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2018年12月22日土曜日

攻撃予告!? 韓国海軍、海自哨戒機にレーダー照射 「米軍なら即座に撃沈」 日韓関係さらに冷え込み―【私の論評】今回の照射は韓国海軍の練度不足にあるかもしれない?

攻撃予告!? 韓国海軍、海自哨戒機にレーダー照射 「米軍なら即座に撃沈」 日韓関係さらに冷え込み



韓国海軍の駆逐艦が海上自衛隊のP1哨戒機に対して行った火器管制用レーダーは「攻撃予告」ともいえる危険な行為だ。韓国側は「海自の哨戒機を追跡する目的でレーダーを使った事実はない」などと釈明するが、照射された側が先に攻撃したとしても、国際法上は何ら問題が生じないほどの事案だ。折しも日韓関係は、いわゆる徴用工訴訟の問題などで最悪の状況にあるが、さらなる冷え込みは避けられそうにない。

「攻撃直前の行為だ」

岩屋毅防衛相は21日夜のBSフジ番組で、レーダー照射に危機感を示した。

火器管制用レーダーは「FCレーダー」とも呼ばれ、ミサイルや火砲を発射する際、目標の距離や針路、速力、高度などを正確に捕捉し自動追尾する「ロックオン」に用いる。発射ボタンを押せば攻撃可能な状態だ。防衛省幹部は「米軍なら敵対行為とみなし即座に撃沈させてもおかしくない」と語る。

複数の韓国メディアは韓国国防省関係者の話として「レーダー使用は遭難した北朝鮮船舶捜索のためで、海自の哨戒機を狙ったわけではない」と報じた。しかし、海自幹部は「意図しなければ起こりえない事態だ」と怒りをにじませる。

日韓関係を考えると、レーダー照射は最悪のタイミングで起きたといえる。


徴用工訴訟では、韓国最高裁の確定判決で賠償命令を受けた新日鉄住金に対し、原告代理人が24日までに回答を得られなければ、年内に韓国の資産の差し押さえ手続きに入る考えを示す。防衛関係でも、自衛艦旗「旭日旗」の掲揚自粛問題や、韓国軍による竹島(島根県隠岐の島町)周辺での訓練など、韓国側の不適切な行為が続いている。

外務省幹部は「韓国の意図は分からないが、日韓関係が悪化して喜ぶのは中国や北朝鮮だ」と嘆く。(産経新聞 石鍋圭、原川貴郎)

【私の論評】今回の照射の原因は韓国海軍の練度不足にあるかもしれない?

韓国艦艇が海自対戦哨戒機に火器管制レーダーを照射したことに関して、擁護する意見もあります。典型的なのは、田母神氏によるツイートです。以下のその内容を掲載します。
もう一つの事例は、以下のものです。
韓国側に損あっても得なし?レーダー照射で偶発的事故はありうるか

関 賢太郎(航空軍事評論家)

海自P-1哨戒機にレーダー照射した韓国海軍の駆逐艦「広開土大王(クワンゲト・デワン)」
 詳細は、この記事をご覧いただくものとし、まずは概要を掲載します。

20日、韓国の駆逐艦が自衛隊の哨戒機に対して火器管制用レーダーを照射しました。韓国政府や韓国海軍において、哨戒機を照準する意図はなかったのではと筆者はいいます。なぜなら、韓国側には何のメリットもなく、謝罪が必要な外交上の「失点」であるためとしています。

以下に一部を引用します。
 平時においては、レーダー照射されただけでいきなり反撃を加えることは、まずありません。これは日本だけではなく、アメリカやそのほかの国でも同様です。しかしながら極めて緊張度の高い戦時ならば、反撃もありえる危険な行為です。中国の事例はともかくとして、なぜ韓国海軍はあえてこのような行動に出たのでしょうか。 
 発生の翌21日に韓国側は、自国駆逐艦が船舶の位置を確認するためにレーダー照射した結果、偶然にもP-1に照射されてしまったという見解を発表していますが、火器管制レーダーはミサイル誘導のため、極めて細いビームとして発信されます。それが飛行中のP-1にぶつかる可能性はほぼゼロに等しいといえ、説得力に欠けます。 
 ただ駆逐艦は、対空索敵用レーダーで探知した標的に対して自動的にレーダー照射を行う能力を持っているものがあり、「広開土大王」においてもたまたま対空索敵用レーダーがP-1を探知してしまったため、それに連動して偶発的にレーダー照射をしてしまった可能性は十分に考えられます。 
 よって現在のところ、理由については不明です。 
本当に偶発的事故かもしれない理由とは?
 今回の韓国海軍駆逐艦の行動について、あくまで筆者(関 賢太郎:航空軍事評論家)の推測ですが、韓国政府や韓国海軍において、P-1を照準する意図は無かったのではないでしょうか。前記の通り火器管制レーダー照射は非常に危険な行為であり、国際問題となり得る行為です。韓国側には何のメリットも無いどころか、謝罪さえ必要となる外交上の「失点」を、あえて進んで行う合理的理由が無いのです。おそらくは何らかの「事故」だったのではないでしょうか。
 確かに、両者の主張するように偶発である可能性は高いです。しかしながら、この偶発を引き起こしてしまったことに対する、韓国側の説明は不十分です。

政府関係者によると、P1は最初の照射を受け、回避のため現場空域を一時離脱しました。その後、状況を確認するため旋回して戻ったところ、2度目の照射を受けたそうです。P1は韓国艦に意図を問い合わせたのですが、応答はなかったそうです。照射は数分間に及んだとみられます。

韓国側は火器管制レーダーの使用について「哨戒機の追跡が目的ではなく、遭難した北朝鮮船捜索のため」などとしていますが、海自幹部は「意図しなければ起こりえない事案だ」と指摘しました。

防衛省によりますと、レーダー照射は20日午後3時ごろ、日本の排他的経済水域(EEZ)内で発生しました。韓国駆逐艦は対艦、対空ミサイルを搭載していました。岩屋毅防衛相が21日夜の緊急記者会見で公表し「極めて危険な行為」と批判しました。

