2018年2月13日火曜日

キム・ジョンナム氏暗殺事件 背景に後継問題の密告か―【私の論評】なぜ中国は今頃この事実を公表したのか?

キム・ジョンナム氏暗殺事件 背景に後継問題の密告か


1年前にマレーシアで北朝鮮のキム・ジョンナム(金正男)氏が暗殺された事件について、中国政府関係者は、北朝鮮のナンバー2とされたチャン・ソンテク氏が以前、中国を訪問した際、当時の胡錦涛国家主席に対し、ジョンナム氏を北朝鮮の最高指導者にしたいという意向を明らかにし、この情報がキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長に伝えられたことが事件の引き金になったという見方を示しました。

この事件は、ちょうど1年前の去年2月13日、マレーシアのクアラルンプール国際空港で北朝鮮のキム・ジョンウン委員長の兄のジョンナム氏が、猛毒のVXで暗殺されたものです。

この事件について、中国政府の関係者はNHKの取材に対し、6年余り前に死去した北朝鮮のキム・ジョンイル(金正日)総書記の後継問題が背景にあることを明らかにしました。

それによりますと、死去から8か月たった2012年8月、当時、北朝鮮のナンバー2とされ、キム・ジョンウン委員長の叔父にあたるチャン・ソンテク氏が、北京で中国の胡錦涛国家主席と個別に会談した際、「ジョンイル氏の後継にはキム・ジョンナム氏を就かせたい」という意向を伝えたということです。

この会談は、当時、中国の最高指導部のメンバーだった周永康政治局常務委員が部下を使って盗聴しており、周氏は翌2013年はじめに、北朝鮮の最高指導者となっていたキム・ジョンウン氏に会談の内容を密告したということです。

周永康 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
この年の12月、チャン氏は国家反逆罪などで処刑され、さらにジョンナム氏は去年2月にマレーシアで暗殺されており、中国政府は、周永康氏によってもたらされた情報がキム・ジョンウン委員長のげきりんに触れ、事件の引き金になったと見ています。

なぜ周永康氏がキム・ジョンウン委員長に情報を伝えたのか詳しい理由はわかりませんが、当時、周氏の周辺には汚職捜査の手が及んでおり、周氏としては、北朝鮮とのパイプを利用することで指導部の動きをけん制しようとしたのではないかとの見方が出ています。

その後、周氏は汚職や国家機密漏えい罪などに問われて無期懲役の判決を受けましたが、関係者によりますと、北朝鮮への密告が国家機密漏えい罪に当たると判断されたということです。

中国政府は、ジョンナム氏暗殺事件について終始沈黙を守っていますが、今回確認された情報は、今後の中朝関係を読み解くうえで重要な手がかりになりそうです。

周永康氏とは

中国の周永康元政治局常務委員は、江沢民元国家主席に近く、前の胡錦涛政権で最高指導部入りし、警察や情報機関などを統括する公安部門の責任者を務めて強大な権力を握っていたとされます。

周永康氏は江蘇省無錫出身の75歳。北京石油学院を卒業し、1980年代から90年代にかけて石油工業省の次官や国有会社の中国石油天然ガスの社長などを歴任し、いわゆる石油閥の大物と見なされてきました。

1999年からは四川省トップの共産党書記、2002年からは警察にあたる公安省のトップを務めました。そして、2007年に共産党の最高指導部である政治局常務委員に上り詰めました。

周氏は、当時9人いた政治局常務委員の中で序列は9位でしたが、犯罪捜査や治安維持などを担う公安部門や情報機関をはじめ、検察や裁判所まで管轄する中央政法委員会のトップの書記を務めていたため、強大な権力を握っていたとされています。

周氏は、一時、最高指導部入りの可能性も指摘され、その後失脚した薄煕来元重慶市書記の後ろ盾だったと見られていて、薄元書記と共謀して習近平指導部の転覆を企てていた疑惑が持ち上がるなど、胡錦涛前国家主席や習近平国家主席と激しく対立していたことが明るみに出ました。

薄煕来(はくきらい)
そして、「虎もハエもたたく」という腐敗撲滅のスローガンを掲げて大物の摘発に乗り出した習指導部のもとで身柄を拘束され、2015年6月に汚職や国家機密漏えいの罪で無期懲役の判決を受けました。このとき、国営新華社通信は「裁判所は、一部の犯罪事実の証拠は国家の秘密にかかわるため非公開にした」としていました。

判決言い渡しの模様は中国国内で国営テレビによって生中継され、以前は黒かった髪の毛が真っ白になって出廷した周氏の姿に国民の間では衝撃が走りました。

髪の毛が真っ白になって出廷した周
中国の最高指導部経験者が汚職などの罪で有罪判決を受けたのは、周氏が初めてです。

チャン・ソンテク氏とは

チャン・ソンテク氏はキム・ジョンウン朝鮮労働党委員長のおじで、キム委員長が、死去した父親のキム・ジョンイル総書記の権力を世襲したあと、後見人とされた人物でした。

チャン氏は1946年に東部のハムギョン(咸鏡)北道チョンジン(清津)で生まれ、妻はキム総書記の妹のキム・ギョンヒ氏でした。

キム・イルソン(金日成)総合大学を卒業したあと入党したチャン氏は、キム総書記とのつながりを背景に頭角を現し、党の筆頭部局である組織指導部の第1副部長などを歴任しました。2010年には国防委員会の副委員長に就任し、2011年のキム総書記の葬儀では、キム委員長とともに、ひつぎを載せた車に付き添って歩きました。

チャン・ソンテク氏
北朝鮮の経済改革や外資誘致で主導的な役割を担っていたチャン氏は、中国との経済協力に積極的に取り組み、2012年に北京を訪れた際には当時の胡錦涛国家主席と会談するなど、中朝間のパイプ役を担っていました。

しかし、2013年にチャン氏は、「反党、反革命的な行為をした」などとして、すべての職務を解任されて党から除名されたうえ、特別軍事裁判で「国家を転覆させようとする極悪な犯罪を行った逆賊だ」として死刑判決を言い渡され、直ちに処刑されました。

【私の論評】なぜ中国は今頃この事実を公表したのか?

さて、上の記事により、北朝鮮の金正恩が、叔父である張成沢(チャン・ソンテク)氏を処刑、兄である金正男を暗殺した理由が見えてきたように思います。

さすがに、いくら北朝鮮が軍事独裁体制の国家であったにしても、張成沢氏と金正男氏を殺害するのはやりすぎではないかと思っていましたし、このようなことをするには余程の理由があるのだろうとも考えていました。

その理由がこれだったわけで、ある程度納得のいくものでした。無論、だからといって金正恩が、これら二人を殺害したことを認めるというわけではありません。このような残忍な殺害は絶対に許すことはできません。

とはいいながら、金正恩が残忍であることを前提としたうえで、なぜそのようなことになったのか合点がいくということです。

2012年8月、当時張成沢氏が、北京で中国の胡錦涛国家主席と個別に会談した「正日氏の後継には金正男氏を就かせたい」という意向を伝えた当時は、北朝鮮内部には正男氏を後継にすべきとする派閥と、正恩氏を後継にすべきという派閥があり、これらが熾烈な争いをしていたのでしょう。

そうして、結局のところ正恩派が勝利を収めて、張成沢氏は処刑され、正男氏は暗殺されたのです。もし、正男氏側の派閥が勝っていれば、正恩が暗殺されることになったかもしれません。無論、正男氏はそのようなことはしないかもしれませんが、派閥の力学などでそのようなことになる可能性も十分あります。

金正恩時代の粛清政治は、彼が最高指導者になった翌2012年から始まりました。7月15日の政治局会議で、父・金正日氏が金正恩氏を支える側近として抜擢した朝鮮人民軍参謀長の李英鎬(リ・ヨンホ)氏が電撃的に解任され、表舞台から消え去りました。そうして、おそらく処刑されたと考えられます。

李英鎬(リ・ヨンホ)氏(写真右)
この粛清劇については叔父である張成沢氏が主導したとの説もありますが、最終的に金正恩氏が決断したのは間違いないでしょう。

金正恩氏が主導する粛清政治が本格化するのは、2013年からでした。先述の李氏の粛清を主導したとされている張氏が、北朝鮮メディアで「犬にも劣る人間のゴミ」と罵倒されたうえ、時をおかず処刑されました。張氏処刑以後、金正恩氏は北朝鮮史上希にみる恐怖政治を始めました。暴君へと変化するターニングポイントがこの時だったと言えるでしょう。

金正恩氏の恐怖政治の対象は政治家だけにとどまりませんでした。2015年3月には、金正恩氏の妻である李雪主(リ・ソルチュ)夫人も一時期在籍していた「銀河水管弦楽団」のメンバーらが銃殺されました。北朝鮮での銃殺刑は珍しくないですが、メンバーらは凄惨きわまりない殺され方で銃殺されたと伝えられています。

銀河水管弦楽団
同年5月には、玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)人民武力部長が公開銃殺されました。この時は人間を文字通り「ミンチ」にする「高射銃」が用いられました。北朝鮮の歴史は、国内の派閥闘争と粛清の歴史でした。しかし、わずか7年間で、ここまで大規模な粛清の嵐が吹き荒れるのはありえませんでした。

公開処刑された玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)氏
極めつけは、昨年2月に金正恩氏の母親違いの兄である金正男氏が猛毒のVXによって暗殺された事件です。

金正恩氏の父である金正日氏は、叔父の金英柱(キム・ヨンジュ)氏や母親違いの弟である金平日(キム・ピョンイル)氏との後継者争いに勝利し、最高指導者に登り詰めました。しかし、建国の父である金日成氏の血を引くこの二人を手にかけることはありませんでした。

一方、金正恩氏は金正日氏の長男である金正男氏を暗殺しました。北朝鮮の権力闘争史上、初めて金日成氏の血を引く身内に手をかけるというタブーを犯したのです。

残忍きわまりない金正恩氏の恐怖政治も2017年に入って以降なりを潜めているという説もあります。その理由として金正恩体制が磐石になったからという分析もありますが、はたしてそうなのでしょうか。

今のところ金正恩氏は核・ミサイル開発など、対外的な政治に重きを置いています。これがある程度落ち着いた時、必ずや国内統治に関心が向きます。その時、またもや金正恩氏の恐怖政治の嵐が吹き荒れるかもしれないです。

このような状況ですから、北朝鮮では現状では、中国のような派閥はないようにも見えます。あったにしても、寝たふりをしているのでしょう。派閥が形成されたり、過去の派閥が蘇ったりすれば、金正恩は、ただちに派閥の首謀者やその取り巻きを処刑することでしょう。

これでは、誰も怖くて、派閥など作れません。だから、北朝鮮からは派閥争いなどの情報はありません。現状では派閥はないのでしょう。そのため、北朝鮮の意思=金正恩の意思、もしくは金正恩を後継者にすべきと主張していた派閥の一強、ということになっているものと考えられます。

