2017年8月28日月曜日

習政権、朝日新聞見捨てたか 「新チャイナセブン」読売スクープ報道の深層 河添恵子氏が緊急リポート―【私の論評】日本には中国と本気で対峙しなければならない時が間近に迫っている(゚д゚)!

習政権、朝日新聞見捨てたか 「新チャイナセブン」読売スクープ報道の深層 河添恵子氏が緊急リポート

胡錦濤(左)と習近平(右)
 中国共産党最高指導部「チャイナセブン」(中央政治局常務委員7人)が大幅に入れ替わる、5年に一度の党大会が今年秋、開催される。習近平国家主席への権力掌握が注目されるが、読売新聞は24日朝刊で「中国次期指導部リスト判明」と、驚くべきスクープを放った。この顔ぶれが事実なら、習一派と胡錦濤前国家主席派が、江沢民元国家主席率いる「上海閥」を葬り、今後、北朝鮮とつながる党幹部を粛清しそうだという。東アジア情勢に精通するノンフィクション作家、河添恵子氏が緊急リポートする。

 中国の次期最高指導部リストが、8月下旬に報道されるのは異例中の異例だ。河北省の避暑地で例年行う「北戴河会議」が終わったとはいえ、この時期に報じられた理由を推測すると、いくつかの背景が浮かび上がる。

 まず、このリストは、筆者(河添)含む、世界のチャイナウォッチャーにとって、おそらく意外な人物はいない。


 北朝鮮の「核・ミサイル開発」をめぐり、ドナルド・トランプ米大統領と、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が一触即発で対峙(たいじ)するなか、金王朝と近い“江沢民派の一掃”を誇示したかったのだろう。

 習氏は、金王朝に何ら影響力を持っていない。

 このため、習氏らが4月に米国を訪問(命乞い?)すると、北朝鮮は翌月、中国を「敵」と吠えた。トランプ氏が出した「宿題」通りに、習一派が北朝鮮と密接な北部戦区(旧瀋陽軍区)の江一派を一網打尽にすれば、北朝鮮のミサイルで北京・中南海(中国共産党中枢)が火の海になる可能性も捨てきれなかった。

 習氏はこれを防ぐため、7月に北朝鮮に隠然たる力を持つロシアを訪問し、プーチン大統領と数回会談した。多額の経済援助も用意した。必死だった。

 読売新聞のリストの6番目に入っている栗戦書・党中央弁公庁主任は、習氏とプーチン氏との特別な関係を、ここ数年、下支えしてきた。第2期習政権にとっても、プーチン氏との関係をより深めることが、政権の“命綱”になるためだ。

 3番目に入っている汪洋副首相は、栗氏と同様、習氏の4月訪米に同行した“渡航組”の1人だ。彼の対面はレックス・ティラーソン国務長官だった。汪氏は「米国対応の要」になるのだろう。

 習氏が提唱する「一帯一路」構想の起点は重慶市である。7番目に入った陳敏爾・重慶市党委書記は習一派で、孫政才・前重慶市党委書記が今年夏に失脚した後に後任となった。「一帯一路」構想を維持発展させるためのロケット出世といえそうだ。

 習体制発足から5年、習氏が「一強」の体制固めに邁進(まいしん)してきたことは、多くの識者が指摘している。そのうえで、結論から言うと、この新リストが暗示するのは2期目指導部は「習近平-胡錦濤体制」になるということだ。

 胡前主席は、総書記と、中央軍事委員会主席、国家主席でありながら、江沢民元主席によるかいらい政権のまま2期10年間、悶々(もんもん)としてきた。

 中国の一部メディアにも「習-胡連盟の流れが加速している」との記述が散見していた。胡氏が、息子の胡海峰(浙江省嘉興市市長)のロケット出世を願って、習氏と手を組んだと考えてもおかしくはない。

 香港の雑誌『争鳴』6月号にも、興味深い内容が記されていた。

 「5月10日から11日、中国共産党中央政治局常務委員拡大生活大会が中南海で行われた。胡錦濤、朱鎔基、宋平、李瑞環、呉邦国、温家宝、賈慶林、李嵐清ら退職した中央政治局常務委員が参加し、江沢民、李鵬、曽慶紅、賀国強は欠席した」

 「胡錦濤は、腐敗キャンペーンを進める習近平を高く評価」「胡錦濤は、自身の“科学的発展観”を代価とし、江沢民の“三つの代表”を削除するよう提出。犠牲的に江沢民を攻撃する習近平を助けると発言した」

 この報道が事実なら、胡氏は「共産主義青年団派」(共青団派=団派)のドンとして、習一派らが果敢に繰り広げる江一派の粛清を「大歓迎」していることが分かる。

 最近、重要な会合や葬儀にも江氏の姿はない。「入院中で心臓が動いているだけの状態」という噂も流れている。胡氏にとっても「本格的リベンジ」の時なのではないか。

 ほかにも、リスト公表を早めた理由が考えられる。

 依然として影響力を持つ曽慶紅元国家副主席(別名『江派2号』)や、北朝鮮と直結する江一派の大物を一刻も早く粛清したいためではないか。

 もう1つ、読売新聞が、このリストを「世界初」で入手したとすれば、そのことにも意味がありそうだ。実は、中国は日本メディアの影響力をよく理解している。朝日新聞が慰安婦問題の大誤報などで、読者の信頼を失い、不買運動も広がっている。

 習政権が、朝日新聞を見捨てて、「読売新聞に乗り換える」というサインなのかもしれない。

 ■河添恵子(かわそえ・けいこ) ノンフィクション作家。1963年、千葉県生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業後、86年より北京外国語学院、遼寧師範大学へ留学。著書・共著に『豹変した中国人がアメリカをボロボロにした』(産経新聞出版)、『「歴史戦」はオンナの闘い』(PHP研究所)、『トランプが中国の夢を終わらせる』(ワニブックス)など。

【私の論評】日本には中国と本気で対峙しなければならない時が間近に迫っている(゚д゚)!

