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2017年6月29日木曜日

都議選の結果で国政への影響は… 民進は「虎の子」の都議を小池氏に奪われるだけかも―【私の論評】積極財政に無関心の小池知事は国政に影響を与えられない(゚д゚)!


都議選の応援をする小池知事

 7月2日に投開票される東京都議選では、何が争点となっているのだろうか。

 民進党や共産党では、トップである代表や委員長が加計学園問題や改憲など、国政問題を掲げている。一方、自民党の幹部や公明党の代表は、豊洲市場への移転問題など都政を訴えている。都議選なのに国政問題を訴えるのは場違いに思えるが、テレビに露出するだけでいいという考え方なのだろうか。

 事前の世論調査をみると、選挙戦では、都民ファーストの会と自民が熾烈な議席獲得競争を続けており、民進、共産は厳しい戦いのようだ。

 国政では、安倍晋三政権が支持率をやや失っており、地方の都議選とはいえ、本来なら民進や共産に有利に働いてもおかしくない。しかし、その批判票は今のところ都民ファーストが受け皿になっている。

 一方で、豊洲移転をめぐる迷走で、都民ファーストへ流れた批判票も一部は自民党に回帰している可能性もある。両党の競争の結果として、民進、共産が切り崩される展開となっているもようだ。それが、冒頭のように民進、共産が国政の課題を訴える背景になっている。

 都議選の現場では都民ファーストと自民は競っている。都民ファーストを率いる小池百合子知事が最近表明した「豊洲移転・築地再開発」の評判は良くない。豊洲と築地の両方にいい顔をしただけと見る人は多い。

 筆者としても、本コラムで書いたように、豊洲への移転は、サンクコスト(埋没費用)論と、豊洲・築地の科学的なリスク評価のみで合理的な帰着である。しかし、「食のテーマパーク」としての築地再開発についてはさっぱりわからない。

 無理してテーマパークのような施設を作ることは可能だが、問題はその後どのように黒字経営できるかだ。思いつきレベルでどこまで収支計算ができるか分からないし、そもそも都庁が口を出さずに、民間に売却して再開発してもらった方が政策の「打率」もいいだろう。そうした不合理性が都民に浸透すれば、都民ファーストの戦いも苦しくなる。

 逆に、今の小池ブームの勢いが続けば、自民が苦戦するだろう。しかし、これが国政に影響するとは必ずしも言えないのではないか。民進、共産が大躍進しない限りは、国政での自公連立は揺るがないからだ。というのは、都民ファーストが勝てば公明の勝利、自民が勝てば自民の勝利なので、かなり乱暴な言い方ではあるが、国政における自公政権としては、どっちが勝ってもいいともいえる。

 都民ファーストが勝利しても、2020年の東京五輪を控えて、小池都知事が国政で自公政権と対立するとは思えず、むしろ協力関係になるだろう。民進にとっては「虎の子」の都議を小池知事に奪われるだけになる恐れもあるのだ。

 いずれにしても民進や共産が期待する国政の混乱にはなりそうもない。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】積極財政に無関心の小池知事は国政に影響を与えられない(゚д゚)!

高橋洋一氏の読みは正しいと思います。都民ファーストの会が大勝利したとしても、国政にはあまり影響はないでしょう。

国政に関して、なぜ安倍政権が一強になるかといえば、それは経済対策に関して、野党や自民党内の他の幹部クラスと比較して、まともであるということがいえます。

特に金融政策は未だ不十分とはいいながら、安倍政権が政権の座についてからは、緩和に転じたため、現状では若者雇用を筆頭にかなり雇用環境が良くなっています。

一方、マスコミ全部と与野党の政治家が8%増税に大賛成し、しかもこの増税は日本経済に与える影響は軽微としたため、やむなく増税に踏み切ったところ、軽微であるどころか、甚大な悪影響を与え、個人消費が伸び悩みGDPの伸びはいまいちというところで、今のままではまた何かがあればデフレに戻りかねない状況です。

実際に、8%増税の悪影響で、税収も減っています。2016年度の国の一般会計税収が55兆5千億円前後にとどまり、15年度の56兆2854億円を下回ったことが28日分かりました。前年度割れはリーマン・ショックの影響で税収が急減した09年度以来7年ぶりです。


政府は16年度税収に関し、当初予算の段階では15年度を上回り57兆6040億円に達すると見込んだが、昨年末の補正予算で1兆7440億円下方修正し、55兆8600億円に減少すると見積もり直しました。

この税収減少については、マスコミは8%増税の悪影響であることを報道しませんが、これは以前にもこのブログにも掲載したように、増税による個人消費の減退は明らかで、これが税収の減少につながつていることは明らかです。

日経新聞は、昨秋までの円高で企業収益が伸び悩み、法人税収が低迷したことが響いたなどとしていますが、これよりも個人消費の落ち込みが大きかったことは明らかです。これについては、以前このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
なぜ日本の「実質GDP成長率」は韓国以下のままなのか?―【私の論評】緊縮会計をやめて消費税も5%に戻せ(゚д゚)!
 