もし、金正男氏が後継者になっていたら、北朝鮮にも少なくとも中国のように派閥があったかもしれません。そうして、これらの事実がもう一つの疑問に答えてくれます。

それは、なぜ中国側が今頃になって、金正男氏暗殺事件の背景に後継問題の密告があったことを表に出したかということです。

その理由は、上記のように現在の中国の体制は、習近平派と胡錦濤派が協調して、江沢民派を一掃しているような状況であり、金正恩は胡錦濤に恨みを抱いており、それと協調する習近平に対しても敵意を抱いているということがあります。要するに金正恩は中国の現体制には敵対的なのです。

だから、現在の中国は北朝鮮にいうことを聴かせることはおろか、効果のある制裁もできない状況です。

そんな中で、習近平はトランプ氏に北朝鮮制裁をすることを迫られています。これについては、このブログにも以前掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
【お金は知っている】国連の対北制裁強化で追い込まれる習主席 「抜け穴」封じなければ米から制裁の恐れ―【私の論評】中国が米国の要求を飲むのは時間の問題(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では現在の中国は軍事力では米国に遠く及ばないのは無論のこと、金融大国の米国に本格的な金融制裁をされれば、とんでもないことになるため、対北制裁に関して中国は、米国の要求を飲むのは時間の問題であろうことを掲載しました。

ただし、上でも示したように、現在の北朝鮮は中国に対して敵対的であり、中国の言うことなどなかなか聞きません。また、習近平派、胡錦濤派以外に、北朝鮮に近い勢力もあるため、たとえ習近平が対北制裁強化をしようにも限界があるのです。

私は、中国がこの限界を米国に理解してもらうため、今頃になって金正男氏暗殺事件の背景に後継問題の密告があったことを公にしたのだと思います。

習近平も、どう頑張っても出来ないものは出来ないし、限界があることを米国に示そうとしたものと思います。

さて、これに対して、トランプ氏は次の一手をどのように打つのでしょうか。私としては、次には海上封鎖をするのではないかと思っています。

現在でも、これに近いことを実行しています。日本の海自も戦後一度も踏み入ったことのなかった黄海に護衛艦や航空機を派遣して監視活動をしています。

今後は、さらにこれを強化して、臨検なども含む事実上の海上封鎖をするのではないかと思います。それでも、効果がなければ、さらに機雷を敷設して完全封鎖ということもありえると思います。そうなると、もう戦争状態に入ったといっても良いと思います。

そうして、中国はこれを黙認することでしょう。それでも、陸上から物資を供給するなどの制裁破りなどもありえますが、これは微々たるものです。海上封鎖がされれば、さすがに北朝鮮も音を上げる可能性があります。

それに、海上封鎖ということになれば、これはもう、戦争一歩手前ということになり、北朝鮮に対する今までにない強力な圧力になると思います。

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2018年2月12日月曜日

【主張】台湾東部地震 今度は日本が支える番だ―【私の論評】大陸中国という癌から台湾を守れ(゚д゚)!


前日より傾斜が強まった12階建て集合住宅兼ホテル=8日午前、台湾・花蓮市
 台湾加油(頑張れ)。東部を襲った6日深夜(日本時間7日未明)の地震で、花蓮市の12階建て集合住宅兼ホテル「雲門翠堤大楼」など4棟が倒壊状態となり、多くの死傷者が出た。

 日本政府は警察庁、消防庁などからの専門家チーム7人を被災現場に派遣し、人命救助活動を支援している。

 地震発生直後に100人を超えていた安否不明者の多くは無事が確認された。しかし、現地は強い余震が続き、被災者は不安を募らせている。

 被災者の医療、生活支援、仮設住宅の建設など、今後は時間の経過とともに必要とされる人員、物資は多様化していく。被災者の立場に立った効果的な支援で台湾の人たちの力になりたい。

 東日本大震災では、台湾からの温かい支援が被災者の心の支えになった。今回の台湾東部地震では「今度は私たちが台湾の人たちを支える番だ」といった東北からの呼びかけがインターネットなどで広がった。安倍晋三首相も蔡英文総統へのお見舞いメッセージで同じ趣旨の支援の意思を伝えた。


 台湾と日本列島は一連の地震多発帯に位置する。1999年の集集地震(台湾大地震)の犠牲者は約2400人にのぼり、2年前の台湾南部地震も死者が100人を超える大災害となった。

 今回の地震で被害が大きかった4棟は、6~12階建てビルの低層階が押しつぶされ、全体が倒壊したり大きく傾いたりした。2年前の熊本地震でも同じように低層階が押しつぶされたマンションがあった。

 また、4棟はいずれも活断層の直近に建つビルだった。日本にも上町断層がある大阪市をはじめ市街地の直下を活断層が走っている都市がある。

 災害時の相互支援とともに、地震学や土木、建築の専門家レベルでも日台が緊密に連携、協力することも重要だ。地震による揺れや建物への影響、倒壊の原因などを詳しく分析し、耐震化や都市防災の取り組みに生かしたい。

 今回の地震で台湾が海外の支援を受け入れたのは日本だけだ。中国が申し出た支援は「人員、物資は足りている」と辞退した。

 大切なのは信頼関係である。政府レベルでも市民同士でも、支え合い、互いに向上していける日本と台湾の関係を大事にしたい。

【私の論評】大陸中国という癌から台湾を守れ(゚д゚)!

上の記事では、台湾も日本も一連の地震多発地帯に位置することが掲載されています。両国とも、地震による災厄にいつまきこまれるかわからないのです。両国が互いに信頼関係を構築し、これからも互いに助けあっていくべきなのは、言うまでもありません。

そうして、さらに両国には、共通の災厄があります。それは、大陸中国です。このブログにも何度か掲載してきたように、大陸中国は日本の尖閣諸島や、台湾そのものをいずれ奪取しようと虎視眈々と狙っています。

日本や台湾のような国が、大陸中国のすぐそばに位置していることは、本当に残念なことです。近くに大陸中国さえなければ、これからもずっと両国は平和と繁栄を続けることができたかもしれません。しかし、大陸中国が近くに存在するということで、将来の平和と繁栄を守るためにも、大陸中国に対峙していかなけばならないのです。

そうして、この大陸中国は、人体でいえば、癌そのものということができると思います。


人体を構成する最小の単位である、細胞にはアポトーシス(apoptosis)という現象が起こります。これは『細胞の自殺』のことで、たとえばオタマジャクシがカエルに変わるとき、尻尾がなくなって足が出てきますが、これも細胞の自殺です。尻尾の役割がなくなったので、自己犠牲の精神で自ら消滅していくのです。

つまり、より良い個体を作るため、また新しい生命を産むため、古いものは自ら死んでいくのです。子供が大人になったら、親が死んでいくように、人類を含め生命とはそういう循環の中に生きています。自分の機能が駄目になったら、新しい生命に道を譲る。資源を明け渡すわけです。

しかし、もしこのような生物的原理が狂えば、自然はすべてが狂ってしまうことでしょう。しかし、その原理に従わないものがあります。それが癌細胞です。

癌細胞が普通の細胞と大きく異なる点は、まず非常に利己的で自己中心的であるということです。癌細胞は無限増殖します。悪性が高ければ高いほど、均一性に欠けるモザイク現象を起こします。なぜなら、この細胞は『俺が、俺が』ということで他の細胞を食べる『共食い』現象を起こし、強い者が弱いものを食い尽くして崩壊させていくからです。

ところが、癌細胞は独自では生きていけず、必ず他の細胞に寄生して、その栄養素を奪い取って大きくなっていきます。やがて癌細胞に蝕まれた生体は最終的には死ぬことになり、生体を食い尽くした癌細胞も、それによって死滅するのです。

現在の中国を見ていると癌細胞とそっくりです。どの特徴も中国そのものです。

生物原理の中ではアポトーシスという『譲り合いの精神』が働いて、新しい生命が生まれます。しかし、癌細胞はこの精神をまったく持ち合わせていません。癌細胞は自己中心的です。胃の癌細胞なら、『俺は胃だ。文句あるか』と強引に肝臓に押し入っていきます。これが胃癌の肝臓転移です。

アポトーシスは人間の正常な体細胞でも日常的に見られる現象
一方、ネクローシスは「細胞他殺」と言える。
この自己中心的なところ、『俺さえ良ければそれでいい』『俺のものは俺のもの、お前のものも俺のもの』という性格は中国そのものです。まさに、中国は地球という生命体に巣くう癌細胞以外のなにものでもないのです。

そうして、過去のアメリカは中国に騙され、北朝鮮に対する「戦略的忍耐」という誤った戦略と同様の煮え切らない戦略をとり、大陸中国の癌を大増殖させてしまいました。我が国も「日中友好」の美名のもと、ODAや技術移転を初めとする様々な有形・無形の援助により中国癌を増殖させることに寄与してきました。

現在の喫緊の課題が北朝鮮問題であることはいうまでもありませんが、それはそれとして、私達は大陸中国のすぐ近くにある台湾の人たちの悲痛な叫び声に耳を傾けて、この忌まわしき中国という癌から地球を救わなけばならならないのです。

幸いなことに、安倍総理は総理大臣に就任する直前の2012年に国際NPO団体PROJECT SYNDICATEに英語論文『Asia’s Democratic Security Diamond』を発表しています。これに書かれた外交安全保障構想が「セキュリティダイヤモンド構想」で、安倍総理は中国封じ込め政策を提唱しています。

セキュリティダイヤモンド
この構想は、オーストラリア、インド、アメリカ合衆国ハワイの2国1地域と日本が四角形に結ぶことで中国の東シナ海、南シナ海進出を抑止することを狙いとしています。日本政府としては尖閣諸島の領有問題や中東からの石油輸出において重要なシーレーンの安全確保のため、重要な外交・安全保障政策となっています。

安倍総理は、総理大臣に就任以来、この構想に従い外交を展開してきました。そうして、この構想は着々と現実のものになりつつあります。

さらに最近、米国は台湾を重視する方向に転じました。これについては、このブログにも掲載したばかりです。その記事のリンクを以下に掲載します。
米国が見直す台湾の重み、東アジアの次なる火種に―【私の論評】日本は対中国で台湾と運命共同体(゚д゚)!
ランドール・シュライバー氏
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、トランプ米大統領は12月12日、「2018会計年度 国防授権法」に署名し、同法が成立したことを掲載しました。同法が今回注目されたのは、高雄など台湾の港湾への米国海軍艦船の寄港、ならびに台湾海軍艦船の米国港湾への寄港が盛り込まれていたからです。

さらに、トランプ政権は国防総省のアジア担当の要職にランディ・シュライバー氏を任命しました。シュライバー氏は歴代政権のアジア専門ポストで活躍してきたベテラン戦略家です。共和党保守本流と位置づけられる同氏の起用によって、トランプ政権の対アジア政策は保守、現実志向へと向かうことが予測されます。

シュライバー氏は、以前から台湾への支援と、中国を抑止を主張する人物です。そのシュライバー氏を国防総省のアジア担当の要職に就けたわけですが、トランプ政権は台湾重視、中国封じ込めに一歩を踏み出したことは間違いありません。

日本のダイヤモンドセキュリティ構想、そうして米国の台湾重視、中国抑止へのスタンスの偏向という台湾への大陸中国の癌細胞の侵入は阻止しやすくなったものと見られます。

今後日米ともに、台湾に対して空母などの艦船を寄港させたり、軍隊を駐留させたりの、武器を提供したり、対中国の軍事演習などを頻繁に行うへきです。

台湾は、日本の生命線です。いや、世界の生命線です。もし、台湾が大陸中国の傘下に収まることになれば、その次は日本の尖閣、その次は沖縄という具合に大陸中国の癌細胞はとめどもなく侵入してくることになります。

そうして、それは世界各地に侵入をして、癌細胞に蝕まれた世界は最終的には死ぬことになり、生体を食い尽くした癌細胞も、それによって死滅することになりす。

そんなことは絶対に防がなければなりません。だからこそ、日米はいや、世界は台湾を守りきらなければならないのです。

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米国が見直す台湾の重み、東アジアの次なる火種に―【私の論評】日本は対中国で台湾と運命共同体(゚д゚)!

