2015年9月15日火曜日

【安保法案】民主党歴代代表も集団的自衛権を認めていた…自民・佐藤正久氏の暴露に民主党猛反発―【私の論評】不可解な安保に関する民主党の180度転換と、マスコミ等の歴史修正(゚д゚)!


参院平和安全法制特別委員会で質問する自民党の佐藤正久氏=14日午前、国会・参院第1委員会室

 14日の参院平和安全法制特別委員会で、民主党の岡田克也代表ら歴代代表が以前、「集団的自衛権の行使を容認すべきだ」と主張していたことが明るみに出た。質問に立った自民党の佐藤正久氏が“暴露”した。民主党議員らはなぜか反発して議場はヤジに包まれ、審議は一時中断した。

 佐藤氏は、岡田氏の発言が掲載された平成15年5月の読売新聞と「中央公論」17年7月号、野田佳彦元首相の著書「民主の敵」から発言を抜き出してパネルに示した。佐藤氏の求めに応じ、石川博崇防衛政務官がパネルを読み上げた。

 「日本を防衛するために活動している米軍が攻撃された場合、日本に対する行為と見なし、日本が反撃する余地を残すのは十分合理性がある。今の憲法は全ての集団的自衛権の行使を認めていないとは言い切っておらず、集団的自衛権の中身を具体的に考えることで十分整合性を持って説明できる」(岡田氏、読売新聞)
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 「仮に集団的自衛権を憲法なり、法律なりで認めるとしてもきちんと制限を明示したほうがよいだろう。いずれにせよ、より具体的な形で議論すべきだ。最後にはその時々のリーダーが政治生命をかけて決断しなければならない」(岡田氏、中央公論)
 「いざというときは集団的自衛権の行使に相当することもやらざるを得ないことは、現実に起きうるわけです。ですから、原則としては、やはり認めるべきだと思います。認めた上で乱用されないように、歯止めをかける手段をどのように用意しておくべきかという議論が大切になってくるわけです」(野田氏、著書)

 佐藤氏は「まさに必要性を認めている。しかしなぜか6月の党首討論で岡田氏は『集団的自衛権は必要ない』と断言した」と指摘。岡田氏が米艦防護は個別的自衛権や警察権で対応できると主張を変えたことについて「外形上、他国防衛を集団的自衛権でなく個別的自衛権で行うのは危険だ」と切り捨てた。

 また、佐藤氏は、前原誠司元外相や長島昭久元防衛副大臣も行使を認める立場であることも付け加えた。

 【私の論評】不可解な安保に関する民主党の180度転換と、マスコミ等の歴史修正(゚д゚)!

民主党は、自民党と同じように、必ずしも政治信条が同じ議員の集まりではなく、左翼的な議員から、右翼的な議員まで存在する政党であり、悪く言えば選挙互助会のような組織です。

ただし、民主党は自民党をコピーしたような党なので、コピーした分劣化しているということができると思います。

そのため、民主党内でも、安保法制や、集団的自衛権についても様々な意見を持つ集団です。自民党もそういう傾向がありますが、現状では党内でこれらに対する意見を統一しているということです。

しかし、民主党はそうではありませんでした。このブログでもこのことについて掲載したことがあります。

その記事のリンクを以下に掲載します。
民主、安保審議で得意の「バラバラ攻撃」 保守・リベラル両派が質問で“党内不一致”を露呈―【私の論評】中国による現実的な脅威を認識して、与野党ともまともな政策論議を(゚д゚)!
民主党岡田代表

この記事は、今年の5月30日のものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事より、この時点では民主党内で集団的自衛権についての統一見解がなかったことに関する部分のみコピペします。

長島昭久元防衛副大臣
 民主党は28日の衆院平和安全法制特別委員会で、安全保障政策をめぐり立ち位置の異なる2人を質問者に立てた。保守系のと、リベラル系の辻元清美政調会長代理がそれぞれ自らの主張を交えながら政府の考えをただす「バラバラ攻撃」を展開したが、同党は安全保障関連法案への対応を正式に決めていないこともあり、実質審議入り2日目で早くも“党内不一致”が表面化した。 
 「国家安全保障の要諦は紛争を未然に防ぐことだ」。安保政策の基本方針を訴えた安倍晋三首相に対、長島氏は「おおむね首肯したい」と賛同した。 安保関連10法案を一括提出した政府の対応に「ごった煮で出されても議論しにくい」と注文をつけたが、法案には理解を示す発言を連発し、「できる限り修正を求めたい。政府は広い視野で取り組んでもらいたい」とエールまで送った。 
衆院平和安全法制特別委員会で質問する民主党の
辻元清美氏=28日午前、国会・衆院第1委員室
 対照的なのが辻元氏。長島氏の質疑ではやじもほとんど出ず「静かな環境」だったが、辻元氏が質問に立つと、雰囲気は一変した。 
 辻元氏は冒頭から「日本が戦争に踏み切る基準の変更について議論しているのか」と切り出し、政府が「戦争できる国づくり」を進めているかのような視点で挑発した。法案にも「日本がテロに狙われることにつながりかねない」と否定的な観点で追及した。 
 長島、辻元両氏の質疑について特別委の自民党委員からは「同じ党の2人とは思えない」との声が漏れた。
民主党は、5月の時点では、このように党内で安保法制に関する見解が統一されていませんでした。しかし、その後、このようなことでは、安倍政権には対峙することはできないと判断し、党内で見解を統一して現在にいたり、現状では、集団的自衛権や安保法制に反対の立場から国会審議をのり切ろうとしています。

こんなことは、本来国会が開催されれる前に、党内で統一見解を一致させておくべきものです。自民党内では、安倍総理は憲法解釈の変更による安保法制の導入に関する公約をかかげ、過去三回にわたり国政選挙で勝利したため、おいそれと安保法制に反対できるような雰囲気ではなく、最初から見解が統一されていたものと考えられます。

今年5月以前の民主党の幹部の安保に関する発言

しかし、民主党ではそのようなこともなく、先に述べたように自民党の劣化コピーのような政党ですから、見解の不一致のまま、国会論戦に突入してしまったというのが真相だと思います。

そうして、過去に遡ると、佐藤氏が上の記事で主張していたことなど、何も目新しいことではなく、過去の民主党では、集団的自衛権を容認していたことは明々白々です。

それについても、このブログに掲載したことがあります。その記事、リンクを以下に掲載します。
日米安保破棄唱える共産党以外は集団的自衛権にNOと言えない―【私の論評】民主党が今更異議を唱えるのはまったく奇異であるこれだけの理由(゚д゚)!