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では8%増税の悪影響について掲載しました。

この記事から、一部分を以下に引用します。
日本国民は、長期化するデフレの中で、ながらく消費支出を抑えてきたが、2012年終盤以降、現在の安倍政権発足と「アベノミクス」によるデフレ脱却の機運の高まりの中で、消費性向は急上昇した。 
2014年4月の消費税率引き上げ直後も、その余勢(もしくは、長年のデフレによる「倹約疲れ」も影響してか)からか、消費性向はすぐには低下しなかったが、2014年の夏場以降、急速に低下し始めた。 
この間、景気回復のモメンタムは失われたが、雇用環境の改善は続いたため、全体としての賃金(統計的には雇用者報酬)の増加は続いた。だが、賃金の回復局面にもかかわらず、消費性向の低下(及び、貯蓄率の上昇)はむしろ、加速度的に進行した。
そして、消費性向の低下の推移をみると、特に加速度的に低下が進行したのは2016年半ば以降であった。 
思い起こすと、ちょうど2016年6月に、安倍首相は、2017年4月に予定していた消費税率再引き上げの先送りを発表した。この決定自体は、当時の経済状況を考えると「英断」であったことは間違いない。ただ、問題は、次の消費税率再引き上げを2019年10月に単に「先送り」しただけであったという点だと考える。 
多くの国民は、「2017年からの消費税率引き上げはなくなったが、いずれかの時点(この場合、2019年10月)で消費税率の引き上げは実現し、場合によっては、それだけでは終わらず、将来的にはさらなる増税も実施されるに違いない」ことを想定して、「節約志向」を変えなかったと推測される。そして、この流れは現在も継続中ということなのだろう。
さて、長々と日本経済の現状について掲載してきましたが、結局何が言いたかったかといえば、確かに8%増税には失敗しましたが、金融緩和のほうはそれなりに効果がでてきて、雇用状況はかなり良くなっているということです。これが、安倍政権一強の最大の要因です。

さて、実はこの事実には、都民ファーストの会が将来国政において大躍進できる機会がったかもしれません。

そうです。東京都が日本全国に先駆けて、積極財政に踏み出せば、東京都のGDPは全国に先駆けて上昇し、金融緩和+積極財政で、経済が上向き東京都はデフレから完全に脱却して、物価も上昇、実質賃金もはっきりと上昇傾向になり、この業績をもって小池知事が国政に積極財政を標榜して再び参画すれば、都民ファーストの会は国政レベルで相当躍進したかもしれません。

さらに、積極財政を標榜し、無論さらなる量的緩和も実施することを標榜し、国政に打ってでれば、国政でキャスティング・ボードを握り、それこそ近い将来に初の女性総理大臣登場ということにもなったかもしれません。

しかし、小池知事はこのせっかくのチャンスを棒に振ったかもしれません。なぜなら、小池知事はどうも積極財施などはなから念頭にないようなのです。

たとえば、今年の2月28日、東京都議会定例会の本会議が開かれ、各会派による代表質問が行われたときに、最初に質問に立った最大会派自民党の高木啓幹事長(51)は、いきなり「個人都民税の10%削減を提案したい」と切り出したのですが、小池氏はこれを一蹴してしまったからです。

高木氏は小池百合子知事(64)が昨年、知事給与を半減させ、議会も議員報酬を2割削減することを可決したことを指摘した上で、「来年度予算案で720億円の歳出削減しているので、成果を直接都民に還元することは、都民福祉の向上に結びつく」と理由を説明。減税規模は約880億円に上るとの見通しを示ししました。

この減税提案は他会派から「知らなかった」との声が上がる完全な“隠し球”。これに対して答弁に立った小池氏は、この提案を一蹴したのです。
 「高額所得者ほど減税額大きくなる。税の公平性の観点から問題がある。都市と地方の税収格差が問題視される中で都富裕論から財政調整の動きに拍車をかけることになりかねない。慎重に戦略的な対応をすべきだ」
代表質問を終え小池知事の前を通って自席に戻る自民高木啓議員
加えて2017年度予算案で無駄なコストを削って捻出したとする720億円は、「待機児童など必要な政策に思い切って投じ、都民に還元している」とすでに使い道が決まっているとかわされました。

質問終了後、記者団に対して高木氏は「議会は自らの待遇を引き下げた。その成果が自己満足で終わってはいけない」としたうえで、「財源の問題も含め唐突なことではなく、背景があってこの問題提起した。確実にできる目標」と強調しました。

この高木議員の「個人都民税の10%削減を提案」に関しては、ひょっとすると本人は積極財政などという考えはなかったかもしれません。単に、節約できたから、それを都民に還元すべきという程度の主張なのかもしれません。

しかし、本人が意図しようとしまいと、積極財政の提案であることにはかわりありません。もし、小池氏が国政レベルでの積極財政を推進すべきであるとの考えを持っていれば、ここまではっきりと否定することはなかったと思います。

積極財政といえば、国政でなくとも、都政でもできることはあるのです。高木議員の提案はその一つにすぎません。

実は東京都には、他にもデフレ的経済と闘う手段があります。これは、経済学者の田中秀臣氏が提案していたのですが、東京都で地域通貨(アービング・フィッシャー流の日付け貨幣というもの)を発行するという方法もあります。

この地域通貨と、現在行われてる地域通貨と決定的に違うのは、これを取得したものは一定期限に利用しないと事実上のペナルティ(追加の増税)を受けることにあります。最寄りの地方自治体の窓口に行き、この「日付け貨幣」を受け取った者(希望者に限定する)は、一定の期間に消費してしまわないと、むしろ追加の税負担を要求されるのです。

そのためこの追加の税負担を避ける目的で、「日付け貨幣」を得たものは積極的に消費する、という政策の枠組みです。これに類した政策の枠組みは多数あります。要はやる気の問題なのです。

