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2020年1月13日月曜日

【日本の解き方】韓国・文政権が「反日」を強めるしかない事情 経済失政で苦境続き…中国・北朝鮮に頭上がらず―【私の論評】経済悪化や、社会構造まで日本のせいにする韓国とは関係を避けよ(゚д゚)!


日本製品不買運動など「反日」はエスカレートするのか

2017年5月に就任した文在寅(ムン・ジェイン)大統領は任期5年の折り返しを過ぎた。任期の残りで悪化した経済を立て直せるのか。そして対日関係を改善させる可能性はあるのだろうか。

 結論からいえば、反日政策が強まる可能性が高い。

 文政権の本質は典型的な左派だ。雇用を作るより賃金にこだわり最低賃金を過度に引き上げ、結果として失業を増大させたことなどは日本の左派政党と極めて似ている。

 左派政党の常として共産主義への憧憬がある。これは左派の理論基盤であるので仕方ない。そのため中国や北朝鮮に対して精神的に頭が上がらない。文政権の韓国は形式的には民主主義・資本主義の西側諸国の一員であるが、実質は中国・北朝鮮の友好国なのだ。

 もともと韓国は半島国家として中国の大きな影響を受けてきた。「事大主義」といわれるように、強い中国と争わないことが国益にもなっていた。こうした複雑な歴史や地政学的な半島国家の宿命から、保守政権であっても、「反日」は常に韓国政府の有効な逃げ道だった。

 特に左派の文政権にとって、中国と北朝鮮への配慮は必要だ。中国に対しては経済依存度が高いからやむを得ないという側面もあるが、北朝鮮に対しては、はたから見ても異様だ。

 北朝鮮から全く相手にされていないのにかかわらず、文大統領は金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長にラブコールを送り続けている。正恩氏は直接トランプ米大統領との対話チャンネルを持ったので文氏の仲介は必要ないのだが、仲介したいと言う。これでは押し売りだ。これに対し、日本は気兼ねなくはけ口として批判できるので便利な存在だろう。

 文政権は、経済政策を失敗して苦境に陥っている。対日政策でも、日本側の輸出管理見直しへ適切な対応ができず、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄を言い出しては撤回するなど独り相撲を行い、日本製品ボイコットを黙認したあげく、韓国観光業への大打撃を与えて自爆状態になっている。

 米中貿易戦争で中国経済がダメージを受けていることも、中国依存の韓国経済には痛手だ。そうした経済苦境により、文政権への支持率は就任以降、総じて低下傾向だ。よほどのファンを除くと、経済がよければ支持するが経済が悪ければ支持しないというライトな層が離れる。経済政策の巧拙によって支持率は動くのだ。

 それでもコアな層は支持し続ける。そしてこうした時に、政治対応としてはコアの支持者固めをする。となると、文政権のコアな支持者は中国と北朝鮮にシンパシーを持つ人が多いので、反日政策は強くなることはあっても決して弱まることはないだろう。

 むしろ、経済苦境の原因を日本に求めて、日本に責任転嫁する可能性が高い。そもそも政治的に考えると、これまでの反日を方向転換することは有り得ない。そうなると、コアの支持者まで失ってしまい、文政権の崩壊になるからだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】経済悪化や、社会構造まで日本のせいにする韓国とは関係を避けよ(゚д゚)!
上の高橋洋一氏の記事には「経済苦境の原因を日本に求めて、日本に責任転嫁する可能性が高い」としていますが、まさにそのとおりです。実際韓国はすでにそれを実行しています。

たとえば、韓国の経済悪化の原因の一つとして、日本による韓国への「輸出管理の強化」が挙げられていますが、これは完璧な誤りまです。

輸出管理が強化されたにしても、
輸出不可ということでは全くない

「韓国に対する輸出規制」に関しては、韓国メディアは『半導体材料を“事実上の禁輸”』『対韓輸出規制を発動』などと、勇ましく報道しています。それと同時に、記事では、『自由貿易を掲げてきた日本へ各国から批判が集まる懸念もある』『各国に恣意的なルール変更ともとられかねない』といった指摘もしています。

