最近ファタジスタ的発言の多い民主党海江田代表 |
経済や社会を強くするには、若い働く人の数も増やさなければいけない。日本の高度経済成長の時の強みは中間層だった。今は中間層がやせ細った。もう1回、厚くしなければいけない。そうした雇用問題も参院選で掲げる政策に加えたい。(宮崎市内での街頭演説で)
【私の論評】海江田代表ファンタジスタ炸裂!!ファンタジーから抜け出さないと自滅し他人を惑わすだけの限界的な存在になるだけ!!
海江田代表、もうファンタジスタ炸裂ですね。デフレ人口減説を信奉しているのでしょうか?デフレは、純粋な貨幣現象です。海江田氏のように、生産人口が減ったから経済成長できないということになれば、人口の少ない国家は全部破綻ですね。これって、今世紀初頭くらいまでなら、こんなことを語っていてもも許されたかもしれませんが、21世紀に入ってからもう随分時がたった現在、このようなことを語ること自体が考えられません。デフレ人口減説に関しては、このブログでも、以前間違いであることを掲載したことがあります。
人口減や、人口増になっても、貨幣の流通のバランスが崩れなければ、デフレにもインフレにもなりません。人口減のときに、人口減とは全く関係なく、何らかのことにより、貨幣の流通のバランスが崩れれば、そのときは、デフレになったり、インフレになったりします。人口にみあった貨幣の供給量が少なければ、デフレになるし、多ければインフレになるだけの話です。
現在の日本では、政府が緊縮財政をしたり、日銀が増刷拒否をしているため、ここしばらく、デフレ状況が続いています。そんなときにたまたま、人口減の傾向にあるからといって、人口減がデフレの原因であるとはいえません。デフレ人口減説を唱える連中は、最近の日本のこの状況のごく一部のデータをきりとってきて、デフレ人口減説を唱えているだけです。日本でも、過去には、人口増であるにもかかわらず、デフレ傾向になったことはあります。これは、無視して、最近のデータばかりとりあげて、このような説を唱えることは合理的ではないし、科学的な態度でもありません。
それに、たとえば、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、ニュージーランドのような、もともと、人口が少ない国は、この説に従えば、人口の多い国に比較すれば、デフレになりやすいということでしょうか、それに、人口の伸びが今でも著しいインドや、東南アジアの国々などでは、インフレになりやすいということでしょうか。そんな馬鹿な話はないです。人口増になろうが、デフレになったり、人口減になろうが、インフレになっているなどいう事例はゴマンとあります。そもそも、関係ないわけですから、最近の日本の状況のみをデータとして取り出して、デフレ人口言説を唱えることは、全くの不見識であるどころか、見当違いもはなはだしいです。
それから、生産年齢の現象についても、製造業でモノを製造したり、モノを運んだり、農林水産業で実際に、農産物を作ったり、森林を伐採したり、水産業で実際に魚をとったりする人の人数は大昔と比較すると激減しています。こちらは、函館ですが、この函館、水産物で有名ですから、さぞや水産物に関わる人が多いと思われるでしょうが、そんなことはありません。ここ函館では人口は、三十万人を少し切るくらいですが、、農林水産業に関わる人の数は二千数100人にすぎません。
なぜこのようになったかといえば、製造業でも、農林水産業でも、昔と比較すると、生産性が飛躍的に高まったからです。実際に肉体を使って働く人々の数はかなり減りました。勤め人なとをやっている人で、実際に朝から晩まで、肉体を使っている人は少数派になりました。現在の富の源泉は、こうした肉体労働から、知識へと移行しました。
そんなときに、生産人口が減ったということが、経済発展しないことの原因だというのは、全くこのあたりのことを考慮していないということです。海江田さんどうしてしまったのでしょうか?というより、もともと、このようなファンタジスタだったのかもしれません。
ファンタジスタには、アベノミクスが全く理解できないのかもしれません。アベノミクスの特に最初の矢である、中央銀行による金融緩和、第二の矢である政府による財政出動は、古今東西あらゆる国で、経済が落ち込んだときの常套手段であり、当たり前のど真ん中です。これに関しては、最近なぜか、とち狂った新自由主義者などが、政府の借金が90パーセントを超えているときには、財政出動しても効果がないどころか、さらに経済が縮小するという、トンデモ理論を信奉していましたが、その説の唯一の理論的背景となった論文がそもそも間違いであったことが明らかにされています。
