2015年10月24日土曜日

【習近平訪英】英王子ら退屈&居眠り? 習近平氏の演説を英紙が「ぶざま」と辛口評論―私の論評】欲の皮を突っ張らせると、シティの連中も大火傷するほど中国の金融空洞化は明白(゚д゚)!


習近平主席のあいさつ中、下を向く出席者
  中国の習近平国家主席は23日、4日間に及ぶ英国の公式訪問の日程を無事終えて帰国した。習氏は訪英中、上下両院や公式晩餐会、金融センター・シティなどで演説を行った。だが、演説を称賛する報道は、英国では見当たらない。反対に、演説中に出席者が居眠りをしているかのような屈辱的な写真が掲載され、「ぶざまな瞬間だ」「強さをひけらかした」など、辛口の論評が目立った。

「外交用に行われるディナーに列席するのは、退屈なのかも…」

  ロンドンのフリーペーパー、メトロ(電子版)は22日、こんな見出しをつけ、習氏が前夜、金融街シティで行った演説の際、主催者が居眠りしているような問題の写真を掲載した。

  ちなみに、習氏が演説を行ったギルドホールでは2013年6月、訪英した安倍晋三首相も自らの経済政策「アベノミクス」について演説した。

  習氏は演説で、中国が過去37年以上の改革・開放政策で世界第2位の経済大国となったことを強調した。英中両国が演説を前に、中国以外で世界初となる人民元建て国債の発行を始めることで合意したのを強く意識した内容だった。

  さらに、演説では、中国は「過去に、立憲君主制や議会、大統領制などを導入しようと試み、失敗し、それに学び、最後に社会主義の道を選んだ。社会主義は人民が求めた結果だ」と説明した。

  演説は約27分間。中国語の演説を、通訳を介して聞いていたことや、一日の疲れもあったのだろう。演説する習氏の隣で、英王室のエスコート役、アンドルー王子らが疲れたような表情で下を向いて話を聞く様子がカメラに収められた。

   一方、20日の議会演説については、英紙フィナンシャル・タイムズが「議会制が誕生した揺りかごでみせた習氏のぶざまな瞬間」と紹介した。

  習氏は演説で「英国は最も古い議会制国家だが、中国は2000年も前から法治の重要性を語ってきた」と述べ、民主主義に関係した中国批判は受け付けないとの姿勢を暗に示した。

  同紙はこれに対し、「法の支配」の理念を生み、近代民主憲法の礎石となったマグナカルタ(大憲章)制定800年を迎え、中国で巡回展示を行う予定が急きょ、当局に中止させられたことを紹介。「中国に法治と民主主義を強調する資格があるのか」「自分たちに有利な歴史だけ言及した」などと批判する議員たちの声を報じた。

  バーコウ下院議長も習氏の演説前に、ミャンマーの民主活動家、アウン・サン・スー・チー氏を「人権のチャンピオン」と呼び、インドを世界最大の民主国家と称賛。中国に「強国としてだけでなく、道徳的霊感を与える国になることを願う」と述べ、「強さをひけらかす中国」(英紙ガーディアン)をけん制した。

  キャメロン英首相は中国の人権問題について批判を封印する。だが、人権や民主主義など価値観をめぐる英中の戦いの行方に、世界の注目は集まっている。

【私の論評】欲の皮を突っ張らせると、シティの連中も大火傷するほど中国の金融空洞化は明白(゚д゚)!

習近平のイギリス訪問に関しては、経済評論家の上念司氏が動画でいろいろと面白おかしく解説していました。その動画を以下に掲載します。


 詳細はこの動画をご覧いただくものとして、以下に上念氏が用いたフリップのキャプチャー画像を掲載します。


このキャプチャ画像のフリップにあるように、習近平はイギリスのキャメロン首相などには歓迎されたものの、それ以外は散々だったようです。

日本の天皇陛下と握手したエリザベス女王
まずは、エリザベス女王が習近平と握手したときに、手袋をつけたままだったということです。これは、日本の天皇陛下が訪問されたときには、エリザベス女王は手袋をはずして、陛下と握手なさったのとは対照的です。

中国国家主席習近平と握手をしたエリザベス女王
それから、BBCをはじめとするメディアのほとんどが、習近平の中国にはかなり批判的な報道をしました。また、多くの人々が抗議のデモに参加しました。


アンドリュー王子に関しては、ブログ冒頭の記事にもあるように、習近平のスピーチの際には、退屈で半分居眠りをしているような素振りであり、それはアンドリュー王子におよばず、王女も、その隣の中東系の人物とみられる人物もそのような素振りをしていました。チャールズ皇太子に至っては、参加すらしませんでした。

チベットのダライ・ラマとも親交のあるチャールズ皇太子
これは、おそらく、習近平は他国でみられるように選挙で勝利して選ばれた政治家ではなく、権力闘争に打ち勝って、上まで登った官僚であるということが原因ではないかと推察します。

ご存知のように、日本の総理大臣も、アメリカの大統領やイギリスの首相など、中国以外の国では、選挙によつて選ばれた政治家が政府のトップになります。日本やイギリスのように政府のトップ以外に皇族や、王族が存在する場合もありますが、いずれにせよ、国のトップは政治家です。

しかし、中国は建国以来選挙もなく、政府のトップは政治家ではなく、官僚です。そのため、中国の幹部は選挙という荒波に揉まれていないので、一般にスピーチが非常に下手です。

中国では、権力闘争に勝つことが官僚のトップになり、国のトップになるということですから、国民に対してわかりやすく平易に話す、感動的な話や、リーダー的な話は必要ありません。金をどれだけ有効に使うか、様々な恫喝や、場合によっては他国であれば、犯罪のようなことをどのくらいためらわず、図太くできるかが重要です。

習の屈辱。英議会での演説では一回も拍手はなかった・・・・
だから、スピーチなど二の次ですから、いざ国外でスピーチをするとなると、習近平に限らず、ほとんど官僚が話下手でとても、他国の政治家のように流暢に抑揚があり、ユーモアのあるような話はできません。それに内容がお粗末ということも手伝ってか、今回の習近平の英国内の演説は、評判は良くはありませんでした。

だから、本当に習近平の話は退屈極まりないものだったのだと思います。

それから、エリザベス女王との会見の場所がトイレの前だったというのは、イギリス流の嫌味だったのだと思います。

習近平の英国訪問は、完璧な失敗だったと言っても良いと思います。上の上念司氏は、おそらくイギリスで中国を歓迎しているのは、シティの連中だろうとしています。

実際そうなのだと思います。

シティの正式名称は、「シティ・オブ・ロンドン・コーポレーション」という。コーポレーションとは、刺繍業組合や皮革加工業組合など1000年も前から存在している123もの同業組合(ギルド)の「共同体」です。 

地理的には、シティはテムズ川左岸のウォータールー橋とロンドン橋を東西の両端とする1.22平方マイル(約2キロ平方メートル)の地区で、別名スクエアマイルとも呼ばれます。ロンドンにはシティグループやHSBCなどの高層ビルが建ち並ぶ再開発地区カナリーウォーフやヘッジファンドの集まるメイフェアもあり、これら新興の金融街と合わせて広義のシティ(ロンドンの金融ビジネス)といわれることもあります。


シティの東の境界、タワーブリッジ     (Photo:©Alt Invest Com) 
2008年のデータですが、シティは国際的な株式取引の半分、店頭デリバティブ取引の45%ちかく、ユーロ債取引の70%、国際通貨取引の35%、国際的な新規株式公開の55%を占めていました。猫の額のような小さな街が、グローバル金融のハブとして圧倒的な強さを誇っています。

シティの競争力の源泉としては、以下の3つがあります。アジアとアメリカの中間にあるという地理的優位性、金融ビジネスの標準語である英語を母語とすること、そして、シティにつらなるタックスヘイヴン群のグローバルネットワークです。

2008年4月には、旧ソ連邦を構成するCIS(独立国家共同体)から100社もの企業がロンドン証券取引所に上場した。これはシティの上場基準が、アメリカ(ウォール街)でADRを上場させるよりはるかに緩いからだ。