しかし、民主党が集団的自衛権にNOと言えないはずであるとの論拠は他にもあります。これについては、枝野氏が二年前に放った発言が物議を醸しています。

その動画を以下に掲載します。


これは、平成27年6月22日 平和安全特別委員会の動画です。西修氏が証言をしています。

詳細は、この動画をご覧いただくものとして、以下に、動画の発言の内容を一部掲載します。
1:45~
https://www.youtube.com/watch?v=_Jev3GbdbkY 西修(参考人、憲法学者)
「(略)4、集団的自衛権は個別的自衛権と共に主権国家の持つ固有の権利、即ち自然権である点。国連憲章51条であります。不可分であります。 
そこで、枝野幸男、現在民主党幹事長は次のように仰っておられます。 
『そもそもこうして個別的自衛権か集団的自衛権かという二元論で語ること自体おかしな話です。そんな議論を行っているのは日本の政治家や学者くらいでしょう。』 
私はもう個別的自衛権とか集団的自衛権とか区別して論ずるのはもうお止めになっていただきたい。 
枝野幹事長のこの言葉、非常に強く重く感じるわけであります。 
敢えてこれについて言うならば、岡田党首は党首討論において最後に『私たちは個別的自衛権はやります!集団的自衛権はいりません!』確かそんな風に仰っていらしたと思います。 
どうしてこれ分けるんでしょうか。どうやって分けるんでしょうか。またやることにどんな意味があるんでしょうか。 
私はあの言葉を聞いてこの枝野幹事長の言葉を思い出した次第であります。この点を是非ご議論頂きたい。こんな風に思うわけであります。(略)」

0:13~
https://www.youtube.com/watch?v=F148WOYQoX8 平沢勝栄
「(略)西先生にちょっとお聞きしたいんですけど、西先生、枝野民主党幹事長のご発言に言及されました。 
資料を読ませていただきますと、枝野幹事長は『そもそもこうして個別的自衛権か集団的自衛権かという二元論で語ること自体おかしな話です。そんな議論を行っているのは日本の政治家や学者くらいでしょう。』と。 
なかなか立派なこと言っておられるなと思いましたけども、そこで西先生、参考人にお伺いいたしたいと思いますけど、これは文藝春秋の一昨年のやつに出たということ、でしょうね。ですからつい最近のお話ですよね? 
ということを確認させていただきたいというのと、もう一つはこういったお考えについて先生はどうお考えになられたか。それをちょっとお聞きさせてください。」

(続く)
枝野氏がこのようなことを語っていたというのですから、民主党の集団的自衛権反対というのは無理があります。しかし、それだけではありません。民主党は過去に、集団的自衛権を認める発言をしていました。

それについては、このブログにも以前掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。


"



詳細は、この記事をご覧いただくものとして、過去に民主党が集団的自衛権に関して、認めていたと判断できる部分のみを引用します。
実は民主党は過去おいては、集団的自衛権を認めるべきだと主張していました。

2010年8月鳩山内閣でまとめた「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会の報告書」で集団的自衛権を行使できないとするこれまでの憲法解釈を批判しまた。

2012年12月野田内閣「国家戦略会議」の報告書で「集団的自衛権の見直しを図るべきだ」と提言していました。 
菅内閣では仙谷官房長官が「内閣が責任を持って憲法解釈変更を国民に提示すべきだ」と発言していました。 
現在の枝野氏は安保法制改正に現在では、大反対していますが、民主党内閣閣僚のときには「内閣法制局の意見は大事だが判断するのは担当大臣の私であり、最終的には閣議だ」と述べています。 
過去の自民党政権で2回。民主党政権で2回。計4回作成された有識者会議の報告書はいずれも政府の憲法解釈変更を提言しています。 
一般には、安保法制改正は、安倍首相が突然言い出したように思われていますが、実は麻生内閣でも民主党内閣でも集団的自衛権は認めるべきだとする方向でした。 
民主党は野党になったとたんに、これまで主張していたことと正反対のことを言い出したのです。
こんなことからも、 民主党が今更集団的自衛権に関して、異議を唱えるのはまったく奇異としかいいようがありません。

"
これらは、過去において民主党は、集団的自衛権を容認するということで、党内で一致をみていたものが、野党に今年の5月以降に180度転換して、集団的自衛権を含む安保法制に反対することで、党内一致をみたということです。

これは、非常に奇異です。要するに、民主党は安倍総理に対峙するということのみで、突如として、党の方針を180度転換したということです。

この180度転換に近いことは、安保法制に関してマスコミなどでも見られます。全く不可解なことです。

この180度転換とは、もともと憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使に関しては、日本では、戦後から佐藤内閣以前までは、当然のこととされていたにもかかわらず、何やら、マスコミはあたかも、戦争直後から一環して、日本では集団的自衛権を認めてこなかったと主張していることです。

これに関しては、先日もNHKの論説委員が、番組の中に「戦後一環して、集団的自衛権を認めてこなかった日本」と発言していており、これは明らかな歴史修正であるため、本当に驚いてしまいました。

日本が、戦後一環して、「集団的自衛権を認めてこなかった」などという発言は、全くの虚偽であり、日本はかつて「集団的自衛権を認めていました」から、完璧な歴史修正です。

これに関しても、以前このブログに掲載したことがあるので、その記事のリンクを以下に掲載します。
大新聞 安保法制反対デモは報じるが世界の賛成の声は報じず―【私の論評】中国のため日本国内で報道統制をする習近平応援メデイアには、もううんざり(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事で、集団的自衛権に関しては、決して、安倍総理が突然いいだしたものではなく、歴史的にいえば、もともと集団的自衛権の行使が日本では容認されていたものが、佐藤内閣から変わったことを掲載しました。

その部分のみ以下にコピペさせていただきます。
憲法解釈による集団的自衛権の行使に関する誤解 
さて、次には、メディアでは、「戦後一貫した憲法解釈を守ってきた内閣法制局」と「それを変えようとしている安倍内閣」との構図で報道されています。しかし、これはそもそも大嘘です。 
それどころか、岸信介・池田勇人内閣では核武装まで容認し、集団的自衛権の行使など自明でした。そもそも、日米安保条約など、集団的自衛権を行使するための条約であるという理解が当たり前でした。 
そうして、現実には、日本はアメリカの基地を日本に置くということで、集団的自衛権を行使しています。アメリカ軍の基地を日本国内に設置することそのものが、すでに集団的自衛権の行使であることを日本のマスコミはほんど報道しません。 
日本に米軍基地が存在すことそのものが、集団的自衛権の行使である
朝鮮戦争勃発から池田内閣までの解釈をすべてひっくり返したのは佐藤栄作内閣の高辻正己法制局長官です。法制局がのたまう「戦後一貫した憲法解釈」など、せいぜい佐藤内閣・高辻長官以来の話にほかなりません。 
佐藤栄作政権期に境に集団的自衛権の解釈は明らかに変わっています。佐藤内閣以前の「(集団的自衛権を)持っているから行使できる(あるいはその都度考慮する)」から、「持っているが行使はできない」への変化が始まりました。 
この時代には、ベトナム戦争がありました。日本に集団的自衛権はあるが、米国のために他国に自衛隊を派兵することはできないということで、社会党との国会運営をめぐる調整で、佐藤政権が妥協したためこのような妥協が行われました。 
集団的自衛権の行使ができないなどという見解は、単なる妥協の産物に過ぎないのですが、今のマスコミはまるで日本が終戦直後から集団的自衛権に関しては、「日本は行使できない」という考え方を貫き通してきたような報道ぶりで、これを正しく伝えません。 
そのため、日本では多くの人々が、憲法解釈による集団的自衛権の行使に関して正しい認識を持っていません。
このように、民主党は、集団的自衛権の行使に関しては、元々は容認していたし、つい数ヶ月前にも、国会で、そのような見解を示す議員がいたにも関わらず、最近では180度転換して、現在に至っています。

マスコミや、憲法学者、野党などは、歴史修正をしているか、その歴史修正を正しいものとして、愚かな発言を繰り返しています。

上の記事では、佐藤氏が国会で、民主党が180度転換したことを批判していますが、マスコミ等の現代史の修正に関しては、まだ誰も批判していません。これは、全くおかしなことです。

国会でも、安倍総理をはじめ、他の議員もこれは、批判すべきでしょう。

この国は、歴史修正を公然と行い恥ずかしげもない中国とは違います。日本は、民主主義国です。そのような国で、公然と歴史修正が行われて良いはずがありません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年9月14日月曜日

FNN世論調査で分かった安保反対集会の実像 「一般市民による集会」というよりは…―【私の論評】山形市長選の結果、政党支持率からみてもわかる、安保反対集会の現実(゚д゚)!


