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2019年9月1日日曜日

米国、米韓同盟破棄を真剣に検討か―【私の論評】韓国はいまのままなら文によって、日米を蔑ろにしつつ、相手にされてもいない北や中国に秋波を送り続けることになるだけ(゚д゚)!

米国、米韓同盟破棄を真剣に検討か

韓国はもはや味方にあらず、日米豪印同盟に舵切る米政権


「韓国は米軍のリスクを増大させた」

 韓国の文在寅政権による日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄のショックが冷めやらぬ中、ドナルト・トランプ米大統領と安倍晋三首相がフランス南西部ビアリッツで会談した。

フランス南西部ビアリッツで会で会談をしたトランプ米大統領と安倍首相

 会談後の政府高官によるブリーフィングによると、両首脳は日米韓連携の重要性は確認したものの、GSOMIA破棄に関するやりとりはなかったという。

 首脳会談内容のブリーフィングではこうした「ウソ」はままある。

 筆者の日米首脳会談取材経験から照らしても、首脳会談後のブリーフィングがすべて「包み隠さぬ事実」だったためしがない。

 オフレコを条件に米政府関係者から話を聞いたという米記者の一人は筆者にこうコメントしている。

 「(文在寅大統領の決定に対する)トランプ大統領の怒りは収まりそうにない。それを安倍首相にぶつけないわけがない」

 「ただ、憤りはちょっと置いておいて、当面文在寅大統領の出方を静観することで2人は一致した。大統領は『韓国に何が起こるか見守る』とツィートしているのもそのためだ」

 だが、日米首脳会談の直後、「伏せた部分」はほぼ同時刻、モーガン・オータガス米国務省報道官が公式ツィッター上で意図的に(?)「代弁」している。

 「韓国政府のGSOMIA破棄決定に深く失望し懸念している。これは韓国を守ることをさらに複雑にし(more complicated)、米軍に対するリスク(risk)を増大させる可能性がある」

 米国務省は22日、同趣旨の報道官声明を出している。今回は韓国の決定が「米軍に対するリスクの増大の可能性」にまで言及した。ダメを押したのだ。

平気でウソをつく文在寅政権

 米国の怒りようは半端ではない。

 米政府高官たちが怒っているのは、文在寅大統領のブレーンにあれほど「破棄するな」と要求していたにもかかわらず、しらっと破棄に踏み切ったからだけではない。

 発表に際して、文在寅政権の高官でこの問題の最高責任者がぬけぬけと嘘をついたからだ。

 金鉉宗・国家安保室第2次長だ。

 タイトルから見ると偉そうに見えないが、韓国人記者によれば「ニクソン政権時代のヘンリー・キッシンジャー大統領補佐官のような存在」らしい。

 今年6月の時点からワシントンを訪問し、日韓間の確執について文大統領の言い分をトランプ政権高官に直接説明に来たのはこの人物だ。

 金鉉宗第2次長は、韓国人記者団にこうブリーフィングした。

 「米国は韓国にGSOMIA延長を希望した。米国が表明した失望感は米側の希望が実現しなかったことに伴うものだ」

 「外交的な努力にもかかわらず、日本から反応がなければGSOMIA破棄は避けられないという点を米国に持続的に説明した。私がホワイトハウスに行き相手方に会ったときにも、この点を強調した」

 「またGSOMIA破棄の決定前には米国と協議し、コミュニケーションを取った。米国に(韓国の決定についての)理解を求め、米国は理解した」

 この発言に米政府高官は直ちに反論した。

 「韓国政府は一度も米国の理解を求めたことはない」

 別の政府高官は韓国通信社ワシントン特派員に対して厳しい表現でこう述べている。

 「これはウソだ。明確に言って事実ではない。米国政府は駐米韓国大使館とソウルの韓国外務省に抗議した」

 外交儀礼として相手方の大統領府高官の発言を「ウソだ」と言うのも異例なことだ。

http://www.koreaherald.com/view.php?ud=20190823000106
https://www.asiatimes.com/2019/08/article/us-verbal-broadside-at-seoul-over-axing-of-pact/

