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2020年6月14日日曜日

世界新冷戦で中国窮地に! 米・英・台湾で香港奪還へ…日本も決断を コロナ影響で欧州各国の「対中感情」は最悪に— 【私の論評】日本はG7のアングロサクソン3カ国とEUの独仏伊を調整し、台湾とも関係を強化し、コロナ後の新世界秩序の中で存在感を増せ!(◎_◎;)


第2の天安門に!?香港デモ

天安門事件追悼集会で「香港独立」の旗が振られた=4日

 ドナルド・トランプ米大統領は、「香港の優遇措置廃止」と、「世界保健機関(WHO)からの脱退」という2つの重大な決断を下した。中国を見限り、英国や台湾を巻き込む「世界新冷戦」の様相だ。国際投資アナリストの大原浩氏は緊急寄稿で、米英など民主主義勢力と反民主主義勢力の二極化が進むなか、日本も決断を迫られていると現実を突きつける。


 トランプ大統領が関税などの優遇措置の廃止の方針を決めるなど、米中対立の舞台の一つが香港だ。問題の発端である1997年の英国から中国への香港返還・再譲渡は、84年に英中両国が北京で連合声明などの草案に署名したことに遡(さかのぼ)る。

 中国側の署名者は趙紫陽首相だったが、署名の場に同席したトウ小平氏が返還を実現した立役者である。英国側の署名を行ったのは「鉄の女」マーガレット・サッチャー首相だったことは少し意外かもしれない。

 サッチャー氏は、地球の裏側のフォークランド諸島がアルゼンチンに侵攻された時には、軍を派遣して守り抜いた。フォークランド諸島は、香港に比べたら経済的・軍事的価値などほとんどないにもかかわらずだ。

 メディアでは「99年間の租借期限」が到来したから返還したと報道されたが、99年間租借していたのは「展拓香港界址専条」という条約で定められた新界地域だけだった。主要部分の香港島は、1842年の南京条約(第一次アヘン戦争の講和条約)によって、清朝から割譲された英国の永久領土なのだ。1860年の北京条約(アロー号戦争の講和条約)によって、九龍半島の南端も英国に割譲された。

 租借部分を返還した後に香港島だけを守ることが戦術的に難しかったために「再譲渡」されたと考えられるが、香港島は英国の永久領土であり、九龍半島の南端も含めて「再譲渡」する必要などなく、当然英国内で大きな議論が巻き起こった。

 そのような事情もあって、中国共産党政府はトウ小平氏が提示した「一国二制度」をもとに、社会主義政策を将来50年(2047年まで)にわたって香港で実施しないことを約束したのだ。つまり、英国側から見れば、香港譲渡は50年間の約束を守れば…という「解除条件付き契約」であったといえる。

 したがって、共産主義中国がお得意の「ねじ曲げ解釈」をいくら駆使しても、英国としては、「一国二制度」という約束が破られれば、香港の再譲渡契約は無効であり、香港が英国領に戻るのは当然である。

 もちろん、英国だけの力で香港を守るために中国と一戦を交えることは難しい。しかし今回、中国の横暴に激怒しているのは英国だけではない。前述のように、米国は強烈な牽制(けんせい)球を投げた。ドイツをはじめ媚中的行動が目立つ欧州大陸の国々も、あからさまに香港の人々の人権が侵されれば声を上げざるを得ない。しかも武漢発のウイルスの影響で国民の対中感情は最悪だ。

 現在の英国首相であるボリス・ジョンソン氏は、サッチャー氏やウィンストン・チャーチル氏のような強烈な個性を持つ。フォークランド紛争、あるいはナチス・ドイツとの戦いと同じように「反民主主義国家・中国」との戦いに踏み切る可能性は十分あるのではないか。

 ■日本も「新世界組織」に参加すべきだ

 第二次世界大戦は、英国とフランスの同盟国だったポーランドをナチスドイツが侵攻したことで始まった。香港は同盟国どころか、「一国二制度」が守られなければ「英国領」に戻るべき存在なのだ。

 トランプ氏は「中国に支配されている」としたWHOからの脱退も表明したが、これも重要な決断だ。台湾は即座に米国が今後立ち上げるであろう「新世界組織」への参加を表明している。日本も後に続くべきだ。米国はWHOだけではなく、「中国に支配されている」国連をも見限っているのである。

 米国が新型コロナウイルスの感染拡大や白人警官による黒人男性暴行死を発端とした抗議デモなどの問題を抱えるなかで、「火事場泥棒」のような中国による香港への「国家安全法」導入は、ますます米英を怒らせる。そして、歴史的に正統な台湾主体の世界再編が米国によって推進されるという大ブーメランとして返ってくるだろう。

 「民主主義勢力」と「反民主主義勢力」の二極に分かれつつある世界で、日本がどちら側につくべきかは明らかだ。共産主義の代表を「国賓招待」する話がいまだに残っているのは言語道断だ。むしろ、台湾の蔡英文総統こそ、国賓として招待すべきではないか。

 ■大原浩(おおはら・ひろし) 人間経済科学研究所執行パートナーで国際投資アナリスト。仏クレディ・リヨネ銀行などで金融の現場に携わる。夕刊フジで「バフェットの次を行く投資術」(木曜掲載)を連載中。

【私の論評】日本はG7のアングロサクソン3カ国とEUの独仏伊を調整し、台湾とも関係を強化し、コロナ後の新世界秩序の中で存在感を増せ!(◎_◎;)

香港割譲は中国史上最も大きな損失でしたが、香港がいずれ中国に返還されるとは、当初誰も考えていませんでした。

1842年に結ばれた南京条約で、香港島は英国に割譲されました。第一次アヘン戦争で英国の巨大な軍艦と圧倒的な軍事力の前に敗れた中国(当時は清国)に選択肢はなく、香港島は英国に永久割譲、1860年に九龍半島が割譲されました。

不毛の島である香港島には水が不足していました。そのため英国は1898年、中国から新界を租借し、99年後の1997年に「新界のみ」返還すると約束しました。この時点では、香港島まで返還することは想定外だったのです。

イギリス軍がアルゼンチンに奪われた島を奪還したフォークランド紛争の勝利に沸いていた1984年、当時中国の実質的な最高指導者だった鄧小平と香港の返還交渉を行っていたマーガレット・サッチャー英首相は「なぜ(新界だけでなく)香港を返還しなければならないのか」と周囲に聞いていたそうです。

マーガレット・サッチャー英首相

それは鄧小平が香港島と九龍島の同時返還を求め、軍事介入も辞さない姿勢を見せたからでした。軍事力も指導者も、アルゼンチンとは格が違しまそち。結局サッチャーは、1997年6月末に香港を中国に返還することで同意したのです。

1997年6月30日の夜、雨が降る中でイギリスによる香港の委任統治が終わりました。260の島と世界一美しいスカイラインを持つ香港で、午前0時に警官たちが帽子のバッジを王冠からランに付け替え、英国旗「ユニオン・ジャック」が降ろされました。

香港返還に際し、住民の間には混乱というより不安が漂っていました。イギリはすでに香港住民に対するパスポートの発行を止めていました。完全にストップ、立ち入り禁止でした。EUの拡大でポーランド人労働者がイギリスで働ける時代になったというのに、なぜ香港住民はだめだったのでしょうか。

人々が疑問の声を上げたのは他でもない、もし中国政府が(1989年の天安門事件のように)弾圧に乗り出したときは、イギリスが守ってくれる、受け入れてくれると保証してほしかったからです。

その素朴さは胸を打ちました。当時の香港は世界で最も成功した植民地で、香港総督も人気があったのですが、英国にとってはしょせん植民地でした。重要なのは中国本土のほうで、香港は中国市場に参入するうえで障害になっていました。天安門事件後いちばん最初に北京を訪問した西側首脳も当時のジョン・メージャー英首相でした。英国にとって中国は、商売の相手だったのです。

引き揚げを指揮したのは、最後の第28代香港総督を務めたクリス・パッテンでした。それは香港返還にとどまらず、大英帝国の事実上の終焉でした。

パッテンは、多くの政治家のように成功することでのし上がるのではなく、屈辱的な失敗を成功に変える抜け目のない政治家でした。1992年の英総選挙でメージャー率いる保守党が勝利したとき、幹事長として勝利に貢献したパッテンは、自分の選挙区で労働党の候補に敗れて議席を失いました。

そのニュースが流れた時、保守党本部は大いに盛り上が利ました。多くの保守党議員は、パッテンは左寄り過ぎると思っていたのです。サッチャーにも嫌われ、周囲もそのことを知っていました。

それでもメージャーはパッテンの味方をし、1997年6月30日の香港返還までの香港総督に任命しました。英国政府はこのポストに、中国市場での利益を危険にさらさない無難な人材を望んでいました。選挙に落ちたパッテンは安全な選択肢に見えましたた。よもや総督という特権的地位と年金に満足し、政治には干渉すまいと考えたのです。ところがそうした見方は見事に外れたのです。

パッテンには、羽飾り付きの帽子も、論争は傍観するという総督の伝統的なたしなみも捨てて、論争に参加しました。1992年7月の就任時、パッテンは人権や自由、民主主義などの言葉を口にして中国政府を不快にさせました。

中国だけではありません。英経済界がどれほどパッテンの言動を憂慮していたか、1993年にパッテンが心臓の手術を受けた時に明らかになりました。報道で彼が手術中だと伝わると、ロンドンの株価は高騰。回復に向かっていると発表されると、わずかだが売り注文が増えました。

