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2020年4月20日月曜日

コロナ危機、日本は本気で「中国からの撤退と北朝鮮崩壊」に準備せよ―【私の論評】中国人民解放軍にも中国ウイルスの感染者が存在する可能性が大(゚д゚)!

コロナ危機、日本は本気で「中国からの撤退と北朝鮮崩壊」に準備せよ
お人好しではコロナ後を生き抜けない
大量難民は日本にとって対岸の火事ではない

世界はエデンの園の皮を被ったゴッサムシティだ

柔道・レスリングなどのスポーツの国際試合で、ケガをしてサポーターを巻いた部分を執拗に攻撃する外国人選手がいる。日本人にとっては「卑怯」な行為である。しかし、実のところ「水に落ちた犬はたたけ」は、世界共通のコンセンサスなのだ。

(自称)儒教国では「強いものが権力を握る」のが当然だから、ケガをした弱者をいたぶるのは別に悪いこととされてはいない。先進国と呼ばれる国々でも、建て前では弱者保護を唱えながら結局本音は「強いものが勝つ」なのだ。

象徴的なのは「ルールの解釈」だ。多くの日本人は「ルールを破らないように(ルールの)内側で行動する」が、日本以外の国の人々は「ルールを多少はみ出しても、ペナルティの笛が鳴らなければOK」という考えが主流である。つまり、明確に「反則」と判定されるまでは「有効」なのである。

最近、第2次冷戦、ウイルス戦争、第3次世界大戦という言葉をしばしば聞く。そのような騒然とした環境の中で、日本だけが武士道の精神にのっとって「ルールの内側」だけで考えていては、国家の破滅を招きかねない。

1274年と1281年の2度の元寇の際、武士たちは正々堂々と名乗りをあげてから、集団戦法の並み居る大軍に一騎打ちを挑んだ。たぶん「生きては帰らぬ覚悟」で数千、数万の軍団に単身で向かった武士たちは、攻める側にとっては特攻隊の飛行機のように恐ろしかったに違いない。

日本の勝利に彼ら勇敢な武士が貢献したことは確かだが、神風が吹かなければ日本が勝ったとは思えない。

戦争に負ける悲惨さは、第2次世界大戦における敗戦で多くの日本人が味わったが、GHQが占領してくれたおかげでかなりマイルドなものになった(対共産主義の前線基地になったという幸運もあったが……)。

もしもソ連が占領(少なくとも日本の北半分はそうなる可能性がかなりあった)していたら、まさに日本はスターリンの「収容所群島」(アレクサンドル・ソルジェニーツィン作)ならぬ「収容所列島」になっていたであろう。

また、東日本大震災に続いて、今回も執拗に尖閣諸島近辺などでの侵犯行為を繰り返す火事場泥棒の共産主義中国が日本を侵略し、ウイグルやチベットのような統治を行う可能性を考えるとぞっとする。

戦後75年間日本の平和が続き、オールドメディアによって偏向させられた情報があふれていたために、(グローバル)世界は、まるでエデンの園のような世界だと思わされてきたが、実はゴッサムシティ(アメリカンコミック『バットマン』に登場する米国の架空の都市)のような場所であることが明らかになってきている。

むしろエデンの園は「日本」であり、我々はゴッサムシティの侵略と闘わなければならないのだ。

敵に塩を贈るのは日本人だけだ……

オールドメディアが「大変だ」と大騒ぎして多くの国民の不安やイライラを増幅させ、国民同士の関係をぎすぎすしたものにしている。もちろん大変な状況なのは間違いないが、だからこそ政府を含めた国民が一丸となって困難に立ち向かわなければならないのだ。

そもそも中共(武漢)肺炎の火元は、共産主義中国であり、米国では中国に対して損害賠償を求める動きが活発化している。

また、4月17日公開の「マスク不足の真犯人は誰だ! 中国共産党政権の火事場泥棒を許すな」で述べたように、実質的に日本から奪ったマスクで、他の国の足元を見る不当な取引を行っている。

4月14日に、大阪市の松井一郎市長は、大阪府内の医療現場で防護服が不足していると訴え、「使用していない雨合羽があれば、ぜひ大阪府・市に連絡してほしい」と提供を呼びかけている。それほど切羽詰まっているのである。

