2016年1月26日火曜日

やはり正常ではない中国経済 GDPと輸入統計に食い違い ―【私の論評】政治的メッセージである中国の統計や戦争犠牲者数は、人民の感情に比例する?

やはり正常ではない中国経済 GDPと輸入統計に食い違い 

グラフ、動画、写真は、ブログ管理人挿入 以下同じ

中国は2015年の実質国内総生産(GDP)成長率が前年比6・9%になったと発表した。中国の統計で成長率が7%を割り込むのは25年ぶり。不動産投資などが伸び悩んだのが原因だと説明している。

資本主義国であれば、目標が7%で実績が6・9%なら何の問題もない。目標達成であり、この程度の差は統計誤差の範囲だといえる。

ただし、社会主義国では経済統計の「捏造(ねつぞう)」は日常茶飯事である。中国のほか、日本、香港、韓国、シンガポール、台湾における最近20年間の経済成長率を統計分析すると、中国の統計数字は突出して動きが少ない。

中国の統計の問題を指摘するのは、中国政府と何ら関わりのない独立系の人たちだ。どこの国の金融機関であっても、政府ににらまれると、中国国内での金融活動に支障が出るので、中国の経済統計が怪しいとはめったにいわない。

ただし、最近ではあまりの統計数字と実態の乖離(かいり)が激しくなっているので、統計問題は徐々に表面化しつつある。

中国の経済統計は実体経済の正しい姿と言うより、政治的なメッセージと受け止めるべきものだ。中国政府の意図は、対外的には「中国経済は良くないが心配しないでほしい」という願望、対内的には「7%成長は政治的な強い意志だ」との表明である。


中国の経済統計は、軍事パレードと同じような、政治的メッセージと同列とみるべき

GDP発表の1週間ほど前に発表された貿易統計は、外国との関係があるので、捏造しにくい。それによれば、15年の輸入は14・1%の減少である。輸入減の原因は資源価格の低下によるものと説明されているが、中国が発表した経済成長率が正しいなら、猛烈なデフレ経済になっていないとおかしい。

要するに、貿易統計が正しい場合、経済成長率が正しくないか、デフレ経済かということになってしまう。どちらにしても、中国経済は正常ではないというわけだ。

中国当局は、これまでの投資中心の成長から消費中心へソフトランディング(軟着陸)していくと説明しているが、経済成長論から見れば、まさに1人当たりGDPが1万ドル近辺で停滞する「中進国の壁」にぶち当たっている感じだ。

この壁を破るのはかなり難しく、政治体制も含めた構造改革のようなものが必要だろう。特に社会主義国が中進国の壁を破るのは並大抵ではない。目先を考えても、資本の自由化や国有企業改革が必要であるが、これらは中国の一党独裁主義の政治体制を揺るがすものだ。

最終的には、民主化して一党独裁を打ち破る政治的な自由が必要になるが、それがどこまでできるだろうか。最近の中国政府は逆に、人権活動に対する締め付けを強化している。

習近平指導部は体制維持に必死であるので、経済的自由につながる政治的な自由を許すような環境にはない。中国の株式市場は、社会主義の中での資本主義という「木に竹を接ぐ」ようなもので、そこにひずみが生じているようだ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】政治的メッセージである中国の統計や戦争犠牲者数は、人民の感情に比例する?

ブログ冒頭の、高橋洋一氏の記事には、中国の貿易統計が正しい場合、経済成長率が正しくないか、デフレ経済かということになってしまう。どちらにしても、中国経済は正常ではないと述べています。

まさに、その通りです、ブログ冒頭に掲げたグラフは、マネックス証券が作成したものです。輸出入の統計は、中国政府が出す統計などを参照しなくても、中国以外の各国の対中国輸出・輸入統計を調べてそれを合計すれば、おおよそ正しい数字が出ます。

このグラフをみると、高橋洋一氏が指摘したように、昨年はマイナスです。貿易収支は、プラスですが、それは輸出に比較すると輸入が相対的に減少しているので、プラスになっているだけです。

このグラフは、日本のマスコミの記者の方々も良く勉強されると良いと思います。何やら、日本の新聞の経済記事を読むと、貿易収支はプラスであることが無条件でその国の経済にとって良いことの良いような記事を良く見かけます。しかし、そうではないことをこのグラフは見事に示しています。

貿易収支が真っ赤であっても、その国の経済にとって悪いどころか、良いこともあります。たとえば、ある国がそれまで景気が良くなくてデフレだったのが、緩やかなインフレに転じて良くなった場合、一時的に輸入が突出して増えて、貿易収支が赤になることがあります。

だから、貿易収支黒=経済が良い、貿易収支赤=経済が悪いなどということは、断定できません。赤字、黒字などというのはそれだけでは、何を表しているわけでもありません。その背景を知ることにより、はじめてその意味するところがわかります。

それては、さておき、上のグラフと、中国GDP統計を比較すれば、確かに中国のGDPの統計には問題があります。

上の記事でも指摘している通り、"中国の経済統計は実体経済の正しい姿と言うより、政治的なメッセージと受け止めるべきもの"なのです。

これに関しては、経済統計ばかりではありません。中国の主張する歴史もそのように解釈すべきです。抗日70周年記念軍事パレードもそのような「政治的メッセージ」の一環であると受け止めるべきです。

抗日70周年軍事パレードに参加した女性兵士は平均年齢20歳、
平均身長1メートル78センチのモデル並みのスタイルだった
中国の「政治的メッセージ」は、官僚(中国には選挙がないので政治家は存在しません、政治に関与するのはすべて官僚です)だけに及ばず、学者も発信します。

「諸君!」(2006年)2月号の大特集『もし中国にああ言われたらこう言い返せ』の中の櫻井よしこさんの論文に、「中国社会科学院」の研究所員であ学者が登場しますが、これがおよそ学者とは思えないとんでもない「政治的メッセージ」を発信しています。

戦後60年(ブログ管理人注:この記事の内容は戦後60年のものだった)の間に中国政府が日中戦争の犠牲者の数字をどんどん水増ししてきたことについて、櫻井さんと中国社会科学院の研究所員とのやりとりの箇所から引用します。

 中国人による“数字”について、私は2005年夏、興味深い体験をした。 
 「文藝春秋」の企画で杏林大学客員教授の田久保忠衛氏と共に北京を訪れ、中国を代表する学者2名と共に日中歴史問題について論じたときのことだ。 
 中国側の学者両氏は、歴史問題では日本が悪いとの主張を、表現を変えて繰り返した。 
 私は彼らに、320万人から570万人、2168万人、さらに3500万人へと被害者数が増加した根拠について問うた。 
 さらに、たった一種類しかない中国の国定教科書で、日中戦争の犠牲者は1960年までは1000万人と教えられ、85年には2100万人と改訂され、95年には3500万人と、なんの説明もなく増えていったのはなぜかとも問うた。 
 彼らは当初、右の問いには全く答えようとせず、話題を他の点に移そうとした。 
 しかし、中国流の事実の歪曲を知るにはどうしても答えてもらわなければならない。 
 三度目に問い質したとき、中国社会科学院研究所研究員の歩平氏が次のように答えたのだ。 
 「戦争の犠牲者についてですが、歴史の事実というのは孤立して存在するのではなく、それは感情というものに直接関係してくるということを申し上げたいと思います」 
 馬脚を露すとはまさにこうしたことだ。 
 日中戦争の犠牲者の数の理不尽な増加が国民感情に直結していると言うのであれば、その数は日本への恨みと憎しみの感情表現に他ならず、歴史事実とはなんの関係もない。 
 しかもその恨みと憎しみを愛国主義教育によって植えつけ、増幅させるのが中国の国策である限り、反日感情も、犠牲者数も、その主な部分は中国政府自らが創作したものだと言われても弁明できないだろう。 
 右のくだりで歩平氏はこうも述べた。 
「たとえば南京大虐殺の30万人という数字について、当然、根拠はありますが、これはたんに一人ひとりの犠牲者を足していった結果の数字ではありません。被害者の気持ちを考慮する必要もあります」 
 中国を代表する立場で、社会科学院の学者が、事実上、南京事件の犠牲者、30万人という数も、事実ではないと言っているのだ。 
 中国国民の感情の反映であれば、この数字もいつの日か、日中戦争全体の犠牲者の数が根拠もなく増加したのと同じく、増えていく可能性はゼロではないだろう。
要するに、一言で言ってしまえば、「中国の大東亜戦争時の犠牲者数は、人民の感情に比例する」ということであり、 これは政治的メッセージであるということです。