パッテンには妻と3人の娘がいたが、一家は気さくで、妻が病院や慈善団体を訪問する時もリラックスした雰囲気でしたた。

新聞の風刺漫画にはよく、ウイスキーとソーダというパッテンの愛犬が登場しました。どちらも犬種はノーフォーク・テリアで、中国の政治家のかかとに噛みついたりする場面が描かれました。

パッテンは、上流階級が住む高台ではなく香港の旧市街を散歩しました。どこから見ても彼は人気者でしたた。高齢の婦人から建設現場で働く労働者まで、パッテンを見つければ誰もが握手を求めました。カフェに入れば、中国の政治家が夢にも思わないようなもてなしを受けました。

イギリス統治下の香港には、香港住民の意思を反映させる政治制度がなく、民主主義は存在しませんでした。パッテンはそうした状況を正そうとしたのですが、ビジネス上の重大な関心を優先する地元の大立者や中国政府の頑なな反対にあいました。民主主義を経験したことのない一般大衆も、パッテンが目指した議会の民選化に反対しました。

香港住民は中国政府に立ち向かってくれる香港総督に感謝していましたが、中国政府には強い不信感を抱いていました。立法会を作って選挙を行っても、投票権のある有権者のうち35%しか投票しませんでした。

低い投票率で、パッテンが目指した選挙改革は失敗しました。パッテンが離任するまでに立法会の権限は縮小され、中国政府は民主化を疎かにしても民衆の反感を買うことはなさそうだ、と自信をつけました。

パッテンは1997年に中国政府から繰り返し中傷されましたが(「1000年来の男娼」というのもその1つ)、それ以降、香港のカフェに彼以上に人気がある客は現れていません。

このクリストファー・パッテン英オックスフォード大学名誉総長が、最近英与党・保守党の支持者と草の根保守主義者の言論フォーラム「コンサーバティブホーム」のインタビューに応じています。

クリストファー・パッテン氏

その内容を以下に掲載します。
パッテン氏「1989年6月の天安門事件を知らせる外交公電を見た時、もし仮にそれが、軍が自国民に向けて発砲するということを意味しているのなら、中国共産党指導部の一部による権力の座を保持する絶対的な決意の表れだと考えた」
「香港返還後、全てが変わったのは習近平国家主席が現れてからだ。習氏が選ばれたのは、中国共産党重慶市委員会書記だった薄熙来氏がクーデターを計画(2012年に失脚)していると中国共産党指導部が考えたことが一部にあると私は考えている」
中国共産党の行動原理は中国共産党一党支配という体制をどんな手段を使ってでも守るという防衛本能に基づいているとパッテン氏は考えているようです。胡錦濤時代(2002~12年)にそのタガが大きく緩んだとして、習氏が引き締めのため選ばれたというのです。

パッテン氏が危機感をさらに強めたのは2013年の「第9文書」と呼ばれる内部文書を目にしてからです。この中で7つの危険な西洋的価値が列挙されています。
(1)立憲民主制
(2)自由や民主主義、人権など普遍的価値
(3)市民社会
(4)市場原理を重視する新自由主義
(5)報道の自由
(6)中国共産党による中国建国の歴史に対するニヒリズム
(7)中国独特の社会主義に対する疑問
中国共産党は、体制を維持するために、自分たちを脅かす全ての思想や信条を敵視しています。だから西側陣営の私たちが中国を敵視せず、中国との冷戦を望んでいなかったとしても「中国が私たちを敵とみなしていることが問題を引き起こす」とパッテン氏は断言します。

習体制が自由と民主主義、人権、法の支配、自由経済を、中国共産党支配を脅かす危険な敵だと見ていたら、チベット自治区や新疆ウイグル自治区、天安門事件で起きた悲劇が香港や台湾、南シナ海、そして東シナ海でも繰り返される恐れがあるということです。

「香港は中国共産党が嫌う全てのものを体現している」とパッテン氏は指摘しています。

パッテン氏「中国によるいじめの黄金時代になったのは間違いない。他国と協力しなければならないにしても中国にもっと厳しく対応しなければならない。中国は黄金時代の見返りにイングランド北部や同中部シェフィールドへの巨額投資を約束したが、そんなものは起きなかった」
「駐英中国大使があらゆる機会に略奪やいじめのために英中黄金時代というスローガンを使っただけだ。ドイツが、自国のロボット産業に対する中国の略奪的投資について神経質になっている理由をイギリスも考えた方がいい」
ベルリンにある研究機関、メルカトル中国研究センター(Merics)によると、2000年から昨年にかけ中国が欧州各国に対して行った直接投資(FDI)は次の通りです。
イギリス503億ユーロ(約6兆1200億円)
ドイツ227億ユーロ(約2兆7600億円)
イタリア159億ユーロ(約1兆9300億円)
フランス144億ユーロ(約1兆7500億円)
フィンランド120億ユーロ(約1兆4600億円)
オランダ102億ユーロ(約1兆2400億円)
イギリスとドイツへの投資が大きいのは経済規模が大きい上、投資価値のある企業や技術が多く、市場が開かれていることに関係しています。中国に対して欧州の市場は開かれているのに、中国の市場が同じように開かれているわけではありません。

研究開発力のあるイギリスの大学から軍事転用可能な最先端技術が中国人留学生を通じてリアルタイムで中国に流出しています。

さらに新型コロナウイルス・パンデミックでは感染防護のためのN95マスク一つとっても中国抜きではつくれなくなったことが浮き彫りになりました。中国は世界のサプライチェーンにガッチリと組み込まれています。

英シンクタンク、ヘンリー・ジャクソン・ソサエティー(HJS)がアングロサクソン5カ国の電子スパイ同盟「ファイブアイズ」のサプライチェーンにおける中国依存度を調べています。例えばラップトップ型PCのサプライチェーンではこんな感じです。

オーストラリア94.3%
ニュージーランド93.1%
アメリカ92.7%
カナダ87.5%
イギリス67.6%
携帯電話のサプライチェーンは以下のような状況です。
カナダ77.6%
オーストラリア74.9%
アメリカ72.5%
ニュージーランド67.3%
イギリス61.2%
30年前の天安門事件の時は西側が中国に対して経済制裁を加えることで中国に西側の自由と人権、法の支配、自由経済に従わせることができました。当時、中国経済の世界に占める割合は2%未満でしたが、現在は約20%まで急拡大しています。

中国はもう西側に気兼ねしないで行動できると考え出しているようです。

パッテン氏「これは英保守党の問題だけではない。あらゆる分野で中国との関係を検討すべきだ。貿易、教育、投資、安全保障、中国がどこでルールをねじ曲げているのかを見ること、サプライチェーン、戦略的産業の独立性を明らかにして、行動する必要がある」
安倍晋三首相は10日の衆院予算委員会で、中国の香港国家安全法導入問題を受け「一国二制度を前提に、声明を発出する考え方の下に先進7カ国(G7)の中で日本がリードしていきたい」と意気込みを述べました。

安倍総理 10日の衆院予算委員会にて
これは、アングロサクソン系の米英加豪と連携した動きだと見られます。
西側諸国を代表するG7はアングロサクソン3カ国と欧州の独仏伊に意見が割れがちで、どちらにも属さない日本が仲を取り持つのは、欧州でドナルド・トランプ米大統領への反発が強まる中、外交上、非常に意義があることです。

西側のプラットフォームであるG7や北大西洋条約機構(NATO)、ファイブアイズをフル活用して中国に対し、香港の「一国二制度」と「高度な自治」を維持するよう働きかけ、新型コロナウイルスのゲノム情報を全て開示し起源の確定に協力するよう迫っていかなければなりません。

中国共産党はあらゆる手段を講じて西側諸国を分断し、揺さぶりをかけて、最後には支配しようとしています。日本でも鼻薬を嗅がされ、知らず知らずのうちに中国共産党の「有益な愚か者」として利用されている政治家、企業家、大学関係者は少なくありません。

自分の利益だけを優先して自由と民主主義、法の支配、人権をないがしろにして良いわけがありません。日本でも超党派の議員で中国が関わる全ての問題を詳らかにして公に議論し、国民に知らせるプラットフォームをつくることが重要です。

日本も、穏健でリベラルな保守主義者パッテン氏の警鐘に耳を閉ざしてはならないです。


そうして、安倍総理自身は、これから新世界秩序の構築に日本としてもこれに乗り遅れることなく、機先を制することには、前向きなようです。

G7のアングロサクソン3カ国と欧州の独仏伊、この二つをまとめ、さらには台湾とも関係を深めコロナ後の新世界秩序の中でリーダー的地位を獲得していただきたいものです。

それと、これは以前もこのブログで述べたことですが、香港はすでに中国の地方都市になったも同然ですから、国際金融センターは、香港から台湾に移すべきです。G7が協調すれば、世界に新たな秩序を構築するとともに、それも十分可能になり、台湾の国際金融センターは世界の繁栄に大きく寄与することになるでしょう。

従来は華僑の人々の力が、中共に都合良く利用されたのですが、台湾に国際金融センターを移すことにより、今度は新社会秩序の構築と、その上で自由な経済活動を活発化させるための大きな力となることでしょう。そうなると、台湾は大きく変貌することになるでしょう。国土は、小さくても経済的には中共を脅かす存在となるでしょう。

金だけで、中共との関係を強化してきた、華僑の人々も、今後の安定した取引を考えれば、台湾の国際金融センターへと乗り換えるでしょう。

ただし、香港の奪還に関しては、諦めることなく、中共がそれを認めざるを得なくなるまで迫るべきです。
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2020年1月13日月曜日

【日本の解き方】韓国・文政権が「反日」を強めるしかない事情 経済失政で苦境続き…中国・北朝鮮に頭上がらず―【私の論評】経済悪化や、社会構造まで日本のせいにする韓国とは関係を避けよ(゚д゚)!