東京都の経済が活性化すれば、都の財政状況も改善し、必要な社会保障などの財源として貢献することでしょう。だが、いまの東京都の現状では、むしろ低所得者層の状況を悪化させている消費増税の負担で、社会保障を充実しようという倒錯した形になってしまっている。そしてそれは東京都だけではなく、日本全体の縮図でもあるのです。

だからこそ、東京都が何らかの手段で、積極財政に転じて、東京都が他に先んじて、全国に先駆けてデフレから完全脱却し経済を良くすれば、都民フアーストの会は国政でも勢いを増し、その結果として、小池百合子氏が国政でキャスティング・ボードを握るということもあり得たかもしれないのです。

そうして、もしそうなれば、豊洲への移転問題など、さして問題にされなくなったかもしれません。そうして、もし小池氏がこの道をすすむというなら、私としては大歓迎です。であれば、私は都民ファーストの会を応援し、日本初の女性首相の誕生を待望したかもしれません。

さて、小池百合子氏が積極財政にあまり関心がないことを示す客観的事実はこれだけではありません。

これは、2008年 にまだ自民党に属していた、小池百合子氏が、総裁選に出馬したときの公約をみると良くわかります。

当時の公約について書かれている記事を見つけました。そのリンクを以下に掲載します。
自民党総裁選:小池百合子氏の公約
9月10日、小池百合子元防衛相は自民党総裁選公約で日本が
生かしきれていない潜在力を十分発揮できるよう
戦略的に取り組むことが必要との認識を示した

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この公約から経済政策のみを以下に拾ってみます。

"
 4.「経済力」

(1)財政政策は「財政に家計の常識を入れる」ことを基本にする。

  ・「借金依存の贅沢はしません」=赤字国債増発による景気対策は打たない。

  ・「資金繰り計画を変えません」=2011年度までの財政再建目標は堅持する。

  ・「ヘソクリを今こそつかいます」=構造改革の果実や特別会計の余剰金等を使う。

(2)当面の景気対策について

  ・必要な財源は特別会計の剰余金(いわゆる霞ヶ関埋蔵金)として、財政出動の部分は「経済力」「環境力」「女性力」を強化するという観点から再検討する。

(3)今後の経済財政運営は以下のように考える。

  ・マクロ経済政策運営としては、変動相場制のもとでの財政出動には効果がないとの認識に基づき、金融政策を中心として、必要に応じて減税政策を行い、個別業界へのばらまき財政支出は行わないことを基本とする。

  ・日本がもっている「もったいない力」を生かしきれば2.5─3%以上の経済成長をする実力を持っている。

  ・名目成長率4%を巡航速度とする先進国で一般的な経済の姿を実現する。その結果10年以内に、国民一人当たりGDPを18位から5位に引き上げる。

  ・2011年度の基礎的財政収支黒字化目標は堅持し、増税の前に、無駄の削減、公務員給与の更なる削減、政府資産売却などを徹底的に行う。

(4)借金依存体質に「リバウンド」させてはいけない。

(5)税制改革については以下のように考える。

  ・現在の石油関連税制を総合的に見直して、CO2排出量に応じた一般財源としての「炭素税」に切り替える。

  ・国税は、国税の原則である「応能税、人税、累進的課税」に基づくもので構成すべき。消費税は道州制導入の際に、地方の基幹的税として州政府に税源移譲すべき。

  ・相続税は、高齢者介護の社会化が進んでいること、高齢者の資産格差が拡大しており、この格差を次世代が継承することは望ましくないとの社会的公正の観点から、広く薄い資産課税を適正に行うものとして、福祉財源に充当する。

  ・経済活性化の観点からは、法人税減税の引き下げ、ファンドマネージャー課税の撤廃等の税制の国際標準化を行うべき。法人税率については、地域振興のための法人税減税特区を実現する。

  ・中小企業向けの欠損金繰り戻し還付制度を確立する。黒字から赤字転落した中小企業の納付済み法人税を3年前までさかのぼって還付し、中小企業税制の国際標準化により競争力を高める。

(6)海外の豊かさを日本に取り込む。

  ・羽田空港を24時間化するとともに全国主要都市の国際空港機能を強化して、日本をアジアのヒト・モノ・カネの中心とする。

  ・2013年の農林水産物輸出額1兆円の政府目標を順守する。

  ・国民の豊かさの定義を拡充するため、GDPからGNI(GDP+海外からの純所得)を重視すべき。

  ・英語教育を徹底する。とりわけ公教育における小学校英語教育を拡充する。

"
なにやら、頓珍漢な内容です。特に、"財政政策は「財政に家計の常識を入れる」ことを基本にする"というのは、どういうことなのでしょうか。家計のように、とにかく借金を減らすというプライマリーバランス至上主義であるとしかうけとりようがありません。

マクロ経済政策運営としては、"変動相場制のもとでの財政出動には効果がないとの認識に基づき、金融政策を中心として、必要に応じて減税政策を行い"としてはいるのですが、ではこれと財政政策とはどう折り合いをつけようというのか、理解できません。

