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2017年6月13日火曜日

「ポスト安倍」も問題だらけだ! 財務省や日銀の言い分信じて財政や雇用理論を間違える人―【私の論評】今のままでは再びデフレスパイラルの無間地獄にまっしぐら(゚д゚)!

「ポスト安倍」も問題だらけだ! 財務省や日銀の言い分信じて財政や雇用理論を間違える人

「人手不足なのに賃上げが進まないのは謎だ」と主張したり、財政危機を強調したりする人は相変わらず多い。本コラムの読者であれば間違っていることがわかるだろう。こうした人たちはなぜ間違えるのか。

 人手不足でも賃金が上がらないことをテーマにした書籍も出ている。労働経済学や経営学、社会学、マクロ経済、国際経済の専門家や、厚生労働省、総務省統計局、日銀のエコノミストなど20人以上が書いているというので読んでみたが驚いた。

 誰一人として、構造失業率(いくら金融緩和してもそれ以上下げられず、インフレ率だけが高くなる失業率の水準)を論じていないのだ。そして、無意識なのだろうが、既に完全雇用が達成されているという前提で論が進められている。


22名の馬鹿が、現代日本の労働市場の構造に関する驚きの
無知をさらけ出した書籍 写真はブログ管理人挿入 以下同じ

 ちまたのエコノミストでも。「賃上げが進まない理由は経済学で解明できない」という人もいるが、単に構造失業率を間違っただけだ。構造失業率を「4%台だ」と公言した人もいる。

 本コラムの読者であれば筆者が試算した構造失業率が2%台半ばであることをご存じだろう。構造失業率を自分で計算できない人に限って、日銀が「3%台半ば」と言っていたのをうのみにする。そうした意味で、かつての日銀は罪作りである。

 さすがに、最近の日銀はこの誤りに気がついてきたので、徐々にトーンダウンしている。そのうち「2%台半ば」と修正するだろう。

 次に「財政危機」である。これを強調する人は単に財務省シンパであるか、財務省の言うことをうのみにする人たちだ。財務省は、バランスシート(貸借対照表)の右側の「負債」だけを強調するが、財政を分析するには、日銀を含めた統合政府で、左側の「資産」も見る必要がある。そうすれば、日本に財政問題はほとんどないことが分かる。これは、最近来日したノーベル賞学者のシムズ教授やスティグリッツ教授も述べていることだ。

 財務省の意見を妄信してきた人の中には、「シムズ氏やスティグリッツ氏が間違っている」と豪語する人もいる。もしそうなら、ノーベル賞学者を論破して世界的な脚光を浴びるだろう。

 これまで財務省の言いなりになってきた人はいまさら意見を変えられないのだろう。もし変えたら自分の否定になってしまうからだ。

 このように、日銀と財務省がこれまで行ってきたキャンペーンの負の弊害が出ているのだが、まだ日銀のほうがましだといえる。「リフレ派」が審議委員に登用されるなど、誤った意見を変えようとしている。

 一方、財務省にはそうした気配が全く感じられない。財政再建に関する誤解のほうが広く流布しており、その是正は容易ではない。マスコミは特にひどく、財政危機が前提として話が進められる。

 安倍晋三政権はそれを信じていないことがただ一つの救いだが、残念なことに「ポスト安倍」は財政危機を妄信している人ばかりだ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】今のままでは再びデフレスパイラルの無間地獄にまっしぐら(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事で、高橋洋一氏が指摘しているように、「賃上げが進まない理由は単に構造失業率を、本当は2%台半ばであるものを3%台半ばであると間違っただけ」、日銀からさらに量的金融緩和をすれば、失業率は2%半ばにまでさらに下がるはずなのに、日銀は量的金融緩和をしないので、失業率が高含みのまま推移しているので、人手不足でも賃金があまりあがらないという状況が続いているのです。

それにしても、『人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか』という書籍を執筆した労働経済学や経営学、社会学、マクロ経済、国際経済の専門家や、厚生労働省、総務省統計局、日銀のエコノミストなど20人以上は、この構造的失業について理解していないようですから、以下にそれを解説します。