 「文在寅は長年にわたって築いてきた米国家安全保障体制をぶち壊した」

 ワシントン駐在の外交官たち(無論その中には韓国大使館員たちも含まれる)にとっては「虎の巻」ともされている米外交政治情報を流すニューズレターがある。

 購読料が高いので一般の人の目にはとまらない(筆者は米政府関係筋から間接的に入手することができた)。

 米政権中枢の極秘情報を提供する「ネルソン・リポート」だ。

 同リポートは韓国政府の決定直後の米政府高官・元高官の露骨なコメントを記している。さすがに主要メディアはそこまでは報じない、歯に衣着せぬコメントばかりだ。

トランプ政権高官:
 「文在寅という男は本当に阿呆(Fool)。どうしようもない」

駐韓国大使館で高位の外交官だった人物:

 「文在寅は戦略的痴呆症(Strategic stupidity)と言い切っても過言ではない」

米情報機関で朝鮮半島を担当した専門家:

 「文在寅の決定は愚かで誤り導かれた決定(Foolish and misguided decision)以外のなにものでもない」

 「後世の史家は、こう述べるに違いない。『この決定は何十年にもわたって築き上げられてきた北東アジアにおける米国の安全保障の中枢構造が終焉する、その始まりを暗示するシグナルだった、と』」

別の米外交官OB:

 「文在寅という男は、韓国に対する安全保障上の脅威(Security threats)はどこから来ると思っているのか、全く分かっていない」

 「コリア第一主義(Korea First Tribalism)に凝り固まった衆愚の知恵(Wisdom of the crowd)としか言いようがない」

「日米韓三角同盟よ、さようなら」
「日米豪印同盟よ、いらっしゃい」


 GSOMIA破棄決定を受けて米国は今後どう出るのか。

 短期的には北朝鮮のミサイル情報収集としては、2014年に締結された日米韓の「軍事情報共有協定」(TISA)がある。これまでGSOMIAと並行して機能してきた。

 同協定に基づき、米国を介した日韓間の情報交換は今後も継続させるというのが米国の方針だ。

 GSOMIAもTISAも何も北朝鮮のミサイル情報だけを扱っているわけではない。むしろもっと重要なのは中国やロシアの動向をチェックすることかもしれない。

 日米軍事情報の共有は今後さらに強化されるだるう。米国は韓国から得た情報をこれまで以上に迅速に日本に流すことになるだろう。

 国防総省関係筋はこう指摘している。

 「米国は文在寅大統領は信用しない。だが、韓国軍は信用している。つき合いは文在寅大統領とのつき合いよりも何十倍も古い」

 「先の米韓共同軍事演習も文在寅大統領の反対を押し切って実施した。それを阻止できなかったから北朝鮮は文在寅大統領を口汚く罵った」

大幅な米軍駐留費分担増要求へ

 韓国政府は、GSOMIA破棄決定を踏まえて今後米韓二国間の安全保障関係を一層強化すると宣言している。

 米国にとってはいい口実ができた。直近の対韓要求は2つある。

 一つは、駐韓米軍駐留費問題(SMA)。

 米韓問題を専門とするダニエル・ピンクストン博士(トロイ州立大学国際関係論講師)は米国はこの問題で高圧的になるとみている。

 「米軍駐留費協定交渉は昨年末以降中断したまま。韓国側は年間10億ドルを分担するとしているが、トランプ政権はその5倍、50億ドルを要求してくるといわれている」

 「協定だから議会の承認が必要だ。来年4月には選挙がある。それまでに協定に合意できなければ、駐留費問題は選挙の最大のアジェンダになってしまう」

https://www.nknews.org/2019/08/what-south-koreas-termination-of-the-gsomia-means-for-north-korea-policy/

 文在寅大統領としては米韓の隔たりを埋めて、穏便に年内に決着させたかったところだが、GSOMIA破棄決定で米国の怒りを鎮めるには米側の法外な要求も受け入れざるを得なくなってきているわけだ。

