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2020年8月15日土曜日

終戦の日も侵入…中国の「尖閣暴挙」許すな! “開戦前夜”のようだった4年前の漁船団襲来 識者「領海に1隻も入れるべきでない」―【私の論評】中国の尖閣奪取は直近ではないが、中長期的には十分ありえる、日本はそれに備えよ(゚д゚)!

終戦の日も侵入…中国の「尖閣暴挙」許すな! “開戦前夜”のようだった4年前の漁船団襲来 識者「領海に1隻も入れるべきでない」

日本の領土尖閣諸島

日本は15日、終戦から75年を迎えた。戦没者を追悼し、平和について静かに考える日だが、今年はいつもとは違う。中国発の新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)は止まらず、沖縄県・尖閣諸島周辺海域には、連日のように中国海警局の武装公船などが侵入しているのだ。中国側が設定した休漁期間が終わる16日以降、中国漁船団が大挙して押し寄せる可能性も指摘されている。中国は2016年8月にも、尖閣周辺に200隻以上を送り込んできた。先人が残した日本固有の領土・領海を守り抜くには、口先の「遺憾砲」ではなく、そろそろ具体的行動が必要ではないのか。


「中国側は4年前、わがもの顔で尖閣の海を荒らした。中国側は、海上保安庁の巡視船の後方に自衛艦や米海軍が控えていると分かっていながら、強引に侵入した。日本には強烈なジャブになった」

海洋防衛に詳しい東海大学海洋学部の山田吉彦教授は、こう語った。

4年前の暴挙は後述するとして、中国海警局の公船4隻は、日本の「終戦の日」である15日朝も、尖閣諸島周辺の領海外側にある接続水域を航行しているという。尖閣周辺で中国当局の船が確認されるのは4日連続。

第11管区海上保安本部(那覇)によると、領海に近づかないよう巡視船が警告した。中国に「鎮魂の祈り」は通じないのか。

こうしたなか、中国の休漁期間明けの来週16日以降、中国漁船が大量に尖閣周辺海域に押し寄せ、日本領海を侵犯する危険性が指摘されている。

日本政府は先月、外交ルートを通じて「中国漁船が大挙して尖閣周辺に来ると日中関係は壊れる」と警告したが、習近平国家主席率いる中国政府側は「(尖閣は)固有の領土だ」と反発したという。4年前の凶行を繰り返すのか。

海保などによると、中国は16年夏の休漁明けに約1000隻の漁船団を出漁させた。同年8月初旬には、日本の四国ほどの広さの尖閣周辺の海域に、うち200~300隻を送り込んできた。

周辺海域に殺到した中国漁船と公船=2016年8月6日(海上保安庁提供)

漁船団に続けて、中国海警局の公船も周辺海域に侵入してきた。中には機関砲を搭載した武装公船もいた。同年8月8日、公船15隻が尖閣周辺で確認され、一部が領海侵犯した。一度に15隻は過去最多だ。

海保関係者は「中国漁船が多く、中国公船と連動して、現場の緊迫度が一気に上がり、一触即発となった。こちらは違法操業を確認すれば退去警告を連発し、船と船の間に割って入るなどして、何とか尖閣諸島を守り抜いた」と振り返る。

当時は「漁船には中国軍で訓練を受け、武装した海上民兵が100人以上、乗り込んでいる」「8月15日に尖閣諸島・魚釣島に上陸するようだ」との報道もあった。日本政府が抗議しても、中国側は挑発を続けた。現場海域は“開戦前夜”のような状況だった。

尖閣諸島は、歴史的にも、国際法上も、日本固有の領土である。

福岡の商人、古賀辰四郎氏が1884(明治17)年、探検隊を派遣し、尖閣諸島を発見した。その後、日本政府が他の国の支配が及ぶ痕跡がないことを慎重に検討したうえで、95(同28)年1月に国際法上正当な手段で日本の領土に編入された。

日本の民間人が移住してからは、かつお節工場や羽毛の採集などは発展し、一時200人以上の住人が暮らし、税の徴収も行われていた。

1951(昭和26)年のサンフランシスコ平和条約でも「沖縄の一部」として米国の施政下におかれ、72(同47)年の沖縄返還協定でも一貫して日本の領土であり続けている。

新型コロナで世界を大混乱させた中国は「力による現状変更」を狙っているのだ。

前出の山田氏は「中国は最近、尖閣が自国の施政下にあるとの主張を強めている。今度は4年前を上回る大船団を、より綿密に計画立てて尖閣周辺に送り込んでくるのではないか。海保巡視船にぶつけてくる危険性もある。日本は4年前の教訓をもとにガードを固め、領海に1隻も入れるべきではない」と語っている。



【私の論評】中国の尖閣奪取は直近ではないが、中長期的には十分ありえる、日本はそれに備えよ(゚д゚)!