日本製品不買運動など「反日」はエスカレートするのか

2017年5月に就任した文在寅(ムン・ジェイン)大統領は任期5年の折り返しを過ぎた。任期の残りで悪化した経済を立て直せるのか。そして対日関係を改善させる可能性はあるのだろうか。

 結論からいえば、反日政策が強まる可能性が高い。

 文政権の本質は典型的な左派だ。雇用を作るより賃金にこだわり最低賃金を過度に引き上げ、結果として失業を増大させたことなどは日本の左派政党と極めて似ている。

 左派政党の常として共産主義への憧憬がある。これは左派の理論基盤であるので仕方ない。そのため中国や北朝鮮に対して精神的に頭が上がらない。文政権の韓国は形式的には民主主義・資本主義の西側諸国の一員であるが、実質は中国・北朝鮮の友好国なのだ。

 もともと韓国は半島国家として中国の大きな影響を受けてきた。「事大主義」といわれるように、強い中国と争わないことが国益にもなっていた。こうした複雑な歴史や地政学的な半島国家の宿命から、保守政権であっても、「反日」は常に韓国政府の有効な逃げ道だった。

 特に左派の文政権にとって、中国と北朝鮮への配慮は必要だ。中国に対しては経済依存度が高いからやむを得ないという側面もあるが、北朝鮮に対しては、はたから見ても異様だ。

 北朝鮮から全く相手にされていないのにかかわらず、文大統領は金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長にラブコールを送り続けている。正恩氏は直接トランプ米大統領との対話チャンネルを持ったので文氏の仲介は必要ないのだが、仲介したいと言う。これでは押し売りだ。これに対し、日本は気兼ねなくはけ口として批判できるので便利な存在だろう。

 文政権は、経済政策を失敗して苦境に陥っている。対日政策でも、日本側の輸出管理見直しへ適切な対応ができず、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄を言い出しては撤回するなど独り相撲を行い、日本製品ボイコットを黙認したあげく、韓国観光業への大打撃を与えて自爆状態になっている。

 米中貿易戦争で中国経済がダメージを受けていることも、中国依存の韓国経済には痛手だ。そうした経済苦境により、文政権への支持率は就任以降、総じて低下傾向だ。よほどのファンを除くと、経済がよければ支持するが経済が悪ければ支持しないというライトな層が離れる。経済政策の巧拙によって支持率は動くのだ。

 それでもコアな層は支持し続ける。そしてこうした時に、政治対応としてはコアの支持者固めをする。となると、文政権のコアな支持者は中国と北朝鮮にシンパシーを持つ人が多いので、反日政策は強くなることはあっても決して弱まることはないだろう。

 むしろ、経済苦境の原因を日本に求めて、日本に責任転嫁する可能性が高い。そもそも政治的に考えると、これまでの反日を方向転換することは有り得ない。そうなると、コアの支持者まで失ってしまい、文政権の崩壊になるからだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】経済悪化や、社会構造まで日本のせいにする韓国とは関係を避けよ(゚д゚)!
上の高橋洋一氏の記事には「経済苦境の原因を日本に求めて、日本に責任転嫁する可能性が高い」としていますが、まさにそのとおりです。実際韓国はすでにそれを実行しています。

たとえば、韓国の経済悪化の原因の一つとして、日本による韓国への「輸出管理の強化」が挙げられていますが、これは完璧な誤りまです。

輸出管理が強化されたにしても、
輸出不可ということでは全くない

「韓国に対する輸出規制」に関しては、韓国メディアは『半導体材料を“事実上の禁輸”』『対韓輸出規制を発動』などと、勇ましく報道しています。それと同時に、記事では、『自由貿易を掲げてきた日本へ各国から批判が集まる懸念もある』『各国に恣意的なルール変更ともとられかねない』といった指摘もしています。

果たしてそうなのでしょうか。

まずそもそもこれは、韓国に対して新たに「輸出規制を発動」するものではありません。韓国向けの輸出について、2004年から特別に優遇して簡略化していた手続きを、2003年までの普通の手続きに戻すものです。

簡略化した手続きとは、3年間有効な「包括許可」を得れば、いつでも輸出できるというものです。本来は、輸出の契約ごとに「個別許可」が必要です。2003年当時は、韓国への輸出は個別許可が必要でしたた。まさにこの時の手続きに戻したというだけのことです。

また、輸出に際して「個別許可」が必要なのは、輸出管理の世界では国際的な原則で、特別に信頼できる相手国についてのみ、「包括許可」による手続きの簡略化が認められていました。この対象国を、日本の制度では「ホワイト国」と呼んでいます。2004年にこの「ホワイト国」に韓国が追加されたのです。

なお、この個別許可について、一部の報道では「出荷ごと」に許可が必要となり、日々、工場から韓国に製品を出荷しているようなビジネスが停滞してしまうというような報道によって、輸出企業の現場は混乱しているようです。

これは誤解で、個別許可は”契約ごと”に必要で、一契約で何回にも出荷を分ける通常のビジネスは当然、一度個別許可を得ていれば出荷ごとに許可を得る必要はありません。
特別に信頼できる「ホワイト国」とは、あくまでも輸出管理の観点で信頼できるかどうかです。国際的には欧米主導で長い歴史を有する輸出管理の枠組みが、分野ごとに4つあります。詳細は省きますが、ホワイト国の対象にするには、相手国がこれらに参加していて、しかも国内で厳格に輸出管理をしていることが必要となります。

1990年代、韓国はまだ国際的な輸出管理の枠組みのメンバーではありませんでした。日本は韓国がそのメンバーに参加できるよう、各国に働きかけ、韓国にも関係者が再三足を運んで、韓国が輸出管理をしっかりできるように全面的に支援していました。

その結果、韓国も国際枠組みのメンバーになることができ、韓国からも日本のそれまでの協力、働きかけに感謝されていました。それが2004年に、韓国をホワイト国に追加して特別に優遇することにつながっていったのです。
ホワイト国として特別優遇するためには、相手国が厳格に輸出管理をしているかどうかを確認するための協議をするのが通常です。

そうした協議を、日本は欧州など他のホワイト国と実施してきています。しかし近年、韓国だけはどういうわけか、日本との輸出管理の協議に応じていませんでした。

政府が、「優遇した手続きの前提になる輸出管理の信頼関係が崩れている」としていることから想像するに難くないです。しかし、これを「安全保障の友好国でなくなった」と理解するのは、明らかに行き過ぎです。

安全保障の友好国が「ホワイト国」であると解説している報道もありますが、そうではありません。例えば、インド太平洋戦略を共有するインドや海上共同訓練をするインドネシアなどもホワイト国ではなく、個別許可が必要です。

また欧州連合(EU)が輸出管理のうえで特別優遇しているのは日本を含めて8カ国で、これに韓国は入っていません。多少の細かい点を無視すれば、EU並みの手続きに戻したとも言えます。それでどうして「自由貿易に逆行する」との批判が各国から出るのでしょうか。

この措置の背景に、対韓強硬の声があるのは事実でしょう。韓国人元徴用工の訴訟問題を巡る韓国の対応に、韓国への強硬措置を求める声が自民党内や官邸内で高まっていました。事態打開のために対抗措置を模索していたのも事実です。そうした中で、打ち出された措置を「事実上の対抗措置」と受け止めるのも自然な成り行きです。

しかし中国によるレアアースの禁輸措置と同列に論じるのは的外れです。日本は法治国家だ。政治的な道具として法律運用を自由に利用できるものではありません。

報道の中には個別許可について、「基本的に輸出を許可しない方針で、事実上の禁輸措置」だとするものもあります。しかし、法治国家としてこうした恣意的運用はあり得ず、明らかに間違いです。

仮にそうした運用をすれば、国が輸出者から訴えられたら負けるのは明らかです。韓国への対抗措置を強く求める立場からは、そうした運用を強く期待したいのは分からないでもないですが、法制度としては無理があります。それにもかかわらず、そうした声に引きずられて報道するのはいただけません。

あくまでこの措置は、手続きを「包括許可から個別許可へ」と、元に戻す変更を行うものです。基準を原則不許可にするよう変えるものではありません。それでは対抗措置として生ぬるい、不十分だというのならば、米国のような原則不許可にするような法律を議員立法で作るしかありません。

また、逆に反対の立場から対抗措置の連鎖になると懸念する向きもありますが、この措置の中身を見れば、およそ対抗措置と言えるものではなく、そうした懸念は的外れであることも分かるでしょう。

「世界貿易機関(WTO)協定違反の疑いもあるグレーな措置」とする、ある日本の識者のコメントまであります。であれば、2003年まで日本はWTO違反をしていたとでも言うのでしょうか。

とても日本の輸出管理法制を理解してコメントしているとは思えません。EU並みの手続きにすること、対インドネシア並みの手続きにすることが、どうしてWTO協定違反になりえるのでしょうか。韓国側の過剰反応に引っ張られ過ぎではないでしょうか。