総務省では、失業を発生原因によって、「需要不足失業」、「構造的失業」、「摩擦的失業」の3つに分類しています。 
  • 需要不足失業―景気後退期に労働需要(雇用の受け皿)が減少することにより生じる失業 
  • 構造的失業―企業が求める人材と求職者の持っている特性(職業能力や年齢)などが異なることにより生じる失業 
  • 摩擦的失業―企業と求職者の互いの情報が不完全であるため、両者が相手を探すのに時間がかかることによる失業(一時的に発生する失業)
日銀は、構造失業率が3%台前半で、直近の完全失業率(4月時点で3・2%)から下がらないので、これ以上金融緩和の必要がないという考えが主流のようです。

過去の失業率をみてみると、以下のような状況です。

過去20年近くは、デフレなどの影響があったので、あまり参考にならないと思ういます。それより前の過去の失業率をみると、最低では2%程度のときもありました。過去の日本では、3%を超えると失業率が高くなったとみられていました。

以上から、日本の構造失業率は3%を切る2.7%程度ではないかと私は考えます。そうして、このくらいのことは、高校の経済社会の教科書にも掲載されている程度の内容です。

ただこの数値自体には私は、それほどこだわっていません。これは、政策判断するときのひとつの目安にしかすぎないものです。ただいずれにせよ日銀の3%台との見方は高すぎです。

実際には構造的失業と思われていた部分でも循環的要因に反応するところがあります。そのため金融政策で考えたときは、やはり期待インフレ率と実際のインフレ率を目安にしなくてはいけないです。2.7%が真の構造的失業の水準か否かはそれで判断できます。

物価目標も未だ達成できないのですから、これはどう考えてみても、未だ失業率は、構造的失業率には達していないとみるべきです。日銀は、すぐにでもさらなる量的緩和を実施すべきです。

それにしても、書評では、労働経済学や経営学、社会学、マクロ経済、国際経済の専門家や、厚生労働省、総務省統計局、日銀のエコノミストなど22名の気鋭といわれる人々が、高校の政治社会で教えられていることも理解しないで論評するというのですから、全く本当に困ったものです。この状況では、ほとんどの政治家が金融政策について無知なのも無理はないのかもしれません。

「財政危機」に関しても、日本政府は、そのような状況には全くないことは、このブログで何度も掲載してきました。そもそも、政府の資産(日本政府は、世界で最も巨大な資産を持っている)も考慮し、統合政府ベース(政府と日銀の連結決算ベース)で財政を考えた場合、日本政府は借金まみれどころか、今年からは確実に金貸しに転じています。

それについては、何度もこのブログに掲載しています。その代表的なものを以下に掲載します。
「国の借金」巡るホラー話 財務分析すれば怖くない―【私の論評】鳥越より悪質な都市伝説が現実になる新手の辛坊らの発言には気をつけろ(゚д゚)!
詳細は、この記事を御覧ください。この記事より、統合政府の債務の推移のグラフを以下に掲載します。
以下は統合政府純債務残高の推移を示したものです。

このグラフから日銀の金融緩和政策の国債の買い入れによって、純債務残高が、2014年度でも政府純債務GDP比は35%まで減少していたことがわかります。 
さらに、下のグラフは、統合政府の債務残高の予測まで含めた推移を示したものです。

日銀が国債を買えば買うほど統合政府の政府純債務は減ります。 
日銀の年80兆円の国債買い入れペースだと、2017年度には純債務から、純資産になるため、財政再建は完璧に終了することになります。実質的には、2016年度中に終了するか、2016年半ばを過ぎている現在もうすでに終了したと言っても良いくらいです。 
蓮舫氏は無論このようなことも理解していないのでしょう。実質財政再建が完了した問つても良いこの時期に、さらなる増税など全く必要ありません。 
増税すれば、我が国の60%占める個人消費の低迷を招き、GDPの伸びが阻害され、かえって税収が減ることになるだけです。
 このグラフの元となった、統合政府の債務の計算方法(ブログ管理人自らが計算)など、リンク先をご覧いただければ、わかります。興味のある人は是非ご覧になって下さい。高橋洋一氏なども同じような計算をしています。