共同通信は、本日以下のような報道をしています。
尖閣30カイリへ進入禁止、中国 休漁明け漁船に、摩擦回避か
 沖縄県・尖閣諸島の周辺海域で中国が設けた休漁期間が16日に明けるのを前に、東シナ海沿岸の福建、浙江両省の地元当局が漁民に対し「釣魚島(尖閣の中国名)周辺30カイリ(約56キロ)への進入禁止」など、尖閣への接近を禁じる指示をしていたことが15日分かった。漁民らが証言した。中国は尖閣の領有権の主張を強めているが、日本との過度な摩擦を避ける意向とみられる。  15日には日本の閣僚らが靖国神社に参拝しており、中国の反発は必至。指示が行き渡らない可能性もあり予断を許さない状況だ。  福建省石獅市の船長は「政治問題は分からない。当局には従う」と話した。
産経デジタル版でも以下のような報道をしています。
敏感な海域で漁労厳禁 中国当局が尖閣沖で漁船の管理強化 16日に漁解禁
   祥芝港(ブログ管理人注:中国福建省の漁港)を抱える石獅市当局は7月、「敏感な海域」に無断で入った漁船を厳罰に処すとの通達を出した。各漁船に対し中国独自の衛星利用測位システム「北斗」などに常時接続することも要求、漁船団の行動を綿密に把握する構えだ
 多くの漁業関係者は「敏感な海域」を台湾近海と認識しているが、実際は尖閣沖も含まれるもようだ。

一方、漁船乗組員の言(げん)さん(55)は「釣魚島は中国のものだ。今年も一部の船は行く。(接近禁止の)規制線は決められているが、こっそり規制線を越える船もある」と明かした。
 確かに、予断は許さないですが、ここ数日以内に中国漁船が退去して尖閣の水域にはいってくることはないのではないでしょうか。ただし、少数の漁船が入ってくる可能性は十分に予想されます。

そもそも、中国政府が日本政府に対し、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺での多数の漁船による領海侵入を予告するような主張とともに、日本側に航行制止を「要求する資格はない」と伝えてきたことをどう解釈すべきでしょうか。

沖縄県・尖閣諸島周辺海域には、確かに連日のように中国海警局の武装公船などが侵入しているという事実がありますが、もし本気で尖閣を奪取するつもりならそのようなことは全くせずに、黙って、駆逐艦や空母を派遣し、強襲揚陸艦なども派遣し兵員を輸送すればよいだけの話です。

もし、本気なら奪取の前に、わざわざ武装公船で挑発したり、ましてや大量の漁船の了解侵入の予告などするでしょうか。

そんなことは、おくびにもださず、何もせず、ある日突然上陸作戦を敢行するのではないでしょうか。第二次世界大戦中の連合軍によるノルマンディー上陸作戦もそうでした。

ノルマンディー上陸作戦

ノルマンディー上陸作戦に関しては、箝口令が敷かれ、カレーに上陸するように見せかける工作がなされました。

もし、中国が本気で尖閣を奪取しようとするなら、中国軍も日米にさとられないように、奇襲攻撃的に尖閣を奪取することを考えるのではないでしょうか。

ただし、中国という国は常識外れの国ですから、本当に「やるぞ、やるぞ」と言って実行してしまうかもしれないので、油断は禁物です。でも、その場合は犠牲が多くなるのは当然のことです。

犠牲を少なくして、奪取しようとするなら、隠密裏に行動して、いきなり奪取というのが一番です。

ただし、そのためには、直前の哨戒活動を行い、日本の航空機や艦艇や潜水艦の位置を確認して、奪取直前にあらかじめ上陸部隊に対する、攻撃を未然に防ぐべきです。

しかし、以前にも述べたように、中国の哨戒能力は日米よりも格段に劣っています。潜水艦のステルス性能は日米に比較して格段に劣っているので、中国の潜水艦や艦艇は日米に簡単に発見されてしまいます。これでは、中国側はどう考えてみても、隠密裏には行動できません。

このような軍事的背景があるのに加えて、こうした中国の動きに米国は強い警戒心を見せているということがあります。

米国は尖閣諸島は日本の施政の下にある領域であり、日米安保条約第5条の適用範囲だとの認識を持っているからです。

直近では、2017年2月に訪日したジェームス・マティス国防長官(当時)がこの点を明確に再確認、中国を念頭に「米国は尖閣諸島に対する日本の施政を損なおうとするいかなる一方的な行動にも反対する」と強調しました。