 もう一つはイランによる外国籍タンカーへの威嚇行動で生じた危機管理問題だ。

 中東ホルムズ海峡を航行する船舶の安全を確保する米主導の「有志連合構想・海洋安全舗装イニシアティブ」への参加協力要請だ。

 ホルムズ海峡は日本同様、韓国にとっても中東からのシーレーン確保の要だ。

 コリア第一主義の大衆ナショナリズムは一歩間違えば、反日から反米に点火する危険性を帯びている。文在寅大統領としても何が何でも米国の言うことを聞くわけにはいかない。

 米国にとっては、長期的にみると、これから5年、10年後の韓国をどうとらえるべきか、という重要懸案がある。

 中国が推し進めている「一帯一路」路線に対抗する米国の「インド太平洋戦略」の中核となる同盟国の構成をどうするか、だ。

 米国内には「韓国は外すべきだ」という主張が台頭している。早晩、韓国は「あちら側」つまり中国サイドにつくと見ているのだ。

 トランプ政権内部ではすでに「韓国抜き」の「インド太平洋戦略」が動き出していると指摘する専門家もいる。

 日本、豪州、インドという準大国を同盟化するというのだ。

 特に経済通商上の理由から米国と中国とをある意味で天秤にかけてきたオーストラリアは、スコット・モリソン政権発足と同時に米国に超接近し、米国の考える「インド太平洋戦略」の構築に積極的になってきたからだ。

http://www.iti.or.jp/kikan114/114yamazaki.pdf

豪ダーウィン港湾に軍用施設建設へ

 その事例がすでにある。

 マイク・ポンペオ米国務長官とマーク・エスパー国防長官は8月、オーストラリアを訪問し、米豪初の国務・国防閣僚による「2プラス2」協議で同盟強化を再確認している。

https://www.theguardian.com/world/2019/aug/04/mike-pompeo-urges-australia-to-stand-up-for-itself-over-trade-with-china

 米軍の豪州駐留永久化だ。

 米国はこれまでオーストラリア北部のダーウィンに近い豪州陸軍基地に米海兵隊を乾期だけに配備してきた。

 この港湾にワスプ級揚陸艦(LHD)が着艦可能な軍用施設を建設することを決めたのだ。すでに総工費2億1150万ドルが計上されている。

 ダーウィン港湾の管理権は15年以降、中国大手「嵐橋集団」(ランドブリッジ)が99年間貸与する契約を結んでいる。当時、中豪協力のシンボルとして騒がれた。米政府は強く反発していた。

 「嵐橋集団」のトップ、葉成総裁は人民政治協商会議の代表。中国共産党とも太いパイプを持っており、ダーウィン港湾管理権貸与の背景には対米抑止力の一翼を担う狙いがあるとされている。

 同港湾に米軍が軍用施設を建設するというのは、小さな一歩かもしれないがシンボリックな意味合いを持っている。

 米国とインドとの関係も直実に同盟化のロードマップに沿って動いている。

https://www.washingtonexaminer.com/opinion/our-most-important-alliance-in-2019-will-be-with-india-but-two-other-big-foreign-policy-opportunities-await

 オバマ政権で国務省コリア部長(韓国と北朝鮮を担当)確認だったミンタロウ・オバ氏はこう指摘する。

「GSOMIA破棄決定に米政府はこれ以上ないほどのネガティブに反応している。オバマ政権が将来を考えて編み出した協定だったからだ」

「当時関係者は『これは北東アジアにおける米安全保障体制にとっての聖杯*1(Holy Grail)だ』と言っていたくらいだ」

*1=イエス・キリストがゴルゴタの丘で磔刑された際に足元から滴る血を受けた杯。「最後の晩餐」の時にキリストの食器として使われたとされる。この杯で飲むと立ちどころに病や傷が癒され、長き命と若さを与えられるとされてきた。

 「ワシントンの多くのアジア関係者は日韓関係に赤信号が灯り始めたと見ている。韓国は今後その戦術展開の幅を狭くしてしまった」

 ワシントンの外交安保専門家たちから見ると、GSOMIA破棄で完全に米国を怒らせてしまった韓国はもはや「米国の同盟国」ではなくなってしまったようだ。

【私の論評】韓国はいまのままなら文によって、日米を蔑ろにしつつ、相手にされてもいない北や中国に秋波を送り続けることになるだけ(゚д゚)!

トランプ米政権は、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権が米政府の説得を振り切って日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄し、日韓の対立を安全保障分野に持ち込んだことで、文政権への怒りと不信を募らせています。

South Korea Flag Bikini 

協定の破棄で今後、ほんど日本には悪影響はないとともに、韓国のほうが悪影響があるともされていますが、それは情報のやりとりに関してのみいえることであり、信頼関係が大きく毀損されたことは間違いありません。

日米韓関係筋によると、トランプ政権は韓国が実際に協定破棄を強行するとは事前に認識していなかったとされ、完全に虚を突かれた形となりました。

米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は22日、トランプ政権高官の話として、韓国政府は米政権に対し、協定破棄の意思はないとの態度を事前に示していたと伝えました。