いずれの立場であっても、まずは冷静に事実に基づいて論じるべきです。

ただし、韓国は、あくまでこの措置により、韓国は経済的不振に陥っていると強弁するでしょう。しかし、その真の原因は、日本の貿易などとは全く関係なく、韓国政府の近年経済対策に問題があるのです。


最も悪化させたのは、金融緩和をしないで最低賃金を単純にあげたことです。韓国の文政権が最低賃金引上げと時短を実施したため、失業率が上がったのです。金融緩和で先に雇用を作らず賃金を上げると雇用が失われる典型的な失敗政策で、これは日本の民主党時代の政策と瓜二つです。

立憲民主党の枝野氏など、韓国でこの政策が完璧に大失敗であることがはっきりしたにも関わらず、金融緩和はせずに再分配をすぺきと主張しています。

さらに、韓国経済は典型的な輸出依存型で、国内総生産(GDP)の約37%を輸出が占めます。半導体は輸出の20%余りに上り、韓国経済を牽引(けんいん)する数少ない分野です。これも、輸出に依存しすぎであり、昨今の韓国経済を悪化させている原因の一つでもあります。


さらに、GDPに占める個人消費の割合は、1970年代はじめは70%台だったのが、2000年に53.8%に低下し、2015年に初めて50%を割り込んだあと3年連続で低下しています。2017年のGDPに占める個人消費の割合は48.1%と、前年に比べて0.6ポイント低下し、韓国銀行が統計を取り始めた1970年以降ではもっとも低くなっています。

ちなみに、日米のGDPに占める個人消費の割合は、米国70%を超え、日本は60%を超えます。このように内需が大きければ、国際経済から受ける悪影響は、比較的少ないですが、韓国のように内需が小さければ、国際経済の影響をもろにうけてしまいます。

このような経済構造にしてしまったのは、あくまで韓国の責任であり、日本とは全く関係ありません。

     統計庁が先月31日発表した「12月及び年間消費者物価動向」によると、
     昨年の消費者物価指数は前年より0.4%上昇に止まった。

昨今の韓国の経済の悪化は、もともと韓国経済が脆弱であったことに加え、金融緩和をせずに、最低賃金をあげるという、まるで日本の民主党政権のときのようなトンデモ経済理論を実行したことによるものです。

さらに、最近の韓国情勢を見ていると、文大統領の政策で韓国国内が二分されていることがわかるります。GSOMIAに関する世論調査を見ても、文政権の当初の廃止の決定に対する賛否は割れていた。その後の政府の姿勢転換についても、国民の意識は大きく割れているように見えます。

国内世論が大きく割れる背景の一つに、韓国の経済環境が悪化する中、文在寅(ムン・ジェイン)大統領がしゃにむに“南北統一”を目指していることがありそうです。

南北統一に関して、一部の世論調査では約53%が賛成でした。それは見方を変えると、約半数の国民は南北統一に慎重であることの裏返しともいえます。特に、シニア世代と若年層では、南北統一への見解が大きく異なっているといわれています。

世代間で世論が分かれる要因として、朝鮮戦争による家族離散などの要因があるとみられます。動乱を経験したシニア世代が、家族がともに生活できる環境を希望することは想像に難くないです。韓国映画でもそうしたシーンが描かれています。

一方、若年層は、冷静に経済環境を直視しているケースが多いのでしょう。中国経済の減速などによって韓国の所得・雇用環境は悪化し、将来をあきらめる若者もいるといわれています。その中で南北統一が目指されれば、韓国は北朝鮮に資金援助などを行わなければならなくなります。

「これ以上の生活環境の悪化には耐えられない」というのが彼らの本音なのでしょう。

ただ、南北統一を期待する市民団体などの支持を得てきた文大統領は、これまでの政策理念を撤回することはできない。そうした状況が続くと、韓国の世論は分断された状況が続き、社会・経済の不安定感は高まりやすいと懸念されます。

こうした社会の変容にともない、当然のことながら、国民の中には不満が鬱積しています。本来なら、韓国政府がこの不満の鬱積を解消すべきなのですが、これに対して韓国政府は何もせず、国民の爆発寸前の憤怒のマグマを反日により、日本に向けて爆発させようと画策するばかりです。

日本としては、何でも日本のせいにする韓国はまともに相手にしても仕方ないので、国際社会に丁寧に説明して、韓国とはなるべく関わり合いにならないすることが得策だと思います。

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2018年12月21日金曜日

トランプ氏が“マティス斬り” 軍事シフト加速か 識者「中国の挑発に『やられたらやり返す!』も…」―【私の論評】辞任の直接の原因はシリア対応、日本にも無関係ではない(゚д゚)!


ついにマティス氏(左)も辞任へ。トランプ政権はどちらへ進むのか

ドナルド・トランプ米大統領は20日(米国時間)、ジェームズ・マティス国防長官が来年2月末に退任するとツイッターで明らかにした。「狂犬」の異名を持つマティス氏だが、実は国際協調派で、暴走傾向のあるトランプ政権に、外交・安全保障上の安定感を与えてきた。トランプ氏が今後、中国や北朝鮮に対する軍事シフトを加速させる恐れもありそうだ。

 《マティス将軍は、同盟国やほかの国々に対し、軍事的義務を負担させるという面で、大いに私を助けてくれた。新任の国防長官は間もなく指名することになるだろう。私はジムの献身に深く感謝している!》

 トランプ氏は、マティス氏について、ツイッターでこう褒めたたえた。だが、2人の関係は悪化が伝えられていた。

 トランプ氏が19日に決断したシリアからの米軍撤収をめぐっても、「マティス氏が反対していた」と報じられた。マティス氏は20日、トランプ氏に宛てた辞表に、「あなたには、自身の考えに沿った国防長官を任命できる権利がある」と書き記した。抗議の辞任の可能性もある。


 トランプ政権では、これまで、マティス氏に加え、すでに辞任したハーバート・マクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)、年末に退任するジョン・ケリー大統領首席補佐官の「将軍3人組」が幹部として影響力を発揮してきた。

 マティス氏が2月末に去ることで、トランプ政権の性質はどう変わるのか。

 米国政治に詳しい福井県立大学の島田洋一教授は「下院の多数派を民主党が握っているため、後任には議会対策ができる人間や、次期大統領選を見据えて政治的動きのできる人間をあてるのではないか。北朝鮮に対する先制攻撃を唱えていたジョン・ボルトン大統領補佐官の影響力が高まることが予想され、北朝鮮に対する抑止力が増すことになるだろう」と話す。

 評論家で軍事ジャーナリストの潮匡人氏は「例えば、南シナ海で中国による挑発的行動があったとき、これまで『重し』となっていたマティス氏の不在というリスクがあるだろう。トランプ氏が感情的に『やられたらやり返す!』的な対応を取る事態が起こり得るのではないか。その矛先は、北朝鮮やロシアを含めて、どこに向かうかは分からない」と語った。
【私の論評】辞任の直接の原因はシリア対応、日本にも無関係ではない(゚д゚)!
マティス国防長官


マティス氏の辞任の直接のきっかけは、トランプ氏が19日に決断したシリアからの米軍撤収にあるようです。
マティス氏は20日公表したトランプ氏あての辞表で、「大統領は自身の考えに沿った国防長官を任命する権利があり、私が辞任するのが適切だと判断した」と述べ、トランプ氏との国防政策をめぐる見解の相違を理由とした自発的な辞任だと強調しました。

マティス氏はまた、「米国は他国との共同防衛に全ての力を傾注しなくてはならない。(イスラム教スンニ派過激組織)『イスラム国』(IS)支配の象徴の撲滅に向けた74カ国の連合が証左だ」とし、シリアで米軍が果たした役割の重要性を指摘しました。

米政権高官がロイター通信などに明らかにしたところでは、マティス氏は20日、ホワイトハウスを訪れトランプ氏に辞任の意思を直接伝えました。マティス氏はシリアから米軍を撤収させないようトランプ氏を説得しようとしましたが、同氏は聞き入れなかったといいます。

トランプ氏は20日、ツイッターでシリア駐留米軍(約2600人規模)の撤収に関し「兵士の命を守り、何十億ドルも節約できる。なぜシリアやロシア、イラン、地元勢力のために『イスラム国』を殺害しなくてはならないのか」と主張。また、米メディアは同日、トランプ氏がアフガン駐留米軍(約1万4千人規模)のほぼ半数を撤収させることを本格的に検討していると報じていました。

サンダース大統領報道官は19日に声明を発表し、「アメリカは過激派組織ISIL(アイシル)を打倒した」として、シリア駐留アメリカ軍の撤収を開始したと表明しました。
米国国防総省のホワイト報道官も19日、アメリカ軍の部隊をシリアから帰還させる作業に着手したことを発表しています。

サンダース大統領報道官

これはかなり大きなニュースです。ただし、ISILは確かに打倒されたのかもしれませんが、シリア情勢はますます悪くなって来ています。このなかで、どうしてトランプ政権が2,000人以上の大隊を撤収するのでしょうか。

これを世界がどのように受け止めたのかということになると、トランプ政権はやはりアメリカファーストなのだということなのかもしれません。トランプ氏としては、米国の貴重な戦力を中東のような、トランプ大統領から見るとそれほど決定的な国益が掛かっていない地域には置いておく必要がないということです。

確かに大きな流れでそういうことかもしれませんが、しかし日本や東アジアを含め多くの国々が、米国はこの時期に海外から兵を引くのは無責任ではないかということになってしまいます。

