2014年8月23日土曜日

GDP予想をまったくはずした熊谷亮丸氏・木下智夫氏「今度こそ当たる!年末までは絶対V字回復!なにがなんでも増税だ!」WBS-TL不満大爆発!―【私の論評】無責任民間エコノミストの戯言は、捨て置け!とはいっても多くの人々が幻惑されないよう反論はしておくべし(゚д゚)!

GDP予想をまったくはずした熊谷亮丸氏・木下智夫氏「今度こそ当たる!年末までは絶対V字回復!なにがなんでも増税だ!」WBS-TL不満大爆発!

本日は、以下のような経済評論家上念氏のリツイートがありました。
このWBSの放送が、YouTubeに掲載されていないかどうか調べてみましたが、それはありませんでした。しかし、熊谷氏の本年度の経済見通しに関する動画を見つけましたので、それを以下に掲載します。以下の動画に、熊谷氏がでています。



残念ながら、私自身はWBSの番組は見なかったのですが、おそらくこの動画と同じような内容のことを語っていたのたと思います。この動画の中で、櫻井よしこさんは、熊谷氏の解説にツッコミをいれるでもなく、そのまま淡々として聴いていました。あいかわらず、経済オンチであることが再確認できました。

その他、WBSのサイトを見てみると、番組の説明がありましたので、それを以下に掲載しまする
2014年8月20日放送 23:00 - 23:58 テレビ東京ワールドビジネスサテライト (マーケット) 
SMBC日興証券の牧野チーフエコノミストは0.4%の下方修正、大和総研の熊谷チーフエコノミストは14年度の見通しは下方修正、野村証券の木下チーフエコノミストは0.9%まで引き下げたと3社とも揃って下方修正した。 
理由は増税前の駆け込み需要の反動減が予想を上回ったためという。7-9月期経済成長率予想では野村証券が5.9%増予想と強気であった。野村証券の木下エコノミストは余裕を持って10%への増税決定につながると思うと話した。大和総研の熊谷エコノミストは今の財政状況を考えると増税しなくてはならないと話した。 
SMBC日興証券の牧野チーフエコノミストはまだ完全にデフレから脱却していないので、増税の先延ばしも十分考えられる等話した。
WBSのツイッターのタイムラインは、これに関して、不満が大爆発しているそうです。当然といえば、当然です。

【私の論評】無責任民間エコノミストの戯言は、捨て置け!とはいっても多くの人々が幻惑されないよう反論はしておくべし(゚д゚)!

この反応当然でしょう。年末にかけて、この予測が大幅に外れた場合熊谷氏はどうするのでしょうか。無論責任などとらないです。

熊谷氏の経済見通しの中で、唯一の拠り所は、4-6月期に経済が低迷したのは、3月の駆け込み需要の反動というだけでした。他に何の根拠もありません。

しかし、今回の増税が非常にまずいのは最初からわかっていることです。どうしてまずいのか、いかにその理由をあげておきます。

まずは、第一に日本は未だデフレから解消しておらず、デフレ下の増税は日本でははじめてのことです。これは、良くいわれていることで、いまさらという感じもしますが、以下にまとめておきます。

第一回目の3%増税のときは、日本はインフレでした。

第二回目の97年の5%増税のときも、日本はデフレ気味ではありましたが、あくまで気味というだけで少ともデフレではありませんでした。その後日銀法が改正され、98年からは、完璧にデフレのどツボにはまりました。

完璧にデフレ基調(要するに一部の例外を除き、全体では給料が下がり続ける最中)のときの増税は、今回が初めてということです。

第二に、過去2回の増税のときは、今回のようなネット増税ではありませんでした。

89年消費税創設時には、物品税が廃止され、ネット(全体)で減税でした。97年増税時には、先行減税があり、実質的には増税でも減税てもない中行われまた。しかし、今回の増税はネット(正味の)増税です。

これの悪影響がないはずはありません。唯一の救いは、昨年の4月より、日銀が異次元の包括的金融緩和に転じたことです。

しかし、それにブレーキをかけるような増税です。増税しなければ、2年から3年で日本はデフレから脱却できて、税収もあがり財政再建のめどもたったかもしれませんが、上記のような理由により、デフレからの脱却はかなり遠のくことが考えられます。

来年の10%増税もそのまま実行してしまえば、デフレ脱却のめどはたたなくなります。

それにしても、熊谷氏や、木下氏は無責任だと思います。

熊谷氏に関しては、過去にこのブログで紹介したことがあります。

その記事のURLを掲載します。
消費増税の影響軽視は危険 エコノミストの根拠なき楽観―【私の論評】民間エコノミストには日本の過去の経済史も、イギリスの先行事例も知らない人が多数存在。そもそも、こんな人たちに先の見通しがたつのか、直近の動向だけで判断して本質は理解していないのではないか(゚д゚)!



詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事の熊谷氏に関わる部分のみ、掲載しておきます。
熊谷氏は2009年04月06日に、日本が経済の回復が、遅れるのは、なぜでしょうかと問われて? 
「産業構造の問題だと思います。 
 日本は中国に資本財を輸出し、中国がその資本財で組み立てた製品を米国に輸出する。こうした「三角貿易」的な経済構造なので、日本と最終需要地である米国との間には距離があります。景気回復のタイムラグが生じるのはこのためです。 
 また、内需にインパクトを与えるハイエンドな消費は景気の本格回復に遅れてブレイクします。テクニカルな意味での景気後退は09年末に鎮静化するものの、本格回復には、さらに1年近くを要すると考える理由はここにあります」。 
と答えています。2009年といえば、日本は、日銀の破茶目茶な、金融政策により、デフレのどん底を這いずりまわっていた時です。普通の常識ある人であれば、日本の経済の回復が遅れるのはななぜ、と言われれば何をさておいても、「日本はデフレだから」と間髪を入れずに答えるのが当たり前だったと思います。まあ、熊谷氏や大和総研の皆さん、もしこの指摘に不服があるなら、このブログにでも、堂々とコメントでもいただけましたら、受けてたちます。かかってきなさい。とにかく、信用第一の金融機関の頭脳がこのような愚かなことを言っていたというのは、本当に残念なことです。発言するときには、マクロ経済を踏まえたまともなことを言うべきと思います。 
これは、たまたま、サイトを検索したところ、熊谷氏がでてきたから掲載したのですが、他のいわゆるエコノミストなどと言われる人たちでも、このような的外れなことを言っていた人たちはいくらでもいます。熊谷氏に対する、個人攻撃ではないことをはじめに断っておきます。いわゆる、高橋洋一氏のいう、エコノミストと呼ばれる人たちの、先の見通しというのは、全く信じられないことが多々あります。過去にもあいた口の塞がらない、とんでもない発言をしていた、エコノミストと言われる人々が大勢います。
上の記事を少しだけ捕捉しておきます。熊谷氏が2008年のリーマン・ショックを原因にあげていれば、私はこのような反論など掲載しなかったかもしれません。

しかし、現実にはリーマン・ショックによって、日本の経済が低迷したのは事実です。ただし、私は、リーマン・ショック自体が、日本に直接悪影響を与えたとは思っていません。

本来、日本はあまり影響を受けるはずはありませんでした。しかし、リーマン・ショックの後にアメリカ、EUなどほとんどの先進国において、このショックから立ち直るたけめに、大規模な金融緩和策を実行したにもかかわらず、当時の日銀は何もしませんでした。