政権高官は「韓国のこうした行動は、文政権が米国などとの集団的安全保障に真剣に関与していく意思があるのか、根本的な疑問を生じさせるものだ」と述べ、韓国の同盟軽視の姿勢を痛烈に批判しました。

政策研究機関「戦略国際問題研究所」(CSIS)のビクター・チャ上級顧問は「協定は北朝鮮の行動に関する日米韓の情報共有を円滑化させてきた」と意義を説明。協定破棄は「米国の同盟システムと対立する北朝鮮や中国、ロシアを利するだけだ」と警告しました。

CSISのビクター・チャ上級顧問

日本にとっては協定破棄で今後、北朝鮮の弾道ミサイルに対する早期警戒能力が低下する恐れはありません。それはつい先日、北朝鮮から短距離ミサイルが発射されたとき、日本のほうがそれをいち早く発表しました。過去の韓国側からの北のミサイル発射情報においては、誤りも多々あり、日本側の公表の後に訂正ということもしばしばありました。

そもそも、韓国は人工衛星がないという点からも、日米から比較すると情報収集能力は格段に劣っています。

しかし、GSOMIA破棄に関して、最も恐れるべきは、今回の行動は明らかに北朝鮮や中国に利する行動であり、そのような行動をとった韓国は信用することなどできません。

韓国から米国への情報に意図的な偽情報が流され米国の国益が直接脅かされる事態となることも考えられます。さらに、その偽情報が米国から日本にもたらされる可能性も否定できません。今後、日米韓連携に加え米韓同盟も弱体化するなどの甚大な影響が出るのは確実です。

北朝鮮のミサイル情報をめぐっては、2014年に締結された日米韓の「情報共有に関する取り決め」(TISA)に基づき、日本と韓国が保有する情報を米国を介して共有する枠組みがあります。

しかし、明らかに北朝鮮や中国に利するような行動をした韓国に関しては、日米ともいつ寝首を搔かれることになるかわからないと考えるのは当然のことです。特に在韓米軍にはそのような危機があるということです。

だからこそ、トランプ政権も安倍政権もこの事態に激怒しているのです。問題は、韓国から情報が入らなくなるなるという程度の些細な問題ではなく、はるかに大きなものなのです。

このブログでは、過去に何度か指摘してきたように、日米、中露、北朝鮮のいずれの国も、朝鮮半島の現状を維持を望んでいます。

日米にとって朝鮮半島に起こり得る最悪の事態は、中国の影響力が朝鮮半島全体に及ぶことです。中露にとっての朝鮮半島の最悪の事態は、韓国ベースで朝鮮半島が統一されてしまうことです。

日本のメディアなどは、韓国を他国が欲しがると言う前提で論じていますが、北朝鮮ですら欲しがらないという現実があります。周辺国が皆要らないと言う視点を持って考える方が現実的です。

金正恩は、南北統一 をしたいなどと望んでいません。金正恩にとっての最優先課題は金王朝の継続なのです。それを前提に考えれば、北は南北統一を望んでいないわけです。北朝鮮は歴代の大統領の末路を良く知っています。南北統一後の朝鮮の大統領になるというのは自分の死刑執行にサインするのと同じようなものです。

それでなくても、南北を統一すれば、幼い頃からチュチェ思想を叩き込まれ、金王朝を尊敬するように仕向けられた北朝鮮人民のほかに、チュチェ思想とは無縁で、金王朝に対する尊敬心など全くない韓国人が北朝鮮領内にも大量に入ってくることになります。

そんなことは、金正恩は、許容できません。さらに、文在寅をはじめ朴槿恵等、朝鮮半島から数十年を経た韓国では、中国に従属しようという行動が目立ちました。これも金正恩には耐え難いことです。

金正恩は、中国の干渉を蛇蝎のごとく嫌っています。それは、中国に近いといわれていた金正恩の叔父であった、張 成沢(チャン・ソンテク)を処刑したことでも、はっきりしています。

さらに、中国に近いとされた、実の兄の、金正男氏を暗殺したことでも、明白です。両者の殺害、ならびにその後の北朝鮮内の中国に近い筋の幹部などの処刑は、北朝鮮内の親中派を震え上がらせたことでしょう。