中国の尖閣諸島への威嚇行動が続く最中、米有力シンクタンク「ナショナル・ビュロー・オブ・アジアン・リサーチ」(National Bureau of Asian Research=NBR、全米アジア研究所、ロイ・カムパウザン理事長)が尖閣諸島防衛のための「日米統合機動展開部隊」常設構想を打ち出しました。

日本国内には尖閣諸島防衛のための陸海空3自衛隊を統合した常設の機動展開部隊を創設し、同部隊と在沖海兵隊との連携強化する構想があります。

しかし、米国サイドが一気に「日米統合機動展開部隊」を常設を提案するのは初めて。画期的です。

中国側がさらに尖閣で行動を強めると、こうした動きを加速させることも考えられるので、中国側としては、いたしかゆしというところなのでしょう。

中国海軍のロードマップでは、今年の2020年までには、第2列島線まで確保することになっているのですが、現実には尖閣諸島を含む第一列島線すら確保できていません。この列島線なるものは、単なる妄想にすぎなかったようです。


このように書くと、私は尖閣諸島の中国による奪取は、ないと考えているように聞こえるでしょうが、そうではありません。ただ、マスコミが煽るように今日明日はおそらくないだろう言っているだけです。数年後にはあるかもしれません。

それに備えるためにも、日本としても、何かをする必要はあると思います。ただ、尖閣が仮に奪取されたとしても、たとえば、日米の潜水艦で尖閣諸島を包囲して、近づく艦艇や航空機を最終的には破壊するようにすれば、尖閣諸島に上陸した中国軍はすぐにお手上げになります。


このアイディアは、以前このブログにも何度か提唱したことがあります。まともに、考えれば、こういう考え方になります。

なお、機雷というと、多くの方が、第二次世界大戦中の艦艇に接触して爆発する接触機雷を思い浮かべるでしょうが、現在は様々なタイプがあります。それについては、ここで説明していると長くなるので、他のメディアなどを参照していただきたいです。

ここで強調したいのは、海自の掃海能力(機雷を除去する能力)です。哨戒能力に関してはね、かつてはトップだったのですが、最近では米軍のほうが若干優れています。しかし、掃海の能力に関しては現在でも日本がトップです。

中国には掃海能力はありません。要するに、日本が機雷を敷設すれば、中国はそれを除去できません。これに対して、中国側が機雷を敷設した場合、日本はそれを除去できます。

おそらく中国はここ数年は、尖閣を奪取できないでしょう。ただし、何度も尖閣水域に侵入し、それを恒常化し、その次の段階では、実効支配を宣言するかもしれません。そうなってからでは、手遅れです。

日本としては、機雷敷設などのことも本気で視野にいれるべきです。機雷を敷設してしまえば、漁船はおろか、中国の駆逐艦や、武装公船も近づけなくなります。日本の海自の潜水艦や艦艇だけが近づけることになるでしょう。

【関連記事】

日米豪、合同軍事演習で中国威圧! 尖閣侵入「100日連続」…識者「日本は実効支配の強化へ公務員常駐を」— 【私の論評】日本は尖閣を守備できるし、奪取されても十分取り返せる能力がある!(◎_◎;)

2020年7月29日水曜日

中国の暴挙に釘を刺すポンぺオ国務長官声明— 【私の論評】南シナ海の中国軍基地を米軍が攻撃する可能性はあるし、攻撃すれば大勝利間違いなし!(◎_◎;)


岡崎研究所 

 6月13日、ポンペオ米国務長官は、「南シナ海における海洋権益主張に関する米国の立場」と題するブレス声明を発表した。中国の南シナ海での一方的な活動で困っているフィリピン、ベトナム、マレーシア、インドネシア及びブルネイ等ASEAN諸国とともに米国が同じ立場にあることを表明したものである。その要点を紹介する。
(参考:https://www.state.gov/u-s-position-on-maritime-claims-in-the-south-china-sea/)



・中国がフィリピンに対し、スカボロー環礁及びスプラトリー諸島に関する排他的経済水域(以下EEZ)を含む海洋権益の主張を行うことは法的に許されない。これらの地域は、国際仲裁裁判所によって、フィリピンのEEZないし大陸棚と認められたものである。この海域でのフィリピンの漁船に対する中国の嫌がらせや中国の一方的な資源開発は違法である。国際仲裁裁判所の判決によれば、ミスチーフ環礁やセカンド・トーマス礁はフィリピンの主権及び管轄権の下にあり、中国の法的領有権も海洋権益もない。