安保法案に反対し、国会正門前の道路を埋め尽くす大勢の人たち=30日午後

産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が12、13両日に実施した合同世論調査によると、国会周辺など各地で行われている安全保障関連法案に反対する集会に参加した経験がある人は3.4%にとどまった。

共産、社民、民主、生活各党など廃案を訴える政党の支持者が7割を超えた。最近注目を集める反対集会だが、今回の調査からは、「一般市民による」というよりも「特定政党の支持層による」集会という実像が浮かび上がる。

集会への参加経験者の41.1%は共産支持者で、14.7%が社民、11.7%が民主、5.8%が生活支持層で、参加者の73.5%が4党の支持層だった。

集会に参加したことがない人は96.6%で、このうち今後参加したい人は18.3%、参加したいと思わない人は79.3%だった。

「今後参加したい人」が各政党支持層に占める割合を見ると、高い順に生活44.4%、共産42.5%、民主41.1%、社民28.5%。特定の政党支持者の参加意欲が目立った。

参加経験者を年代別に見ると、最も高いのは60代以上の52.9%で、40代の20.5%、50代の14.7%が続いた。20代は2.9%で、20代全体に占める参加経験者の割合は0.8%にとどまった。各年代での「今後参加したい人」の割合を見ても、60代以上の23.9%がトップ。20代も15.5%だったが、「60年安保」や「70年安保」闘争を経験した世代の参加率、参加意欲が高いようだ。

市民団体「戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委員会」が主催して8月30日に国会周辺で行われた集会は「一般市民の怒り」を前面に出し、党派性を薄めた印象を与えた。だが、共産、社民、民主各党などの支持層が中核を担っていることが調査結果からうかがえる。

この市民団体は9月14日夜も国会周辺で集会を開き、民主党の岡田克也代表、共産党の志位和夫委員長ら野党幹部が出席した。岡田氏は“支持者”に向け、「野党が協力しながら廃案に追い込んでいく」と訴えた。

【私の論評】山形市長選の結果、政党支持率からみてもわかる、安保反対集会の現実(゚д゚)!

上のアンケートの結果は、ある程度予想のついたものです。ただし、数字で実証できたということについては、高く評価できます。

過去を振り返ってみれば、60年安保でも、70年安保でも、PKO法案でも、「戦争が起こる」などとしてデモをしていましたが、その後どうなったのかを見れば、はっきりわかります。

結局のところ、彼らは少数派であり、ほとんどの人が自発的にデモに参加したというわけではなく、様々な組織から動員されていたということです。

これが、今日また性懲りもなく同じく繰り返されているだけです。

ただし、偏向したメディアが、これら少数派の人々をさも大勢いるように、印象操作しているだけです。

実体は、60年安保のときに、国会が大勢のデモ隊に囲まれたときに、岸総理は「声なき人の声がある」と語った当時と何も変わりありません。

60年安保のときにデモに参加した人たちは、リーダーも含めて、誰も安保法案の条文すら読みもせず、デモをしていました。それに関しては、複数の人たちが証言をしています。

ジャーナリストの田原総一朗氏もそのように証言していました。それについては、以下の動画をご覧いただければ、ご理解いただけるものと思います。



現在のデモも、結局のところ、60年安保の頃とほとんど同じで、条文を読んだり、情報を集めたりした結果自分で判断して「反対」などと考えてデモに参加しているわけではありません。

だからこそ、ブログ冒頭のFNN世論調査結果のような調査内容になったのです。本来ならば、これらのデモを主催した人たちは、デモ参加者に対して、アンケートや取材されたら「自分の意思で参加した」と答えてもらいたいなどと、念押しをして実際にそうするべきであったと思います。

しかし、デモ参加者はもともと、自分の考えではなく、無自覚に参加しているだけなので、そこまで徹底することができず、はつきりといえば、メッキが剥げたような状態になったのだと思います。

それにしても、連日のように、デモがテレビで報道され、あたかも多くの人が自発的にデモに参加しているように見せかけていますが、上の調査だけではなく、他の出来事からもこれが全くの虚偽であることがわかります。

それは、まず第一に、山形市長選、反安倍派が敗北したという事実です。

安全保障関連法案の国会審議は今週、大詰めを迎えます。与党は「国民の命と平和な暮らしを守るために絶対に必要な法案」(自民党の高村正彦副総裁)として、16日の地方公聴会を経た後、18日までに参院本会議で成立させる方針です。

民主党など野党は「採決阻止へ全力を挙げる」(岡田克也代表)と徹底抗戦の構えですが、13日に投開票された山形市長選で、安保法案反対を掲げた野党系候補が敗れたことで、失速は避けられない状況にあります。

同市長選は、元経産省職員の佐藤孝弘氏(39)=自民、公明、次世代、改革推薦=が、元防衛省職員の梅津庸成氏(48)=民主、共産、社民、生活推薦=との事実上の一騎打ちを制しました。地方の首長選ながら、安保法案をめぐる国政の対立構図が持ち込まれ、「山形戦争」の様相を見せました。

法案の採決を阻止したい野党側は、民主党の枝野幸男幹事長や蓮舫代表代行、共産党の小池晃副委員長、維新の党の柿沢未途前幹事長ら、幹部クラスが相次いで山形入りし、「戦争法案ストップの民意を示す」(小池氏)とアピールを繰り広げました。安保法案を「違憲」と主張する憲法学者で、梅津氏の恩師という小林節氏も、連日のように応援に駆けつけました。

加えて、山形県の吉村美栄子知事や、現職の市川昭男山形市長も梅津氏の出陣式に駆け付けるなど、野党陣営はこれ以上ない総力戦を展開しました。

 佐藤孝弘氏の勝利を伝えるサイトのニュース

大勢の人々が自主的に、デモに参加して、安保法案に反対しているというのなら、この選挙は反安保派が大勝利をしていたはずです。

第二に、最近NHKが実施した政党支持率の数値をあげておきます。

NHKの世論調査によりますと、各党の支持率は、自民党が34.7%、民主党が9.8%、公明党が3.7%、維新の党が1.3%、共産党が4%、次世代の党が0.1%、社民党が0.6%、生活の党と山本太郎となかまたちが0.2%、「特に支持している政党はない」が36.2%でした。以下に調査結果の表を掲載します。


この結果をみると、与党の支持率はあがっていますが、野党はのきなみ、支持率を落としています。

もし、多くの人が自主的にデモに参加し、彼らとその支持者が大多数というのなら、野党の支持率はかなり上昇したはずです。しかし、そうはなっていません。

結局のところ、国会周辺などに局地的に、大勢の人々を集めでデモをしたにしても、それらの人たちが国民を代表しているというわけではないということです。

安保反対のデモは、結局のところほとんど実体はないものとみるべきです。デモをして多くの人たちに自分の考えを知ってもらうということ自体は、悪いことではありませんが、さりとて、日本は民主主義国家であり、政治は選挙という民主的手続きによって、推進されるべき筋合いのものです。

安倍総理は、憲法解釈の変更による、集団的自衛権の行使を含む安保法制の成立も公約に掲げ、過去三回も選挙を戦い三度とも勝利を収めています。

このような事実があるにもかかわらず、デモを挙行して、「アベやめろ!」などとシュプレヒコールをあげてみたり、「安倍首相はバカか、嘘つき」などとして、集会を開くなどは、まさに民主主義を踏みにじる蛮行といわざるをえません。

野党は、山形市長選の敗北や、政党支持率の低下についてもっと真摯に反省すべきものど思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年9月13日日曜日

日本メーカー“脱中国”加速 ホンダ、スクーター生産拠点を国内へ―【私の論評】背景には、中国の個人消費はもともと少ないし、これからさらに減速するという見込みも(゚д゚)!


