2020年7月28日火曜日

米国、中国に“宣戦布告”…米英が水面下で戦争の準備、テロ支援国家に指定の可能性も— 【私の論評】トランプの5人の騎士が、中共の息の根を止める!(◎_◎;)

米国、中国に“宣戦布告”…米英が水面下で戦争の準備、テロ支援国家に指定の可能性も
文=渡邉哲也/経済評論家

アメリカのマイク・ポンペオ国務長官

 アメリカと中国の対立が、お互いの総領事館を閉鎖し合うという異例の事態に発展している。

 アメリカがテキサス州ヒューストンの中国総領事館を「スパイ活動および知的財産窃盗の拠点」という理由で閉鎖し、対抗措置として、中国は四川省成都の米総領事館を閉鎖した。そのため、今度はアメリカが次に何をするかが注目される。仮に追加の制裁に動けば、中国も再び対抗し、応酬がエスカレートしていくだろう。

 ここで問題になるのは、「タイミング」と「さじ加減」だ。アメリカとしても、自国への悪影響を考えれば、時間をかけて段階的にデカップリング(切り離し)を進める方が得策だと思われる。マスク問題などにみられるように、日本を含む西側諸国は中国に依存している部分もあるため、急激なデカップリングは危険をはらむことになる。生産や調達の代替が可能になってからでないと、国内への影響が大きくなりすぎてしまうわけだ。

 しかし、時間がかかりすぎると、その間に中国はさまざまな方法でアメリカへの対抗手段を確保し、安全保障上のリスクが拡大しかねない。そのため、猶予期間は限られており、今は嵐の前の静けさとも言える状況なのだ。

 これらの背景には、中国が香港国家安全維持法を一方的に施行した問題がある。これは、香港に保障されていた「一国二制度」を反故にすると同時に、自由主義社会への挑戦状とも言えるものである。

 アメリカのマイク・ポンペオ国務長官は演説で「習近平国家主席は破綻した全体主義思想の真の信奉者」「中国共産党から自由を守ることは私たちの時代の使命」などと語り、対中強硬路線を改めて打ち出した。これは、事実上の宣戦布告といえる発言だろう。

米英と中国の対立が激化、戦争の準備へ

 また、悪化する米中関係に、香港問題の当事者であるイギリスおよびイギリス連邦が加わる形で混迷を極めている。

 イギリスは香港に居住する約290万人の「英海外市民」について、ビザなしでイギリスに滞在できる期間を6カ月から5年間に延長し、市民権の取得を促す緩和策を発表した。また、香港政府と結んだ犯罪人の引き渡し条約の停止を表明し、2027年までに中国企業の華為技術(ファーウェイ)を次世代通信規格「5G」から完全排除する方針を決定した。

 これらの動きに猛反発した中国は、英海外市民が持つ旅券を「有効な旅券として認めない」と表明し、さらに追加措置の行使も示唆している。イギリスおよびイギリス連邦としては自国の旅券を否定されたことになり、これは戦争の理由として十分なものだ。今後は、相互主義に基づき、中国の旅券を無効化するかどうかが注目されるが、その場合は香港市民の出国に大きな制限が課せられることになってしまう。

 また、ポンペオ国務長官はイギリスのボリス・ジョンソン首相、ドミニク・ラーブ外務大臣と会談を行い、香港問題などでの連携を確認し、中国と対峙するための連合構築も示唆した。さらに、アメリカのマーク・エスパー国防長官は年内に訪中し、対話の手段を探る意向を示しているが、これらの動きは戦争の準備行為とみることもできるだろう。


 そもそも、領事館や大使館の閉鎖というのは宣戦布告の正当な理由となる行為であり、戦争の前段階と言える動きだ。


 また、中国が国家的に、全米の領事館を通じて極左暴力集団「ANTIFA」や黒人差別に対する抗議デモ「「Black Lives Matter」を主導し、援助したとの報道も出てきている。アメリカはこれらの動きに対して背後関係を含めて徹底的に調査するとしており、事実関係が確認されれば、国内のテロ行為の陽動および支援ということで、テロ支援国家の指定に向けて動き出すことも考えられる。


 テロ支援国家に指定された場合、輸出管理におけるアメリカ原産の割合が25%から10%にまで引き下げられ、ハイテク関連製品などの輸入はほぼできなくなる。また、金融制裁など追加オプションを発動する大義名分にもなり、中国に対して北朝鮮と同様の処置が可能になるわけだ。

 米中対立は、今後も予断を許さない状況が続きそうである。

(文=渡邉哲也/経済評論家)

【私の論評】トランプの5人の騎士が、中共の息の根を止める!(◎_◎;)


トランプの5人の騎士が中共をこらしめる?

ここ最近立て続けに、オブライエン補佐官、FBIのレイ長官、バー司法長官が、相次いで対中政策の演説を行ないました。また、中国共産党を厳しく批判してきたポンペオ国務長官も、上の記事にあるように、演説をしました。

オブライエン氏は6月24日、アリゾナ州フェニックス市での講演で、「中国共産党がマルクス・レーニン主義を信奉する全体主義の政党である」「習近平主席は自分をスターリンの後継者としている」と述べ、「米国が中国共産党に対して受動的で未熟な時代は終わった」「中国共産党の信条と陰謀を暴くことは、米国人だけでなく、中国人や世界の人々の福祉のためでもある」としました。

FBIのレイ長官は今月7日、米シンクタンク・ハドソン研究所での演説で、中国共産党の対米攻勢について、民主国家への勢力浸透、秘密情報網の構築、大量のサイバー攻撃などあらゆる手段を用いたことで、米国経済および国家安全に計り知れないダメージをもたらしたと述べました。

