2017年10月20日金曜日

河野太郎外相、韓国の「独島防衛部隊」に激怒 「関係性を強めていかなければいけないときに」―【私の論評】北に対処するため韓国は当面過去のしがらみを捨てよ(゚д゚)!


閣議後、記者会見する河野太郎外相=20日午前、首相官邸
河野太郎外相は20日午前の記者会見で、韓国軍が竹島(島根県隠岐の島町)を「防衛」するための海兵隊部隊創設を進めていることに怒りを爆発させた。

 河野氏は外務省が韓国政府に強く抗議したことを明らかにした上で、緊迫度を増す北朝鮮情勢を念頭に「こういう安全保障状況の中、日米韓3カ国が未来志向で関係性を強めていかなければいけないときに、それに逆行することだ」と韓国政府を批判。

 その上で、「先般の日米韓外務次官会議でも連携強化の重要性を協議し、合意している。この事態にあって、日米韓の連携を強めていきたい」と述べた。

【私の論評】北に対処するため韓国は当面過去のしがらみを捨てよ(゚д゚)!

今の時期に、竹島を「防衛」するための海兵隊部隊創設を進めるのは確かに、韓国政府が何を考えているのか、全く理解に苦しみます。河野太郎外務大臣が激怒するのも当然です。

そもそも、韓国政府というか、韓国社会においては、自国の安全保障にとっての日本の重要性についての理解が欠如しているようです。

2014年7月15日の参院予算委員会でのやりとりで、安倍総理「米海兵隊は日本との事前協議なしに韓国に駆けつけることはできない」と国会で答弁したことが当時韓国で懸念を招いました。半島有事の際の米国の対韓支援を安倍氏が事実上コントロール出来ることを恐れたようです。

参院予算委員会の集団的自衛権の行使容認に関する集中審議で
答弁する安倍晋三首相=2014年7月15日、東京・国会内
日米間の交換公文によれば、在日米軍が日本から行う戦闘作戦行動は事前協議の対象となっています。ここに、韓国の安全保障における日本の重要性があり、韓国が懸念を持つ理由があります。

しかし、これについて韓国が心配する必要はありません。日本の指導者達は自国の安全保障にとっての朝鮮半島の重要性を日清戦争の時代から良く認識しています。日本は、過去の6者協議の枠組みの中で、北朝鮮の非核化に向けて近隣諸国と協力しています。日本は一貫して自国の安全が朝鮮半島と連動していると見て来たのです。

しかし、韓国がこのような感覚を共有しているかは疑問です。アサン政策研究所の2014年の世論調査によれば、66.8%の韓国人が日本の安全保障面の役割増大に否定的であり、60.6%の韓国人が日本の役割拡大への米国の支持に否定的でした。

2013年の調査では、日本を韓国への脅威と見做す韓国人が55.9%に達し、中国を脅威と見做すものより4%低いだけという結果ととなりました。2014年の調査では、79.3%の韓国人が、日米間の安全保障協力が強化される場合には、韓国は中国と安全保障協力を強化する必要があると考えていました。韓国の安全保障にとって日本及び日米同盟が果たしている重要な役割を認めるのでなく、日本の潜在的脅威や歴史問題・竹島を巡る紛争にのみ焦点が当てられているのです。

これは全く時代遅れの考え方です。日本の安全が韓国の安全に懸っているように、韓国の安全も日本の安全に懸かっているのです。本来韓国は、日本を重要な戦略的パートナーと見做すべきです。

韓国は、対日認識の異常性を根本的に改め、日本との安全保障面での関係強化をすべきなのです。北朝鮮の脅威が日増しに増すなか、日米韓3カ国間の安全保障面での協力の必要性が高まって来ている中で、韓国が異様な対日姿勢を続けることは全く馬鹿げています。

しかし、今日さらに、韓国軍が竹島防衛の海兵隊部隊創設するという暴挙に出たのは、全く理解に苦しむ行為です。

米軍が日米の事前協議なしで在日米軍基地から出撃することはない、というのは、日米安保条約の交換公文で定められている一般的事項であり、韓国を狙い撃ちにしたものでも何でもありません。その趣旨は、日本が米国に白紙委任はせず、自国の安全保障の観点から決定を下すということです。安倍総理は、そのことを指摘したに過ぎません。

韓国側が過剰反応したのは、安倍発言を、日本の集団的自衛権行使容認に反対したことへの意趣返しと邪推したためでしょう。韓国政府は、特に、日本が韓国領内で集団的自衛権を行使することに強く反対しています。

国際司法裁の判決によれば、集団的自衛権行使の要件の一つに、被攻撃国による明示的あるいは黙示的な援護要請があります。逆に言えば、援護されたくないのも自由であり、そういう意思は尊重されることになります。

ただ、韓国側は、集団的自衛権について、韓国の領域外であっても、韓国近海で自衛隊が米軍を援護することにも反対しているようです。これは筋が通らない話ですから、日本としては、明確に異議を唱えるべきです。

11月初旬に予定されるトランプ米大統領の来日と訪韓、その後のアジア太平洋経済協力会議(APEC)と東南アジア諸国連合(ASEAN)の首脳会議などが予定されています。これらは、韓国としても関係諸国との関係の可能性と限界に関する認識を深める機会となるはずです。