中国政府による発表は、このように多くの場合、真実や歴史とは関係なく、「政治的メッセージ」と受け取るべきなのです。

南京虐殺記念館に掲げられた政治的メッセージ「犠牲者数30万人」

そうして、この「政治的メッセージ」は、対外的だけではなく、中国国内でも広く流布されています。

たとえば、中国の首相である李克強が、かつて「中国の統計はあてにならない」と自ら述べています。中国の幹部ですら、中国のGDPの本当の値を知らないようです。

このような状況で、彼らは中国経済をコントロールしなければならないのです。これをたとえると、まるで夜中のハイウェイを車のライトもつけず、スピードメーターなしで走っているようなものです。いつどこで、事故が起こるかわかったものではありません。

歴史に関しても、南京虐殺は本来ファンタジーに過ぎないのですが、中国では30万人も虐殺されたとて歴史教科書などに掲載し、それで多くの人民が教育を受けます。それで、多くの人民が怒りを覚えて、反日デモなども政府演出による官製デモ以外の人民による自発的なデモを繰り広げました。

しかし、最近ではそれも下火になっています。なぜなら、反日デモをそのまま放置しておくと、いつの間にか反政府デモにすりかわってしまうので、最近では中国政府が反日デモを規制しているという有様だからです。

経済でも、歴史でも、真実を公表しないで、いつも「政治的メッセージ」を発信するという繰り返しを行っていれば、経済も破綻し、歴史観も破綻し、いずれとんでないことになるのは明らかです。

何よりも、政府は真実を知ろうとする人民を愚弄しているということになります。政府の力量不足で、経済があまりパッとしなくても、人は何とか生活できれば、たとえ貧乏であっても、それには耐えます。しかし、どんなに豊かであろうが、なかろうが、「政治的メッセージ」などの真摯さの欠如には耐えられません。

中国では、建国以来選挙はありません。だから中国には、私達が想定するような政治家など存在しません。存在するのは、官僚だけです。しかし、そんな中国でも、リーダーは選出されます。そうして、その中国のリーダーたちが、真摯であるかどうかは人民は、1〜2年でわかります。リーダーたちの、無知や無能、態度の悪さや頼りなさには、人民も寛大たりえます。しかし、真摯さの欠如は許しません。決して許しません。人民はそのような者をに選ぶことを許しません。

中国が発信するメッセージはほぼ「政治的メッセージ」とみなすべき、そこに人民の声はない
今のところ、人民が反発しても、中国のリーダーたちは人民を弾圧して、仮初(かりそめ)の平穏を演出しています。そうして、国内外に自分たちの「政治的メッセージ」を発信して、何とか中国共産党の正当性を保持しています。

「政治的メッセージ」とは、自分たちの正当性をアビールするために発信するものです。正当性がはっきりしていれば、このようなメッセージを発信する必要などありません。

日本でも無論「政治的メッセージ」が皆無とはいいません。しかし、もともと選挙という民主的手段で選ばれる日本の政治家は、中国のリーダーたちのように、「政治的メッセージ」をあまり必要とはしません。

とはいいながら、日本でも政治家ではない財務省の官僚による「政治的メッセージ」が新聞などでよく見られます。先に示した、貿易収支の意味をあまり理解しないようなマクロ経済に疎い経済記者が、財務省の「政治メッセージ」である観測記事など、あまり吟味もしないままそのまま掲載したりしています。

そうして、政治家や政党も、「政治的メッセージ」を発信することもあります。しかし、中国と比較すれば、日本などの先進国では「政治的メッセージ」はかなり少ないほうです。これは、政治的メッセージの有無というよりも程度問題であると思います。

私達も、中国のメッセージは多分に「政治的メッセージ」が含まれていることを理解すべきです。そうして、中国の「政治的メッセージ」とはあたかも中国人民の感情を表すように装いながら、中国政府の正当性を主張するものです。それを理解せずに、中国と接すれば、真の中国が理解できなくなります。

しかし、このようなことは長続きするはずがありません。いずれ、中国の現体制は崩壊するものとみなすべきです。なぜなら、「政治的メッセージ」を頻発しなければ、成り立たない政府とはかなり脆弱だからです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2016年1月25日月曜日

「日本以外なら中国の勝利意味する」豪潜水艦共同開発で米政府―【私の論評】世界の海から原潜が消える日も?中国が最も恐れる怪物 改「そうりゅう」(゚д゚)!


日本の「そうりゅう型」潜水艦
25日付のオーストラリアン紙は、日独仏が争うオーストラリアの次期潜水艦の共同開発相手選定で日本が選ばれなければ、日本案に反対する中国が外交的に勝利することを意味するとの米政府筋の見解を報じた。

ターンブル首相は1月中旬に訪米した際、潜水艦選定についても協議したとされる。米政府は公式には中立の立場を強調しているが、事務レベルではこうした懸念をオーストラリア側に伝えているとみられる。

米政府筋は、海上自衛隊の「そうりゅう型」ベース案を支持する理由を(1)海洋進出する中国への対抗上、最も性能が高い(2)最も相互運用性がある(3)日米豪の戦略的協力が加速される(4)日本の敗北は中国の外交、戦略的勝利を意味する-とした。

【私の論評】世界の海から原潜が消える日も?中国が最も恐れる怪物 改「そうりゅう」(゚д゚)!

上の記事を読まれても、なぜ米政府がこのような見解を発表するのか、理解できない人も多いのではないかと思います。なぜ、わざわざ、米政府がまるで日本のセールスマンでもあるかのようなことをするのでしょうか?

このようなことは、今回に限りません。随分前から、米専門家はそのような声明を出していました。そうして、今月22日も、米保守系外交誌ナショナル・インタレスト(電子版)に、アボット前豪首相の外交アドバイザーだったアンドリュー・シアラー氏と、米戦略国際問題研究所のマイケル・グリーン上級副所長が寄稿していました。

その内容は、「米政府は(公式には)いずれの国にも肩入れしていないが、そうりゅう型は卓越した性能を持ち、米国製の戦闘システムを搭載して日米豪で相互運用すれば長期の戦略的利益になることに疑いはないと、米政府高官や米軍幹部はみている」との内容でした。

では、そうりゅう型潜水艦の卓越した能力とはどのようなものなのでしょうか。今日はこれについて掲載します。

日本の海上自衛隊は、今年3月には、7番艦「じんりゅう」が就役予定で、2020年までに11隻を保有する計画です。
従来はシュノーケルで空気を取り入れ、ジーゼルエンジンを稼働させ
電気を発電し、それを蓄電池に蓄え、水中ではそれを推力にもちいた
そうりゅう型潜水艦の最大の特徴は、これまで海上自衛隊が配備してきた潜水艦と異なる動力を搭載したことです。それは、AIP(Air-Independent Propulsion)、非大気依存型推進です。

これまではディーゼルエンジンを動力としていたため、大気中の酸素を取り込み、二酸化炭素を排出する必要がありました。

そのためには、時々、海面近くまで浮上しなければなりませんでした。潜水艦は潜っていてこそ真価を発揮します。定期的に浮上をすれば、敵に見つかる可能性が高くなります。

一方、「そうりゅう」型はスターリングエンジンを動力としました。これは気体を温めて膨張させてピストンを持ち上げ、海水で気体を冷やして収縮しピストンを下げます。この繰り返しでエンジンを動かします。これにより、燃費もかなり良く、吸排気を必要としないため、長期間にわたる潜航が可能になりました。

09年に1番艦「そうりゅう」が就役した時点では、このエンジンは、原子力潜水艦に次いで長く海中に潜っていられため、最も無駄のない優れたエンジンとも言われていました。