しかし、財政政策を筆頭にあげているので、やはり、財政政策を優位におき、マクロ経済政策による景気変動対応型の金融緩和、積極財政はあくまでも従という取扱のようです。

やはり、安倍総理が後にあげた、三本の矢である、金融政策、財政政策、成長戦略(成長戦略はとってつけたようなもので不要だったと私は思うが)とは随分異なるものです。

やはり、小池知事の頭の中は、積極財政は従という扱いであるとしか思えません。

これでは、その他大勢の国会議員と大同小異で、安倍政権に対して優位性を保ったり、キャスティングボードを握ることは不可能です。2008年から時もたっているので、小池百合子氏も考えかを変えたかもしれないと思う人もいるかもしれませんが、この時点で財政優先の考えを持っている議員でその後考えを変えた人は与党にも野党にも存在しません。小池知事だけが、例外であるとは考えにくいです。

そうなると、豊洲移転への不手際や、築地市場の失敗も目に見えるてくるでしょうし、都民ファーストの会が国政で大きな影響を与える機会も訪れることはないでしょう。今回の都議会選挙では勝利するかもしれませんが、その後は線香花火のような状況になり、少数政党として、いずれ消えていくか、他の党に吸収されて終わりということになると思います。

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2016年5月21日土曜日

舛添都知事“絶命”危機 都議「6月辞任不可避」 都議会各会派徹底追及へ ―【私の論評】上下左右から辞任に王手で新潮流が生まれる可能性も(゚д゚)!




   東京都の舛添要一知事(67)の「政治とカネ」をめぐる問題で、新事実が次々と明らかになっている。まさに“疑惑の総合商社”状態だ。そんな中、都議会各会派も、6月議会で「豪華海外出張」や「公用車での別荘通い」「韓国人学校への旧都立高校貸し出し」など、数多の疑惑・問題を徹底追及する方針を固めた。都庁周辺では「6月辞任」説が流れ始めており、舛添氏は絶体絶命の危機を迎えている。

    前回会見(13日)以降、発覚した主な疑惑・問題は以下の通り。

    まず、舛添氏が代表を務めていた資金管理団体「グローバルネットワーク研究会」(現在は解散。以下、グローバル研究会)の収支報告書に、2012年8月、栃木県日光市の「宿泊費」約8万4000円が支出されていた。お盆の時期にあたり、「千葉県の温泉施設同様、政治資金を家族旅行に流用したのでは」という疑惑が浮上した。

    参院議員時代の13年、政治資金を使ってネットオークションサイト「ヤフーオークション(ヤフオク)」で、ブロンズの裸婦像や竹久夢二のリトグラフなどを購入していたことも分かった。「財テク疑惑」が投げかけられたが、舛添氏は「海外の方と交流する際のツールとして活用している」と説明した。

    政党交付金の「ネコババ疑惑」(週刊文春)も強烈だ。

    舛添氏関係の政治資金収支報告書によると、代表を務めていた新党改革比例区第4支部が解散する直前の14年1月、前出の「グローバル研究会」に計約526万円が寄付されていた。このうち、約429万円は税金が原資の政党交付金だった。

    グローバル研究会は14年7月末に解散したが、資金は現在の舛添氏の資金管理団体「泰山会」に寄付されていた。違法性はないようだが、事実上、国民の血税を還流したものといえる。

    事務所費の問題も重大だ。舛添氏は少なくとも新党改革の代表に就任した10年以降、自宅に事務所を構える自身の複数の政治団体から、毎月44万2500円、年間計531万円の家賃の支払いを受けていた。

    これらの疑惑・問題は、舛添氏に定着した「セコイ」「卑しい」「小さい」というイメージを、さらに補強した。

舛添氏の「韓国優遇」姿勢を決定付けるような資料も見つかった。

    夕刊フジは18日、独自入手した都の資料「都内外国人学校(認可校)の状況」をもとに、韓国人学校の充足率が100%未満で、「旧都立高校を貸し出すことに緊急性がない」(都議)という問題を報じた。

    舛添氏に対する不信感・嫌悪感の高まりを受け、都議会も放置できなくなってきた。6月1日に議会が開会されるが、野党会派を中心に徹底追及の機運が高まっている。

    こうしたなか、同月9日から始まる総務委員会での質疑が注目される。

    医療法人「徳洲会グループ」から現金5000万円を受け取ったとして、14年12月に知事を辞任した猪瀬氏も、総務委員会で窮地に追い込まれた。5000万円を模した白い箱をカバンに押し込もうとして、チャックが閉まらない“醜態”をさらした、あの委員会である。質疑は「一問一答」形式で行われる。

    舛添氏の辞職を求める文書を知事室に提出している、おおさか維新の会傘下の「東京維新の会」代表、柳ケ瀬裕文都議は「舛添氏の『6月辞任』は不可避の情勢だ」といい、続けた。

    「6月7日の代表質問と、8日の一般質問での厳しい追及は避けられない。舛添氏の答弁が不十分となれば、9日と13日に予定されている総務委員会が舞台となる。もし、舛添氏を担いだ自民、公明の両会派が総務委員会への招致を断ったら、都民が『何をやっているんだ!』と黙っていない。舛添氏をかばうことはできないだろう」

    都庁関係者も「自公会派には『参院選へのダメージを避けたい』という思いもある。一気に『舛添降ろし』の流れができるのではないか」と語った。

    永田町も注視している。

    自民党都連のメンバーで、危機管理に精通する警察庁出身の平沢勝栄衆院議員(東京17区)は「都民の信頼なくして知事職は続けられない。信頼がなければ誰もついてこない。神奈川県湯河原町の別荘に毎週通っていたのは、危機管理上も組織掌握上も大問題だ。首都直下地震などに即応できないうえ、都庁の組織は弛緩(しかん)し、緊張感がなくなる。ともかく、多くの都民は、舛添氏の説明にまったく納得していない」と語った。

【私の論評】上下左右から辞任に王手で新潮流が生まれる可能性も(゚д゚)!