・従って、米国は、スプラトリー諸島の中国が主張する12海里の領海を認めない。同様に、米国は、中国が主張するベトナム沖のヴァンガード・バンク、マレイシア沖のルコニア環礁、ブルネイのEEZ及びインドネシア沖のナツナ諸島の海洋権益を認めない。中国による他国の漁業活動への嫌がらせや炭化水素開発等は違法である。

・マレーシアから50海里にすぎず中国から1000海里以上あるジェームス環礁に対する領有権またはそれに由来する海洋権益への適法な請求権を中国は有していない。中国のプロパガンダでは、ジェームス環礁が「最南端の領土」として出てくる。が、国際法は明確である。ジェームス環礁は、水面下約20メートルに位置するが、ここはいかなる国も海洋主張できないと国際法は定める。

 7月13日のポンぺオ国務長官の南シナ海に関する声明は極めて重要な意味を持つものである。国連海洋法条約に認められている権利を超えた中国の権利主張を包括的に否定したものであって、南シナ海問題に対する極めて適切な声明である。

 中国は猛反対をしているが、南シナ海ほぼ全域が中国が主権を有する地域であるかのような主張、いわゆる9段線の主張などは荒唐無稽と言わざるを得ず、こういう主張は厳しく反論すべきものである。中国外務省の報道官は「国際法上、中国の主張が正しい」と述べているが、単にそう述べたと言うだけで、それを立証することを何一つ言っていない。

 正当な主張はまず打ち出していくことが大切である。日本もポンぺオ声明を歓迎する声明でも出せばよい。

 1984年の中英共同声明を簡単に破るような中国を牽制していく必要がある。ヒトラーが1936年、非武装地帯とされていたラインラントに進駐した時に、米英仏が強硬に対応したら、ヒトラーがその後に起こったようなことを起こしたのかという歴史のIFを考えることがあるが、とんでもない主張に対しては時宜を得て、反対しておくことが大事であると思っている。

 南シナ海問題はまさにそういう問題である。中国に国際法違反、約束違反の代償を払わせる姿勢が今後の平和につながる。

【私の論評】南シナ海の中国軍基地を米軍が攻撃する可能性はあるし、攻撃すれば大勝利間違いなし!(◎_◎;)

豪政府は23日、中国が南シナ海における領有権や海洋権益を主張していることついて、「法的根拠がない」として中国の主張を正式に退けました。中国との緊張が高まる中、米国と今まで以上に足並みをそろえるかたちとななりました。

環礁を埋め立てて作った中国の軍事基地
オーストラリアはこの日、国連に宛てた宣言の中で、南シナ海の大部分を占める中国側の主張には「法的根拠がない」としました。中国側は反応を示していません。

何世紀も前から領有権があると主張する中国は近年、南シナ海の南沙諸島で人工島に基地を建設している。

ブルネイやマレーシア、フィリピン、台湾、ヴェトナムは中国の主張に反発しています。中国を批判する各国は数十年にわたり、領有権を争ってきました。しかし近年、海上での衝突がたびたび発生し、緊張は着実に高まっています。

中国は「九段線」として知られる広大な海域の領有権を主張し、人工島の建設や哨戒活動を通じてその主張を既成事実化しようとしてきました。中国は大がかりな軍事インフラを整備してきましたが、目的は平和的だと強調しています。


菅義偉官房長官は29日午後の会見で、南シナ海を巡り中国の広範な領有権主張は無効である指摘した米豪の共同声明に対し、日本政府として支持し歓迎するとの見解を示しました。

 菅官房長官は今回の声明に関し、地域の安全保障環境が厳しさを増す中で「米国と豪州の揺るぎないコミットメントを示すものである」と指摘。わが国として「歓迎し支持する」と明言しました。

 また、日本政府は法の支配の重要性を強調してきたとし、今後も関係国と緊密に連携していく方針を改めて示しました。 米国と豪州は28日、ワシントンで外務・防衛閣僚協議(2プラス2)を開催し、終了後に発表した共同声明の中で、中国による南シナ海での広範な領有権主張は「国際法に照らして無効だ」と指摘しました。

29日付の共産党機関紙・人民日報系の環球時報英語版は「南シナ海で軍事衝突の危険性が高まっている」という分析を伝えました。

中国軍をけん制するため米軍が南シナ海で軍事演習を実施し緊張が高まっており、中国が埋め立てた南シナ海の人工島を「米軍が攻撃するのではないか」という臆測も広がっています。

 北京のシンクタンクによると、米軍機が7月中旬以降、頻繁に南シナ海や中国周辺を飛行しているそうです。26日には米軍の哨戒機P8Aが福建省の領海まで約76キロの地点に接近しました。中国外務省の汪文斌副報道局長は28日の記者会見で「今年前半、米軍機は南シナ海で2000回以上の活動を行った」と述べました。