そうして、これに関しては、ブログ冒頭の高橋洋一氏が指摘するように、財政再建に関する誤解がまかりとおっていて、政治家の多くが日本政府は借金まみれであると信じ込んでいます。だから、増税するのが当然であると思い込んでいます。そうして、その背後には無論財務省が存在します。

実際、先日もこのブログに掲載したように、自民党の野田毅氏と村上誠一郎氏が16日に立ち上げた「アベノミクス批判」の勉強会は、財務官僚が裏から手をまわしてつくらせたものだとみられています。

この勉強会の真の目的は、公約通り安倍首相に消費税増税を実施させることでしょう。驚いたのは、自民党議員が約60人も参加したことです。野田さんも村上さんも、一匹狼のような存在で、自分で人を集めるようなタイプではないし、あの2人が声をかけても簡単には人が集まらないはずです。60人も集まったのは、財務省が裏で動いたからだと考えられます。




マクロ経済に関しては、民進党は馬淵議員と、昨年の夏の参議院選で落選した金子洋一氏のみがまともに理解しているのみで、あとはほとんどの議員が理解していません。民進党が政権をとれば、日本はすぐにでもデフレに逆戻りです。

ところが、残念ながら自民党の議員の大部分もマクロ経済音痴であり、構造的失業率は無論のこと、日本政府は莫大な借金をかかえていて、増税をしないととんでもないことになるという財務省の作り話を信じています。信じていないのは、安倍総理とその側近のわずかな人たちだけです。

こうなると、確かに高橋洋一氏の主張するように、「ポスト安倍」は財政危機を盲信している人だけになり、そのような人が総理大臣になれば、日本はまたデフレに舞い戻ることになります。何のことはない、今のままだと、まかり間違って民進党が与党になろうと、自民党が与党になろうと、デフレに舞い戻ることは必定なのです。

それは、お隣の韓国をみれば良くわかります。朴槿恵大統領のときから、雇用がかなり悪化していたのに、朴槿恵元大統領は金融緩和政策を採用することはありませんでした。さらに、文在寅新大統領も全く金融緩和をする兆しがありません。積極財政もしないようです。このままだと、韓国経済はますます落ち込むことになります。そうなると、文在寅政権も長くは続きません。

文在寅新大統領の経済・雇用関連関連政策金融緩和策・積極財政などの景気循環的
な対策は一切含まれていない。このままではデフレスパイラに突入するのは必定
日本のほとんどの政治家も、韓国の文在寅大統領をはじめとする政治家もも、回復しつつある日本の経済と、さらに悪化しつつある韓国経済の差異は、どこにあるのか全く気づいていないようです。その、差異は日本は不十分といいながらも、金融緩和を実施しており、韓国はしていないということです。

日本では、若者雇用がここ数十年で最高となり、韓国は最悪になっている真の要因はここにあるのです。

今のままでは、「ポスト安倍」の日本も韓国と同じようなことになります。自民党もマクロ経済音痴が総理大臣になれば、デフレに舞い戻り、若者はまた最悪の就活に悩まされることになります。また麻生政権以前の政権のように短命政権が続くことになります。そうして、終いには、いずれかの政党に政権交代されることになります。

政権交代した政党も、まともなマクロ経済政策を実行しなければ、デフレから抜け出すことができず、短期政権となります。そうして、何度政権交代をしても、まともなマクロ経済政策を実行しなければ、50年後くらいには日本は先進国ではなくなっているかもしれません。

かつては、先進国だった、アルゼンチンのように発展途上国になるかもしれません。

そうなってからでは遅いです。ポスト安倍を狙うような人は、最低限財務省のキャンペーンに踊らされないように、マクロ経済を勉強しなくても良いですから、マクロ経済対策の方向性だけは間違わないようにすべきです。

若手の政治家らは、ある程度は勉強して、正しいマクロ経済政策を実行できるようにすべきです。そうすれば、有力な次期総理大臣候補になれます。なにしろ、現状では小泉進次郎議員を筆頭に、若手議員もほとんどがマクロ経済音痴です。

そうして、安倍総理は「ポスト安倍」も視野に入れて、マクロ経済政策を理解する若手を育てていただきたいものです。

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2017年3月29日水曜日

不法入国者が女子学生をレイプ、学校の言い分は?「反トランプ」メディアは事件を黙殺―【私の論評】専門家より米国の実体を知り判断できる素人のほうが、米国の全体像を把握できる(゚д゚)!