朝鮮半島には在韓米軍がいて、大きな寄りどころになっていますが、ここからも兵を引くのかもしれないです。現にトランプ大統領の選挙戦を通じて、そのことをほのめかしています。一言で言うと、世界はトランプ大統領のダンケルク撤退作戦を恐れていることになります。

ダンケルクから撤退するイギリス軍

ちなみにこれは、第二次世界大戦の西部戦線における戦闘の一つで、ドイツ軍のフランス侵攻の1940年5月24日から6月4日の間に起こった戦闘です。追い詰められた英仏軍は、この戦闘でドイツ軍の攻勢を防ぎながら、輸送船の他に小型艇、駆逐艦、民間船などすべてを動員して、イギリス本国(グレートブリテン島)に向けて40万人の将兵を脱出させる作戦(ダイナモ作戦)を実行し成功しました。

米国が今の時期にそのようなことをすればどうなるでしょうか。先程、シリア情勢については、楽観できないと述べました。シリアのアサド大統領は化学兵器を自国民に使ったかもしれないと言われていますが、そのアサド政権の背後に誰がいるのかと言うと、強権的なロシアのプーチン政権です。

これだけならまだしも、ロシアのプーチン政権と手を結んでいるのが、核開発の疑惑がある隣国のイランです。イランはシーア派の大国です。

このロシアとイランは、シリア情勢で手を結んでいます。よく「テヘラン・モスクワ枢軸」と言われます。いま中露も接近していますから、これに加えて「テヘラン・モスクワ・北京枢軸」というものがうっすらと見えてすらいます。北朝鮮の影すらあります。このような状況のなかで、明らかにシリアでのプーチン大統領とイランの勢力が強まってしまいます。

ロシアとイランとは、トランプ政権は激しく対立しています。にもかかわらず、米軍がイラクから撤退すれば、発言力が無くなってしまうというようなことが起こり得ます。アメリカファースト、トランプ政権のダンケルク撤退作戦が世界の政局に大きくインパクトを与えるのは、誰が考えてもわかります。

ダンケルク撤退の当時は、陸上の大国だったドイツがどんどん台頭して来るなかで、海洋国家英国が海の外へ引くという作戦だでした。同じように、現在陸上の軍事大国(経済大国ではない)であるロシアがアサド政権と組んで、日米英などの海洋国家と2つに分かれつつあるということなのかもしれません。

現在のように米中、米露の衝突と言われる中で、イラクから米国が実力部隊を退くのが良いのかどうかは判断に苦しむところです。日本では「戦争が起こらなければ良い」と言う論調が大きい思います。

米国では、その世論がさらに強いので、トランプ大統領は、撤兵を単純良いことだと思ってしまったのかもしれません。しかしその結果はやがて日本をはじめとする他国にも押し寄せて来る可能性は否定できません。世界はこれを心配していると思います。

マティス氏は、これをなんとかトランプ大統領に理解してもらおうと思ったのでしょうが、それは叶わなかったのです。

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2018年5月22日火曜日

日大選手「意見を言える関係ではなかった」一問一答―【私の論評】統治の正当性が疑われる、日大常務理事としての内田氏(゚д゚)!


日大アメフト悪質反則問題で会見に臨んだ日大・宮川さん

アメリカンフットボールの定期戦での悪質な反則行為で関学大の選手を負傷させた日大の宮川泰介(20)が22日、都内の日本記者クラブで会見を行っい、内田正人前監督、井上奨コーチから反則行為の指示があったことを明らかにした。以下、一問一答。

 -内田前監督の存在とは

 「日本代表に行くな」と言われた時もそうだが「なぜですか」と意見を言えるような感じではなかった。

 -どこで判断を誤ってしまったのか

 試合があった1週間を通して監督、コーチからプレッシャーがあったにせよ、プレーに及ぶ前に自分で正常な判断をするべきだった。

 -自身のスポーツマンシップを、監督の指示が上回ってしまった理由は

 監督、コーチからの指示に対して、自分で判断できなかった自分の弱さだと思う。

 -監督、コーチがそれだけ怖い存在だったということか

 はい。

 -指示は「つぶせ」という1つだけだったか

 コーチから伝えられた言葉は、「つぶせ」という言葉だったと思う。上級生の先輩を通じて「秋の関西学院大との試合の時に、QBがけがをしていたらこっちが得だろう」という言葉もあり、けがをさせる、という意味で言っているんだと認識した。

 -日大側は、指導とその受け取った方に認識の乖離があったとしているが

 自分としては、そういう(けがをさせる)意味で言われている以外に捉えられなかった。

 -ご自身にとってアメリカンフットボールとは

 高校の頃からアメリカンフットボールを始めた。コンタクトスポーツを初めてやるとあって、とても楽しいスポーツだと思い、熱中していた。ただ、大学に入って、厳しい環境というか、そういうもので徐々に気持ちが変わっていってしまった。

 -気持ちはどのように変わったか

 好きだったフットボールが、あまり好きではなくなってしまった。

 -今後について

 もちろん、アメリカンフットボールを続けていく権利はないと思う。この先、アメリカンフットボールをやるつもりもありません。何をしていくべきか分からない状態。

 -内田監督の会見の印象

 僕がどうこういうことではない。

 -日本代表に行くなと言われて「はい」としか言えなかった。日頃から、否定できない空気があったのか

 基本的に監督と直接会う機会はあまりない。意見を言えるような関係ではなかった。

 -今後、関学大側や被害者の方から、もう1度競技に戻るよう勧められるようなことがあれば、やったほうがいいのでは

 今は、考えられない。

 -試合の整列時に、井上コーチから「できませんでした、じゃ済まされないぞ」と声をかけられた。コーチからの念押しと考えていいのか

 はい。そうだと思う。

 -井上コーチは、普段からそういう発言をする人物なのか

 このような状況はめったにあることではない。分からない。

 -他にもその発言を聞いている選手はいたか

 整列をしている時なので、隣の選手に聞こえていたかもしれない。はっきり聞こえていたかは分からない。

 -原因を「自分の弱さ」とした。あの時、違反行為をしない選択はあったか

 あの時の自分は、それをする以外考えられなかった。

 -酷な状況だったのでは。そういう指導について、どのように考えるか

 指導について、僕が言える立場にない。

 -そもそもの指示は内田監督からと考えていいか

 僕はそう認識している。

 -内田氏が監督を辞任したことが、チームにとって良かったかどうか

 僕が、今日(会見に)来たのは謝罪をして、真実を述べるため。今後のチームがどうなるか、そういうことは僕の口から言うべきではない。

 -ここまでの期間、かばってくれなかった監督に対しての気持ちは

 最初に両親とともに監督と面談した時から、指示があったということを出してほしいと伝えていた。出してほしいという気持ちはあった。

 -関学大QB側が被害届を出したことに関して

 被害届を出されるのは仕方がない。向こうの選手、ご家族からしたら、当然だと思う。内田前監督は現在大学の人事担当の常務理事を務め、また学内で体育会を意味する「保健体育審議会」の局長を務めています。

【私の論評】統治の正当性が疑われる、常務理事としての内田氏(゚д゚)!

この問題に関しては、以前にもこのブログに掲載しました。そこで指摘したのは、日大では統治と実行が同じ人物により実行されており、まともに統治できる状態でないことです。その記事のリンクを以下に掲載します。
「殺人タックル」日大アメフト部・内田正人監督、学内No.2の実力者だった! 常務理事で人事掌握 “鉄の結束”背景に上意下達の気風―【私の論評】アメフト監督が大学の常務理事を兼ねるのは統治論的にはあり得ない(゚д゚)!
日大アメフト部・内田正人監督

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、統治に関わる部分のみをこの記事が以下に引用します。

"
経営学の大家ドラッカー氏は政府の役割について以下のように語っています。
政府の役割は、社会のために意味ある決定と方向付けを行うことである。社会のエネルギーを結集することである。問題を浮かびあがらせることである。選択を提示することである。(ドラッカー名著集(7)『断絶の時代』)
この政府の役割をドラッカーは統治と名づけ、実行とは両立しないと喝破しました。
統治と実行を両立させようとすれば、統治の能力が麻痺する。しかも、決定のための機関に実行させても、貧弱な実行しかできない。それらの機関は、実行に焦点を合わせていない。体制がそうなっていない。そもそも関心が薄い。
 といいます。
しかし、ここで企業の経験が役に立ちます。企業は、これまでほぼ半世紀にわたって、統治と実行の両立に取り組んできました。その結果、両者は分離しなければならないということを知ったのです。
企業において、統治と実行の分離は、トップマネジメントの弱体化を意味するものでありませんでした。その意図は、トップマネジメントを強化することにありました。
企業組織においては、日大のように統治(常務理事)と実行(アメフトの監督)を両立すると、様々な支障や不祥事がでることが、経験則的に知られていました。だからこそ、特に大企業においては会社法などにより、トップ・マネジメントと現場の監督などを兼務することなどできないようなっています。

たとえば、部長と取締役くらいなら、できるでしょうが、部長以下の役職と取締役の兼務なまずはできません。また、大企業なら、監査役のほかに内部監査人がいたり、他にも様々なたとえば経理と財務は同じ組織では行わないなどの、内部統制の仕組みがあり、不正や不祥事が起きない仕組みが構築されています。

