2013年2月27日水曜日

中国、60歳以上が2億人突破へ 総人口の14・8%:―【私の論評】社会の変革を後回しにしたつけが効いてきた中国、習近平はラストエンペラーになる!!【2】

中国、60歳以上が2億人突破へ 総人口の14・8%:

北京日報号外

27日付の中国紙、北京日報によると、政府系シンクタンクの中国社会科学院は、中国の60歳以上の高齢者人口が今年中に2億200万人に達し、総人口に占める割合は14・8%になるとの予測を発表した。今年版の「中国老齢事業発展報告」で明らかにした。

・・・・・・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

報告によると、中国の2012年の高齢者人口は1億9400万人で、総人口に占める割合は14・3%。80歳以上は毎年約100万人増加しており、今年中に2200万人に。生活習慣病を患う高齢者は今年1億人を突破するとの見通しを示した。また、子どもがいない高齢者の家庭は昨年で少なくとも100万世帯に上った。

【私の論評】社会の変革を後回しにしたつけが効いてきた中国、習近平はラストエンペラーになる!!<2>

中国の人口は60歳以上が、2億人を突破することが確実になってきました。中国の老齢化に関しては、このブログにも過去に何回か掲載してきました。日本の場合は、社会がある程度高度化してから、老齢化したので、老齢化は確かに大変なのですが、さらならる生産性の向上などにより何とか出来る見込みはあります。それに、随分前に調べたのですが、65歳の高齢者のうち、介護が必要な人は5%ということで、これは思いのほか少ないです。

それに、中国の60歳台と、日本など先進国の60歳台とには根本的な違いがあります。日本の60歳台で現在最も人口が多いのは、いわゆる団塊の世代と呼ばれる人たちです。

団塊の世代とは、日本において、第一次ベビーブームが起きた時期に生まれた世代、または第二次世界大戦直後に生まれた文化的思想的に共通している世代のことです。第一次ベビーブーム世代とも呼ばれます。第二次世界大戦後の日本の歩み特に経済成長を共にしており、またその突出した人口構成ゆえに良くも悪くも日本社会のありように多大な影響を及ぼしている世代です。

人口論による厳密な定義としては、第一次ベビーブーム時代の1947年から1949年までの3年間に出生した世代を指します。この世代の年間出生数は250万人を超え、3年間の合計は約806万人にのぼります(厚生労働省の統計)。人口面からの分類法であり、堺屋太一によるノジュールの訳語による語源の由来と密接に関係しています。

この層の人たちは、それ以前の人々から比較すると、ライフスタイルもものの考え方も現代人にかなり近く、若いころに、はじめてヤングと呼ばれた世代でもあります。高度経済成長とともに歩み、それまでの日本人から比較すれば、かなり豊かになった時代に育っています。現役時代には、パソコンなども使う時代にあたっており、その意味でも現代の若い世代ともライフ・スタイルも考え方にもあまり違いはなく、相互理解もしやすいです。

iPadを使う日本の高齢者

しかし、中国の60歳台の場合は、日本の団塊の世代とはかなり異なります。若い頃は、日本の団塊の世代などとは異なり、大部分の人が、食事にも窮したような、貧乏な時代を過ごしています。経済的にある程度良くなったのは、中年を過ぎてからなので、考え方、ライフスタイルも今の若い世代とは相当異なります。また、パソコンなども特殊な人を除きつかつたことのない人が大多数です。

このようなことから、日本の60歳台は、知識労働にも馴染んだ人が多いですが、中国ではそうではありません。ほとんどの人が、肉体労働で収入を得た人たちが多く、知識労働などに従事できる人はほんの一握りです。

それに、中国が高齢化で不安なのは、日本のように社会保障がほとんどないことです。生活に窮したとしても、生活保護などあるわけでもなく、医療費も高額ですし、日本人と比較すると、かなり利己的な社会となっていますから、かなり深刻です。日本も決して良い環境とはいえませんが、中国に比較すれば、老人にとっては、別天地です。

にもかかわらず、中国では経済発展のみを優先して、こうした高齢化への対策を怠ってきました。これから、高齢化が進展するにつれて、日本では考えられないほどの社会不安がおこるのは必定です。

そうして、中国では、このような問題に対して対処する気は毛頭ないようです。このような問題を放置しておけば、経済もうまくはいかなくなります。とにかく、貧富の差が大きすぎることを放置しておいて、官僚と一部の企業家だけが、私服を肥やしますます社会不安をつのらせる一方です。

中国は最早若者の国ではない。急速に高齢化が進んでいる。

こうした、高齢化にともない中国では中国独自の特殊事情で最近さらに深刻な問題がおこっています。

中国では、大事に育てた一人っ子に先立たれた家庭(中国語で「失独家庭」)が増え続けており、近い将来に1000万世帯を超える見通しだというのです。夫婦のほとんどは50歳を超えており、失意の中で過ごすという精神面の問題だけでなく、これらの老齢家族の面倒を今後、誰が見るかという新たな問題が浮上しています。これらの人々が、さらに高齢化すれば、中国の高齢化問題はよりいっそう深刻なものになります。

中国が一人っ子政策に踏み切ったのは1979年でした。前年末に天津のある女性労働者(女児1人を持つ)が「もう男の子は欲しがりません」と宣言。これをきっかけに一人っ子政策が国策となり、1980年には「晩婚」「晩生」などを盛り込んだ婚姻法も成立しました。

中国の老夫婦

それから30年余り、多少の緩和策は取られたものの、都市部ではいまだに厳しい一人っ子政策が継続されています。総人口を抑制するにはやむを得ない政策ではあったことも事実ですが、半面でいくつかの重要な問題も引き起こしてきました。

最大の問題は中絶の増加などにより、男女比が極端にアンバランスになってしまったことです。そのほか、戸籍のない子供が多く生まれたり、一人っ子を甘やかした結果、社会常識の欠落した協調性のない人間が増えたりするなどの問題点も指摘されています。

そこに新たに一人っ子に先立たれた家庭の問題が登場してきたわけです。当局によると、こうした家庭は毎年7万6000世帯ずつ増え続けており、近い将来には1000万を超えるといいます。夫婦ともに健在ならば、一人っ子に先立たれた人は2000万人以上になるのです。

高齢化や、人口構成の歪さ、それに経済でバブルが弾けた中国、当面経済発展だけで、なんとか社会を維持させるということにも限界があります。

ラスト・エンペラー習近平

さて、このままでは、中国はまったなしです。このまま社会を放置しておけば、いずれ内乱が起こり、中国共産党中央政府の明日はないでしょう。社会変革をすれば、中国共産党中央政府が、そのまま存続することはなく、まったく別物になるしかありません。そうして、習近平は、時間稼ぎのために、これからも、人民の目をそらすため、反日政策を更に強化せざるをえません。日本側がどうしようにも、中国のこの体制が変わらない限り、日中間系は悪化する一方です。いずれにせよ、10年以内に結論を出さざるをえない状況に中国共産党中央政府が追い込まれていることは間違いありません。そう思うのは、私だけでしょうか? 皆さんは、どう思われますか?

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