舛添氏というと、最近では政治資金の問題ばかりが指摘されますが、それ以外にも問題があったことは事実です。そうして、それらの問題から、舛添氏が東京都知事には元々ふさわしくない人物であったと思います。

まず第一に、舛添氏は2010年当時、自民党を出て新党を旗揚げしています。その時自民党は舛添氏を離党ではなく、除名処分にしています。それについては以下の動画をご覧ください。



除名されるには、されるだけの理由があります。その理由は、比例当選したにもかかわらず、離党しようとしたからです。

舛添要一前厚生労働相が「離党-新党結成」の意向を固めたのは、執行部批判を先鋭化させるあまり党内で孤立、引くに引けなくなったという事情がありました。以下に、当時の新党結成に関する桝添氏のインタビューの動画を掲載します。



ただし、東京知事選では他に有力な候補者がいなかったため、自民・公明は舛添氏を応援しました。そもそも、これが失敗だったと思います。他にも、探せば舛添氏以上の候補者などいくらでもいたと思います。なぜ、他の候補者を擁立しなかったのか、今考えても本当に不思議でなりません。比例で当選したにもかかわらず、脱党したので除名した人間を応援ということは通常はあり得ません。

このようなことをしたことが、その後舛添氏を増長させてしまったことは、否めません。このことが、舛添氏に後でも述べる自身への万能感をさらに増長させたものと思います。増長した人間は、碌なことをしないと昔から決まっています。

次に、離婚2回、結婚3回という過去があります。確かに、結婚、離婚は個人のプライバシーに関わることであり、個人の問題であることです。しかし、個人の問題とはいいながら、一般人ならともかく、知事の候補者としてはいかがなものかと思います。

結婚生活もまともに送れない人が、知事として勤まるかどうかは甚だ疑問です。それも、二度も失敗しています。


これに関する記事を以下に掲載します。この記事は週刊ポスト2014年1月24日号のものです。舛添知事が知事になったときの東京都知事選の直前のものです。
『舛添要一の凄すぎる「女」と「カネ」 結婚3回、離婚2回、子供2人に愛人の子3人、現在「隠し子、養育費裁判」係争中』
首都の顔を決める都知事選挙。有力候補の一人と見られているのが無所属での出馬を表明した舛添要一・元厚労相(65)だ。実は舛添氏、類い稀な男性的魅力を持っているようで、「永田町イチの艶福家」として知られているのだ。 
舛添氏の最初の結婚は1978年、相手はフランス人女性だった。出会いは、舛添氏が東大法学部政治学科を卒業後、パリ大学研究所やジュネーブ高等国際問題研究所の研究員を歴任したヨーロッパ留学中のことだった。帰国後の1979年、舛添氏は31歳の若さで東大教養学部の助教授に就任。だが、プライベートも順風満帆とはいかず、1981年に破局を迎えている。 
1986年に再婚した相手はというと、いまや政治家として全国区の知名度がある片山さつき・参院議員だ。片山氏は大蔵省(現・財務省)入省後、フランス国立行政学院に留学。帰国後の27歳の時、東大助教授の舛添氏とお見合い結婚した。結婚当時は“ミス大蔵省”との呼び声も高く、後に女性初の主計官も務めた。そんな片山氏は結婚生活について、最近のインタビューでこう振り返っている。 
<舛添さんと結婚したことがそもそも間違いであったと思います。愛のない結婚をしてはいけないということ。私の人生における大変大きな間違いだった>(『婦人公論』2013年2月22日号) 
そう振り返る結婚生活はわずか2年3か月で終わりを告げる。離婚の理由を片山氏はこう打ち明けている。 
<慌しく始まった結婚生活でしたが、「平穏」だったのは最初の数週間だけ。「遅く帰ってきやがって!」突然、彼は怒鳴り始めたんです>(『週刊新潮』2010年5月6・13日号) 
一旦怒り始めると、舛添氏は怒鳴る、手当たり次第にモノを投げつける、そして、ある時にはいくつものサバイバルナイフを片山氏の目の前にズラーッと並べたこともあったという。 
<彼は、ナイフの収集が趣味だったんです。しかも、そのうちの一つの刃先を私に向けたことまであります。(中略)結局、結婚から3か月ほどで、弁護士に離婚を相談しました。すると、弁護士の調査で彼には愛人が、そして彼女が妊娠中であることも分かった>(同前) 
その「妊娠中の愛人」を仮にA子さんとしよう。A子さんが東大の学生だった時、舛添氏が指導教官という立場で知り合った。すぐに「もう妻(片山氏)とは別れるから」と舛添氏がA子さんに猛アプローチ。押されるまま付き合い始めたA子さんは1988年、男児を出産した。A子さんの知人が当時の状況を振り返る。 
「A子さんの存在を知って激怒した片山さんが、バッグに包丁を忍ばせてA子さんと舛添氏がいた部屋に怒鳴り込んできたことがありました。真っ先に部屋を飛び出した舛添氏が逃げ込んだ先は、もうひとりの愛人B子さんの部屋だったそうです」 
A子さんの子供を舛添氏が認知したのは1990年。認知するまでの2年間に、B子さんが女児を出産、さらに同時期に他に2人の女性とも交際していたことがわかったという。目まぐるしい女性遍歴の末、舛添氏が15歳年下の現在の夫人である雅美さんと再々婚したのは1996年だ。 
なお、その前年にB子さんは2人目の女児を出産した。もちろん父親は舛添氏。その後、雅美夫人との間には、2000年に長女、2003年に長男が生まれている。振り返ると、結婚は3回、離婚は2回。2人の愛人が産んで認知した子3人と、雅美夫人との間の子2人を合わせると、舛添氏には計5人の子供がいることになる。
週刊誌の記事ですから、大衆受けするように面白おかしく掲載しているのでしょうが、それを割り引いてみても酷いです。こういうハチャメチャな人が、東京都知事としてまともに勤まるとはとても思えません。