ホワイトハウスで定例記者会見を行うショーン・スパイサー大統領報道官。ロックビル市の
公立高校で起きたレイプ事件について言及し、全米の注目を集めた(2017年3月21日撮影)
米国の首都ワシントン近郊の公立学校で、不法入国のまま通学していた17歳と18歳の中米出身の男子生徒が、同じクラスの14歳の米国人女子生徒をレイプした容疑で逮捕された。

 地元では、不法滞在の外国人がなぜ年下の米国人生徒と同じ学年で同じクラスに入っているのかと非難する声と、不法入国者をかばう声とがぶつかり、トランプ政権の政策の是非論にまで発展している。

 また、トランプ政権の厳しい入国制限政策に反対するメディアの一部はこの事件をまったく報道しなかったため、批判を浴びた。

   なぜ下の学年のクラスに編入されたのか

 米国メリーランド州・ロックビル市の公立ハイスクールで3月16日、グアテマラ出身のヘンリー・サンチェス(18)とエルサルバドル出身のホセ・モンタノ(17)という2人の生徒が、強姦の容疑で警察に逮捕された。

 警察の発表によると、2人の容疑者は16日午前、同校の米国人女性生徒(14)を校内の男子トイレに連れ込んで交互に乱暴したという。警察は、両容疑者が昨年メキシコ領内から米国へ密入国してきた不法入国者であることも明らかにした。

 ロックビル市では同校の父兄らが中心となり、不法入国者がなぜ公立学校への入学をすぐに認められ、しかも年齢が3~4歳下の一般クラスに編入されているのかなどについて学校当局に詰問し抗議した。

 学校側は、「不法入国でも未成年の居住者は公立学校への入学が認められる」という1980年代の米国最高裁の判決や、オバマ政権時代に慣行化した「英語能力の不十分な不法滞在者は公立学校で低学年クラスに編入する」という方針を示して、現状に問題はなかったと答弁した。

 学校側の言い分を支持する声もある。メリーランド州議会の民主党議員たちは、学校当局の措置を非難する父兄たちに対して、「不法入国者でも米国当局の保護を受ける権利がある」と反論した。

 さらに民主党議員たちは、この機に乗じるように、メリーランド州全体を、不法居住を取り締まらない「サンクチュアル・シティー(聖域都市)」に指定する法案を州議会に提出する動きも見せ始めた。だが、メリーランド州のラリー・ホーガン知事(共和党)がこの案に反対し、たとえ州議会が可決しても拒否権を使うと宣言した。同州議会で多数を占める民主党議員たちは当然反発し、不法入国者の扱いをめぐる議論はさらにヒートアップしている。

   3大テレビネットワークは事件を無

 なお、メリーランド州の地元メディアはこの事件を詳しく報道したが、全米レベルではFOXニュース・テレビ以外はほとんど扱わなかった。

 共和党保守派に近いFOXは、この事件の根本的な原因はオバマ政権の移民政策にあるとして、連日のように報道した。

 一方、民主党寄りのCBS、ABC、NBCといった3大テレビ局は事件をまったく報じなかった。FOX側はその報道姿勢について、「3大テレビネットワークは、これまでの移民政策や不法入国者対策が破綻していることを認めたくないために、この事件を故意に無視しているのだ」と繰り返し批判している。

 公立ハイスクールでのレイプ事件は、不法移民対策をめぐる米国の分断を浮かび上がらせることになった。

【私の論評】専門家より米国の実体を知った上で判断する素人のほうが、米国の全体像を把握できる(゚д゚)!