2018年2月11日日曜日

【写真掲載】中国紙、韓国メディアの「首都台北」の字幕に猛反発―【私の論評】大陸中国が平昌の「台湾」に神経をとがらす理由(゚д゚)!

【平昌五輪】中国紙、韓国メディアの「首都台北」の字幕に猛反発

平昌五輪の開会式で入場する台湾代表チーム=9日、平昌
 平昌冬季五輪の開会式で台湾選手団が入場行進した際、韓国の複数のテレビ局が字幕で台北を台湾の「首都」と表記したとして、中国国内で反韓の声が広がっている。

 この字幕問題は、韓国文化を研究している米国人男性が、SNS上で発信して発覚した。

 「韓国のテレビ局はチャイニーズ・タイペイ(中華台北)とアナウンスしたが、画面上のハングルの字幕は台湾としていた。ハハハ」

 投稿には韓国のテレビの画像を写した写真も添えられていた。

 国際オリンピック委員会(IOC)は、台湾が五輪などの国際競技大会に出場する際の呼称を「チャイニーズ・タイペイ(中華台北)」としている。「台湾は中国の一部」との立場の中国はそれにも満足せず、一方的に漢字表記を「中国台北」に変えている。

 平昌五輪への参加が「過去最多の92カ国・地域」と表記されるのは、台湾などを「国家」として数えていないことが関係している。台北を「首都」と表記することは台湾を「国家」と見なしてることになり、中国は受け入れられないというわけだ。

 中国共産党機関紙、人民日報傘下の国際情報紙、環球時報のニュースサイトは米国人男性の投稿に「大問題だ」と反応し、独自に調査を実施した。

 その結果、MBC、KBS1、SBSの各テレビ局がそろって、字幕で「台湾」と表記していたことを確認。「疑いではなく、確かに重大な間違いが出現していた」と騒ぎ出した。環球時報は特に、台北を「首都」と表記したMBCとKBS1の問題が非常に大きいとしている。

 環球時報は「KBS1は明らかにIOCが中華台北と呼んでいることを知っている。中華台北と呼ばなければならないことを知ってる状況で、『首都台北』と字幕を出すとは常軌を逸している」と主張している。

 環球時報のサイト掲示板には、「これは間違いではなく、故意だ。韓国人は中国を分裂させることはできない」「こんな韓国メディアに制裁を加えるべきではないか。世界中でもっとも反中なのは韓国メディアだ」「人民解放軍を台湾に駐留させさえすれば、ほかの雑音は問題ない」といった過激な書き込みが殺到している。 (五輪速報班)

【私の論評】大陸中国が平昌の「台湾」に神経をとがらす理由(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事で、米国の韓国文化研究者のSNS上での書き込みで、「韓国のテレビ局はチャイニーズ・タイペイ(中華台北)とアナウンスしたが、画面上のハングルの字幕は台湾としていた」とありますが、実際にはどうだったのか調べてみると、SBSの放送内容の画面で確かに「台湾」と表記している画像がみつかりました。それが下の画像です。


この画像をみると、確かに「台湾」と赤字で表記されています。株式会社SBS(エスビーエス)は、韓国のソウル首都圏を放送エリアとするテレビ・ラジオ兼営の放送局です。純粋な民間放送局「ソウル放送」として1990年に設立、2000年に現社名に変更しました。本社をソウル特別市陽川区に置いています。

次に、KBS1の画像で、これでは台北を「首都」と表記しています。これでは、「チャイニーズタイペイ」とハングル語の表記の下に確かに、ハングル語で「首都:台北」と表記があります。


韓国放送公社(韓国語: 한국방송공사, 英語: Korean Broadcasting System, KBS)は、大韓民国(韓国)の公共放送局である。略称は、2001年以降は韓国放送も併用しています。

KBS1は、ニュース・時事・教養番組中心のチャンネルです。KBS2は、ドラマ・芸能番組中心のチャンネルです。以前存在した東洋放送というTV局と統合した時にできたチャンネルです。

SBSは民法ですが、KBSは公共放送で、日本でいえばNHKのような存在です。これは、単なる間違いではなく、意図的に実施したものと考えられます。

そうして、中国はこの動きにかなり神経を尖らせているようです。なぜこのようにとがらせるかといえば、先日もこのブログに掲載したように、中国としては、尖閣を奪取するよりも、台湾を奪取するほうがより簡単であると考えていたにもかかわらず、最近米国が台湾を戦略的に重視する姿勢をみせたからです。

これに関する記事のリンクを以下に掲載します。
米国が見直す台湾の重み、東アジアの次なる火種に―【私の論評】日本は対中国で台湾と運命共同体(゚д゚)!
ランドール・シュライバー氏
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では米国は、ランドール・シュライバーの国防次官補にするという人事を発表しましたが、このランドール氏は台湾を戦略的に重視する人物です。これは、今後米国が台湾を重視することを示すものです。

そうして、この記事では中国としては、尖閣を奪取するよりも、台湾を奪取するほうがより簡単であると見ていた背景についても解説しました。

それについても、詳細はこの記事をご覧いただくものとして、簡単にまとめると以下のような内容です。

まずは、日本の尖閣諸島は無人島であるとともに、日本の国有地にもなっています。また、日本の海上自衛隊は、海外の評価ではアジア第一であり、中国海軍を凌駕しており、独力で尖閣周辺の中国海軍等を撃退することができます。さらには、日本には同盟国の米軍が駐留しています。

これでは、大陸中国はいくら威勢の良いことを言ったり、尖閣諸島付近に公船や潜水艦を航行させてみても、実際に尖閣諸島を奪取することはなかなかできません。

一方、台湾には、大陸中国出身の人々やその子孫の人々も多く、その中には大陸中国に親和的な人々も多いです。大陸中国はそのような人々を利用して、台湾そのものを大陸中国になびくように台湾内部から誘導することも可能です。実際に勢力的にそれを行っています。

軍事的にみても、中国からみれば劣勢です。さらに、台湾には米軍は駐留していません。

これでは、中国からみてどちらが奪取しやすいと考えられるかといえば、無論台湾です。

ところが、上にも掲載したように、最近米国が台湾を重視する姿勢に転じています。米国が台湾を重視しはじめて、米国の艦船や空母などが、台湾にしばしば寄港することになれば、台湾奪取の試みはうまくいかなくなる可能性が大きくなります。

ましてや、台湾に米軍が駐留することにでもなれば、大陸中国による台湾奪取は不可能に近くなります。実際過去には、台湾にはアメリカ台湾協防司令部(1955-1979)が設置され、台湾に米軍が駐留していた時期もあります。

アメリカ台湾協防司令部(1955-1979)のバッジ

このように、大陸中国の台湾奪取への試みが後退するかもしれないまさにそのときに、韓国メディアにより「首都台北」「台湾」などの字幕が掲載されたわけですから、猛反発しているわけです。

先日このブログでは、東京五輪で、台湾の選手を「台湾」「TAIWAN」の名前で参加させよ、との運動が、台湾と日本で行われていることを掲載したばかりです。その記事のリンクを以下に掲載します。
なぜ「台湾」での東京五輪出場にこだわるのか―【私の論評】東京五輪には過去と同じく台湾は台湾として出場すべき(゚д゚)!
台湾の国旗「青天白日満地紅旗」
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では以下のように締めくくりました。
五輪の政治利用というと、顔をしかめてしまう人いるかもしれませんが、大陸中国は今から東京オリンピックを最大限に政治利用して、台湾は大陸中国に属することを最大限にアピールするものと考えられます。 
その腰を折って、東京五輪に台湾を台湾として参加してもらうようにして、開会式の旗も1964年の東京オリンピックのときのように、「青天白日満地紅旗」を用いてもらうことには大きな政治的な意義があると思います。 
これに対して大陸中国が不満を抱き、東京五輪に参加しないということにでもなれば、ますます国際的に台湾が独立国であることをアピールできます。 
是非とも、そのような方向にもっていくべきと私は思います。
もし、来る東京オリンピックで、台湾の選手らが「 青天白日満地紅旗」を掲げて開会式に入場することになれば、大陸中国の反発は凄まじいものになると思います。

しかし、そうなれば、大陸中国の海洋進出には、日米台が断固反対していることを大陸中国と全世界に鮮烈な形で示すことになります。

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2018年2月10日土曜日

【社説】わずか5分で退席したペンス米副大統領の警告=韓国(中央日報)―【私の論評】すっかり外交音痴が暴露された文在寅は訪朝すれば完璧に日米から見放される(゚д゚)!


