GDPギャップを算出するには、潜在GDPの求め方が重要になるが、ここでは内閣府の方法に準じて筆者が推計したもので考える。日銀が算出している潜在GDPは、内閣府や筆者のものより小さい数字となっている。
ただし、潜在GDPが完全雇用に対応するGDP水準ではなく、現実GDPの上限ではない。実際のGDPがこれを超えることもしばしばある。
潜在GDPそのものは過去のGDP水準から傾向的な水準として算出され、潜在GDP水準を超えられないものと見るべきではない。ここで見られるGDPと洗剤GDPとの乖離はその水準ではなく、変化方向を見るべきものだ。
次に、このGDPギャップと、半年先の失業率の関係を見てみよう。2000年以降四半期ベースで見たGDPギャップと半年先の失業率の関係を示すと、下の図になる。右軸にGDPギャップ率、左軸に失業率をとっている。図をわかりやすくするために、左軸は反転させて表示しているが、GDPギャップはやはり半年後(2四半期後)の失業率ともかなりの逆相関関係がある。
あの消費増税がなければインフレ率は今頃……?
ついでに、GDPギャップと半年先の失業率を見るときには、GDPギャップと半年先のインフレ率(消費者物価総合指数の対前年同期比)も同時に見ることにしている。
失業率とインフレ率は逆相関の関係になっていることが知られている(フィリップス曲線)。これを子細に見ていくと、両者の間は、GDPギャップを介在して、逆相関なのだ。例えば、GDPギャップがマイナスで大きいと将来の物価が下がり、将来の失業率が高くなる。逆にGDPギャップがプラスで大きいと将来の物価が上がり、将来失業率が低くなる。
この関係に、マネタリーベースの伸び率を加えて、インフレ率を予測したものが、下図である。その際、消費増税の影響を入れたものと入れないものを示している。消費増税なかりせば、今頃のインフレ率は1~1.5%程度になっていたものと思われる。
消費増税は、GDPを減少させ、GDPギャップを拡大させ、同時にインフレ率を低下させたようだ。
中国経済の統計こそが大問題!
いずれにしても、前週の本コラムに書いたように、今景気が減速しているのは、消費増税と中国経済の影響である。その際、中国経済については、過度に楽観視するのは危険である。
日銀の黒田総裁は、26日、ニューヨークで講演し、中国経済について「市場は悲観的になり過ぎている。中国経済は今年から来年にかけて6-7%の高い成長が見込まれる」と語り、日本への輸出についても「甚大な影響はない」と語ったと伝えられている。
しかし、中国経済については、その統計が信頼できないことが最大の不透明要因である。もし、中国政府の言うことが信用できるならば問題ないが、それが問題の本質なのだ。
統計の問題は、かつての社会主義体制のソ連と同じく、国家が経済活動に当事者として関与しすぎると、統計作成の主体にふさわしくなくなる。経済活動の当事者と客観的な統計調査者の間には大きな利益相反がある。
しかも、中国の場合、GDP統計の発表が早すぎるし、その改定はまずない。
1997年、アジア危機の教訓
日銀の黒田総裁は、財務省の言うままに、消費増税の影響も見誤った。今度も、中国政府を鵜呑みにして、政策運営を間違って欲しくない。
金融政策としては、就業者数が増加、失業率が低下などの雇用環境が良く、物価がそれほど上がらないというのは、結果としてはそれほど悪くない。ただし、物価が上がっていないのは、消費増税によるGDP低下のためであり、そのGDPギャップの拡大は、将来の雇用を悪化させる可能性が高い。
日銀の黒田総裁は、財務省の言うままに、消費増税の影響も見誤った。今度も、中国政府を鵜呑みにして、政策運営を間違って欲しくない。
金融政策としては、就業者数が増加、失業率が低下などの雇用環境が良く、物価がそれほど上がらないというのは、結果としてはそれほど悪くない。ただし、物価が上がっていないのは、消費増税によるGDP低下のためであり、そのGDPギャップの拡大は、将来の雇用を悪化させる可能性が高い。
今のままのGDPギャップであれば、遅かれ早かれ、雇用は悪化し出す可能性が高い。その際、もし中国経済が統計どおりでなく日本だけが悪いことにされたら、目も当てられない状況になる。
消費増税による影響と海外経済低迷による影響がダブルパンチできたら、日本経済は大変だ。1997年からアジア危機である。1997年4月から3%から5%への消費増税があり、アジア危機でダブルパンチだった。
1998年の経済成長率は、日本を含めたアジア各国でマイナスであった。このマイナス成長について、現時点での日本の学界での通説はアジア危機の影響である。
実は、その当時、筆者は大蔵省官僚として検討作業に少し参加した、当時の役所内の雰囲気は、消費増税の影響ではなく「アジア危機の影響にしよう」というものだった。
筆者は、その雰囲気に違和感を覚えた。そして、その時に着目したのは、アジア諸国の経済変動だった。
もし、アジア危機のために、経済苦境になるのであれば、震源地のタイや韓国と関係の深い国のほうが影響は大きいはずだ。しかし、日本の影響は、他のアジア諸国より大きかった。
ちなみに、1998年の経済落ち込みは、日本も含めてアジア諸国で起こったが、翌1999年も日本だけはマイナス成長であったが、他のアジア諸国は回復している(下図)。