思い出されるのが、2月4日に自民党の二階俊博幹事長の要請を受け、東京都の小池百合子知事が、共産主義中国に贈呈するため、追加で日本政府に防護服を提供する意向を伝えた「事件」である。

小池氏によれば、都はこれまでに防護服2万着を提供し、さらに5万から10万着を贈る用意があると発言したが、結果的に合計33.6万着も送付したと伝えられる。

前述の大阪のような事態が東京も含めた全国で生じている中での行為だ。都民(国民)の血税で備蓄された防護服を尖閣への「火事場泥棒」的な侵犯を繰り返す国に贈呈した罪をオールドメディアが取り上げないのはどのように考えてもおかしい。

さらに、日本のテドロス(WHO事務局長)と呼ぶべき二階氏の罪は重い。共産主義中国からの入国禁止が遅れ水際作戦が危機に陥ったのも、自民党内で権力を持つ媚中派の二階氏が暗躍したためと言われる。

安倍首相の中共(武漢)肺炎対策を批判する声が多いが、オールドメディアが「アベ憎し」の一念から、モリ・カケ、さくらに続いてウイルスまで持ち出して政権打倒をはかっているだけではない。自民党内の二階氏をはじめとする媚中派なども足を引っ張る中でかなり健闘していると思う。

「有事」の現在我々が行うべきことは、日本侵略を虎視眈々と狙っている共産主義中国と対峙するだけではなく、日本を内側から侵食する「媚中派」を一掃することである。

本当の有事になる前に撤退すべし

日本政府は、中共(武漢)肺炎の感染拡大で製造業のサプライチェーンが寸断したことを受け、生産拠点が集中する中国などから日本への国内回帰や第三国への移転を支援する。緊急経済対策の一環として総額2435億円が2020年度補正予算案に盛り込まれた。

オールドメディアから、額が少ない云々の話が聞こえてくるが、どちらにせよ中国大陸からの撤退は緊急かつ必然なのだから、政府の支援を有り難く頂戴すべきだ。

そもそも、共産主義中国に最初に進出した時の日本企業の考えが甘い。米国とイランあるいはキューバとは犬猿の仲だが、その大きな理由に過去両政府が行った米企業の資産接収がある。

1978年のイラン革命で、パーレビ政権と蜜月関係を維持していた米企業の資産は、イスラム革命で権力を握った新政府に接収された。もちろんイラン大使館人質事件で世界に恥をかかされた恨みもある。

キューバでは、1959年に親米バティスタ政権を倒したカストロ氏が主導権を握り、サトウキビ農園(多くの地主は米国系)の解放を行った後、1960年に米国企業を接収して国有化している。

この資産接収を行ったキューバへの恨みは深く、トランプ政権になってからキューバ自由民主連帯法(通称:ヘルムズ・バートン法)第3章の適用除外を2019年5月2日に廃止。当時接収された資産を利用して、直接または間接的(第三者経由)に利潤を得る商業行為をする企業に対して、当該資産の米国人所有者が米国の裁判所に損害賠償訴訟を起こすことを可能とした。

つまり、60年ほど前に接収した資産が第三者の手にわたっている場合でも損害賠償を可能としたのだ。

世界一の軍事大国でさえ、共産主義(イスラム)国家に煮え湯を飲まされるのだから、軍隊を持たない(自衛隊はあるが……)日本という国の企業資産がどのように蹂躙されるのかは、想像するだけでも恐ろしい……

さらに、製油所を始め外国企業の資産の国有化を行うのは多くの(共産主義)独裁国家で日常茶飯事といえる。

北朝鮮もイランも

イランは中共(武漢)肺炎の直撃で困難な時期を迎えている。米国にたてつく余力などない。

北朝鮮政府の発表によれば「中共ウイルスの感染者はゼロ」だが、これは大本営発表よりもさらにひどい「共産党発表」だと考えて間違いないだろう。もっとも、感染の疑いのある人間をすべて処刑すれば「感染者ゼロというのはまんざら嘘ではない」というのも事実だが……

苦し紛れにミサイルを打ち上げ花火のように乱発しているが、世界はそのようなことにかまっている暇はなく、ほぼ「無観客試合」だ。

イランも北朝鮮も、結局自滅するしか道がないように思えるが、北朝鮮の自滅は日本にとって脅威だ。

まず、日本海防衛

つまり、北朝鮮が崩壊してウイルスに感染した難民が大挙して日本海を超えてきたらどうする? ということだ。しかも、指揮系統が乱れた「元軍人」が武装したままやってくることも十分考えられる。