現在の「そうりゅう」型潜水艦の、大型電動機には電源が三種類あります。ディーゼルエンジン、主蓄電池、AIPエンジンです。ディーゼルエンジン運転には大気が必要なので浮上中またはシュノーケルで蓄電池に急速充電します。

AIPエンジンは少量のディーゼル燃料と液体酸素を使用し長時間低速の潜航移動が可能です。その間に蓄電池は完全充電されます。蓄電池は超静粛移動や高速水中機動に使うが急速に消耗してしまいます。

以下に現行の、「そうりゅう」型潜水艦の模式図などを掲載します。

AIPを搭載した「そうりゅう」型潜水艦
スターリングエンジンを4基装備している。
■潜水艦「そうりゅう」型
全長 84メートル
全幅 9.1メートル
排水量 4200トン
最大速度 13ノット(水上) 20ノット(水中)
乗員 65人
武装 魚雷発射管×6

しかし、現行のままでは、エンジンを動かすことに変わりなく、日本の工作技術が優れているため、現行のものでも、エンジンの音はかなり低くく、おそらく世界で最も静かな潜水艦ですが、それでもどうしてもその音が出ます。そこで、それをなくすために、リチウムイオン電池を搭載し、電気で動かす仕組みに行きつきました。

簡単に言えば、自宅で携帯電話を充電するように入港中に充電します。外では本体内の電池で動作し、帰ってきて再び充電、といった具合です。電池の持ちは良く、数週間の活動が可能だそうです。

新型の「そうりゅう」型潜水艦には、鉛蓄電池とAIPを設置している空間に大型のリチウムイオン電池を積むことで、これまで最大2週間程度だった潜航期間が「格段に伸びる」(防衛省関係者)といいます。リチュウムイオン電池は鉛電池に比べ蓄電量が2.5倍あり、高速航行に適しています。

AIP艦の艦長は、作戦行動の今後の展開と、AIP、蓄電池それぞれの使用場面を想定し、場面に応じて動力を選定しなければなりません。しかし、これがリチウム電池だけの艦になれば、高速・低速を必要に応じて使い分け、電池の残量のみを考慮すれば良くなります。運用者にとってどちらが使いやすいか、言うまでもないことです。

建造費や維持管理費を含めて、15年間使用した場合のライフサイクルコストは、現行の1000億円よりも安くなる見込みだそうです。

防衛省は、国産のリチウムイオン電池が、短時間で大容量の電力を蓄えられるようになったことから、2015年度予算で要求する潜水艦から、リチウムイオン電池を導入し、AIPシステムを廃止することを決めました。リチュウムイオン電池は、20年以降に誕生する改「そうりゅう」型で採用されます。

ちなみに、リチュウムイオン電池の技術は日本の独壇場で、iPhoneや他のスマートフォンに使用されている、リチュウムイオン電池はほとんどが日本製です。リチウムイオン電池は性能的にはメモリー効果もなく最適ですが、可燃性の電解液を用いているので過充電時に電池の温度が上昇すると発火する可能性があります。特に電池が大型化すると冷却が難しい為、安全性の問題があります。

そのため、海外では潜水艦用の大型のリチュウム電池を製造することはほぼ不可能で、は今のところ日本しか製造できません。

「そうりゅう」型潜水艦 「うんりゅう」
上の記述は、ほとんどがこの「そうりゅう」型潜水艦の技術的に側面について述べました、以下に簡単に軍事的な意味を掲載しておきます。

日本はもともと、技術水準が高いため、潜水艦の推進装置もあまり音は出ませんでした、しかしスターリングエンジンを搭載してから、格段に音が静かになり、そのため、ソナーなどで敵から発見されにくいという利点がありました。

現行の「そうりゅう」型潜水艦ですら、さらにかなり音が小さいのと、潜行時間が長いので、かなり隠密行動がとりやすいという利点がありました。敵に気づかれず、索敵行動や、攻撃ができます。これに比較すると、アメリカの最新鋭の原潜ですら、推進音が大きく、「ゴー、ゴー」という推進音がします。これだと、現在の技術水準の高いソナーでは、発見されやすいです。

中国の最新鋭の原潜の場合は、もともと工作技術がお粗末なので、水中で進むときには、まるでドラム缶をガンガン叩いているような音を出しながら推進するということになり、すぐに敵に発見されてしまいます。

敵側からすると、「そうりゅう」型ですら脅威なのに、リチュウムイオン電池を用いた改「そうりゆう」型は、無音と言って良いくらい音が静かなので、何をもってしても発見することができず、攻撃を受けるときには、前もって準備などできません。

全く察知できないところから、いきなり魚雷などで攻撃されるという状況になります。これを防ぐ手段はありません。海で、これほど強力な武器はありません。さらに、このブログでも以前掲載したように、日本の対潜哨戒能力は、世界トップ水準ですから、現行の「そうりゅう」型潜水艦と束になって挑まれたら、中国海軍は全く歯が立たないことでしょう。

もし、戦争になれば、中国海軍は、空母も戦艦もあっという間に海の藻屑になって消えます。はっきりいえば、自殺行為です。だからこそ、中国は尖閣付近でも、本格的に駆逐艦や空母を派遣できず、せいぜい機関砲付きの艦船をおっかなびっくり派遣する程度のことしかできないのだと思います。

現在、中国を含めて、いくつかの国が原潜を運用していますが、ご存知のように原潜は、原子力を推進力に用いています。しかし、これは言うまでもなく、非常に危険です。放射能汚染の危険といつも隣り合わせです。

日本以外の国には改「そうりゅう」型のような潜水艦を建造する技術はありませんが、数十年後には、原潜は姿を消し改「そうりゅう」型のような潜水艦が主流になるかもしれません。



この改「そうりゅう」型を買いたいと手を挙げた国が、事実上の「準同盟国」とされるオーストラリアです。次期潜水艦として改「そうりゅう」型は、要求性能はすべて満たしており、交渉はうまく進んでいました。

日本は武器の輸出を進めるため、防衛装備庁という新たな役所も立ち上げ、武器輸出三原則を緩和した防衛装備移転三原則へ改定しまた。自衛隊初の武器輸出のため、賛成派も反対派も大騒ぎしましたが、土壇場で“買い手”から待ったがかかりました。

日本ですべてのパーツを製造し、オーストラリアで組み立てる「ノックダウン生産」が不満のようです。国内生産の比率を70%にしたいそうです。

そこで、フランスが提案する「バラクーダ」型潜水艦が採用される可能性が出てきました。これは、原子力潜水艦がベースで、ディーゼルエンジンに乗せ換えるそうで若干無理のあるプランですが、「ライセンス生産」で国内生産の比率は100%になります。これが、かなりオーストラリアの心を揺さぶっているようです。

しかし、これにすると、技術的にはかなり劣り、ディーゼルエンジンを搭載するというのですから、現行の「そうりゅう」型よりもさらに、性能は落ちます。

結論は、来年3月に出る予定です。私自身は、オーストラリアは改「そうりゅう」型にすべきものと思います。

中国側は、モンスターである改「そうりゅう」型など、導入されてはオーストラリア海軍にも全く歯がたたなくなることは、わかりきっているので、絶対に導入されたくないと考えているに違いありません。

だからこそ、ブログ冒頭の記事で、米政府筋は、改「そうりゅう」型が選ばれなければ、日本案に反対する中国が外交的に勝利することを意味するとしているのです。

オーストラリアは、数年前までは、対輸出先として、中国への依存がかなり高い国でした、いまでも親中派の勢力は強いです。

オーストラリアが「そうりゅう」を選ばないということになれば、日米もアジアにおける安全保証の問題を見直す必要があります。

私は、そう思います。みなさんは、どう思われますか?

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2016年1月24日日曜日

ダボス会議の甘利氏、疑惑釈明に追われる―【私の論評】甘利大臣疑惑の新事実!一番得するのは、甘利大臣ではない(゚д゚)!