 2010年のホンダ部品工場のスト 写真はブログ管理人挿入。以下同じ。 

 日本の製造業の「脱中国」が一段と加速している。これまで、ミニバイクの9割を中国など海外生産していたホンダは新型ミニバイク「ジョルノ」の生産を、同社熊本製作所(熊本県大津町)で始めた。人件費高騰や円安で中国生産のメリットが薄れるなか、生産拠点を国内に戻すメーカーは増える一方だ。

 ホンダは円高が進んだ2002年ごろから中国やベトナムでの海外生産に切り替えたが、アベノミクスによる円安を受けて輸送コストなどを検討した結果、国内生産の場合でも大差はなく、商品の保管でも効率が良いと判断した。

 同社は「ジョルノは国内生産回帰の第1弾」としており、段階的に国内生産に移し、国内8割、海外2割の生産体制にする。

 日本の大手メーカーでは、パナソニックが中国でほぼ全てを生産していた日本市場向け空気清浄機の半数を、国内生産に切り替えることを明らかにしているほか、ダイキン工業も家庭用エアコンの一部を中国から国内の工場に移管。キヤノンやTDKも国内回帰を進めている。

 中国では2012年の反日暴動も記憶に新しいうえ、株や不動産バブルが崩壊し、実体経済も失速するなど、市場としての魅力も薄れつつある。中国リスクを回避する日本メーカーは今後も増えそうだ。

【私の論評】背景には中国の個人消費はもともと少ないし、これからさらに減速するという見込みも(゚д゚)!

上の記事では、触れられていませんが、日本のメーカーが中国での生産を日本に切り替える動きの中には、円安以外にも要因があります。

まずは、中国人労働者の賃金が今やさほど安くもないということがあげられます。とはいっても、日本に比較すればはるかに安いのですが、それにしても、製造業のコストに占める割合は相当低くなっているので、これ自体はさぼと大きな要因ではありません。

一番大きいのは、やはり、中国の個人消費はもともと少ないし、この少ない消費が今後さらに低くなる可能性が高いということがあげられると思います。

これについては、以前のブログでも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
【お金は知っている】中国金融市場の自壊は変えようがない 外貨準備は「張り子の虎」―【私の論評】馬鹿の一つ覚えの経済政策が、今日の危機を招き後は崩壊するだけ(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では日本が酷い円高・デフレだった期間の、日本と中国のGDPに占める個人商品の割合を比較したグラフを掲載しました。そのグラフを以下に掲載します。

名目GDP-民間最終消費支出対GDP比 赤=日本 青=中国
このグラフでわかるのは、中国は1998年からしばらくGDPに占める個人消費の割合が、40%台であったものが、2005年には40%を切り、2008年あたりから、35%で推移していることがわかります。

この間GDPは伸びて、中国はGDPが世界第2の水準になったとして、世界第二の経済大国を自認するようになりました。

しかし、現実には、中国の経済成長によって、個人消費は全く伸びず、そのままだったので、GDPが伸びても、個人消費の割合が減ったということを意味しています。

では、なぜこのようなことになったかといえば、中国の経済発展は、個人消費以外のものが伸びたということです。そうして、その最大のものは、インフラ整備などの公共工事です。鉄道、空港、港湾などの整備です。

インフラ投資など、最初は実施すれば、それにともない人々の経済活動が活発になり、経済も伸びますが、それにも限界があります。その後、個人消費が伸びなければ、インフラ整備だけ実施しても、実体経済は伸びません。

中国の公共投資によって建築された建物 誰も使用せず鬼城化している

今まさに、中国の実体経済はそのような状況にあります。詳細に関しては、この記事に掲載してありますので、是非ご覧担ってください。

さて、ニュースを見ていると、日本国内では国内総生産(GDP)の数字が発表されたときに、デパートや飲食店の映像が流され、「背広を新しく買う人が増えた」とか、「外食する人が増た」など、個人消費に関することが報道されることが多いです。

これは日本では個人消費がGDPに占める割合が大きいので、こうした報道がなされるのです。日本の場合、経済成長の原動力は、あくまで、個人消費なのです。テレビなどを見ていると、政府がとてつもない天文学的な資金を投じて、道路や空港、港を整備したりして、その投資の額が頭に残って、莫大であると感じてしまうのですが、日本では、そんなことよりも、個人消費のほうが、経済発展に占める割合が圧倒的に大きいのです。

上のグラフで示したように、デフレのまっただ中でさえ、GDPに占める個人消費の割合は、6割近くあり、最近では6割を超えています。

多くの人々は、日本は輸出立国という誤ったイメージを抱いていますが、輸出から輸入を差し引いた額が、日本のGDPに貢献している割合はかなりひくく、日本のGDPの個人消費以外の4割は何によって構成されているかといえば、約2割が政府最終消費支出、約2割が総固定資本形成となっています。

輸出に関しては、もともとパイが少なし外国の状況に左右される。もともと、
大きい個人消費の落ち込みは、完璧な国内問題であり、その影響は甚大である。

このため、個人消費が少し上向いたり、少し落ち込んだりするだけで、日本経済に与える影響は非常に大きくなります。だからこそ、8%増税は個人消費を落ち込ませ、今年の4月から6月期の経済成長がマイナスに落ち込んだのです。

さて、世界各国の個人消費がGDPに占める割合はどうかといえば、イギリス、ドイツ、フランス、ブラジル、インドなど、先進国の一部の国では、だいたい日本と同じ約6割を維持しています。

アメリカに至っては、個人消費がGDPに占める割合が7割を超えています。これらの国では、さまざまな事情はあるものの、概して、国民が将来に対して楽観的である、と言えると思います。日本で、過去の酷いデフレの期間に、これが60%を切っていたのは、やはり将来に対する不安を感じる人が増えたことによるものと考えられます。

一方で、ロシアの個人消費がGDPに占める割合は約5割、中国に至っては現在でも、35%しかありません。

これもいろいろな事情はあるものの、元々国民の稼ぎが少なく、さらにその少ない稼ぎを消費に回さず、貯蓄して貯め込んだり、不動産などの投資に回してしまっている、という事情があるものと推察されます。

これらの国では、「将来何が起こるか分からない」、「政府が何をするか分からない」、「老後は誰も面倒をみてくれない」などの大きな不安感、恐怖感が、国民を支配し、消費を控えさせ、個人消費がGDPに占める割合を、低いままにさせていると考えられます。

そういった意味では、個人消費がGDPに占める割合が低い国の政治は、国民を不安に陥れるものであり、まさに中国は共産党の一党独裁であり、国民を蔑ろにしているということです。