共産主義中国は、すでにウイルスを抑え込んだような顔をしているが、すべてが隠ぺいされる国家では何が本当かわからないし、再流行の可能性はかなり高い。

北朝鮮と地続きの中国大陸の混乱がひどければ「エデンの園」である日本へ海を渡るというリスクをとってやってくる人々が増えるであろう。

日本海側に居住する方々は、夜も眠れない日々が続くかもしれない・・・・

本来であれば、今回の中共(武漢)肺炎騒動までに、憲法改正を含む国防問題を解決しておくべきであった。詳しくは、12月12日の記事「日本は侵略されて初めて『憲法改正』を行うつもりなのか…?」を参照いただきたい。

しかし、今からでも遅くはない。緊急時に憲法改正など……という声もあると思うが、ウイルスで弱体化した日本に対する海外からの侵略の脅威が目の前にあるからこそ、憲法改正を含む防衛問題の改善を急ぐべきなのだ。

「エデンの園」である日本は、世界中の野獣から狙われている。世界ルールは「水に落ちた国はたたけ」ならぬ「ウイルスで弱った国は侵略しろ」なのだ。

いつまでもお人好しでいれば、日本人はアダムとイブのようにエデンの園を追われることになる。

【私の論評】中国人民解放軍にも中国ウイルスの感染者が存在する可能性が大(゚д゚)!

中共による、個人財産の接収はすでに始まっています。中国広東省の広州市と深セン市において、緊急時に個人資産を没収できるような法律制定されました。

中国共産党という組織のことを理解している人間からすれば驚くべきことではないですが、他の地域では、既に法的な手続きを踏まないで、個人資産を強制的に没収しているようです。

現在の中国では、地方政府が法律を制定したり、個人資産を没収したりしていますが、没収した資産は、各地の中国人民解放軍の管理下に入っているようです。そのうち、中国全土の個人財産が軍の管理下に入れるという可能性も否定できません。
中国では、中国ウイルス感染前から経済が悪化しており、社債の債務不履行が増えていました。直近でも、巨大企業の海航集団(ドイツ銀行の筆頭株主)などが相次いで経営破綻したりするなど、中国の経済状況は思わしありません。そこに、中国ウイルスが追い打ちをかけました。

さらに、中央政府は、ここ数年、一帯一路などで諸外国を取り込むために、海外に金をばら撒いているため、実際には国庫が空になりかけていて、新型コロナウイルスの感染拡大を口実にして、個人資産の没収や企業に対して生活必需品の提供を要求することもも十分あり得るでしょう。

さらには、外国騎乗の資産接収ということも十分あり得るでしょう。そのようなことになる前に、日本企業は中国から脱却すべきでしょう。

上の記事では、日本海防衛の重要性が述べられていました。特に、北朝鮮が崩壊してウイルスに感染した難民が大挙して日本海を超えてきた場合の脅威について強調されてしました。これは確かに大いにありそうなことです。

一方人民解放軍の脅威については述べられてはいません。これは、どうしてなのかということで、少し調べてみました。

結論からいうと、以前このブログの記事でも述べたように、米軍のみならず、中国海軍にも中国ウイルスの罹患者が存在するからです。

そうして、日本の自衛隊には、感染者はほとんどいないという事実もあります。日本では、感染率や死者が海外に比較すると少ないですが、それにしても自衛隊員で感染した事例は、海外からの帰国者や公務以外で感染であり、自衛隊の部隊で公務中に感染者が蔓延しているという話はきいたことがありません。

防衛省は1月下旬以降、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」や、政府のチャーター機で中国から帰国した人たちの一時滞在先などで支援活動を実施しています。延べ約1万3300人(19日現在)の自衛隊員が、PCR検査の検体採取や食事の配膳などに携わりました。厳重な防護態勢で臨み、活動に伴う感染者は一人も出していません。

クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」における自衛隊の防疫活動
これだけの活動をしながら、一人の感染者も出さなかったのは、自衛隊の防疫体制が優れていることを物語っています。一方、中国の人民解放軍も防疫活動に携わっていますが、これによる感染者は報告されていませんが、私自身はこれは信用していません。実際には、感染者が出ていると考えるのが妥当でしょう。隠蔽しているだけだと思います。