トランプ政権の厳しい入国制限政策については、日本ではほとんど報道されないものの、米国ではかなり支持されていることが明らかになっていました。

それについては、このブログでも掲載したことがあります。その記事のリンク以下に掲載します。
日本メディアのトランプ報道はもはや「誤報」レベル―【私の論評】日本の大赤恥かきメディアは未だ全く反省していない(゚д゚)!
米カリフォルニア州ロサンゼルスで、ドナルド・トランプ大統領の移民政策に抗議する運動「移民の
いない日」に呼応して休業したアイスクリーム店の前で反トランプデモを行う人々(2017年2月16日撮影)
この記事は、今年の2月18日のものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事より米国でトランプ政権による入国制限が支持されていたという部分のみを以下に引用します。
ところで、肝心の米国民はトランプ政権のこの措置にどんな反応を示したのでしょうか。

最初に世論調査の結果を報じたのはロイター通信でした。調査では、米国民の49%がトランプ大統領の措置に賛成、41%が反対という結果が出ました。米国の一般国民の約半数は大統領の措置に賛意を表明しており、反対する人より多いという事実が明らかとなったのです。

私も、この結果についてはいち早くネット上の情報から知ることができました。しかし、私の記憶ではこの情報に関しては、日本のメデイアはことごとく無視していました。

ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポスト、CNNテレビなど、反トランプ色が強く、民主党を支持するリベラル・左派系メディアは、その結果をごく簡単に報じただけでした。

しかし、その直後の2月初め、今度は米国の大手世論調査機関ラスムセン社が世論調査の結果を公表しました。それによると、7カ国からの入国を一時禁止する措置への賛成が57%、反対が33%であり、賛成派が大差で多かったのです。
ラスムセン社の世論調査の結果を報道するテレビの画面
ラスムセン社は、大統領選キャンペーン中もトランプ氏の支持率を他の世論調査機関よりも正確に伝えてきた実績があります。ところが、ラスムセン社が発表した「57対33」という数字は、日本の主要メディアの間ではまったく報道しませんでした。

さらに世論調査機関「モーニング・コンサルト」が政治雑誌の「ポリティコ」と合同で実施した世論調査でも、同じような結果が出ています。2月6日に報道された調査結果によると、トランプ政権の入国一時禁止措置を支持する米国民は全体の55%、不支持は38%でした。
さらにこの合同世論調査で注目すべきなのは、トランプ大統領が矢継ぎ早に打ち出した11の大統領令のうち、入国一時禁止措置は一般米国民から最も高い支持を得ていることです。

例えば、TPP(環太平洋パートナーシップ)からの離脱は支持が47%(不支持が33%)、メキシコとの国境での壁建設は支持が47%(不支持が42%)でした。これらよりも入国一時禁止措置は支持されています。トランプ大統領が出した11の大統領令はすべて賛成が反対を上回っている点も注視に値します。

一見、過激に映り、日本のメディアなどが、根拠のないただの暴走のように報道し続けるトランプ大統領の措置は、多くの米国民から支持されていたのです。民主党系の反対派は「人道主義に反している」「憲法に違反している」と非難しているのですが、実は民意に沿っていないということなのです。

何のことはない、トランプ大統領は民意に沿った行動をしているというだけなのです。米国の大統領が米国の国民の多数の民意を汲んだ行動をすることは当たり前といえば、当たり前です。
多数派の国民の民意は、トランプ大統領の、厳しい入国制限政策に賛成であり、無論不法移民にも反対であると考えられます。 民主党寄りというか、リベラル・左派のCBS、ABC、NBCといった3大テレビ局は今回のレイプ事件をまったく報じなかったというのですから、さらに多くの国民から不信感を持たれたことでしょう。

しかし、まさにこのような状況は米国では日常茶飯事で繰り返されてきたのです、なぜそのようなことになるかといえば、このブログでも過去に何度か掲載してきたように、米国のメディアの90%がリベラル・左派であるということが大き原因です。

米国の新聞は、一部の弱小な新聞社を除けば、ほとんどすべて、特に大手はすべてがリベラル・左派です。日本にたとえれば、産経新聞が存在せず、すべてが朝日新聞などのリベラル・左派に占められているような、とんでもない状況なのです。テレビ局もそれと同じような状況です。唯一の例外がFOXtvであり、ここだけが保守です。