この問題で、防衛省は22日、韓国側の「哨戒機を追跡する目的でレーダーを運用した事実はない」との説明に反論し、「非常に危険」と非難する文書を発表しました。

文書は「海自哨戒機が収集したデータについて慎重かつ詳細な分析を行い、火器管制レーダーによるものと判断した」と強調しました。

一部韓国紙が、韓国軍関係者の話として、北朝鮮の遭難漁船を捜索するためにレーダーを稼働させたと報じていることに関連し「火器管制レーダーは、攻撃実施前に攻撃目標の精密な方位・距離を測定するために使用するもので、広範囲の捜索に適するものではなく、遭難船舶を捜索するためには水上捜索レーダーを使用することが適当だ」と主張しました。

確かにこの韓国側の説明は不十分です。北朝鮮の遭難漁船が空中を飛行するというならまだしも、そのようなことはありえず、この説明はとても承服できるものではありません。

ちなみに、P-1は、海上をパトロールし船舶や潜水艦を探知する能力に優れた「哨戒機」で、機首上部の「コブ」の内部にESM(電子戦支援装置)と呼ばれる電波逆探知装置を備えており、相手のレーダー電波を受信・解析する能力があります。それによってレーダー照射された事実を知りえたものと推測されます。

P-1に設置されている、ESMであるHLR-109B、これは敵が発するレーダー電波などの電磁輻射をとらえて、脅威警報を発する装置です。ESMにはデータが蓄積されており、当然ながら、海自もその他の当時情報を蓄積しているでしょうから、それらのデータを分析した上で、日本政府は韓国に対して抗議したものと思います。海自はさらに分析を続ければ、さらに新しい事実がでてくるかもしれないです。



私自身は、意外ともっと簡単な理由かもしれないと思います。たとえば、韓国海軍の練度不足で、韓国艦艇はP-1にレーダー照射をしたことすら感知しておらず、当然政府にはそのような連絡もなく、日本政府からいきなり抗議されて慌てふためいたというのが、事実なのかもしれないです。でなければ、現場に近いところですぐに対応してはやめに、この不祥事を回避できたかもしれません。

韓国海軍の練度不足は以前から知られています。

何しろ"国運を賭けて"導入したイージス艦など、「潜水艦を発見するソナーが漂流ゴミで、あえなく使用不能になりました。これにより、イージス艦の天敵・潜水艦に対して、無防備であることが判明しました。

また、敵機と敵巡航ミサイルを撃ち落とす対空ミサイルSM2の実射訓練では、4発中2発が発射直前に爆発したり、目標物の反対方向に飛んでいったりと、大失態を演じています。

さらに、韓国海軍がその威容を誇らしげに語り、わざわざ「独島(竹島の韓国名)」と命名した揚陸艦も悲劇に見舞れています。

独島

2012年9月に艦で火災が発生。海水をかけて消火したところ、塩害で2つの発電機が故障し、航行不能に陥りました。ただ、『独島』は4つ発電機があります。残る2つを動かせば航行はできるはずなのですが、実はその2つも4月に乗務員の操作ミスで浸水し、壊れていたのです。

それにしても、韓国政府は未だに謝罪まではいかなくても、「遺憾の意」くらいは公表してしかるべき思うのですが、それすらもないというのは理解しがたいところです。

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2017年1月6日金曜日

【釜山・慰安婦像設置】菅義偉官房長官会見詳報 韓国・釜山の慰安婦像設置に対抗措置 菅氏「日韓関係に好ましくない影響」「国と国として約束、履行してほしい」―【私の論評】先進国になれなかった韓国は、中所得国の罠にはまり発展途上国となる(゚д゚)!


記者会見で駐韓大使の一時帰国などを発表する菅官房長官=6日午前、首相官邸

 菅義偉官房長官は6日の記者会見で、韓国・釜山での慰安婦像設置を受け、「極めて遺憾だ」として駐韓日本大使の一時帰国など4項目の対抗措置を発表した。会見の詳報は以下の通り。

     ◇

 一昨年の日韓合意において、慰安婦問題が最終的で不可逆的に解決される、このことを確認をしている。それにも関わらず、昨年の12月30日、韓国の市民団体によって、釜山の日本国総領事館に面した歩道に慰安婦像が設置されたことは、日韓関係に好ましくない影響を与えるとともに、領事関係に関するウィーン条約に規定する領事機関の威厳を侵害するものと考えており、規定に照らして極めて遺憾だ。

 これを受けてわが国は当面の措置として、(1)在釜山総領事館職員による釜山市関連行事への参加見合わせ(2)長嶺安政・駐韓国大使および森本康敬・在釜山総領事の一時帰国(3)日韓通貨交換(スワップ)の取り決めの協議の中断(4)日韓ハイレベル経済協議の延期。その措置を採ることを決定した。

 日本時間の本日未明、米ワシントンで杉山晋輔・外務次官から韓国の林聖男(イム・ソンナム)外務第1次官に対し、慰安婦像の設置に強く抗議するとともに、慰安婦像の早急な撤去を強く申し入れた。政府としては慰安婦像を早急に撤去するよう、引き続き韓国政府や関係自治体に強く申し入れをしていく。今後とも日韓それぞれが合意を責任を持って実施していくことが極めて重要だ。引き続き韓国側に対し、慰安婦像の問題を含め、合意の着実な実施を求めていきたい。

 --かなり強い対抗措置だが、必要だと判断した理由は

 「まず日韓合意を考えたときに極めて問題だ。さらにはウィーン条約の規定を考えたときにも極めて問題がある。政府としては互いの合意を責任を持って努力するのは大事という意味において遺憾であるという中で、今回4点について措置を採る」