さらに言えば、1998年の経済落ち込みを経験した国で、1999年の回復度合いについて、(1998→1999の経済成長率アップ)/(1997→1998の経済成長率ダウン)という指標で見ると、香港76%、インドネシア78%、韓国147%、マレーシア92%、フィリピン64%、タイ164%なのに対して、日本はわずか50%で最低である。
これは日本にアジア危機という外的要因以外に固有なものが存在することを示しているが、1997年4月からの消費増税以外にはなかった。
今回の中国ショックが同じような危機になるかについて、正直に言えば誰にもわからないが、万が一に備えて準備すべきだ。
先週のコラムで書いたように、外為特会の含み益を活用して、補正予算を今国会中に組むことがベストだ。この場合、即効性があり有効需要を作りやすい、減税・給付金などの政策が望ましい。
補正予算は、政府に歳出権限を与えるだけなので、もし実際に使わなくてもまったく問題はない。それにあわせて追加金融緩和に検討したらいい。備えあれば憂いなしだ。
この記事の詳細はこちらから(゚д゚)!
【私の論評】中国の経済危機を日本経済悪化や再増税の根拠にさせるな(゚д゚)!
上の高橋洋一氏の提言に関しては、非常に鋭い分析であり、これに対して何か批判したり、何かを付加したりする必要性などありません。とはいいながら、多少誤解されやすいところがあることのみ本日は付け加えたいと思います。
ただし私の言いたいことなど、察しの鋭い方はもう了解されているとは思いますが、それでも、この内容はほとんど報道されていないので、このブログに掲載する価値があるものと思います。
まずは、高橋氏の上の記事には、リーマン・ショックのことが掲載されていませんでしたので、それを掲載したいと思います。
さて、リーマン・ショックといえば、2007年のサブプライムローン(サブプライム住宅ローン危機)問題に端を発した米国バブル崩壊を動機に(サブプライムローンという債権をあたかも資本と思い込ませた借金の転売による多重債務)、多分野の資産価格の暴落が起こっていました。
リーマン・ブラザーズも例外ではなく多大な損失を抱えており、2008年9月15日(月)に、リーマン・ブラザーズは連邦倒産法第11章の適用を連邦裁判所に申請するに至りました。この申請により、同社が発行している社債や投信を保有している企業への影響、取引先への波及と連鎖などの恐れ、及びそれに対する議会政府の対策の遅れからアメリカ経済に対する不安が広がり、世界的な金融危機へと連鎖しました。
日経平均株価も大暴落を起こし、9月12日(金)の終値は12214円でしたが、10月28日には一時は6000円台(6994.90円)まで下落し、1982年10月以来26年ぶりの安値を記録しました。
さて、本題はここからです。リーマン・ショックで経済が悪化した各国は、すぐに中央銀行が金融緩和を行いました。しかし、日本の中央銀行である、日銀は、そうではありませんでした。
これについては、最近もこのブログに掲載したことがあるので、その記事のリンクを以下に掲載します。
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、リーマン・ショックに関する記述のみ以下にコピペさせていただきます。
ただし私の言いたいことなど、察しの鋭い方はもう了解されているとは思いますが、それでも、この内容はほとんど報道されていないので、このブログに掲載する価値があるものと思います。
まずは、高橋氏の上の記事には、リーマン・ショックのことが掲載されていませんでしたので、それを掲載したいと思います。
当時のリーマン・ブラザーズの破綻を伝える日経新聞 |
さて、リーマン・ショックといえば、2007年のサブプライムローン(サブプライム住宅ローン危機)問題に端を発した米国バブル崩壊を動機に(サブプライムローンという債権をあたかも資本と思い込ませた借金の転売による多重債務)、多分野の資産価格の暴落が起こっていました。
リーマン・ブラザーズも例外ではなく多大な損失を抱えており、2008年9月15日(月)に、リーマン・ブラザーズは連邦倒産法第11章の適用を連邦裁判所に申請するに至りました。この申請により、同社が発行している社債や投信を保有している企業への影響、取引先への波及と連鎖などの恐れ、及びそれに対する議会政府の対策の遅れからアメリカ経済に対する不安が広がり、世界的な金融危機へと連鎖しました。
日経平均株価も大暴落を起こし、9月12日(金)の終値は12214円でしたが、10月28日には一時は6000円台(6994.90円)まで下落し、1982年10月以来26年ぶりの安値を記録しました。
さて、本題はここからです。リーマン・ショックで経済が悪化した各国は、すぐに中央銀行が金融緩和を行いました。しかし、日本の中央銀行である、日銀は、そうではありませんでした。
これについては、最近もこのブログに掲載したことがあるので、その記事のリンクを以下に掲載します。
景気減速に中国政府は焦りと弱音 日中関係改善へ共産党幹部の姿勢に変化―【私の論評】日銀がまともになった今中国がどうなっても、日本には影響は少ない!そんなことより、日本は一刻もはやくデフレからの脱却を急げ(゚д゚)!