リーマン・ショックを伝える新聞。しかし、日銀の不手際を伝えたものはほんどなかった

他国が、こぞって金融緩和をしているにもかかわらず、日本だけが、しなければどういうことになるかといえば、円の流通量が相対的に減って、デフレ状況がさらに進みます。相対的に円が少なくなるのですから、円高になるのも当然の帰結です。

日銀の金融政策の失敗により、日本はさらにデフレ・スパイラの泥沼に落ち込み、円高傾向になったのが、景気低迷と低迷から日本がなかなか抜け出せなかった真の理由です。

こういう背景から、私自身は、リーマン・ショック後の日本の経済の落ち込みをリーマン・ショックではなく、日銀ショックと呼んでいます。

一応、エコノミストと名乗っているのなら、このくらいの論評をして欲しいとも思いますが、リーマン‥ショックのことは一言もいわず、日本が経済の回復が、遅れるのは、なぜでしょうかと問われて、産業構造の問題などと答えるのは、まさに頓珍漢といわざるをえないです。

しかも、直近でも、GDPの予測を全く外しています。

このような人が、なにがなんでも増税だと叫んでも、説得力が全くありません。

このような、無責任民間エコノミストの戯言は、捨て置けといいたいです。

しかし、そうは言っても、この戯事に櫻井よし子さんも、何のツッコミも入れず、インタビューしているわけですから、櫻井さんは少なくとも、熊谷氏に反対しているとは思えません。

櫻井さんといえば、結構影響力がありますから、このような動画を多くの人がみれば、戯事とは見抜けず、信じこんでしまうかもしれません。

ベルリンで、ウクライナ問題にトップレスで訴える女の子たち。こんな批判の仕方もある・・・・

だからこそ、それを防ぐためにも敢えて、本日は反証をあげつつ、反論させていただきました。

今後、増税を巡ってこのような戯事が巷を賑わすことになるでしょう。本来、こんな戯事には関わる必要もないはずなのですが、皆さんも、もしこのようなことに気づく事があった場合、あまりに頓珍漢であいた口がふさがらず、本当に馬鹿馬鹿しいと思っても、他の多くの人々が幻惑されないよう反論はしておくべきと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年8月22日金曜日

「新談話ものすごく効果」「国会で朝日、白黒つけよ」21日の自民党政調会議抄録―【私の論評】おおよそ国会議員たるものは、仕事そのものを中心に物事を考えるべきにあらず!中心に据えるべきは成果である。成果のない仕事は、ないほうが良い(゚д゚)!

「新談話ものすごく効果」「国会で朝日、白黒つけよ」21日の自民党政調会議抄録

7月22日の自民党政調会議

21日に開かれた自民党政調会議の主な内容は次の通り。

高市早苗政調会長「未来志向の外交も非常に重要だが、私たちにとっては国家、国民、そして子孫の名誉を守りぬくことも大切なことだ」

内閣官房担当者「(当時の)朝日新聞の報道で対日批判が強まった。日本政府は強制連行は確認できないとの姿勢を貫いていた」

外務省担当者「(米カリフォルニア州グレンデール市などに設置されている慰安婦像について)大使館などを通じて、このような動きを阻止できるよう努めている」

片山さつき環境部会長「グレンデールの慰安婦だけでなく、日本海を『東海』に変えろというのは同じ(反日)運動だ。組織的に対応しないといけない。河野談話に対しては新談話を出すとものすごく効果がある」

城内実外交部会長「(日本と韓国以外の)第三国には粘り強く丁寧に説明し、誤解を解いていかなければならない」

佐田玄一郎元行政改革担当相「(河野談話は)どうしてこんな文書になったのか、どこが問題かを内閣官房は言わないとまずい。(韓国は)内政干渉に近いことを言ってきている。日本を大きく毀損(きそん)した朝日新聞には、閉会中審査でもいいので、国会で白黒はっきりつけるべきだ」

佐藤正久参院議員「(慰安婦を『性奴隷』とした国連欧州本部自由権規約委員会がある)ジュネーブできちんと正しい情報を発信すべきだ。外務省が真剣にやらないといけない」

大西英男衆院議員「朝日新聞が誤った報道をしたせいで、世界に『性奴隷』という情報が広がっている。朝日の当時の経営者や記者を国会で証人喚問すべきだ」

山田賢司衆院議員「自民党として河野談話を総括しないといけない。談話を見直さないのなら、新談話を出すべきだ」

柴山昌彦衆院内閣委員長「国際的に権威のある人権機関が正しいコメントを発表するようにしないといけない」

赤池誠章副幹事長「改めて新談話を出すのが大事だ。自民党が主導してきちんと強制連行がなかったことを主張しないといけない」

高市氏「新談話が必要との要望があれば、党として菅義偉官房長官に要請したい。閣議決定していない河野談話を、なぜ政府が継承するのかというそもそもの疑問もある」

有村治子参院議員「虚偽のことを垂れ流し、(旧日本軍の)尊厳を踏みにじる自由は朝日新聞にはない。(同紙が強制連行の証言報道を虚偽と認めたことで)河野談話は根底から揺らいでいる」

丸山和也参院議員「韓国とは火花を散らすのではなく、その動きを国際社会の中で封じ込めるのがいい」

簗和生衆院議員「朝日新聞の所業についてはしっかりと追及すべきだ」

【私の論評】おおよそ国会議員たるものは、仕事そのものを中心に物事を考えるべきにあらず!中心に据えるべきは成果である。成果のない仕事は、ないほうが良い(゚д゚)!

議事録にすべて掲載されている内容であることと、誰でも閲覧可能なので、上の記事全文引用させていただきました。

それにしても、皆さん勇ましい発言です。素晴らしいです。ただし、一言だけ言いたいことがあります。

朝日新聞が不十分ながら、訂正記事を掲載した現在上記のようなことを言うのは簡単なことです。誰でもできます。本来であれば、少なくとも半年前、1年前にこのような発言をすべきです。

もちろん、それより以前にもこのような発言をしてきた人もいますが、多くの議員はそうではありませんでした。

もちろん、上記のような発言するなとはいいません。しかし、現時点ではこのような発言は誰もができます。

こんなことは、凡庸な議員にまかせておき、本当に国を良くする気概があるなら、朝日新聞が例の訂正記事を掲載する前に上記のような発言をすべきです。

そうして、そのようなことは他にもたくさんあります。

最近では、来年の10%増税があります。これは、さも決まったことのようにマスコミなどは報道していますが、そんなことはありません。今年4月からの8%増税も、あたかも決まったことで覆すことができないかのようなマスコミの報道ではありましたが、倉山満氏は、昨年の9月時点で以下のような記事をブログに掲載しています。

消費税増税は法律で決まったことだ、もう変えられない?間に合わない? 大嘘です。 
 消費税増税法にはご存知の通り、附則18条がある。 

 いわゆる景気条項のこと。その時の景気を判断して増税を延期できるかどうかを判断できるという内容。 
 そして安倍総理はこの法律に基いて10月1日の日銀短観を見て判断するとしている。 
 何の問題もない。 
 しかし、ここで「法律で決まっている」「変えられない」「間に合わない」というのがどういう理屈なのか?  
 曰く、「施行期限が決まっている法律の延期には新規立法がいる。だから、もう間に合わない」と。 
 これが妙な説得力を持ったのだけど、おかしな話だ。 
「間に合わない」と言うなら、いつまでに増税延期を決断しなければならないのだ?「新規立法がいる」は確かだけど、「いつまでに」を言わずに「10月1日以前までに」と誘導されていないか。 
 ここに詐術がある。 
 増税をするか否かは、歳入の見込みを判断することになる。歳入の予想によって、予算の見積もりを決める。 
 ということは予算関連法案である。 
 なぜ予算関連法案を10月1日以前に通過させねばならないのだ?しかも新規立法といえど施行期限を変更するだけで、全面的に今から作成するわけではない。 