さらに、舛添氏は実務能力に関しても問題があったと思います。それは、舛添氏が高労働大臣であったときの、いわゆる「消えた年金」問題に関する方針です。この問題に関して、当時の舛添厚生労働大臣は、「最後の一人まで」年金問題をはっきさせると語っていたことです。そもそも、こんなことは絶対に不可能です。

これに関しては、当時のこのブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
舛添大臣の窮地-年金問題への報道姿勢やブログの論調は誰の思う壺か?
この記事は、2007年12月16日のものです。当時は「消えた年金問題」で舛添大臣は窮地にたっていました。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部をコピペします。
それと、舛添大臣と福田総理大臣にも欠けていた視点が一つだけあります。それは、いかに現代のような情報化社会になったとしても、科学技術が進んだとしても、人の記憶や事務処理には常にあいまいさが付きまとうということです。ですから、「最後の一人」まで、年金をハッキリさせるということは、絶対にありえないということです。 
これは、いわゆる戦後処理について歴史を紐解いてみるとわかることです。戦後処理とは、一端戦争が始まり、 戦争終結後の処理をいいます。その中には、 賠償問題や友好回復、治安回復、経済復興などです。第二次世界大戦、日本にとっては、大東亜戦争(太平洋戦争)の戦後処理は完全に終わったとはいえない状況です。戦後60年たった今でも厚生労働省の中で、どこかの部署で国内の事務手続きは継続されていると思います。人の記憶や、戦争当時の事務処理など誤りがつきものですから、なかなか終わらないのです。 
それどころか、大東亜戦争からすると、戦争そのものの規模や奥行きがはるかに狭い日露戦争の戦後処理が、大東亜戦争中、その後もしばらくは行われていたそうです。結局は終了しなかったようです。ただし、もうその当時の人で生き残っている人は誰もいませんし、その当時の関係者の子供にあたるような人でもすでにほとんどが死亡しているか、かなりの高齢になっているかで、事実上実施しても意味がないので、もうやっていないというのが実情です。大東亜戦争の戦後処理もなかなか終わらないでしょう。今後数十年は続くと思われます。そうして、解決されない案件をかなり残したまま、戦後処理自体をやっても意味がなくなる時代に入ったときに、戦後処理は未処理案件を多数残しながら、やめることになるでしょう。 
無論年金問題に関しては、戦後処理などとは根本的に違うし、簡単に比較することはできません。しかし、人間が行う事務処理という意味では同じです。平和な時代の、科学技術がどんなに進んでも、人間のやることですから、事務処理ミス、年金受給者が行方不明になるとか、記憶喪失なるとか、あるいはどこかに拉致されるとかは考えられます。自然災害で亡くなっている人もいるかもしれませ。健康で生きていたとしても、アルツハイマーになっているということも考えられます。戦後処理も年金問題も最後の一人まで、明確にできる時代は未来永劫にわたってこないでしょう。このような背景を持つ年金問題を舛添大臣を糾弾することで、解消されると思うのは完全な間違いです。糾弾の矛先が違っています。 
年金問題も簡単な事務処理ミスに関しては、問題外だし、これは責任を追及すべきですが、上記のような背景から最後の一人までハッキリさせるというのは無理だということを前提とし、新たに取り組むという姿勢が必要だと思います。そうして、ミスはいつでも起こりえるということを前提としながらも、ミスを生じさせるようなシステムは完全に破壊して、新たなシステム作りに取り組むべきです。
この記事に書いたように、そもそも年金のミスなど、最後の一人まで確認するなどということはほとんど不可能に近いことです。しかし、それを実行すると公言したのが、当時の舛添厚労大臣です。これでは、実務能力がないのではと疑われても仕方ないと思います。

この「消えた年金」ですが、最後の最後まで計算して全部あわせるなどのこと、とてもできるものではありません。結局、どうしてもわからないものが出てくるのは仕方ないことです。

この記事を書いた後、私はアメリカの年金では、このような「消えた年金」をどのように処理しているのか調べてみました。結局のところ、簡単にいうと、税務計算上で損金扱いできるようにして、処理していることがわかりました。

とにかく、一定のルールを定めて、ある程度のは調べてみて、そこから先どうしてもわからないだろうとルーリに照らしあわせて判断した場合、損金のような扱いをして、それ以上のことはしないのです。

これが、まともな判断だと思います。最後の一人、一円も違わないようにするようになどしたら、そのための経費と時間は膨大なものが必要になります。そんなことをすれば、役人が喜ぶだけです。こんなところから、実務能力には当時からかなり疑問符がつきました。