それにしても、シティの連中は、中国の現状をあまりに知らなすぎるのではないかと思いす。彼らは、中国の金でシティを活性化させようと目論んでいるでしょうが、その中国ではもうすでに、金融が空洞化していることを知らないのでしょうか。

中国の金融の空洞化については、このブログでも、何度か掲載してきたました。それらの記事のリンクを以下に掲載します。
【お金は知っている】中国金融市場の自壊は変えようがない 外貨準備は「張り子の虎」―【私の論評】馬鹿の一つ覚えの経済政策が、今日の危機を招き後は崩壊するだけ(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事には「中国の外貨準備と資金流出入のグラフ」も掲載しました。以下にそのグラフとそのグラフに関する説明を掲載します。


さて、このグラフについては、つい昨日も別の記事で説明したので、その説明の内容を簡略にして以下に掲載します。
外貨準備といえば、日米欧の場合は通常、自国通貨が暴落するなどの非常時に備えるためで、大規模である必要は必ずしもありません。しかし、中国の場合、特別の意味があります。 
中央銀行である中国人民銀行は流入する外貨を買い上げて外準とし、その額を基準にして通貨人民元を発行し、その元資金を商業銀行に供給しています。

中国の外貨資産の大半はドルであり、残りはドルと交換できる国際通貨のユーロや円などです。つまり元は事実上、ドルの裏付けがあるという意味での信用を獲得し、増発が可能になっていたのです。 
08年9月のリーマン・ショック後、米連邦準備制度理事会(FRB)はドル資金を大量発行する量的緩和政策に踏み切りましたが、米国からあふれ出たドル資金は中国に大量流入し、人民銀行はそれを吸い上げることにより、やすやすと元資金を大量増発できたのです。 
元資金は国有商業銀行を通じて不動産開発投資用に振り向けられ、不動産ブームを支えました。中国経済は投資主導で二ケタ台の経済成長に回帰し、リーマン後の世界でいち早くショックから立ち直りました。10年にはデフレ不況が深刻化する日本の国内総生産(GDP)を抜き去って、米国に次ぐ経済超大国となりました。 
中国の成長モデルは豊富な外貨準備によって支えられてきたわけですが、その外準が増えずに急速に減少することで、成長資金を供給する方程式が成り立たなくなりました。停滞感が強まる景気の刺激に向け、人民銀行はもっと大量の元資金を発行する必要があるのですが、人民銀行の外貨資産は外準の減少を反映してかなり減りました。
このような状況ですから、中国の金融は空洞化しています。金融の空洞化といえば、もっと前から中国の金融の空洞化が指摘されていました。それについても、このブログで掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
中国経済、崩壊か…中国版アベノミクス不発 社会主義国家を待ち受ける“2つの罠”とは―【私の論評】『保八』も確保できない中国は、本当は雇用状況もかなり悪化しているのに、金融緩和政策も実行できない、その理由は「金が消えた」という驚愕の真実(゚д゚)!
中国の統計はでたらめ、現実にはマイナス成長であろうことは、以前のこのブログにも掲載した

 保八も維持できなくなった中国経済ですが、金融面でもとんでもないことが発覚したことについて掲載しました。そのとんでもないこととは、中国から「大量のマネー」が姿を消しているという驚愕の事実です。その内容を以下に抜粋します。

まずは、この記事で引用した宮崎正弘氏のメルマガの内容を以下にコピペさせていただきます。
 中国から不正に海外へ流れたカネは3兆7900億ドル  外貨準備高より多いカネが不正に海外へでた勘定になるのだが。。。。。
****************************************
グローバル・ファイナンシャル・インテグリティ(GFI,ワシントンの国際金融監視シンクタンク)の調査に拠れば、中国から不正に海外へ持ち出された金額が精密に報告され、驚くべき巨額の事実が浮かび上がって。 
 つい最近まで筆者は1兆800億ドルと、このGFIの数字を援用してきた(これは2002年か2011年の統計とされた)。 
 ところが新しい報告では2000年から2011年までの統計で、実に3兆7900億ドルが不正に海外へ流れた(Illicit flow)。2005年から2011年の統計で2兆8300億ドルとなる新しい数字に上方修正された。 
どの期間の統計かによって、数字が異なるのは当然といえ、もし2000年から2011年統計で、中国からの海外逃避資金のトータルが3兆7900億ドルとなると、史上空前の新記録。邦貨換算で417兆円弱。日本のGDPの80%にあたる。 
これは中国の金融が空洞化していることを示して余りある。 
以下に掲げる「ワースト・ランキング」はGFIが集計した2002年から2011年の合算統計である。 
1)中国      3兆7900億ドル
2)ロシア      8809億ドル
3)メキシコ     4618
4)マレーシア    3704
5)インド       3431 
桁違いの汚職天国、ロシアのそれも凄いが中国に比べたら何ほどのこともない。
2011年当時ですら、この有様で、最近ではさらに資金流出から加速化したといわれています。だからこそ、最近では、中国の外貨準備高が大幅な黒字から、大幅な赤字に転じたものと考えられます。

このような状況では、シティがいくら中国の資金をあてにしても、無理があるのではないかと思います。

しかし、シティとしては、中国などどうでも良く、中国の富裕層の資金の流出先になることを狙っているのかもしれません。

しかし、もうすでに時期を逸したかもしれません。少なくとも後2〜3年前にこうしたことをしておけば良かったかもしれません。

それにしても、市場関係者というと、イギリスのシティの市場関係者は、中国の事情に疎いようですが、日本のいわゆる市場関係者といわれる人たちの多くも、イギリスの市場関係者を馬鹿にする事はできないと思います。

日本の市場関係者の多くは、8%増税の経済への影響は軽微といっていました。結果は軽微どころか、とんでもない結果になってしまいました。

しかし、考えてみれば、アメリカの市場関係者だってとんでもないです。あのサブプライム・ローンが引き金となって、リーマン・ショックに結びついたわけですが、あのサブプライム・ローンなどの仕組み、素人が考えても、行き詰まることは目に見えたと思います。

市場関係者は、到底常人では考えられないような、とんでもない明白な単純ミスを犯すことがおうおうにしてあります。

やはり、欲の皮が突っ張っていると、現実を見誤り判断を誤るだと思います。イギリスの市場関係者も、中国を等身大にみて、中国という国家をあてにするのではなく、せいぜい富裕層の逃避資金の受け皿になる程度で、後はあまり欲張らないで、適当なところで線を引いて火傷をしないようにすべきものと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年10月23日金曜日

反日暴走外交のツケ 韓国「通貨スワップ必要」 資金流出でドル枯渇懸念 ―【私の論評】中韓はともに崩壊する運命共同体ということか(゚д゚)!


8日、ペルーのリマで並ぶ(左から)中国の楼継偉財政相、
麻生財務相、韓国の崔ギョン煥・経済副首相兼企画財政相
韓国の資金枯渇懸念は深刻なのか。通貨危機の際に外貨を融通し合う「通貨交換(スワップ)協定」が新たに必要だと言い出したのだ。中国経済の失速や米国の利上げ観測のなか、朴槿恵(パク・クネ)政権の失策で日本との通貨スワップを終了させてしまい、焦りの色を隠せない。

 「多国間通貨スワップなどのセーフティーネットで金融危機を予防する必要がある」。今月上旬、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議と並行して開かれた国際通貨基金(IMF)と世界銀行の年次総会で韓国の崔●(=日の下に火)煥(チェ・ギョンファン)経済副首相兼企画財政相はこんな声明を出した。

 通貨スワップは、外貨不足に陥った際、自国通貨と交換で相手国から融通してもらう仕組み。韓国は1997年のアジア通貨危機で資金が流出し、破綻状態に陥ったが、2008年のリーマン・ショック後の資金流出危機の際、米国や日本との通貨スワップでドルを調達してしのいだ。