米軍の哨戒機P8A
北京大米国研究センターの王勇主任はポンペオ長官の声明について「米国が11月の大統領選挙の前に南シナ海で武力を使用する可能性を排除できない」と述べました。多維新聞は13日の声明が米国の南シナ海奇襲に対する法律的根拠を与えたものだと解釈しました。

 ポンペオ長官は25日にはツイッターで「南シナ海は中国の海洋帝国でない」とコメントしました。これを受け、米国が中国の総領事館を閉鎖したのに続き、次は中国のどこを狙うかを表したという評価が出ています。

 香港サウスチャイナモーニングポスト(SCMP)は26日、米軍が南シナ海にほぼ毎日3-5機の偵察機を送るなど、南シナ海と中国の海岸に対する偵察飛行を記録的な水準に増やしていると報じました。

 多維新聞は中国の専門家らを引用し、米国の最初の奇襲打撃対象は、現在中国軍が駐留していないスカボロー礁(中国名・黄岩島)になる可能性が高いと報じました。その次のターゲットは中国で南沙諸島と呼ばれるスプラトリー諸島と予想しました。

 中国が滑走路などを建設したファイアリー・クロス礁 (中国名・永署礁)とミスチーフ礁(中国名・美済礁)、スビ礁(中国名・渚ま碧礁)を攻撃した後、周辺暗礁をミサイルと大砲で破壊する可能性が高いということです。

最後には中国以外の国が支配を主張する暗礁などをB-52Hなど戦略爆撃機を動員して爆破し、南シナ海関連国の領有権主張紛争を解決するという手順だそうです。パラセル(西沙)諸島のウッディー島(永興島)などに戦闘機などを布陣した中国がどのように出るのかがカギになるとしています。

これに関し北京の外交筋は、米国がまず中国に南シナ海人工島に設置した施設の撤去を要求するはずであり、中国がこれを受け入れない場合は戦争を覚悟して武力を行使する手続きに入る可能性が高いと述べました。


私自身は、すぐに米中が南シナ海で軍事衝突するようなことはないと思いますが、周辺諸国と中国との紛争に米軍が巻き込まれ、軍事衝突にまでエスカレートする可能性は十分にあると思います。

それに、現状は選挙選で不利とも見られるトランプ氏が、それを打開することも目的として、環礁を爆撃などするということあり得ると思います。

何しろ、中国の軍事基地などというと、日本人の中には、屈強の兵士や軍人たちが、最新兵器を携えて待ち構えているかのように考えるところがありますが、そんなことはなく、米国の戦略家ルトワック氏は、「この中国軍の基地は、象徴的な意味しかなく、米軍なら5分で吹き飛ばせる」と語っていました。

そのような基地ですが、それでも、周辺の国々から見れば、大きな軍事的脅威ですが、米軍にとっては脅威でも何でもありません。

そもそも、この海域で、米中が本格的に武力対立をした場合、このブログでも述べたことがありますが、米中の対潜哨戒能力や、潜水艦のステルス性能が中国のそれより格段に混ざっているため、米軍の潜水艦は、南シナ海を中国に発見されることなく自由に動き回れるのに対して、中国の潜水艦はすぐに米軍に発見されてしまいます。

その後どういうことになるかといえば、中国の潜水艦も含む全ての艦艇があっという間に米軍により魚雷等で沈められしまうことになります。地上の兵器なども、潜水艦から攻撃できます。おそらく、今も南シナ海の深海に米軍の原潜が潜んでいるのはまちがい無いでしょう。

日本の潜水艦も、米軍よりもステルス性能では優っているので、東シナ海や南シナ海で中国側に探知されず自由に行動できるのですが、中国の潜水艦は日本にすぐに探知されてしまいます。日本の潜水艦は、南シナ海で哨戒活動など、米軍にかなりの手助けができるはずです。

この状況では、米中が南シナ海で、本格的に衝突すれば、中国艦艇は、即日南シナ海から姿を消すことになるでしょう。あとは、環礁を爆撃したり、しなくても、環礁の中国軍基地は、燃料も食料も水もなくなって、お手上げになるだけです。

米軍が勝利するのは、最初から決まっています。ただ、なるべく犠牲は出さないようにする必要があります。

それに、いずれかの時点で、局地戦で中国が実際にどのような動きをするのか、見極めておく機会も必要になるでしょう。

そのようなことを考えると、全くあり得ないことではないです。特に戦時中の大統領は、かなり選挙に有利なるという事実も忘れるべきではありません。

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2015年5月27日水曜日

【スクープ最前線】南シナ海で暴挙続けば米中開戦の恐れ 死に物狂いで“安倍潰し”に走る中国 ―【私の論評】今まさに日米が緊密に連携し中国の野望を打ち砕くことが、アジアの安定と繁栄を築くために、喫緊の課題である(゚д゚)!