だから、ブログ冒頭の記事にもあるように、"民主党寄りのCBS、ABC、NBCといった3大テレビ局は事件をまったく報じなかった。FOX側はその報道姿勢について、「3大テレビネットワークは、これまでの移民政策や不法入国者対策が破綻していることを認めたくないために、この事件を故意に無視しているのだ」と繰り返し批判している"というような状況に至ったのです。

米国にも人口比からいえば、国民の50%は保守層であると考えられるのですが、保守派メディアは10%程度に過ぎないので、保守メディアの声はほとんどかき消されてきたというのが実情です。かき消されたというのは、生ぬるい表現かもしれません。元々、保守の声など存在しないかのごとく扱われてきたのです。

これは、メデイアだけに及ばず、米国のリベラル・左派は、事実上民主党や教育機関、映画などの大衆娯楽を乗っ取ったために、大統領選挙でトランプ氏が勝利する前までには、完璧に無視され、米国民の世論イコール、リベラル・左派の世論というような風潮が形成されていたのです。

昨年亡くなった米国の保守層の精神的柱であった、フィリス・シュラフリー女子。
彼女の遺言は、トランプ大統領を実現させることだった・・・・・・・・・・・・。
ブログ冒頭の記事では、"公立ハイスクールでのレイプ事件は、不法移民対策をめぐる米国の分断を浮かび上がらせることになった"としていますが、これは明らかな間違いです。もともと、米国は大きくいうと、リベラル・左派と保守派に分断されていたのですが、公には保守層は存在しないかのごとくに扱われてきただけなのです。

だから、日本のメディアで良く言われているようにトランプ大統領が誕生した途端に、米国が分断したのではなく、もともと分断していたものが、トランプ大統領が誕生の過程で、それが多くの人々に認識されるようになったのです。

その前までは、米国の世論イコール「リベラル・左派の世論」とされてきて、多く保守派の人々が、自分たちはマイノリティーであると思い、自分たちの考えを公にすれば、主流はのリベラル・左派の人々に変質者や変態であるなどと批判されることを嫌って、自分たちの考えなどを公にすることを控えたのです。

それに反発した、実際には米国の人口比で5割程度は存在するとみられる保守層が、一斉にトランプ支持に回ったので、トランプ大統領が誕生したのです。これについては、日本ではほとんど報道されません。

リベラル・左派は幼稚園のころから「資本主義の邪悪さ」と「社会主義への同情」を刷り込まれ洗脳されています。だから、彼らにとっては、自分たちは絶対善であり、悪の自由主義や資本主義の象徴であるトランプ氏は「叩きのめすべき敵」以外の何者でもないのです。

だからこそ、今回のレイプ事件に関連して、メリーランド州全体を、不法居住を取り締まらない「サンクチュアル・シティー(聖域都市)」に指定する法案を州議会に提出する動きも見せ始めたという、とんでもないことが起こりそうになったのです。

しかし、リベラル・左派が、トランプ氏を政治的に貶めようとすればするほど、それが逆効果になっています。米国民の多く、特に保守層は「リベラル・左派の抗議団=米国を3等国に転落させたい連中」とみています。選挙期間中には、テロリストを支持する集会リベラル・左派によってが開催されたことが、トランプ氏への得票につながったことも、保守派は知っています。

今回のレイプ事件に関して、リベラル・左派が報道しなかったことや、オバマ政権時代に慣行化した不法移民に対する扱いなどの不当性については、今後ますます保守派がこのようなことを許すことはしなくなるでしょう。

そうして、リベラル・左派が今回のような動きをみせるたびに、保守派の結束は強くなり、トランプ大統領への支持は益々高まっていくことになります。

いままで、日本でも、米国のリベラル・左派の世論しか注目してきませんでした。そうして、米国の半分である保守層の世論を無視してきました。

そうして、米国のリベラル・左派の世論にどっぷりとつかり、米国を判断してきた専門家には、米国の全体像を捉えることはできません。これからは、上記のような米国の実情を知った上で、判断する素人のほうが、全体像を捉えられるかもしれません。そうして、そうした素人の中から、次世代の専門家が誕生することになることでしょう。

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