日本では、最近では8%増税によって、将来に対して不安感を抱いた人々が増え、個人消費が落ち込み、経済が減速したということです。それにしても、中国の人民の不安や、不満から比較すれば、さほどではないので、GDPに占める個人消費の割合は60%程度を維持しているということです。しかし、10%増税などしてしまえば、また国民の不安がまし、60%をまた下回る水準に戻ってしまうかもしれません。

さて、話をまた元に戻します。

結局、中国では個人消費がもともと少なく、その原因は中国政府の共産党一党独裁による、国民不在の政治による国民の将来不安によるものであり、これは構造的な問題であり、なかなか直せるものではなく、さらに最近の中国経済は落ちこんでいますから、もともと少なかった個人消費が消費が伸びる可能性はさらに低くなりました。それどころか、さらに、個人消費が落ち込むと思います。

中国に進出した、個人消費向けの製造業など、進出当初は製品の消費量が増えていったでしょうが、中国が経済発展を続けていたにもかかわらず、個人消費が頭打ちのため、製品の消費が一度頭打ちになると、そこからはほとんど伸びないという状況が続いていたと思います。

小松製作所などの土木関係の機材を販売する会社は、中国の経済発展は、主に公共工事による発展であったため、中国の経済発展により、売上を伸ばすことができたと思います。しかし、これも中国の経済の減速にともない、業績を落とすことになるのは、必定です。



実は、製造業が消費地の近くで製造をするということには、本来的には大きな意味があります。消費地の近くであると、顧客のウォンツやニーズをつかみやすく、さらに、それを製品に短時間で反映しやすいというメリットがあるのです。

ファスト・ファションなどまさにその典型です。これは、最新の流行を採り入れながら低価格に抑えた衣料品を、短いサイクルで世界的に大量生産・販売するファッションブランドやその業態をさします。

ファッションの先進地の渋谷などに、店舗や製造工場を構えて、ファッション・トレンドを素早くとらえて、それを製造にフイードバックして、素早く製品化して、店頭に並べることにより、大きな利益を得ることができます。

渋谷のファスト・ファッションの店舗
一般の製造業も、ファスト・フアッション業界ほどではありませんが、同じような側面があります。だから、本来中国で製品を販売するというのなら、中国に拠点を置いておく意味もあります。

しかし、そのようなことをするにしても、条件があります。個人消費がある程度大きいか、あるいはあまり大きくなくても、これからどんどん伸びいていくことが期待されるという条件です。

今の中国では、個人消費がもともと少ないし、これからも伸びることはあまり期待できず、それどころかさらに縮小することさえ考えられます。であれば、わざわざ中国に製造拠点を置いておく必要性はないわけです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年9月12日土曜日

鬼怒川の越水箇所は以前から危険が指摘されていた ソーラーパネル設置のため自然堤防削る―【私の論評】ソーラーパネルを含む、代替エネルギーは本当に大丈夫なのか?


鬼怒川で越水した場所の一部は、ソーラーパネル設置のため自然堤防が削られていたことが分かった。以前から危険が指摘されていたが、なぜ止められなかったのか。

越水した茨城県常総市の若宮戸地区は、なんと人工堤防のない場所だった。1キロほどにもわたるその場所は、民有地になっている鬼怒川沿いの丘陵地が自然堤防の役を果たしていた。

河川区域未指定だった  写真はブログ管理人挿入 以下同じ
河川区域外で、届け出の必要がなかった

ところが、千葉県の業者が2014年3月下旬、ソーラーパネル設置のため横150メートル、高さ2メートルにわたって自然堤防を削ってしまった。不安に思った地元住民から市などに通報があり、河川管理者の国交省下館河川事務所と市、業者が話し合いをして、元あった丘陵地の一番低い高さまで、国が大型土のうを積んで応急対応をした。

その後、市は、国に対し人工堤防を作るよう要望した。国は、それを受けて、予算のメドはまだ立っていないものの、堤防の設計に入っていた。その矢先の越水だった。

下館河川事務所などによると、この自然堤防は、河川法が適用されない河川区域外になっている。このため、業者が堤防を削ったり建築物や工作物などを設置したりする場合でも、届け出の必要はない。今回は、堤防を削ったことで治水上好ましくないと考えて、土のうを積むことをお願いしたという。

人工堤防計画があると、区域指定せずに放置

河川区域は、原則として堤防と堤防の間とされているが、今回は、なぜ自然堤防まで区域にしていなかったのか。

この点については、河川事務所によると、以前は鬼怒川沿いまで小高い山になっており、そこまでが河川区域になっていた。その後、川側の山が削られて現在の丘陵地になったため、丘陵地が区域から外れた。

なぜその後に丘陵地も区域に含めなかったかについては、「鋭意、計画を進めて、人工堤防を作ろうと考えていた」からだと説明した。つまり、ずるずると放置したままの状態だったわけだ。

なお、ソーラーパネルは、2011年の建築基準法改正などで、建築物でも工作物でもない取り扱いになり、原則として、設置に際して行政に確認申請をする必要はなくなった。しかし、河川事務所などによると、建築物でも工作物でもなくても、河川区域に物を設置する場合は規制対象になり、許可が必要だという。

【私の論評】ソーラーパネルを含む、代替エネルギーは本当に大丈夫なのか?

鬼怒川の氾濫をテレビでみていたとき、決壊箇所のすぐ近くに大量のソーラパネルが設置してあったことは、すぐに認識できました。そうして、なにやら不思議な光景だと思いました。

なぜなら、私自信は、ソーラーパネルが川のすぐそばに設置されているのをあまり見たことがないからです。海のそばに設置されているのは見たことがありますが、それでも、海のすぐそばということはなく、さらに小高い丘陵の上であり、これであれば、少なくとも海の水をかぶることはないような場所ばかりでした。

だから、テレビで大量のソーラーパネルが水に浸かっているのをみて、非常に奇異な光景に見えました。

結局、太陽光をソーラーパネルにあてるようにするため、川側の山を削り、現状の丘陵地になったということなのでしょう。そうして、それが鬼怒川氾濫の原因となったということです。

この件につき、太陽光発電協会(JPEA)は11日、太陽光発電設備が水害によって被害を受けた場合の対処について注意喚起を発表しました。

この注意喚起では、太陽光発電設備のパワーコンディショナや、太陽電池パネルと電線との接続部は、水没・浸水している時に近づいたり、接触したりすると感電する恐れがあるとしています。同協会が発表した注意では、太陽電池パネルや集電箱、パワーコンディショナが破損したり、電線が切れたりしている場合の対処方法について触れています。

以下は、JPEAの注意喚起の中に示された図です。


ソーラーパネルなどの太陽光発電設備が水没・浸水している時に近づいたり、接触したりすると感電するので大変危険だということです。通常の火力・水力発電ではこのような注意喚起が発表されたことなど、私の記憶の範囲の中ではありません。

ソーラーパネルでできたビキニ。これで、ガジェトの電力をまかなえるというが、実用的ではない
こんなビキニで、プールに入ったり、海に入ったらどうなるか考えるだに恐ろしいです。
このソーラパネルにはこうした感電の危険の他、さらに危険なことがあります。

欧米では長寿命・安価ということでテルル化カドミウムの太陽電池が普及していますが、カドミウムは毒物で テルルも毒物です。そのため、いずれ使用済み核燃料のように後始末が問題になるでしょう。