甘利経済再生担当相が、スイスで世界の政治経済のリーダーが集まる「ダボス会議」に出席したが、自らの金銭授受を巡る疑惑について釈明に追われた。

セッションの場でアベノミクスの成果を強調した甘利大臣だったが、司会者から金銭授受を巡る疑惑について質問を受けた。

司会者「大臣に関するネガティブな報道にどう答えますか?」

甘利大臣「私自身、もう少し明るい気持ちでここに来たかったんですけど、カメラに囲まれるのは、別の意味で囲まれているわけです。ここは私に関するスキャンダルを発信する場ではありませんので」

甘利大臣は、「安倍総理大臣に迷惑をかけているのは本当に忸怩(じくじ)たる思いだ」と述べた上で、今週中に調査結果を公表する考えを示した。

【私の論評】甘利大臣疑惑の新事実!一番得するのは、甘利大臣ではない(゚д゚)!

甘利氏の疑惑については、各メディアが報道しているので、ここでは詳細は報道しませんが、それにしても、私は、週刊文春の報道には何やら消化不良を感じていました。何がし消化不良の要因なのか、わかりやすく紹介している記事がありましたので、その記事を下に引用させていただきます。
『週刊文春』甘利大臣賄賂1200万円、スクープに二つの疑問 
この記事を書いた花田氏
ベッキー不倫事件についで、またまた『週刊文春』が大スクープだ。「実名告発 『甘利明大臣事務所に賄賂1200万円を渡した』」。政界大激震、安倍政権にも大きなダメージ。 
新谷学編集長が三ヶ月の"休養"を終えて復帰して、たて続けのこのスクープ。改めて雑誌における編集長の力を思い知らされた。 
しかしこのスクープ、ちょっと気になる点がないでもない。 
一つは告発した総務担当という一色武なる人物は実名を出しているが、会社名が匿名ということ。それと秘書とのやりとりを録音したり、毎回記録を残し、渡した現金のコピーを取るなどあまりに用意周到なこと。普通、ここまでやらないだろう。一色武なる人物の経歴が知りたい。もしかしたら、警察関係か。(企業の総務には警察関係者の天下りが多い)。 
もう一つは、別件、外国人のビザ申請で清島健一公設第一秘書秘書に20万円渡した時、『週刊文春』の記者を同行させて、写真を撮らせていること。勘ぐれば、そのシーンを撮らせるために、わざわざ金を渡したのではと勘ぐることもできる。 
その辺りをライバルの『週刊新潮』が徹底取材してくれたら面白いのだが。
花田紀凱

『WiLL』編集長、元『週刊文春』編集長

確かに、一点目の疑問点会社名が匿名というのは疑問です。さらに、二点目、金銭授受の現場を『週刊文春』の記者が写真に撮影しているという点も不可解です。だから、文春の記事を読んでいても、なんとなく消化不良を感じたのだと思います。

それにしても、この匿名の会社名、中国や韓国のメデイアなどは報道しています。それによると、この会社名は、薩摩興業だそうです。以下にその会社の正式名称や、住所、電話番号等を掲載します。

薩摩興業株式会社 
1973年9月設立
会社の写真 Google Mapより
分類:建築・建設業 
資本金:1000万円 従業員5名代表者:寺床博好
業種:型枠大工
住所: 〒270-1415 千葉県白井市清戸272 
電話:047-492-3311
Google Map:
https://www.google.co.jp/maps/@35.7955269,140.0852707,3a,75y,201.78h,87.34t/data=!3m6!1e1!3m4!1sTVOGnIylJF9D_jNJrIjR_A!2e0!7i13312!8i6656 
さて、『週刊文春』の記事を読んでいない方は、良く理解しないまま、各報道をご覧になられていると思うので、以下にその流れを簡単にまとめておきます。

独立行政法人都市再生機構としさいせいきこう英語Urban Renaissance AgencyUR薩摩興業とがトラブった
→甘利事務所に相談に行った
→URとのトラブルに対して内容証明を送るようにアドバイスを受けた
→URとの交渉が前進してURから2億2千万の補償金をゲット
→お礼に500万円を甘利の事務所に持っていった
→さらに別件でURと巨額の補償交渉が発生 ←文春の記事にはURから補償が支払われたかは記載なし
→甘利事務所に相談に行って50万手渡した
これを事実だとして、以上の流れからすると、甘利事務所側は、内容証明を送るようにアドバイスしただけで、これだと斡旋収賄や斡旋利得の事案には問えないと考えられます。真相は、文春の次の記事と、甘利氏の説明の内容次第であると言えそうです。

ここで告発者の一色武について取り上げておきます。実名とありますが、通名の可能性も否定は出来ませんし、詳細は調査が必要かもしれません。

確かに一色武氏が甘利事務所との関わりがあるのは事実で、寄付した事実があることについては、政治資金収支報告書に記載があります。

http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/151127/1134200117.pdf

クリックすると拡大します。

甘利大臣を告発した薩摩興業株式会社からも甘利事務所側が寄付は受けていることも政治資金収支報告書に記載があります。

http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/9400/H271126/0104jiyuuminsyutou/105_4834.pdf
クリックすると拡大します

一色武からは適当に探っても情報がないので、寺床博好から探ってみました。千葉・中小企業家同友会のHPから、北総支部の副支部長に寺床博好の名前が出てきます。

この記事を以下にそのまま引用します。


"
北総支部第4回定時総会
「地域の無いモノ探し」から始まる街づくり
 4月21日にホテルマークワンンCNT(印西市)にて、北総支部総会が29名の参加者で開催されました。来賓として印西市長の板倉正直氏と京葉銀行印西牧の原支店長の五十川淳一氏が参加されました。
 第1部の総会では、新支部長に古川氏が就任されました。活動方針の中でスローガン「中小企業の元気が地域の元気、同友会型企業づくりを通じてまちづくりの主役となり笑顔あふれる地域経済の実現をリードしよう!」が発表されました。
第2部では、記念企画「足元の宝“再発見”!~中小企業の活路・仕事づくりは地域にあり」と題して、パネルディスカッションが行われました。千葉同友会政策委員長の細矢孝氏、地元印西より栄産業㈱の海老原勝治氏と月刊千葉ニュータウンの武藤弘氏がパネリストとして登壇しました。ディスカッションを通して、人々の生活やコミュニティなどで不足している部分を見つけ、それを企業の事業をとおして解決していくことで、自社の仕事づくりの可能性が広がっていくことを確認しました。
〈支部三役〉 
支部長  古川茂行(東日本オート㈱)
副支部長 寺床博好(薩摩興業㈱)(注:赤字にしたのはブログ管理人)
副支部長 大久保旬(丸代塗料㈲)
幹事長  橋本哲夫(㈱桜設計)
"

さらに、千葉・中小企業家同友会を探ってみると、以下のようなものが見つかりました。

千葉・中小企業家同友会と共産党懇談
http://jcp-chiba.web5.jp/nissi1207/dekigoto1401/dekigoto140403.html

以下にこの記事をそのまま引用します。

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地域経済循環どう構築

千葉・中小企業家同友会と共産党懇談

しんぶん赤旗 2014.4.2
日本共産党千葉県委員会と県中小企業家同友会との懇談の様子

日本共産党千葉県委員会はこのほど、千葉市内で千葉県中小企業家同友会と懇談しました。同会からは細矢孝政策委員長や川西洋史事務局長らが、党からは浮揚幸裕県委員長や小松実県議団長らが出席。同会が国・県に提出した政策要望にそって、中小企業の現状や課題について率直に意見を交換しました。

細矢氏は、「政策要望は中小企業の経営を守るとともに、地域の経済発展にどう寄与するかという視点でまとめました」と報告。小松県議団長は、「ほとんどが党の政策と一致しています。とりわけ、地域内の経済循環をどうつくるか、大いに協力しましょう」と述べました。

懇談では、まきストーブなどの再生可能エネルギーの活用や農業資源を生かした取り組みなど、企業も行政も多彩に挑戦をはじめていることが交流されました。また、「小さな企業では、補助制度があっても使いづらい」などの要求も出されました。

中小企業は納税や雇用で大きな貢献をする存在であり、「100億円り上げる大企業1社より、1億円売り上げる小規模企業100社の方が、地域の役に立ちます」と意気投合しました。
"
この懇談会に関しては、「千葉県中小企業家同友会」から、日本共産党元千葉県議会議員の小松実氏に申し入れをしたことで実現したようです。それについて、小松氏自身のブログ"小松実のひとりごと"にその記載がありました。無論、これをもって、共産党が絡んでいるなどとは断定できるわけもありませんが、何やらきな臭さを感じるのは、私だけでしょうか?