 極端な話、方針さえ決めれば、午前中に衆議院、午後に参議院を通過させればよい程度の話。 
 衆参両院で与党が多数を占めているのなら、何ら問題が無い。 
 自民党や公明党に「どうしても増税がしたい」という意見があれば、党内や与党の会合で論議を尽くしてからすれば良い。 
 文句があれば、総裁解任や連立解消をすれば良いのだから。 
 ただし、国政選挙で勝った総理にそんなことをする覚悟があるなら。 
 理想は、1月の通常国会で予算審議が始まる前に、増税延期法(施行期日変更のみ)を通過させていれば、何の問題もない。 
 仮に、1月までに通過していなくても、通常国会で予算関連法として予算と並行審議すれば問題が無い。 
 予算編成以前に総理が「消費税増税を延期する」と宣言していれば良いだけ。閣議決定で十分。 
 以上、「消費税増税は法律で決まったことだ、もう変えられない?間に合わない?」は大嘘です。 
 内閣・衆議院・参議院の法制局で確認してみれば?
おそらく、今年の4月から導入してしまった消費税に関してはもう変えることはできないかもしれません。

しかし、実質上骨抜きにすることはできます。実際今回の消費税増税の前の増税は、実質上ネットの増税ではありませんでした。

それについては、この記事でも以前掲載したことがありますので、その記事のURLを掲載します。
“ネット増税”で景気動向は悪化している―【私の論評】ネット増税ならびにデフレ下での増税は、我が国でも初めてのこと、これを考えれば、景気はかなり悪化することが予想されるが、なぜ今大騒ぎにならないのか(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事の元記事を書いている高橋洋一氏は、要約すると以下のように述べています。

クリックすると拡大します 
消費税増税の効果は、金融政策の緩和効果を相殺し、さらに悪影響を与えている。というのは、97年増税時には、先行減税があり、レベニュー中立(増税と減税が同じ)で行われた。89年消費税創設時には、物品税が廃止され、ネットで減税であった。しかし、今回の増税はネット増税である。これの悪影響がないはずない。
要するに、97年の増税時には、先行減税があったため、実質上増税していないのと同じような状況にあったということです。

89年には、もうほとんどの人が忘れているでしょうが、物品税が廃止され、実質上は減税でした。

89年の増税時では、実質上の減税でもあったためか、その後経済はわずかながらも伸びていました。伸びが鈍化しただけでした。

97年には、実質上増税しないのと同じでしたが、日銀法が改悪されたこともあり、日銀が本格的金融引締めに転じたために、98年から本格的にデフレに転じました。

現状では、日銀が金融緩和に転じていますから、増税を骨抜きにする方法はいくらでもあるはずです。

公共工事の供給制約がある現在では、大規模に公共工事をするということはほとんど経済対策にはなりません。

であれば、大規模な所得税減税、給付政策などを行えば、8%増税など相殺どころか、実質減税ということもできます。

自民党議員は、なぜ自民党政調会議でこのような提言をしないのでしょうか。

一番良いのは、10%増税を今から阻止し、このような財政政策を実施することです。

このようなことをすれば、安倍政権に対する国民の支持はかなり高まります。「新談話」を出すことよりももっと効果があります。

「新談話」については、無論出したほうが良いでしょうし、そうすべきとは思います。しかし、これを声高に叫ぶことは、朝日が訂正記事を出し、謝罪をしない現在、本当に誰もが言いやすいことです。

言いやすいことだけ言って、上記のような経済対策に関しては、言いづらいから言わないというのでは、国会議員としての資格が疑われます。

もし、安倍政権が今の時点で、10%増税断念をうちだせば、それだけでも安倍政権への国民の期待は高まります。

これは、山崎元氏も、夕刊フジに掲載していました。以下に、それに関すツイートを掲載しておきます。
これは、山崎元氏が、リツイートしたツイートです。

山崎元氏が言うように、現時点で、安部総理が10%増税を見送りすることを発表し、それだけではなく、来年4月あたりから、新財政政策(所得税減税、給付金政策)を発表すれば、本年はアベノミックスの第二の矢どころか、正反対の消費税増税をやってしまったわけですが、来年は正真正銘の第二の矢を放つということで、嫌がおうでも国民や市場の期待は高まります。

まさに、2012年のアベノミクス第一の矢を放つ直前のような状況になります。

そうして、2015年四月から、所得税減税、給付金政策を行えば、またまた最初に株価が上昇し、続いて様々な経済指標がどんどん良くなり、これに対して意義を唱える者は誰もいなくなります。

そうして、デフレから脱却できたら、安倍政権は無敵になります。この段階になれば、新談話をだすこともかなり簡単にできるようになるでしょう。

繰り返していいます、議員諸君、特に若手議員諸君、もう方向性が定まった「慰安婦問題」など、声高に叫んでも何も新しい動きは生まれません。それは、年配の議員にまかせておいても、できることです。

そんなことよりも、消費税対策をやりなさい。これで新しい動きがつくれます。それは、安倍政権の評価を高めるだけではなく、それを最初に提言した議員の評価も高めます。

ただし、提言しているだけではだめです、もう増税うんぬんの話は、経済の話ではありません。政局の話です。政局ですよ(゚д゚)!

上記の私が述べたようなことは、とっくにほとんどすべてのまともな良心的な経済学者や経済通はわかっていることです。おそらく、財務省の官僚どももすべて理解していることでしょう。ただただ、省益のみを考えて、国民に塗炭の苦しみを味合わせることになる増税を推進しているだけのことです。

政治の世界にも通じるドラッカーの理論

今後実施すべきは、財務省の出方、他の政治家の出方、マスコミの出方を注意深く探りながら、多くの味方をつくり、徹底的に財務省キャンペーンを駆逐し、その過程では、必要とあらば謀略、諜略、人たらし、取り込み、威嚇、離反,寝返りさせるなどあらゆる手段を駆使して(ただし法律に触れないように)、結果として日本に新たな新秩序をつくっていくことです。それが、あなた方の本当の成果です。

「善への誘惑}にとらわれていてはいけません。いくら自分たちは正しいことを言っているといっても、正しいことをしていると確信していても、それだけでは世の中は何も変わりません。そんなことは、小学生にだってできることです。あなたの、具体的な行動こそが世の中を変えるのです。泥を被るつもりがない人には何もできません。

一生懸命に提言したり、発言しているばかりでは、なんにもなりません。

企業においても、ある程度以上に地位ついた人は、仕事そのものを中心に物事を考えるべきではありません。ひがな一日何も考えず、雑事で毎晩遅くまで残業をしているようでは、高い地位を目指すことなどできません。中心に据えるべきは成果です。成果のない仕事は、ないほうが良いです。無駄なコストにすぎません。

このことを多くの人が理解していません。政治の世界で、働くべきは官僚であり、成果を出すのは政治家の責任です。このことを理解せず、仕事にばかり集中する国会議員はただの馬鹿です。上記のようなことも考えず、ただただ主婦(それも愚かな主婦)感覚で増税反対を唱える議員も馬鹿です。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年8月21日木曜日

経常収支赤字と財政赤字を弄ぶ「エア御用人」たちの笑える論理―【私の論評】財務省はブレイキング・バッドのウォルターのように破滅に向かって走る!これに媚びるエア御用人どももいずれ破滅する(゚д゚)!

