2017年10月26日木曜日

選挙戦術で失敗した希望・小池代表、左派マスコミも批判 知事の実績積めばまだ好機も―【私の論評】小池氏は次のチャンスを目指せ(゚д゚)!


パリで続投宣言をした小池百合子希望の党代表
 希望の党は衆院解散当時の勢いから失速した。その理由は何か。党代表の小池百合子都知事に政治家として次の一手はあるのか。

 小池氏が結党を表明したのは、安倍晋三首相が解散表明をした9月25日だ。それも安倍首相の会見の直前に行い、「全てをリセットする」と宣言してそれを上回る脚光を浴び、さすが、小池氏はプロの政治家だとうならせた。その際、「寛容な保守」という表現で、すべての勢力をのみ込むというしたたかな戦略だった。

 筆者は、各種の世論調査から、衆院選での獲得議席の予測をしているが、9月末時点で希望の党は150議席近くと予測できた。その勢いを維持していれば、どえらいことになると予想した人もいる。

 全ての勢力をのみ込むということを野合というのは政治評論家であり、「数こそ政治」という基本からすると、この戦略は正しい。実際、自民党も、政策としては、共産・社会主義を除き、保守からリベラルまでカバーしており、数を基本としているから強いわけだ。

 それなのに、何を勘違いしたのか、小池氏はリベラルを「排除」すると言い出した。

 この発言で、リベラルを目指すグループは、希望の党から排除されることになって、本来は丸のみされるはずだった民進党は、希望の党への移籍、無所属、立憲民主党に分裂した。

 小池氏の排除発言以降、排除された側の枝野幸男氏が結成した立憲民主党は、勢いが出てきて、その半面、希望の党は勢いを失った。これは、判官びいきのため、立憲民主党を応援したくなった人が増えていったことに加え、反安倍政権の受け皿になることを期待していた左派系マスコミが一斉に小池批判に転じたことも影響しているのだろう。

 ハッキリ言えば、枝野氏は筋を通したわけでなく、希望の党に入るつもりが排除されただけであり、本当に筋を通したいのであれば、もっと早く無所属での出馬を表明していたはずだ。

 なぜ、小池氏が早い段階で排除発言したのか不思議だ。せめて、立憲民主党が結党できないようなタイミングまで、選挙戦術としては発言すべきではなかった。

 排除発言以降、希望の党では悪循環が始まった。もともと政策というより、ムードや勢いといった空中戦を得意とする小池氏であったが、政策で「12のゼロ」や内部留保課税、ベーシックインカムなどを言い始めた。12のゼロは昨年の都知事選の劣化コピーであり、都知事としての実績がなかったと指摘されかねないものだった。

 内部留保課税は事実上、法人税増税であり、その効果も怪しいものだ。ベーシックインカムは学者の議論としては面白いが、事例もなく選挙戦では使いにくい。これらの政策は素人談義になりやすく、案の定、叩かれている。こうなってくると、弱り目にたたり目だ。

 今後の希望の党は分裂含みで、他党の草刈り場にもなりうるが、まずはそれを抑える必要がある。その上で、小池氏は都知事としての実績を重ねておけば、まだチャンスはあるのではないか。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】小池氏は次のチャンスを目指せ(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事で、高橋洋一氏は、小池氏は都知事としての実績を重ねておけば、まだチヤンスがあるのではないかと述べています。これについては、根拠があります。

それは、得票数からみても判断できます。2017年希望の党得票数は、「小選挙区1,144万票 比例得票数967万票」でした。


これを2014年衆院選民主党得票数「小選挙区1,191万票 比例得票数977万票」と比較するとほとんど変わりません。あれだけの、逆風がありながら、この数字です。これでは、小池百合子氏に責任転嫁し、辞任まで求める元民進党系議員たちの主張は全く筋が通りません。