 今回も米国の利上げをきっかけとする新興国からの資金流出が警戒されているが、韓国では「金融危機当時と違って外貨準備が潤沢だ」という報道が多い。9月末時点の外貨準備高は約3681億ドル(約44兆円)にのぼり、「世界7位」(中央日報)だと誇らしげだ。

 それでも韓国当局の不安は消えないようだ。韓国経済新聞は「アベノミクスに伴う円安で韓国の輸出が鈍化しており、株式や債券への投資資金、金融会社の融資などの流出幅が前例のない大きさとなる可能性がある」として、「1年以内に満期が来る外債や、外国人の株式投資資金を考慮すると、(外貨準備は)1000億ドル(約12兆円)程度が不足しているものと思われる」とする専門家の分析を掲載した。

 韓国が最大の通貨スワップ協定を結んでいるのが中国だが、調達できるのは人民元。韓国の対外債務はドル建てが多く、短期的に大量のドル資金が必要となった際に間に合うのか疑念も残る。

 日中韓と東南アジア諸国連合(ASEAN)による「チェンマイ・イニシアチブ」では最大384億ドル(約4兆6000億円)の引き出し枠があるが、IMFの関与がない場合の引き出しは最大30%にとどまる。また、別の国がドルを必要とする場合、韓国は提供する立場になる。

 ドルを調達できる貴重なスワップは、実は日本と結んでいたものだった。日韓スワップは2011年に700億ドル(約8兆4000億円)の規模だったが、朴政権の反日姿勢もあって、今年2月までに終了した。

 週刊東洋経済元編集長の勝又壽良氏はこう指摘した。

 「通貨危機は突発的に襲ってくるもので、外貨の支払い能力が手厚くなければ国際投機筋の餌食にされる。中国経済が失速するなかで万全の態勢を取るべきなのに、外交的な暴走で日本とのスワップを終了させてしまった。日本にとっては何の痛みもないが、韓国にとっては取り返しのつかない打撃だろう」
【私の論評】中韓はともに崩壊する運命共同体ということか(゚д゚)!

2013年7月に日韓通貨スワップはなくなりました。その時の経緯などについて、このブログにも掲載したことがありますので、その記事のリンクを掲載します。
日本の援助に仇で返し続けてきた韓国 経済破綻しても自業自得 ―【私の論評】朴よもっと激しく、しつこく、えげつなく反日をやれ!やれば、やるほど日本はまともになっていく!韓国におもねる政治家は日本ではもうやっていけない!さよなら、魅力の失せた破滅国家韓国(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、日韓スワップの停止に関しての経済評論家らの論評の部分を以下に掲載します。
 日本と韓国が緊急時にそれぞれの通貨を融通しあう通貨スワップだが、日本にはほとんどメリットがなく、韓国救済が目的といっていい。経済評論家の上念司氏が解説する。
上念 司 氏
 「2011年には700億ドルに増額していた日韓スワップですが、2012年10月に韓国が難癖をつけて延長せず、再び30億に。そして今年7月に日韓通貨スワップはなくなった。まだ残っているのは2003年のチェンマイ・イニシアチブの分の100億ドルだが、20億を超えるとIMFの管理が入るので実質20億が上限。これも再来年2月で切れることになる。 
 韓国の態度は、困った時には救いの手を求め、困った状況から脱したとたんに「バカにするな」といってその手をはたくというものだ。ところが、上念氏は、韓国が再び日本に救済を求めてくるだろうと予測する。 
 「韓国はこのままいけばウォン高になり、輸出産業がダメになる。しかしウォン安政策をとれば海外の投資家がウォン売りに走り、投機的なウォン売りが起きる。韓国は対外債務が非常に多いため、ウォンの買い戻しができず、再び通貨危機になる可能性が高い。日本に通貨スワップをお願いにくるしかない」(同前)
 2013年6月末時点で、韓国の対外債務残高は4118億ドル(約40兆1000億円)で、3か月前に比べて15億ドルも増加している。 
 一方、これほどまでに反日を鮮明にしている朴槿恵(パク・クネ)大統領は、性格的にも「日本に助けてくれとは口が裂けてもいえないだろう」と語るのは韓国経済に詳しい経済評論家の三橋貴明氏だ。
三橋貴明 氏
 「韓国は中国に擦り寄って、今年6月には通貨スワップ協定を3年間延長することで合意した。しかし、韓国がいざ中国に助けを求めても、中国が援助の手を差し伸べることはないだろう。それどころか、スワップ協定を反故にしてウォンが暴落するにまかせ、韓国企業を買い叩く手に出るのではないか」 
 そうなると、最終的に韓国が泣きついて 
くる相手は日本しかない。だが、これまでの歴史を見る限り、韓国を助けても仕方がないとの結論に到らざるを得ない。
 ブログ冒頭の記事にもあるように、韓国が最大の通貨スワップ協定を結んでいるのが中国だが、調達できるのは人民元ということで、これでは急場しのぎのときにはすぐには役立ちません。

それに、中国の外貨準備高は急速にしぼんでいることをこのブログでも以前掲載しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
【お金は知っている】中国金融市場の自壊は変えようがない 外貨準備は「張り子の虎」―【私の論評】馬鹿の一つ覚えの経済政策が、今日の危機を招き後は崩壊するだけ(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、上のグラフをご覧いただければ、外貨準備もマスナス、資金流出入額もマイナスということで、このグラフをみただけで、中国は韓国を助けるだけの余力などなく、自分のことで精一杯です。

外貨準備といえば、日米欧の場合は通常、自国通貨が暴落するなどの非常時に備えるためで、大規模である必要は必ずしもありません。しかし、中国の場合、特別の意味があります。

中央銀行である中国人民銀行は流入する外貨を買い上げて外準とし、その額を基準にして通貨人民元を発行し、その元資金を商業銀行に供給しています。


中国の外貨資産の大半はドルであり、残りはドルと交換できる国際通貨のユーロや円などです。つまり元は事実上、ドルの裏付けがあるという意味での信用を獲得し、増発が可能になっていたのです。

08年9月のリーマン・ショック後、米連邦準備制度理事会(FRB)はドル資金を大量発行する量的緩和政策に踏み切りましたが、米国からあふれ出たドル資金は中国に大量流入し、人民銀行はそれを吸い上げることにより、やすやすと元資金を大量増発できたのです。

元資金は国有商業銀行を通じて不動産開発投資用に振り向けられ、不動産ブームを支えました。中国経済は投資主導で二ケタ台の経済成長に回帰し、リーマン後の世界でいち早くショックから立ち直りました。10年にはデフレ不況が深刻化する日本の国内総生産(GDP)を抜き去って、米国に次ぐ経済超大国となりました。

中国の成長モデルは豊富な外貨準備によって支えられてきたわけですが、その外準が増えずに急速に減少することで、成長資金を供給する方程式が成り立たなくなりました。停滞感が強まる景気の刺激に向け、人民銀行はもっと大量の元資金を発行する必要があるのですが、人民銀行の外貨資産は外準の減少を反映してかなり減りました。

しかも、米国は昨年秋に量的緩和政策を打ち止めし、いずれ利上げに踏み切る見通しです。それを受けて、外に流れたドル資金は米国に還流します。人民銀行がドル基準を放棄すれば、元の信用が揺らぎ、さらにいっそうの資本逃避に拍車がかかる恐れが十分あります。

韓国にとって、頼みの綱の中国がこの有様ですから、本当は日本に助けを求めたいところでしょうが、過去の経緯をみれば、韓国を助けても本当に日本にとっては、何のメリットもありません。

韓国がどうなっても、日本としては、放置しておくというのが一番だと思います。それにしても、韓国はとんでもない相手に擦り寄ってしまいました。中韓はやはり、まともな経済対策などせずに、反日活動を繰り返し、いずれ崩壊する運命なのだと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年10月22日木曜日

手に職ある韓国人 学歴差別の恐怖で大卒の肩書ほしがる傾向―【私の論評】日本よりも酷い大学格差社会の韓国ではノーベル賞受賞者も、真にイノベーティブな企業もでてこない(゚д゚)!