経常収支赤字と財政赤字を弄ぶ「エア御用人」たちの笑える論理

図表はブログ管理人付加 以下同じ


経常収支=国の「収益」ではない

経常収支赤字の場合、そもそも国の「収益」とは無関係だ。経常収支赤字になると金利が高騰するという人もいるが、データで見れば、経常収支と金利も無関係だ。これらは、2012年2月23日付け本コラム「日本の貿易収支が赤字転落で本当に国債は暴落するのか」にデータを含めて書いてあるので、参照していただきたい。

とはいっても、経常収支赤字が「永遠」に続くと問題になるだろう。というのは、経常収支赤字は、国際収支会計上の定義といっても同じであるが、国の対外資産を減少させるからだ。もっとも、日本の対外純資産は300兆円なので、仮に5兆円の経常収支赤字でも純債務国になるまで60年かかる。10兆円の経常収支赤字でも30年だ。こうした長期になると予測するのが馬鹿馬鹿しくなる。その間に「想定外」のことが起こるからだ。

経常収支と金利は無関係

経常収支赤字と財政赤字は一緒に話題になることもある。これは理由がある。会計上の定義でもあるが、IS(投資・貯蓄)バランス論がある。民間部門の貯蓄超過が政府の財政赤字と経常収支黒字の合計に事後的に等しくなるというものだ。

  もっとも、ISバランス論は会計上の事後恒等式であり、その間の因果関係をいうものではない。このため、経常収支赤字であるからといっても、それが財政赤字をもたらすものではない。まして、国際収支のリファイナンスに問題がなければ、金利の話にはならない。

経常収支赤字が問題という人は、金利の上昇を問題にする人が多いが、どうもその人たちは、財政赤字で金利が上昇すると言いたい人のようだ。このあたりは、ISバランス論や過去のデータからはロジカルでないのだが、これがそういう人たちの心情なのだ。

かつては財務省も経済成長派

筆者は、経常収支赤字に比べば、財政赤字のほうがサステイナビリティの点では問題があると思っている。しかし、財政赤字で経済を壊すのは、馬鹿な為政者がいれば簡単だ。実際、経常収支赤字の国際金融問題より、財政破綻のほうが実例も多い。

かといって、財政健全化を増税で行えとも思わない。その根拠は、名目経済成長によってプライマリー(基礎的財政)収支が改善するという事実である。この点は、2012年6月14日付け本コラム「6・13 国会公聴会 私が述べた消費税増税反対の10大理由」を参照してほしい。

財務省も馬鹿ではない(なかった!)。少なくとも筆者がいた時は、財政再建は経済成長という主張だった。

先日、藤井真理子氏(現東京大学先端科学技術研究センター教授)の論文「英国における国債管理政策の変遷:1694-1970」を見つけた。英国の財政再建では「経済の成長や国富の増大を背景とした税の自然増収等を基本的な要因とする」と書かれている。当時、財務省幹部のところで説明し、やはり財政再建は経済成長しかないという結論だった。

ところが、今の財務省は、財政再建のためには増税が必要という立場だ。これは、財務省の「歳出権拡大」という意図だ。その詳細は、2013年12月26日付け本コラム「消費増税は「財政再建」のためでなく「歳出権の拡大」が証明された政府予算」を参照してほしい。

財務省の御用人たち

財務省の目的達成のために、都合のいい人たちがいる。「エア御用人」というもいうべき人で、前述した財政赤字で金利が上昇すると言う人たちだ。

この種の人は、金融関係者が多い。

金融機関のサラリーマンであれば、所属する金融機関の立場が大いに関係している。金融機関は、外為資金の運用・取り扱い、国債入札や財務省オペの対象、財務省の事実上の内部組織である国税庁、国税局と税務上のトラブルを避けたい等の点において、財務省には弱い立場である。だから、睨まれないように財務省を「よいしょ」しがちだ。

さらに、公式に言われることはないが、「増税しないと財政破綻になって、ハイパーインフレ・金利上昇で国債暴落」というのは、預金・国債を売って別の金融商品を売り込むときの密かな商売用語だ。

実は、こうした人たちは、「量的緩和をするとハイパーインフレ・金利上昇で国債暴落」するとも言っていた。そして、経常収支赤字でも、ハイパーインフレ・国債暴落なのだ。営業トークと考えれば、「ハイパーインフレ・金利上昇で国債暴落」が重要なので、その原因は何でもいいのだ。

予想が外れた言い訳

もっとも、現実は彼らの予測した金利上昇は起こらず、大きく違っている。論より証拠で、彼らがデタラメを言ってきたのが露呈してしまった。

そうしたら、今度は「国債市場が死んでいる」と言っているようだ。予測が外れて、金利上昇がないことを、日銀の買い入れで価格形成機能がゆがんでいると言い換えているのだ。その典型は、19日にロイターが発信した記事等に見られる。

長期金利がそう簡単に上昇しないのは、理論通りだ。2013年5月16日付け本コラム「長期金利上昇懸念の「から騒ぎ」」で書いた通りである。

長期金利について急騰すると言ったり、低金利のままで問題と言ったり、言うことが支離滅裂なのはかなり笑える。

以下は、これまで本コラムに書いた量的緩和の経過時間とともに、どのように長期金利が動いていくかをまとめたものである。



まず、名目金利はすぐには上昇しない。むしろ下がることもある。しかし、実体経済が上向くにつれて、上昇していく。おおよその目安は名目経済成長率と同じくらいだ。もちろん実体経済の動きを先取りするときもあるので、多少のオーバーシュートもある。ただし、一般的には名目金利の上昇は名目経済成長にやや遅れることが多い。名目経済成長を確信した設備投資が経済成長に遅れるからだ。

 したがって、実質金利(=名目金利-予想インフレ率)は、当面低下する。これは、名目金利より早く予想インフレ率が上昇するからだ。それこそが実体経済を刺激する原動力だ。しかし、経済が上向きになるにつれて、実質金利も上昇していく。これは名目金利の上昇が起こるからだ。

上の記事は、要約記事です。詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】財務省はブレイキング・バッドのウォルターのように破滅に向かって走る!これに媚びるエア御用人どももいずれ破滅する(゚д゚)!

本来は、上記のような高橋洋一氏が語るようなことは、昨年の増税前までに十分論議がつくされ、増税の判断をしなければならない人々は理解しているはずです。財務省もこれに関しては、理解していると思います。

そもそも、経済論議などはすでに終わっていました。高橋洋一も、すでに昨年あたりに言い尽くしたことを、上の記事でまとめているわけです。

このまとめ、良くまとめられていると思います。昨年の高橋洋一氏の掲載した記事を合わせて読むと、現状が良く理解できます。

いずれにせよ、もうこのような経済論議は十分つくされ、にもかかわらず、昨年は増税されてしまったわけです。

どういうことかといえば、もうすでに増税するしないの是非は本当は十分つくされていて、もう後は政局の問題だけということでしたが、結局反増税派は政局に負けて、増税されてしまったということです。

そうして、4月の増税後の4月、5月、6月の数字の落ち込みに関しては、増税派は想定内としているわけです。ただし、何をもとにしているのか、全く理解できません。

今更、増税を推進してしまったてまえ、経済が悪化したとはいえないというだけです。まるで、幼稚な悪いタイプの主婦感覚のようです。

夫の年収は1200万でも転居先のセレブママに合わせたら家計は火の車

悪い主婦感覚の典型は、すべてにおいて「赤字=悪」と思いこむことです。通常は、これで良いかもしれませんが、家庭においても、企業においても、ましてや政府に関していつもこれが正しいとは限りません。