 --日本政府は韓国や関係自治体に撤去を求めているが、なかなか韓国側が動かないと判断したのか

 「現状について日本政府として極めて遺憾だ。このことを4項目によって形として示した」

 --当面の措置ということだが、実際に撤去されるまで継続するのか

 「状況を総合的に判断して対応していきたい」

 --日本政府は日韓合意を履行することが重要だという方針で韓国の出方を見守っていたと思うが、これまでの韓国政府の対応に満足できないという思いか

 「わが国としては合意を着実に履行してきた。そういう立場に変わりはない。引き続いて慰安婦像の問題を含めて合意の着実な実施を韓国政府に求めていきたい」

 --韓国政府は問題解決に消極的だが、日本の強い姿勢によって韓国政府が積極姿勢に転じるか

 「いずれにしろ、わが国の立場を明確に示した。互いに合意の着実な実施をしていく。これは当然のことだ」

 --ここまで強い措置を講じることで、今後の日韓関係への影響は

 「日本と韓国はまさに隣国であり、極めて重要な国だ。そういう中で今回、このような措置を採らざるを得なかったのは極めて残念ではあるが、互いに国と国として約束したことは履行してほしい。そういう強い思いで実施した」

 --杉山氏から韓国の林氏にすでに内容は伝えているのか

 「わが方から韓国側に対し、この問題解決のために累次に渡って適切な対応を採ることは強く求めてきた。しかし、現時点において事態が改善しない。そういうことで韓国側に今申し上げた措置を採ることを通報している」

 --措置の実施は本日付か

 「すでにそうした措置を採ることを先方には通報している」

 --日本の措置に対して韓国政府からの反応は

 「承知していない」

 --改善が見られなかった場合はどうするか

 「いずれにしろ当面の措置という形で、このような措置を採らさせていただいた」

 --日韓合意では韓国政府は慰安婦像の撤去に「努力する」としており、確約はしていない。確約はしていないが、努力を怠っているということか

 「日韓間で合意した。そのことについて互いに誠実に実行することになっているので、そこはしっかり合意を実施してほしいとの思いの中で今日まで強く求めてきている。今回、新たな釜山市の件を受けて、政府としてこのような措置を採った」

【私の論評】韓国は、中所得国の罠にどっぷりはまり発展途上国となる(゚д゚)!

日韓合意に関しては、昨年から特に保守層の一部から、大きな批判がありました。どうせ韓国は、合意など守らないのだから、合意などしても無意味というものでした。しかし、この見方は根本的な間違いでした。

この一部の保守層の、典型的な最近の意見を以下に掲載します。
日韓合意については、現在名前の挙がっている大統領選候補者全員が「破棄」を主張しており、その時々の政権の都合で合意やら条約やらを反故にする、韓国人の感覚を日本側はよくよく知る必要があるのです。この件については、「我が国の父祖の名誉を貶めるもの」として国内保守層の猛反対を押し切り、ついには韓国と合意した安倍総理の責任は免れないものと思います。少なくとも彼は一体韓国の何処をもって、合意を順守する国であると判断したのか、お得意の記者会見で国民に対し説明すべきなのです。
確かに、日韓合意が締結される前までは、日韓基本条約を締結はしていたものの、日本政府は日韓両国の問題は解決済みしか言えませんでた。そうして、韓国は解決していないといい続けのでした。


しかし、昨年の日韓合意により日韓基本上やの賠償請求権協定の「再交渉できる」としている協定にあった「穴」が潰されたのです。日本は合意を履行済みですから、韓国政府に約束を守れといえるようになったし、約束を守らなければ報復措置も取れるようになったのです。


日韓基本条約の大きな問題点は、賠償請求権協定が韓国側非公開であったことであり、それを日本側も容認していたことにありました。これは、二国間の条約であり、秘密協定に近いものなので、外交カードとしては、利用しにくかったのです。そもそも、日韓基本条約が韓国で公開されたのは条約締結から40年過ぎ2005年でした。しかし一昨年の日韓合意は国際社会に開かれたカードであり、以前とは 状況が全く違います。

この違いを日本の一部の保守層や、韓国政府や多くの韓国人は理解していなかったのでしょう。しかし、朴槿恵辞任デモをするような一般韓国人は別にして、韓国政府までがこれを理解していないというのは、全く言い訳になりません。愚かとしか言いようがありません。

一昨年末の電撃的な日韓慰安婦合意について、日本政府は「最終的かつ不可逆的な解決」と胸を張ったのにはこのような背景があったのです。しかしながら、このことに気づかない韓国サイドの反応は予想どおりでした。

元慰安婦とされる女性たち
元慰安婦や韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)だけでなく、梨花女子大などの学生や一般市民まで次々と合意に反発して立ち上がっていました。

いわく、「長年苦しんできた歴史を、ちっぽけな金額で売り飛ばされてたまるか」などと、かえって怒りを増長させてしまったようにも見えました。

親北朝鮮の最大野党「共に民主党」の文在寅代表は「今回の屈辱的な合意は無効」と断じていました。

親北朝鮮の最大野党「共に民主党」の文在寅代表
反日で国を束ねる韓国にとって、慰安婦問題は解決されては困る問題であり、何があっても永遠に燃え盛る炎のようなものです。李明博前大統領は竹島を反日カードにしましたが、朴槿恵大統領は慰安婦問題を普遍的な「女性の人権問題」として世界にアピールしてきまし。保守派の彼女には、親北朝鮮の野党支持者を取り込むねらいもあったのでしょう。

朴槿恵にとって慰安婦問題は政権を維持する最大の反日カードなのに、なぜ日本との合意を急いだのでしょうか。

最大の理由は米国の圧力でした。南シナ海の人工島建設やサイバー攻撃など、「力による現状変更」の意志を隠さない中国と政情不安定の北朝鮮は東アジアの安全保障にとって大きな脅威であり、日米韓が緊密に連携する必要があるのですが、「米中二股外交」を展開した韓国は米国の制止を聞かず中国主導のAIIB(アジアインフラ投資銀行)に参加し、一昨年9月、北京で開催された抗日戦争勝利70年記念行事には朴大統領自ら出席しました。