手に職ある韓国人 学歴差別の恐怖で大卒の肩書ほしがる傾向

韓国の強烈な大学格差社会の象徴であるソウル大学

大学進学率70%以上、大卒が当たり前という韓国では、よりレベルの高い大学を目指し、受験戦争も激化している。なぜ韓国は厳しい学歴社会なのか。そこには学歴のみによって一生が左右されてしまう特有の構造があるからだ。

「君たちはSKY(ソウル大学校、高麗大学校、延世大学校)に入れなかった。この先、生きていこうと思ったら死ぬほどの努力が必要だ」

ある韓国人大学生は入学早々、教員からこう叱咤された。新生活に胸を躍らせていたら、将来の道が閉ざされていると暗に宣告されたのだ。

大学進学率が世界トップクラスの韓国では、頂点に立つSKY→「InSeoul」(ソウル市内の大学)→地方大学という「学歴ピラミッド」が形成され、入学時の「序列」が人生の終わりまでついて回る。

韓国社会では初対面の相手でも「アナタはどこの大学出身か?」と聞かれることが多い。その後、前出の学歴によるピラミッドに基づく厳しい差別に晒される。

『「反日モンスター」はこうして作られた』(講談社+α新書)の著者で韓国人作家の崔碩栄氏が説明する。

「韓国では学閥とコネが何より重宝される。地方大学卒の有能な若者がサムスン、現代など財閥系の大企業に入っても学閥がなく孤立する。“何をしてきた”より“どこの大学を出たか”で評価される完全な学歴社会なのです」

韓国女性政策研究院の「韓国社会で最も深刻な差別は何か?」というアンケート調査によると、最も多かった回答は「学歴・学閥の差別がある」で3割にものぼった。

【私の論評】日本よりも酷い大学格差社会の韓国では今後ノーベル賞受賞者も、真にイノベーティブな企業もでてこない(゚д゚)!

上の記事で明らかな間違いがあります。それは、学歴差別ということです。韓国は、学歴差別が激しいというわけではありません。学歴差別あるいは、学歴社会であるといえるのは、日本や韓国ではなく、欧米です。

欧米は、まさしく学歴社会であり、学歴で区別されるところがあります。少なくとも修士課程を卒業していなければ、そもそも学歴がある者という認識はされません。欧米の大学卒は、日本や韓国でいえば、高卒に相当するかもしれません。

ハーバード大学院の入学式が行われるメモリアル・ホール

欧米では、大学院卒という学歴と、有名な大学院卒ということが、重要視されます。ハーバード大学を卒業したなどといっても、それでは高学歴であるとはみなされません。あくまで、ハーバードの大学院を卒業したということが、高学歴を意味するのです。

大学卒ということであれば、それこそ有名大学であれば、どこの大学を卒業していても、大学卒は大学卒であり、スタンフォード大学であろうが、州立のあまり有名でない大学を卒業しようが、大卒は大卒で、同程度の教育がなされていて、差異はあまりないという感覚です。

日本でいえば、高校の優秀校とそうではない学校との違いくらいの認識です。大卒は、どこの大学を卒業していても、あくまで大卒で、それ以上でも以下でもありません。こういうのを本来の学歴社会と呼ぶべきです。

ところが、日本ではそうではありませんで。あくまで、どこの大学を卒業したかということが重要です。特に、昔はそうでした。東大、京大などのいわゆる旧帝大といわれるところを卒業するということが重要でした。また、現在では実際に大学の教育にも結構格差があります。地方の三流以下となると、実際には大学教育を施しているのかどうかさえ、疑問に感じることもあります。

確かに、日本では東大や、早稲田、慶応と地方の三流大学とを比較すれば、施す教育自体にも大きな差異があります。だから、アメリカのように大学を卒業したからといって、同じような教育を施されたとみなすことには無理があります。

日本の大学格差社会の象徴である東京大学安田講堂

今では、様変わりしてきて、東大、京大などの旧帝大等に加えて、私立の、早稲田、慶応大学等の一流校を卒業していることが重要視されます。

これは、特に学問の世界や、役人や、法曹界では顕著で、この世界では東京大学を卒業していることが今でも重要というか、その後の運命をかなり左右します。学者を目指す場合は、別として、役人や法曹界で東大の大学院を卒業するというのは、全く意味がないどころか、わざわざ遠回りをするくらいの感覚で、この世界で出世したいと考える人は、わざわざ大学院になどいきませんでした。

現在では、法曹界は法科大学院に行かないと駄目なようですが、役人の世界はあいかわらずのようで、学者を目指す以外は、ほとんどの人が大学院など行かないで、東大を卒業した後すぐに、国家公務員試験を受験して、入省することを目指しているようです。

実際、法曹界であれば、東大に進学したという事実が重要であり、まかりまちがって、東大在学中に司法試験に合格してしまえば、大学を中退する人が多いです。大学院行くなどということより、さっさと法曹界に入って出世を目指そうという人がほとんどです。

役人の世界でも、役所の中の役所といわれる、大蔵省(現在の財務省)でも同じようなところがあって、東大大学院卒など滅多にいません、ほとんどが東大卒です。

現役で他の大学に合格して入学して卒業しながら、大学院ではなく東大を受験して、東京大学に行きその後卒業して、大蔵省に入省して、財務次官にまで上り詰めた人もいました。(勝栄二郎元財務次官)

結局日本は、有名大学の学歴が重要だったということです。こういう社会は、真の意味では、学歴社会とはいいません。正しくは、大学格差社会というのが正しいです。どの大学院を出たのかが重要であり、大卒を高学歴とはみなさない、欧米とは明らかに異なります。

さて、そうはいっても、日本の場合は、純然たる大学格差社会ともいえなくなっています。なぜなら、役人の世界では、未だ色濃く大学格差が残っていますが、民間ではそうではなくなっているからです。

とは、いいながら、確かに有名大学卒のほうが、出世している率が高いですが、有名大学卒でなくても、出生している人はいます。私は、これは決して大学格差によるものではないと思っています。

いわゆる、有名大学以外の2、3流以下の大学場合、基礎学力が劣っている人が多いのだと思います。基礎学力が劣っていると、やはり出世の階段を登っていくのは困難なのだと思います。

しかし、民間の場合だと、基礎学力が入社する前からあって、後は大学など関係なく、本人の努力と創意工夫で出世の階段を登っていくのだと思います。ただし、2、3流以下の大学だと、もともと基礎学力が低いため、出生の階段を登っていける人がもともと少ないというだけだと思います。だから、結果として有名大卒の人が出世する確率が高いというだけなのだと思います。

さて、このような日本の昔からある大学格差ですが、これを受け継いだのが韓国です。韓国で近代的な学校や、大学を設置したのは、日本です。韓国が、日本の伝統の影響を色濃く受けるのは当然のことだと思います。

しかしながら、当の日本は随分大学格差はなくなっていて、特に民間ではそのような傾向になっているのに、韓国はそうではありません。民間でも、激しい大学格差があるというのが現実です。

韓国では、反日運動が盛んですし、政府主導で反日活動を盛大行っいます。とはいいながら、大学格差社会ということでは、日本のそれを忠実に引き継ぎ、引き継ぐどころから、さらに拡大強化しています。反日というのなら、大学格差などとうに、是正すべき筋のものであると思います。

  日本のセンター入試試験にあたる「修能(スヌン)」を受けるの受験生
韓国社会は、何やらそもそも、どこか頭のネジを掛け違えているのではないかと思います。そもそも、日本で民間で強烈な大学間格差がなくなった大きな理由は、基礎学力があれば、その後は当人の努力や創意工夫次第で、出身大学は関係なく、企業に様々な貢献をができ、さらに企業全体のことを考えることができるようになれば、そういう人をトップ・マネジメントにまで出生させて、企業を発展させることができたからです。

だからこそ、日本では民間企業ではあまり大学格差はなくなったのだと思います。それに、最近で特に理系では、大学院卒を採用するのが当たり前になっています。ここでも、学歴というよりは、企業では、大学院で学んできたことの延長線上の仕事をさせていることが多いようです。