ペンス副大統領
懸念していたことが起きた。それも最も輝くべき平昌(ピョンチャン)オリンピック(五輪)開会式の直前にだ。韓米同盟の隙間を見せる事件が昨日晩、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が海外貴賓を対象に主催したレセプション行事で発生した。ペンス米副大統領は文大統領の歓迎行事に現れなかったうえ、レセプション場にも遅く到着した。続いて文大統領との記念写真を別の空間で行い、やむを得ず入ったレセプション場をわずか5分で出ていった。メインテーブルに用意された自分の席には座ることもなく、金永南(キム・ヨンナム)北朝鮮最高人民会議常任委員長とあいさつも交わさなかった。韓国政府が期待した朝米の「接触」は実現しなかった。

ペンス副大統領は訪韓前から「北朝鮮が五輪のメッセージを乗っ取ろうとしている(hijack)」と懸念を表していた。北朝鮮が非核化に誠意を見せず「微笑攻勢(a charm offensive)」を展開する偽装平和ショーをするという指摘だった。今回の訪韓には北朝鮮の拷問で亡くなったオットー・ワームビアさんの父を同行させ、強硬な対北朝鮮基調を維持した。昨日の開会式出席直前の日程も韓国哨戒艦「天安」展示館の訪問および脱北者との面談であり、北朝鮮の好戦性と極悪性を浮き彫りにすることに注力した。脱北者に会った席ではトランプ米大統領が北朝鮮を「監獄国家(prison state)」と述べたと紹介し、「北朝鮮は自国民を収監し、拷問し、飢えさせる残忍な政権」と伝えた。

問題はペンス副大統領がわずか5分で退席するほど激しい反応を見せた点だ。「米国は北朝鮮と対話しない」という立場表明と同時に韓国に対しても強い警告を送ったと読み取ることができる。まだ北朝鮮から非核化に関するいかなる話も聞いていない状態だ。なのに「白頭血統」金与正氏との会談を準備するなど、韓国政府が過度に南北対話にこだわっているという不満とみられる。朝米の接触を意図的に演出しようとした韓国政府に対する不快感でもある。南北の和解と対話、さらに北朝鮮の非核化は、韓米が確実な協力の中で推進する場合に限り動力を得る。ペンス副大統領の警告を重く受け止める必要がある。

【私の論評】すっかり外交音痴が暴露された文在寅は訪朝すれば完璧に日米から見放される(゚д゚)!

ペンス副大統領は当初、北朝鮮代表団と動線が重ならないようにしてほしいと韓国政府に要請しており、このレセプションでも金永南氏と同じテーブルに就くことはできないとの意向を事前に伝えていました。

これは、先日もこのブログに掲載したばかりです。その記事のリンクを以下に掲載します。
[平昌五輪]韓国政府「万景峰号に食事や燃料、電気を提供」―【私の論評】この件で日米は文在寅にさらに圧力をかけやすくなった(゚д゚)!
02年、釜山アジア大会の応援団を乗せて釜山の多大浦港に入港する万景峰92
(資料写真)=(聯合ニュース)
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、ペンス副大統領に関する部分のみ以下に引用します。
米国のペンス副大統領は2日(現地時間)「(北朝鮮に対する)戦略的忍耐の時代は終わったという簡単で明瞭なメッセージを伝えるため(平昌)オリンピックに行く」と発言したました。ペンス副大統領は平昌冬季オリンピックの開会式に米国選手団幹部らを率いて出席します。 
ペンス副大統領は米ペンシルベニア州ピッツバーグで行った演説で「新しくなった米国の力で米国政府は北朝鮮を以前になかったほど孤立させるという真の成果を出しつつある」とした上で、上記のように述べました。ペンス副大統領は「北朝鮮が弾道ミサイル実験を続けて米国を脅迫する時、われわれはあらゆるオプションがテーブルにある事実を明確にするだろう」とも明言しました。 
一方でペンス副大統領は韓国大統領府に対し、オリンピック開会式前後のさまざまな行事で北朝鮮関係者と鉢合わせしないよう特別な配慮を求めたといいます。北朝鮮との対話には一切応じない考えを明確にするためです。
ペンス米副大統領は6~10日、日本と韓国を訪問します。韓国では平昌冬季五輪の開会式に出席。北朝鮮が五輪参加を機に韓国に融和攻勢を仕掛ける中、安倍晋三首相や韓国の文在寅大統領と会談し、北朝鮮に核放棄を迫る圧力路線で3カ国の結束を誇示する構えです。
米国は五輪参加を巡る南北対話を歓迎しながらも、北朝鮮が米韓同盟の分断を図るのを警戒。国務省の報道担当者は「南北関係の改善は北朝鮮の核問題解決と切り離して進めることはできない」と強調しており、融和姿勢の文氏に制裁緩和に走らないようくぎを刺す狙いもあります。
9日の開会式に出席する米側の代表団はペンス氏のほか、在韓国連軍司令官と在韓米軍司令官を兼ねる現職のブルックス氏など。代表団に軍人を加え、米国のプレゼンスを国際社会に示す狙いがあるとみられます。
韓国政府関係者は「出席してくださればうれしいという話は伝えていたが、ペンス副大統領は出席しなかった」と言っています。このため、米朝対話を進めてきた韓国政府の構想に支障が出ることも避けられなくなりました。

これに先立ち、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の実妹・金与正(キム・ヨジョン)同党中央委員会第1副部長や金永南氏ら北朝鮮の高位級代表団は同日、金正恩委員長の専用機で訪韓し、平昌五輪開会式に出席など2泊3日の日程に入りました。

金与正氏は開会式で文大統領と握手し、10日には大統領府で他の北朝鮮首脳とともに文大統領と昼食を共にしました。

韓国大統領府で文在寅大統領(左端)との会談に臨む
北朝鮮の金与正・朝鮮労働党第1副部長(右手前)ら
韓国大統領府によると、この日の首脳級会談で北朝鮮側は金正恩氏の親書を手渡し、文氏の早期訪朝を要請。南北首脳会談を呼びかけました。

会談は昼食を含め約2時間50分行われました。大統領府によれば、金正恩氏は親書で南北関係改善への意思を表明。文氏は訪朝招請に対し「今後、条件を整え実現するようにしよう」と述べる一方、北朝鮮側に「南北関係の発展には早期の米朝対話が必要だ」と伝えました。

会談では朝鮮半島の平和と和解の雰囲気を維持し、南北の対話や協力を活性化していくことで一致しました。南北首脳会談が実現すれば2007年以来で3回目。金正恩体制下では初めてとなります。

一方、大統領府関係者によれば、会談では南北双方ともに核問題について言及はなかったといいます。

金永南氏は北朝鮮の序列2位で憲法上、国家元首の役割を担う。金日成主席の直系親族の訪韓は金与正氏が初めてで、朝鮮戦争(1950~53年)以後に訪韓した者の中では、最高クラスの人物。文政権は五輪開会式に続き、2人を「首脳級」として招きました。

文氏は金与正、金永南両氏の訪韓をはじめ五輪への北朝鮮の参加を、核・ミサイル問題の解決に向けた南北対話の契機にしたいと考えています。

北朝鮮の核・ミサイル開発への懸念が強まるなか、文氏の訪朝に米国が難色を示すのは必至です。にもかかわらず、金正恩氏からの訪朝要請を機に、文在寅政権が南北対話を本格させる可能性も否定できません。
文在寅は、外交の重みを全く理解していないようですが、それを本人自身が告白しています。
文大統領「国政で外交の比重がこれだけ高いとは知らなかった」  Chosun Online
  文在寅(ムン・ジェイン)大統領は7日、「以前は外交が国政に占める比重がこれだけ高いとは知らなかった。平昌冬季五輪が行われる最近になって外交が本当に重要であることに気付いた」と語った。文大統領は同日、大統領府で新任大使9人に信任状を授与し、「平昌五輪の成功が第一の課題だが、その後も外交的成果を続けてこそ初めて、我々の未来が開かれる」と言った。文大統領はまた、カナダのジュリー・ペイエット総督、リトアニアのダリア・グリバウスカイテ大統領とそれぞれ首脳会談を行った。
イ・ミンソク記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
それにしても、文在寅の外交は、事実上完璧に破綻しています。この様子だと文在寅は北朝鮮を訪問するかもしれません。それこそ北朝鮮の思う壺です。

この有様では、私がこのブログに以前から主張していたように、日米の対北朝鮮対応については、韓国は蚊帳の外に置かれることになるでしょう。

たとえ、米国が北を軍事攻撃することになったとしても、韓国に事前に伝えることはないでしょう。もし、伝えれば、その情報がすぐに北に伝わりかねないからです。

それに限らず、半島有事の際の在韓米国人、在韓邦人の救出などの情報も韓国側には伝えることはできなくなりました。下手に伝えると、北朝鮮側に利用され、「人間の楯」にされかねません。計画段階から、実施状況まで完璧に知らせることはできません。

この状況をみると、以前私がこのブログで主張したように、米国は北有事が現実のものとなり、米国が北を軍事攻撃した後には、半島全体の新秩序を樹立する方向に進まざるを得なくなるかもしれません。
【日韓合意検証発表】交渉過程の一方的公表を韓国メディアも批判「国際社会の信頼低下」―【私の論評】北だけでなく朝鮮半島全体に新レジームが樹立されるかもしれない(゚д゚)!
韓国のテレビで放送された、北崩壊後の韓国も含めた複数国家での分割統治の予想図
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、このブログでは、「北の後には、韓国を何とかしなければならないという機運は、日米中露の間で高まるのは間違いないものと思います。ただし、これはすぐにということではなく、北朝鮮崩壊後数年から10年後ということになるかもれしない」ことを予想してみました。

結局、北が崩壊するか、制裁に屈服するかして、北の運命が定まった後には、半島全体の新たなレジームづくりの機運が日米中露の間で高まり、その方向に進むことになるかもれしないことを主張しました。

もし、文在寅が北朝鮮訪問ということになれば、当然のことながら日米からは蚊帳の外に置かれるようになり、北崩壊の後には、朝鮮半島全体の運命が、韓国などおかまいなしに日米中露で定められるようになるかもしれません。

最近の韓国の動きを見ていると、このようになってもおかしくはないと益々思うようになりました。もし、北が崩壊して、韓国をそのままにしておけば、北の残党などと結びつき、とんでもない方向に走ることが懸念されます。

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2018年2月9日金曜日

なぜ「台湾」での東京五輪出場にこだわるのか―【私の論評】東京五輪には過去と同じく台湾は台湾として出場すべき(゚д゚)!