企業も、景気が良い時期であっても、いっさい借金をしないで、運営しようとしていては、発展はありません。景気の良いときであれば、借金をして、人材を確保したり設備投資をするから会社も発展します。

国だって同じことです。幸いなことはに日本国は、海外から借金する必要はないどころか、あまりに長い間デフレが続いたことから、企業などの海外投資が増え、結果として、対外金融純資産(日本国が世界に貸し付けているお金)は、20年以上も世界一です。

どうしてこんなことになるかといえば、デフレで消費が冷え込み、国内の需要が細り、国内に有望な投資先がないからです。だから、海外に投資するのです。

そうして、デフレがなぜおこったかといえば、景気が悪くても、日銀は金融引締めばかり実施してきたことと、政府も緊縮財政ばかり繰り返してきたからです。

デフレであっては、本来財務省も税収が減って、省益にもそぐわないのですが、財務省は消費税増税によって、目先のとりあえずの、差配権を拡大し、省益を増大することしか考えていません。

しかし、これを実施して、継続すればどういうことになるかといえば、増税直後(は税収が増えたとしても(せいぜい1年程度)、その後には税収が先細りします。

大筋では、こんなことは誰もが知っているはすです。

しかし、増税派は、このようなことは無視して、財政赤字を放置しておけば、財政赤字が酷くなる、財政赤字が酷くなれば、財政破綻する、だから増税するなどという詭弁をろうしているわけです。

本当は、増税をすれば、消費が低迷して、結局税の原資である、国民所得が減り、したがって税収も減り、財政再建も遠のくわけです。

しかし、財務省は財政再建至上主義を頑なに崩さず、経済をある程度理解している人なら誰でもわかる、いいわけをして、増税路線を貫いているわけです。そうして、財務省のハチャメチャな経済理論を信じこむマスコミや政治家が大勢いて、高橋洋一氏のようなまともな論評には一切耳を貸さず、増税こそ正しい道であり、これに反対する連中は皆間違いであるというような妄想に浸りきっているわけです。

しかし、これがいつまで長続きするものやら。今回の増税でもすでに4月-6月期の落ち込みは、まともにみれば、かなりの落ち込みですし、これから年末にかけて相当落ち込むと思います。

その時に、増税派はどういいわけをするつもりでしょうか。この時にも、財務省の悪知恵で、景気はさほど落ち込んではないし、これは増税のせいではないと信じこまされたとします。

それで、来年また10%増税をしてしまえば、またまた、日本は坂道を転がり落ちるように、デフレ・スパイラルの泥沼に沈み込んでしまいます。

そうして、税収はかなり減ります。そうなったとき、さすがに、悪いタイプの主婦感覚に毒されていた人々も、ようやく気づくのではないでしょうか。

それは、十分にあり得ます。わすが、4~5年前までは、韓流ブームだったり、中国の異質性を理解しなかった人がほとんどなのですが、中韓が傍若無人の限りをつくしたので、最近では、雑誌などでは、反韓流の特集をすれば、売上が伸びたり、アンケートをとると中国が嫌いな国とする人々が圧倒的に多くなりました。

これと同じようなことが、いずれ財政においてもおこるものと思います。

最悪財務省は、今年も増税キャンペーンを行い、それが大成功したとして、来年消費税増税10%が導入されたとすれば、今度は今年の増税どころではありません。かなり景気が落ち込み、再来年にはどん底を迎えることになります。

そのときには、いくら鈍感で馬鹿で低能な政治家やマスコミも増税が間違いであったことにようやっと気づくことになると思います。

そこにきて、塗炭の苦しみを味わう国民も、財務省や増税派の議員やマスコミなどを赦すことはないでしょう。

行き着く先は、財務省の解体です。これは、大蔵省が解体されて財務省と日銀にわかれたときのようなものではなく、財務省は原型をとどめないことでしょう。

ここに、日本のいわゆる大蔵省から続いてきた官庁の命脈も絶たれるわけです。

来年増税されなければ、こんなことにはならないでしょうが、増税されれば、財務省は坂道を転がり落ちるようにそのパワーを失い、原型をとどめないくらいに解体され、おそらく、財政に関しては何らかの形で政治主導となり、財政を運営していくことになると思います。

財務省次官、職員様への推薦ドラマ ブレイキング・バッド
上のポスターは、"Braking Bad"というアメリカの人気ドラマのポスターです。このドラマすさまじい人気で、全部で7シーズンも放映されました。これは、あの"24"に匹敵するほどです。最近、huluで全編を見終わったばかりです。

この物語は、ある平凡な田舎の高校のウォルター・ホワイトという化学教師が、軽い気持ちで、麻薬づくりを行うようになり、その過程でどんどん悪くなっていき、結果的に多くの人々を巻き込み、多数の殺人も行なわ泣けばならなくなり、破滅します。麻薬づくりの助手として、ジェシー・ピンクマンという若者をつかっていました。

ウォルターは、家族のためにこのようなことをしてしまったのですが、最後は家族にも見離されて、孤独な死を迎えることになります。ジェシーは何とか命だけは助かります。

このドラマをみていて、私はなぜか、日本の財務省と日銀を思い浮かべてしまいました。自分や家族のことだけを考えて、悪いとわかっていないがら、麻薬づくりをする姿は、まるで増税キャンペーンをする財務省のようです。そうして、ウオルターは、癌を患っていますが、財務省も今やデフレという経済の癌を放置する役所になりさがってしまいました。



財務省も省益のことだけ考えて、動いているうちに随分変質しましたし、これからも変質を続けていくと思います。ウォルターのように、辻褄合わせのためにどんどん悪くなっていくことでしょう。ジェシー・ピンクマンは、まるで日銀のようです。

その挙句の果てに、ウォルターは破滅します。ジェシーは、命だけは助かります。

おそらく、財務省はこのまま悪くなりつづければ、ウォルターのように破滅するでしょう。ジェシーは、あくまで助手的な立場を貫いたので、助かりましたが、日銀も今では、金融引締めから、金融緩和に転じたので、破滅まではしないでしょう。

おそらく、日本銀行自体は、解体されることはなく、そのまま継続するかもしれません。しかし、日銀法の改正により、現状のおかしげな、日銀の独立性は破棄されることでしょう。そもそも、国の一下部組織に過ぎない、日銀が日本国の金融政策を決定するということ自体が、おかしなことです。

世界の中央銀行のほとんどはそうはなっていません。あくまで、中央銀行の独立性とは、国の金融政策の方向性は政府が決定し、日銀はその決定に従い、具体的な施策を選定するときに他社に影響されず、自由に選べるというのが、世界基準の中央銀行の独立性というものです。

ウォルターは、自分が亡くなった後の、家族の生活費のことを心配して、悪の道に入りました。だから、このドラマは人々の共感を得て空前の全米大ヒットにつなかったのだと思います。

しかし、財務省は違います。財務省にとっての家族とは、ほんらい国民であるはずです。しかし財務省は、省益のことだけ考え、国民生活など二の次で増税に突っ走っています。人間にたとえると、自分のことだけ考えている人のようなものです。こんな人は、どんなことがあっても、他の人から共感を得ることはできません。

財務省は今のところ、破滅に向かって全速力疾走しています。

まるで、ウオルターがそうとは思わず、どんどん深みにはまっていたのと同じようです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年8月20日水曜日

【日本の解き方】消費税増税、「死んだネコ」程度の成長率では理がない ―【私の論評】こんなんじゃ、企業数値も読み解けないレベルの低さ、これで増税の判断をするの?一体どうなっているの(゚д゚)!