果たしてそうなのでしょうか。

まずそもそもこれは、韓国に対して新たに「輸出規制を発動」するものではありません。韓国向けの輸出について、2004年から特別に優遇して簡略化していた手続きを、2003年までの普通の手続きに戻すものです。

簡略化した手続きとは、3年間有効な「包括許可」を得れば、いつでも輸出できるというものです。本来は、輸出の契約ごとに「個別許可」が必要です。2003年当時は、韓国への輸出は個別許可が必要でしたた。まさにこの時の手続きに戻したというだけのことです。

また、輸出に際して「個別許可」が必要なのは、輸出管理の世界では国際的な原則で、特別に信頼できる相手国についてのみ、「包括許可」による手続きの簡略化が認められていました。この対象国を、日本の制度では「ホワイト国」と呼んでいます。2004年にこの「ホワイト国」に韓国が追加されたのです。

なお、この個別許可について、一部の報道では「出荷ごと」に許可が必要となり、日々、工場から韓国に製品を出荷しているようなビジネスが停滞してしまうというような報道によって、輸出企業の現場は混乱しているようです。

これは誤解で、個別許可は”契約ごと”に必要で、一契約で何回にも出荷を分ける通常のビジネスは当然、一度個別許可を得ていれば出荷ごとに許可を得る必要はありません。
特別に信頼できる「ホワイト国」とは、あくまでも輸出管理の観点で信頼できるかどうかです。国際的には欧米主導で長い歴史を有する輸出管理の枠組みが、分野ごとに4つあります。詳細は省きますが、ホワイト国の対象にするには、相手国がこれらに参加していて、しかも国内で厳格に輸出管理をしていることが必要となります。

1990年代、韓国はまだ国際的な輸出管理の枠組みのメンバーではありませんでした。日本は韓国がそのメンバーに参加できるよう、各国に働きかけ、韓国にも関係者が再三足を運んで、韓国が輸出管理をしっかりできるように全面的に支援していました。

その結果、韓国も国際枠組みのメンバーになることができ、韓国からも日本のそれまでの協力、働きかけに感謝されていました。それが2004年に、韓国をホワイト国に追加して特別に優遇することにつながっていったのです。
ホワイト国として特別優遇するためには、相手国が厳格に輸出管理をしているかどうかを確認するための協議をするのが通常です。

そうした協議を、日本は欧州など他のホワイト国と実施してきています。しかし近年、韓国だけはどういうわけか、日本との輸出管理の協議に応じていませんでした。

政府が、「優遇した手続きの前提になる輸出管理の信頼関係が崩れている」としていることから想像するに難くないです。しかし、これを「安全保障の友好国でなくなった」と理解するのは、明らかに行き過ぎです。

安全保障の友好国が「ホワイト国」であると解説している報道もありますが、そうではありません。例えば、インド太平洋戦略を共有するインドや海上共同訓練をするインドネシアなどもホワイト国ではなく、個別許可が必要です。

また欧州連合(EU)が輸出管理のうえで特別優遇しているのは日本を含めて8カ国で、これに韓国は入っていません。多少の細かい点を無視すれば、EU並みの手続きに戻したとも言えます。それでどうして「自由貿易に逆行する」との批判が各国から出るのでしょうか。

この措置の背景に、対韓強硬の声があるのは事実でしょう。韓国人元徴用工の訴訟問題を巡る韓国の対応に、韓国への強硬措置を求める声が自民党内や官邸内で高まっていました。事態打開のために対抗措置を模索していたのも事実です。そうした中で、打ち出された措置を「事実上の対抗措置」と受け止めるのも自然な成り行きです。