なぜ「台湾」での東京五輪出場にこだわるのか

古くて新しい呼称問題に日台有志が動き出す

2017年8月、2020年東京五輪での呼称を「中華台北」ではなく
「台湾」とするよう訴える人たちが台北で記者会見を開いた
2月9日に韓国・平昌(ピョンチャン)冬季五輪が開幕する。その次の五輪、すなわち2020年の東京五輪に焦点を合わせた、ある運動が日本と台湾で繰り広げられている。東京五輪で、台湾の選手を「台湾」「TAIWAN」の名前で参加させよ、との運動だ。

五輪やアジア大会などスポーツの国際大会で、一見、どこの国かと思えるような呼称で参加している国がある。それが台湾だ。彼らの参加名称は「チャイニーズタイペイ」(中華台北)。台湾でもなく、中国でもない。これには参加する台湾人自身も違和感を抱いているのは間違いない。

「台湾人は台湾人」という意識が運動に

台湾という名称を使う運動、「台湾正名運動」を台湾でリードする弁護士の何朝棟氏は、「台湾初の政権交代となった2000年以降、それまでの中華民国から『台湾人は台湾人』という意識が広がっている。国際スポーツにも台湾の名で参加しようという声も同時に高まっている」と説明する。

2017年8月に台湾・台北で行われたユニバーシアード夏季大会の開会式。
台湾選手団は中華台北(チャイニーズタイペイ)の旗とともに入場した
台湾の呼称については、古くからの問題だ。「チャイニーズタイペイ」という呼称は、1970年から使用されている。日本では現在、公式の場では「チャイニーズタイペイ」を使うが、それ以外では「台湾」を使うことのほうが多い。2013年に東京で開催されたワールドベースボールクラシック大会で、日台双方が白熱した試合を繰り広げたことは記憶に新しい。このときもメディアやファンなどは「台湾」と呼んだが、公式には「チャイニーズタイペイ」を使っていた。

実は、台湾は1964年の東京五輪には「台湾 中華民国(ROC, Republic of China)」名義で参加した事実がある。国共内戦の結果1949年に中国共産党により中華人民共和国が成立したものの、台湾に逃れた中国国民党の中華民国のほうが国際的な地位は上だった。1950年代に大陸・台湾双方に五輪委員会が設置されたが、1956年メルボルン大会、1964年東京大会には、台湾側が国旗としている「青天白日満地紅旗」を掲げて参加することに抗議して大陸側は参加しなかった。

台湾の国旗「青天白日満地紅旗」
1971年の国連総会で「中国の唯一の合法的代表は中華人民共和国」との決議が採択されたことで、中華民国=台湾は国連を脱退。以降、急速に台湾の国際的地位が低下する。さらに米国、日本と中国との国交が樹立されたが、これは中華民国との国交断絶をも意味した。スポーツ競技でも、この2つの中国をめぐる問題はくすぶり続けた。1976年のモントリオール大会では、中華民国という呼称を使う限り台湾からの選手団は受け入れられないと開催国のカナダから拒否された。

「中華台北」を受け入れがたい台湾の国民意識

1979年の国際オリンピック委員会(IOC)総会で、台湾の五輪委員会は「Chinese Taipei Olympic Committee」という名称で五輪参加を許されるようになった。とはいえ、「Chinese Taipei」を「中華台北」とするか「中国台北」とするかという問題で中国・台湾双方がもめ続けた。結局1989年に中台が「中華台北」とすることで合意し、中台間のスポーツ交流も徐々に広がっていくことになった。

東京五輪に「台湾」として出場することを目指す人々の日本での活動。
「YES! TAIWAN」「NO! CHINESE TAIPEI」と訴えている
とはいえ、「そのような経緯があっても、今の台湾人には中華台北という呼称は受け入れがたいものがある」と何朝棟氏は話す。1987年に台湾で戒厳令が解除され、民主化が始まって以降、「台湾意識」が国民の間に浸透した。大陸から来た中国人ではなく、台湾で生まれ育った「台湾人」が国民の多くを占めるようになり、「台湾アイデンティティ」も広く浸透している。

一方で、政治的にも経済的にも力をつけた中国は「1つの中国」を掲げ、台湾の存在を認めないように圧力をかけ続ける。香港も1997年の返還以降、すっかり中国の影響を受け、「民主化」運動も鎮圧されるようになった。民主国家となった台湾は中国でもなく、中華民国でもない。台湾は台湾なのに世界では少しも認められないという不満も、この運動が支持される背景にある。

2000年に民主進歩党(民進党)の陳水扁政権となって以降、「台湾」が「台湾」として存在できる空間を広げる運動はいくつか繰り広げられた。たとえば、「台湾」名義で国連に単独加盟する運動が代表例だ。当時の陳総統は「チャイニーズタイペイとは、奇妙な名称だ」と述べ、五輪や国際機関への参加に関し「不公平な待遇」と不満を述べたこともある。それが台湾正名運動へとつながっているのだ。

だが、陳水扁政権を引き継いだ中国国民党の馬英九政権は、「チャイニーズタイペイは国際社会で台湾が受け入れられる現実的で適切な名称」とし、台湾への改称に力を入れることはなかった。現在の蔡英文政権(民進党)は、台湾アイデンティティに理解を示しながらも、台湾への改称に表立った動きを見せてはいない。

親密度の高まりが台湾の呼称を考える契機に
何朝棟氏などこの運動に参加している人たちは、日台双方の街頭で署名活動などを行っている。日本は2011年の東日本大震災で台湾から多額の義援金を送られたことを契機に、台湾への関心と親密度が一気に高まった。現在、日台間を多くの観光客が行き来し、日本人は台湾に、台湾人は日本に対する好感度がますます高まっている。その中で「チャイニーズタイペイ」という呼称に違和感を抱く日本人も少なくはないと思われる。

東京五輪に「台湾」として出場することはかなうのか。マイクを
握るのは「台湾正名運動」をリードする何朝棟氏(記者撮影)
高く厚い中国の壁はある。「チャイニーズタイペイ」という呼称が、台湾の有能なアスリートが活躍できる場を提供しているという現実的側面も無視できない。だが、中台の違いを理解する日本人が、「チャイニーズタイペイを掲げている選手は台湾人なのだ」と考え、より多くの声を上げることも大切なのではないだろうか。次の五輪のホスト国を務める日本にとって、真摯に向き合うことが求められている。

【私の論評】東京五輪には過去と同じく台湾は台湾として出場すべき(゚д゚)!

オリンピックは、昔から政治利用されてきました。ベルリンオリンピックはヒトラーによるナチスドイツの国威発揚に利用されました。そうして今まさに、北朝鮮の金正恩は平昌五輪を政治利用しようとして躍起になっています。

本日は、平昌冬季五輪が開幕しました。韓国大統領府は8日、文在寅大統領(65)が10日に北朝鮮の高官代表団と会談すると発表しました。北朝鮮代表団には金正恩朝鮮労働党委員長の実妹・金与正党第1副部長が含まれるようです。米・韓両国の情報機関が、秘密のベールに覆われた“女帝”の正体を明らかにすべく、現地で動くことになりそうです。

金与正党第1副部長
開会式前日の8日、北朝鮮が平昌五輪をメディアジャックしました。スケート会場などがある江陵で玄松月団長率いる三池淵(サムジヨン)管弦楽団がコンサートを開けば、同地の選手村では美女応援団が急きょ北朝鮮の入村セレモニーに加わり、南北融和ムードを演出しました。

北朝鮮の美女応援団
南北軍事境界線を隔てた平壌では、昨日北朝鮮の軍創建70周年記念の軍事パレードが行われ、金正恩氏が演説。新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」が披露されるなど、その動向は海外メディアの注目を集めました。

このパレードでは新型大陸間弾道ミサイルの火星14、15号は公開されましたが、生中継はしませんでした。外国メディアを規制するなど、昨年に比べれば粛々のパレードとなったのは、米国の顔色を見たからだと考えられます。国内向けの引き締めが狙いだったとみられます。

というより、当初はまさか参加できるとは思わなかった平昌五輪に北が参加できるということで、金正恩は、この僥倖を最大限に活用するため、今回の軍事パレードのトーンを落としたとみられます。

それもそのはずで、北朝鮮は平昌五輪を政治利用し、南北融和の演出に躍起となっています。この日発表された予定では、金永南最高人民会議常任委員長率いる北朝鮮高官代表団は、9日午後に平壌からソウルに専用機で来韓。同日夜の五輪開会式出席のほか、翌10日に文大統領とランチ会談を行い、11日に北朝鮮に戻る日程となっています。

韓国入りした金永南最高人民会議常任委員長
サプライズとなったのは、7日に突如韓国側に伝えられた金正恩氏の妹・与正氏の参加です。金正日総書記と在日朝鮮人だった高英姫夫人の間に生まれ、幼少時に正恩氏とともにスイス留学していたとみられるますが、詳細な経歴は不明です。正日氏が亡くなった後から姿を見せ始め、正恩氏のサポート役に徹していましたが、昨年に党政治局員候補に抜てきされて以降、急速に力を強めています。

与正氏は、金正恩からの信頼が厚く、いまや事実上の右腕ともいえます。結婚していて、今年出産するのではないかとの情報があります。正恩氏の身に何かあれば、与正氏が後継者になるのではといわれているほどで、名目上のナンバー2といわれる金永南氏よりも格上になるといいます。

与正氏については、人権侵害の恐れがあるとして米政府が独自の制裁対象に指定するなど、本来なら韓国に入国できないはずですが、韓国政府はもろ手を挙げて歓迎しています。しかし、米や韓国の情報機関が、正恩氏と血縁関係にあり、将来の女帝になるかもしれない人物をタダで帰すワケにはいかないです。

与正氏は1987年ごろ生まれとされるますが、年齢も定かでないように、とにかく情報がないです。そもそも本当に正恩氏の実妹かどうかも確たる証拠がないです。今回の訪韓で、指紋や毛髪、DNAなど取れる情報を根こそぎ集めるのは間違いないでしょう。

正恩氏は外出した際、排せつ物から健康状態などの情報がとられるのを警戒し、自前のトイレを用意するほどだといいますが、与正氏もトップシークレットとして、特別待遇となるのでしょうか。

一方で、不測の事態も懸念されます。韓国国内ではアイスホッケー女子の南北合同チームの結成や三池淵管弦楽団のコンサートなど、文政権の弱腰・親北姿勢に反対する勢力が連日、デモ活動を繰り広げています。8日も江陵の公演会場近くで保守団体が抗議集会を開き、警官隊と小競り合いとなる事態も起きました。

もし、与正氏の身に危険が及び、暗殺されるようなことがあれば、南北融和どころか、南北開戦に陥りかねない危機を迎えます。韓国、北朝鮮両政府は与正氏ら北朝鮮代表団を最重要警護対象として、2泊3日の滞在中は鉄壁のガードを敷くのは必至。情報機関やメディアはそのスキを縫って、一挙手一投足を追うことになりそうです。

少し長くなってしまいましたが、このように北の平昌五輪の政治利用は凄まじいものがあります。これだけ、躍起になるのはやはり平昌五輪の政治利用はそれだけ効果が見込めるからです。

ただし、北の工作に対して、日米は安倍総理ペンス副大統領が文在寅と会談して、厳しく北の工作に安易にのらないように因果を含めたようです。

韓国で会談する安倍晋三首相と文在寅大統領
さて、北の平昌五輪政治利用について、長々と掲載しましたが、五輪ではこのような政治利用はつきものということがおわかりになったものと思います。

台湾は、平昌五輪に4人の選手を送り込んでいます。台湾からは、リュージュ、スピードスケートの2競技で合わせて4人の選手が出場しています。代表団はコーチなど関係者を含めて合計13人です。

参加するのは、リュージュ男子の連徳安・選手、スピードスケート男子の宋青陽・選手、戴瑋麟・選手、女子の黄郁婷・選手。

連徳安・選手
連・選手のオリンピック出場は2度目です。連・選手は今回、代表団の旗手も務めるとのことで、開会式では中華オリンピック委員会の旗 (チャイニーズタイペイの旗)を大きく振って、みなに台湾の代表団の元気をアピールすると話していました。
中華オリンピック委員会の旗 (チャイニーズタイペイの旗)
連徳安選手は、6日深夜に震度7の大地震が発生した台湾東部・宜蘭の出身です。多くの住民が死傷した南隣の街、花蓮には母が住んでいます。大舞台での試合を前に「自分の姿が、少しでも被災者が困難を乗り越える力になればうれしい」と古里への思いを語りました。