「慰安婦問題が解決しない限り日韓首脳会談は実現しない」と明言する朴槿恵は米国にとって実に厄介な存在でした。

朴槿恵(左)とオバマ(右)
言うことを聞かない彼女に怒り心頭のオバマ大統領は一昨年10月、ホワイトハウスの米韓首脳会談で日韓友好を求めて朴槿恵を叱責したとされています。会談後の会見でオバマ大統領は「(日韓の)困難な歴史問題が解決されることを望む」と厳しい表情で語りました。

同時に経済的な要因も大きいものでした。ウォン安を背景に輸出で躍進した韓国経済は近年のウォン高と中国経済の減速で大ブレーキがかかってしまいました。韓国貿易協会によると日韓関係の悪化で日韓輸出入総額は2011年の約1080億ドル(約13兆円)から2014年は約860億ドルに減少しました。

今や日本の若者は嫌韓ムード一色です。韓国観光公社などによると、2000年代後半300万人台だった訪韓日本人は現在200万人を割っています。代わりに増えた訪韓中国人はお目当ての品がなく、訪日時のような「爆買い」をしないので当地は潤わなかつたようです。

中国人観光客も、韓国がTHAAD配備を決めたせいで、減少しています。韓国メディアによると、8月の訪韓中国人客は18年ぶりの減少となり、高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備が影響しているようだといいます。

焦った経済界から「やっぱり日本だ」との声が噴出しました。一昨年5月、ソウルで開かれた日韓経済人会議で韓国代表は「両国が1つの経済圏を形成し、ともに成長、共同繁栄の時代を構築すること」を提案しました。会議では「日本を追い抜いた」との奢りから停止していた「日韓通貨スワップ協定」の復活や「韓国のTPP加入」などが議題となっていました。

米国と経済界から突き上げられた朴槿恵は孤立を怖れて渋々、日本との関係改善に動き、一昨年11月、ソウルで就任以来初の日韓首脳会談を開催しました。昨年末、朴槿恵への名誉毀損で在宅起訴された産経新聞の加藤達也・前ソウル支局長の無罪判決、韓国憲法裁判所による1965年の日韓請求権協定は違憲との審判請求の棄却も合意を後押ししました。

そうして、朴槿恵も韓国政府も、野党も、多くの韓国人らも、日韓合意も日韓基本合意と同じく、すぐに有名無実にできるものと軽く考えていたに違いありません。

日韓合意を伝えるテレビのキャプチャ画像
彼らは、日韓合意には日韓だけではなくアメリカという第三者が強く関与していることをすっかり忘れていました。そうして日韓合意は、二国間だけの合意ということではなく、世界に向けて日韓は合意したという内容を明らかにしたものです。

これを守らないということは、韓国はまともな国ではないと、自ら世界に向かって、喚き散らすようなものです。全く愚かです。

日韓合意をしたときから、このような日がいずれ来ると思っていましたが、やはりそうなりました。

今後韓国は、朴槿恵の後の大統領も候補者全員が朴槿恵と同程度からそれ以下の無能ですから、経済はますます悪化することでしょう。北朝鮮、中国問題の悪化から、地政学的な韓国の価値は大きく上がったわけなのですが、同盟関係における信頼性が下がり続けているので、無価値化しつつあります。日本としては、日本海の安全を考えると軍事的敵対は出来ませんが、かといって支援する意味もありません。

今後誰が大統領になって何をしようとも、経済は破綻し、いずれまた通貨危機を迎えることになることでしょう。そうして、経済はIMFの管理下に再び入り、安全保障的にも問題ありとしいうことで、国連の信託統治領になり、米国、英国、その他複数の国々が軍隊を派遣して、統治することになるものと思います。

そうして、中所得国の罠にズッポリとはまり、先進国になることなく、発展途上国にまた逆戻りすることでしょう。取るに足らない国になっても、「取るに足らない国になってしまったのは、日本のせいだ、日本が悪い」と反日を繰り返すことでしょう。が、それを何度繰り返えしたとしても、経済は好転も成長もせず、世界の他の国々から呆れ果てられ、疎んじられる存在になることでしょう。

発展途上国になった韓国では、慰安婦問題で暴れた過去を懐かしむことでしよう。「あー、この国はあの時何とかならなかったものか」と。しかし、自ら招いた結果であり、韓国はそれに甘んじるしかないのです。

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2016年10月4日火曜日

【「慰安婦」日韓合意】「外交的欠礼だ」 謝罪の手紙拒否、韓国に当惑と反発広がる―【私の論評】韓国が金融緩和をするしないかにより、日韓関係は大きく変わる(゚д゚)!


衆院予算委員会で答弁する安倍晋三首相=3日午前、国会・衆院第1委員室

 安倍晋三首相が3日の衆院予算委員会で、慰安婦問題での日韓合意に関し、韓国の元慰安婦支援財団が求める首相による謝罪の手紙を出すことを「毛頭考えていない」と表明したことに対し、韓国で当惑と反発がくすぶっている。

 韓国外務省報道官は4日の定例記者会見で、安倍首相の発言に関する報道陣の質問に、「言及は自制する」と答えた。報道官は先月29日の会見で、「韓国政府としても、日本側が慰安婦被害者の方々の心の傷を癒す、感性に訴える追加的な措置をとるよう期待している」と述べ、謝罪の手紙を事実上求めていた。

 このため、4日の会見では、安倍首相の発言を「外交的欠礼だとの評価も(韓国では)ある」と韓国メディアの記者が指摘し、韓国政府の立場を何度もただした。報道官は、「(日韓の)合意の精神と趣旨を尊重し、被害者(である元慰安婦の女性)らの名誉と尊厳の回復、心の傷の癒しが速やかになされるよう、日本側と協力していく」と繰り返し答えるにとどめた。

 韓国政府としては、国内で高まる反発に日本政府が理解を示すよう期待しているとみられる。韓国メディアからは、安倍首相の発言に「合意に基づく謝罪の真意を疑わざるを得ない」などと反発も出ている。

 日韓合意では、安倍首相の「心からのおわびと反省の気持ち」が表明されたが、謝罪の手紙を出すことは盛り込まれていない。韓国政府も「合意文にあるそれ以上、以下でもない」(韓国外務省報道官)との立場だ。

 日韓は慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認済みだ。問題が蒸し返されるのを日本が懸念していることは韓国政府も分かっており、国内世論との板挟みとなっている。

【私の論評】韓国が金融緩和するしないかにより、日韓関係は大きく変わる(゚д゚)!


