2018年2月24日土曜日

韓国・文大統領、袋叩き 北『テロの元締め』五輪閉会式出席に保守派大反発 識者「要求何でも受け入れる“対北マゾヒズム”」―【私の論評】北は金王朝存続のため核を手放さない(゚д゚)!


金英哲(キム・ヨンチョル)党副委員長
 北朝鮮が、米韓を挑発してきた。韓国・平昌(ピョンチャン)冬季五輪の閉会式(25日)に、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の側近、金英哲(キム・ヨンチョル)党副委員長らを派遣すると通知してきたのだ。英哲氏は、数々のテロ事件を実行した工作機関「偵察総局」のトップとして、米韓の制裁対象になっている。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、英哲氏と会談する方針だが、長女のイバンカ大統領補佐官を閉会式に出席させるドナルド・トランプ米大統領はどう判断するのか。文氏の露骨な「従北」姿勢に、韓国の保守派から激しい反発が出ている。

 「北朝鮮で南北対話を総括する金英哲氏と直接対話することは、重要な意味がある」

 韓国の趙明均(チョ・ミョンギュン)統一相は22日の国会で、こう強調した。

韓国の趙明均(チョ・ミョンギュン)統一相
 文政権が、英哲氏との対話を重視するのは、対韓国政策を統括する党統一戦線部長を務めているためだ。

 一方で、英哲氏はかつて偵察総局長として、2010年に40人以上が死亡した哨戒艦「天安(チョナン)」撃沈や、延坪(ヨンピョン)島砲撃事件などを主導した「テロの元締め」とみられている人物である。

 国際社会がテロ根絶に動くなか、いくら「平和の祭典」といっても、韓国だけが目をつぶっていいのか。犠牲者遺族の反発もある。

 保守系最大野党、自由韓国党は22日、「天安撃沈事件の主犯にあえて韓国の土地を踏ませてはならない」と厳しく批判した。

 野党・正しい未来党も「(英哲氏は)挑発の企画者であり、元凶だ。北朝鮮制裁を損ないながらも、代表団訪問を受け入れる政府の態度には極めて懸念を感じる」と抗議した。

 大統領府ホームページの掲示板には、「金英哲訪問反対」を訴える書き込みが相次いでいるという。

 こうした批判に対し、前出の趙氏は「責任の所在は確認が難しい」と国会で答弁した。大統領府高官も「いろいろな推測はあったが、実際に攻撃を誰が主導したかは明らかになっていない」と理解を求めたが、「従北」政権による“ごまかし”という印象は拭えない。

文在寅政権
 北朝鮮が、制裁対象の英哲氏らを閉会式に送り込む背景は、「従北」の文政権を籠絡し、「北朝鮮への圧力強化」で一致する国際社会の足並みを乱れさせる思惑があるとみられる。

 北朝鮮のテロや人権蹂躙(じゅうりん)を糾弾してきた、トランプ米政権と、南北対話を優先する文政権の分断を狙っていることも明らかだ。

 韓国大統領府高官は、英哲氏が制裁対象であることについて、「『五輪の成功』という大局的な見地から金英哲氏を受け入れる予定だ。米国とは協議中だ」と説明したが、五輪に「政治」を持ち込んで汚しているのは文政権ではないのか。

 文政権は批判を無視するように、対北傾斜を加速している。

 韓国・聯合ニュースによると、統一省は22日、南北会談の定例化を推進する一方、対話や関係国との連携に基づき、北朝鮮を「非核化」の交渉テーブルに着かせる方針を国会に報告した。韓国が南北関係の改善を主導し、北朝鮮と米国の対話を支援、牽引(けんいん)する考えも示した。

 北朝鮮の「核・ミサイル開発」の阻止を狙う米国はどう動くか。

 米当局者は、閉会式前の23日から訪韓するトランプ米大統領の長女、イバンカ氏ら代表団が、北朝鮮と接触する予定はないと説明した。

 イバンカ氏は23日、ソウルで文氏との夕食会に先立ち約35分、非公開の会談を行いトランプ氏からの「メッセージ」を伝えた。

文大統領と会食するイヴァンカ氏
 ただ、文政権が聞き入れるかどうかは不透明だ。それどころか、五輪期間中は延期している米韓合同軍事演習の再開中止などを米側に申し入れる恐れも指摘されている。

 韓国に精通するジャーナリストの室谷克実氏は、文氏の政治姿勢について「北朝鮮の要求は何でも受け入れる『対北朝鮮マゾヒズム』だ」と断じ、続けた。

 「日本では、文政権が推進する南北対話が『非核化のための手段』かのように報じられているが、実態はまったく違う。文氏は、北朝鮮の『核・ミサイル開発』の時間稼ぎに加担し、北朝鮮に核を放棄させないまま、南北統一を成し遂げようとしている。金英哲氏の受け入れは、韓国国内の『北朝鮮アレルギー』をなくすための布石だ」

【私の論評】北は金王朝存続のため核を手放さない(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事で、「(金)英哲氏はかつて偵察総局長として、2010年に40人以上が死亡した哨戒艦「天安(チョナン)」撃沈や、延坪(ヨンピョン)島砲撃事件などを主導した「テロの元締め」とみられている人物」と掲載されています。


2010年3月に、天安(チョナン)号が撃沈された事件では、46人が死亡。同じ年の11月に、延坪(ヨンピョン)島を攻撃された際には、4人死亡しているにも関わらず、韓国は反撃をしませんでした。

延坪(ヨンピョン)島砲撃事件
2010年ですから、天安号の撃沈事件があったのは、日本での東日本大震災の1年前です。そのため私達の記憶は薄れているところがありますが、しかしこれはつい最近起きた大事件です。

