言うまでもありません。
貧乏神(日本には、白川という貧乏神がとりついている!!) |
増税しても、今のままでは、日銀は、イングランド銀行のように増刷するなどということは考えられないので、デフレがさらに進行するだけとなり、このような経済環境の中では、いくら民間企業が努力しても、どうしようもなく、雇用などますます悪化するだけです。日銀が、これを放置しておけば、不況であるにもかかわらず、円高が進行し、企業はもとより、人も海外に市場を求めて出ていくことになり、ますます、日本は地盤沈下することは間違いありません。
そのような、愚かな増税は、イギリスの例をみるまでもなく、絶対に実行すべきでありません。そのためには、野田政権には、辞めていただくべきです。自民党の総裁選では、谷垣氏のような増税を主張する人にはやめてもらい、増税反対派の人を総裁にすべきです。それに、忘れてならないのは、日銀法を改正することを主張する政党や、人達を支持すべきです。この両方で、増税を阻止して、金融政策をまともにすれば、日本は必ず経済的復活を果たすことができます。
特に、今まで、一般の人たちも、政治家も、金融政策の重要性を見逃してきたと思います。たとえば、日本では、雇用対策というと、厚生労働省の管轄と考えられがちですが、本当の意味での雇用対策は、中央銀行の大きな役割の一つでもあります。なぜなら、中央銀行の金融政策一つで、雇用そのものが大きく増減するからです。実際、アメリカでは、中央銀行(FRB)の大きな役割の一つとして、雇用対策があります。ひらたくいうと、経済への影響や雇用のミスマッチなど無視して、インフレ率を2%上昇させたすると、日本や、アメリカのような大国では、そのとたんに数百万もの雇用がだまっていても発生します。
厚生労働省などの役割は、その後の雇用のミスマッチなどをどうするとか、労働環境をどうするかなどの問題を解決するのが、主要な任務であって、雇用そのものを生み出すことはできません。このような基本的なことが、政治家も理解できていなかったと思います。自民党など、金融政策の重要性を理解していれば、未だ政権与党の地位を保てたかもしれません。日本人以外の人とは、そんなことはないのですが、日本人の場合は、それ相当の立場の人とさえ、雇用問題に関して金融政策の話をしたりすると、怪訝な顔をされたことがしばしばあり、私自身が困惑したことも再三あります。それだけ、認識されていないという事だと思います。まあ、増税キャンペーンが徹底されている日本国では無理からぬところもあるのかもしれません。
金融政策は、経済に大きな影響を及ぼします。だから、日本がデフレから脱却するためには、増税阻止と、まともな金融政策を実施するための、日銀法改正は必要不可欠です。そのためには、立場を乗り越えて、多くの人達が結託すべきです。そのことについては、下に経済評論家上念氏の動画が詳しく、分かりやすく、解説しています。是非ご覧にって下さい。
以下に、上の動画の説明をコピペしておきます。
あまりにも強くなりすぎた日銀の独立性。この20年のデフレ脱却失敗の歴史を振り返れば、デフレ脱却のためには日銀法の改正こそが必要なのではないだろうか?新自由主義や社会主義などのイデオロギーを抜きにして、日本再生のために各党が結束する事を強く望みます。その第一歩と成りうるのか、みんなの党と社民党の「内閣不信任案」提出の動きなどと共に、政治の動きを解説していきます。とにかく、今の日本では、デフレを克服しなければ、先への展望など開けてきません。左翼、左派、中道、右派、右翼などのイデオロギーの違いなど乗り越えて、とにかく、増税だけは、何が何でもも阻止すべきであると思うのは、私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?
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