台湾選手団、頑張って良い成績を収めていただきたいものです。さて、平昌の次は2020年の東京オリンピックです。

さて、台湾の蔡英文総統やそれを支援する若者等は、日本でいえばかなりのリベラルで、少数民族の権利擁護、LGBT権利擁護、脱原発、捕鯨反対ですから、日本や米国の保守層には、馴染めない部分もあるかもしれません。

しかし、台湾は大陸中国から比較すれば、民主化、政治と経済の分離(大陸中国は、政治と経済が不可分)、法治国家化がかなり進んでおり、その点では、日本と台湾はかなり理解しあえる間柄であると思います。

大陸中国に関しては、日本や台湾などとは全く異なる異形の世界と言っても良いような国であり、彼らと台湾、彼らと日本などが価値を共有したり、理解しあったり、コミュニケーションをはかることすら困難です。

しかし、昨日もこのブログで述べたように、日本と台湾は、地震があったときなど互いに助け合うことも重要ですが、それとともに対中国ということでは、ソフト的(経済・民主主義・政治と経済の分離・法治国家等の体制)にもハード的(軍事・安全保障等)にも運命共同体ということがいえると思います。

五輪の政治利用というと、顔をしかめてしまう人いるかもしれませんが、大陸中国は今から東京オリンピックを最大限に政治利用して、台湾は大陸中国に属することを最大限にアピールするものと考えられます。

その腰を折って、東京五輪に台湾を台湾として参加してもらうようにして、開会式の旗も1964年の東京オリンピックのときのように、「青天白日満地紅旗」を用いてもらうことには大きな政治的な意義があると思います。

これに対して大陸中国が不満を抱き、東京五輪に参加しないということにでもなれば、ますます国際的に台湾が独立国であることをアピールできます。

是非とも、そのような方向にもっていくべきと私は思います。

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2018年2月8日木曜日

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蔡英文総統、安倍首相からのお見舞いに感謝 日本の専門家は現地入り/台湾

蔡英文総統のツイッターと、安倍総理のフェイスブックに掲載された色紙、「加油」とは
日本語では「頑張れ」という意味

(台北 8日 中央社)東部・花蓮県で発生した地震被害に対し、安倍晋三首相からお見舞いのメッセージが送られたのを受け、蔡英文総統は8日、ツイッターで「安倍首相からのお見舞いは、まさかの時の友は真の友、まさにその通りです。このような困難な時の人道救助は正に台日双方の友情と価値観を体現するものだと思います」と感謝を示した。

行方不明者の捜索、救助を支援するため、日本政府から派遣された専門家7人は同日午後、現地に到着。外交部の李憲章報道官によれば、専門家チームは旧来の装置より深い範囲まで検知できる高性能の人命探査装置2台を現地に持ち込み、機材の使用を指導、支援する。事情を知る関係者によると、台湾には同様の機材がないため、政府が日本側に協力を要請したという。

蔡総統は専門家と機材の派遣に触れ、「これにより、更に多くの被災者の救出に繋がることを望みます」と期待を寄せた。

安倍首相は同午前に蔡総統にお見舞いのメッセージを送ったのに加え、同午後には「台湾加油」(台湾頑張れ)と励ましの言葉を毛筆で書く様子を写した映像を自身のフェイスブックに投稿。色紙を手に「この困難な時、私たち日本人は古くからの友人である台湾の皆さんと共にあります。日本として、全力を挙げて支援して参ります」とエールを送った。

李報道官によれば、地震発生から同午前10時までに、計24カ国と欧州連合(EU)からお見舞いの言葉が寄せられたという。

【私の論評】台湾と日本はソフト的にもハード的にも運命共同体(゚д゚)!

まずは、台湾花蓮県で発生した大きな地震により、亡くなられた方々への御冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた皆様に、心からのお見舞いを申し上げます。

安倍総理の、フェイスブックに掲載された台湾に対するお見舞いメッセージを以下に掲載します。


蔡英文相当のTweetにあった、専門家チームに関する動画を以下に掲載します。



日本の東日本大震災発生時には、台湾は世界のどの国よりも多額の200億円を超える義援金を贈ってくれた大切な日本の友人です。この友人に私たちは、恩返しをしなければなりません。

台湾は、韓国などとは異なり、東アジアにおいては日本以外では唯一のまともな民主主義国家であるといえると思います。この友人に対して、安倍総理の素早い反応は素晴らしいです。

それにしても、今回の台湾の地震に関するマスコミの報道量は、極端に少ないです。安倍総理の御見舞のメッセージなど、いずれのマスコミも報道していなかったのではないかと思います。

隣国が大変なときに、平昌五輪、貴乃花とか北朝鮮美女軍団等いわば、どうでも良いニュースを長々とやる暇があったら、もう少し台湾の報道をすべきです。

今回の地震では、日本人に被害も出ていますし、仕事や観光で渡航してる日本人の家族や会社など、今回の地震については情報が欲しいはずです。

セゥオル号の時は、日本人は誰一人乗っていなかったにもかかわらず、NHKなど2週間連続トップニュースでした。あのときは、ニュースを見ていて、この放送局はいったどこの国の放送局なのかと訝しく思ったものです。

この違いは一体何なのでしょうか。やはり、韓国は反日的な人が多いし、そももそも現政権は反日的であること、一方台湾には親日的な人が多いということ、特に現政権が親日的であるということでしょうか。大きな違いといえば、そういうことしかないと思います。

このような反日国の報道は十分にして、親日国の報道はなおざりにするマスコミの姿勢に操作されてはならないと思います。

台湾というと、最近米国が台湾の重要性について見直しをしています。それについては、このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
米国が見直す台湾の重み、東アジアの次なる火種に―【私の論評】日本は対中国で台湾と運命共同体(゚д゚)!
台湾・台北の街並み
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、台湾が北の脅威の後東アジアの次なる火種になる可能性がかなり高いことを掲載しました。

中国は、尖閣の前に台湾を奪取する行動に出るかもしれません。その兆候はいたるところにでています。尖閣諸島は奪取しやいすいようにも見えますが、尖閣諸島は無人島ですし、元々日本が領有する島であり、今は日本の国有地でもあります。

さらに、その日本は海軍力がかなり強いですし、米軍も駐留しています。しかし、台湾は海軍力は日本に比較すれば弱いですし、米軍も駐留していません。

さらに、台湾には、もともと大陸中国から移り住んだ人や、その人たちの子孫も多く、大陸中国に親和的な人も多いです。この人たちを利用して、大陸中国は台湾を内部から切り崩して、台湾を奪取するために利用することができます。

親日的な蔡英文台湾総統
だとすれば、中国からすれば台湾のほうが、尖閣諸島を奪取するよりも、容易かもしれません。

いずれにしても、中国は、台湾も尖閣もチャンスがあれば、奪取しようと虎視眈々と狙っているわけです。

こういうことを考えると、日本と台湾は、地震があったときなど互いに助け合うことも重要ですが、それとともに対中国ということでは、ソフト的(経済・民主主義・政治と経済の分離・法治国家等の体制)にもハード的(軍事・安全保障等)にも運命共同体ということがいえると思います。

このようなことから、日本のマスコミなどは本来は、台湾の報道をもっとしてしかるべきなのです。

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2018年2月7日水曜日

【米国:意見】トランプ政権1年目を考える:退役軍人であり、アフリカ系アメリカ人であり、母親として―【私の論評】トランプ大統領を色眼鏡ではなく等身大で見るべき(゚д゚)!

【米国:意見】トランプ政権1年目を考える:退役軍人であり、アフリカ系アメリカ人であり、母親として

Fox News by Kathy Barnette 2018/01/20】

キャシー・バーネット 写真はブロク管理人挿入 以下同じ
2018年1月20日でトランプ大統領就任一年を迎えました。アメリカの政治において他に類を見なかったこの365日間を振り返ってみました。

2017年1月20日にトランプ大統領が就任の宣誓をしてから多くの事が変わりました。しかし一つだけ絶えず続いている事があります。それは左派、多くの民主党支持者、マスコミ関係者、そして一部の共和党支持者だと称する人々から大統領に向けられる、大統領に対する怒りと誹謗中傷です。未だかつて、これほどに人格攻撃と非難を受けた大統領は殆どいません。

トランプ大統領は、「無能」「人種差別主義者」「精神疾患持ち」「ボケている」「汚職政治家」だと批難を受けました。ロシアと共謀をして選挙に勝利した疑いで捜査が行われていますが、この捜査も長引き終わりが見えないのです。

彼に対する反対はあまりにも病的で、ライター兼コメディアンのジェン・スタッツキー(「Late Night with Jimmy Fallon」「Parks and Recreation」「Broad City」の番組のライター)は「トランプを支持している人は、子供を取り上げられるべき」などとツイートをした位です。


トランプ政権が発足してから1年が経ちました。私は、この国を率いるためにアメリカ国民によって選ばれた彼を支持する事についてよく考えてみました。 黒人女性として、母親として、退役軍人として彼を支持し続ける事は果たして正しい事なのだろうか。批判している人たちが言っているほど彼は果たして酷くて極悪な人なのだろうか。彼のアイディアはいい加減で危険なのか。私が愛するこの国を傷つけているのか。

彼を支持する事によって私について何かいわれるだろうか。これ程嫌われている人を支持する事によって自分の誠実さと信条を曲げる事になるのでしょうか。トランプ支持でありながら良い人間でいる事が可能なのでしょうか。

トランプ大統領のツイートだけではなく政策を吟味したところ、私は大統領を支持しながらも自分の人生を誠実に生きる事が出来ると確信しました。

その理由を教えましょう。

まず黒人女性として、黒人コミュニティにおけるトランプ大統領の貢献はおおむねポジティブなものだと思っています。
2016年にドナルド・トランプ氏に投票した人々同様に、私は彼の選挙集会に何回も出席をしました。これほどに温かく迎えられた事は、今までありませんでした。その晩の間、私の子供たちは親代わりの人、叔父、叔母、従兄弟が出来たかのようで、アメリカ人として誇りと激昂に包まれていました。

これらの個人的な逸話以上に、トランプ大統領が黒人コミュニティに及ぼした影響を示す確実なものがあります。昨年12月の黒人失業率は6.8%に落ちました。これは過去45年間のうち、最も低い数値で、1%も減少しました。つまり、黒人の雇用がおよそ48万件増えたということです。これはただの数値の話以上に、これにより人生が変わった人々の話なのです。