このように、金正恩が中国を蛇蝎のごとくに嫌っているという事実と、北の核が結果として、中国が朝鮮半島全体に浸透することを防いでいます。

だからこそ、トランプ大統領は北が短距離ミサイルを発射してもほとんど苦言を呈することはありません。北朝鮮の短距離ミサイルは、米国にとっては脅威ではなく、北朝鮮と国境を直接接している中露にとっては脅威だからです。

にもかかわらず、金正恩が文在寅の南北統一等呼びかけに、快く応じてみせたのは、当初は米国への橋渡しを期待したのと、制裁破りや、制裁の緩和を望んでいたからでした。

しかし、鈍感な文在寅は、文在寅への呼びかけに快く応じたので、すっかり舞い上がってしまったのです。しかし、米国との応対が自らできるようになった現在では、文在寅への対応は厳しいものに変わってしまいました。

金正恩と文在寅

南北統一など文在寅の妄想に過ぎないのです。しかし、その妄想に浸りきった文在寅は、今でもその妄想から冷めることができず、北朝鮮や中国に秋波を贈り続け、挙げ句のはてに、GSOMIAを破棄してしまつたのです。

政策研究機関「新米国安全保障センター」(CNAS)のエリック・セイヤーズ非常勤上級研究員は米軍系軍事誌ディフェンス・ニューズに対し、協定は日米韓が今後、ミサイル防衛や対潜水艦作戦など幅広い分野で連携を進めていくための基盤に位置づけられていたと指摘し、韓国による破棄決定で同盟強化の取り組みは「元のもくあみとなった」と批判しています。

こうなると、韓国は文在寅を放逐するか、いまのまま文在寅によって、日米をないがしろにしつつ、北朝鮮や中国にまともに相手にされていないにも関わらす、秋波を送り続けることになるだけです。それは、韓国に何の利益ももたらしません。

そうなれば、在韓米軍の撤退ということになます。その時には、このブログでも何度か掲載したように、米国ならび日本を含む同盟国が、韓国から人や資産を引き上げたり、韓国に築いた様々なシステム(金融その他)や組織等を破壊、すなわち経済的焦土化をして韓国から引き上げることになります。米国は、習近平や金正恩の敵に塩を送るような真似はしません。

その時になっても、北朝鮮が韓国に手を差しのべることはありません。それは、中国もロシアも同じことです。この三国は、経済的にも余裕はないし、韓国に対して何の恩義も感じていません。むしろ、北朝鮮は韓国人難民が押し寄せないように38度線の守りを強化するでしょう。

中国も、ロシアも、船や航空機で押し寄せる難民を受付ないでしょう。無論日本だって受け付ける必要はないのです。ただし、領海の警備を強化することになるでしょう。日本に漂着した難民はすべて韓国に強制相関すようにすべきでしょう。

今年とはいいませんが、いよいよになれば、米国と協調しつつ、10月から12月頃に韓国の経済焦土化をするべきです。冬の日本海は一番厳しいので、1番の防護壁になります。そうして、次の年の春までに領海の警備を強化するようにすれば良いのです。

これには、在日米軍も多数の難民が日本に押し寄せれば、身動きがとれなくなるし、中には武装難民もいるかもしれないので、日本に協力することになるでしょう。

ただし、韓国が経済焦土化されず在韓米軍のほとんどが撤退するという道もあります。それは、韓国が米国中短距離核ミサイルの発射上になるという条件を飲めば、そうなります。

無論、発射を担当するのは米国です。そうなれば、朝鮮半島の軍事バランスは崩れます。北朝鮮の核の脅威は半減することになります。ただし、韓国が通常兵力で攻撃された場合は、核ミサイルではなかなか対応できず、日本からの在日米軍が日本からの許可を受けて韓国を助けることになります。そうなると、対応は後手にまわるしかありません。

これらはワーストシナリオですが、文在寅を今のまま放置しておけば、このような結果になる可能性がかなり高まります。韓国国民の賢明な判断に期待したいところです。

【関連記事】





2018年3月31日土曜日

トランプ氏、次は米韓同盟破棄か 「反米・親中・従北」の文在寅政権への強い不信感 接近する中朝韓に対抗し「日米台連携」も―【私の論評】韓国より台湾のほうが日米のシーパワー強化拡張に有利(゚д゚)!