香港(CNN) 中国の国営メディアは16日までに、同国海軍の空母「遼寧」とその随伴艦船が太平洋海域に出動したと報じています。

遼寧らの出動は、中国海軍が兵士の新型コロナウイルス感染を封じ込めている証拠と見せ付ける狙いとの見方もあります。中国共産党の中央軍事委員会の後方支援部局で健康問題担当幹部の少将は先月の会見で、中国軍兵士の間に感染者は皆無と主張してもいました。

環球時報は遼寧らの今回の展開を受け、外国の多くの空母は新型コロナの被害で出動態勢にないとし、感染者が出ている米国とフランスの空母を皮肉りもした。中国軍部隊は常に力強い戦闘即応態勢を維持しており、駐留場所にかかわらずいかなる時でも派遣が可能とも誇示しました。

ただ、中国軍が新型肺炎の影響を受けていないとの主張を疑問視する指摘もあります。米海軍の元大佐でハワイ太平洋大学の講師は中国軍艦船が自国の沿岸部近くで活動し洋上の時間が限られるのなら新型コロナによる影響は隠せると説明しています。

20日間以下の短期派遣なら疾病による作戦遂行への影響を排除出来ると分析。母港へ戻れば疾病拡大の証拠が公にさらされることを防げるとも説きました。私自身は、中国は感染を隠蔽するために、遼寧などを出港させ、そのついでに挑発行為をさせていると睨んでいます。

中国海軍では、ある艦艇で中国ウイルスの感染があったことも報道されています。中国紙・環球時報(電子版)によると、上海の造船所で11日、昨年進水した中国海軍初の強襲揚陸艦「075型」の船体で火災が起きたそうです。電気工事のミスなどが原因として推定されるといいます。中国のSNSに船体から黒煙が立ち上る複数の写真が投稿されました。

昨年進水した中国海軍初の強襲揚陸艦「075型」
075型は全長約250メートルと中国軍では空母に次ぐ大型艦で、台湾侵攻などを想定しているとされます。昨年9月に進水し、試験航海の準備中でした。この火災で就役が遅れる可能性が高いです。

このような事故がおこるのは、中国海軍の士気が落ちていることの証左であり、そうしてその原因は中国ウイルスの感染であることは十分に考えられます。

私としては、中国海軍の艦艇では、当たり前に感染が起こっており、それを軍部はひた隠しに隠している可能性は十分にあると思います。今後中国の艦艇の行動を注視すべきです。一回あたりの航海が短期であれば、館内で中国ウイルスが蔓延している可能性が大です。

それを隠蔽するために、中国海軍の艦艇は、出港し、短期で港引き返し、感染者を下ろし、感染していない交代要員を載せて、また航海に出ているという可能性があります。

感染は、潜水艦の中でも起こっているのではないかと考えられます。潜水艦だと、居住区は狭いですし、まさにいわゆる三密空間であり、感染が広まるとあっという間に乗組員全員に感染が広まることになります。もし、中国がこれも隠蔽していたとしたら、とんでもないことになりそうです。そのうち、行方不明になったり、他国に救助を求める潜水艦もでてくるかもしれません。

中国潜水艦内部(潜望鏡に付けられているカメラに注目! どうみてもCANNON)

中国海軍の実力に関しては、日本の海上自衛隊よりは能力的には下です。とくに、対潜哨戒能力では、日本にはかなり遅れを取っています。それに加えて、中国ウイルスに汚染されその隠蔽のために、出港しているというのであれば、これはまさに戦力外です。

尖閣にあいかわらず、出没する中国の艦艇の中でも、感染者がでている可能性があります。彼らの本当の任務は、感染者がでていることを隠蔽することであり、尖閣で示威行動をするのは、あくまでサブの任務ということもありえます。

中国人民解放軍が19016名「武漢肺炎ウイルス」(倍可親網)に感染したと報道しています。これは、真偽の程にのはわかりませんが、人民解放軍にはかなり感染者が出ているとみるべきでしょう。

そのようなことを考えると、日本が今一番に考えるべきは、北朝鮮や中国からの難民のようです。その中には、感染者や、武装した者もいる可能性が高いということです。

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2019年7月20日土曜日

中国が"米国を圧倒すること"はあり得るか―【私の論評】日本は中国に対しては表では親和的に、裏では習近平が最も恐れる輸出制限・制裁の準備を粛々と進めよ(゚д゚)!