2015.05.27

埋め立てが続くファイアリー・クロス礁 写真はブログ管理人挿入

米国と中国の覇権争いが顕在化してきた。習近平国家主席率いる中国が南シナ海での軍事的拡張に猛進するなか、オバマ大統領率いる米国がやっと攻勢に転じたのだ。中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は25日付社説で「(米国が工事停止を求めれば)南シナ海での中米戦争は不可避だ」と恫喝した。「中華思想」による覇権樹立を狙う中国の策謀と、「自由」「民主主義」「人権」「法の支配」という価値観を共有する日米同盟の深化・強化とは。「米中新冷戦」の最前線に、ジャーナリストの加賀孝英氏が迫った。

監視飛行を続ける米海軍P-8A哨戒機の内部

 「公平で平和的な紛争解決と航行の自由のために、米国はたじろぐことなく立ち上がる」「米国が(中国の)領有権の主張に特権を与えることはない」

バイデン米副大統領は22日、メリーランド州アナポリスの海軍士官学校卒業式での演説で、中国が南シナ海で人工島を次々と建設していることなどを列挙し、こう語った。明らかに中国の暴挙への宣戦布告だ。

ニュースサイト「フォーカス・アジア・コム」も23日、米中央情報局(CIA)のマイケル・モレル前副長官がCNNの取材に「こうした無謀な行動を中国が続けるならば、中国は米国と将来、間違いなく開戦に至る」と発言したという、シンガポールの華字紙の記事を大きく紹介した。

ご承知の通り、中国は現在、南シナ海のほぼ全域を囲む9つの線からなる「九段線」(赤い舌)を引き、国際法を無視して南シナ海の大部分を「自国の領海だ」と主張。領有権を争うフィリピンやマレーシア、ベトナムなどの周辺国を力で恫喝し、岩礁を埋め立てて軍事拠点を建設している。


米国はこれまで後手後手だったが、やっと本気で「中国の軍事的拡張阻止」に乗り出したかたちだ。米国防総省のウォーレン報道部長も21日、中国が人工島の「領海」と主張する12カイリ(約22キロ)内に、米軍の航空機や艦船を進入させると明言した。

当然のことだ。中国の南シナ海での暴挙は、日本固有の領土、沖縄県・尖閣諸島の強奪を狙って、中国艦船が卑劣にも周辺海域に連日侵入していることと、まったく同じ延長線上にある。日本としても、法と自由と平和を守る国際社会の一員として、シーレーンである南シナ海の自由航行を守るためにも、中国の暴走を断じて許すことはできない。

旧知の外務省関係者がいう。

「米国の姿勢が一変した。中国に対して強硬政策に転じた。中国を放置すれば『国際社会の主導権を失う』という危機感があるのだろう。バイデン氏の発言は、CNNが20日、南シナ海で警戒飛行している米海軍対潜哨戒機P8Aに同乗取材した際、中国側から8回も退去警告を受け、『You go!(出て行け)』などと罵倒された映像が公開されたことも影響している。世界の秩序を守ってきた、米国民の誇りが傷付けられた」

実は、米中関係はすでに水面下では大変なことになっている。米国は激怒している。以下、複数の米情報当局関係者から得た情報だ。

「コロンビア検察当局が今年3月、不審なキューバ行きの中国船を拿捕(だほ)した。積み荷の中に、火薬100トン、信管260万個、ミサイル99発、砲弾3000発以上が隠されていた。オバマ大統領は昨年末、キューバとの国交正常化に向けた交渉開始を決断した。その国交正常化を潰す『中国側の工作活動』との疑いがある」

「米司法省は19日、中国人6人を産業スパイとして起訴した。米連邦大陪審が昨年5月、中国軍のサイバー部隊『61398部隊』所属の5人を起訴、顔写真付きで指名手配して以来のことだ。実は、米国も関係したイスラエルの最新防空システム、弾道弾迎撃ミサイル、無人機の機密技術データも盗まれたとみられている。中国と米国はサイバー世界ですでに戦争状態だ」

そして、驚くなかれ、日本にも危機が迫っている。情報はこう続く。

「米大手セキュリティー会社が先月末、『61398部隊』以上の攻撃力を持つ、中国軍のサイバー部隊『61486部隊』の存在を報告した。彼らは米国だけでなく、日本も狙っている。機密情報の入手のみならず、あらゆる機能のシステムダウンを狙う最強部隊だ」