韓国の大学格差は、ますます酷くなったようです。日本の悪しき伝統を引き継ぐどころか、さらに拡大発展させた韓国、こんなことでは、そもそも優秀な人材を二、三流以下の大学卒ということで、最初から殺しているのではないかと思います。

韓国は、グローバル化を熱心に進めて、サムスンのようなグローバ企業を生み出したにもかかわらず、欧米に普通に見られる学歴社会にせずに、日本と同じというか、それよりもさらに過酷な大学格差社会にしてしまうというとんでもないことをしてしまいました。

思い出してください、あのスティーブ・ジョブズは大学を中退しています。基礎学力さえあれば、超学歴社会のあるはずのアメリカでさえ、あとは当人の努力と、創意工夫でイノベーティブな仕事で、台頭していくことも可能なのです。しかし、韓国にはそのようなことはほとんどあり得ないということです。

大学中退者のスティーブ・ジョブズ

そんな機会を大学格差社会という、とんでもな強固な社会規範で摘んでしまう韓国では、本当の意味でのイノベーティブな人材は育ちません。最近のサムスンが凋落したのは、無論ウォン高ということもあるとは思いますが、より根本的な原因は、韓国が日本よりも酷い大学格差社会であるということであると思います。

まずは、このような狭い了見の社会を是正することができなければ、今後韓国にはノーベル賞受賞者も、イノベーティブな企業もでてこないと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年10月21日水曜日

日中軍事衝突なら「退路ない」と中国軍上将、尖閣で論文 「極力戦争を回避」と訴える―【私の論評】習近平が最も嫌がるのは、安倍総理が軍事力を用いて尖閣付近から中国を排除することだ(゚д゚)!

日中軍事衝突なら「退路ない」と中国軍上将、尖閣で論文 「極力戦争を回避」と訴える

習近平の幼友達で太子党の仲間でもある劉亜州
上将。制服が板についてきた?=博訊報から
 中国軍の上将で、国防大学政治委員の劉亜州氏は21日までに、沖縄県・尖閣諸島をめぐる問題に関する論文を公表し、日本と中国が軍事衝突すれば「中国は勝つ以外に選択肢はなく、退路はない」と強調した。敗北すれば体制を揺るがす事態に発展しかねないとの危機感を示唆したものとみられ「極力戦争を回避」すべきだと訴えた。

今月公表された論文は共産党や国防省のウェブサイトにも掲載されており、習近平指導部の意向を反映している可能性が高い。中国は尖閣をめぐる問題を対日政策の重要課題と位置付けて強硬路線を堅持。「結果的に日本や米国との緊張がいたずらに高まった」(党関係者)との指摘もあり、外交方針を調整しているもようだ。

劉氏は軍事政策に影響力を持ち、習氏とも関係が近いとされる。論文で、尖閣問題を現在の日中関係の焦点とするのは「戦略的に誤った判断だ」と主張。「戦争を辞さないという覚悟」を持ちつつも平和に向け努力すべきだと強調した。

【私の論評】習近平が最も嫌がるのは、安倍総理が軍事力を用いて尖閣付近から中国を排除することだ(゚д゚)!

習近平の軍事理論を支える劉亜州は今年7月1日博訊報に、中共建政94周年に当たり日本と闘う決意を表したという記事を掲載しています。この記事で劉亜州「日本は謝罪しない。精神上は永遠の小人である」と言う“反日大論文”を公表しています。それにしても、習近平は対日戦に勝利したことがないことに気が付いているのでしょうか。

おめでたいです。対日戦を行ったのは、このブログでも何度か掲載したように、中華民国であり、現在の台湾です。現在の大陸中国である、中華人民共和国は、日本と戦火を交えたことは一度もありません。

ところで劉亜州の妻・李少林は対外友好協会会長で、たびたび来日しては親中派の「大物」らと会談しています。彼女は中国共産党の第3代中華人民共和国主席(国家主席)の李先念の娘です。


その支えで劉亜州は空軍上将にまで出世しましたが、本人には軍歴はなく、空軍ではいわば情報担当将校に過ぎませんでした。現地では“小説家”とも呼ばれていたそうです。

こんな人間が、習近平の軍事理論を支えているというのですから、お笑いぐさです。まあ、素人に毛が生えたような軍事理論で、ブログ冒頭記事のようなたわ言に過ぎない論文を書いているのだと思います。

はっきりいいます。現在の人民解放軍では、尖閣有事の際には、日本の自衛隊に対して全く歯がたちません。中国の艦船ならびに潜水艦は、日本の水準からすれば、数十年前のボロ船に過ぎません。

皆さん、尖閣付近の中国公船を見ていて気づくことはありませんか。察しの良い人なら、何も言わなくてももう気づいていると思います。そうです。武装した艦船はほとんどありません。私自身は、数年前にせいぜい、機銃を装備した公船のがあったのを覚えているくらいです。

武装した中国公船 中央は37ミリ機関砲 赤丸は23ミリ機関砲

もし、中国が軍事的に日本など敵ではないと考えているなら、もっと強力な武装をした艦船が来てしかるべきものと思います。

これが、中国の実情を物語っています。中国の今の技術水準では、せいぜい海上保安庁の船なら、太刀打ちできるかもしれませんが、海上自衛隊と対峙することにでもなれば、全く歯がたちません。

中国の海軍は、日本の自衛隊の潜水艦や、艦船などには未だに全く歯がたちません。空母「遼寧」もボロ船にすぎません。戦闘行為などすれば、何もできないうちに、あっという間に海の藻屑と化します。だからこそ、尖閣で領海侵犯するにしても、武装していない公船で侵犯するのです。

もし、何らかの武装をしていて、それで本格的な戦闘にでもなれば、全く勝ち目がないし、それこそ自殺行為だからです。

それは、航空戦力も同じことです。中国の最新鋭戦闘機「殲20 」ですら、アメリカのステルス戦闘機F22の外見を真似してつくりましたが、ステルス性能は異常に低く、これでは日本の自衛隊にとっては、ステルス機といえるシロモノではありません。軍事専門家の間では、「殲20」は第三世代戦闘機に属するものとされています。

これでは、日本はまだ第五世代戦闘機は導入していないものの、勝ち目はありません。

第5世代戦闘機とされる、ロシアのT50、中国の殲20、米国のF22

その他、搭載の兵器も、機器も日本の水準からすれば、かなり古いもので、これでは全く日本の航空機には歯がたちません。いざ本格的に戦争になった場合、すぐに撃ち落とされ、海の藻屑となることでしょう。

潜水艦にいたっては、日本の潜水艦は工作技術が優れていて、スクリュー音はほとんどしないので、中国のソナーでは検知できませんが、中国の潜水艦は、工作技術が日本に比較して数十年遅れているので、まるでドラム缶を「ドンドン」と叩きながら水中を進むようなもので、すぐに日本側に探知され、撃沈されてしまうことでしょう。

それに、対潜哨戒機に哨戒能力は、日本と中国とでは、天と地の差があります。日本は世界のトップクラスというより、実質上索敵能力では世界一です。これは、冷戦時代にソ連に対抗するために、訓練したことが大きく寄与しています。

こんな状況ですから、現状の中国の海軍は、日本と戦っても、すぐに負けてしまいます。おそらく、実際に戦争になったら、中国の艦船は、中国の港から一歩も出ることができなくなるでしょう。なぜなら、もし出れば、すぐに補足され、すぐに撃沈されてしまい、海の藻屑となってしまうからです。中国の艦船にとっては、港から出る事自体が自殺行為になるからです。

こんな事実を知ってか知らずか、軍事的素人の劉亜州が、ブログ冒頭の論文で日本と中国が軍事衝突すれば「中国は勝つ以外に選択肢はなく、退路はない」と強調したというのですから、全くお笑いぐさです。