【日本の解き方】消費税増税、「死んだネコ」程度の成長率では理がない 
2014.08.20

4~6月期のGDP速報値の発表を受け、記者会見する甘利経済再生相=13日、内閣府

消費税率10%への引き上げを判断する材料の一つとされる今年7~9月期国内総生産(GDP)について、「回復する」との声が聞かれる。特に、増税を進めたい側の人たちから、そうした声が多いようだ。

甘利明経済財政・再生相は、「景気は緩やかな回復基調が続いている」としている。1~3月期と4~6月期の実質GDPの平均は昨年10~12月期を上回っていることを理由にしているようだ。

昨年10~12月期、今年1~3月期、4~6月期の実質GDPは、それぞれ527・5兆円、536・1兆円、527・0兆円である(季節調整済みの値)。今年1~3月期と4~6月期の平均は531・6兆円なので、昨年10~12月期の527・5兆円を上回っているというのである。しかし、この計算にどのような意味があるのか。

消費税増税の影響を考えるには、「増税なかりせば」の場合と「増税した現実」の値を比較しなければいけない。増税前の実質GDP成長率は2%程度になっていた。となれば、「増税なかりせば」の場合、1~3月期はその前年同期比2%増で532・1兆円、4~6月期は前年同期比2%増で535・8兆円と計算できる。

これから考えると、実際の実質GDPと増税しなかった場合では、1~3月期は駆け込み需要増でプラス4兆円、4~6月期はその反動減と増税による消費減少でマイナス8・8兆円分の差異がある。

4~6月期の実質GDPをみると、「増税なかりせば」の場合535・8兆円であるのに対し、増税を行った結果の現実は527・0兆円。増税によって、「増税なかりせば」の場合より低くなっているわけで、今年1~3月期との平均が昨年の10~12月期より高いなんて言い訳にもならない。マスコミは、そのようなヘンテコな数字を持ち出された時に、どのような意味があるのか質問すべきである。


「死んだネコ」の話には続きがある。リバウンドは少しで、その後も下がるのだ。ちょっとばかり上がった隙に、消費税増税を決めたらまずいだろう。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

この記事の詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】こんなんじゃ、企業数値も読み解けないレベルの低さ、これで増税の判断をするの?一体どうなっているの(゚д゚)!

甘利明経済財政・再生相は、昨年10~12月期、今年1~3月期、4~6月期の実質GDPを比較して経済を語っています。これに対して、この計算にどのような意味があるのかと、高橋洋一氏が反論しています。

まったく、高橋氏のいう通りです。そうして、高橋氏はもし、「増税なかりせば」という数値を出し、それと比較しています。

これは、これで一つのやり方で良いことなのですが、企業経営に携わた人間からいわせると、このやり方以外に、本来やるべきことがあります。

たとえば、企業数値を見るにしても、10~12月期、1~3月期、4~6月期をみるにしても、連続したこれらの数値をみて、どうのこうのと、言ってもそれだけでは、通用しません。それだけで、直近の業績を判断して、モノを語れば「馬鹿」と言われても言い訳はできません。

j実施すべきは、4~6月の数値であれば、1年前、2年前、3年前との比較です。4年前、5年前ともなれば、随分経済の情勢も変わりますから、そこまでは比較しなくても良いと思いますが、場合によっては、そこまでやっても良いくらいです。これをせずに、その前との比較だけで語っていていては、話にも何にもなりません。

そうして、それだけではなく、これを読み解くためにも、10~12月期、1~3月期、4~6月期の1年前、2年前、3年前の数値も分析しておくべきでしょう。

無論甘利氏の語ったように、10~12月期、1~3月期、4~6月期をも見るべきです。ただし、これも本年度、昨年度、一昨年度もみるべきでしょう。

そうして、さらに、1年前、2年前、3年前の社会情勢の変化や、特に当該企業に与えた、変化などもみておくべきでしょう。たとば、これは人のプロポーションを見るにしても同じことだと思います。直近の変化だけみていては、その本質はわかりません。

人体型も直近だけでは見えない経年変化がある

なぜ、こんなことが必要かといえば、企業業績には季節変動という現実があるからです。

たとえば、私自身は、長い間ピザ宅配業に関わってきたので、これを例にとって、話をします。

ピザ宅配業はどこでもそうだと思うのですが、一番業績があがるのは、12月、1月です。3月も若干あがります。毎年、年間の大半の利益をあげるのは、12月、1月です。

年度がはじまってから、暫くの間は黒字であったとしても、黒字はほんの少しか、赤字であるのが普通です。それを12月、1月で挽回して、年全体で利益を出すというのが普通です。だから、いやがおうでも、12月、1月の年末年始商戦には力がはいるというわけです。

10月には、12月、1月につなげるため、イベントを開催するのが普通です。他の、ケーキ屋さんなども似たようなものだと思います。レストラン業界もこれに近いと思います。これらの業界は、とにかく年末・年始が稼ぎどきであることには変わりないと思います。

このような利益構造にある業界で、昨年10~12月期、今年1~3月期、4~6月期の実質業績を比較してものごとを語っても、何も意味はありません。

体型の変化も比較的短い間におこることもある

やはり、毎年の社会情勢、経済情勢などを把握しておいて、1年前、2年前、3年前との比較をするというのが筋です。

日本経済だって、同じことだと思います。ピザ宅配業界のような変化はしないでしょうが、毎年決まった、季節変動のようなものはあります。

にもかかわらず、単年度だけの数字の変化で物事を語るというのは、全く不可思議なこととしか言いようがないですし、全く納得できません。

企業数値も読み解けないようなお粗末さで、国の経済の舵取りなどできるのでしょうか?

甘利大臣は、内閣府の役人の、作文を読み上げているだけなのでしょうが、それにしても酷すぎです。内閣府の前身の組織、経済企画庁は、少なくともこのような低レベルの数字を出すようなことはありませんでした。

内閣府になってからは、今回のことに限らず、他の数字に関してもどうしようもない低レベルになってしまいました。

ゴールデンプロポーションにもっていくためには、長期と短期の両方の見方が重要だ


甘利大臣も、役人に一言、1年前、2年前、3年前との比較も出すようにといえば、こんな酷いことにはならなかったと思いますし、それこそが上に立つものの役割というものだと思います。

こんな数字の読み方をする人は、企業では絶対高い地位につくことはできないと思います。

本当に困ったものです、こんなレベルで増税の判断などされたらたまったものではありません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年8月19日火曜日

絶望の中国不動産 バブル崩壊か 北京、上海含め主要都市の9割下落―【私の論評】天皇陛下の御心に思いをはせるなら、日本の安寧を願うなら、「とつくに」を構うな、捨て置け(゚д゚)!