中国が"米国を圧倒すること"はあり得るか

日本は中国に対する幻想を捨てよ

静岡大学教授/文化人類学者 楊 海英
楊 海英氏

米中覇権争いが繰り広げられるが、中国の実力とはどれほどのものか。静岡大学教授で文化人類学者の楊海英氏は「中国が将来、米国を圧倒することはあり得ない」という。その理由とは――。

日本は将来、米中のどちら側につくのか

米中2大国の覇権争いが世界から注目されている。経済の分野では「貿易戦争が発動された」とか、先端科学技術分野では、「5世代移動通信システム(5G)開発の主導権をめぐって対立している」といった報道が多い。そして、将来はどちらが勝つのかという結果まで、日本では予想され始めた。結果を予測する際の隠れた目的は、日本は米中のどちら側につくのかという死活の問題も絡んでいるのではないか。

私は中国が将来、米国を圧倒することはあり得ない、と判断している。そう考える理由を以下に述べておく。私が依拠している情報はすべて、中国で生まれ育ち、そして30年間にわたって、研究者として現地で調査してきた経験に基づいている。

本末転倒の使命感が中国のウソの発展を支えた

第1に、中国は国内総生産(GDP)の数字が世界第2位だ、と自他ともに認めているが、実際は水増しされた統計によって得られた数字である。1991年からほぼ毎年のように中国の各地方で現地調査に行ってきたが、その都度、知人の幹部(公務員)はいかに上級機関から言われた「任務を達成」するかで頭を抱えていた。

天災や社会的動乱など、どんな理由があっても、前年度より「成長」していなくてはならなかった。北部中国の場合は旱魃(かんばつ)が数年間続いたり、民族問題が勃発(ぼっぱつ)して生産ラインが止まったりすることはよくあるが、それでも「成長」し続けなければならない。南部には水害がある。それでも、「成長」は幹部の昇進に関わるだけでなく、社会主義中国の「発展」を示す指標とされている。

「中国の共産党政府が13億もの人民を養っている」という独特な使命感を誇示するためにも、「成長」と「発展」は欠かせない。人民が政府と党を養っているとは、とうてい考えられない。この本末転倒の使命感が虚偽の統計とウソの発展ぶりを支えてきたし、これからも変わらない。つまり、中国には米国と対峙しうる充分な国力は備わっていないということである。

近代社会は米国も日本も、そして西洋諸国も、産業革命以来に数百年の歳月を経て、少しずつノウハウを蓄積して発展してきたが、中国はそうしたプロセスを無視しようとしている。共産党の指導部の野心が正常な発展を阻害していると判断していい。

あらゆる経済活動の権利を握っているのは共産党

第2に、中国が口で言っていることと、実際に実行していることとは、すべて正反対であると世界は認識すべきである。このことは、「大国」としての中国に世界をリードできるソフト・パワーがあるかどうかを試す試金石でもあるからだ。

例えば、「米国は自由貿易を阻害している」とか、「中国は世界の自由貿易の促進に貢献している」とか、中国はよく国際会議の場で主張する。ここ数年、トランプ政権が誕生してからは、さらにこうした主張を広げている。ときにはまるで前政権のオバマ大統領の自由貿易促進演説を剽窃(ひょうせつ)したかのような言い方を中国の習近平国家主席は口にする。しかし、事実はむしろ逆である。

 まず、中国は国内で自由貿易を実施していない。あらゆる経済活動の権利を握っているのは、中国共産党の幹部たちとその縁故者たちで、一般の庶民が中小企業を起こすのも、厳しい審査が設けられている。国営の大企業は共産党の資金源である以上、中小企業や個人の経済活動はすべて国営企業を支えるために運営しなければならない。
ジャック・マーはなぜ引退せざるを得なかったのか