韓国の若者を中心に50人近くも殺されながら、全く何の反撃もしなかったのです。そうして、これは当時の李明博大統領の決断力の問題ももちろんあったかもしれませんが、一番大きかったのは当時アメリカが韓国が報復することを許さなかったのです。

もし韓国が反撃、あるいは報復攻撃をすると、朝鮮戦争がまた火を噴くから、そういうことを許さなかったのです。
しかし、2013年あたりから米国も変わりつつありました。このような攻撃があった時には、米国から反撃の許可が出て、米軍も攻撃に参加する可能性が高まったのです。それを象徴していたのが、B2ステルス戦略爆撃機の韓国への飛来です。

一方北朝鮮は、何をするつもりだったのか。それについては、2013年に当時にもうはっきりとわかっています。2013年あたりから、北朝鮮の挑発はエスカレートしましたが、一番心配されたのは実は、以下の表にある「朝鮮戦争の休戦協定を破棄する」との宣言です。

2013年当時の北朝鮮の挑発
無論、北朝鮮が一方的に休戦協定を破棄しても、協定を結んだわけではないので、正式に破棄できるわけでもありません。そうして現在は、朝鮮戦争の休戦状態です。

1950年の6月に朝鮮戦争は始まりました。そしてその後、北朝鮮・韓国の戦争だけではく、アメリカと、中国の戦争へと拡大してしまいました。

そしてお互いに一方的に相手に勝つ見込みなくなってしまったのと、そのままでは中国と米国との総力戦になってしまうおそれもあったため、1953年の7月に、休戦協定を結びました。何とその後70年間、ずーっと休戦のままという異常な状態が続いています。

それを金正恩が、それを破棄すると言い出したわけです。もう、休戦おしまいだと言ったのですから、多くの人は「では北朝鮮は、休戦を破棄して再度戦争に突入するつもり」であると受け取ったわけです。しかし、これは実は、話が真逆です。本当の、金正恩第一書記の意図は、戦争を終わらせるということです。
休戦協定破棄の真意は、戦争を始めるのではなく、終わらせることです。休戦のまま継続されているている異常な状態を破棄するということであり、戦争をするという宣言ではなく、戦争を終わらせるということです。

はっきりと、朝鮮戦争はもう終わったということにして下さいと宣言しているわけです。戦争が正式に終われば、米国も北朝鮮軍と直接戦っていましたから、両国の間で平和条約が結ばれることになります。

休戦だと、休戦協定だけで戦争状態は続いていますが、戦争が終わったとなれば、米国は北朝鮮と、平和条約とか友好条約等の戦争後の条約を結ぶことになります。それをやって下さいと金正恩第一書記は、当時のオバマ大統領に向かって、実は呼びかけてるのがこの休戦協定の破棄でした。

独裁を認めて欲しい。そして、全面戦争はない。この若い若い独裁者が、一人で支配する北朝鮮と、平和条約を結んで下さい、つまり核保有国のまま独裁を認めてほしいということを宣言していたのです。

北朝鮮としては、核保有のまま金正恩の独裁を認めて欲しいということを宣言したわけです。この頃から、北朝鮮の姿勢は現在も変わっていません。金正恩側からすれば、核は金王朝維持のための安全保証の唯一の切り札であり、到底手放すことはできないのです。

米国や世界に対して、金王朝が滅ぶときは、米国など(中国、日本も含む)が滅ぶ時であることを認識させた上で、金王朝が滅ばず、北の独裁体制が維持できれば、北には戦争の意思がないということを示したのです。

北にとって核は金王朝維持のための安全保障の切り札
しかし、さすがにオバマ政権もこの要求には応えられないと判断したからこそ、オバマ政権末期には、現在のトランプ政権と同じように、韓国にB2ステルス戦略爆撃機や、空母を派遣するなどのことをして、北朝鮮と対峙していたのです。

そうして、北朝鮮は、この状況下においては、かつての天安(チョナン)撃沈や、延坪(ヨンピョン)島砲撃事件のような直接攻撃をした場合、米韓からの報復は必至であると判断したため、このような直接行動は控えて、ミサイル発射実験のみの挑発に切り替えたです。また、金正男氏暗殺は、金正恩の独裁体制の変更はしないし、中国の言うとおりにはならないとの意思表示でもあると考えられます。

韓国の文在寅は、北朝鮮のこうした意図ははっきりと理解した上で、米朝会談を目論んだのでしょうが、これは最初から無理筋というものです。

これは、韓国内でも反発を生んでいます。韓国党は22日、国会で金英哲訪問と関連して緊急議員総会を開き、「絶対に金英哲の訪問を受け入れることはできない」という党論を定めました。

金聖泰(キム・ソンテ)院内代表は議員総会後「金英哲は対南偵察総局責任者として天安(チョナン)艦砲撃、延坪島(ヨンピョンド)砲撃、木箱地雷挑発を主導した者」として「韓国の領土を踏むならば、緊急逮捕や射殺すべき」と話しました。

金聖泰(キム・ソンテ)韓国党院内代表
かつて、米国の許可がなければ韓国は北に反撃もできなかったわけですが、逆の側面からいうと、米国が北を攻撃した場合韓国も攻撃したり、それを補佐したりすることを米側から依頼されれば、それを断ることはできないわけです。

ただし、文在寅は一連の対北マゾヒズムで、米国の信頼を失っています。そのため、米が北に武力行使をするときでも、事前に日本には伝えても、韓国にそれを伝えることはないでしょう。

いずれにせよ、北は金王朝存続のため核を手放す気はありません。だとすれば、米国はいずれ少なくとも、北朝鮮の核関連施設を爆撃するなどの行動にでることは間違いありません。

そうして、その時に韓国があてにならないわけですから、日本に対する期待度はますます高まることになるでしょう。

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