日本では、テルル化カドミウムを含むものは少ないので、これはあまり問題ではありませんが、有機薄膜はペット樹脂とフッ素樹脂があり、フッ素は塩素と同じくらい毒で、その有機化合物も毒物もあり後始末が難しいです。一方、ペット樹脂の有機薄膜やシリコン系ガラスパネル太陽電池などは有害物質をほとんど含みません。

しかし、化石燃料が枯渇して、メガソーラーがあったとしても、化石燃料が枯渇した場合、製鉄所も、セメントキルンも、ガラス窯業も石炭やガスがなくて止まり、プラスチックも作れなくなり、ジェット機もDiesel船も動かせなくなります。

現在の技術水準で、廃プラ油化をすると、廃プラ油化油1kgを作るために、重油3kg焚いて油化釜を熱する必要があり、これでは全く油化しても経済的に成り立ちません。それを無視してこれを実行すれば、さらに化石燃料の枯渇をはやめるだけです。

そうなると、メガソーラーやシリコンガラス太陽電池や、風力タービンを建てられなくなります。こんなことを考えれば、 実は、現状の再生可能エネルギーは無限永久エネルギーではないのです。

結局のところ、化石燃料が尽きてしまえば、原子力製鉄・原子力船・水素燃料電池漁船などを研究実用化しない限り、我々は木製風車と木製帆船に逆戻りなので、我々の文明は砂上楼閣にのように思えます。

埋蔵量を調べてみれば、一目瞭然ですが、実は炭素はチタンよりもレアな元素で、リンと同じくらいしか埋蔵されていません。しかし、ガスも石油も石炭もそんなことはおかまいなしに、乱掘されているのが実情です。

そうして今世紀中盤には、我々の目の前に、大量の「使用済み有機薄膜ソーラーシート」「使用済み風力タービン羽」「使用済み海水ウラン吸着モール」などが山積みになるはずずです。

そうして、貴重な埋蔵炭素を燃やさず鉄のように循環使用する、プラスチックリサイクルを実現せねば、太陽パネルを含む、再生可能エネルギー発電所は埋蔵炭素枯渇とともに設備の更新できなくなり 再生可能詐欺で終わってしまいます。

こうした事実を無視して、全国にソーラーパネルが設置され、今回のような事件まで発生してしまいました。

今回の鬼怒川の氾濫に関しては、どこまでも責任を追求して、責任の所在を明らかにすべきです。そうでないと、今回の水害による犠牲者の方々が浮かばれません。

今回の水害での被災者と、被災犬

仙台では、以下の写真のようにソーラーパネル設置場所だけが、崩落してあわや大惨事になりかけたという事例もありましした。これは今回たまたま、水害に遭遇したため、表にに出てきた氷山の一角に過ぎないと思います。

今後の安全対策のためにも、全国の太陽光パネルを総点検して、不備があるものは発電停止にして、架設構造物ではなく「建築物」として厳しく審査をやり直すべきです。




さらに私は、いずれ先に述べたような、代替エネルギー詐欺の事実が公に認識されるときがくるだろうと思っています。そうして、今回の鬼怒川の氾濫等を期に、こうしたことも検討され、将来のエネルギーに関するまともで、活発な議論が行われるようになることを期待しています。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年9月11日金曜日

【お金は知っている】中国金融市場の自壊は変えようがない 外貨準備は「張り子の虎」―【私の論評】馬鹿の一つ覚えの経済政策が、今日の危機を招き後は崩壊するだけ(゚д゚)!


中国の外貨準備と資金流出入の推移

 八方ふさがりの中国経済だが、宣伝工作だけはさすがにたけている。先週末、トルコ・アンカラで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、不透明な中国当局の市場操作を厳しく追及する麻生太郎財務相に対し、中国人民銀行の周小川総裁は「市場は安定に向かっている」と言い抜けた。

 周発言の要点は以下の通りだ。

 ▽政府の措置により株式市場は崖から落ちるのを免れた。株式市場の調整はほぼ終わった。

 ▽8月の元切り下げ後に一時は元安圧力が高まったが、長期的に下落する根拠はない。

 いずれも現実とは遊離しており、麻生氏が周氏らの説明に納得しなかったのは当然だ。株価は、日本円換算で70兆円にも上るとみられる政府や政府系機関による株式買い支えや当局による厳しい投機の取り締まり、メディアへの締めつけにもかかわらず、乱高下が起きている。

 人民銀行は8月下旬に預金金利を追加利下げした。通常は「金融緩和策」のはずだが、結果からみると「金融引き締め」である。短期金融市場では銀行間融通金利上昇が止まらず、6月初めに1%強だった翌日もの金利は預金金利より高くなった。銀行は低い金利で集めた預金を銀行間で回せば儲かることになる。

 量のほうはどうか。中国人民銀行は一貫して発行する資金量(マネタリーベース)を増やす量的緩和を続けてきたが、この3月以降は減らし続けている。つまり、量的収縮策である。めちゃくちゃな金融政策で市場が安定するはずはない。

 元相場の下落圧力は強くなるばかりだ。8月中旬、元相場を切り下げた後は元相場の押し上げにきゅうきゅうとしている。主因は資本の対外逃避である。周氏がいくら詭弁(きべん)を弄しようと、中国の金融市場の自壊に拍車がかかる現実を変えようがない。

 グラフは中国からの資金流出と外貨準備の減少の加速ぶりを示している。中国は厳しい資本の流出入規制を敷いているのだが、抜け穴だらけだ。党の特権層を中心に香港経由などで巨額の資金が持ち出される。預金金利が下がれば、あるいは人民元安になりそうだと、多くの富裕層が元を外貨に替えて持ち出す。

 貿易収支など経常収支は黒字を維持しているのに、外貨準備はこの8月、昨年6月のピークに比べ4358億ドル(約52兆円)減となった。経常収支黒字と外貨準備の増減からみて、年間で6000億ドル(約72兆円)近い資金が外に流出している。

 外貨準備はそれでもまだ3兆5000億ドル(約420兆円)以上あり、日本の3倍以上になるとの見方もあるが、中国の外準は「張り子の虎」でしかない。対外債務は5兆ドル(約600兆円)を超えている。いわば、外から借金して外準を維持しているわけで、外国の投資家や金融機関が一斉に資金を引き揚げると、外準は底を突く恐れがある。

 株式、元相場と金利・量と続く金融市場自壊はその予告なのだ。 (産経新聞特別記者・田村秀男)

【私の論評】馬鹿の一つ覚えの経済政策が、今日の危機を招き後は崩壊するだけ(゚д゚)!