日本政府は、「昨年だけで、256億件のサイバー攻撃を受けた」という事実を確認している。だが、ある自民党幹部は「61486部隊」の情報を聞いて絶句した。

「日本にはまだ、(防御も含めた)本当のサイバー部隊が整っていない。万が一、2020年東京五輪のような国際的行事の時にシステムダウンさせられたらお手上げだ」

安倍首相が狙われている。中国は死に物狂いだ。その背景には、安倍首相の4月訪米が大成功し、日米同盟が深化・強化され、現実に動き始めたことがある。中国が世界の政治、文化の中心であり、漢民族は他民族に優越している、そんな「中華思想」に基づいて世界覇権を狙う中国にとって、これに立ちはだかる日米同盟は邪魔なのだ。

■加賀孝英(かが・こうえい)

【私の論評】今まさに日米が緊密に連携し中国の野望を打ち砕くことが、アジアの安定と繁栄を築くために、喫緊の課題である(゚д゚)!

上の記事で、指摘されていませんが、中国の軍事力は今のところまだまだの水準であり、米国には全く及ばず、それどころか、海軍・空軍力に関しては日本の自衛隊にも及ばない状況です。

もし、中国海軍と日本の海上自衛隊が戦えば、中国海軍はなすすべもなく崩壊します。これについては、このブログの過去の記事にも何度か掲載しました。特に現代の戦争で重要な、対戦哨戒能力に関しては、日本はトップクラスであり、中国の到底及ぶところではありません。

また、潜水艦に関しては、中国のそれは日本の自衛隊の敵ではありません。技術水準があまりにも低いため、たとえると、中国の潜水艦はドラ缶をガンガン叩きながら、自らの位置を敵に周知させながら、海中を進んでいるため、対戦哨戒能力に優れた、日本の自衛隊からすれば、その位置の補足は朝飯前ということで、中国の潜水艦は日本の敵ではありません。

それに比較すると、日本の潜水艦は、ハイテクを駆使して、スクリュー音が低く、中国の対戦哨戒能力では全く補足できません。だから、日本の潜水艦は、中国の監視の目など自由にかいくぐり、中国側に知られることなく、一方的に中国の艦船を撃沈することができます。

日本の潜水艦

たとえていえば、日本の自衛隊の潜水艦乗組員はゲーム感覚で自ら危険を感じることもなく、自由に行動して、中国の艦船を次から次へと撃沈できます。

さらに、中国の艦船は空母や、イージス艦もどきも含めて、非常に技術水準が低いので、日本のイージス艦の敵ではありません。

技術水準があまりに低いため、中国の艦船・潜水艦は日米と比較するとボロ船に過ぎません。この技術水準低さは、中国海軍をボロ船集団にするだけではなく、ボロ船をつくるにしても、それなりにカネはかかるので、経済を圧迫します。

中国のボロ船の代表格 空母「遼寧」

さらに、中国では長期にわたる、一人っ子政策により、無論人民解放軍の構成員のほとんど全部が一人っ子であり、脆弱です。さらに、昨日も述べたように、人民解放軍は、人民のための軍隊ではく、各地区の共産党の配下の私兵にすぎないどころか、その実体は日本でいうところの、利益を追記する商社であり、幹部も汚職まみれの悪辣な官僚であり、その士気は、到底日米に及ぶところではありません。

このように、中国が南シナ海で暴虐の限りをつくしていても、周辺諸国とはまともに対峙できても、日米にはまともに対峙することすらできません。

日本の自衛隊にも勝てない人民解放軍が、米国と対等に渡り合おうにも、最初から勝負が決まっています。実際に、戦闘になれば、なすすべもなく、中国人民解放軍は、米軍にあっという間に蹂躙されてしまうことでしょう。日米同盟と戦わば、あっという間に殲滅されます。というより、まさに人民解放軍兵士らの自殺行為といわざるをえません。

今まで、日本は尖閣列島で、中国が頻繁に領海・領空侵犯を繰り返しても、それに対して厳しい手は打ってきませんでした。というより、打てなかったという部分もあります。それが、軍事的に脆弱な中国をつけあがらせたのです。

彼らの腹の中は、尖閣で様々な示威行動を繰り返せば、日本国内に面倒だしうるさいから、尖閣くらい中国にくれてやれという世論がまきおこり、尖閣を戦わずして手に入れたいということです。

しかし、日本がこのようなことをしてしまえば、尖閣の次は、沖縄、沖縄の次は日本の西半分、しまいには、日本全部ということになりかねません。だから、日本は尖閣では、一切譲歩しないという姿勢を貫かなければなりません。

