2019年7月19日金曜日

河野外相、駐日韓国大使に猛抗議! 徴用工解決策、勝手な説明に「極めて無礼」―【私の論評】戦後日韓関係の変質は、1993年の「河野談話」に始まり、2019年の「新河野談話」で完了(゚д゚)!

河野外相、駐日韓国大使に猛抗議! 徴用工解決策、勝手な説明に「極めて無礼」

河野氏(左)は、呼び出した南氏に猛抗議した =19日午前

河野太郎外相が激怒した-。いわゆる「元徴用工」の異常判決を受け、日本政府が要請した仲裁委員会開催について、韓国政府が期限内に回答しなかったため、河野氏は19日午前、南官杓(ナム・グァンピョ)駐日韓国大使を外務省に呼び付け、激しく抗議した。南氏が白々しく、日本がすでに拒否した解決策に言及しようとしたところ、河野氏から「憤怒」「激高」「激憤」といえる発言が飛び出した。

日本政府の強烈な怒りを韓国政府に明確に伝えるため、対談はテレビカメラを含めたメディアにも長時間公開された。

河野氏はまず、韓国の対応について「非常に残念だ」と強調。「国際法違反の状態をこれ以上野放しにせず、直ちに是正措置を取ることを強く求める」として、日本企業に実害が出ない解決策を講じるよう求めた。

これに対し、南氏は「本国に伝える。両国関係を損なわせずに訴訟が終結されるよう環境づくりに努力している」と答えた。

ただ、南氏が日韓両国企業の出資を柱とする、常軌を逸した解決策を勝手に説明し始めたため、河野氏は話を遮り、次のように言い切った。

「すでに受け入れられないと伝えている。知らないふりをして改めて提案するのは極めて無礼だ!」

日本側は今後、国際司法裁判所(ICJ)への提訴に向けた検討を本格化させる。狂気の文在寅(ムン・ジェイン)政権が退陣しない限り、日韓関係の正常化はあり得ないようだ。

【私の論評】戦後日韓関係の変質は、1993年の「河野談話」に始まり、2019年の「新河野談話」で完了(゚д゚)!

まず、河野外相、駐日韓国大使に猛抗議した模様をノーカットで掲載した動画を以下に掲載します。


以下にこの発言に関する臨時会見での後の外務大臣の発言を掲載した外務省のウェブページからその内容を掲載します。

河野外務大臣臨時会見記録

(令和元年7月19日(金曜日)10時47分 於:本省中央玄関ホール)
冒頭発言
【河野外務大臣】昨年の韓国の大法院判決により韓国側に国際法違反の状況が生じておりましたので,今年の1月に請求権協定に則った協議の申し入れを行いました。協議が成立しませんでしたので,5月20日に協定に則り仲裁付託のプロセスを始めたわけでございますが,仲裁人の指名,あるいは第三国の選定といった必要なプロセスが期限内に行われず,国際法違反の状況の是正に至りませんでした。その仲裁プロセスができなかったことは残念でありますが,韓国側にこの国際法違反の状況の是正を速やかに行っていただくよう強く求めたいというふうに思います。後ほど,外務大臣としての談話を発出させていただくことになっております。私(大臣)からは以上です。

▶質疑応答
【記者】大臣の発言に対し南(ナム)大使からどのような反応があったのでしょうか。

【河野外務大臣】韓国側に大法院の判決の問題と関係のない問題を混同するようなご発言がございましたが,それはきちんと混同のないように韓国国内で説明をいただきたいと思います。また韓国側から提案がひとつございましたが,この提案は国際法違反の状況を是正するものではございませんでしたので,外交当局間で示されたときに,それは残念ながら解決策たり得ないということはすでに申し上げております。それをベースに何か解決策を議論するということには残念ながらなりません。

【記者】今後の日本政府の対応ですが,国際司法裁判所への提訴を含めて,どのような対応を検討していますでしょうか。

【河野外務大臣】必要に応じた適切な対応をしっかり取ってまいりたいと思います。また,この大法院判決によって日本企業に実害が生じるようなことが万が一起これば,必要な措置を適切に取っていくことになろうかと思います。

