上は、昨年のIWC総会の結果に関するニューズウィークの記事に関する動画です。
昨年アンカレッジで開かれた国際捕鯨委員会では、日本に対し調査捕鯨を中止する決議が圧倒的多数で成立しました。さらに、日本が求める日本近海の捕鯨も認められませんでした。
今回の総会で日本が最も失望したのは、調査捕鯨一部自粛という異例の「譲歩」提案が受け入れられなかったことです。この譲歩と引き換えに日本の要求は、唯一つ、和歌山県太地などの4地域で今後5年間ミンク鯨の小規模捕鯨を認めて欲しいというものでした。
日本側はこれらの地域の漁師をアンカレッジに連れてきて、何百年も続いてきた伝統捕鯨であることを強調しました。生存のための捕鯨が認められているアラスカやグリーンランドなどの先住民族の捕鯨と同じ扱いを求めました。ところが、反捕鯨国は、鯨肉が商業取引される限り、「生存のため」の捕鯨とはみなされず、先住民捕鯨になを借りた商業捕鯨だと決めつけました。
一方、沿岸捕鯨が認められないという場合は、今年のザトウクジラの調査捕鯨を計画通り行う。とする、日本側の言い分にニュージーランドとオーストラリアは猛反発・・・!というのも、ザトウクジラはこの2国に大きな観光収入もたらすホエールウォッチングの主役だからです!もっとも今回の総会には、反捕鯨国団体も満足しているわけではありません。
まず、非難決議は拘束力を持たないため、日本は調査捕鯨を続行することができます。また、今回グリーンランドには先住民族枠として新たにミンク鯨25頭などの捕鯨が認められ、アラスカとロシアの先住民は、今後5年間に計280頭の北極鯨(筆者注釈:北極鯨は絶滅が危惧されている種)の捕獲を認められました。先住民の捕獲枠拡大は、反捕鯨国の偽善と二重基準を浮き彫りにしました。
日本の沿岸捕鯨は小規模でも「商業的」だから認められないというが、アンカレッジの土産物店では、先住民捕鯨の副産物である鯨の骨の工芸品が売られている。IWCの米国代表は、これに対し鯨の骨は何世紀にもわたって利用されてきたから問題ないと弁明しています。また、年間1050頭の捕獲枠を独自に設けているノルウェーの商業捕鯨を、近隣国の英国は黙認しています。これは、なぜでしょうか?英国の反捕鯨団体キャンペーン・ホエールのメンバーは「英国とってノルウェーは大切な貿易相手国であり、天然ガス輸入で契約を結んだばかりだからだ」と語っています。
今回の総会で唯一明るい話題は、暴力反対で両陣営が一致したことです。日本と反捕鯨国のニュージーランドが、調査捕鯨船に対する妨害行為を規制する決議案を共同で提出し、全会一致で採択されたものです。
今年2月(現時点では昨年2月、今年の1月の妨害とは別物)南極海で妨害した反捕鯨団体シー・シェパードの代表は、総会の会議場にもぐりこもうとしたが、警官につかまってつまみ出された。決議の採択を妨害できませんでした。
日本は、本当にIWCを脱退するのか?総会に出席した日本の漁業交渉官は、忍耐にも限界があると語ったが。脱退すれば、国際的な孤立は避けられない。不満はあってもとどまるだろうと見る向きが多いようです。
以上が、昨年のニューズウィーク誌に掲載された内容です。要約はしてありますが、私の意見や注釈、他者のそれを付け加えてはいません。
日本よりとみられるむきもあるかもしれませんが、このニューズウィーク誌の見方は正当な見方だと思います。各国は、感情的になっているのか、なぜこのように子供じみた真似をし続けるのか?人種問題や、感情の問題だけで片付ける向きもあるようだが、私は、捕鯨がどうのこうのというより、その裏にはもっとはるかに大きいものがあるのだと結論づけています。わずか数十年まえまでは、西欧人でも世界の食糧難がもっと深刻になり、鯨も貴重な資源としても用いられる時代がきてもおかしくないと思っていた時期もあるようです。おそらく、多くの人達は、冷静さを失い理不尽な行動に走るように眼の見えない巨大な力に操られているのだと思います。これについては、以前私のブログに掲載してありますので、是非ご覧になってください。
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