こんなことを書くと、共産党だけが千葉県中小企業家同友会に関係していると思われるかもしれませんが、千葉県民主党の活動報告をみると、民主党 千葉県総支部連合会のサイトをみると、民主党も関与しています。


これも、関係する部分を以下に掲載します。

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 第7回講座は今日的課題である、「千葉県経済の現状と課題」をテーマに、額賀信・ちばぎん総合研究所取締役社長と、水野俊夫・千葉県中小企業家同友会政策委員長(野水鋼業株式会社代表取締役)のお二人から講義を受けました。




 額賀講師は、冒頭、「活性化が」叫ばれているが、「なぜ活性化なのか」として、経済においては、「雇用(仕事)と所得(お金)が持続的に維持されること」であり、高度成長時代の「公共投資と企業誘致」ではやっていけない時代になっていることを強調しました。
そして、額賀講師は、「人口減少」傾向が拡大していく現状の中で、「働く人が減り」「お客が減る」―「人手不足、消費者不足」が起きており、中でも「消費者不足」は深刻な問題であることを繰り返し強調しました。
さらに、「人口減少」はさらに続くと述べるとともに、「人の来る地域としての観光」について、先進国ほど雇用と所得をもたらす「観光」の牽引力が高く、観光が最大の産業になっていると訴えました。
また、千葉県の観光について、全国的みても善戦しているとして、夏休みと冬休みに観光客が多く、宿泊も1泊から2泊が多く、現状は「日帰り観光日本一」の「観光大県」だとして、今後は「夏冬関係なく」人が訪れるようにすることが課題だと指摘しました。
最後に、人の来る地域にするためにはかっての「鉄は国家なりから、観光は地域なり」を合言葉に、行政は、作文から行動へー「視察をやめて商売(行動)をしてほしい」と、述べるとともに、千葉市の「世界最大の貝塚」加曾利貝塚に見られるように、縄文時代から「自然と共生をしてきた千葉県」の特色を最大限に生かし「自然と人にやさしい千葉県」をもっともっとアピールしてほしいと訴えました。



 野水講師は冒頭、「中小企業の経営の安定と経営環境の改善」を願って中小企業家同友会が生まれ、全国47支部(41077会員)、県内15支部(1067会員)で、「本音で語り合い、学びあい、助け合う場」として活動をしていることを報告したあと、
「中小企業を取り巻く環境」は予断を許さない状況が続いていることを強調しました。
とりわけ、少子高齢化の進む中、一層のグローバル化の加速、さらなる情報化(IT化)の流れなど、大きな構造転換が進む中での的確な舵取りが迫られていることが強く訴えられました。
また、県内企業の99%を中小企業が占め、民間企業に働く人の80%の雇用を守っている現状の中で、千葉県が全国に先立って昨年3月「千葉県中小企業の振興に関する条例」を制定したことなど、「中小企業の役割重視」の動きも出てきていると述べるとともに、現在、国に対して一日も早い「中小企業憲章の制定」を働きかけていることを強調しました。
最後に、中小企業が①千葉県の経済発展の基盤②多様な雇用の場の提供③地域住民の生活を支え、町づくりを担うーという役割をはたしている事を強調しながら、「創業及び再生支援」「情報技術の利活用の促進」「資金調達の円滑化」「人材確保、人材育成」―など、12項目の「中小企業の活性化に向けたとりくみ」が進められていることを報告し、「中小企業は地域に根を張った植物」であると訴えました。
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民主・共産両党とも、千葉県中小企業家同友会に関係があり、これには北総支部副支部長 寺床博好(薩摩興業㈱)も関わっているということです。なにやら、本当にきな臭さを感じてしまいます。上の写真だと、共産党のステッーカーがべたべた貼ってあることから、民主党 千葉県総支部連合会内の会議室で、中小企業家同友会のセミナーを実施したということです。

薩摩興業は、資本金1千万円で従業員5名にもかかわらず、1200万円もの大金を賄賂として使えるというのも違和感を感じますし、千葉の会社なのに神奈川の甘利事務所に陳情するというのも不自然です。新札の紙幣番号をコピーして、50時間以上録音をして、証拠を用意するというのが用意周到すぎます。背後に何らかの個人か、組織がいて、それらが協力しているとみるのが自然でしょう。

甘利事務所の脇が甘いのかもしれませんが、寄付した個人や、会社などすべてを調べるのは困難ですし、政治資金問題のための献金といった性質もあるわけで、個人献金でも通名献金ということもあり得るわけで、これらを全て水際で防ぐのは無理筋というものです。

現在の政治資金規制法はザル法で、これを是正するためにも特に悪意のある献金の類については、献金した側もかなり厳しく罰する制度にしたほうが良いかもしれません。

こういった経緯もありますので、甘利大臣の疑惑の件については、斡旋収賄や斡旋利得の事案として立件しようにも、困難であることが予想されます。おそらく、政治資金収支報告書の未記載の部分ついての追及になると思われます。

さらに、失踪した甘利氏の公設第1秘書の清島健一氏(39)についても掲載しておきます。

清島氏は神奈川・逗子市出身。国士舘大学を卒業後、02年から江田憲司衆院議員(現・維新の党)の事務所で働き始めました。03年に江田が落選すると、05年ごろに甘利事務所に移り、11年に公設第1秘書となり、今や地元事務所の「所長」を名乗っています。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/173920/2

江田との過去の繋がりも、きな臭さを感じさせます。それにしても、清島氏は家族ごと失踪しています。常識的に、清島氏に非がないとするなら、甘利氏と共同で、調査にあたるのが筋というものです。甘利氏はやはり、飼い犬に手を噛まれたということでしょうか。
さて、一色武氏が、本気で甘利氏を潰すために贈収賄事案で訴えるなら、相応の証拠を警察署に持って自首した方がダメージは甚大であったでしょう。そうなると、無論贈賄する側も罪に問われることになりますが、当然甘利潰しの観点では、雑誌に売り込むよりはかに効果が絶大であるはずです。

しかしながら、雑誌という媒体の性質から、甘利氏の件がはっきりしないままで、引きずることができれば、白黒がはっきりしなくても、安倍政権にとっては痛手です。今年の参院選挙まで引づることができば、この状況は誰にとって、一番得なのでしょうか・・・・・?

いずれにせよ、今回の件が、もし本当に甘利氏が関与した収賄事件だったとすれば、何やらあまりにも稚拙で、もし本気で収賄をするというのなら、甘利氏は無論のこと、公設第1秘書の清島氏自身も、こんな稚拙なことはせずもっと用意周到に行い、『週刊文春』に写真を撮影されたり、録音されたりなどというへまなど、絶対しなかったと思います。

この事件、これからの調査次第でまだ、どうなるかまだ結論は出せないと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2016年1月23日土曜日

民主がまた「安倍首相はヒトラー」批判 小川参院幹事長「だんだん似てきた」 市民連合の会合で―【私の論評】政治家ではなく、官僚にすぎない習近平こそ現代のヒトラーだ(゚д゚)!