日韓合意をしたということで、ごういした直後から安倍総理は安倍首相は昨年12月29日、「今後、この問題について一切言わない。次の日韓首脳会談でももう触れない。そのことは電話会談でも言っておいた。昨日(28日の日韓合意)をもってすべて終わりだ。もう謝罪もしない」「ここまでやった上で約束を破ったら、韓国は国際社会の一員として終わる」と述べています。

日韓合意をするにおいては、日本側も韓国側にある程度譲歩したので、日本側でも日韓合意に反対する人々も結構いました。私自身も、当初は反対ではあったのですが、考えてみると、一度合意をしたという実績を作ったのですから、確かに韓国側が何をいってきたにしても、今後をそれにまともに対応する必要などありません。

ましてや、政府ではない組織が何かを言ってきたにしても、全く無視で良いです。これに対して、少しでも応えるようなことをすれば、またこの問題の蒸し返しになるだけです。

これは、国を個人にたとえて言うなら、日本が韓国に対して慰安婦問題に関して、言質をとったようなものです。今後、韓国の政府以外の組織が慰安婦問題に関して、何かを言ってくれば、すべからく無視で良いでしょう。まかり間違って韓国政府が何か言ってくるようなことがあれば、「その問題については日韓合意で片がついています」ということで良いです。


これは、政府から民間からあらゆる層でそのような対応で良いです。まともに取り合う必要など全くないです。韓国政府から言質をとったということで、これは最上の外交カードになります。

政府以外の団体が、「慰安婦問題」を蒸し返したり、慰安婦像をどこかに建てるということにでもなれば、すべて「日韓合意」で片付けることができます。それを無視して、韓国側が何かをすれば、韓国は国際社会の一員としては認められなくなります。

そうして、日本では他方では、通貨スワップという韓国に対するこれまた、強力な外交カードを得ました。日本政府は、韓国政府に対して通貨スワップをちらつかせながら、要求をつきつけることもできます。これを利用しない手はありません。


日本との「通貨交換(スワップ)協定」再開を狙う韓国で、締結額が500億ドル(約5兆円)規模の巨額になるとの観測が浮上している。経済指標が、国際通貨基金(IMF)の管理下に入った1990年代の危機当時の水準まで悪化しており、日本のマネーをあてにするしかない韓国当局の願望も透けてみえます。 

通貨スワップは、外貨不足に陥った際に、ドルなどを融通し合う仕組み。日韓の協定は2001年に締結されたのですが、昨年2月に反日姿勢を強めた韓国側が一方的に打ち切りました。

ところが韓国経済が失速すると韓国側からスワップ必要論が浮上、今年8月末の日韓財務対話で、韓国側が呼びかけて再開に向けて議論することで合意しました。

そんななか、韓国の経済メディア、ソウル経済は、韓国の企画財政部(財務省に相当)の関係者の話として、新たな日韓スワップが「500億ドル以上の大規模になる可能性が高い」と明らかにしたと報じました。

これが実現すれば、欧州の財政危機を背景に700億ドル(約7兆円)まで拡大した11年当時に匹敵する規模になります。

韓国が現在結んでいる最大の通貨スワップ協定は中国との540億ドル(約5兆4000億円)規模です。日本は中国を牽制(けんせい)するためには、同規模のスワップ協定を結ぶことになるというのです。

韓国は米軍の「高高度防衛ミサイル(THAAD)」配備を決めたため中国と関係が非常に悪化しており、中国が韓流スターを排除する「禁韓令」など、韓国に対する制裁の姿勢を強めました。韓国のスワップ協定の約半分を中国の人民元が占めるという危うい状況も続いています。

巨額のスワップ締結論が先走って報じられる背景には、韓国経済の窮状があります。8月の青年失業率は9・3%と、IMF危機時の1999年以来の高水準です。長期失業者の割合や、格付けを引き下げられた企業の数や製造業の稼働率も90年代後半の水準に接近しています。

米国の年内追加利上げがあれば、韓国からの資金流出が現実味を帯びることになります。恥も外聞も捨てて日本に泣きつくしかないのが実情です。

民主党政権のとき日本は通貨スワップの枠組みを拡大したことがあるが、
当時も今も事実上日本から韓国への支援であることには変わりない。
それにしても、その後日韓通貨スワップが正式に再開したというニュースは未だ流れていません。現在折衝中なのでしょう。いずれ、発表されるとは思います。

しかし、このブログでも以前掲載したように、通貨スワップを再開したとしても、今のままの韓国であれば、韓国経済にとって一時しのぎに過ぎません。せっかく、通貨スワップをしても韓国は通貨危機に陥ることになります。

それに関する記事のリンクを以下に掲載します。
韓国で日本との通貨スワップ再開論 協定終了のいきさつを棚上げ?―【私の論評】リフレ派皆無の韓国を通貨スワップで助けても全く無意味(゚д゚)!
日本はなぜ、20年近くにも及ぶほど正しい経済政策を取れなかったのでしょうか。簡単にいうと、それは財務省は積極財政をすべきときに緊縮財政を行い続け、日本銀行は、金融緩和をすべきときに、金融引き締めを行いつづけたからです。