以下に、まずは現在のチャイナセブンを示す表と、その下に新チャイナセブンのリストをならべて掲載します。



この表を比較すると、新チャイナセブンからは、江沢民派は完璧に姿を消しています。大子党は習派であり、共青団派は、胡錦濤派であることから、現状のチャナセブンの習派3人、胡錦濤派1人、江沢民は3人から、新チャイナセブンでは、習派4人、胡錦濤派3人、江沢民派0人であり、これは習・胡錦濤派の大勝利です。

今月15日付の産経新聞が報じたように、今秋開かれる中国共産党大会で、習近平総書記の思想・理念が「習近平思想」として党規約に明記される可能性が高まっていました。そうして、この新チャイナセブンのリストをみると、その可能性はほぼ100%と見て間違いないです。

中国共産党史上、指導者個人の思想が党の指導思想として認定された前例には「毛沢東思想」があります。1936年に党の主導権を握った毛沢東は、それから9年間をかけて権力基盤を固めたのち、45年開催の共産党第7回党大会で「毛沢東思想」を党規約に盛り込むことに成功しました。

「毛沢東思想」をコンパクトにまとめた『毛沢東語録』
これで毛沢東は、党の政治的指導者の地位だけでなく、党の思想的「教祖」としての権威も手に入れました。その時からわずか4年後の49年、「教祖」となった毛沢東の指導の下で、中国共産党は国民党政府との内戦で奇跡的な勝利を収め、天下を取って中華人民共和国を建国しました。

そうして76年の毛沢東の死去まで、毛沢東思想が至高のイデオロギーとして党と全国人民を完全支配するようになっていました。一個人の思想がそれほど権威を持った背景には当然、中国共産党を内戦の勝利へと導いて国を開いた毛沢東の「偉業」がありました。

毛沢東思想を広める先兵となった紅衛兵の少女たち 「毛沢東語録」を読み上げている
毛沢東の死後、次の最高指導者となった鄧小平は、改革・開放路線を推し進めて中国経済を成長路線に乗せ、かつての貧困国家・中国を世界第2の経済大国へ変貌させました。この歴史的業績をもって、彼の死後の97年、「鄧小平理論」が党規約に明記されることになりましたが、それは毛沢東思想よりは一段格が下の「理論」にとどまりました。

それに対し、総書記になってからわずか5年、これといった業績もない習近平氏が、建国の父の毛沢東と肩を並べて自らの「思想」を党規約に盛り込もうとしているのです。

党規約に「習近平思想」を記載するのは簡単ですが、「習近平思想」が本物の指導思想として自らの絶対的権威を確立させていくのはかなり困難なことです。毛沢東思想や鄧小平理論の権威確立は、この2人の政治指導者の歴史的業績によって裏付けられたものであり、今の習近平氏にはそれがありません。

したがって秋の党大会以後、自らの「思想」の権威確立のために、習氏はかつての毛沢東や鄧小平と比肩するほどの業績を作っていかなければならないことになります。しかし今の中国には、指導者が内政の面において毛沢東の建国や鄧小平の改革開放に匹敵するほどの業績を立てる余地はもはやありません。これからの習氏にとって、歴史的業績を作り上げるための新天地は、「国の外」にしかありません。

1978年10月22日日本を訪れた鄧小平氏(一番手前)
つまり、習近平は、毛沢東と鄧小平が夢見ていてついに達成できなかった、アジアと世界における中国の覇権樹立という「偉業」を、成し遂げることによって初めて彼の「思想」は本物の「指導思想」となって習近平の統治の正当性を主張できることになります。そのとき初めて、習近平は毛沢東や鄧小平を超える「教祖」として中国に君臨することができることになります。

そうなると、今秋の党大会において「習近平思想」を首尾よく党規約に明記させた後、2期目からの習近平政権は不退転の決意を持って南シナ海と東シナ海に対する軍事的支配と、「一帯一路」の展開による世界への経済支配を両輪とする世界制覇戦略を全面的に推し進めていくこととなるでしょう。

今後、中国の海洋進出や一帯一路による世界のブラック化はさらに加速されることになるどころか、とどまるところを知らなくなります。

「教祖」になろうとする中国共産党独裁者の野望はこうして、アジアと世界に災いをもたらすことになります。その野望を打ち砕き、アジアの平和と安定を守るため、日米はより同盟関係を強める必要があります。さらに、他国の強力を得て、中国包囲網をさらに堅固なものにする必要があります。

さらに、日本は中国と対峙するためにも、憲法改正等急ぎ、少なくとも防衛戦争ができる国にならなければなりません。

なぜなら、今の日本は習近平からみれば、最も与し易い体制だし、日本を屈服させ、属国にでもすれば、「習近平思想」は、絶対のものとなり、習近平の中国内での、統治の正当性は盤石のものになるからです。

7月17日、青森県の艫作崎沖の領海に中国海警局の船2隻が相次いで侵入したり、中国の爆撃機6機が24日、沖縄本島と宮古島の間の上空を通過して紀伊半島沖まで飛行したことは、その前触れです。これから、このようなことが頻繁に起こることになります。

日本には北朝鮮どころか、その数十倍の中国と本気で対峙しなければならない時が間近に迫っています。

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