これは、明らかな間違いでしょう。実体は、日本と中国が尖閣で軍事衝突すれば「中国は負ける以外に選択肢はなく、退路はない」というものでしょう。

いずれにしても、習近平は劉亜州を国内向けの広報に使っているのだと思います。まさか、本当に軍事理論をこの素人に頼っているということはないと思います。もし、そうだとしたら、愚かとしか言いようがありません。

先日も、アメリカは南シナ海に艦船を派遣するそうですが、日本も尖閣付近の領海内に、自衛隊の艦船を派遣すべきものと思います。

中国艦船があまり傍若無人な真似を繰り返すなら、きちんと国際ルールにのっとった上で何隻か撃沈すべきものと思います。領海内であれば、そんなことをすれば、中国は吠えまくりますが、他の国はそれを軍事行動ではなく当然の警察行動こととして、何も非難はしないでしょう。もし、非難したとすれば、自国が日本と同じような状況に至った場合、対抗する術がなくなります。

実は、習近平が一番恐れているのはこれです。安倍総理が、軍事力をもって尖閣付近から、中国の艦船や航空機を排除することです。

米国も南シナ海で、中国が不穏な動きをみせれば、国際ルールに沿った形で、攻撃を加えるなどのことをすべきです。そうなれば、習近平の面目は丸つぶれですし、それにせっかく日本を悪者にしたてても、中国国内の求心力を高めるということができなくなります。

そんな馬鹿なことなどとおっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際ロシアはそのような対応をしています。尖閣で中国の船が日本の海上保安庁の船が中国の漁船に体当たりされる前の年に、ロシアは中国の船を機関砲で銃撃しています。その結果数人の死者が出た模様ですが、日本国内では報道もされず、他の国からも一切非難されるようなことはありませんでした。無論、警告をするなどして、国際法にのっとった措置でした。

ロシアの振る舞いも傍若無人なところがありますが、こと対中国では、一切妥協しないということで一環しています。中国にはこのような対応が相応しいのだと思います。

無論、そのようなことで、中露が戦争になるとこともありませんでしたし、なるかもしれないと考えた人もいませんでした。尖閣周辺でも同じことです。きちんと国際ルールにのっとり撃沈すれば、何も問題になることはないし、ましてや戦争になることもありません。

日米も、最初からそのような態度で中国に接していれば、最近の中国の海洋での傍若無人な振る舞いはなかったものと思います。そもそも、中国の海洋進出など妄想に過ぎないと当の中国が悟っていたたことでしょう。彼らは、自ら現実を真摯にみつめるべきです。

もし、自らそれができないというのなら、日本がそれを彼らにつきつけなければなりません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年10月20日火曜日

【中国GDP発表】偽りのGDP異様に巨大化 乖離した“成長率”こそリスク―【私の論評】日本のリスクは中国の経済破綻よりも、増税リスクのほうがはるかに大きい(゚д゚)!


李克強指数ではかなりの下げが見られる中国経済

 中国政府は7~9月期の実質経済成長率を6・9%と発表した。経済教科書からすれば、この成長率水準は好景気そのものだが、経済実体を示す各種のデータはマイナス成長を指し示し、世界の専門家の大半が中国GDPを信用しない。米国に次ぐ経済規模を裏付けるはずの数値が偽装同然というのだ。

 実は、中国のGDP統計は党幹部ですら信用していなかった。李克強首相は遼寧省の党書記時代の2007年、米国の駐中国大使に向かって、「GDPは人為的操作が加えられるが、鉄道貨物輸送量は運賃収入を基にしているので、ごまかしがきかない」と打ち明けたことが、内部告発サイト「ウィキリークス」によって暴露されている。

 李氏は鉄道貨物のほか銀行融資、電力使用量も参考にしていると語ったことから、最近では英国のコンサルタント会社などがこれら3つの経済指標をもとに「李克強指数」を作成して、現実に近い成長率を推計している。

 グラフは鉄道貨物輸送量と輸入動向をGDP伸び率と対比した。12年後半以降、鉄道貨物と輸入はともに伸びが鈍化し続け、14年初めから急激に落ち込んでいる。

 中国GDPの伸び率は経済の実勢ではなく、党の政治意思で決まる。中国は毎年秋に党中央が翌年の経済成長率を決めて政府に提示し、その年の3月に開かれる全国人民代表大会が政府案を採択する。全国各地の党書記は目標値通りの成長率を党中央に報告する。達成できないと出世に関わるので、「人為的」な成長率が生まれやすい。

 もちろん、党中央は成長目標達成のプログラムを考える。手っ取り早いのはGDPの最大項目である固定資産投資で、08年9月のリーマン・ショック後は不動産開発投資に資金を集中投入させて2ケタ成長を実現したが、12年には不動産バブルが崩壊して、投資主導型成長モデルはついえた。投資がだめなら、個人消費を増やすしかない。そこで習近平政権は株価をつり上げ、株式ブームを演出したが、この6月に上海市場が暴落した。

 現実には需要が減退しているのに、国有企業などが党指令通り生産を増やすなら、過剰生産、過剰在庫が膨れ上がる。その多くは投棄され、燃やされる。大気や水の汚染、工場爆発と環境破壊が止まらないはずである。

 党中央が高い成長率を決め、需要を無視して投資、生産の増加を指令する。民間主導の市場経済とは似て非なる中国式経済が異様に巨大化する。世界の市場を混乱させ、地球環境問題を深刻化させている。経済実体から大きく乖離した虚偽の成長率が今や世界にとってのリスクなのだ。

【私の論評】日本のリスクは中国の経済破綻よりも、増税リスクのほうがはるかに大きい(゚д゚)!

李克強指数を元にすると、中国のGDPの真の値はどの程度であるのかを以下に掲載しておきます。残念ながら、最新のものは手に入らなかったのですが、2001年〜2013年の推計値は入手できましたので、以下に掲載します。


これは、当時精華大学准教授のパトリック・ショバネック氏の推計です。赤の線が李克強指数で、青の線がいわゆる「本当の」成長率です。

これをご覧いただけるとおわかりのように、2013年当時の成長率は2%ということです。この推計が正しいものとすれば、13年当時と比較すると、本年はかなり経済が落ち込んでいますから、おそらくはマイナス成長になっていると考えるのが妥当でしょう。

実際、そのようになっているということをブログ冒頭の記事は主張しているわけです。これは、本当に妥当なものと思います。中国政府が発表した、6.9%はファンタジーに過ぎないです。

さて、このような中国の経済の落ち込み具合が話題になると、すぐにでてくるのが、日本経済危機論です。

実際、中国の7~9月期国内総生産(GDP)の発表を10月19日(月)が近づい今月16日には、ロイター通信が、金融市場の一部では中国発の「ブラックマンデー(暗黒の月曜日)」が警戒されているとの報道をしていました。28年前の10月19日は、米株式市場が20%超も急落し、世界的な株価暴落を引き起こしたブラックマンデーのまさにその日でした。

米国の景気が落ち込めば、日本も落ち込みリーマン・ショックの再来となるかもしれないと心配する人も大勢います。

しかし、実際には、本日に至るもアメリカの株価がブラック・マンデーのように下落したなどという報道はなされていません。

しかし、私の見方はたとえ中国の景気がかなり落ち込んだととしても、全く日本に影響はないということはないにしても、"本来"はその影響は軽微だということです。

そもそも、日本におけるリーマン・ショックなどファンタジーです。それに関しては、このブログにも以前掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
景気減速に中国政府は焦りと弱音 日中関係改善へ共産党幹部の姿勢に変化―【私の論評】日銀がまともになった今中国がどうなっても、日本には影響は少ない!そんなことより、日本は一刻もはやくデフレからの脱却を急げ(゚д゚)!
景気刺激策は取らないと強調する李克強首相