景気刺激策は取らないと強調する李克強首相 |
しかし、多くの人は大きな見逃しをしています。本当は、当時の経済財政担当相がリーマンショックを「蜂がさした程度」と表現したことは正しかったかもしれません。ただ一つ、ある一つの条件さえ満たしていれば・・・・・・・・・・。
その条件とは、日本銀行による金融政策です。リーマン・ショック後直接影響を大きく受けた国などの中央銀行は、景気を素早く回復させるため大金融緩和を行いました。しかし、日本銀行は、日本国内がデフレ・円高傾向にありしかも他国が大金融緩和を行ったにも関わらず、頑なに金融引締め政策を行いました。
本来はリーマン・ショックなど日本にとっては「蜂の一刺し」に過ぎなかったものを日銀が金融緩和政策をしなかったために、さらなる超円高、さらなるデフレの深刻化を真似いてしまい、結果として戦後の日本で最大級の経済危機になりました。
日銀はリーマン・ショック後も金融緩和をしなかった |
リーマン・ショックはアメリカやEUにとって、サブプライムローンなどのつけを支払うという形で直接的に経済に悪影響を及ぼしました。しかし、日本の場合はサブプライムローンに関しては、ほんど関係がなかったにもかかわらず、他国中央銀行が大金融緩和をしたにもかかわらず、日本銀行が何もしなかったため、超円高・デフレの深刻化を招いてしまったというわけです。だから、日本においては、リーマンショックなどという呼び方は正しくありません。「日銀ショック」とでも呼ぶべきだったでしょう。
このように、私はリーマン・ショックそれも、こと日本におけるそれに関しては、本来サブプライムローンの影響など日本にはほんどとなく、本来は悪影響はあまりなかったはでした。日本においては、そんなことよりも、他国が大規模な金融緩和を行う中、日銀が何もしなかったことが、その後の日本経済に甚大な悪影響をおよばしました。
だから、日本経済は、酷い低迷からなかなか抜け出せなかったのです。まさに、「日銀大ショック」とも呼ぶべき、日銀の怠慢により、リーマン・ショックからの立ち直りが世界でも最も遅く、サブプライムローンの震源地であるアメリカや、それを大量に運用したEUよりも、被害が大きくなってしまったのです。
上記を頭に入れていただいた上で、今回の中国経済の悪化と日本経済の関係について述べてみます。
現状は、中国の経済が悪化しており、それもいつ回復するかも目処が立たない状況です。だから、ブログ冒頭の高橋氏の記事のように、確かに中国の経済悪化は、中止して、いざというときのために、対策をとっておくべきです。
しかし、中国の経済危機だけを強調しすぎると、それこそ、日本の経済が本来8%増税で悪くなっているにもかかわらず、増税が真の原因とはされずに、中国の低迷だけがその原因とされるようになってしまかねません。
一番避けるべきシナリオは、中国経済が長期間かけて、ある程度回復する過程や、その後にまで、日本の経済が悪化したことの原因は、消費税ではなく中国経済の悪化のみがその原因とされ、増税の失敗が、カムフラージュされそのまま放置され、日本経済の低迷が長期にわたって続くことです。
そんな馬鹿なと考える人もいるかもしれまんせんが、上に述べたように、日本には前例があります。そうです、「日銀ショック」という前例です。
過去においては、リーマン・ショックという日本の国内事情とは直接関係のない外的要因があまりにも強調されすぎ、日銀の不手際はほとんど指摘されることはありませんでした。
私自身は、本来中国の景気低迷は、日本にはあまり関係ないと思っています。それは、中国に直接・間接投資を莫大に行っている企業や、現在中国に大規模に進出している企業は当然のことながら大きな影響があるのは必至です。しかし、中国の経済の悪化のみが、日本の実体経済に、甚大な悪影響を与え、とんでもない状況になるとは考えていません。
その根拠については、先日このブログにも掲載しました。そのリンクを以下に掲載ます。
私自身は、本来中国経済の日本への影響は軽微であるはずなのに、それがこれからもありえる日本経済低迷の主な原因とされ、かつて日本の8%増税、そうして10%増税を強力に推進した、マスコミや政治家、官僚の責任が全く追求されなくなってしまうことのほうがはるかに脅威であると思います。