日銀は、金融政策の間違いを、財務省は財政政策の間違いを頑として認めず、あろうことか、それを政治家やマスコミ、多くの経済学者までもがそれを許容してきたからです。
すでに2014年あたりから、韓国の経済指標は日本の失われた20年の時代と同じような兆候
同じようなことが今の韓国経済にもあてはまります。問題の本質は、総需要不足であり、構造改革は問題解決になり得ないどころか、解決を遅らせるだけで、「害」をもたらす政策以外の何ものでもありません。 
韓国銀行(日本の日銀にあたる韓国の中央銀行)は度重なる金利低下を実施しています。しかし、韓国銀行は金融緩和をせずにこれを実施しているので、為替レート市場では一貫してウォン高が進行しています。これが韓国の代表的な企業の国際競争力を著しく低下させていることには疑いの余地はありません。 
では、なぜ韓国は大胆な金融緩和政策を採用できないのでしょうか。田中秀臣氏などのリフレ派からみると、韓国政府や韓国銀行は、大胆な金融緩和を行えば、一挙にウォン安が加速し、ウォン建て資産の魅力は急減することを恐れているとみなしているようです。

そうなると、海外の投資家たちは韓国市場から投資を引き揚げ、株価なども大幅に下落してしまうことを恐れているというのです。しかし、私はそれだけが原因では無いと思います。

元々、韓国の個人消費は、GDPの50%程度しかなく、これはかなり低い水準です。日本などの先進国では、これが60%台であるのが普通です。米国では、これが70%にも及びます。日本は失われた20年でデフレ・スパイラルどん底に沈んでいるときですら、60%近くを維持していました。 
極端なグローバル化で歪な韓国経


どうしてそのような構造になったのかといえば、極端なグローバル化を進めた結果です。しかし、韓国政府は低い個人消費を伸ばそうという意識はないようです。だからこそ、金融緩和などには、無関心なのでしょう。 
しかし、現状をそのまま放置しておけば、過去の日本の失われた20年のように、韓国経済は長期停滞に埋没していくのは必定です。これを打開するためには、個人消費を伸ばす政策を採用すべきです。それを実行するには、金融緩和は不可欠です。

そうして、構造改革をするというのなら、何をさておいても、内需を拡大することを優先すべきです。そのためには、金融緩和、積極財政は欠かせません。
日本には、韓国が大胆な金融緩和を行えないのは、日韓スワップ協定などで潤沢なドル資金を韓国に融通する枠組みに欠けているからだ、と指摘する人もいます。確かに、その側面はあるかもしれません。しかし、これよりよりもはるかに深刻なのは、朴政権と韓国銀行に蔓延している間違った構造改革政策です。
さてこの記事では、通貨スワップなどしなくても、韓国が金融緩和をすれば、経済が良くなるはずと主張しました。

しかし、日韓通貨スワップなしに、韓国が異次元の包括的金融緩和を行えば、急激なウォン安に見舞われることになり、日本のように金融的にはるかに韓国よりも恵まれ、さらに内需が元々大きい日本では円安程度ですんだものが、韓国の場合は、ウォンの大暴落ということになり、海外から食料や原材料を輸入することができず、韓国経済が大打撃を被るということが考えられます。

そうなるとやはり通貨スワップを再開して、日本側が韓国に対して大量に円を融通すれば、韓国は海外から食料や原材料を融通することができ、韓国経済はソフトランディングができます。

しかし、もし韓国がかつての日本のようにデフレに見舞われても金融緩和をせず、積極財政をしないということにでもなれば、日本が大量の円を融通したにしても、一時しのぎにすぎず、結局韓国経済は崩壊して、第二の通貨危機を招くことになります。

その場合、韓国は先の通貨危機においてもそうであったように、また自国の通貨危機を日本のせいにすることになります。

これでは、日本としては、全く無意味というかかえってマイナスです。

そんなことを防ぐためにこそ、日本は韓国に対して金融緩和ならびに積極財政を迫るべきです。無論、このようなことは、内政干渉になるので、韓国側は受け入れないかもしれません。

しかし、そうなれば、日本としては日韓通貨スワップを再開せずに、韓国に自滅してもらえば良いのです。

なぜ、私がこのようなことを言うかといえば、せっかく通貨スワップで助けるというのなら、一時しのぎに終わらせず、韓国経済が金融緩和と積極財政で、韓国経済を立ち直らせるべきであると考えるからです。

慰安婦問題が複雑化した理由の一つは、過去の日本政府の不味さがあったのは確かです。しかし、より根本的な問題は、韓国の経済の低迷です。韓国では、経済が比較的良かった時代でも経済がいびつで、日本よりかなり格差がありましたが、韓国政府は過去においてもまともな経済対策をすることなく、国民の不満をそらすために、慰安婦問題で日本を悪者にしたててきたという点は否めません。

過去の韓国政府は、まともな経済対策もせず内需を蔑ろにし、グローバル化を強力に進め、慰安婦問題で日本を糾弾するということを繰り返してきました。その結果が、今日の韓国の窮状を招いてしまいました。

ヘル朝鮮を報道するテレビ番組の画像 ハングル:헬조선、漢字:헬朝鮮、発音:ヘルチョソン
最近は、さらなる韓国経済の低迷により、韓国の格差問題は日本などとは比較の対象にもならない程深刻です。若者の間では、このあまりの酷さに「ヘル(地獄)朝鮮」という言葉が流行っているくらいです。このような状況では、韓国内でも不満を持つ人達がさらに増え、左翼が暗躍しさらにその不満を煽り、とんでもない状況になりかねません。

しかし、経済がかなり良くなれば、あるいはその見込みがたてば戦後に池田内閣が所得倍増計画を実行した後には、日本から当時のソ連の影響が消え去ったという実例があるように、韓国内でも、左翼の暗躍は影を潜め、慰安婦問題も沈静化することでしょう。

もし、韓国がそもそも金融緩和を一切しないというのなら、日韓通貨スワップをもってしても、韓国経済は立ち直ることはできません。そうなると、第二の通貨危機を招き、日本は、通貨スワップで韓国を助けるにもかかわらず、韓国から恨まれることになります。

日本は、中途半端をすべきではありません。最初から通貨スワップ再開をしないか、再開をするなら、韓国政府に金融緩和と積極財政を実施することを確約してから再開するかのいずれかです。他の選択肢はありません。