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、リーマン・ショックに関する記述のみ以下にコピペさせていただきます。
しかし、多くの人は大きな見逃しをしています。本当は、当時の経済財政担当相がリーマンショックを「蜂がさした程度」と表現したことは正しかったかもしれません。ただ一つ、ある一つの条件さえ満たしていれば・・・・・・・・・・。 
その条件とは、日本銀行による金融政策です。リーマン・ショック後直接影響を大きく受けた国などの中央銀行は、景気を素早く回復させるため大金融緩和を行いました。しかし、日本銀行は、日本国内がデフレ・円高傾向にありしかも他国が大金融緩和を行ったにも関わらず、頑なに金融引締め政策を行いました。 
本来はリーマン・ショックなど日本にとっては「蜂の一刺し」に過ぎなかったものを日銀が金融緩和政策をしなかったために、さらなる超円高、さらなるデフレの深刻化を真似いてしまい、結果として戦後の日本で最大級の経済危機になりました。
日銀はリーマン・ショック後も金融緩和をしなかった クリックすると拡大
リーマン・ショックはアメリカやEUにとって、サブプライムローンなどのつけを支払うという形で直接的に経済に悪影響を及ぼしました。しかし、日本の場合はサブプライムローンに関しては、ほんど関係がなかったにもかかわらず、他国中央銀行が大金融緩和をしたにもかかわらず、日本銀行が何もしなかったため、超円高・デフレの深刻化を招いてしまったというわけです。だから、日本においては、リーマンショックなどという呼び方は正しくありません。「日銀ショック」とでも呼ぶべきだったでしょう。

このように、私はリーマン・ショックそれも、こと日本におけるそれに関しては、本来サブプライムローンの影響など日本にはほんどとなく、本来は悪影響はあまりなかったはでした。日本においては、そんなことよりも、他国が大規模な金融緩和を行う中、日銀が何もしなかったことが、その後の日本経済に甚大な悪影響をおよばしました。

だから、日本経済は、酷い低迷からなかなか抜け出せなかったのです。まさに、「日銀大ショック」とも呼ぶべき、日銀の怠慢により、リーマン・ショックからの立ち直りが世界でも最も遅く、サブプライムローンの震源地であるアメリカや、それを大量に運用したEUよりも、被害が大きくなってしまったのです。

あのリーマン・ショックは、"本来"は日銀がまともな金融政策さえ行っていれば、あそこまで酷いことになるはずのないものでした。

これは、今回の中国の不況に関しても同じようなことがいえます。そもそも、このブログでも何度か掲載したように、日本から中国向けの輸出は、GDPの2%程度に過ぎません。そもそも、日本はGDPに占める輸出の割合は、15%程度に過ぎません。日本を貿易大国であるとのファンタジーを抱く人がいますが、それは明らかに間違いで、日本は内需大国です。

さらに、中国投資もかなり少なく、最近では中国投資は先細りですし、日本企業は中国投資は控えるどころか引きあげに転じています。撤退する企業も多いです。この程度ならば、 中国の経済の破綻は、"本来"はさほど影響はないと言って差し支えないです。

しかしながら、もしも中国不況が本格化し、今後も続くとなると、それなりの影響は必ずあります。それを克服するために、日本以外の他の多くの国々が積極財政や、金融緩和を実行することになったとします。

それでも、日銀はそのまま追加金融緩和を実施せず、財務省が10%増税を強行すれば、これはもう完璧に第二のリーマン・ショックになる可能性が大です。この場合"本来"中国の経済停滞は日本にとっては軽微であるにもかかわらず、日本の金融政策や、財政政策のまずさで本家本元の中国の景気が回復しない限り、なかなか回復できないことになります。

しかし日銀が追加金融緩和に転じ、財務省が増税をしないか、それどころか減税をした場合は、日本はデフレから完全脱却して、中国の経済停滞の影響は軽微どころか、中国の経済とは無関係に日本の経済は大成長します。

アメリカは、リーマン・ショックのときには、震源地であったにもかかわらず、すぐに大胆な金融緩和を踏み切ったため、日本よりはるかにはやく、リーマン・ショックから立ち直りました。EUもサブ・ブライム・ローンの影響をもろに受けたのですが、それでも日本よりははるかに立ち直りがはやかったでした。

現在の日銀は、少なくとも当時のように金融引き締め的な金融政策はとっていませんから、もし中国の経済停滞で日本が甚大な影響を被ることになるとすれば、それはほとんどが10%増税による国内需要の落ち込みによるものになることでしょう。

中国の経済の停滞は、構造的なものですから、現体制が崩壊しないかぎり、継続します。そうなると、日本は長期間にわたりとんでもない不況に見舞われることになり、失われた20年どころか、失われた40年にもなりかねません。

これは、私自身が、当時はリーマン・ショックの本当の原因は日銀ショックであったことを見抜けなかったことの反省の上にたった分析です。これが理解できたのは、リーマン・ショックの二三年後のことでした。今になって思い返すと、真にお恥ずかしい限りです。

日本のマスコミ、官僚、識者の中には媚中派が多いですから、以上のような見解を述べる人は、ほとんどいません。今後、財務省の10%増税によって、日本の景気が大規模落ち込んだ場合、こういう愚かな人々は「それみたことか、中国様が風邪をひくと、日本は肺炎になるんだ。日本はダメなんだ。中国様次第なんだ。思い知ったか!」というファンタジーを、したり顔で語り始めることになります。

そんな光景が、妙にリアルに頭に思い浮かびます。

そんなことにならないためにも、10%増税は絶対に阻止すべきです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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いよいよ、中国経済の破綻は秒読み段階となりました。そうして、いよいよ中国自体の壊滅の序曲が始まりそうです。それを予感させる書籍三冊を以下に掲載させていただきました。

これから始まる中国の本当の悪夢: 習近平に迫る経済壊滅、政権分裂、国内大乱

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2015年10月19日月曜日

米艦艇、南シナ海へ派遣 フィリピンなど関係国に通達 中国は猛反発 ―【私の論評】米中双方の誤解が招いた結果だが、中国のほうがはるかにダメージが大きい(゚д゚)!


艦艇が派遣される南シナ海のスプラトリー
(中国名・南沙)諸島

オバマ米政権がついに腹を固めた。中国が南シナ海の岩礁を勝手に埋め立てて軍事基地化していることに対抗し、米海軍の艦艇を近く、中国が「領海」と主張する人工島の12カイリ(約22キロ)内に派遣する方針を、東南アジアの関係国に伝達していたのだ。中国は猛反発しており、南シナ海が緊迫化してきた。

米艦艇が派遣されるのは、南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島。共同通信が18日、複数の外交筋の話として配信した。具体的な派遣時期は不明。関係国には、フィリピンなどが含まれるとみられる。

派遣方針はすでに複数の米政府高官が示唆しているが、関係国に意向を伝えたことは、オバマ政権の強い決意を物語る。人工島を中国の領土と認めない米国の立場を行動で示し、海洋覇権を強める中国を牽制する狙いがある。

こうした動きに対し、中国は猛反発している。

習近平国家主席は英国訪問(19~23日)を前に、ロイター通信の取材を受け、「中国が行っている活動は、領土主権を守るための正当なものだ」と、一切妥協しない考えを表明。南シナ海の島々は「昔から中国の領土だ」と強調した。

中国共産党機関紙、人民日報系の「環球時報」は、さらに過激だ。15日の社説で、米艦艇が派遣された場合、「中国は海空軍の準備を整え、米軍の挑発の程度に応じて必ず報復する」「中国の核心的利益である地域に(米軍が)入った場合は、人民解放軍が必ず出撃する」と警告した。

「米中新冷戦」時代が指摘されるなか、この時期の米艦艇派遣の背景は何か? 中国はどう動くのか?

国際政治学者の藤井厳喜氏は「習氏の訪英はかなり前から決まっていた。英国は、習氏をバッキンガム宮殿に宿泊させるなど、経済的に中国に取り込まれつつある。もし、米艦艇が習氏の訪英に合わせて派遣されれば、単に中国へのけん制だけでなく、英国に対する『伝統的な米英関係を壊すつもりか』というメッセージもあるだろう。中国は強気の発言を続けているが、本音では米中衝突は避けたい。ただ、習氏不在時に、反習近平派が突発的衝突を演出する可能性もある。そうなれば一大事だ。習氏が急きょ帰国することもあり得る」と分析している。

【私の論評】米中双方の誤解が招いた結果だが、中国のほうがはるかにダメージが大きい(゚д゚)!