舛添氏の著書『赤いバラは咲いたか―現代フランスの夢と現実』
(弘文堂、1983年)の著者紹介 クリックすると拡大します
舛添氏というと、子供のころは「神童」といわれ、東大の学生時代の成績は抜群だったそうです。東大助教授の国際政治学者としてテレビに出始め、テレビ朝日系「朝まで生テレビ」などに出ていた頃は、舌鋒鋭い有能な学者に見えました。

しかし、それは所詮学者としての舛添氏の一側面に過ぎず、まともな企業でまともに働いたこともないためか、実務能力には欠けているといわざるをえません。しかし、自分ではそれを認識せず、自分は万能だと思い込んでいるのだと思います。

そのおごりが、記者会見などにも現れています。今回の疑惑が発覚した当初は、この自己万能感から、なんとでもなると高をくくっていたようです。しかし、やっと最近になって、そうではないことに気づきつつあるようです。しかし、腹の中では今でも何とかなると思っていると思います。

2009年9月17日 舛添前厚生労働大臣から事務引継を受ける長妻新厚生労働大臣

さて、次に舛添氏が、知事になってからリコール運動がありました。2014年当時、舛添知事が韓国を訪問し、朴槿恵大統領と会談しました。会談の時の様子が卑屈に見えたことや、 朴大統領に再度歴史問題について切りだされたり、「都民の90%は韓国が好き」といった趣旨の発言をしたことを受け、 都庁にはクレームが殺到しました。さらには舛添氏が国会議員でも外交官でもないのに外交に首を突っ込んだことへの反発もありました。

舛添知事が就任した2014年に都が策定した「東京都都市外交基本戦略」は中身が空っぽで、何を目指しているのかさえわかりません。これまでの外遊で成果を都に持ち帰ったことなどありません。そもそも外遊の目的自体が不明確で、遊びに行っているようなものでした。
骨子とはいえ、あまりに抽象的な東京都市外交基本戦略

舛添氏は、知事になる前から、韓国に対して常軌を逸したような、おもねる態度が何度も批判されていました。  

朴槿恵を訪問した舛添知事
これを受け、ネットでは舛添氏のリコール(解職請求)運動が始まっていました。ツイッターではハッシュタグ「#舛添東京都知事リコール」が登場し

「集まると思うし、集まって欲しい…舛添自身が国益を損なうようなことをしたわけで、
都民に限らず日本人なら怒る理由がありますからね」

などの意見が書き込まれていました。

さらには、2014年8月10日の16時から「日本侵略を許さない国民の会」による「(仮)舛添都知事リコールデモ」実施されました。

「日本の侵略を許さない国民の会」による舛添知事リコールデモ

無論、この時はまだリコールは解禁されていなかったので、署名などはおこなわれませんでしたが、舛添知事の解職請求(リコール)運動が就任後1年を経過した2015年2月12日に解禁されたことを受け、ネット上の右派系ブログや『ニコニコ動画』を中心に署名活動への参加を呼び掛ける動きが活発になっていました。

リコール運動への参加を呼び掛けている意見の多くは、舛添知事が「都市外交」を掲げて2か月に1回の割合で外遊を実施しており、特に姉妹都市であるソウル市長との会談で打ち出された道路陥没対策のノウハウ提供を始めとして中央レベルでの関係が冷え込んでいる韓国との関係改善に積極的な姿勢が攻撃対象とされていました。

このリコールを成立させるためには、結局のところ予め定められた期間である選挙管理委員会に届け出た当日から2か月以内に、予め定めらた150万以上の署名を集めなければならず、これは不可能に近く、今のところリコール申請書は、選挙管理委員会には提出されていません。

先月あたりから、舛添氏はかなり厳しく追求されるようになりましたが、その前からかなり問題のあったことは事実です。そうして、それは主にいわゆる右派のほうから、糾弾されてきました。


さて、先に掲載したリコール運動は右派系のブログ主宰者などのいわゆる「ネット右翼」系の人物が中心になっています。そのため、リコールを請求する理由も舛添知事が掲げる「都市外交」に対する反発が前面に打ち出されたものになっていますが、こうした主張が幅広い支持を集められるかには疑問がありました。

2年前の知事選挙で今回のリコール請求理由と政策的に最も近い公約を掲げていたのは田母神俊雄候補だと思われますが、田母神候補への投票者が全員署名したとしても成立ラインには遠く及びません。成立ラインを視野に入れるならば2位の宇都宮健児・3位の細川護熙両候補に投票した層からも支持を集められるような請求理由を掲げるのが現実的だと思われますが、リコール運動の中にそうした「呉越同舟」を模索する動きはほぼ見られない状態でした。

この運動とよく似た形でネットから立ち上がって成功を収めたものには、2005年(平成17年)に各方面からの猛反対を押し切って成立するも施行に至らないまま凍結・廃止された鳥取県人権侵害救済条例への反対運動がありました。

鳥取県人権侵害救済推進及び手続に関する条例は鳥取県の条例です。 2005年(平成17年)10月12日、鳥取県議会で可決・成立。2006年(平成18年)6月1日施行・2010年(平成22年)3月までの時限条例としていましたが、施行前の2006年3月28日に公布施行された「鳥取県人権侵害救済推進及び手続に関する条例等の停止に関する条例」により、「別に条例で定める日」までの間その施行を凍結。2009年4月1日に施行された「鳥取県人権尊重の社会づくり条例の一部を改正等する条例」により、施行されないまま廃止されました。