トランプ氏、次は米韓同盟破棄か 「反米・親中・従北」の文在寅政権への強い不信感 接近する中朝韓に対抗し「日米台連携」も

トランプ大統領

 ドナルド・トランプ米大統領は、衝撃の「外交カード」を切るのか-。5月に見込まれる北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との米朝首脳会談で、恒久的な「朝鮮半島の非核化」を条件に、「米韓同盟破棄」を容認する可能性が指摘されている。背景に「反米・親中・従北」という韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権への強い不信感がある。26日の中朝首脳会談や、4月27日の南北首脳会談を横目に、米国は台湾への「軍事的プレゼンス」を高めるとの観測もある。「完全な非核化」のハードルは高いなか、接近する中朝韓に対抗し、「日米台連携」による東アジアの安全保障体制が構築される可能性もある。

 「北朝鮮が、完全で検証可能かつ不可逆的な方法で核放棄をすることと引き換えに、トランプ氏が在韓米軍の撤退に応じることはあり得る。その場合、日本が朝鮮半島と対峙(たいじ)する最前線となり、日米同盟の一層の強化が求められる」

 国際政治学者の藤井厳喜氏は、衝撃の予測事態を提示した。

 トランプ氏の文政権に対する不信は根強い。

 昨年9月の日米韓首脳会談直前、文政権は突然、北朝鮮に800万ドル(約8億9000万円)相当の人道支援目的の拠出を決定した。平昌(ピョンチャン)冬季五輪に際しては、米国が制裁対象としている正恩氏の妹、与正(ヨジョン)氏の開会式出席を容認したほか、期間中の米韓合同軍事演習の見送りも強く主張した。

 藤井氏は「米韓同盟の破棄は、日本にとって、必ずしも悪いことではない」と指摘し、続けた。

 「米国は、『従北』の韓国に配慮する必要がなくなり、日本との同盟関係を一層重視する。今後は、軍事的膨張を続ける中国に対抗し、日米両国が台湾の安全保障に協力する方向に進むだろう」

 日本と台湾の交流を進める「日本李登輝友の会」の柚原正敬事務局長によると、同会は近く、「日米の安全保障に関する共同訓練に台湾を参加させるべきだ」と、日本政界に提言するという。

 実は、米国と台湾は最近、急接近している。

 米台高官らの相互訪問を促す「台湾旅行法」が16日、米国で成立した。すでに、アレックス・ウォン米国務次官補代理(東アジア・太平洋担当)や、イアン・ステフ米商務次官補代理が訪台し、エド・ロイス米下院外交委員長(共和党)も27日、台湾の蔡英文総統と総統府で会談した。

 米台関係の強化を図る取り組みは、軍事レベルでも進んでいる。

 新しい大統領補佐官(国家安全保障問題担当)に内定したジョン・ボルトン元国連大使は昨年1月、米紙ウォールストリート・ジャーナルに寄稿した論文で「台湾への米軍駐留」を提言した。

 もし実現すれば、中国が軍事拠点化を進める南シナ海や、中国海軍が沖縄県・尖閣諸島周辺への進出を繰り返す東シナ海での有事に、迅速に対応することが可能になる。

 現在、台湾の米国大使館に相当する「米国在台湾協会」(AIT)台北事務所が建て替え工事中だが、完成後、世界各国の大使館、領事館の警備を担当している海兵隊が警備を担当するとの情報もある。

 前出の柚原氏は「これが実現すれば、台湾も、主権国家並みの位置づけになる。AITの新たな台北事務所は今年6月に開所式が開かれるが、海兵隊は数百人規模になるともいわれている。米国の『台湾重視の象徴』となり、軍事や経済で脅威を増す中国への揺さぶりになるだろう」と話す。

 当然、米台の接近に、中国は神経をとがらせている。

 中国情勢に精通するノンフィクション作家の河添恵子氏は「習近平国家主席は『台湾統一』を成し遂げたい。正恩氏と会談したのも、『北朝鮮との関係悪化を解消し、台湾問題にシフトしたい』という意志のあらわれではないか」と分析し、続けた。

 「中朝首脳会談で『非核化』が議題になったと伝えられるが、そう単純ではない。習氏は、北朝鮮に『核・ミサイル』を開発させ、台湾牽制(けんせい)の拠点にすると伝えられた江沢民元国家主席時代の再来を狙っている可能性がある。日本は米国を通じて台湾と緊密に連携していく必要があるが、台湾の軍部には中国系スパイがはびこり、情報漏洩(ろうえい)のリスクがある。慎重な対応が必要だ」

 台湾は、日本と東アジアの平和と安定を確保するための「生命線」(藤井氏)だ。東アジア情勢は、さらなる変化を遂げそうだ。

【私の論評】韓国より台湾のほうが日米のシーパワー強化拡張に有利(゚д゚)!