上の田村氏の記事、以前にも似たようなものをこのブログに掲載したことがあります。其の記事のリンクを以下に掲載します。
【日曜経済講座】インフラ銀…その正体は「共産党支配機関」 参加論を斬る―【私の論評】中国主催のインフラ投資銀行に出資すれば、敵に塩を送るようなものどころか、振り込め詐欺の誘いに乗っかるようなものである(゚д゚)! 
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事は今年の3月30日のものです。このときにも、田村氏は中国の外貨準備高のグラフを掲載しつつ、中国金融の空洞状況を解説していました。そのグラフを以下に掲載します。



このグラフと、ブログ冒頭のグラフを比較していただきたいです。上のグラフでは、外貨準備と資金流出入とを比較しています。下のグラフでは、外貨準備と対外銀行借り入れを比較しています。

昨年の12月を比較してみると、外貨準備はかなり減少しているものの、それでも両方のグラフとも、一応はプラスです。 それにしても、上のグラフでは、資金流出入がマイナス、下のグラフでは、対外銀行借り入れが大幅なプラスで、この傾向は平成13年の12月あたりから続いていることがわかります。

とにかく、資金が海外に出て枯渇したため、対外銀行借り入れで、平成ぬ14年の12月あたりまでは、何とかしのいできたことが伺われます。

上のグラフでは、平成14年12月からは、中国の資金は流出傾向となり、平成15年にはいってから少したってから、外貨準備もマイナスになっていることがわかります。

今年になってから、このような状況にある中国が、なぜAIIB(アジアインフラ投資銀行)などを設立したのか、良く理解できます。

要するに、金融が空洞化どころか、正味では枯渇も通り越して、大幅なマイナスになってしまったので、とにかくどこからか、金を借りたか、前に借りてきた金をAIIBに見せ金として突っ込み、それで海外から出資を募り、その金を使って、海外へのインフラ投資を行い、儲けて、設けた金で借金を返そうとしたということです。

しかし、習近平の目論見は見事にはずれました。結局AIIBには日米が参加しませんでした。資金というと、日米ともに潤沢です。この二国で世界の大半の資金を担っており、他の国はその他大勢という程度のものです。

特に、日本は長い間デフレが続いたため、国内経済は疲弊しましたが、それでも、対外金融純資産は、未だ世界一の水準です。アメリカは、基軸通貨が、ドルということもあって、対外金融負債が300兆円超もありますが、それでも資金は他国に比較すれば、潤沢です。

日米が加入しなかったということで、AIIBは最初から失敗です。他の国々がいくら出資したとしても、今の中国にとっては、焼け石に水程度のもので、中国の借金を解消する手段とはならないでしょう。

それにしても、なぜこのようになってしまったかといえば、過去の一つ覚えともいえるような、経済政策の積み重ねによるものです。

中国の経済対策は、本当に簡単で、どんぶり勘定です。景気が停滞すれば、金融緩和と財政出動を実施し、それを元手に、インフラ投資を大規模に行い、公共工事をどんどん行い、景気を回復させ、景気が加熱してくると、金融引き締めと、緊縮財政を行い、これを継続して、景気が悪化すると、またまた、金融緩和をし財政出動を実施し、インフラ投資を大規模に行い景気を良くするということの繰り返しです。

中国の発展の原動力は国内へのインフラ投資のみでした。しかし、インフラ投資を繰り返して、橋をつくり、道路をつくり、住宅を建てたにしても、最初はそれで経済発展をすることができましたが、おそらく今から10年以上前から、インフラ投資をしても、それだけでは経済発展がしにくい状況になっており、極最近では不動産バブル崩壊に象徴されるように、公共工事をしても、ほんど経済成長ができない状況に陥ったのです。

そんなことは、当たり前のどまんなかです。公共工事で、道路や、橋、トンネルなどつくったにしても、それを多くの人々が活用して、経済活動を活発化させなければ、経済的には何の見返りもなくなります。

高層住宅や、高級住宅をつくったにしても、そこに人が住みつき、経済活動が活発になって、はじめて、経済的な見返りがでてきます。しかし、中国政府は馬鹿の一つ覚えで、住宅建設を繰り返し、結局のところ中国全土に鬼城と呼ばれる、誰も人が住まない住宅街をつくってしまいました。

誰も住まない中国の鬼城 中国全土の至るところにこのような鬼白がある
このようなことを繰り返し、結局中国国内で、公共投資をしても、もう経済成長できないと、悟った馬鹿の一つ覚えの中国政府がとった次の経済発展の次の手は、海外へのインフラ投資でした。

しかし、過去においてはこれはほとんど失敗しています。中国のアフリカ投資などは、結局全部失敗です。そもそも、中国は公共工事をすることはできますが、公共工事に加えて当該地区住民を豊にする術などありません。

中国国内でも、公共工事を実施するだけで、後はそれを活用して儲ける人が儲けて、その地域の住民などはなおざりでした。そんな中国が、アフリカで公共工事を実施して、地域住民を豊にすることなどできません。結局、中国や当外国の一部の人が儲けることだけを優先して、アフリカ諸国から反発をかってしまい、ほとんど失敗に終わりました。

そんな中国が、AIIBで、アジアのインフラ投資を行ったにしても、結局のところ、中国と開発当該国の一部の人が儲けるだけで、アフリカと同じ失敗を繰り返し、アジアの人々から反発を買うだけで終わることになります。

要するに、中国がやりたいのは、過去に大成功した中国国内での経済成長の成功体験を、中国内ではもう無理になったので、海外で実施したいというだけの話です。これでは、最初から成功などおぼつきません。

それに、アジア投資ということになれば、強力なアジア開発銀行といライバルが存在します。こちらの国際投資銀行は、地域の人々を豊にする様々なノウハウを持っています。そうして、日米が参加しています。とても、AIIBがかなうような相手ではありません。

このような中国、インフラ投資ばかり繰り返すようでは、もう経済成長は見込めません。本来ならば、実体経済を良くすれば、さらに経済成長をすることもできるとは思います。

しかし、そのためには、日本や、他の先進国と同じように、中間層を増やし、中間層に活発な社会・経済活動を行えるようなインフラを整備し、そのインフラの上で実際に中間層が活動できるようにもっていけば良いのですが、中国政府にはその気は、全くありません。

これは、統計資料からも裏付けられています。日米欧の先進国では、GDPの6割以上を国民の消費が占めるのが普通です。しかし、中国のその比率は4割未満です。以下に日本のデフレ期のGDPに占める消費の割合と、中国のそれとを比較するグラフを掲載します。


クリックすると拡大します

日本は、この期間はデフレが深刻だったので、ほぼ60%未満でしたが、それでも2011年には60%になっています。一方中国は、40%を超えていたものが、2005年あたりに40%を切り、その後35%台に落ちています。

日本では、この期間デフレで、モノが売れないということで、とんでもない状況で、失われた20年などともいわれていましたが、中国はもともと低い水準が最近ではさらに落ちているということです。国民の消費がこのように構造的に落ちている国が、これから先経済発展を続けるなどということはあり得ません。

現状でも似たような水準です。日本の景気が低迷したのは、日銀の金融政策があまりにもお粗末で、金融引き締めばかりしていたことが原因で、日銀が金融政策を改さえすれば、すぐにも解消するものですが、中国のそれは構造的な問題です。その構造を根本的に変えなければ今後の経済発展はあり得ません。

そもそも、平均賃金が、平均では今でも4万程度ですから、桁が違いすぎます。いかに、格差が酷いものか、中国では先進国のように中間層が形成されていないのは明らかです。

このように、本来中国では個人消費はまだまだ伸びる余地があるはずです。だから、世界中の国々がそれに期待して、過去には中国に多大な投資をしていたのです。しかし、中国ではなかなかそうはなりません。なぜなら、これを実行するためには、中国では全く不十分な、民主化、政治と経済の分離、法治国家化をある水準までは実現しなければならないからです。

これについては、最近もこのブログに掲載したばかりです。以下にリンクを掲載します。詳細は、この記事をご覧下さい。
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中国・天津市で発生した大規模爆発
いずれにせよ、中国の現政府が、中間層を増やし、それらの経済・社会活動を活発化させることを考えず、これからも馬鹿の一つ覚えのように、インフラ投資のみで経済成長をしようとするなら、それは全く無理です。

この体制が変わらない限り、中国はこれから100年たっても、経済は停滞し続けるでしょう。今の体制のままで、中国がさらに経済発展を続け、いずれアメリカなみになるなどの考えは、単なる幻想です。このままだと、個人消費はさらに減り、いくつ先は現体制の崩壊です。中国の外貨準備の大幅な減少は、そうした未来を暗示しています。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年9月10日木曜日

【栃木、茨城大雨・動画あり】動画投稿サイトに被害映像が続々―【私の論評】このような自然災害はこれからも起こる、その備えにネパールで活躍したオスプレイはかなり期待できる(゚д゚)!