このような仕組みができてないと、企業は上場できませんし、たとえその仕組みができていても、形骸化していて業務上で様々な支障がでていたり、深刻な不祥事が起きた場合には、上場企業であっても上場が取り消されたりします。残念ながら、最近でもこのような不祥事が起きています。

私自身は、何年間か会社の上場準備に携わっていたことがあるので、統治と実行の分離の重要性や、統治の正当性、内部統制の重要さについて考える機会が他の人よりは多かったと思います。

すっかり形ができあがった大企業に最初から勤めている人はこれが当たり前になっていて、あまり意識しないかもしれません。中小企業の場合は、日々実行に追われ統治などについて考えている余裕はないかもしれません。また、民間営利企業以外の非営利組織では、統治の問題などあまり顧みられないかもしれません。このようなことが、今回の日大の問題の本質を見えにくくしているかもしれません。

大学の関係者によりますと内田前監督は「人事を担当する常務理事で、人事権を握っているため、今回の問題で大学の職員は誰も意見を言えない」ということです。また「大学では理事長に次ぐ、実質大学のナンバーツーにあたり、田中英寿理事長から最も信頼されている人物」ということです。

日大田中英寿理事長

内田正人監督は田中英寿理事長に目をかけられ、常務理事で人事部長という現在の地位に上り詰めたとされています。

そのため、現在は内田正人監督は日大の実質ナンバー2で「次期理事長候補最右翼」とも言われいるほど日大では絶大な権力を持っています。

そのため、今回の不祥事も大学側が必死にかばっているようですが、これがかえって裏目に出ており批判殺到しています。

田中理事長は、1965年、日本大学経済学部に入学。1969年、日本大学経済学部経済学科を卒業し、日本大学農獣医学部体育助手兼相撲部コーチに就任。1999年学校法人日本大学理事、2000年日本大学保健体育事務局長、2001年日本大学校友会本部事務局長、2002年学校法人日本大学常務理事、2005年日本大学校友会会長などを歴任しました。2008年より学校法人日本大学理事長です。

この経歴だけではわかりませんが、おそらく田中理事長も、理事と監督を兼任していたこともあったのではないでしょうか。

だから、日大ではアメフト部監督の内田正人氏が、常任理事をしていたとしても、特段おかしなことではないのかもしれません。というより、このようなことは私立大学などでは特段珍しいことではないのかもしれません。

しかし、今回統治をしている側の人間が、実行もしているということで、それが今回の不祥事の温床になっていることは確かなようです。企業経営サイドの見方からみれば、学校組織であろうと、他の病院やその他の官庁などの非営利組織であろと、やはり統治をする人間が実行もするのはいずれ不正や不祥事が蔓延する組織になることは避けられないと見えます。

わかりやすい例は、お金を使うことを企画する人や部署が、お金を使う人や部署と同じであっては、いずれかならず使い込みなどの不祥事が発生することになります。それは、その個人や部署も悪いのですが、そのような組織になっていること自体が、不祥事を誘発することになるのです。

今回の不祥事は、単にアメフト監督の勇み足などと軽くみるべきではありません。営利企業では統治と実行が様々な支障や不祥事がでることが経験的に知られていますが、日大のような非営利組織もその例外ではなく、それがたまたま今回の事件を通じて表にでてきたとみるべきです。

ドラッカーは統治の正当性について、以下のように述べています。
社会においてリーダー的な階層にあるということは、本来の機能を果たすだけではすまないということである。成果をあげるだけでは不十分である。正統性が要求される。社会から、正統なものとしてその存在を是認されなければならない。(『マネジメント──基本と原則[エッセンシャル版]』)
企業政府機関、非営利組織など、あらゆる組織にとって、本来の機能とは、社会のニーズを事業上の機会に転換することです。つまり、市場と個人のニーズ、消費者と従業員のニーズを予期し、識別し、満足させることです。
さらに具体的にいうならば、それぞれの本業において最高の財・サービスを生み出し、そこに働く人たちに対し、生計の資にとどまらず、社会的な絆、位置、役割を与えることです。
しかしドラッカーは、これらのものは、それぞれの組織にとって存在の理由ではあっても、活動を遂行するうえで必要とされる権限の根拠とはなりえないとします。神の子とはいえなくとも、少なくともどなたかのお子さんである貴重な存在たる人間に対し、ああせい、こうせいと言いえるだけの権限は与えないといいます。
ここにおいて、存在の理由に加えて必要とされるものが、正統性です。ドラッカーは「正統性とは曖昧なコンセプトである。厳密に定義することはできない。しかし、それは決定的に重要である」と言います。
かつて権限は、腕力と血統を根拠として行使されました。近くは、投票と試験と所有権を根拠として行使されています。
しかしドラッカーは、マネジメントがその権限を行使するには、これらのものでは不足だといいます。
社会と個人のニーズの充足において成果を上げることさえ、権限に正統性は与えません。一応、説明はしてくれます。だが、それだけでは不足です。腹の底から納得はされません。
マネジメントの権限が認知されるには、所有権を超えた正統性、すなわち組織なるものの特質、すなわち人間の特質に基づく正統性が必要とされます。
ドラッカーは正当性の根拠について次のように語っています。
そのような正統性の根拠は一つしかない。すなわち、人の強みを生かすことである。これが組織なるものの特質である。したがって、マネジメントの権限の基盤となるものである。(『マネジメント[エッセンシャル版]』)

さて、日大の田中英寿理事長や内田正人常任理事らには、人の強みを生かすことということはできているのでしょうか。

私自身は、悪質な反則行為で関学大の選手を負傷させた日大選手にそのような指示を、内田氏が出していたとすれば、これはとてもじゃないですが、日大のトップマネジメントの一人としての正当性があるとは思えません。

大学や、官庁などでも、まともな大企業のように、統治と実行の分離、統治の正当性の確保を十分に行っていくべきです。

このあたりがなおざりにされていては、いくら部分的に改革や改善を行っても、まともな組織にはなりません。大元を正さなくては、いつまでも不祥事や不都合が起こり続ける組織になってしまいます。

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2015年3月16日月曜日

「謝るほどに悪くなる日韓関係」ついに終止符を打つ時が来た―【私の論評】現体制の中韓は捨て置け!両国政府が国民の批判に耐えられるような体制になったとき、まともな関係を構築すればそれで良い(゚д゚)!


黒田勝弘氏 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
2015.03.16

 戦後70年(韓国では解放・光復70年)、日韓国交正常化50年を迎えた今年、韓国のメディアでは予想通り年初から“反日報道”が荒れ狂っている。2015年日韓歴史戦争の幕開けである。

 直近でいえば、ISIL(イスラム国)による日本人殺害事件に関連し、韓国政府は朴槿恵大統領が安倍晋三首相に哀悼の書簡を送るなど対日姿勢を軟化(?)させているが、メディアは一斉に「安倍、自衛隊の海外武力行使拡大へ」(2月2日、東亜日報)など逆に“安倍叩き”に熱を上げている。

 そんな中で発刊された前大統領・李明博の回顧録『大統領の時間 2008-2013』には2010年、菅直人首相によって出された「日韓併合100年」の「談話」の経緯が記されている。

 回顧録は、菅首相から談話内容については事前に電話で知らされたとし、過去の謝罪と反省が今回は韓国に特定されたことに加え、李王朝文書返還など「自分が求めてきた(謝罪と反省の)具体的行動」が込められていたとし「村山談話を越えて韓日関係を進展させる歴史的措置だった」とべたぼめしている。

 しかし戦後50年の村山談話や慰安婦問題の河野談話(1993年)もそうだが、韓国が守れ、守れと日本にしきりに要求して騒ぎ立てる、韓国にとってそんなに好ましい素晴らしい内容だったのなら、そこで「納得」となって過去は終わりとなっていたはずではなかったのか。

 それが終わらず蒸し返されてきた。1998年、「日韓共同宣言」と銘打って文書で完璧に「謝罪と反省」を明記し、これを取り付けた金大中大統領など「これで過去は清算された」と言ったのに、韓国側はその後も過去を蒸し返し続けている。

 安倍政権に対してはスタート以来、右傾化とか軍国主義復活、歴史歪曲……などと非難の大合唱を続けてきた韓国では、どんな内容になろうが「安倍談話」は認めず叩きまくろうと手ぐすね引いている。ということは、韓国相手にはもはや「謝罪と反省」は何の意味も効果も持たないということだ。「謝るほど悪くなる日韓関係」に終止符を打つ時である。

 その意味で「戦後70年安倍談話」は韓国にこだわる必要はない。そして1945年以降、これまでの70年間の歴史をしっかり振り返った方がいい。日本は過去の反省、教訓の上でいかに国際社会に貢献したかを語ることだ。

 そして韓国、中国を含むアジアに対しては、過去の反省に立った日本の支援がアジア諸国の発展に寄与できたことをうれしく思うと、堂々と述べればいい。戦後70年とは別に「日韓50年談話」も必要なら出していい。その際も新しい日韓協力の50年間が韓国の現在のめざましい発展につながったことに感謝(!)し、共に喜びたいと語ればいいのだ。

 。狙いはむしろ外野というか国際社会だ。韓国、中国を含む戦後アジアの発展への日本の寄与これこそが“過去イメージ”を乗り越え、国際的共感を得るものであり、歴史戦争に勝てるキーワードなのだ。

 文・黒田勝弘(産経新聞ソウル駐在客員論説委員)

 ※SAPIO2015年4月号

この記事の詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】現体制の中韓は捨て置け!両国政府が国民の批判に耐えられるような体制になったとき、まともな関係を構築すればそれで良い(゚д゚)!