01年10月12日の日銀の政策決定会合で、速水優日銀総裁は「皆が価格が下がるのはデフレで大変だと大騒ぎされるのはどうかと思う」と、いわゆる「よいデフレ論」を展開し、山口泰副総裁や三木利夫審議委員は同調していました。その後、日本人は「よいデフレ」などというものはあり得ないということを塗炭の苦しみを経て、嫌というほど思い知らされました。

韓国内では、過去の日本のように、現在「よいデフレ論」が大手新聞などで論じられています。いずれにせよ、韓国が金融緩和に踏み切るか切らないかにより、日韓関係は大きく変わるのは間違いありません。

日本では、単純に日韓通貨スワップ反対とする人も多いようですが、このような側面を見逃すべきではありません。

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2015年3月16日月曜日

「謝るほどに悪くなる日韓関係」ついに終止符を打つ時が来た―【私の論評】現体制の中韓は捨て置け!両国政府が国民の批判に耐えられるような体制になったとき、まともな関係を構築すればそれで良い(゚д゚)!


黒田勝弘氏 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
2015.03.16

 戦後70年(韓国では解放・光復70年)、日韓国交正常化50年を迎えた今年、韓国のメディアでは予想通り年初から“反日報道”が荒れ狂っている。2015年日韓歴史戦争の幕開けである。

 直近でいえば、ISIL(イスラム国)による日本人殺害事件に関連し、韓国政府は朴槿恵大統領が安倍晋三首相に哀悼の書簡を送るなど対日姿勢を軟化(?)させているが、メディアは一斉に「安倍、自衛隊の海外武力行使拡大へ」(2月2日、東亜日報)など逆に“安倍叩き”に熱を上げている。

 そんな中で発刊された前大統領・李明博の回顧録『大統領の時間 2008-2013』には2010年、菅直人首相によって出された「日韓併合100年」の「談話」の経緯が記されている。

 回顧録は、菅首相から談話内容については事前に電話で知らされたとし、過去の謝罪と反省が今回は韓国に特定されたことに加え、李王朝文書返還など「自分が求めてきた(謝罪と反省の)具体的行動」が込められていたとし「村山談話を越えて韓日関係を進展させる歴史的措置だった」とべたぼめしている。

 しかし戦後50年の村山談話や慰安婦問題の河野談話(1993年)もそうだが、韓国が守れ、守れと日本にしきりに要求して騒ぎ立てる、韓国にとってそんなに好ましい素晴らしい内容だったのなら、そこで「納得」となって過去は終わりとなっていたはずではなかったのか。

 それが終わらず蒸し返されてきた。1998年、「日韓共同宣言」と銘打って文書で完璧に「謝罪と反省」を明記し、これを取り付けた金大中大統領など「これで過去は清算された」と言ったのに、韓国側はその後も過去を蒸し返し続けている。

 安倍政権に対してはスタート以来、右傾化とか軍国主義復活、歴史歪曲……などと非難の大合唱を続けてきた韓国では、どんな内容になろうが「安倍談話」は認めず叩きまくろうと手ぐすね引いている。ということは、韓国相手にはもはや「謝罪と反省」は何の意味も効果も持たないということだ。「謝るほど悪くなる日韓関係」に終止符を打つ時である。

 その意味で「戦後70年安倍談話」は韓国にこだわる必要はない。そして1945年以降、これまでの70年間の歴史をしっかり振り返った方がいい。日本は過去の反省、教訓の上でいかに国際社会に貢献したかを語ることだ。

 そして韓国、中国を含むアジアに対しては、過去の反省に立った日本の支援がアジア諸国の発展に寄与できたことをうれしく思うと、堂々と述べればいい。戦後70年とは別に「日韓50年談話」も必要なら出していい。その際も新しい日韓協力の50年間が韓国の現在のめざましい発展につながったことに感謝(!)し、共に喜びたいと語ればいいのだ。

 。狙いはむしろ外野というか国際社会だ。韓国、中国を含む戦後アジアの発展への日本の寄与これこそが“過去イメージ”を乗り越え、国際的共感を得るものであり、歴史戦争に勝てるキーワードなのだ。

 文・黒田勝弘(産経新聞ソウル駐在客員論説委員)

 ※SAPIO2015年4月号

この記事の詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】現体制の中韓は捨て置け!両国政府が国民の批判に耐えられるような体制になったとき、まともな関係を構築すればそれで良い(゚д゚)!

黒田氏は、以前韓国の反日の実体について語っていたことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。


詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部を抜粋させていただきます。

そこで、黒田氏に、なぜ韓国の政治家やメディアがこれほど日本への憎悪をむき出しにするのか、その実情を説明してもらった。 
「韓国の国民のほとんどは、実は反日感情など持っていません。私は生括していて何の危険性も感じないし、不快な思いもしない。それどころか、韓国人はきわめて穏やかで親切です」 
 黒田氏は微笑を浮かべて語った。日常生活では、日本拒否の現象など見当たらない、というのである。すぐには信じられなかったが、黒田氏はありのままの実感を話したのだ。 
 しかし、それにしては朴大統領の尋常ではない日本批判、そしてマスメディアの憎悪むき出しの日本攻撃は、どう受け取ればよいのか。黒田氏は苦笑してこう語った。 
「メディアの人間は自分を知識人だと思っていて、知識人として朝鮮を植民地にした日本を批判すべきだ、それも忘れてはならないという思いが強い。しかし、いくら日本をたたいても一般の国民は反応しないので、いら立って日本をより強烈に批判する。しかし、反応しない。そこでますます怒る……という現象になっているのですよ」 
 そういえば、ある大手旅行代理店幹部が、韓国から日本への観光客は増えているが、日本から韓国への旅行者は減っていると語っていた。 
 数年前までは、「ヨン様」ブームなどで韓国を訪ねる日本人客、特に女性客が増えていた。それが、朴大統領をはじめ韓国の政治家やメディアが日本を激しく攻撃するようになってから激減したというのだ。 
 しかし、一般国民が朴大統領の日本批判や韓国のマスメディアの日本攻撃などそれほど読んでいるとは思えず、日本の、特に週刊誌や月刊誌の多くが韓国を批判、いや憎悪むき出しで攻撃しているのを読んで、韓国に拒否反応を示すようになったのであろうと考えられる。ということは、韓国人とは逆に、日本人は売らんがための報道に容易に影響される、もろい存在だということになる。我ら日本人、しっかりしなくては! 
週刊朝日  2014年5月2日号
何やら、同じ黒田氏の発言なのに、この記事とブログ冒頭で語っていることとが相矛盾するようにもみえます。