この際に反対運動の中心を担っていたのは右派・保守系のグループでしたが「条例に問題がある」と言う認識で一致する左派・革新系のグループと「呉越同舟」の協力関係を築くことに成功したのが大きな勝因の一つでした。

鳥取県人権条例について報道する当時の新聞

舛添氏に対するリコール運動は、今年の4月以前には、このような調子で絶望的でしたが、4月以降は、舛添氏の政治資金問題等が発覚して、状況は変わりました。4月に舛添知事の豪華海外出張の批判、韓国政府に都有地「貸し出し」の批判さらに政治資金にまつわる種々の批判が相次いでいます。

そうなると、これはいわゆるネット右翼の問題だけではなく、いわゆる左派・革新系の市民グループへもアピールできます。舛添知事の問題は、それこそ、左右上下関係なく、共有できる、都政の政治改革にもつながるかもしれません。

鳥取の人権救済条例を阻止したときのように、右派・保守系のグループが「舛添知事に問題がある」と言う認識で一致する左派・革新系のグループと「呉越同舟」の協力関係を築くことができたら、舛添知事リコールなどよりもはるかに強力な、都政の政治改革への道が開かれるかもしれません。

現在、いわゆる右派・保守系グルーブも、左派・革新グループもこの活動は停滞気味ですし、結局のところどちらもあまり成果を挙げられていないようです。

私は、敵を増やすより、仲間を増やすべきと常々思っています。これは、政治の世界でも、ビジネスの世界でも同じことです。都内の、左派・革新も、右派・保守も自分たちの目指すことで、一致点が見出すことができれば、舛添知事を辞任に追い込むために「呉越同舟」も厭わない態度が必要ではないかと思います。

都議会

都議会においては、野党は追求の構えを見せていますが、ブログ冒頭の記事とは異なり、与党側の自公はそうではないようです。以下にこれに関する日刊スポーツの記事を掲載します。
舛添知事に辞職求める声も「辞めさせられない」都議

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部を掲載します。
 自らの政治資金疑惑を第三者の調査に委ねる考えを示した東京都の舛添要一知事。都民からは辞職を求める声も高まっているが、都議会の過半数を占める自民、公明両党は静観の構えだ。住民による解職請求(リコール)は成立のハードルが高く、都議の一人は「知事が職務を続ける意向を示す限り、辞めさせることはできないのではないか」と話す。

野党の各会派は20日の記者会見を受け、「知事の資質に欠けている」として一斉にアピールを出した。6月1日からの議会では、説明責任を果たすよう求める考えだが、野党は知事に直接質問できる機会は少なく、都議の一人は「調査を待つという回答を繰り返すのではないか」と指摘する。 
 地方議会は、地方自治法に基づき関係者の出頭や証言、記録の提出を請求できる調査特別委員会(百条委員会)を設置できるが、目的は自治体の事務の調査に限られる。これまでに判明した政治資金の私的流用は知事に就任する前で、別の野党議員は「百条委で調べるのは難しく、まずは議会でただすしかない」と話す。 
 高額な海外出張費や公用車での別荘通いについてならば、百条委の設置も可能だ。しかし、本会議で出席議員の過半数の賛成が必要で、与党側の同意を得ることが難しいことから実現する可能性は低い。 
 住民によるリコールは都の場合、2カ月間で約150万人の署名を集めなければならず、これまで都知事に対するリコールが成立した例もない。 
 ある与党都議は「知事は致命傷が出ない限り、このまま逃げ切れると思っているのだろう。ただ、都民の批判が高まればわれわれも対応を考え直さなければならない」と話している。
このように、東京都議会も舛添知事を辞任に追い込むことは難しいようです。しかし、先ほど述べたように、都内の、左派・革新も、右派・保守も自分たちの目指すことで、一致点が見出すことができれば、舛添知事を辞任に追い込むために「呉越同舟」も厭わなければ、150万人分の署名を二ヶ月で集めることも、あながち不可能とばかりはいっておられない状況になってきています。

日本の政治の変革を促す発火点に?
これを成就させるためには、上下左右関係なく、それぞれの代表者が話し合いの場を持ち、半年から1年かけて、リコールの実施関する、戦略を練りに練って、目標を一つにして、密に連携して、迅速に行動すれば、あながち不可能ではありません。もし、都議会が結局何もできないようであれば、この動きに拍車がかかることになります。

このような行動をするようになれば、都政に上下左右関係なく、変革のための一致点がみいだされば、「呉越同舟」で協力しあう、土壌が生まれるかもしれません。

そうして、リコールがうまくいけば、それが、最初の都政変革の一里塚になるかもしれません。しかし、仮に失敗したとしても、次の段階では次の選挙ではさら増長した舛添が立候補したとしてもそれを阻むことに成功する確率はかなり高いというか100%に近いです。

そうすると、すくなくともオリンピックの頃には、舛添知事ではなく、他の知事で迎えられることになります。

いずれにせよ、この舛添騒動で、都政に新たな変革の風が吹くかもしれません。そうなれば、鳥取県の人権救済条例を阻止に関しては、全国に影響を与えるにはいたらなかったのですが、日本で最大の都市、世界でも有数の都市の東京での変革は、日本の政治にも大きな影響を与えます。

都議会が絡むより、都民の「呉越同舟」が、舛添氏辞任で一致して、動くようになれば、舛添氏が思わぬ形で、日本の政治の変革を促す発火点になるかもしれません。

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