そうして、中国が一番恐れているのは、安部総理が軍事力を行使して、尖閣付近から中国の脅威を取り除くことです。

それは、米国に対しても、同じです。南シナ海で暴虐の限りを尽くせば、アメリカ国内に中国は面倒だし、うるさいからアメリカとは全く関係のない南シナ海くらいくれてやれという世論が盛り上がり、この一帯を戦わずして手に入れるということです。

しかし、そんなことをすれば、最初は南シナ海だけかもしれませんが、中国はどんどん覇権を拡張し、習近平がオバマと会談したときに、申しでたように、太平洋のハワイより西の部分を傘下におさめてしまうということにもなりかねません。

オバマ・習近平会談
そんなことは、到底アメリカは許容できるはずもありません。このブログにも何度か掲載してきたように、オバマは及び腰で、今まで中国のなすがままにさせてきましたが、オバマはともかく、アメリカ議会はこんなことではとんでもないということになるということで、今後は中国に対して厳しく対峙していくことになると思います。

このような南シナ海での中国の冒険など、日本国内では頻繁に報道されているにもかかわらず、国会では寝ぼけたような議論がされています。

特に、本日の維新の党の松野氏の安部総理に対する質問は、酷いものです。

党首討論で質問する松野氏
松野氏は質問の冒頭で、父・頼三氏が吉田茂元首相の秘書官だったエピソードを紹介。吉田氏の言葉として「(終戦直後は)貧乏な状態だから仕方ないが、松野君の時代に必ず自分の国は自分の手で守れる国をつくりなさい」と頼三氏に聞いたことを挙げ、「戦後70年、ある意味自分の国を自分の手で守ることを少し置き去りにしてきている」と述べました。

安倍晋三首相に理解を示すかとみられた松野氏でしたが、その後は「今なぜ法整備の必要があるのか」「何か危機が迫っているのか。なぜ急ぐのか」と首相を追及し、冒頭の発言と矛盾するような質問を連発しました。記者団には「全くかみ合わなかった」として安全保障関連法案への反対を示唆し、「完全野党」を鮮明にした形となりました。

松野氏が最初に語ったように、まさに日本は「戦後70年、ある意味自分の国を自分の手で守ることを少し置き去りにしてきた」のであり、さらに最近のオバマ大統領の及び腰が、現状の中国の南シナ海での横暴を巻いたのです。

現在の尖閣や南シナ海の現状をみれば、日米のすべきことははっきりしています。日米が連携して中国の野望を挫くことです。それには、集団的自衛権の行使は必須です。

先に述べたように、中国の軍事力は脆弱です。しかし、一つ忘れてはならないことがあります。中国は核兵器保有国であり、今でも中国の核弾頭は日本を狙っています。


中国の軍備増強が進む中、すでに核弾頭200個以上が保有されているとの見方が強いです。
今後10年で600個に増える見通しで、中国は英国、フランスなどと同水準の核保有国になり、米露の2大核大国に迫る可能性もあります。

日本の海上自衛隊イージス鑑は、米国での軍事演習で、一つのICBMに搭載された複数の核弾頭を全部を撃ち落とすという離れ業をやってのけました。それも、一回に及ばず複数回生功しています。だから、日本が、中国の核兵器に対してなすすべはあるのですが、それにしても、一発でも日本国内に落ちて爆発すれば、大惨事となります。

そんなときに、集団的自衛権を行使できれば、米国はすぐに対応できます。そうなっていることで、中国もなかなか日本に向かって核弾頭を打ち込むことはできないでしょう。さらに、米国の艦船などが攻撃を受けた場合、それが日本とつて甚大な被害を被りそうな場合は、中国に対して一定の措置をとることができます。

このようなことは、中国の野望を砕く上で、日米が連携する際に必要最低限のことだと思います。

このようなことを知って、松野氏はあのような矛盾した質問を安部総理に投げかけているのだと思います。本当におおいに失望しました。

集団的自衛権に関しては、当然のことながら、安部総理は有事のリスク管理を念頭に置いているわけですが、野党は松野氏をはじめとして、有事のことを話しているように見えて、結局のところ、平時における手続き論の延長線上でものを語っています。

中国が尖閣や、南シナ海で、暴虐の限りを尽くしている現在、そうして米国や、南シナ海の近隣諸国がこれに対峙しようとしてる現在、日本の野党はまるでこの出来事がなきかのごとくの間抜けた議論を繰り返しています。

日本の野党は、今まさに、日米が緊密に連携して、中国の野望を打ち砕くことが、アジアの安定と繁栄を築くために、喫緊の課題であることがみえていないでしょうか。

そんなことでは、いずれ、多くの国民の信頼を失ってしまうことに、彼らは気づいていないのではないでしょうか。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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