民主がまた「安倍首相はヒトラー」批判 小川参院幹事長「だんだん似てきた」 市民連合の会合で

安倍首相がヒトラー? 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
民主党の小川敏夫参院幹事長は23日、夏の参院選で野党を支援する市民団体系の組織「市民連合」が都内で開いた会合であいさつし、「安倍晋三首相はだんだんヒトラーに似てきた。中身がなくて、ただ言葉だけ美しい」と首相を批判した。

小川氏は「ヒトラーといえば、(かつて麻生太郎)財務相が『ナチスの手口を学べ』と言った。全くその手口を学んで、今度は実行している。ひどい話だ」と主張。その上で「ナチスの手口に『どんな嘘やバカなことでも繰り返し繰り返し自信をもって言え。そうすると、だんだん国民がついてくる』というのがある。首相はその手口をまっしぐらに進んでいる。本当に危険を感じる」と訴えた。

さらに「内閣法制局は傀儡(かいらい)になり、マスコミも日銀もコントロールされている。気がつかないうちに憲法も変えられるのではないか」と続け、参院選での野党への支援を求めた。


民主党の小川敏夫参院幹事長
市民連合の会合には他の野党の幹部も駆け付けた。共産党の小池晃政策委員長は「安倍政権を倒し、戦争法(安全保障関連法)を廃止するために頑張ろう」と強調。「安倍政権は立憲主義を破壊するのみならず、憲法そのものを破壊する野望もむき出しにしている」と語り、憲法改正阻止に向けた野党の共闘を呼び掛けた。

維新の党の初鹿明博国対委員長代理は「今の日本は民主国家ではない。民主主義も憲法も全て否定するような政権は倒さなければならない」と訴え、社民党の吉田忠智党首も参院選の1人区での野党協力を呼び掛けた。

【私の論評】政治家ではなく、官僚にすぎない習近平こそ現代のヒトラーだ(゚д゚)!

ヒトラーのカラー写真

安倍首相はどう考えても、ヒトラーにたとえることは全くの間違いです。このようなことを主張する輩は、過去の歴史を知らないのではないかと思います。

以下に過去のドイツの歴史をまとめておきます。

日本では、勘違いする人が多いようですが、ヒトラーは選挙に大勝利を収めて権力の座に着いたのではありません。ただし、1933年1月の段階で最大政党の党首でなかったなら、首相にはなれなかったことでしょう。

1932年11月6日のワイマール共和国最後の帝国議会選挙では、ナチス党は同年7月31日の選挙に比べて200万票を失っていました。これに対して共産党は60万票伸ばし、決定的な議席数100を確保しました。

共産党(KPD)の躍進はドイツ国内で内戦に対する恐怖心をかき立て、特に保守陣営のこの恐怖心がヒトラーにとって最も強力な追い風となりました。彼らがヒトラーをヒンデンブルクに首相に推薦したため、1933年1月30日、彼は保守政治家を中心とする内閣の首相に任命されました。

それからの12年間、第三帝国においてヒトラーが自らの権力を保持するためには、異なる思想を持つ者たちへのテロ攻撃だけでは不十分でした。ヒトラーは軍需景気をてこに大量失業問題を数年で解決して見せて、産業労働者の多くの支持を獲得したのです。

ヒトラーは第二次世界大戦の間もこの支持を維持することができました。それは、占領地の労働者を酷使し、資源を略奪することで、ドイツの大衆には第一次世界大戦の時のような苦しみを与えないですんだためです。

開戦に先立つ1936年3月にはヒトラーは、武装解除したラインラントを占領し、1938年3月にはオーストリアを「併合」するなど、大きな外交成果が国民のあらゆる階層でヒトラーの人気を記録的な高さへと押し上げました。

帝国とその歴史的使命の神話を巧みに利用することを心得ていたヒトラーは、特に教養あるドイツ人に影響力を行使しました。ドイツをヨーロッパの秩序を維持する勢力としての地位に持続的に留めるために、カリスマ的「フューラー(統率者)」は彼らの支援を必要としたし、彼らはまた、ヒトラー以外に大帝国ドイツの夢を実現してくれる人物がいないと思われたため、ヒトラーを必要としていたのです。

帝国議会でナチス式敬礼を受けるヒトラー、ベルリン、1941年
さて、このようなドイツの過去の歴史を知れば、ヒトラーと安倍総理とは似ても似つかないことが良く理解できます。

そもそも、安倍総理は2012年の暮の衆院選で、大勝利したから首相の座についたのです。ヒトラーは、ヒンデンブルクに指名されから、保守連合の首相になり、そこを起点として、権力を掌握したのです。

そうして、小川氏は、麻生財務相が『ナチスの手口を学べ』と言った。全くその手口を学べと語ったことを批判していますが、これもお門違いです。

そもそも、麻生大臣が、「ナチスの手口を学べ」と語ったのは、「ナチスの手口を反面教師とせよ」ということです。新聞報道などではなく、麻生財務大臣のYouTube動画などの発言全体を良く聴けば、結論からいうと、麻生財務大臣の真意は、"マスコミが騒ぎ立てることで中国や韓国などの周辺諸国を刺激して、憲法改正論議が日本国内でまともにできなくなるのは、もういいかげんにして欲しい。静かに国内で憲法の議論ができる環境を作ることがマスコミの本来の役目ではないか"ということであると解釈できます。

ちなみに、その発言の音声全体が収録されている、動画を以下に掲載しておきます。



麻生財務大臣は、ヒトラーは選挙に大勝利を収めて権力の座に着いたかのような発言をしていて、それは錯誤によるものかもしれません。しかし、ワイマール憲法下という、当時世界で一番すすんでいたといわれていた、憲法の下でナチスが台頭したのは事実です。大筋でいえば、麻生財務大臣の発言は全く何も問題がなかったといえるとどころか、過去の歴史の反省にたったまともな発言だった思います。

過去の歴史をまともに振り返れば、安倍総理とヒトラーとは比較の対象にもならないことがわかります。

繰り返しいいますが、安倍総理は、選挙で勝利して、首相になっているのです。そうして、もう過去に三回も総選挙があって、その選挙にすべて勝利して、過去二回自民党総裁選でも勝利して、首相の座を維持しているのです。

これでも、安倍総理をヒトラーというのなら、それはもう、民主的手続きである選挙を否定しているとしか言いようがありません。選挙を否定するということは、民主主義の否定にほかなりません。

民主主義の否定といえば、中国こそ、完璧にこれを否定しています。それは、体制の違いなどを示してそう断定しているのではありません。中国では、建国以来現在にいたるまで、中央でも地方でも選挙がないということです。

現代のヒトラー、習近平?
中国には、選挙がないので、日本を含めた先進国などでいうところの、政治家は一人も存在しません。存在するのは、官僚だけです。中国は、官僚が政治を行う、世界に類をみない特殊な国家です。そうして、無論中国では、民主化、政治と経済の分離、法治国家化が全く不十分であり、これはナチス政権も同様です。

ここで、ふたたたび、ドイツの過去の歴史に話を戻します。1933年1月30日にナチ党党首アドルフ・ヒトラーがパウル・フォン・ヒンデンブルク大統領より首相に任じられました。ナチ党は第一党ではありましたが、当時はまだ国会の議席の過半数を獲得していなかったので、議会の安定的運営は不可能だでした。そこでヒトラーは首相就任からわずか2日後の2月1日にヒンデンブルク大統領に要請して国会を解散させました。

選挙の日にヒンデンブルクと握手をするヒトラー
そうして、ナチスは国会で、最大政党になりました。ただし、単独過半数には届きませんでした。しかし、ヒトラー内閣の与党であるドイツ国家人民党をくわえれば過半数には達していました。さらに3月9日には共産党が非合法となり、その81議席は再選挙を行わずに議席ごと抹消された。この結果、ナチ党は単独過半数を獲得しました。

さらに、3月24日には全権委任法が可決され、議会はその権力を実質的に失った。また、ナチ党は選挙結果発表後まもなくバイエルン州などの地方政府の掌握を開始し、地方政府は次々にナチ党の手に落ちた。

さらに7月には政党禁止令の発布によりナチ党以外の全政党が解散に追い込まれ、新規政党の設立も禁止された。次の同年11月の選挙はナチ党のみの選挙になった。以後、まともに選挙は行われなくなりました。

その後のナチス政権下では、まともな選挙はなくなりました。そうして、ワイマール憲法も事実上失効しました。このようなことを考えると、選挙で選ばれた政治家ではなく、官僚にすぎない習近平はもとより、歴代の中国の主席こそ現代のヒトラーだと思います。

このような歴史を無視して、安倍総理をヒトラーと同列に扱うのは、いくら選挙対策とはいえ、あまりにも酷すぎます。さすがに、これほどの歴史の曲解は、目に余るものがあります。

習近平をヒトラーのようだと批判するなら話は理解できますが、安倍総理をヒトラーのようだとするのは、どう考えても無理があります。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2016年1月22日金曜日

SMAPは「事務所の奴隷」なのか 解散報道の余波、単行本「奴隷のしつけ方」の売上急増―【私の論評】まずこの日本から債務奴隷を払拭すべき(゚д゚)!