更に、黒人と白人の失業率の差(黒人の失業率と白人の失業率を引いた数字)が3.1%に縮まり、記録上最小となりました。黒人の失業率が白人の失業率と同じになって欲しいかといえば、もちろんそうです。オバマ大統領もそのように望んでいたと思います。ですが、トランプ大統領の元で私たちは正しい方向に進んでいて、人種間の失業率の格差がなくなる事を願っています。

それに加えてトランプ大統領が署名した減税についての政策は、企業によるアメリカへの投資、雇用促進、賃金の上昇を目的としています。それによって、株価は上昇し、100以上もの企業がトランプ政権による減税と大幅な規制緩和によってボーナスや手当を支給する事が出来ました。

これら全ては皆のためになる強い経済へと結びついています。昔から伝わる名言には、「雇用主なくして雇用される側はなし」と「満ちてくる潮は全ての船を浮かび上がらせる」というのがあります。

次に、退役軍人としてトランプ大統領の退役軍人における貢献がポジティブなものだと思っています。

この国では退役軍人が2000万人以上います。非常に残念なこと、一日平均22人の退役軍人が自ら命を絶っています。退役軍人として、この酷い数字は心が痛むものです。健康保険や税の改革では駆け引きが行われてきたものの、VA(退役軍人省)の意見は妨害されませんでした。

退役軍人長官のデービット・シュルキンは、重要な事柄を前進させ、政党間の意見の違いを乗り超える事に成功しました。退役軍人は今までよりも迅速に手当を受け取っています。障害給付金を受け取るのに125日以上待っている退役軍人は611,000人から86,000人に減りました。

復員軍人援護法はほぼ永久的になり、これにより退役軍人はタイミングによる制限を受ける事なく、政府からの支援を受けながら教育を受ける事が出来るようになりました。

更に、トランプ大統領の元で成立された新しい法律によれば、退役軍人省の従業員で成績不振と不始末によって退役軍人の待遇を損ねた場合に解雇する事が可能になりました。退役軍人省はまだ問題がありますが、著しい進歩を遂げているのが目に見えます。これらの政策は良いものであり、決断力に満ちたリーダーシップを反映しています。

最後に、母親としてトランプ大統領の貢献が私の子供たちにとって有意義なものになったと思っています。

安全保障は、夜寝る前に全てのドアの鍵をかけるのと同じくらい重要な事だと思っています。誰が私の家に入るのかを知る権利があるように、誰が私の国に入国するのか知る権利があるのは極めて筋が通っていることだと思っています。

トランプ大統領の70項目にわたる移民制度計画を読みました。母親として、他者を死亡させた罪に問われた人が釈放されるという、時代錯誤の制度を撤廃する事の何が反米的なのか理解に苦しみます。

酒酔い運転の前科がある不法滞在者が起こした交通事故によって、唯一の子供を亡くした母親と話した事があります。私は、同じ母親として、子供を一人でも犠牲にする事は出来ません。だからこそ私は、トランプ大統領が複数の酒酔い運転の前科がある不法滞在者の強制送還が出来るよう、強制送還の条件の拡大を支持する事が恥ずかしいとは思っていません。

反社会的集団のメンバーが、移民としての恩恵を受ける事を阻止する事の何が間違っているのでしょうか。なぜ私たちはそれを税金で賄わなければいけないのでしょうか。私は、南方の国境に壁を作るという案も含めて、トランプ大統領が掲げた70項目の全てが合理的で必要な事だと思っています。アメリカを再び安全な国にするための沢山のステップのうちの最初のステップだと思います。

思い出して頂きたいですが、家の外にいる人々が嫌いだからドアに鍵をかけるのではありません。私たちは、家の中の人々を愛するからこそ家の鍵をかけるのです。それすらしないというのは、私たちに託された義務、すなわち家族と国を守る義務を放棄する事になるのです。

これらの事を踏まえて、私はトランプ大統領を支持しつつ、良き人間であり続ける事が出来るという結論に至ったのです。彼は完璧な人間でしょうか?彼の言動やツイートの全てに満足しているのでしょうか?もちろんそうではありません。他の全ての人間同様に、彼にも欠点はあります。

ですが、選挙というのは完璧な人間を選ぶためにあるのではありません。立候補している人々の中で最も適切な人を選ぶためにあるのです。トランプ大統領在任の一年目を振り返って、2016年の大統領候補者のうち、より良い候補者だったという私の確信は揺るぎません。

【私の論評】トランプ大統領を色眼鏡ではなく等身大で見るべき(゚д゚)!

上の記事、数字などのエビデンスも加えて、まともな記事です。この記事は、米国内でもかなり話題になりました。日本のマスコミも、米国のマスコミの受け売りで、「無能」「人種差別主義者」「精神疾患持ち」「ボケている」「汚職政治家」というような報道ばかりを繰り返しているようです。

しかし、これは、日本国内にみられるように「アベ政治を許さない」というスローガンをかかげるリベラル・左翼の主張とあまり変わりありません。

そうして、米国の場合、大手新聞はすべてリベラル・左派、大手テレビ局はフォックスTVを除いてあとはすべてリベラル・左派という状況であるため、日本よりも偏向しているかもしれません。

日本でも、産経新聞などを読まないで、朝日、読売、毎日新聞だけ読み、その他の情報源はテレビだけということになれば、相当偏向するのは容易に想像がつくというものです。

だからこそ、上のFOXニュースの記事は、日本でももっと読まれるべきだと思いましたので、本日掲載させていただきました。

上のニュースでは、経済や黒人の雇用が良くなっていることが掲載されていましたが、退役軍人の待遇がかなり改善されたのいうのは一つの注目点です。移民政策に関しても、オバマ時代には似たようなことをしていても何も言われなかったのが、トランプ大統領になると米マスコミはヒステリックに批判を繰り返すようになりました。

実は、軍人にはトランプ大統領の支持者が多いのです。軍人の中には、ヒラリー夫妻を蛇蝎のごとく嫌う人々も多いです。このようなこともあり、トランプ大統領は、退役軍人の待遇改善を強力に推進したのでしょう。

汚れ放題のヒラリー・クリントンは無視し、トランプの服の
シミを拡大して見ているメディアを風刺する米国の風刺画
1月20日、トランプ政権が誕生してから1年が経過しました。日本ではトランプ氏の過激な言動や「ロシアゲート疑惑」が報じられることが大半で、経済面等はあまり報道されません。大規模なインフラ投資や減税など、選挙中に訴えていた公約がどれほど進行しているのかがよくわからなくなっています。実際のところ、トランプ大統領になってから米国の経済はどのように変化したのでしょうか。

まず「大規模なインフラ投資を行う」という公約については、現時点では計画すらも立てられていません。議会の多数派にインフラ投資の法案を通すように「工作」している兆候も見られません。ちなみに「メキシコとの国境に壁を作る」という誰もが耳を疑った公約は徐々に進んでいて、'17年10月にいくつかの壁の「試作品」が公開されました。

次に「大型減税を行う」としていた点については、一定の成功を収めています。議会は'18年から、35%だった法人税率を21%に引き下げる大型減税法案を可決しました。個人所得税の最高税率も39・6%から37%に下げ、控除額も2倍に増やします。

それが達成されれば、全体の減税規模は10年間で1・5兆ドル、年間円換算で17兆円となります。この減税規模は、過去最大とされた'01~'03年の「ブッシュ減税」を上回るものとなります。

国内の経済状況は比較的良好です。実質経済成長率は3・2%('17年7~9月期)、失業率は4・1%('17年12月)、インフレ率は2・1%となっていますが、1年前にはそれぞれ2・8%、4・7%、1・3%だったので、文句をつけられないほど調子がよいです。

CPI(物価指数)、Civilian Unemployment Rate(失業率)、
10-Yr.Treasury Rate(10年国債金利)、IP(鉱工業指数)、
Payroll Employment(雇用者増加数)
部分的にはオバマ政権の成果とも考えられますが、その好調さを維持してきたトランプ政権の経済運営能力は十分にあるといえます。

今後大型減税が実施されれば、堅調な経済はさらに長く維持される可能性が高いです。仮に連邦準備銀行(FRB)が利上げをしても耐えられるだけの力をつけているでしょう。

株価については、昨年1月20日のニューヨーク・ダウ平均株価は19827・25ドルでしたが、今年1月19日には26071・72ドルと1年間で3割以上も上昇しました。

ただし、ご存知のように、最近株価はかなり落ちましたが、これは健全な調整とみるべきでしょう。これについては、ここで掲載すると長くなるので、以下にこれについて詳しく説明しているサイトの記事のリンクを掲載します。
米国の株価下落は、健全な調整
いずれこの株価の下落もおさまり、一定のところで落ち着くものと思われます。

とはいえ「口は災いの門」のようで、トランプ大統領の支持率は1月18日時点で37%と決して高いとはいえません。それでもトランプ大統領の支持層は強固なため、一定の支持率は維持できています。これはほかの大統領にはなかった特徴です。

トランプ政権は、対外的な評判もあまり良くないです。TPP(環太平洋パートナーシップ協定)やパリ協定からの離脱は明らかにアメリカのエゴを見せつけるもので、世界からの顰蹙を買いました。そのトランプ大統領が、最近ではTPPに復帰する可能性を示唆しています。

アメリカ経済の好調のメリットをもっとも受けるのは日本です。世界から好まれていないトランプ政権ですが、期待したい一面も備えています。

今後国内景気の安定をこのまま継続できれば、トランプ政権はまずまずと言って良く、これから比較的安定した政権となることが十分考えられます。

いずれにしても、米国のリベラル・左派の撒き散らすトランプ批判をそのまま垂れ流す日本のメディアの論調をそのまま信じ込んでしまっては、物事の本質を見誤ってしまうことになります。

無論トランプ大統領も人間ですから、強みも弱みもあります。トランプ大統領を色眼鏡ではなく等身大で見るべきです。そうして、長所に着目すべきです。これは、マネジメントの世界でも同じことがいえますが、人を見るときには、強みに着目すべきなのです。これは、経営者をみるときも、大統領をみるときも同じことです。



ドラッカーは経営者の資質について以下のように語っています。
いかなる教養を有し、マネジメントについていかなる教育を受けていようとも、経営者にとって決定的に重要なものは、教育やスキルではない。真摯さである。(『現代の経営』)
経営者にとってできなければならないことは、そのほとんどが学ぶことができます。しかし、学ぶことのできない資質、後天的に獲得することのできない資質、初めから身につけていなければならない資質があります。才能ではありません。真摯さです。
経営者は人という特殊な資源とともに仕事をします。人は共に働く者に特別の資質を要求します。
経営が本気であることを示す決定打は、人事において断固人格的な真摯さを評価することです。リーダーシップが発揮されるのは人格においてであり、人の範となるのも人格においてだからです。
ドラッカーは、真摯さは習得できないと言います。仕事に就いたときに持っていなければ、あとで身につけることはできないといいます。
ごまかしはききません。一緒に働けば、特に部下には、その人間が真摯であるかどうかは数週間でわかります。
部下たちは、無能、無知、頼りなさ、不作法などほとんどのことを許します。しかし、真摯さの欠如は許しません。そのような人間を選ぶ者を許しません。
人の強みではなく弱みに焦点を合わせる者をマネジメントの地位につけてはならない。人のできることは何も見ず、できないことはすべて知っているという者は、組織の文化を損なう。(『現代の経営』)
トランプ大統領の弱みにばかり、焦点を合わせ米マスコミは、米国文化を損なうことに気づいていないようです。というより、米マスコミは過去数十年にわたり、米国の伝統的文化を破壊してきました。そうして、それが善であるかのように思い込んでいます。

トランプ氏は米国の伝統文化の象徴的存在です。だからこそ、米マスコミはこれを破壊したいのです。だからこそ、徹底した個人攻撃を行うのです。

日本のマスコミのトランプ報道など、大統領選挙のときの失敗報道から反省することもなく、一歩も前に進んでいないとみるべきです。

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2018年2月6日火曜日

[平昌五輪]韓国政府「万景峰号に食事や燃料、電気を提供」―【私の論評】この件で日米は文在寅にさらに圧力をかけやすくなった(゚д゚)!