【栃木、茨城大雨・動画あり】動画投稿サイトに被害映像が続々

台風18号の影響による大雨は10日、栃木や茨城両県に未曽有の水害を招いた。動画サイトの「ユーチューブ」には住民から生々しい映像が投稿され、被害の甚大さが伝わってくる。





【私の論評】このような自然災害はこれからも起こる、その備えにネパールで活躍したオスプレイはかなり期待できる(゚д゚)!

今回の水害、甚大な被害が出ています。被災されたかは本当にお気の毒です。一日も早い、救援と、復興がなされることを希望します。 今回の水害では、やはり被災者の救助にヘリコプターが大活躍です。ヘリコプターの救助活動の状況を撮影した動画を以下に掲載します。





このような水害などの自然災害時においては、日本では特に災害発生初期にはヘリコプターが大活躍します。震災の時にもそうでした。
しかし、ヘリコプターには欠点もあります。それは、飛行するためにはローターを回して浮力を得ているため、飛行機よりもはるかに燃料を大量に必要とするため、飛行機と比較すると、航続距離や滞空時間が非常に短いということです。
とはいいながら、飛行機の場合は、ヘリコプターのように空中でホバリングすることはできませんし、飛行場もヘリコプターのように狭いところに着陸はできず、長い滑走路を必要とします。
そのため、飛行機は、ヘリコプターのように救援活動には不向きです。このヘリコプターのような能力を持つとともに、航続距離や滞空時間を長くすることができれば、救助活動などにとてつもなく効果を発揮できることになります。
そうして、そのようなものは、もうすでにこの世に存在しています。それがオスプレーです。
さて、オスプレーに関しては、このブログでも何度か掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。

ネパール地震救援に普天間基地のオスプレイが出動―【私の論評】オスプレイ導入反対の中国スパイの皆様に悲報!なぜ中国が嫌がるかが明々白々に(゚д゚)!
アメリカ国際開発庁 (USAID)より、カトマンズに到着したオスプレイ
この記事は、今年の5月のものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事より災害時の救援活動などにオスプレーが優れている点を示すことがのみ、ピックアップして以下に掲載させていただきます。
ネパール地震救援の為に、普天間基地に所属するアメリカ海兵隊の垂直離着陸機MV-22オスプレイが出動しました。オスプレイは艦船や大型輸送機に搭載されずに、沖縄から自力で飛行してネパールまで到着しています。第一陣の4機は日曜日に現地に到着しています。 
ネパールの国際空港には各国から救援隊の航空機が殺到し処理能力を超えたために、近隣のインドに引き返す事例が多発しています。そのような場合でもオスプレイならば自力で長距離を飛行し、尚且つもしも空港が過密状態であったとしても付近の空き地に降りる事が可能です。

ネパールのような山岳地帯はもともと道路事情が悪い上に、地震で道路が寸断されて救援物資が届けられないため、救援にはヘリコプターを用いなければなりません。ヘリコプターは幾らあっても足りない状態です。しかし標高の高い高地で使えるエンジンが大出力のヘリコプターは数が限られる上に、航続距離の短いヘリコプターを現地に集める為には艦船か輸送機で運ぶことになります。ネパールは海から離れている為、大型輸送機に頼ることになりますが、上記の通り空港の処理能力を超えてしまった場合には、空港で大型輸送機から梱包状態のヘリコプターを取り出して組み立てて・・・といった長時間掛かる作業が滞ってしまう事になります。その点についてオスプレイは自力で飛んで行ける上に垂直離着陸できる為に問題となりません。

またオスプレイのチベット山岳地帯での運用に付いて、過去にインド軍が興味を示していたことを航空専門誌フライトグローバルが2012年1月18日に報じています。その当時からオスプレイの長い航続距離と高い巡航高度は、ヘリコプターの展開を阻む広大なチベット山岳地帯で有用となるだろうと見越されていました。そして今、オスプレイのその実力が発揮されようとしています。
オスプレイの航続距離については、どれほどのものなのか、ピンとこない人もいると思います。そのような人向けに、ヘリコプターとオスプレイの航続距離の比較をした図をこの記事に掲載していたので、その図も以下にコピペさせていただきます。


このいくつかある同心円の、一番小さなものが、ヘリコプターの航続距離を示すものです。140kmです。中の大きさの円が、オスプレイの楮距離を示すものです。何と、600kmもあります。そうして、一番大きい円は、空中給油1回の航続距離であり、1100kmです。

この後続距離では、無論一回の空中空輸では、とてもネパールまではいけませんが、空中空輸一回と、数回陸上で空輸すれば、ネパールにも十分行くことができます。ヘリコプターにはできない芸当です。

ヘリコプターの場合は、航続距離が短すぎるので、給油しながらネパールに行くとしたら、数十回給油しなければならなくなると考えられ、とても実用的ではありません。だから、分解して、船に載せて運ぶということになるのでしょうが、それでは、緊急のときには役にはたちません。

この素晴らしい性能を活用して、オスプレイはネパールの震災救援活動でその実力を遺憾なく発揮しました。アメリカ軍のネパール地震被害救援作戦「サハヨギ・ハート(ネパール語で助けの手という意味)」で、海兵隊のMV-22オスプレイは連日出動していました。

オスプレイは到着早々にローターの風圧で建物の屋根を壊してしまいましたが、直ぐに運用方法を見直して慎重に行動し、休みなく連日活動している様子がアメリカ軍の運営するインターネットメディア「DVIDS」に毎日投稿されていました。オスプレイは救援物資やネパール兵の輸送の他に、5月10日にはネパール救援に派遣された日本陸上自衛隊の輸送を行っている事も報じられていました。

とにかく、オスプレイなら、大量の人員や物資を運ぶことができますから、救援活動においては、本日動画で示したような、被災地に取り残された人を吊り上げるような初動の作業には、中型・小型のヘリコプターが活躍することになるでしょうが、その後の物資の運搬や、人の運搬にはかなり威力を発揮することでしょう。

ネパールで救援活動にあたるオスプレイ

 被災地の人々に迅速に物資を届け、救助隊員や怪我人、病人を大量に運ぶこともできます。この特性を活用しない手はありません。 こうすることにより、自然災害に万全の体制を築くことができます。 それに、軍事的な側面からみても、ピンポイントで、本当に的のウィークポイントのところに、ある程度の人数の兵士を迅速に派遣し、制圧することができます。

これは、中国にとっては、本当に脅威に感じるに違いありません。 給油などすれば、沖縄周辺はもとより、中国本土も含めて、かなりの広範な地域に兵士をピンポインで送り込み、制圧できます。だからこそ、中国は、沖縄でオスプレイ反対運動を間接的に支援しているのだと思います。 日本でも、最初はアメリカなどから購入するなどして、自衛隊に配備すべきと思います。いずれ自己開発で、導入できるようにすべきと思います。 私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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