しかし中国によるレアアースの禁輸措置と同列に論じるのは的外れです。日本は法治国家だ。政治的な道具として法律運用を自由に利用できるものではありません。

報道の中には個別許可について、「基本的に輸出を許可しない方針で、事実上の禁輸措置」だとするものもあります。しかし、法治国家としてこうした恣意的運用はあり得ず、明らかに間違いです。

仮にそうした運用をすれば、国が輸出者から訴えられたら負けるのは明らかです。韓国への対抗措置を強く求める立場からは、そうした運用を強く期待したいのは分からないでもないですが、法制度としては無理があります。それにもかかわらず、そうした声に引きずられて報道するのはいただけません。

あくまでこの措置は、手続きを「包括許可から個別許可へ」と、元に戻す変更を行うものです。基準を原則不許可にするよう変えるものではありません。それでは対抗措置として生ぬるい、不十分だというのならば、米国のような原則不許可にするような法律を議員立法で作るしかありません。

また、逆に反対の立場から対抗措置の連鎖になると懸念する向きもありますが、この措置の中身を見れば、およそ対抗措置と言えるものではなく、そうした懸念は的外れであることも分かるでしょう。

「世界貿易機関(WTO)協定違反の疑いもあるグレーな措置」とする、ある日本の識者のコメントまであります。であれば、2003年まで日本はWTO違反をしていたとでも言うのでしょうか。

とても日本の輸出管理法制を理解してコメントしているとは思えません。EU並みの手続きにすること、対インドネシア並みの手続きにすることが、どうしてWTO協定違反になりえるのでしょうか。韓国側の過剰反応に引っ張られ過ぎではないでしょうか。

いずれの立場であっても、まずは冷静に事実に基づいて論じるべきです。

ただし、韓国は、あくまでこの措置により、韓国は経済的不振に陥っていると強弁するでしょう。しかし、その真の原因は、日本の貿易などとは全く関係なく、韓国政府の近年経済対策に問題があるのです。


最も悪化させたのは、金融緩和をしないで最低賃金を単純にあげたことです。韓国の文政権が最低賃金引上げと時短を実施したため、失業率が上がったのです。金融緩和で先に雇用を作らず賃金を上げると雇用が失われる典型的な失敗政策で、これは日本の民主党時代の政策と瓜二つです。

立憲民主党の枝野氏など、韓国でこの政策が完璧に大失敗であることがはっきりしたにも関わらず、金融緩和はせずに再分配をすぺきと主張しています。

さらに、韓国経済は典型的な輸出依存型で、国内総生産(GDP)の約37%を輸出が占めます。半導体は輸出の20%余りに上り、韓国経済を牽引(けんいん)する数少ない分野です。これも、輸出に依存しすぎであり、昨今の韓国経済を悪化させている原因の一つでもあります。


さらに、GDPに占める個人消費の割合は、1970年代はじめは70%台だったのが、2000年に53.8%に低下し、2015年に初めて50%を割り込んだあと3年連続で低下しています。2017年のGDPに占める個人消費の割合は48.1%と、前年に比べて0.6ポイント低下し、韓国銀行が統計を取り始めた1970年以降ではもっとも低くなっています。

ちなみに、日米のGDPに占める個人消費の割合は、米国70%を超え、日本は60%を超えます。このように内需が大きければ、国際経済から受ける悪影響は、比較的少ないですが、韓国のように内需が小さければ、国際経済の影響をもろにうけてしまいます。

このような経済構造にしてしまったのは、あくまで韓国の責任であり、日本とは全く関係ありません。

     統計庁が先月31日発表した「12月及び年間消費者物価動向」によると、
     昨年の消費者物価指数は前年より0.4%上昇に止まった。

昨今の韓国の経済の悪化は、もともと韓国経済が脆弱であったことに加え、金融緩和をせずに、最低賃金をあげるという、まるで日本の民主党政権のときのようなトンデモ経済理論を実行したことによるものです。