絶望の中国不動産 バブル崩壊か 北京、上海含め主要都市の9割下落

中国最大の都市上海市の黄昏、ここでも住宅価格が下落している

中国不動産市況の悪化が底なしだ。国家統計局が発表した7月の新築住宅価格指数は、主要70都市のうち約9割に当たる64都市で前月より下落した。首都北京や上海など巨大都市を含めて全国的に値下がり傾向が続いており、下落した都市は6月の55都市から一段と増えた。中国経済への打撃も大きい。

不動産バブルの崩壊の波は全国に波及している。64都市の下落は、集計方法を変更した2011年以降、最多となった。浙江省杭州や海南省三亜といった地方都市が前月比2・4%下落と大きく下げたほか、住宅需要が比較的強かった北京も1%下落、広東省広州も1・3%下落、上海も下がるなど、巨大都市の変調も明らかだ。

前年同月との比較では65都市が上昇したものの、伸び率は6月より65都市すべてで鈍化した。

「最終的には中国政府が公的資金を大量に投入してバブル崩壊させないのではないか」(国内系シンクタンク)との観測があることが、余計にバブルを膨らませているのが厄介だ。

【私の論評】天皇陛下の御心に思いをはせるなら、日本の安寧を願うなら、「とつくに」を構うな、捨て置け(゚д゚)!

中国不動産パブルに関する中国の動画を以下に掲載します。



以下にこの動画の説明を掲載します。
【新唐人2014年4月22日ニュース】昨年高騰した中国不動産市場とは打って変わり­、今年の第1四半期は例年に比べ、上昇率が縮小しています。開発企業が様々な手段で販­売促進活動しても市場の成長はスローダウンしたままです。今年、このまま価格が下落し­続けると、中国の不動産市場は暴落するのか?中国国内の不動産価格の増減は裕福層にど­んな影響を及ぼすのか?誰が不動産価格下落の最大の被害者なのか?専門家の分析を聞い­てみましょう。
本当は、中国のインフレ率に関する動画を探したのですが、YouTubeで見ている限り、これに関する情報は統制されているようで、中国のインフレ率に関する動画タイトルのものをみると、すべて日本国内の物価上昇の内容になっていました。

たとえば、以下のようなタイトルのようなものがありました。

中国インフレ率低下 疑問の声

この内容、すっかり日本の物価のニュースに変わっています。タイトルとは全く別のものになっています。これは、一体どういうことでしょうか。やはり、何らかの形で情報統制がなされていると考えるべきかと思います。

なお、2011年にも同じ話題で、インフレ率低下に疑問の声が上がっていることが報道されています。

その動画が以下のものです。



これは、2011年のものです。以下に、この動画の説明を付加しておきます。

【新唐人2011年12月11日付ニュース】中国では11月の消費者物価指数が、前年­同月比と比べて4.2%の上昇と、10月の5.5%よりも下がり、14ヶ月ぶりの低さ­となりました。中国のインフレにブレーキがかかったとの評価がある一方で、当局の発表­する数字そのものに対し、疑問を呈する声も尽きません。
中国国家統計局は12月9日、11月の消費者物価指数は前年同月比と比べて4.2%の­上昇にとどまったと発表。14ヶ月ぶりの低さでしたが、食品価格は8.8%の上昇と依­然、高い伸びを見せています。
ウォールストリート・ジャーナルが行ったネット調査でも、87%が中国の物価は下がっ­ていないと答えました。
ネットにこんな書き込みがあります。「野菜の値段は11月、大きく上がった。下がった­のはほんのごく一部に過ぎない。消費者物価指数の食品価格は上がっており、庶民はそれ­を痛感している」
また、当局の公表するデータそのものを疑う声もあります。
経済評論家 草庵居士さん
「中国共産党は平気で嘘をつきます、実際のインフレは公表データよりも深刻です。
10月~12月までで名義上の成長率は22%、しかし、実際の成長率は約6%、だから­真のインフレ率は16%くらいでしょう 」  
11月の購買担当者指数は50を切り、製造業の縮小が見られました。工業や投資の最新­データも、中国経済が今、徐々に停滞していることを示しています。 
しかしロイター通信は専門家の分析として、この中国経済の停滞は、政府の経済政策の結­果であり、想定内だと報道。しかも11月の消費も回復していることから、中国経済は穏­やかな成長を保てると評価しています。
イギリスのBBCも、経済成長の保持こそ中国政府の最優先課題だと多くの専門家は見て­いると報道。中国中央銀行はさらに、金融緩和策をとるだろうと予測しました。
しかし香港第二の金融グループで主席経済アナリストを務める曹遠征氏は、物価レベルが­大きく下がらないため、来年の通貨政策も、安定重視でいくだろうと予測します。
中国人民大学・財政税収研究所の呂氷洋副所長は、消費税を中心とした中国の税制度を批­判。庶民の消費意欲をくだき、お金が政府や国有企業に流れるようにしていると述べます­。 
別の専門家も、放漫財政は国が富み庶民が貧しくなる一因だと批判。経済モデルの転換を­妨げていると言います。
北京天則経済研究所 馮興元副処長
「通貨政策が穏健に向かい、金融がやや緩和されるのは正常です。肝心なのはいまだに 放漫財政が続いていることです。
必要なのは規制緩和と減税による環境整備です。産業政策ばかりでなく競争する環境を整­えるのです」 
来年の経済指針が検討される「中央経済工作会議」が12日から14日まで開かれます。­安定した経済成長とインフレ抑制などが経済政策の重点になると見られています。
以下に中国のインフレ率と、消費者物価指数の変化についてグラフをあげておきます。

インフレ率(年平均)の推移 - 世界経済のネタ帳


消費者物価指数(年平均)の推移 - 世界経済のネタ帳

2011年は、このグラフを見る限りにおいては、インフレ率も上昇していますし、物価も上昇しています。年度内でみれば、下がることもありますが、こうして後付でみてみれば、間違いなく両者ともあがっています。

特に、インフレ率ということになれば、政府のごまかしもできるかもしれませんが、物価に関しては、実際に多くの人々が消費をして、肌で感じていることですから、最終的には嘘は発表できないと思います。

中国にいる外国人も、物価に関しはいろいろ調査していると思いますので、これはあまり極端なデタラメ統計値を発表するわけには逝かないのだと思います。

そうした目でみると、確かに物価はあがりっぱなしです。

以下に上の中国と同じグラフの日本のものも掲載しておきます。

インフレ率(年平均)の推移 - 世界経済のネタ帳

消費者物価指数(年平均)の推移 - 世界経済のネタ帳

日本の場合は、物価が、2014年あたりでは、随分と上がって、ピーク時に近くなっています。最近の状況を反映しています。また、完璧にデフレになった1998年から右肩下がりで物価が盛、2006年くらいには、インフレ率も物価指数もあがっています。

これは、小泉政権下での、日銀による金融緩和による成果です。このまま、日銀が金融感を続けていれば、日本はデフレから脱却できたかもしれません。

その後、日銀は金融緩和に転じたため、インフレ率も、物価も下がっています。

特にインフレ率が急激に落ちているのは、リーマン・ショックの時だと思います。

このリーマン・ショックのときには、中国を含めた日本以外の他国は、すべて金融緩和に走ったにもかかわらず、日銀は総体として、金融引締めを続けたので、インフレ率の落ち込みが激しかったのだと思います。

その結果、デフレはさらに深刻化し、超円高傾向になりました。そのため、リーマン・ショックなど、本来日本への影響など微々たるものですんだものを、その回復は震源地のアメリカや、かなり影響を受けたEUよりもさらに遅く、一人まけの状態でした。

ビキニ小姐 スキー場でバブルチックな催し物(笑)。
今年の冬です。場所は遼寧省瀋陽のスキー場

私は、日本のこの低迷をリーマン・ショックではなく、日銀によるものと考えていますので、リーマン・ショックとは呼ばず、日銀ショックと呼んでいます。

それにしても、2004年あたりから、一方的に右肩上がりに上がり続ける、中国の物価指数をみると、今の中国では、上の記事の末尾にあるように、最終的には中国政府が公的資金を大量に投入してバブル崩壊させないようにしてしまったとしたら、とんでもない超物価高になることが予想できます。