同氏によると、中国共産党によるスパイ活動は2500件に達し、この10年で中国がらみの経済スパイは1300%増加したそうです。約10時間ごとに中国人が関わるスパイ事案が発生しているといいます。

バー司法長官は16日、ミシガン州での講演で、中国共産党の世界征服の野望にいかに対応するかが、21世紀に向けて全米ひいては全世界が直面する最も重要な議題であるとし、「世界の偉大な古代文明の一つを鉄拳で支配する中国共産党は、中国の人々の計り知れない力、生産性、創造性を悪用し、ルールに基づいて構築された世界秩序を覆そうとしており、それによって世界で独裁政権が定着することを目指している」と述べました。

それに続き、ブログ冒頭の記事にもある、27日のポンペオ長官の演説です。

米トランプ大統領の元首席戦略官のスティーブ・バノン氏は7月20日、米FOXニュースとのインタビューで、トランプ大統領は中国共産党に対して「一貫性のある計画」を持っており、それによって中国共産党を解体していくとの見解を述べました。

同氏によると、まず中国共産党と「対抗」し、次に中国共産党を「崩壊させる」という2つのステップで計画を進めている。「最初に立ち向かい、それから中国共産党を打ち負かし、彼らの虚勢を暴くという総合的な作戦を目にすることになるだろう」というのです。

バノン氏は、トランプ大統領の陣営が、中国共産党の脅威に対抗するため、ロバート・オブライエン国家安全保障担当大統領補佐官、クリストファー・レイ連邦捜査局(FBI)長官、マイク・ポンペオ国務長官、そしてウィリアム・バー司法長官という「四騎士」を配置していると述べました。

「この4人は、技術や情報戦、経済戦で中国共産党と対峙するほか、同盟国とともに南シナ海で開放的な海洋秩序を構築し、中印国境紛争でインド側を支援するなど、一貫性のある包括的な戦争計画を立てている」

トランプ政権が、中国共産党の脅威に対抗するため、配置した「四騎士」

また、バノン氏は「私は財務長官の参戦を望んでいる」と述べ、「この戦争計画はすでに目の前に浮かんでいる。米国に侵入した中共ウイルス(CCP Virus、新型コロナウイルス)と同じレベルの一貫性を維持する必要がある」としました。

南シナ海では依然として緊張の高まりが続いています。17日付けの米政府系メディア、ラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、最新の衛星画像で、中国当局が南シナ海のパラセル諸島最大の島であるウッディー島(中国名・永興島)に、戦闘機8機を配備していることが確認されたといいます。

米軍も南シナ海への軍事関与を強化しています。米海軍の「ニミッツ」と「ロナルド・レーガン」のニミッツ級航空母艦(原子力空母)2隻は17日、南シナ海で2回目の演習を行いました。また、米空軍のE-8C偵察機1機が過去1週間で4回も、中国の海岸に対して接近偵察飛行活動を行ったのは極めて異例のことです。

マーク・エスパー米国防長官は21日、中国共産党が過去1年間に南シナ海で軍事的挑発行為を繰り返し、地域的緊張を高めているとし、中国共産党と対峙する可能性に備え、アジア全域に米軍を配置していると述べました。

このブログでは、様々な根拠から中国は、世界のいずれかで局地戦を行う可能性が高いことを主張してきました。

トランプ政権による、四騎士の配置は、これに対する牽制と、中国が何らかの局地戦や米国へのテロ攻撃、浸透工作などを実施した時の、備えであると考えられます。

安全保障関連だけではなく、司法や、国内の治安維持も含めた総合的対応を目指していることを示すものです。従来は、中国にはサラミ戦術などでしてやられてきた米国ですか、今度はたとえサラミ戦術であろうとなんであろうと、中国が何か行動に出た場合、それを最終的には軍事力を用いてでも絶対に阻止するという意思の現れです。

さて、バノン氏は5番面の騎士としての財務長官の登場を望んでいるようですが、これはどういうことかといえば、中国による対米投資の本格的な制限等を実行することを意味していると解釈できます。いやそれどころか、中国が所有する米債権の無効化や、ドルと人民元の交換停止などの、措置もあり得るかもしれません。

5人目の騎士? ムニューシン米財務長官
ただし、現状では、ブログ冒頭の渡邊氏の記事にもあるように、「タイミング」と「さじ加減」から行って、本格的な財務的措置は、今のところ米国にとっても害が大きすぎると考えているのでしょう。

米国としては、米国と中国デカップリング(切り離し)が進んだ段階で本格的な財務的制裁措置を行えば、米国にとっても害が少なくなると考えているのでしょう。

今の段階では、四人の騎士が、中国が米国外であろうと、米国内であろうと、何か手を打って来た場合、迅速に対応できる体制ができていることを表明したという段階でしょう。そうして、実際に何かが起きれば、迅速に手を打つでしょう。

そうして、何かが起これば、この四人は互いに緊密に連携して対応をするというような、愚かなことはしないでしょう。そんなことをすれば、”Too Late”ということになりかねません。

この四人は、何かが起これば、自分ができる範囲の中ですぐに行動を起こし、その後に連絡を取り合うことになるでしょう。これで、どのような中国の迅速な動きも、制することができるでしょう。

そうして、いずれ5人目の騎士、ムニューシン米財務長官が加わり、米国による中国への本格的制裁が始まることになるでしょう。

最後の財政的制裁措置に関しては、すぐに全部を展開することはないとしても、大統領選挙の前に、かなり衝撃的な手を一つくらいは、打つ可能性があると思います。

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