しかし、 矛盾しているというわけではないのだと思います。韓国においての反日は、政府主導によるものであり、政府主導にマスコミが便乗して、様々な反日報道をしているということなのだと思います。そうして、そのような政府の論調や、マスコミの論調に一部の韓国人が便乗して大騒ぎしているというのが実情だと思います。

結局、韓国による反日も、中国と同じで官製反日ということなのです。中国の反日デモなどが官製であることは、このブログにも以前掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
リスクの代償払うのは?ユニクロ上海の「尖閣は中国領」張り紙−【私の論評】中国の反日デモは、官製であることがいよいよはっきりしてきた!!ところで、その背景は?

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、当時(2012年10月21日)の中国における、大規模な反日デモが官製(政府主導という意味)であることを掲載しました。

2012年当時中国の主要都市では、反日デモが繰り返されていた

それにしても、官製であるないは別にして、最近はこのような反日デモが、中国ではほとんど見られなくなっています。皆さんは、その原因は、何であるかをご存知でしょうか。

その原因は簡単なことです。もともと、中国の反日デモなどは、官製だったのですが、最近では政府が官製デモを主催しなくなったからです。

なぜしなくなったかといえば、中国では反日デモを政府主導で起こすと、それがいつの間にか反政府デモになってしまうという事態になってしまったからです。

今では、人民が反日デモをしようと、政府に届けを出すと、以前はたいていは許可されたのに、最近では滅多に許可されません。なぜそんなことになったかといえば、このようなデモも一旦開催されると、いつの間にか反政府デモに変わってしまったからです。

それどころか、最初から反政府デモを実施するつもりでも、そのような届けを出すと、認可されることはまずないので、反日デモという届けを出して、反政府デモを実行するというようなことが、行われるようになったからです。

それにしても、ではなぜ、政府が反日デモを主催していたかとえば、それは中国ではもともと建国以来毎年平均2万件の暴動があったとされていたのが、2010年あたりでは、毎年平均10万件を超える暴動が発生するようになりました。

なぜ、そうなったかといえば、人民の地方政府や、中央政府のやり口に、腸が煮えくり返るような思いが、ますます酷くなり、いつどこで、憤怒のマグマが大爆発してもおかしくない状況になっていたからです。

こうなると、以前からそうだったのですが、いつ人民の憤怒のマグマが自分たちに向けて大爆発するかわからず、中国政府は日本を悪者に仕立て、人民の憤怒のマグマの爆発する先を日本に向けようとしたのです。

尖閣問題の発端も、もともとは官製デモと同じで、日本を悪者に仕立て、中国人民の怒りの矛先を日本に向けさせることが目的だったのです。

しかし、今では、反日デモを煽ったり、認可すれば、必ず反政府デモになり、かえって逆効果になるということで、そのようなことはしなくなったのです。ただし、尖閣に関しては、政府が直接制御できるので、まだ実行し続けているというのが実情です。

変な韓国旗のビキニ? 韓国の現体制が変わらない限り日本は、接触を絶つべき
韓国も同じような状況にあります。ここしばらく続いた政府の無能ぶりにより、韓国の経済は破綻しかけています。それに、韓国は一応自由主義陣営の一員のような体裁はとってはいますが、未だに酷い差別が存在したり、言論の自由も制限されています。

だから、政府は反日を煽って、国民の怒りの矛先を日本に向けようとしてきたのです。いずれ、韓国でも反日を煽ると、いつの間にか政府批判を煽ることになると思います。

そうなったときに、韓国政府は中国と同じように、国民に対して反日を煽ることはできなくなることでしょう。

いずれにしても、中国にせよ、韓国にせよ、政府がうまく機能せず、国民の憤怒のマグマが煮えたぎるということは、もちろん日本の責任ではありません。だから、いくら日本を責めたとしても、それだけでは何も解決しません。

今のまま何も変わらないとすれば、中韓の体制が崩れるまで、政府による反日は続きます。

であれば、謝罪などすれば、ますます両国政府とも、反日を激化させ、自分たちの延命をはかるだけです。

これに対する対処は、黒田氏がブログ冒頭の記事で語っているように、戦後アジアの発展への日本の寄与これこそが“過去イメージ”を乗り越え、国際的共感を得るものであり、歴史戦争に勝てるキーワードとして、戦後の国際貢献を強調し、世界の共感を得ることです。

日中韓の関係は、中韓の体制が変わらぬ限り悪化する

これに関しは、安倍総理は外交を通じて、かなり進めています。ただし、中韓と直接蜜に話しをしているというわけではありません。中韓以外の外国と、積極的に接触して、日本との関係を強化するという形で進めているものです。

私としては、黒田氏の提言を一歩すすめ、中韓とはなるべく接触を絶ち、必要最小限にとどめ、他国とのつきあいを深めていくということで、日本の立場を国際的に認めてもらうということが、一番良いことだと思います。

中韓の体制が変わらない限り、日本が謝罪をしたとしても黒田氏の指摘するように、ますます関係が悪化するだけです。中韓をどうにかしようなどという考えは、捨て去り、他の外国に認めてもらうという方針で臨むのが日本として一番良いやり方であると、確信します。

中韓両国の政府が、自分の存立基盤を確保するために、日本を悪者に仕立てて、反日を煽るというのではなく、少なくとも政府が国民の批判に耐えられるような体制になったときに、まともな関係を関係を構築すべきです。こんな当たり前のことができない、稚拙な政府と関係を保つ必要性など全くありません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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