SMAPは「事務所の奴隷」なのか 解散報道の余波、単行本「奴隷のしつけ方」の売上急増

SMAPの独立・解散騒動の影響なのか、古代ローマ人が書いたとされる単行本、「奴隷のしつけ方」の売れ行きが急激に伸びているという。

「風が吹けば桶屋が儲かる」ような話だが、一体どうしてなのだろうか。

写真はブログ管理人挿入 以下同じ


SMAP解散騒動が思わぬ余波 古代ローマの奴隷とSMAPは「状況が似ている」

SMAP解散騒動のなかでにわかに注目を集めているのは、太田出版が2015年5月に日本語版を発売した「奴隷のしつけ方」という書籍だ。16年1月22日18時時点で、Amazonの本カテゴリの世界史部門で売り上げ1位、総合部門でも60位。現在は在庫切れ状態で、中古本の価格も高騰しているようだ。

著者は古代ローマ人のマルクス・シドニウス・ファルクスとされているが、実際に執筆したのはイギリスの古典学者であるジェリー・トナー教授。教授が架空のローマ貴族になりきって、奴隷制度やそれに関する習俗を解説したものだ。当たり前だが、SMAPに関する記述は一切ない。

――では、いったいなぜこの書籍が注目を集めることになったのだろうか。そのひとつのきっかけは、ジャーナリストの石井孝明氏が16年1月19日に言論プラットフォーム「アゴラ」へ寄稿した、「奴隷はなぜ逃げないのか―SMAP独立騒動から」というコラム記事にある。

記事の中で石井氏は、SMAPを誹謗中傷するつもりはないと前置きした上で、古代ローマの奴隷とSMAPは「状況が似ている」と指摘する。どちらも、奴隷の主人や事務所の手により、「自由を求めて立ち上がるよりも、今の状況がましだ」と思わざるを得ない状況に追い込まれているというのだ。SMAPのケースでいえば、「仕事を干される恐怖」が自由を束縛する枷の役割を果たしていたという。

このコラムの中で、石井氏が「奴隷のしつけ方」を取り上げたことで、ネットユーザーが大きな注目を寄せ、Amazonでの注文が殺到したというわけだ。

「いらぬ誤解や偏見を生んでしまわないか不安」

今回の解散騒動を受けて、SMAPのことを「奴隷」と表現したのは石井氏だけではない。トークバラエティ番組「バラいろダンディ」(TOKYO MX系)のコメンテーターで認知科学者の苫米地英人氏も16年1月21日に更新したブログで、「今回のSMAP独立騒動で、『タレント奴隷制』が浮き彫り」になったと指摘する。

この苫米地氏のブログもネット上で話題となっており、「奴隷のしつけ方」への注目がさらに高まる一因となった。ツイッターには、
「SMAP謝罪放送からの『奴隷のしつけ方』本が売れるという、風が吹けば的なことは想像できんかった(笑)」 
「amazonのカテゴリ別で1位ってSMAP様様だな」 
「SMAP問題より『奴隷のしつけ方』読みたくなった」

といった投稿が寄せられている。

ただ、こうした状況を出版社側はどう考えているのだろうか。版元の太田出版はJ-CASTニュースの取材に対し、
「予想していない注目のされ方でしたので、ただ驚いているというのが本心です。書籍が売れることは単純に嬉しいのですが、刺激的なタイトルですので、いらぬ誤解や偏見を生んでしまわないか不安でもあります。中身をしっかり呼んで頂ければ、真面目な本だと分かってもらえると思うんですが......」
と答えた。

【私の論評】まずこの日本から債務奴隷を払拭すべき(゚д゚)!

2016年1月18日 SMAP✕SMAP 生放送で解散騒動に言及

上の記事を読んでいて、奴隷の定義が気になったので、ウィキペディアで調べてみました。その内容を以下に掲載します。
奴隷(どれい)とは、人間でありながら所有の客体即ち所有物とされる者を言う。人間としての名誉、権利・自由を認められず、他人の所有物として取り扱われる人。所有者の全的支配に服し、労働を強制され、譲渡・売買の対象とされた。奴隷を許容する社会制度を特に奴隷制という。 
1948年に国連で採択された世界人権宣言では、奴隷制について次のように宣言している。
何人も、奴隷にされ、又は苦役に服することはない。奴隷制度及び奴隷売買は、いかなる形においても禁止する。(第4条)
この定義からみれば、SMAPが完璧に奴隷であるとは言えないはずです。しかし、確かに奴隷的な部分があるということは言えるかもしれません。

ブログ冒頭の記事にある通り、奴隷の主人や事務所の手により、「自由を求めて立ち上がるよりも、今の状況がましだ」と思わざるを得ない状況に追い込まれている、ということでは、確かに奴隷的です。SMAPのケースでいえば、「仕事を干される恐怖」が自由を束縛する枷の役割を果たしているのかもしれません。

首枷を附けられた朝鮮の奴隷

奴隷的な扱いといえば、現代の日本でもこれよりももっと酷い事例があります。これは、週刊朝日1月29日に出ていた記事のタイトルです。

“AV出演”被害が急増 高校生から狙う悪質プロダクションの恐怖
詳細は、この雑誌を購入してご覧いただくものとして、以下に抜粋を掲載します。

高校生でも声をかけられる…(※イメージhttps://mobile.twitter.com/akihirosuzuki_/status/290823815955640320
「次の仕事はアダルトビデオ(AV)の撮影」。A子さんがその事実を知ったのは、撮影前日。事務所で台本を手渡されたときだった。 
 当時、A子さんは20歳になったばかり。あまりにも驚いて、すぐに「できません」と抵抗したが、プロダクションのマネジャーは、平然とこう言い放った。
「契約した以上、現場に行かなければならないことぐらい、わかってるよね」
「どうしても、指示に従えないなら、違約金を支払ってもらうよ。100万円、現金で用意できるの?」 
 A子さんがタレントとして、このプロダクションに所属したのは高校生のとき。駅前で「タレントに興味ない?」と声をかけられたことがきっかけだった。「とてもうれしかった」ので、何度か食事を一緒にした。そのたびにスカウトマンからサクセスストーリーを聞き、信頼できる人と思い、後日、A子さんはタレント活動をするための契約書に署名・拇印した。

実績のあるプロダクションは、未成年と契約するときは親の同意を得る。だが、A子さんの場合、親の同意は得なかった。 
 仕事は着(ちゃく)エロ(衣服は着ているが、バストや性器を強調するポーズを取る写真や映像)のビデオ撮影だった。すぐプロダクションをやめたいと申し出たが、「100万円の違約金が発生する」と言われた。その後も、マネジャーは「契約書」と「違約金」を盾に、仕事を回してきた。断ると「親に連絡するぞ」「学校に知られてもいいのか」と脅された。 
 撮影後のA子さんへの報酬は一切なかった。だが、「契約書がある限り、嫌でも仕方がない」と繰り返し言われ、仕事に行かなかったときは、身の危険を感じるできごともあった。

その結果、追い詰められたA子さんは、「我慢して、言うことを聞けば、嫌な仕事も終わる」と思うようになったという。今回のAVの仕事も、大人の男たちとの押し問答の末、A子さんは引き下がるしかなかった。