さらに、最近の韓国情勢を見ていると、文大統領の政策で韓国国内が二分されていることがわかるります。GSOMIAに関する世論調査を見ても、文政権の当初の廃止の決定に対する賛否は割れていた。その後の政府の姿勢転換についても、国民の意識は大きく割れているように見えます。

国内世論が大きく割れる背景の一つに、韓国の経済環境が悪化する中、文在寅(ムン・ジェイン)大統領がしゃにむに“南北統一”を目指していることがありそうです。

南北統一に関して、一部の世論調査では約53%が賛成でした。それは見方を変えると、約半数の国民は南北統一に慎重であることの裏返しともいえます。特に、シニア世代と若年層では、南北統一への見解が大きく異なっているといわれています。

世代間で世論が分かれる要因として、朝鮮戦争による家族離散などの要因があるとみられます。動乱を経験したシニア世代が、家族がともに生活できる環境を希望することは想像に難くないです。韓国映画でもそうしたシーンが描かれています。

一方、若年層は、冷静に経済環境を直視しているケースが多いのでしょう。中国経済の減速などによって韓国の所得・雇用環境は悪化し、将来をあきらめる若者もいるといわれています。その中で南北統一が目指されれば、韓国は北朝鮮に資金援助などを行わなければならなくなります。

「これ以上の生活環境の悪化には耐えられない」というのが彼らの本音なのでしょう。

ただ、南北統一を期待する市民団体などの支持を得てきた文大統領は、これまでの政策理念を撤回することはできない。そうした状況が続くと、韓国の世論は分断された状況が続き、社会・経済の不安定感は高まりやすいと懸念されます。

こうした社会の変容にともない、当然のことながら、国民の中には不満が鬱積しています。本来なら、韓国政府がこの不満の鬱積を解消すべきなのですが、これに対して韓国政府は何もせず、国民の爆発寸前の憤怒のマグマを反日により、日本に向けて爆発させようと画策するばかりです。

日本としては、何でも日本のせいにする韓国はまともに相手にしても仕方ないので、国際社会に丁寧に説明して、韓国とはなるべく関わり合いにならないすることが得策だと思います。

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2013年2月27日水曜日

中国、60歳以上が2億人突破へ 総人口の14・8%:―【私の論評】社会の変革を後回しにしたつけが効いてきた中国、習近平はラストエンペラーになる!!【2】

中国、60歳以上が2億人突破へ 総人口の14・8%:

北京日報号外

27日付の中国紙、北京日報によると、政府系シンクタンクの中国社会科学院は、中国の60歳以上の高齢者人口が今年中に2億200万人に達し、総人口に占める割合は14・8%になるとの予測を発表した。今年版の「中国老齢事業発展報告」で明らかにした。

・・・・・・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

報告によると、中国の2012年の高齢者人口は1億9400万人で、総人口に占める割合は14・3%。80歳以上は毎年約100万人増加しており、今年中に2200万人に。生活習慣病を患う高齢者は今年1億人を突破するとの見通しを示した。また、子どもがいない高齢者の家庭は昨年で少なくとも100万世帯に上った。

【私の論評】社会の変革を後回しにしたつけが効いてきた中国、習近平はラストエンペラーになる!!<2>

中国の人口は60歳以上が、2億人を突破することが確実になってきました。中国の老齢化に関しては、このブログにも過去に何回か掲載してきました。日本の場合は、社会がある程度高度化してから、老齢化したので、老齢化は確かに大変なのですが、さらならる生産性の向上などにより何とか出来る見込みはあります。それに、随分前に調べたのですが、65歳の高齢者のうち、介護が必要な人は5%ということで、これは思いのほか少ないです。

それに、中国の60歳台と、日本など先進国の60歳台とには根本的な違いがあります。日本の60歳台で現在最も人口が多いのは、いわゆる団塊の世代と呼ばれる人たちです。

団塊の世代とは、日本において、第一次ベビーブームが起きた時期に生まれた世代、または第二次世界大戦直後に生まれた文化的思想的に共通している世代のことです。第一次ベビーブーム世代とも呼ばれます。第二次世界大戦後の日本の歩み特に経済成長を共にしており、またその突出した人口構成ゆえに良くも悪くも日本社会のありように多大な影響を及ぼしている世代です。