黒田氏は、以前韓国の反日の実体について語っていたことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。


詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部を抜粋させていただきます。

そこで、黒田氏に、なぜ韓国の政治家やメディアがこれほど日本への憎悪をむき出しにするのか、その実情を説明してもらった。 
「韓国の国民のほとんどは、実は反日感情など持っていません。私は生括していて何の危険性も感じないし、不快な思いもしない。それどころか、韓国人はきわめて穏やかで親切です」 
 黒田氏は微笑を浮かべて語った。日常生活では、日本拒否の現象など見当たらない、というのである。すぐには信じられなかったが、黒田氏はありのままの実感を話したのだ。 
 しかし、それにしては朴大統領の尋常ではない日本批判、そしてマスメディアの憎悪むき出しの日本攻撃は、どう受け取ればよいのか。黒田氏は苦笑してこう語った。 
「メディアの人間は自分を知識人だと思っていて、知識人として朝鮮を植民地にした日本を批判すべきだ、それも忘れてはならないという思いが強い。しかし、いくら日本をたたいても一般の国民は反応しないので、いら立って日本をより強烈に批判する。しかし、反応しない。そこでますます怒る……という現象になっているのですよ」 
 そういえば、ある大手旅行代理店幹部が、韓国から日本への観光客は増えているが、日本から韓国への旅行者は減っていると語っていた。 
 数年前までは、「ヨン様」ブームなどで韓国を訪ねる日本人客、特に女性客が増えていた。それが、朴大統領をはじめ韓国の政治家やメディアが日本を激しく攻撃するようになってから激減したというのだ。 
 しかし、一般国民が朴大統領の日本批判や韓国のマスメディアの日本攻撃などそれほど読んでいるとは思えず、日本の、特に週刊誌や月刊誌の多くが韓国を批判、いや憎悪むき出しで攻撃しているのを読んで、韓国に拒否反応を示すようになったのであろうと考えられる。ということは、韓国人とは逆に、日本人は売らんがための報道に容易に影響される、もろい存在だということになる。我ら日本人、しっかりしなくては! 
週刊朝日  2014年5月2日号
何やら、同じ黒田氏の発言なのに、この記事とブログ冒頭で語っていることとが相矛盾するようにもみえます。

しかし、 矛盾しているというわけではないのだと思います。韓国においての反日は、政府主導によるものであり、政府主導にマスコミが便乗して、様々な反日報道をしているということなのだと思います。そうして、そのような政府の論調や、マスコミの論調に一部の韓国人が便乗して大騒ぎしているというのが実情だと思います。

結局、韓国による反日も、中国と同じで官製反日ということなのです。中国の反日デモなどが官製であることは、このブログにも以前掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
リスクの代償払うのは?ユニクロ上海の「尖閣は中国領」張り紙−【私の論評】中国の反日デモは、官製であることがいよいよはっきりしてきた!!ところで、その背景は?

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、当時(2012年10月21日)の中国における、大規模な反日デモが官製(政府主導という意味)であることを掲載しました。

2012年当時中国の主要都市では、反日デモが繰り返されていた

それにしても、官製であるないは別にして、最近はこのような反日デモが、中国ではほとんど見られなくなっています。皆さんは、その原因は、何であるかをご存知でしょうか。

その原因は簡単なことです。もともと、中国の反日デモなどは、官製だったのですが、最近では政府が官製デモを主催しなくなったからです。

なぜしなくなったかといえば、中国では反日デモを政府主導で起こすと、それがいつの間にか反政府デモになってしまうという事態になってしまったからです。

今では、人民が反日デモをしようと、政府に届けを出すと、以前はたいていは許可されたのに、最近では滅多に許可されません。なぜそんなことになったかといえば、このようなデモも一旦開催されると、いつの間にか反政府デモに変わってしまったからです。

それどころか、最初から反政府デモを実施するつもりでも、そのような届けを出すと、認可されることはまずないので、反日デモという届けを出して、反政府デモを実行するというようなことが、行われるようになったからです。

それにしても、ではなぜ、政府が反日デモを主催していたかとえば、それは中国ではもともと建国以来毎年平均2万件の暴動があったとされていたのが、2010年あたりでは、毎年平均10万件を超える暴動が発生するようになりました。

なぜ、そうなったかといえば、人民の地方政府や、中央政府のやり口に、腸が煮えくり返るような思いが、ますます酷くなり、いつどこで、憤怒のマグマが大爆発してもおかしくない状況になっていたからです。

こうなると、以前からそうだったのですが、いつ人民の憤怒のマグマが自分たちに向けて大爆発するかわからず、中国政府は日本を悪者に仕立て、人民の憤怒のマグマの爆発する先を日本に向けようとしたのです。

尖閣問題の発端も、もともとは官製デモと同じで、日本を悪者に仕立て、中国人民の怒りの矛先を日本に向けさせることが目的だったのです。

しかし、今では、反日デモを煽ったり、認可すれば、必ず反政府デモになり、かえって逆効果になるということで、そのようなことはしなくなったのです。ただし、尖閣に関しては、政府が直接制御できるので、まだ実行し続けているというのが実情です。

変な韓国旗のビキニ? 韓国の現体制が変わらない限り日本は、接触を絶つべき
韓国も同じような状況にあります。ここしばらく続いた政府の無能ぶりにより、韓国の経済は破綻しかけています。それに、韓国は一応自由主義陣営の一員のような体裁はとってはいますが、未だに酷い差別が存在したり、言論の自由も制限されています。

だから、政府は反日を煽って、国民の怒りの矛先を日本に向けようとしてきたのです。いずれ、韓国でも反日を煽ると、いつの間にか政府批判を煽ることになると思います。

そうなったときに、韓国政府は中国と同じように、国民に対して反日を煽ることはできなくなることでしょう。

いずれにしても、中国にせよ、韓国にせよ、政府がうまく機能せず、国民の憤怒のマグマが煮えたぎるということは、もちろん日本の責任ではありません。だから、いくら日本を責めたとしても、それだけでは何も解決しません。

今のまま何も変わらないとすれば、中韓の体制が崩れるまで、政府による反日は続きます。

であれば、謝罪などすれば、ますます両国政府とも、反日を激化させ、自分たちの延命をはかるだけです。

これに対する対処は、黒田氏がブログ冒頭の記事で語っているように、戦後アジアの発展への日本の寄与これこそが“過去イメージ”を乗り越え、国際的共感を得るものであり、歴史戦争に勝てるキーワードとして、戦後の国際貢献を強調し、世界の共感を得ることです。

日中韓の関係は、中韓の体制が変わらぬ限り悪化する

これに関しは、安倍総理は外交を通じて、かなり進めています。ただし、中韓と直接蜜に話しをしているというわけではありません。中韓以外の外国と、積極的に接触して、日本との関係を強化するという形で進めているものです。

私としては、黒田氏の提言を一歩すすめ、中韓とはなるべく接触を絶ち、必要最小限にとどめ、他国とのつきあいを深めていくということで、日本の立場を国際的に認めてもらうということが、一番良いことだと思います。

中韓の体制が変わらない限り、日本が謝罪をしたとしても黒田氏の指摘するように、ますます関係が悪化するだけです。中韓をどうにかしようなどという考えは、捨て去り、他の外国に認めてもらうという方針で臨むのが日本として一番良いやり方であると、確信します。

中韓両国の政府が、自分の存立基盤を確保するために、日本を悪者に仕立てて、反日を煽るというのではなく、少なくとも政府が国民の批判に耐えられるような体制になったときに、まともな関係を関係を構築すべきです。こんな当たり前のことができない、稚拙な政府と関係を保つ必要性など全くありません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年7月29日月曜日

増税と成長の関係は分析不足 経済財政白書は全文を読もう―【私の論評】内閣府にも日経にも、大規模な経済シミレーターがありかなり正確なシミレーションができるというのに、せっかくの素晴らしい資産を役に立てられない愚かな人々!!

増税と成長の関係は分析不足 経済財政白書は全文を読もう 


連載:「日本」の解き方

高橋洋一氏

 23日午前の閣議に経済財政白書が提出された。「長引くデフレから反転する兆し」と評価する一方、「消費増税は成長を阻害しない」との見方を示した。「負の側面への提言が乏しい」「アベノミクスを正当化している」との報道や論評もあるが、白書をどう読めばよいのか。

 政府の資料全般にいえることだが、まず大事なのは、全文を読むことだ。政府の資料はインターネットで容易に入手することができる。筆者も早速入手して読んでみた。残念だったのは、インターネットへのアップが遅れたことだ。午前中の閣議に提出されたが、内閣府のサイトへのアップは午後3時頃だった。同様に23日の閣議に提出された7月の月例経済報告がすぐにアップされたのと対照的だった。

・・・・・・・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・・・・・

 ただ、欧州の例を挙げ、「消費増税は成長を阻害しない」との見方を示しているのはおかしい。これも経済財政白書を読むと、どこに分析があるのかと首をかしげてしまう。

 本来であれば、(1)消費税増税前(2)増税時(3)増税後、それぞれの実質GDP成長率について、3つの資料がないとダメだ。もし、経済財政白書の主張を言いたいなら、(1)の成長率が、駆け込みの反動で(2)の成長率に落ち込むが、その後は(3)で成長率が戻るといわなければいけない。

 ところが白書には、(1)と(2)の図が載っているが、(3)がない。これでは、結論に至る分析がないので、結論ありきだ。経済財政白書は内閣府がまとめているが、財政のところは財務省の意向なのだ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

この記事の詳細は、こちらから!!