そんな馬鹿なと考える人もいるかもしれまんせんが、上に述べたように、日本には前例があります。そうです、「日銀ショック」という前例です。
過去においては、リーマン・ショックという日本の国内事情とは直接関係のない外的要因があまりにも強調されすぎ、日銀の不手際はほとんど指摘されることはありませんでした。
私自身は、本来中国の景気低迷は、日本にはあまり関係ないと思っています。それは、中国に直接・間接投資を莫大に行っている企業や、現在中国に大規模に進出している企業は当然のことながら大きな影響があるのは必至です。しかし、中国の経済の悪化のみが、日本の実体経済に、甚大な悪影響を与え、とんでもない状況になるとは考えていません。
その根拠については、先日このブログにも掲載しました。そのリンクを以下に掲載ます。
衝撃!中国経済はすでに「マイナス成長」に入っている〜データが語る「第二のリーマン・ショック」―【私の論評】中国経済の悪化をだしに、日本の積極財政を推進せよ(゚д゚)!この記事は、今月の8月24日のものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、中国経済の低迷が日本経済に甚大に影響を及ぼすことはないという根拠の部分にのみ以下に掲載します。
さらに、中国への直接・間接投資も最近ではかなり減少していて、この状況では、中国経済の低迷そのものがすぐに日本にかなりの悪影響を及ぼすとは考えられません。日本の貿易依存度はG20の中で18番目。先進国で日本より貿易依存度が低いのは米国だけです。以下に世界の国々の直近の輸出依存度などの数字を掲載します。
G20諸国の輸出依存度と輸入依存度(GDP比)は下記の通り。
●輸出依存度(GDP比)日本ははたして輸出依存国ではないことははっきりしています。そして、日本の対中依存度は下記の通りです。
韓国 :43.4%●輸入依存度(GDP比)
ドイツ :33.6%
メキシコ:26.2%
中国 :24.5%
ロシア :24.4%
日本 :11.4%
アメリカ: 7.5%
韓国 :38.8%
ドイツ :28.0%
カナダ :24.6%
アメリカ:11.4%
日本 :10.8%
対中輸出依存度(GDP比):2.79%日本の輸出依存度(GDP比)11.4%のうちの2.79%、輸入依存度(GDP比)10.8%のうちの2.44%が中国依存です。特に日本が中国に依存しているとは、考えられません。
対中輸入依存度(GDP比):2.44%
さらに、にこの輸出入は日本で生産した資本財を中国に輸出、現地の日系企業がその資本財で工業製品を生産し日本に逆輸入している場合も多く、日本からみると、中国が輸出入の相手でなければならないなどということはありません。
私自身は、本来中国経済の日本への影響は軽微であるはずなのに、それがこれからもありえる日本経済低迷の主な原因とされ、かつて日本の8%増税、そうして10%増税を強力に推進した、マスコミや政治家、官僚の責任が全く追求されなくなってしまうことのほうがはるかに脅威であると思います。
最近テレビで視聴したのですが、あの8%増税を強力に推進した、熊谷亮丸氏も、中国の経済悪化については、日本も対策をたてる必要があると自信たっぷりに提言していました。これは、彼のような増税をすべきと主張してきた人々にとってろは好機到来かもしれません。
かつて8%増税の日本経済への影響は軽微としていた熊谷氏 |
かつて、増税を推進し、増税しても日本経済への影響は軽微などと語っていた人々は、増税が日本経済の悪化の主要因ではなく、中国経済の悪化がその主原因であるとの、大キャンペーンをはじめるかもしれません。
彼らは、今は様子見をしていて、いずれ、時がきて、日本経済が低迷しだしたら、日本経済は8%増税ではなく、ずっと前から中国の経済統計が不透明なためあまり認識されてこなかったが、悪影響を受けていて、それが真の原因であるとのキャンペーンをするかもしれません。
そんな馬鹿なと思われるかもしれませんが、日本には金融緩和をするとハイパーインフレになるとか、国債が暴落するとか、摩訶不思議、奇妙奇天烈な論理で、金融緩和に反対した人々が大勢いたことを忘れるべきではありません。