そうなったときに、一番苦しむのは、中産階級ではなく、多くの一般庶民です。

5月の中国CPI2.5%上昇 物価の安定続くと中国国家統計局はしているが・・・・

多くの人々が塗炭の苦しみを味わう、超物価高すなわち、超ハイパーインフレに見舞われたとすると、昨今暴動件数がとみに増えた中国で、さらに増えるということになると思います。

そうなると、政府もとても制御できなくなります。その果てには、中国現体制の崩壊ということもあり得ます。

そんなことは、とてもできるものではありません。だからこそ、中国はバブルを崩壊させるしかないでしょう。できること、というよりやらなければならないことは、急激に崩壊させるのではなく、ソフト・ランディングさせることでしょう。

いままで、中国の経済対策は、ある意味非常に簡単でした。経済が一度悪化すれば、大規模に資金を注入して、金融緩和策を実行し、積極財政を行う。それで、経済が加速気味になれば、今度は金融引締め、緊縮財政を行うということで、対処してきました。

中国は、過去の日本の日銀などとはずいぶん異なる、柔軟な姿勢をとってきました。そうして、日本との大きな違いは、この過程において、人民が反抗すれば、公安警察、人民解放軍、城管などを駆使して、人民を弾圧して、事を収めてきました。

これは、日本などの先進国ではなかなかできないことであり、私はこのブログて、2008年あたりから、中国のバブル崩壊を何度も語っており、まるで狼少年のようになってしまいしたが、はっきりいえば、中国と日本などの先進国などとの違いを意識していなかったがため、こうしたことになってしまったのだと思います。

さらに、昨年4月前までの日銀は、基本的に長きわたり、デフレ政策をとってきたため、日本国内は深刻なデフレに見舞われ、対外的にはかなりの超円高でした。

これにより、日本でモノをつくるよりも、中国でモノを作ったほうが、はるかに安上がりという異常事態が続きました。これも、中国にとって、経済対策がやりやすい状況をもたらしていました。しかし、それも、昨年の4月より、日本が異次元の包括的金融緩和に転じたため、そのようなことはなくなりました。

中国某所で暴動(新疆ウイグル自治区じゃなくて漢民族の地域)とされる写真 8月9日

そうして、これだけ物価が上昇した今日、さらに、2010年以降、中国内の毎年平均の暴動数が、10万を超えるという状況になってしまっては、過去のようなやりかたは、なかなか通じません。過去のやり方を繰り返せば、ハイパーインフレになり、人民の憤怒のマグマは今度こそ、頂点に達し暴動どころか内乱にまでなってしまう可能性が高いです。

だから、今後の経済運営は、かなり難しいです。ここからが本当の中国政府の経済運営の能力がみられる時期でもあります。

それにしても、最近の中国の日本への擦り寄り姿勢は、このような国内経済状況を踏まえたものであると考えます。

中国の擦り寄り姿勢を示す記事を以下に掲載します。
中国の李国家副主席、日中関係改善へ意欲表明 朝日新聞2014年8月18日(月)21:16
 中国の李源潮(リーユワンチャオ)国家副主席は18日、超党派の若手中堅議員からなる「日中次世代交流委員会」の訪中団と北京で会談し、「小異を捨てて大同につくことが日中双方に求められている」と繰り返し述べ、日中関係改善への意欲を表明した。 
 団長の遠山清彦衆院議員(公明)と細野豪志衆院議員(民主)が会談後、記者会見して明らかにした。 
 日本側は今回の訪中で要人との面会を要請していなかったが、1週間ほど前に中国側から「要人会見があるので日程を延ばして欲しい」と連絡があったという。李氏が2013年3月に副主席に就任して以降、日本の現職国会議員と会見するのは初めて。 
これは、明らかに中国経済の失速を念頭においたものだと思います。

それにしても、日本としては公明・民主の議員が中国に行って、関係を深めたくらいでは、中国の本気度を疑うべきです。

さんざん、愚弄した挙句日中関係改善への意欲を示されたとしても、現状では国民感情が許さないと思います。

困るなら困るで捨て置けといいたいです。どうせ、助けてやっても、また元に戻れば、そんなことはきれいさっぱり忘れる連中なのですから!





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中国訪問に際し記者会経をされる天皇皇后両陛下

特に平成4年に、今生天皇、皇后両陛下が中国を訪問され、それがきっかけで、それまで世界中の国々から制裁を受けていた中国が、世界中の国々から受け入れてもらえたということをすっかり忘れる恥知らずな連中ですから、困ったら捨て置き、国家レベルのつきあいは冠婚葬祭程度にとどめておくべぎです。

平成4年の中国訪問に関する陛下のインタビューについて、以下にその記事のURLを掲載します。


以下は、天皇陛下が中国から日本に戻られたとき詠まれた歌です。
外国(とつくに)の旅より帰る日の本の空赤くして富士の峯立つ
この歌は平成4年に懸案であった中国訪問を終えられて帰国の際に詠まれたものです。中国残留の日本人孤児たちが、あるいは北朝鮮から解放された拉致被害者たちが、機上から見る富士山に帰国を実感したといいますが、その思いは境遇を超えて日本人共通のものに違いありません。

いずれにしても、国土の象徴を国の象徴が見下ろすという取り合わせが壮大であり、響きが雄々しいです。現代の「国見歌」のようにも思えます。なお、天皇は即位20年を振り返って、次のように述べておられる。「象徴とはどうあるべきかということは、いつも私の念頭を離れず、その望ましい在り方を求めて今日に至っています」(平成21年4月記者会見)

皆さん、この歌の真意を、陛下の真意をお汲み取り下さい。

なぜ、わざわざ、陛下が「とつくに」からご帰還なさり、富士山をご覧になって安堵され、中国残留の日本人孤児たちや、北朝鮮から開放された拉致被害者たちが見たであろう富士の美しさと、それを見た安堵の気持ちに思いをはせられ、機上からご覧になられた富士山を歌に詠まれたのか。

それは、もう明らかだと思います。立場上おっしゃることができないので、このような歌に気持ちをしたためられたのです。おいたわしいことです。これがわからない人は、よほど鈍感な人だと思います。
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日本のマスコミ等は、あたかも中国がないと日本が困るかのような報道ばかりしますが、中国との貿易は輸出入のどちらも日本のGDPの数パーセント、しかも、どれも中国でないと駄目ということはなく、すべて他国で代替がきくものがほとんどです。最近では、あのレアアースも中国から輸入しなくてもなんとかなるようになりました。

対外直接投資も、数年前から対中国向けより、対インド向けのほうが増えています。それに、これも日本GDPの数パーセントで、とるに足らないものであり、さらにもう中国には良い投資先はありません。

いずれにせよ、日本はデフレなのですから、これを解消するだけで国内の経済は良くなります。であれば、無理をして中国とつき合う必要もありません。

いまわの際の、とつくにの空騒ぎも、1,000年に一度の震災や津波、原発事故や戦後体制でさえ、悠久の歴史を持つ我が国からみれば、ほんの一時のことに過ぎません。朝廷をはじめとする私たち日本人の日本の伝統文化、それに勤勉で実直な国民性は、古から今に至るまで、継承されてきましたが、これからも悠久の歴史の中に燦然として輝き続けるどころか、さらに輝きを増すことでしょう。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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