【記者】来月にはGSOMIAの更新期限を迎えますけれども,安全保障上の関係にも影響する可能性が出てくるかと思いますが,その点についてはどのようにお考えですか。

【河野外務大臣】日米韓,しっかり連携をして地域の安全保障を確実に高めていかなければならないと思っています。それは外交当局間でも認識は一緒でございますし,防衛当局間でも同じような認識というふうに承知をしております。

【記者】日韓請求権協定の第3条3項の期限は過ぎたんですが,今後日本政府としては仲裁は求めないということ,区切りをつけたという認識でいいのか,ということが一点と,あと先ほど実害があれば必要な措置と仰いましたけれども,これは賠償を国際法に則って韓国政府に請求するということも念頭にあるという理解でよいのでしょうか。

【河野外務大臣】仲裁のプロセスで問題解決できなかったことは非常に残念でございます。外交当局間の対話はしっかりしてまいりたいというふうに思いますが,韓国側に必要な是正の措置を速やかに取っていただきたいというふうに思います。今後,必要な措置をいつどのようにするか,日本側の考えを公にすることは差し控えたいというふうに思います。

【記者】関係のない問題を混同されているというお話がありましたが,日本側の輸出管理の規制の話でしょうか。また,日本としては別問題だという説明ですけど,完全に韓国としては混同されて関係が悪化しているんですが,この現状をどうごらんになりますでしょうか。

【河野外務大臣】輸出管理の問題は日本の国内法令に,いわば任されているものですので,日本として必要な見直しをやるというのはこれは当然のことであります。これは大法院判決とは何ら関係なく行われているものでございます。そこを混同して説明されるようなことがないように我々としては注意喚起をしていきたいと思います。

【記者】会談の場で,日本が到底受け入れられない解決案について韓国側がこれまで提案してきたけれども,とあえて言ったこと,あの場面についてはどのように受け止められましたでしょうか。

【河野外務大臣】韓国側から提案をいただいているわけですが,それは問題の解決に資することがない,国際法違反の状況を是正しないものですので,これは日本として受け入れられないということはその場で申し上げたものでございます。

【記者】先ほど来,輸出管理の問題は大法院判決とは何ら関係がないと仰ってますけども,当初日本側が輸出管理の問題を発表したときに,日韓の信頼関係が損なわれている要因としてですね,この問題を世耕大臣とか経産省の方も仰ってたわけですけども,何ら関係ないというのは言い過ぎなのではないでしょうか。直接関係ないかもしれないですけども,間接的には少なくとも関係があるんじゃないでしょうか。

【河野外務大臣】関係ありません。

【記者】では当初の説明は何だったんですか。

【河野外務大臣】経産省にお聞きください。

【記者】官房長官もそのようなことを仰っていましたけれども,背景として,1つとして,労働者の問題があると仰っていますけれども,その点の矛盾についてはどうご説明されるんですか。

【河野外務大臣】輸出管理はきちんと輸出管理当局間で対話が行われている前提で,その対話が行われていなかった,というふうに承知をしておりますが,今,外交当局で問題解決に当たっている大法院判決に関するものとは全く関係がありません

【記者】そうすると外務省と経産省で言っていることが違うということにはならないですか。

【河野外務大臣】違うことにはならないと思います。

【記者】先ほどの場で,改めて韓国側が提案を示したことを受けてですね,非常に無礼だと強い調子で非難されたわけですけれども,そこで韓国大使がどういうふうな表現ぶりで応答があったのでしょうか。大臣のその非難について。

【河野外務大臣】その後の話について,公にするのは差し控えたいと思います。

【記者】日本側が韓国側の大使の発言を遮ってですね,かなり大きな声で無礼だというのはかなり異例だと思うのですが,それはどういう説明ですか。

【河野外務大臣】この韓国側の提案については,既に外交当局間の間で問題解決には資するものではないということを申し上げております。それを韓国側が公に提案として出してきたということについて,これは日本側からおかしいではないかということを以前にも抗議をしているものでございます。

本日午前臨時会見に応える河野外務大臣

河野太郎外相は19日、いわゆる徴用工訴訟をめぐり、日韓請求権協定に基づく仲裁委員会の設置に韓国政府が応じなかったことを受け、談話を発表した。全文は以下の通りです。