【私の論評】内閣府にも日経にも、大規模な経済シミレーターがありかなり正確なシミレーションができるというのに、せっかくの素晴らしい資産を役に立てられない愚かな人々!!

さて、上の高橋洋一氏の記事を読んでどう思われるでしょうか。経済財政白書の瑕疵(かし)については、以前のこのブログにも掲載したので、そのURLを掲載しておきます。
メディアの嘘を見抜け】酷すぎ、今年の経済白書はバカか工作員の未来日記なのか―【私の論評】マスコミがその巣窟になつている現在、せめて役所それも内閣府だけは馬鹿とスパイはお断りにしていただきたい!
この記事では、上の高橋洋一氏が語っておられる、経済財政白書の明らかな瑕疵である部分に関して、詳細に説明しました。増税からしばらくしてからの、資料添付しなければ、増税に対する正しい比較などできません。だから、これは、立派な瑕疵です。報告書の瑕疵です。

一方高橋洋一氏が、語っている「 実質金利の低下こそが金融政策の実体経済に与えるキモ」という部分は掲載しませんでした。この部分はこの報告書の良いとこでもあります。

今回の経済財政白書は、住宅でいえば瑕疵あるのと同じ。修理が必要だ!

しかし、私自身は、この瑕疵を発見した途端にゲンナリして、それ以降ほとんど白書を読んでいません。そりゃそうでしよう、書籍でも報告書でも、どう考えても、瑕疵であることを一端発見してしまえば、その後は読まないというのが当たり前だと思います。報告書なら、自分の部下が書いたものであれば、即刻書き直しさせるのが当たり前ですし、自分の直接の部下ではなくとも、他部署、関連部署にすぐに知らせると思います。そうして、それらが組織全体に広がることになると思います。

瑕疵については、上の高橋洋一氏も十分説明されていますし、このブログの過去の記事でも、十分説明してありますので、これらを参照していただくものとして、本稿では詳細を説明しません。

本来、このような瑕疵など起こり得ようがありません。なぜなら、内閣府(従来の経済企画庁)には、名前があらわすように、昔から現在でいうところの、ビッグデータを活用して、様々な解析ができるシミレーターがあります。

これに、与件として、現在の経済状況のデータを入力し、今後の金融緩和政策などをインプットし、さらに増税のデータを入力すれば、どのような結果になるのか、数年間の解析結果がたちどころにでてきます。このシミレーターかなり正確だったのを覚えています。

日本が驚異的な経済成長をしたころは、最初は手計算で、それでは日本の経済が大きくなりすぎ、非効率になったためしばらくしてからは、コンピュータによるシミレーターで計算して、その結果に基づき経済企画庁が経済経済運営の方向性など出していました。だから、経済企画庁の出す解析結果には、定評があり、それに基づいてだす白書も、面白い、面白くないは別にして、だいたいまともなものでした。

本来、財務省の横槍などが、入ったにしても、このシミレーション結果を基にして、正しい報告をすれば、瑕疵は生じないですんだはずてす。

私など、シミレーターがなくても、過去の日本の状況や、海外の直近の情報などを当たっていたので、この瑕疵にはすぐに気づきました。高橋洋一氏もそうです。そうし、シミレーターに正しい数値を入力すれば、絶対に増税問題なしなどという計算結果などでてくるはずがありません。しかし、内閣府の官僚は、こうしたシミレーターがあるにもかかわらず、増税後しばらくしてからの解析結果をわざと白書に掲載せず、誤魔化しをしているということです。

とはいいながら、最近の内閣府のシミレートは非常に変です。以下に5兆円の公共投資を継続的に増加させたときの、シミレート結果を掲載します。

今内閣府のしミレートは無茶苦茶。5兆円公共投資を継続的にやっても、乗数効果はマイナス?あり得ない
完璧におかしいです。他のどのシミレートの結果をみても、乗数効果がマイナスになっていませんが、総務省の場合は、マイナスになっています。

それにしても、これだけ素晴らしかった経済企画庁のシミュレーターが、総務省に引き継がれると、ぶっ壊れてしまうというのは、どういうことなのでしよう。素晴らしい資産である、シミレーターがあったというのに、総務省は何て馬鹿な真似をするのでしょうか。理解に苦しみます。この瑕疵の原因なった官僚など、財務省や、内閣府に及ばず、関連したものには例外なく鉄槌を下して欲しいものです。そうでなければ、これから、財務省の都合などで、瑕疵だらけになっていくと思います。そんなことがあって良いはずがありません。いずれにせよ、内閣府には、 せっかくの素晴らしい資産を役に立てられない愚かな人々が存在するということです。

これと同じようなことが、日経新聞にもいえます。日経には、日経ニーズという優れた経済シミレーターがあります。これは、使用料を支払えば、法人でも個人でも自由に使えます。

ご存知のように、日経新聞はアベノミクスには反対の立場であり、増税何が何でも、賛成派です。そうて、新聞でもそのような報道を繰り返しています。

チャンネルAJER(日本経済復活の会)の小野勢司氏が、日経ニーズの経済シミレーターで、金融緩和のシミレーションをしてみました。そうすると、金融緩和すれば、経済が上向くという結果がはっきりとでました。しかし、それと同じ時期に、日経新聞は「金融緩和大反対キャンペーン」を繰り返していました。また、小野氏は、さらに日経ニーズで、直近で増税するとどうなるか、いくつかシミレーションをしてみました。その結果ドの場合でも、増税すると税収減るという結論で、しばらく、増税せずに、金融緩和のみをしているほうが、良いという解析結果でたということです。



自分の会社で有料で提供している経済シミレーターで、金融緩和すべきとか、増税するべきでないと結果が出るのに、新聞では、その逆のキャンペーンをするというのは、どうみても、チグハグで、どうしょうもないです。

おそらく、シミレーターが出鱈目であれば、ユーザーからそっぽを向かれてしまうので、シミレーターはなるべく正確にしているのだと思います。このシミレーターを利用するのは、主に民間金融機関の連中だと思います。日本の多くの人は、金融引き締めを続けられたり、増税されたりずれば、悪い影響を受ける人々ですが、金融関係者特に証券会社などは、日本の景気が良いということだけでは大もうけはてきません。それよりも、大きな変化など前もって知ることができれば、他者に先んじて知ることができれば、大もうけできます。

たとえば、全くありえないのですが、日本が本当に財政破綻することを前もって知ることができた場合、それで確実に大金儲けができます。それは、たとえば、クレジット・デフォルト・スワップなどの取引によって、信じられないほどの金儲けができます。そうでなくても、日本が財政破綻するとして、多くの人々が何らかの形で行動を変えることが予めわかれば、それを活用して大金儲けができます。景気が悪いなら、悪いなりに、良ければ、良いなりに、そのまま安定して継続するのでなく、その中でもとにかく大きな変化があったときが勝負どきです。多くの人々が嫌がる、大変化があれば、それが彼らの儲け時なのです。

だから、日本の経済が良くなるということ自体は、金融関係者にとって大きな金儲けのチャンスではないのです。だからこそ、日経ニーズという経済シミレーターが成り立っているのだと思います。金融市場の関係者にとっては、日経新聞による報道が、正しかろうと、間違いであろうとほとんど関係ないのだと思います。日本が財政破綻しようが、逆にデフレから脱却して、上向こうがそれ自体よりも、大方の日本人にとって、良くても悪くても、とくにかく何らかの大きな変化を前もって知ることができればそれで良いのです。

金融アナリストとは、結局賭博師の一味である。

先日の日曜日朝の報道2001という番組をみていたら、この番組でアンケートをとったいわゆる金融アナリストという人々の意見では、全員が増税に賛成しており、反対の人は一人もいませんでした。彼らにとっては、日本人が増税で苦しむことなど、どうでも良いのです。増税による変化を前もっと知り儲けができる体制を組み、自分たちが儲かりさえすれば、他の人間のことなどどうでも良いのです。彼らの本質は、良い背広を着たりして体裁は整えているものの、単なる賭博師にすぎいないということです。賭博師達の、意見を聴く報道番組など、最初からスタンスが間違っています。一昔前は、経済アナリストはまだしも、金融アナリストなどテレビなどの番組で滅多にお目にかかったことがありません。

ただし、彼らの名誉のため付け加えおきますが、彼らについて悪逆非道な面ばかり出していますが、そもそも、これが彼らの仕事であって、企業という組織に入っているわけですから、自分の意思、意図などとは関係なくそうしなければならないということです。だから、そもそも、テレビ番組などで、あたかも代表的意見のように、アンケートをとるなどということが間違いなのです。彼らの意見が、日本を代表するような意見になることなど在り得ないのです。だから、一昔前までは、金融アナリストなどテレビに出演するとか、解説するなどということはなかったのです。それよりも、国民のためを思うべき、マスコミ、政治家、官僚の中でも、そうではない人がいるということのほうが、余程悪逆非道です。

とにかく、せっかくの素晴らしい経済シミレーターという資産を世の中の役に立てられない愚かな人々多く存在しているということです。私たちは、このようなものたちに惑わされてはならないと思います。まして、このようなものどもに操られてはならないのです。私はそう思います。皆さんは、どう思われますか?

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