人口論による厳密な定義としては、第一次ベビーブーム時代の1947年から1949年までの3年間に出生した世代を指します。この世代の年間出生数は250万人を超え、3年間の合計は約806万人にのぼります(厚生労働省の統計)。人口面からの分類法であり、堺屋太一によるノジュールの訳語による語源の由来と密接に関係しています。

この層の人たちは、それ以前の人々から比較すると、ライフスタイルもものの考え方も現代人にかなり近く、若いころに、はじめてヤングと呼ばれた世代でもあります。高度経済成長とともに歩み、それまでの日本人から比較すれば、かなり豊かになった時代に育っています。現役時代には、パソコンなども使う時代にあたっており、その意味でも現代の若い世代ともライフ・スタイルも考え方にもあまり違いはなく、相互理解もしやすいです。

iPadを使う日本の高齢者

しかし、中国の60歳台の場合は、日本の団塊の世代とはかなり異なります。若い頃は、日本の団塊の世代などとは異なり、大部分の人が、食事にも窮したような、貧乏な時代を過ごしています。経済的にある程度良くなったのは、中年を過ぎてからなので、考え方、ライフスタイルも今の若い世代とは相当異なります。また、パソコンなども特殊な人を除きつかつたことのない人が大多数です。

このようなことから、日本の60歳台は、知識労働にも馴染んだ人が多いですが、中国ではそうではありません。ほとんどの人が、肉体労働で収入を得た人たちが多く、知識労働などに従事できる人はほんの一握りです。

それに、中国が高齢化で不安なのは、日本のように社会保障がほとんどないことです。生活に窮したとしても、生活保護などあるわけでもなく、医療費も高額ですし、日本人と比較すると、かなり利己的な社会となっていますから、かなり深刻です。日本も決して良い環境とはいえませんが、中国に比較すれば、老人にとっては、別天地です。

にもかかわらず、中国では経済発展のみを優先して、こうした高齢化への対策を怠ってきました。これから、高齢化が進展するにつれて、日本では考えられないほどの社会不安がおこるのは必定です。

そうして、中国では、このような問題に対して対処する気は毛頭ないようです。このような問題を放置しておけば、経済もうまくはいかなくなります。とにかく、貧富の差が大きすぎることを放置しておいて、官僚と一部の企業家だけが、私服を肥やしますます社会不安をつのらせる一方です。

中国は最早若者の国ではない。急速に高齢化が進んでいる。

こうした、高齢化にともない中国では中国独自の特殊事情で最近さらに深刻な問題がおこっています。

中国では、大事に育てた一人っ子に先立たれた家庭(中国語で「失独家庭」)が増え続けており、近い将来に1000万世帯を超える見通しだというのです。夫婦のほとんどは50歳を超えており、失意の中で過ごすという精神面の問題だけでなく、これらの老齢家族の面倒を今後、誰が見るかという新たな問題が浮上しています。これらの人々が、さらに高齢化すれば、中国の高齢化問題はよりいっそう深刻なものになります。

中国が一人っ子政策に踏み切ったのは1979年でした。前年末に天津のある女性労働者(女児1人を持つ)が「もう男の子は欲しがりません」と宣言。これをきっかけに一人っ子政策が国策となり、1980年には「晩婚」「晩生」などを盛り込んだ婚姻法も成立しました。

中国の老夫婦

それから30年余り、多少の緩和策は取られたものの、都市部ではいまだに厳しい一人っ子政策が継続されています。総人口を抑制するにはやむを得ない政策ではあったことも事実ですが、半面でいくつかの重要な問題も引き起こしてきました。