撮影では、台本通りのセリフやポーズを指示され、初めて会う男性とのセックスを、スタッフの前で何度も強要された。撮影は翌日も続いた。A子さんは「陰部に激痛を感じる」と訴えたが、そのまま強行された。 
 想像していた以上の現場の進行ぶりに、ショックで放心状態になり、抵抗する力も奪われた。終了後、「この映像を多くの人が見る」と思うと、底知れぬ不安感と恐怖に襲われ、眠れなくなった。 
 A子さんはその後も、プロダクション側に「AVの仕事は、どうしてもやめさせてほしい」と懇願。だが、そのたびに、マネジャーからこう言われた。 
「あと9本撮影しないとやめられない」「違約金1千万円を払ってもらう」 
 当初の違約金100万円が10倍に跳ね上がったのは、AV撮影初日の夜、新たな契約書にサインするよう指示され、それが10本分の契約だったからだ。 
 契約書にサインするとき、そんな説明はなかったので、気づいたときは声も出ないほど、愕然とした。自分だけではどうしても抜け出せない泥沼にはまり込み、「死にたい」とまで思い詰めるようになった。 
 そんなとき、インターネットで「AV」「違約金」と言葉を入れて検索すると、支援団体「ポルノ被害と性暴力を考える会(PAPS)」(※)のホームページにこう書かれていた。 
 ――AV出演の契約は効力を持たず、違約金を支払う義務はありません。
夜中の2時過ぎ、A子さんは、すぐメールを送った。 
「AVの仕事が断れず困っています。助けてください」 
 15分後、PAPSの相談員から返信が届き、翌日から事態が急展開した。 
 A子さんはPAPSの相談員と弁護士の支援でプロダクションとの契約解除の手続きを取った。すると、プロダクションはA子さんに対し、「違約金2460万円を支払え」と提訴してきた。1千万円から、さらに、倍以上に金額が跳ね上がっていた。 
 この訴訟の判決が2015年9月、東京地裁で確定した。原克也裁判長は「AVの出演は、出演者の意に反して、これを従事させることが許されない性質のもの」と指摘し、出演者が嫌だと明確に表明すれば、すぐに契約は解除できるとの判断を示した。 
 A子さんとプロダクションとの関係は、表向き対等である委任契約だったが、実態は完全な従属関係だった。原裁判長は、AV出演の拒否について「債務不履行による損害賠償義務を負わない」とし、原告(プロダクション)の請求は棄却された。 
 この裁判が画期的だったのは、被告の女性(A子さん)が裁判所に一度も出廷する必要がなかったことだ。被告女性が出廷を望んでいなかったため、弁護士が手続きし、裁判長も「その必要はない」と判断。裁判で事実を説明することは、女性にとってとてもハードルが高い。 
 A子さんの弁護団の一人である伊藤和子弁護士は、「違約金を支払えないから知らない人との性行為を強要される労働は、“債務奴隷”ともいえる強い人権侵害です」と訴える。 
 こうした事例は女性にとどまらない。男性のBさん(20)の場合は、ネットで「メンズモデル募集」を見て面接に行ったところ、仕事はゲイ向けのビデオ撮影だった。 
「男性と性行為をすれば、もっとギャラが上がるよ」「マニアック向けなので、友人には絶対にバレない」  
 複数のゲイの男性から言われて断れない状況になり、撮影に応じた。その後、ネットで大々的に販売され、同級生や知人に出演を知られてしまったという。 
 伊藤弁護士は、14年夏ごろからインターネットメディアの記事や自身のブログに「AVタレントの契約実態」を書き込み、「契約は解除できるから相談してほしい」と呼びかけてきた。ネット記事のシェア数は2万4千件。全国から男女116人がPAPSに救済と支援を求めている。 
※ PAPSPeople Against Pornography and Sexual Violence(https://paps-jp.org/
このような債務奴隷は、完璧に違法です。それにしても、債務奴隷にされて、意に反してAVの撮影をされるということになれば、これは完璧に奴隷といっても良いと思います。

SMAPの事例は、さすがにこのような債務奴隷とは違うとは思いまずか、それでも、奴隷的であることには変わりないです。

さて、奴隷というというと、昨日もこのブログに掲載したように、慰安婦問題があります。韓国の主張するいわゆる性奴隷です。

慰安婦問題についての私の立場は、昨日のブログにも掲載しました。その部分を以下に抜粋します。
私自身は、当時の時代背景を考えると、当時の世界では、日本であろうが、日本以外の外国であろうが、あるいは植民地においてであろうが、民間人ではない、国家を代表す官憲がそれ職務として、あるいは上からの命令で、直接強制的に売春をさせたり、労働させたというのなら、明らかに犯罪ですが、そうでなは場合は犯罪にはあたらないと考えています。

これは、慰安婦問題など複雑な問題を考えると、様々な見解があり、誰もが納得するとは思いませんが、古いモノクロ映画のDVDなど視聴すると、映画の本体に入る前、「現在の考え方からすると、この映画には不適切な表現も含んでいますが、当時の時代背景を考慮して、視聴していただくことを前提として当時のまま提供させていただきます」という趣旨のテロップが流れることがあります。

現在の世界では、許容されなくても、古い時代には許容されたということは、世の中にはいくらでも存在します。今の日本で、売春婦そのものが非合法ですから、どのような状況であれ、慰安婦も非合法ということになりますが、当時は官憲が直接関与しなかった、売春は、当時は許容されていたとみなすべきものと思います。 
無論、当時でも民間人などが、売春を強要したとか、官憲であっても官憲の職務や上からの直接命令ではなく、個人の裁量で売春を強要した場合もあったと思いますが、それは個人の犯罪であり、国家の犯罪とはいえないです。
売春は、現在なら債務奴隷の一種かもしれません。しかし、当時はそうとはみなされいなかったということです。しかし、当時の法律などに照らしても、民間人が強制的に売春婦にしたという事例もあったかもしれません。それは、上記の悪質プロダクションのように、その民間人を追求すべき問題であると思います。

現在も、いわゆる違法な債務奴隷のようなことは後をたちません。SMAPの事例でも、奴隷的な部分はあるものの、裁判にまでは至っていませんが、もし裁判をすれば、様々なことが明るみに出たかもしれません。

いわゆる、現代の債務奴隷はAVだけに限りません。いわゆるブラック企業にも存在します。債務奴隷化が酷くて、自殺に至るという悲惨な事例もあります。

いずれにせよ、韓国の主張する性奴隷ファンタジーは別にして、過去は過去における法律や、慣習・規範に照らしあわせて、債務奴隷の実体を解明して、記録に残すことや、記録を明るみにだすすべきものと思います。それと、韓国の主張する慰安婦問題とは別次元の問題です。

過去の問題というと、日本では慰安婦の問題がクローズアップされがちですが、日本でも過去に身売りという、実質上の人身売買があったことも事実です。

戦前のある村の身売り相談所
身売りされ救世軍に引き取られた子供達
このような経済困窮による悲惨な身売りが過去の日本にあったことは事実です。これに、怒りを覚えた青年将校たちによる1936年の二・二六事件の原因の一つにもなっています。
現在の債務奴隷の場合は、それを回避する手立てを講じるべきです。まずは、上のAVを強要された女性のように弱い立場にある人たちに、債務奴隷は違法であることを啓蒙すべきものと思います。PAPSのような団体を、AVに限定することなく、もっと間口を広げて、設置すべきものと思います。

そうして、マクロ的には、過去の朝鮮や日本もそうであったよに、経済的な困窮が身売りなどの問題を生んだのは間違いないことです。最近の悪質なブラック企業やブロダクションなども、デフレ・円高による経済の低迷が生み出していることも事実です。

経済的にある程度恵まれれば、当然のことながら、身売りのようなことはなくなるはずです。それに、ブラック企業や悪質なブロダクションもなくなります。

なぜなら、経済がある程度良ければ、ブラック企業に勤めていたような人でも、他の仕事につくことができます。そうして、ブラック企業から辞めていく人が増えます。最初から入る人もいなくなります。そうなると、ブラック企業は倒産するしかなくなります。

悪質なブロダクションだって、人が辞めていくし、人が入らないということで、潰れるしかなくなります。

いずれにしても、この世界から、いわゆる債務奴隷をなくすべきことが、正しいことであることはいうまでもありません。それに、日本のような先進国からは、債務奴隷的なものも払拭させていくべきだと思います。SMAPが独立したければ、かなり自由にできるような社会を目指すべきです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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