米国のスプラトリー諸島に米国が艦艇を派遣することは、前から決まっていました。それに関しては、このブログにも掲載しました。そのリンクを以下に掲載します。 
米海軍の艦艇、南シナ海の中国人工島に急派へ 英紙FT「大きな衝突に発展も」―【私の論評】衝突してもすぐ決着がつき中国軍の弱体ぶりが世界にむかって曝露されるだけ(゚д゚)!
米国が南シナ海に派遣するイージス艦
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では中国が、これには全く対抗できない旨を掲載しました。その部分のみ以下に抜粋します。 
イージス艦を数隻派遣すれば、中国は海洋進出の野望を諦めることになると思います。なぜなら、アメリカの最新鋭のイージス艦には、中国は何をもってしても全くかなわず、歯がたたないことを彼ら自身が知っているからです。 
そもそも、中国と米国の軍事技術には赤ん坊と、大学院生くらいの差異があます。中国の最新鋭の艦船でも、米国の数十年前の技術水準に過ぎません。最初から勝負にも何にもなりません。勝負をするというのなら、ある程度の水準になっていなければ、できません。 
しかし、中国の艦船の建造技術は、アメリカの数十年前の水準です。航空機も、アメリカが第五世代戦闘機を導入しつつあるというのに、中国の最新鋭戦闘機「殲20」は第三世代の技術水神のものです。その他、ミサイルやレーダーなどの技術もアメリカの数十年前の水準です。
 中国の最新鋭戦闘機「殲20」
中国が何らかの軍事行動を起こした場合、米国の思う壺です。ほとんど何もしないうちから、艦艇は即座に海の藻屑と消えます。航空機も、あっという間に撃ち落とされ、全く勝負にならないことでしょう。 
ブログ冒頭で、英紙FT「大きな衝突に発展も」と懸念を表明していますが、米軍と中国軍との軍事能力にはあまり開きが大きいため、中国はいくら頑張っても大きな衝突はできません。あっという間に、決着がつき中国軍の弱体ぶりが世界にむかって曝露されるだけです。 
そもそも、中国は最初から完膚なきまでに負けることがわかっている、戦いに挑むことはないでしょう。そんなことをすれば、弱い中国軍のイメージがついてしまい、他国に侮られそれこそ、中国の核心的利益に反することになります。何が何でも避けることでしょう。
私がこの記事を掲載したときには、英国のフィナンシャルタイムスの報道のみでしたので、実際にオバマ政権がそこまでするかどうかは、半信半疑でした。そもそも、オバマはいつも及び腰で、そんな決断などできるとは思えなかったからです。

これは、オバマの決断というよりは、アメリカ議会などの圧力によるものではないかと思います。オバマの任期は、1年以上もあります。その任期内に中国が増長して、やりたい放題をやられては、アメリカの利益に反するという考えがあったものと思います。

このような騒動になったのには、米中両国の誤算があります。中国の誤算としては、及び腰オバマは、中国が何をやっても、よもや軍事衝突の危険をおかして、艦艇など派遣するなどということはないだろうという判断をしたことです。

オバマが及び腰であっても、アメリカ議会はそうではありません。もう、限界点まで達していたものと思います。

習近平はかつて「太平洋は米中の両国が共生するのを受け入れるだけの広さがある」と言いましたが、その見方こそ中国の誤算です。これは、胡錦濤時代の末期に解放軍将校が、米国防長官に対し、米中はハワイを起点にして、太平洋の東側を米国が、西側を中国が分割して管理してはどうか、と述べたことと軌を一にしています。この途方もない、虚妄に習近平は取り憑かれてしまったようです。
 
中国が「新型の大国関係」という時、何よりも、それは米国が中国の「勢力範囲」を容認することを狙っていると見るべきです。例えば、まず第一に、東シナ海、南シナ海、さらには自らが規定する「第一列島線」内を自らの内海のように扱うことを意図しているに違いありません。しかし、そもそも、これが誤算です。

もともと、太平洋は、日米が死闘を繰り返し、米国がなんとか勝利したので、米国を主体とした秩序ができあがっていました。この秩序を中国が一方的に乱すのは、米国としては全く容認できるはずがありません。 

さらに重要なことは、中国が自称する「核心的利益」の対象である台湾、チベット、ウイグルについては米国がそれらを中国の内政問題として干渉しないことを意図しているものと思われます。この三者の中では、実質的に中国の統治下にない台湾の扱いは格段に重要です。 

外交能力が極端に低い及び腰のオバマ政権が過去の米中首脳会談で、「新型の大国間関係」論を全面的に拒否しなかったことは、米中関係に中国のスローガンを持ち込む余地を与え、大きな失敗でした。しかし、だからといって、中国が南シナ海や、東シナ海で傍若無人な振る舞いをしても、及び腰オバマでは、何もできないだろうと考えたのが、中国の大誤算です。

しかし、そのオバマが今年の一般教書演説で、「世界で最も繁栄しているアジアにおいて、中国にルールを決めさせてよいのか」と述べています。中国が力をもって新しい国際規範を構築しようとすればするほど、現状維持勢力として米国は強い態度で臨むべきであると、オバマですら考えるようになっていたのです。

この現実を見抜けなかった中国、今頃大慌てでしょう。これによって、習近平はさらなる窮地に立たされることになりました。

米国側の誤算としては、中国幻想がその最たるものです。中国がいずれ米国の経済を追い抜くかもしれないなどという、途方も無い幻想が支配し、米国内に多数の親中派・媚中派を生み出しました。

しかし、これは、中国の経済の構造を知ってしまえば、幻想に過ぎないことが理解できます。中国のこれまでの経済発展のほとんどは、国内のインフラ投資によるよるものでした。とにかく、国内外の巨額の資金を集め、それでインフラ投資をするということで、経済が発展してきました。

インフラがほとんど整備されていない国で、インフラを整備すれば、そのインフラを活用して、様々な経済活動がおこり、それで経済発展をすることが可能になります。

しかし、インフラ整備だけで国の経済が伸び続けることは不可能です。その次の段階では、個人消費が経済を牽引します。

しかし、このブログで何度か掲載してきましたが、中国のGDPに占める個人消費の割合は35%にすぎません。これでは、大規模なインフラ整備が一巡してしまえば、中国の経済は伸びるどころか、縮小することになります。

では、個人消費を伸ばせば良いということになりますが、そのためには、経済的な中間層を増やし、その中間層が活発な社会・経済活動をできるようにしなければなりません。

しかし、中国はそのようなことは全く不可能です。なぜなら、中間層を増やし、それらが活発に社会・経済活動ができるようにするためには、民主化、政治と経済の分離、法治国家が必要不可欠だからです。

しかし、現中国の共産党中央政府はそのような考えは全くありません。そもそも、中国には憲法がありますが、それは中国共産党の下に位置しています。そうです、今でも、中国は中国共産党一党独裁国家なのです。この体制が崩れない限り、中間層を増やし、それらに活発な社会・経済活動などさせることはできません。

であれば、現体制が崩壊しない限り、中国の経済は破滅するだけです。こんな中国の構造を知っていれば、中国がアメリカのGDPをいずれ越すなどという途方も無い妄想はでてくるはずもありません。

さて、オバマの評判はアメリカでは地に堕ちましたが、習近平の評判も中国内で地に堕ちることになります。なぜなら、今回の艦艇派遣により、中国がこれに対抗すれば、完膚なきまでに負かされて、習近平の評判は地に堕ちます、かといって、逃げても国内の評判が地に堕ちます。いずれにしても、習近平の評判は必ず地に堕ちるわけです。

習近平にとっては、思いもよらなかったこでしょぅ。この習近平の蹉跌は、中国内でとんでもない混乱を生み出すことになります。

そうして、この混乱は、中国の現体制の壊滅につながる可能性は十分にあります。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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