最大の問題は中絶の増加などにより、男女比が極端にアンバランスになってしまったことです。そのほか、戸籍のない子供が多く生まれたり、一人っ子を甘やかした結果、社会常識の欠落した協調性のない人間が増えたりするなどの問題点も指摘されています。

そこに新たに一人っ子に先立たれた家庭の問題が登場してきたわけです。当局によると、こうした家庭は毎年7万6000世帯ずつ増え続けており、近い将来には1000万を超えるといいます。夫婦ともに健在ならば、一人っ子に先立たれた人は2000万人以上になるのです。

高齢化や、人口構成の歪さ、それに経済でバブルが弾けた中国、当面経済発展だけで、なんとか社会を維持させるということにも限界があります。

ラスト・エンペラー習近平

さて、このままでは、中国はまったなしです。このまま社会を放置しておけば、いずれ内乱が起こり、中国共産党中央政府の明日はないでしょう。社会変革をすれば、中国共産党中央政府が、そのまま存続することはなく、まったく別物になるしかありません。そうして、習近平は、時間稼ぎのために、これからも、人民の目をそらすため、反日政策を更に強化せざるをえません。日本側がどうしようにも、中国のこの体制が変わらない限り、日中間系は悪化する一方です。いずれにせよ、10年以内に結論を出さざるをえない状況に中国共産党中央政府が追い込まれていることは間違いありません。そう思うのは、私だけでしょうか? 皆さんは、どう思われますか?

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2012年11月4日日曜日

中国は世界で最もストレスの大きい国に―【私の論評】日本の円高・デフレを終わらせ、中国麻薬漬け政策を終わらせ、中国に新社会秩序を打ちたてよ!!

中国は世界で最もストレスの大きい国に:

中国人から「日本はストレスが多すぎる。中国は気楽で良いよ」なんて聞かれたのはほんの10年前。確かに日本社会もストレスが多いが、今や中国はそれを超えるストレス大国になってしまったようだ。レンタルオフィス世界最大手・英リージャスが行った調査によると、中国国内のサラリーマンが一年間に受けたストレスは世界で一番大きい事が分かった。



この記事の続きはこちらから!!

【私の論評】日本の円高・デフレを終わらせ、中国麻薬漬け政策を終わらせ、中国に新社会秩序を打ちたてよ!!

中国のサラリーマンにストレスが多くなっているということは、マスコミなどの報道だけでは到底理解することはできません。なぜ、ストレスが高まっているかといえば、本来は、中国の社会構造が前から変わっていなければならないのに、全く変わっていないし、現在の中国指導層には、その気もないということです。

ノーベル文学賞の莫言氏は作品で、中国社会の矛盾あぶり出している。日本文学に影響を受けている。
これを理解するには、まずは、中国の過去の経済が、どのように発展してきたかを理解しなければなりません。それに関しては、日本の大手マスコミが報道しているようなことだけでは、到底理解できません。このことは、このブログにも過去にいく度か掲載してきたものです。以下にその最近のものを掲載しておきます。

中国人民銀、日銀の追加緩和にいら立ち 過度の資本流入懸念−【私の論評】中国の経済破綻が始まる?!日銀を何とかしなければ、日本は草刈場になる!!

詳細は、上の記事をご覧いただくものとして以下に要点のみコピペしておきます。
どういうことか、さらに解説すると、日本銀行がどんなことがあっても、金融緩和をせず、金融引き締めに固執しており、特に増刷はかたくなに拒否しています。だから、中国は、過去には、国内が不況になりかけても、元を大量に刷っても、元安傾向になるため、日本に対して大量に輸出ができ、インフレ傾向となっても、あまり被害をこうむることはありませんでした。これは、まるで、打ち出の小槌を持っているようなもので、いままでは、一種の担保、安全弁のようなものであり、中国経済の発展に寄与してきました。 
しかし、このような打ち出の小槌もそろそろ効き目がなくなってきたということです。なぜなら、今までだと、日本銀行の安全弁をあてにして、固定相場制の中で、元をかなり大量に刷り増したとしても、さほど危険はなかったのですが、今や、大量に刷り増しすると、ハイパーインフレになってしまいます。かといって、緊縮財政、金融引き締めをすれば、ただでさえ、景気が悪いのにさらに落ち込みます。このようなことは、なかなかできません。