米国が第二次大戦後、太平洋西部に配置した防衛線は、かつて「アチソンライン」と呼ばれました。アチソンラインはハリー・トルーマン大統領のもと、国務長官に就任したディーン・アチソンが共産主義を封じ込めるために考案したもので、アリューシャン列島から宗谷海峡、日本海を経て、対馬海峡から台湾東部、フィリピンからグアムにいたる海上に設定されました。

アチソン国務長官は、この防衛線を「不後退防衛線」と呼び、もし、共産主義勢力がこのラインを越えて東に進出すれば、米国は軍事力でこれを阻止すると表明しました。当時はランドパワーのソビエトが海洋進出を推し進めようとしていた時期であり、これを阻止するための米国の地政戦略がアチソンラインでした。

ただ、このアチソンラインには重大な欠陥がありました。朝鮮半島の韓国の防衛や台湾の防衛が明確にされておらず、むしろこれらの地域を避けるように東側に防衛線が設定されていたため、誤ったメッセージを発信してしまったのです。北朝鮮が、このアチソンラインの意味を読み誤り、米国が朝鮮半島に介入しないと解釈したことが朝鮮戦争の引き金をひくことになったというのが定説です。

このように、はなはだ評判の悪い防衛線ではありましたが、現代でも米国は海軍の艦艇をこのアチソンラインに沿った海域に定期的に展開させており、海上の防衛線と言う意味では、アチソンラインはいまだに米国の安全保障戦略の中に息づいていると言ってよいです。

ただ、現代では、韓国と台湾はいずれも米国の防衛の対象とされていますから、現代の「新アチソンライン」は、アリューシャン列島から宗谷海峡、朝鮮半島の中央を突き抜けて、東シナ海から台湾海峡を通り、南シナ海へ抜けるルートであると解釈すべきでしょう。実際、米国の海軍艦艇は、現代でも、この線の東側で活動するのが一般的であり、西側に進出することはほとんどないです。



一方、これに対抗して中国が1990年代に設置した防衛線が、第一列島線と第二列島線であす。第一列島線は、九州を起点として南西諸島、台湾、フィリピン、ボルネオ島に至る防衛線であり、中国は有事の際、第一列島線より西側は中国が支配することを狙っているといわれています。一方、第二列島線は、伊豆諸島から小笠原諸島、グアム、サイパン、パプアニューギニアに至る防衛線であり、中国は有事の際、第二列島線より西側に、米国の空母攻撃部隊を接近させない方針だといわれています。

つまり、米国の防衛線、新アチソンラインよりはるか東側に中国は二重の防衛線を設置していることになる。この米国の新アチソンラインと中国の2つの列島線に挟まれた海域こそ、日米と中国の利害が真っ向から衝突する海域ということになります。

そうして、この海域には、日本の生命線であるシーレーンが集中しています。シーレーンは中東方面から物資を日本に輸送する船が航行する海上交通路であり、日本の輸入する原油の90パーセント近くが、中東からシーレーンを通って運ばれてきています。

シーレーンは、インドネシア周辺のマラッカ海峡から南シナ海を経由して、バシー海峡から太平洋に入り、南西諸島の東側に至り、日本本土に達するルートか、もしくは、インドネシアのロンボク海峡から、フィリピンの東側の太平洋を北上して、南西諸島に通じる遠回りのルートの2つがあるが、いずれも南西諸島の東沖で合流し、日本本土へ達します。つまり、南西諸島の東側の海域は、日本のシーレーンが集中する海域であり、日本の死活的利益がここにあります。

そして、まさにその海域で米国の防衛線と中国の防衛線が向かい合っています。米国の新アチソンラインは南西諸島のすぐ西側を台湾海峡に向かって南下し、これに対する中国の第一列島線は、まさに南西諸島そのものに設置されています。

南西諸島は、日本の九州から台湾にかけて連なるおよそ1200キロに及ぶ長大な島嶼群ですが、そのほぼ中央に沖縄本島が位置し、そこに米軍基地が集中しているのです。つまり、日本の生命線の中心に米軍は駐留していることになります。