[平昌五輪]韓国政府「万景峰号に食事や燃料、電気を提供」

 【ソウル聯合ニュース】韓国統一部は6日、平昌冬季五輪(9日開幕)に合わせて五輪開催地である韓国北東部の江原道・江陵とソウルで公演する北朝鮮の芸術団を乗せ、東海(ブログ管理人注:正しくは日本海)岸の墨湖港(江原道東海市)に6日午後到着する予定の貨客船「万景峰92」について、食事や燃料、電気などを提供する予定だと明らかにした。

02年、釜山アジア大会の応援団を乗せて釜山の多大浦港に入港する万景峰92
(資料写真)=(聯合ニュース)
 同部の当局者はこの日、記者団に対し「2002年の釜山アジア大会などの前例に準じて(万景峰92に)便宜を提供する予定だ」と述べた。

 万景峰92はこの日午前に東海(日本海)の南北軍事境界線にあたる北方限界線(NLL)を通過し、午後5時ごろ墨湖港に到着する予定だ。当局者は、この船に公演を行う三池淵管弦楽団の玄松月(ヒョン・ソンウォル)団長率いる同楽団員114人と支援スタッフが乗船していると伝えた。

 芸術団の到着以降の日程については「現地で簡単な歓迎行事がある」とし、「(その後に)通常はリハーサルが予定されているが、細かいことは到着してから南北の連絡官の接触を通じて決めていく考えだ」と述べた。また、万景峰92の帰還日程については「まだ確定しておらず、協議中」だとした。

 万景峰92の韓国入港は、北朝鮮船舶の韓国海域航行を禁じる5・24措置(2010年3月の海軍哨戒艦撃沈事件を受け韓国が同年5月24日に実施した北朝鮮に対する制裁措置)に反するが、韓国政府は平昌五輪を成功させるために例外措置を取ることにした。

 この当局者は万景峰92が米国の独自制裁には該当しないと強調し、「米国側と協議し、制裁対象に当たらないことを再確認した」と述べた。

 北朝鮮芸術団の公演で南北が共演する可能性については「共演は時間的に難しい状況だ」とする一方、「南北が合同で行えるプログラムがあるか協議する余地があるとみている」と述べた。

ynhrm@yna.co.kr

【私の論評】この件で日米は文在寅にさらに圧力をかけやすくなった(゚д゚)!

朝鮮労働党機関紙、労働新聞によると、北朝鮮の芸術団一行は5日に列車で平壌を出発。金正恩(キム・ジョンウン)党委員長の妹、金与正(ヨジョン)党宣伝扇動部副部長らが見送ったそうです。日本海側の元山(ウォンサン)で万景峰92に乗船しました。

北朝鮮は当初、芸術団を陸路で派遣するとしていたのですが、4日夜に突然、万景峰92を使うと通知しました。同船はかつて元山と新潟などを結んでいましたが、北朝鮮のミサイル発射や核実験を受け、日本政府が2006年から入港を禁じています。

韓国統一省当局者は6日、同船に食事や燃料を提供する意向を示ししました。同省は具体的には決まっていないと付け加えました。ブログ冒頭の記事にもある通り、「米国の制裁対象でないことを再確認した」ともいいますが、米側に配慮し、食材を提供しても米国産は除く考えだといいます。

それにしても、米国産を除いたにしても、食糧を提供することには変わりなく、米国産であろうとなかろうと、そもそも食事や燃料、電気を提供すること自体が国連決議違反になります。

そうして、北朝鮮の唐突な要求に押され、自国の制裁に例外を作った事実は残ります。同船の利用を押し通した北朝鮮に対し、韓国紙は「韓国を制裁から離脱させ、韓米間に亀裂を生じさせる意図がある」と指摘しました。

万景峰92は旧来の「万景峰」の役目を引き継ぎ、日朝間を往来、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)関係者らの巨額の献金や金正日一家が使うぜいたく品を運んできました。密輸や不正送金の疑いに加え、船内で朝鮮総連幹部に指令を伝える“工作船”の顔もありました。

万景峰(初代)
初代の万景峰はロシア極東との往来に転用されました。露当局は最近、制裁で禁じられた貨物を積んでいるとして入港を拒否した。タス通信によると、北朝鮮を出港した貨客船「万景峰(初代)」が3日、ロシア極東ウラジオストク港沖で燃料切れとなり、救難信号を出しまました。万景峰は1月31日にウラジオストク港沖に到着しましたが、対北朝鮮制裁で禁止されている貨物を積んでいる疑いがあるとして、入港を拒否され、燃料が尽きた模様です。

万景峰号が韓国に入港する場合、韓国政府が2010年の北朝鮮による哨戒艦「天安」爆沈事件後に宣言した「5・24措置」や、16年に発表した独自の対北朝鮮制裁に違反します。これについて、韓国統一部は「五輪成功のために制裁の例外を適用する」との考えを明らかにしています。


 自国の哨戒艦が撃沈され、乗組員104名のうち46名が行方不明になったという事実があるにもかかわらず、自ら定めた制裁を状況がかわるとすぐに変えてしまうといのでは、この事件で亡くなった軍人の方々の遺族などはどう思うのでしょうか。あまりに情けないではないですか。

仮に、韓国政府が例外を認めても、国連安保理の制裁に違反する可能性があります。安保理決議は、制裁対象に指定された個人・団体によって直接・間接に所有・統制されています。もしくは違法な活動への関与が疑われる船舶について、加盟国への入国を禁止しています。

また、韓国入港中に石油精製品や食料品の供給が行われた場合は国連制裁違反に該当します。入港させる前には関係国との十分な協議が必要になるのでしょうが、韓国政府はそんなこと頓着なしに入港させてしまいました。

さらに、万景峰号は06年の1回目の核実験で日本への入港を禁止されるまで、ミサイルの部品の運搬、麻薬の密輸、違法送金にも関与していたことが分かっています。元韓国大統領府関係者は「韓国に入港する万景峰号は『大量破壊兵器拡散防止イニシアチブ』(PSI)の停船・捜索の対象になる可能性があるため、米国が注視しているだろう」と指摘しました。

韓国政府はこれまで、南北関係改善を理由に北朝鮮の無理な要求を受け入れ、その後で「制裁違反」との批判を避けるため事態収拾を図るという行動を繰り返してきました。今回も北朝鮮が訪韓2日前に通告してきたため、米国と十分な協議を行うことはできなかったものとみられています。

本来ならば、これはきっぱりと拒否すべき筋のものです。それでたとえ、北が平昌に来なかったとしても、それはそれで良かったのです。今回の件で、はっきりした決まりごとでも平気で変えてしまう韓国の体質が浮き彫りになりました。これは、日本の場合は日韓合意やその他のことで周知されていたことですが、これで他の関係諸国にも十分周知されたことでしょう。

米国のペンス副大統領は2日(現地時間)「(北朝鮮に対する)戦略的忍耐の時代は終わったという簡単で明瞭なメッセージを伝えるため(平昌)オリンピックに行く」と発言したました。ペンス副大統領は平昌冬季オリンピックの開会式に米国選手団幹部らを率いて出席します。

ペンス副大統領は米ペンシルベニア州ピッツバーグで行った演説で「新しくなった米国の力で米国政府は北朝鮮を以前になかったほど孤立させるという真の成果を出しつつある」とした上で、上記のように述べました。ペンス副大統領は「北朝鮮が弾道ミサイル実験を続けて米国を脅迫する時、われわれはあらゆるオプションがテーブルにある事実を明確にするだろう」とも明言しました。

一方でペンス副大統領は韓国大統領府に対し、オリンピック開会式前後のさまざまな行事で北朝鮮関係者と鉢合わせしないよう特別な配慮を求めたといいます。北朝鮮との対話には一切応じない考えを明確にするためです。


ペンス米副大統領は6~10日、日本と韓国を訪問します。韓国では平昌冬季五輪の開会式に出席。北朝鮮が五輪参加を機に韓国に融和攻勢を仕掛ける中、安倍晋三首相や韓国の文在寅大統領と会談し、北朝鮮に核放棄を迫る圧力路線で3カ国の結束を誇示する構えです。

米国は五輪参加を巡る南北対話を歓迎しながらも、北朝鮮が米韓同盟の分断を図るのを警戒。国務省の報道担当者は「南北関係の改善は北朝鮮の核問題解決と切り離して進めることはできない」と強調しており、融和姿勢の文氏に制裁緩和に走らないようくぎを刺す狙いもあります。

9日の開会式に出席する米側の代表団はペンス氏のほか、在韓国連軍司令官と在韓米軍司令官を兼ねる現職のブルックス氏など。代表団に軍人を加え、米国のプレゼンスを国際社会に示す狙いがあるとみられます。

一方、安倍首相も平昌五輪に参加することになっていますが、その背景にはトランプ大統領の意図もあります。ペンス副大統領は韓国に行く前に日本に立ち寄り、安倍総理にトランプ大統領の意図伝えたり、親北的な文在寅にどのように因果を含めるかを協議することになるでしょう。

今回は、日米共同により、文在寅に相当圧力をかけるのは目に見えています。その圧力で文がどう変わるのか見ものです。

それにしても、今回の「万景峰92」の件は、日米にとって非常に圧力をかけやすい状況をもたらしたと思います。文在寅も、北にいくら良い顔をしても本当は何も得ることないですが、日米に離反された場合とんでもないことになることを思い知ることでしょう。

まあ、思い知ったにしても、文在寅は半年もたてばすぐに忘れて、また北に良い顔をしようとするでしょうが、とにかく半年でも親北的な態度をつつしんでもらえば、それで良いでしょう。半年あれば、米国は軍事行動を起こせますし、軍事行動を起こさなかったにしても、北に対してかなり強力な制裁を課すことができます。

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