さて、このことは、最近このブログにも登場する経済評論家 上念司氏が、雑誌正論12月号に、『日銀“退治”が中国経済を粉砕する』というタイトルで掲載していますので、下に簡単にその要点を記載させていただきます。この雑誌、他にもいろいろと面白い記事が満載ですので、実際に購読され、読まれることをお勧めします。

中国を支えているのは為替操作によるキャッチアップ型の経済成長であり、円高とデフレを放置する日本銀行によるものだ。からくりはこうだ。 
慢性的な円高に苦しむ日本企業は、過度な「元安」政策をとる中国に生産拠点を移し、出来上がった製品の一部を逆輸入している。国内で一貫生産するより、わざわざ中国を経由した方がもうかる構造になっているのだ。つまり日銀は、「デフレ政策で日本の産業空洞化を促進し、雇用と技術を中国に貢ぎ続けた」ことになる。 
これ以上、日本経済が中国に振り回されないで済むにはどうしたらいいか。答えは簡単だ。日銀にデフレ政策をいますぐやめさせることである。
さて、上記を読んでいただければ、中国の経済発展に、日銀がいかに寄与しているか、おわかりいただけたものと思います。しかし、この日銀の中国にとっての、打ち出の小槌のような政策は、最近では効き目がなくなりつつあります。

現在中国では、バブルは崩壊し、経済は停滞しているものの、物価は最近は、ひところよりは、落ち着いてはいますが、上昇し続けています。これは、スタグフレーションといっても良い状況です。

実質経済成長率の推移(1980~2012年) - 世界経済のネタ帳

このような状況で、日銀が円高・デフレ政策により、中国に対して支援したとしても、本格的にダメになることは防げても、立ち直るところまではできません。中国が、これ以上元を擦り増しして、金融緩和をしたとしても、景気は良くならなず、物価が上昇し、スタグフレーションが進化するだけです。

このようなことを書くと、最近日銀は、政府と覚書をかわし、金融緩和をすることを約束しているので、中国では大変なことになると思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、そんなことは絶対にありません。日銀は、円高・デフレ政策を変えることはありません。それは、以下の動画をご覧いただけばご理解いただけるものと思います。


この動画は、SakuraTVによる、世に溢れる「経済ニュースのウソ」を暴いていく上念司の「メディアの嘘を見抜け!」というシリーズの中の一つです。今回は、日銀が政府に何の「制約」もなしに約束した事を、あたかも『中央銀行のコミットメント』のように報じるインチキ記事について、その抜け落ちている部分を解説しています。

要するに、日銀は、政府に対して金融緩和することを約束していますか、その約束たるや、普通は、約束としての項目として、ある程度の高い数値目標、期限、履行できなかった場合の罰則などが含まれるのですが、そんな項目は一つもなく、結局日銀は、政府との約束事守る気などさらさらないということです。

少し話がずれてきたので、話を本題に戻します。話の本筋は、中国のサラリーマンのストレスが増加していて、その背景には、本来は、中国の社会構造が前から変わっていなければならないのに、全く変わっていないし、現在の中国指導層には、その気もないということです。

もはや世界の工場ではなりたたない中国
中国の現在の経済体制は、まともな資本主義体制にあるわけではありません。形は、資本主義の形式をとていますが、実態は、国家資本主義体制です。この体制では、政治と経済の分離がなされていません。この体制では、資本主義体制におけるようないわゆる起業家のような努力などする必要はありません。というより、そんな努力を重ねても無駄です。必要なのは、私たちには、常識となっている起業家的努力ではなく、政府の中枢などの人物との人脈です。これさえあれば、小さな商売はもとより、大きな事業でも成功することを保証されたようなものです。それに、中国では、何も起業家にならなくても、官僚であれば、金儲けができたということもあります。