このように、地政学的に見た場合、沖縄を中心とした南西諸島周辺は、日本にとってシーレーンが集中する戦略的要衝であると同時に、米国と日本という太平洋の二大海洋国家・シーパワーと、中国という新興の内陸国家・ランドパワーのせめぎ合いの場であり、その中心に位置する沖縄がいかに日本や米国にとって重要な戦略拠点であるかはこれ以上の論を俟たないでしょう。

そうして、台湾も沖縄本島近くでありながら、第一列島線よりも左側にあり、より大陸中国に近い位置にあります。

韓国と台湾の違いは何かといえば、韓国は半島とはいいながら、大陸と陸続きです。大陸に属する国は、ランドパワーを蓄積することになります。台湾、沖縄、日本は島嶼です。島嶼に位置する国は、シーパワーを蓄積することになります。



ランドパワーとシーパワーのいずれが強いかということは、単純に比較することはできませんが、過去においては、欧州の大陸国家に長期間優位を保ち続けてきたイギリスをみれば、シーパワーのほうが強そうです。

そうして、それは現在でもそうです。明らかにシーパワーです。世界の勢力図を見れば明らかです。

そもそも、シーパワーはランドパワーの上位互換の概念です。米国は本来陸軍国でしたし、過去の日本もそうでした。ランドパワー国家が資本を蓄積して海軍を充実させ得た状態がシーパワーであって、シーパワーは、地理的要因によるものだけではありません。

シーパワー国家は海軍より先に、他国に比し突出した資本が存在していたのです。要するにもともと強い国。

ただ、島国の場合は、昔からシーパワーを蓄積してきた歴史があるということです。現在は中国がそれを目指して努力しています。ただし、シーパワーは資本を蓄積したからといってすぐに蓄積されるものではなく、長い間の経験とノウハウの積み上げが必要不可欠です。

シーパワー国家は自身が地域ナンバー1の強者なので、自分と同等に近い、大陸ナンバー1を仮想敵に据えます。すると何が起こるかというと、大陸ナンバー1の一国を相手にするだけで、周辺国をすべて味方にできます。その方が安全保障上も、通商上も都合が良いし、孤立せず常に大陸に影響力を発揮できるからです。

さて、このあたりを考慮すると、韓国のシーパワーは確かに脆弱です。そもそも、総合的な軍事力で脆弱なのですが、その中でも海軍力は脆弱です。とはいいながら、大陸に地続きであるといことから、ランドパワーをおろそかにすることはできません。となると、どうしてもシーパワーは中途半端にならざるを得ません。北朝鮮には核があるだけで、シーパワーは無きに等しいです。

台湾も、現状では軍事力が脆弱ですが、それでもボルトン氏が提唱するように、米軍が駐留するようになれば、話は違ってきますし、それに経済的にも大陸中国よりは一人あたりGDPも大きいわけですから、これからシーパワーを蓄積することも可能です。

台湾海軍

シーパワー国である、日米が韓国と台湾を比較した場合、どちらの同盟関係を強化したほうが良いかといえば、明らかに台湾のほうが、シーパワーを総合的に拡張するという面では有利です。

ただし、韓国はやはり、中国陣営と直接接するのでなく、緩衝地帯としての価値はあります。だから、すぐに韓国から米軍を撤退させるべきではないと思います。緩衝地帯があるとないとでは、かなり安全保証面での考え方が異なります。特に、日本にとっては、韓国という緩衝地帯があるということは重要でありなおざりにはできません。

ただし、台湾と韓国を比較すれば、明らかに日本にとっても、台湾のほうが価値が高いです。台湾を中国領にされることは、日米にとって、シーパワーの拡張の機会を失うことになります。

日米が、台湾との同盟を強化すれば、未だ脆弱な中国のシーパワーを封じ込めることにかなり有利になります。

やはり台湾は大陸中国から守り抜き、日米台の同盟を強化すべきでしょう。そうして、ブログ冒頭の記事に掲載されているように、"「完全な非核化」のハードルは高いなか、接近する中朝韓に対抗し、「日米台連携」による東アジアの安全保障体制が構築される可能性"も十分にあり得ます。

米国は、韓国から米軍を引き上げ、日米台の同盟を強化し、台湾には米海兵隊を駐留させるとともに、日米艦船が台湾に頻繁に寄港したり、駐留させることにより、中国のシーパワーを封じ込めることには、余程大きく寄与するかもしれません。

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