 それでも、個人が持続的に努力してある程度裕福になると、政府からつぶされる危険性が迫ってくる。利益を党に寄付し、経営者も党員にならなければならない。従業員の数も一定程度に達すると、共産党の支部を設け、党の指導を受けなければならなくなる。いわゆる「党の指導」とは、企業の利潤を政府と結びつけることである。経営者個人の自由意思で経済活動が行われていないのが実体である。
アリババの創業者 ジャック・マー会長
 世界的なIT企業に成長したアリババの経営者、ジャック・マーの例が典型的だ。まだ、50代半ばという若さで経営権をすべて譲って、引退せざるを得なくなった。引退しなければ、腐敗だの、汚職だので逮捕される危険性があったからだろう。言い換えれば、政府はこれ以上、アリババのようなIT企業が国際舞台で成長しつづけるのに危機感を覚えたからである。

米中の対峙は異なる体制の深刻なイデオロギー戦だ

 次に、当然、中国は国際貿易の面でも自由なやりとりを許していない。例えば、外国企業が中国で投資して得た利益を自国には持ち出せない。引き続き中国国内で投資し、事業を拡大せざるを得ない。本国への資金の還流は厳しく制限されている。

 そして、情報化時代の現在、データの流通はさらに厳しく制限されている。中国で蓄積されたデータを国際社会で運用しようとすると、「安全性に問題がある」としてあの手この手で阻止される。

 このように、資金・データ、物流など、あらゆる面で中国こそ自由貿易に逆行する活動を白昼堂々と展開しているにも関わらず、米国を批判するのは、自国の汚い手口を隠すためだと理解しなければならない。

 実は、日本を含む国際社会も中国の手口、言行不一致を知っていながら、あえて批判したり、反論したりしないのも、これ以上不利益を被らないようにするためだろう。中国も国際社会の弱みを知っているから、自国の行動を是正しようとは思っていない。

 しかし、トランプ大統領はちがった。国内において自国民の自由な経済活動を制限し、少数民族を抑圧し、国際的には自由主義陣営に脅威を与えているのは、一党独裁が原因である、と認識している。トランプ政権の本音は、ペンス副大統領の演説やその側近たちのスピーチから読み取れる。

 つまり、米国と中国との対峙は決して「貿易戦争」だけではない。異なる体制がもたらす、深刻なイデオロギー戦である。そして、このイデオロギー戦はどちらかが体制を転換しない限り、解決の見通しは立たない。

独裁政権に媚びを売っても日本の国益にならない

 では、日本はどうすべきか。2大国の対立の陰に潜みながら、勝った側につこうという戦術は無意味である。どちらが人類の歩む道を阻害しているかを判断して、二者択一の決断を早晩しなければならないだろう。そのためには、現在の日本で流行っている軽薄な言説を改めるべきであろう。それは以下の2点である。

 第1は、トランプ大統領は商人だから、なんでも利益優先で「取引」しようとしている、という誤読である。日本には日本の国益、中国には共産党の党利党益があるのと同様に、米国にも国益があって当然だ。世界の多くの国々が米国を指導者とする自由と人権、民主と平等という理念を共有している以上、日本も米国と歩調を合わせ、同盟を強化するしかない。同盟関係を裏切って、独裁政権に媚(こ)びを売っても、日本の国益にはならない。

歴代の共産党指導者は真の友好を求めてきたか

 第2に、ツイッターなど最新の技術を駆使するトランプ大統領は「変幻自在」で先行き不透明で、内心が読み取れない、と日本のメディアはよく語る。これも同盟国としてあるまじき批判といえよう。

 では、毛沢東をはじめ、歴代の中国共産党の指導者は日本国民に胸襟(きょうきん)を開いて、真の友好を求めてきたことがあるのか。ツイッターも電子メールが出現した時代と同様で、一種のツールでしかない。日本は米国に対する先入観と、中国に対する幻想を放棄しない限り、米国が中国を完全に圧倒した暁には、見放されるかもしれない。

 もちろん、自発的に「中国の朝貢(ちょうこう)国」になる道も残されている。そうなれば、100万人単位で強制収容されているウイグル人のように、おおぜいの心ある日本人は自国の領土内で、中国共産党の刑務所に閉じ込められるだろう。

今こそ、日本人に「第2の維新」が迫ろうとしている。
楊 海英(よう・かいえい)
静岡大学教授/文化人類学者
1964年、南モンゴル(中国・内モンゴル自治区)出身。北京第二外国語学院大学日本語学科卒業。1989年に来日。国立民族学博物館、総合研究大学院大学で文学博士。2000年に帰化し、2006年から現職。司馬遼太郎賞や正論新風賞などを受賞。著書に『逆転の大中国史』『独裁の中国現代史』など。

【私の論評】日本は中国に対しては表では親和的に、裏では習近平が最も恐れる輸出制限・制裁の準備を粛々と進めよ(゚д゚)!