さらに、これに財務省の官僚や、政治家などが加担して、もともと日本経済は、中国経済の低迷の悪影響を被っているので、8%増税や、10%増税などして、経済が悪化しても、それは増税に問題があるのではなくて、中国経済の悪化に原因があるとして、10%増税をゴリ押しして、またまた日本は失われた20年に突入してしまうかもしれません。
中国経済の悪化による日本経済の悪化により、財政赤字はさらに増え、増税もやむなしという、増税キャンペーンの大嵐が吹き荒れることになるかもしれません。
このような「日銀ショック」のような状況を再び招かないためにも、まともな経済政策を今から打っていく必要があります。
しかし、このような危機も回避できる可能性もでてきました。それは、昨日もこのブログに掲載した次世代の党の動きです。以下にそのリンクを掲載します。
彼らは、今は様子見をしていて、いずれ、時がきて、日本経済が低迷しだしたら、日本経済は8%増税ではなく、ずっと前から中国の経済統計が不透明なためあまり認識されてこなかったが、悪影響を受けていて、それが真の原因であるとのキャンペーンをするかもしれません。
そんな馬鹿なと思われるかもしれませんが、日本には金融緩和をするとハイパーインフレになるとか、国債が暴落するとか、摩訶不思議、奇妙奇天烈な論理で、金融緩和に反対した人々が大勢いたことを忘れるべきではありません。
日本では奇妙奇天烈・摩訶不思議な経済論が巷を賑わした |
さらに、これに財務省の官僚や、政治家などが加担して、もともと日本経済は、中国経済の低迷の悪影響を被っているので、8%増税や、10%増税などして、経済が悪化しても、それは増税に問題があるのではなくて、中国経済の悪化に原因があるとして、10%増税をゴリ押しして、またまた日本は失われた20年に突入してしまうかもしれません。
中国経済の悪化による日本経済の悪化により、財政赤字はさらに増え、増税もやむなしという、増税キャンペーンの大嵐が吹き荒れることになるかもしれません。
このような「日銀ショック」のような状況を再び招かないためにも、まともな経済政策を今から打っていく必要があります。
しかし、このような危機も回避できる可能性もでてきました。それは、昨日もこのブログに掲載した次世代の党の動きです。以下にそのリンクを掲載します。
【倉山満の砦】次世代の党の経済政策を紹介―【私の論評】次世代の党はすべてのマクロ政策が個々の企業の業績や、個々人の生活にどうかかわるのかを明確に訴えよ(゚д゚)!これも、詳細はこの記事をご覧いただくものとて、次世代の党の経済政策のあらましを以下に掲載します。
次世代の党は、デフレ脱却まで徹底した金融緩和・消費増税10%の延期・外為特会の含み益20兆円を活用した補正予算を組み景気対策を行うことを経済政策とする。さらに、新たに就任した和田幹事長が名目経済成長率5%のインタゲを明言しました。
また、次世代の党新幹事長の和田政宗さんが「金融緩和で名目成長率5%をめざす」と街頭で演説。
このような経済政策を打ち出す次世代の党は、少なくとも、中国の経済の悪化だけを日本の経済悪化の理由するなどという、とんでもないことは言い出すことはないでしょう。
従来は、安倍総理とそのブレーンという極少数の人々だけが、まともな経済政策について論議していて、野党は全く頓珍漢な経済認識しかしていませんでした。
いずれにしても、中国の経済が悪化しても、それをあまり軽くとらえると、そもそも、経済対策そのものが必要なしという論調が高まる可能性がありますし、逆に悪化を重大にとらえると、そもそも日本の経済の悪化は、増税など関係なく中国の経済の悪化が主原因であるとして、増税の根拠にされてしまう可能性があります。
中国経済の状況については、とくかく増税派に利用されることがないように、注視していく必要があります。
このような論調が出てきた場合には、このブログで徹底的に批判していきます。
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私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?
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