韓国社会に日本との関係改善の重要性についての意識が生まれることが北東アジアの安定のために有益であることは言うまでもありません。韓国国民の意識を考えると、日韓関係の改善が急速に進展するとは思えませんが、少なくとも、特に軍当局間の関係は良好であり、日米韓の安全保障面での実務者間での協力を強化することは可能かつ不可欠でしょう。

今年の2月にハワイで日米韓3カ国戦略対話が実施されました。この報告書は、以下のリンクからご覧いただけます。
基本に立ち戻る日米韓3カ国戦略対話報告書
詳細は、この報告書をご覧いただくものとして、以下のこの報告書の結論部分だけ引用します。
北朝鮮が軍隊や核兵器を引き続き展開配備しているため、日米韓に対する脅威は増して いる。3カ国がこうした脅威に効果的に対抗・対処するためには、抑止力を高めるよう 効果的な連携が不可欠なことを理解していることは評価すべきだ。残念なことに、米韓 の政治的状況により、3カ国の連携はより難しいものとなっている。韓国の朴槿恵大統 領を巻き込んだスキャンダルは、韓国の政治的空白を作り出しただけでなく、2015 年12月の従軍慰安婦問題に関する日韓合意や、2016年の GSOMIA 及びに THAAD 配備を国内政治の攻撃に晒すことになる。米国の大統領選挙戦においてドナルド・トラ ンプ共和党候補が同盟のあり方に疑問を呈したことは、日韓に対して核武装を促したの みならず、米国に対する期待を覆すものとなった。 言い換えれば、米国の抑止と同盟国に対する保証は新たな試練に直面している。3カ国 は同盟国あるいは敵対国の疑念を晴らすべく努力を倍増しなければならない。ありがた いことに、3カ国はこうした作業を喫緊に行わなければならないことをこれまでにも増 して理解している。
しかし、この対話は、韓国が竹島を防衛する部隊を創設するということから、あまり実りのあるものではなかったようです。

日米韓3カ国が未来志向で関係性を強めていかなければいけないときに、韓国はそれに逆行するようなことを日本に対して行ったわけですが、韓国は米国に対してもそれを行ってきました。

以下に、米中が対立する案件の多くで、韓国が同盟国の米国ではなく中国の言いなりになった案件を以下の米中星取表で示します。
11件の案件のうち、韓国は7件も中国の要求を飲んでいます。これでは、一体韓国はどこの同盟国なのかと疑いたくなります。

朝鮮半島の人々は「中華帝国の一部」であることを誇りとしてきました。韓国語のSNS(交流サイト)では「日本人は劣った民族である」といった会話が盛り上がります。日本人が中華帝国の外の「化外の民」――野蛮人だったとの認識からです。

一方で、韓国人は中国に根深い恐怖心を抱いています。地続きの超大国、中国との戦争で負け続け、支配されてきたためです。

韓国メディアが「天皇」を「日王」と表記するのは、「皇」という漢字を使えるのは中国だけなのに、日本ごときに使っては中国から叱られると考えるからです。

朝鮮は昔、中国に朝貢していたにしろ「今はもう、属国ではない」と主張すればいいのではないかと思うのですが、しかし韓国人はそう考えません。理由は2つあります。

韓国が豊かになるほどに「我が国はずうっと独立国だった」と思いたくなったのです。いわゆる「系図買い」の心境です。

だから日本の植民地支配も「なかったこと」にしようと「あれは日本の不法占拠だった」と強調し始めたのです。

もう1つは中国が再び強くなるに連れ、その言うことに逆らえなくなったことです。「属国に戻りつつある」と内心忸怩たるものがあるからこそトランプ大統領に「韓国は歴史的に中国の一部だった」と指摘されると、逆切れするのです。

米中が対立する案件の多くで、同盟国の米国ではなく中国の言いなりになる(「米中星取表」参照)。そんな韓国を見て、米国人が首を傾げます。「世界最強の同盟国をないがしろにして、何であんな非民主主義国にゴマをするのか」というわけです。

米国人に「冊封体制」下の人々の旧・宗主国への恐怖心を説明すると、ようやく疑問が解けたという顔をします。トランプ大統領がWSJにわざわざ「韓国は中国の一部だった」と語ったのも、そんな納得感からかもしれません。

なお、ベトナム人には韓国人のような鬱屈はありません。ベトナムの王朝も中国の王朝に朝貢したことがありましたが、戦争でしばしば勝ったからです。最近では中越戦争(1979年)で、中国の侵略軍を散々に打ち負かしました。

1979年に中国・ベトナム間で勃発した戦争。ポル・ポト政権を崩壊させたベトナムへの懲罰として
中国は解放軍10万人を派遣。しかし、装備・練度共に優越するベトナム軍に解放軍は大損害を
被り、1ヶ月足らずで撤退を余儀無くされた。
中国人も「ベトナムは属国だった」などと下には見ません。そんなことを言えば「属国に負けたのか」と笑われてしまうからです。しかし、韓国にはそのような歴史はありません。

このような状況にある韓国ですが、北朝鮮の脅威がある限りにおいては、日米韓3カ国が未来志向で関係性を強めていかなければいけないです。韓国は、北朝鮮にまともに対応するためにも、当面は過去のしがらみを捨てて、実を取る行動にでるべきです。

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