大韓民国による日韓請求権協定に基づく仲裁に応じる義務の不履行について

 1 日韓両国は、1965年の国交正常化の際に締結された日韓基本条約およびその関連協定の基礎の上に、緊密な友好協力関係を築いてきました。その中核である日韓請求権協定は、日本から韓国に対して、無償3億ドル、有償2億ドルの経済協力を約束する(第1条)とともに、両締約国およびその国民(法人を含む)の財産、権利および利益並びに両締約国およびその国民の間の請求権に関する問題は「完全かつ最終的に解決」されており、いかなる主張もすることはできない(第2条)ことを定めており、これまでの日韓関係の基礎となってきました。

 2 それにもかかわらず、昨年一連の韓国大法院判決が、日本企業に対し、損害賠償の支払等を命じる判決を確定させました。これらの判決は、日韓請求権協定第2条に明らかに反し、日本企業に対し一層不当な不利益を負わせるものであるばかりか、1965年の国交正常化以来築いてきた日韓の友好協力関係の法的基盤を根本から覆すものであって、極めて遺憾であり、断じて受け入れることはできません。

 3 わが国は、国際社会における法の支配を長く重視してきています。国家は国内事情のいかんを問わず国際法に基づくコミットメントを守ることが重要であるとの強い信念の下、昨年の韓国大法院の判決並びに関連の判決および手続きにより韓国が国際法違反の状態にあるとの問題を解決する最初の一歩として、本年1月9日に日韓請求権協定に基づく韓国政府との協議を要請しました。

 4 しかしながら、韓国政府がこの協議の要請に応じず、また、韓国大法院判決の執行のための原告による日本企業の財産差押手続が進む中、何らの行動もとらなかったことから、5月20日に韓国政府に対し、日韓請求権協定第3条2に基づく仲裁付託を通告し、仲裁の手続きを進めてきました。しかしながら、韓国政府が仲裁委員を任命する義務に加えて、締約国に代わって仲裁委員を指名する第三国を選定する義務についても、同協定に規定された期間内に履行せず、日韓請求権協定第3条の手続きに従いませんでした。

 5 このことにより、5月20日に付託した日韓請求権協定に基づく仲裁委員会を設置することができなかったことは、極めて遺憾です。

 6 昨年の一連の韓国大法院判決並びに関連の判決および手続きによる日韓請求権協定違反に加え、今般、同協定上の紛争解決手続である仲裁に応じなかったことは、韓国によって更なる協定違反が行われたことを意味します。

 7 日本政府としては、こうした状況を含め、韓国側によって引き起こされた厳しい日韓関係の現状に鑑み、韓国に対し、必要な措置を講じていく考えです。

 8 本件の解決には、韓国が度重なる国際法違反の状態を是正することが必要であり、韓国に対し、そのための具体的な措置を直ちに講ずるよう、改めて強く求めます。

この談話の韓国語訳はこちらからご覧になることができます。中国語訳はこちからご覧いただけます。

上記1〜4については、当然といえば当然という内容です。しかし、韓国が日本に対して過去にどういうことをしてきたのか、このように、大臣の談話として公表されたことは誠に有意義なことです。

わが国のメディアによる日韓関係の報道は、周回遅れであり、現在の状況を一般の日本国民にきちんと知らせるためには、大臣自身が一から説明したことは大変有意義なことです。

今回の「河野談話」には、「これまで韓国が日韓請求権協定を守らなかった」という点が強調されていて、それだけでも韓国にに対し、毅然とした対応を取る、という決意を読み取ることができます。

今回の「河野談話」には、新しい論点はほとんどありません。ただ、本日が、日韓関係が決定的に変質した「区切り」になることは間違いないです。

河野洋平氏

思えば、1993年、河野洋平が発した「河野談話」は、日本が実行してもいない「自称元慰安婦の強制連行問題」を、あたかも事実であるかのように認めてしまったという意味で、日韓関係を破壊する契機になったことは間違いありません。

つまり、戦後日韓関係の変質は、1993年の「河野談話」に始まり、2019年の「新河野談話」で完了することになる、という言い方もできるのかもしれません。

これこそは、歴史に残る素晴らしき新河野談話です。1991年の河野談話とは天と地との差があります。あれから28年、日本にはやっと、国益と国家の尊厳を断固として守る政治家と政権が現れたようです。

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