上の記事では、「日本は米国に対する先入観と、中国に対する幻想を放棄しない限り、米国が中国を完全に圧倒した暁には、見放されるかもしれない」としています。

確かに、日本国内は言うに及ばず、自民党内にも親中派・媚中派の政治家が存在します。しかし、少なくとも安倍総理とその取り巻きは違います。なぜなら、日本の対韓国輸出規制強化は、中国も意識したものであると考えられるからです。

米国のトランプ政権も、日本の対韓国輸出規制強化は、中国に対する牽制にもなるものととらえているでしょう。日本は対韓国規制を公表する前に、当然のことながら同盟国である米国に対して、これについて連絡しているでしょう。その上で韓国に対して、厳しい態度で臨んでいるわけですから、米国はこの制裁を対中国牽制にもなるとみて歓迎しているものと思います。

日本が韓国に輸出する規制対象3品目のひとつ「フッ化水素」の一部が中国に輸出され、韓国の半導体製造大手サムスン電子やSKハイニックスの中国工場で使われています。両社は半導体の10~20%を中国で生産しているとみられます。日本政府が8月末にも韓国をホワイト国指定から外し中国工場への先端材料の供給が滞るなら中国にも影響がでそうです。

このことは、最初から日本政府も当然のことながら理解していたでしょう。

中国メディアの今日頭条は14日、日本による対韓国輸出規制強化問題に関して「日韓の反応から力の差が分かる」と紹介する記事を掲載しました。

記事はまず、今回の日本の制裁があるまでは、韓国の半導体は「世界で揺るがぬ地位」を確立し、「日本を超えた」とも言われていたと紹介。そのため、半導体の3品目が制裁対象になっただけで国を揺るがす問題になったことを意外に感じた中国人は多かったと指摘しました。

韓国国内では、政府や企業が抗議をし、WHOに提訴を発表し、国民は日本製品不買運動に参加しています。「これだけの反応があったということは、日本がそれだけ韓国に打撃を与えた証拠」だと伝えました。それに引き換え、日本では大きな反応は起きていないです。「韓国からの報復は想定内」で、それでも制裁に踏み切ったのは「韓国の手の内にあるカードが少ないことを知っていたから」だと推測しています。

韓国は、日本とは違い決定打になるようなカードを持っていないと言えるでしょう。記事は、韓国の半導体製品でもスマホでも、輸出を止めたところで日本に打撃を与えるには及ばず、日本は他国から輸入すれば良いだけの話だと指摘しています。一方の韓国は、今回規制された3品目のかなりの部分を日本の輸入に依存しており、大きな打撃となるのは明らかです。

記事は結論として、日本の今回の規制に伴う2国間の反応の違いで、「日韓の実力差」が明らかになったと結論付けました。韓国のある分野が日本を超えたように見えたのは表面的で、日本の実力が見えていなかっただけだと分析しています。これは中国も同様で「ピークは過ぎたとはいえ、日本の実力を甘く見てはいけない」と注意を呼び掛けています。

韓国国内では国民の間でも不買運動が行われているようですが、反応が激しければそれだけ日本から受けた打撃の大きさを示してしまうと言えるでしょう。この事実は、日本を落ちぶれた先進国と見くびることさえあった中国人にも、少なからず衝撃を与えているようで、今まで見えにくかった日本の実力の一端を見せつけたと言えるのかもしれないです。

そうして、これは他ならぬ中共の幹部たちも気づいていることでしょう。日本からの部品や素材がなければ、韓国のようにお手上げになることはまだまだあります。特に工作機械など日本の独壇場です。これをストップされれば、韓国も中国もそれこそお手上げになりすま。