これについては、以前このブログでも掲載したことがあります。そのURLを以下に掲載します。
2009年にギリシャ問題が発覚し、それが欧州財政危機問題へと拡大した際、欧州委員会は危機を回避する政策を策定するにあたってひとつの論文を参考にしました。
それはハーバード大学のケネス・ロゴフ教授とハーバード・ケネディ・スクールのカーメン・ラインハート教授による「Growth in a Time of Debt(国家債務時代の経済成長)」という論文です。
ロゴフ教授とラインハート教授は『国家は破綻する』という本の著者でもあり、日本でも知られています。
ところがマサチューセッツ大学アマースト校の博士課程に学ぶトーマス・ハーンドンがこの論文に書かれている結果を再現しようとしたところ、ロゴフ教授とラインハート教授が主張するような、「国家負債が90%を超えるとGDP成長が著しく鈍化する」という結果が得られませんでした。そこで彼の指導教授であるマイケル・アッシュ教授ならびにロバート・ポーリン教授とともに「結果がそうならなかった」という指摘をしました。
これが両者の間で論争を巻き起こしましたが、結局、ロゴフ教授とラインハート教授がエクセルのスプレッドシートを操作する際、コーディングのミスをした為、一部のデータが演算に反映されていなかったことが判明しました。さて、この論文の間違いも含めて、このブログにも良く登場する上念司氏が、先日国会の公聴会で、現状の経済に関する証言を行なっています。その動画を以下に掲載します。
ロゴフ教授とラインハート教授がエクセル操作上の凡ミスを全面的に認め、謝罪の声明を出すということで論争には終止符が打たれました。
なおこの動画で、説明している上念氏の資料ならびに発言の内容の書き起こしを掲載しているブログがありましたので、そのURLを以下に掲載します。
http://kokkai-sokuhou.iza.ne.jp/blog/entry/3066684/
この動画と資料は、最近の経済事情を含めて、かなり正確に表現されています。上念氏は、この動画の中でも、上念氏は、民主党政権時代にこの経済事情について訴え、金融緩和をするようにと話をしたところ、執行部は全く関心を示さなかったということを言っています。
現実の経済は、上念氏が語っていたことが正しいにもかかわらず、それに耳を貸さなかった民主党は、結局経済も何も好転させることもできず、ご存知のようにアベノミクスを主張する安倍自民党に惨敗しました。
惨敗してなお、民主党の主だった幹部も、代表である海江田氏も、日本経済の真相に気付くこともなく、気付くつもりもなく、ファンタジスタ的発言を繰り返しています。
これは、前原誠司氏も同じようなものです。これについても、以前このブログで掲載したことがあるので、以下にそのURLを掲載します。
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、前原氏はデフレの原因は、人口減であること、円高の原因は震災によサプライチェーンの寸断だと信じ込んでいます。政権の閣僚したような人間がこのような都市伝説まがいの説を信じ込んでいます。海江田氏も同様です。
もはや、様々な論議がなされ、デフレから脱出するためには、金融緩和と、財政出動が必要不可欠であることは、明らかです。まずは、これを推進しなければならないことは経済学的にもはっきり裏付けられています。そんな最中にあっては、この方向性に疑問をさしはさんでも何にもなりません。
今やるべきは、これを具体的にどのようにどの順番でやるかが焦点です。選挙の争点にするにしても、具体的方法や順番などをめぐっての論争なら意味もありまいすが、ただ反対というのであれば、争点のための争点ということで何ら意味を持ちません。経済に関しては、金融緩和、財政出動に反対することは全く意味がありません。これに関しては、方法順番を争点にすべきです。経済政策の大枠は、争点にはなりません。争点にするなら、何か他のことで、国民にとっても意味のあることにすべきです。
にもかかわらず、海江田氏や、前原氏のような発言を繰り返すことは、ファンタジーの世界に浸っていだけであり全く意味がありません。そこから抜け出さないと自滅し他人を惑わすだけの限界的な存在になるだけです。私は、そう思います。皆さんは、どう思いますか?
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