しかし、上で述べたように、このようなことも、最近ではだんだんとなりなりたたなくなってきたということです。何しろ、政府が経済をコントロールできなくなってきているわけですから、いくら、政府に人脈があったとしても、それは何の保証にもならなくなってきたということです。であれば、サラリーマンも昔のように人脈だけにこだわっているわけにもいかず、本気で市場に対応しなくてはいけなくなってきたということです。だから、ストレスも増してきたということです。

それに、いくら市場に本気で対応しようとしても、サラリーマンには限界があります。中国では、社会構造が著しく遅れています。なぜかといえば、過去において、中国は、社会構造など無視して、国家社会主義体制を推進することに注力してきたからです。しかし、この体制ももう破綻しかけているということです。中国が経済低迷から回復するには、もう過去のやり方は通用せず、国家資本主義体制から、資本主義体制に転換しなければならないということです。


そうして、これは、相当困難なことです。なぜなら、中国では、エリートと言われる人々でさえ、資本主義の意味がわかっていません。このためには、まずは、政治と経済の分離、民主化、法治国家化が必要不可欠です。しかし、中国の指導層には、このようなことは理解できません。なぜなら、誰も本当の意味での資本主義を経験したこともなく、本当に学んだこともないからです。それに、中国での資本主義体制の移行は、他国と比較しても、空前絶後の大きなものです。これほど、転換は、過去にどの国も経験したことがありません。だから、他国の事例も役に立ちません。

そうして、どこの国でもずいぶん前から終焉し、特に今世紀になってからは、どこの国にも残っていないような中国の古い社会構造がそのまま残ってしまいました。これは、過去においては、中国が、何か社会問題が起こったとしても、国家資本主義体制の推進ばかり優先して、それらをことごとく圧殺してきたからです。そうして、特に今世紀に入ってからは、日銀が円高・デフレ政策によって、中国の経済発展に寄与してからです。



麻薬による経年変化。わずか数年で、要望がすっかり変わってしまう!!
本来まともな資本主義体制には、まともな社会構造が必要不可欠であり、少なくとも他の資本主義体制の先進国では、社会構造を変えてきました。無論では、日本をはじめとする、他の国々の社会が問題がないかといえば、そのようなことはありません。まだまだ、理想的ではなく、理想を追求すべきです。しかし、中国では理想を追求するどころか、多くの高級官僚やエリートですら、このようなことをそもそも理解していません。だから、古い社会構造のままの環境で、サラリーマンが市場に本気に対応しようとしても、そもそも、限界があるのです。だから、ますます、ストレスが高まるのです。

社会構造そのものを変えないと、まともな資本主義体制は、体裁だけでも整えることすらできません。しかし、これを変えなければ中国の経済の回復はありえません。しかし、中国政府はこれを変えることは、本気では考えてはいないようです。これは、今までも、日銀の支援があったし、これからもあるであろうという希望的観測があるからだと思います。

現代中国の最大の矛盾。強制立ち退き。
しかし、このようなことが長続ききするはずはありません。日銀は、はからずも、中国を人間でいえば、麻薬漬けにしてしまったといえるかもしれません。しかし、先に述べたようにこのような麻薬漬け政策をつづけたとしても、日本を、デフレと円高で苦しめるし、中国は麻薬漬け体質からなかなか抜け出しにくくするだけです。日銀の白川総裁も、いい加減、中国麻薬漬け政策など、中国を駄目にしていずれ人民に恨まれるだけであろうことを認識していただきたいものです。

やはり、日本の円高・デフレを終わらせ、中国麻薬漬け政策をおわらせ、中国に新社会秩序を早期に打ちたてるためにも、日銀のとんでもない金融政策は、一刻もはやく終わらせるべきだと思います。そう思うのは私だけでしようか?

 

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