そうして、中国の製造技術にはとんでもない未成熟な部分があります。それについては以前このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
【石平のChina Watch】中国製造業のアキレス腱―【私の論評】集積回路、ネジ・ボルトを製造できない国の身の丈知らず(゚д゚)!
深セン市にある「中興通訊」の本社
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事から一部を引用します。
 中国は今、海外から大量の集積回路を輸入しており、2017年の集積回路輸入数は3770億枚に上っている。中国製のラジオ、テレビ、通信機、コンピューターなどのあらゆる電子機器の心臓部分の集積回路は海外からの輸入に頼っているのである。輸入が一旦途切れてしまうと、中国企業はスマートフォンの一つも作れない。それがすなわち、先端領域における中国製造業の「寒い」現状である。 
 しかし中国国内企業は今まではどうして、自国産の集積回路の開発と製造に力を入れてこなかったのか。 
 集積回路の開発には莫大(ばくだい)な資金と時間が必要とされるが、金もうけ主義一辺倒の中国企業からすれば、それなら海外から部品を調達した方が早いし、知的財産権がきちんと保護されていない中国の状況下では、自力で開発した製品も競合業者によって簡単にコピーされてしまう。 
 だから中国国内企業の誰もが自力開発に力を入れたくないのだが、その結果、集積回路のような、製造業が必要とする最も肝心な部品は外国企業に頼らざるをえない。中国製造業の最大のアキレス腱(けん)は、まさにこういうところにあるのである。
さらに、もっと驚くべきことがあります。それを以下に引用します。
中国が製造できないのは集積回路だけではありません、多少とも先端技術などを要するものは製造できません。たとえば、中国はネジやボルトに関しては日本からの輸入に頼っています。 
中国メディアの捜狐は昨年11月10日、空母や戦闘機、高速鉄道に使われているボルトはどれも輸入品という「直視しなければならない現実」に関する記事を掲載しました。 
中国の機械工業の進歩は目覚ましく、利益率・輸出額ともに増加しているといいますが、戦闘機などに使用されるねじ・ボルトなどの部品は「ほぼ100%輸入」に頼っているというのです。記事は、中国で生産されている部品はいずれも精度の低いものばかりで、高速鉄道などに求められる精度や耐久性の高い部品は、日本や他国に頼るしかないと指摘しました。
日本製のネジ
例えば、中国の戦闘機「Jー20」のボルトはどうしても最高級の水準が求められ、ねじはすべて高温・腐食にも耐えるチタン製でなければならないといいます。しかし、中国にはこうした高いレベルのねじの生産技術も生産ラインもないと嘆きました。軍事分野以外でも、高速鉄道、長征7号ロケットにも海外から輸入した高品質のボルトが大量に使われているといいます。 
では、なぜ中国国内では生産できないのでしょうか。記事は、化学工業、冶金、鍛造の技術が遅れていることが原因だと分析。日本などのように「専門分業」ができておらず、製品システムや品質が不健全で、専門分野での研究が不足しており経験も足りないため、製造能力が低いのだとしました。

こうした現状に、中国のネット上では「作れないのではなく作りたくないだけ」、「ボルトなどの部品は買えば良い」などの意見があると紹介。しかし、これらの意見はいずれも現実を直視していないと切り捨てました。
ネジ・ボトルというと、日本では東京の大田区や大阪の東大阪の先端的な中小企業の独壇場です。中国にはそのような中小企業は育っていないのです。

無論、中国でも普通のネジは作成できますが、戦闘機や高速鉄道などの使用に耐えるネジは未だに製造できないのです。

中国や韓国の場合、日米では当たり前のように製造しているもので、製造が困難なものが多くあります。

このあたりを輸出規制すれば、韓国の製造業は崩壊、中国も「製造2025」などといっておられなくなります。このことを中共は良く理解していると思います。今頃習近平は頭を悩ませていると思います。

習近平

日本のマスコミは、中国は最近日本にすり寄ってきているなどと報道していますが、現実はそうではありません。尖閣諸島周辺の領海外側にある接続水域で先月10日、中国海警局の船4隻が航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認しました。尖閣周辺で中国当局の船が確認されるのは60日連続で、平成24年9月の尖閣諸島国有化以降で最長の連続日数を更新しました。

このような状況では、とても中国が日本にすり寄ってきたなどとは解釈できません。このようなことがなくならない限り、日本は中国が日本にすり寄ってきたなどと解釈すべきではないのです。

中国はすり寄り姿勢をみせつつ、尖閣での示威行動は改めないわけですから、日本としても中国と表では習近平を招くなどのことをしながら、いつでも中国に対して、輸出制限や、制裁をできるように準備をすすめるべきです。

それを日本が準備していることを米国に知らせれば、米国としても中国に対する大きな牽制になるということで大歓迎することでしょう。

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