希望の党の看板がなければ民進党系の議員のほとんどは落選していたことでしょう。 小池氏を批判できるのは、我々有権者であって、彼らではないはずです。マスコミはあたかも、「排除」という1つの発言で希望の党の票が伸びなかったと報道していますが、そういうことの以前に民進党などから集まった寄せ集めが多いのでこのような結果になったことを理解していません。


彼らは、民進党のままでは死滅すると考えて、小池氏を頼ったはずです。一度頼ったなら失敗しても支えるのが当たり前だと思います。当選したら手の平返しをするとは、とても二大政党制の一翼など担えないでしょう。

それにしても、もし希望の党を含めた野党が共闘していれば、多数派にはなれないにしても、自民党から40~60議席は奪える可能性がありました。もしそうなっていれば、安倍晋三首相は辞任を余儀なくされたかもしれません。ところが、このチャンスを小池氏は自ら不意にしてしまいました。

しかし、私は今回は、これはこれで良かったと思います。もし、希望の党が民進党の議員を全員受け入れていたとすれば、確かに大きな勢力にはなっかもしれませんが、今になってわかるように、これだけわがままで非常識な議員を大勢含む民進党議員を受け入れれば、それは希望の党ではなく最早第2民進党です。

執行部もできていなかった、希望の党は、民進党の執行部に頼ることになったことでしょう。そうなると、やはり寛容な保守政党というよりは、いわゆるリベラル政党の道を選ばざるを得なくなってしまったでしょう。

結果として、結局55年体制は維持されることになったでしょう。それに先程の述べたように、安倍総理は辞任に追い込まれたかもしれません。金融緩和による雇用の改善、北朝鮮問題が深刻になりつつある現在それだけは、避けるべきでした。

社会党の統一を見て、日本民主党 と 自由党 も、それまでのわだかまりを
捨て1955年11月15日、保守両党が合同し、自由民主党 が誕生した
ちなみに、55年体制とは、1955年(昭和30)秋に、左右両派社会党の統一によって再発足した日本社会党と、日本民主党と自由党の保守合同によって結成された自由民主党の2党を軸として成立した政党制をいいます。

1951年にサンフランシスコ講和条約と日米安全保障条約の締結への賛否をめぐって左右両派の対立が激化、分裂してから4年ぶりに統一した社会党と、戦後の保守勢力の離合集散に終止符を打って誕生した自民党によって、政治勢力が2極的に配置される形となり、この体制は、二大政党制の幕開けとして広く歓迎されました。

ただし、その後二大政党制になることなく、国会の勢力は、憲法改正に必要な3分の2議席を自民党が占めるのを社会党などがかろうじて阻止する事態が続きました。自民党と社会党は「1と2分の1」体制とも呼ばれました。この55年体制は、93年7月の総選挙で自民党が下野したことによって、38年間で崩壊したとされます。

ただし、その後自民党が再度与党となり、その後の野党は万年野党にすぎず、旧社会党のように単なる反対勢力となり、私自身は、55年体制は未だに続いていると認識しています。

希望の党が躍進していれば、この55年体制は本格的に終焉を迎えたはずだ主張する人もいますが、たとえ希望党が今回、旧民進党全員を受け入れて、選挙に臨んだとしても、結局は第2民進党ととなり、旧民進党と同じく万年野党の単なる反対勢力となり果て、55年体制が続き、安倍総理は辞任ということになるか、ならないまでも、かなり力が減衰され、虻蜂取らずの状況になったと思います。

そのため、希望の党が現時点では、失速したのは良かったと思います。

一方、枝野氏の立憲民主党が、権力を握ることになれば、日米関係には危機が訪れることなるでしょう。しかし、立憲民主党がすでに成立した安保法制撤回にこだわり、集団的自衛権を拒否している限り、自民党に太刀打ちできる政党にはなることはないでしょう。ましてや、55年体制を終わらせる、政権交代可能な野党になることなど到底不可能です。

枝野氏は10月23日夜の記者会見で「永田町の権力ゲーム、数合わせに巻き込まれてはいけない」と述べ、選挙期間中の演説でも「永田町のゲームに参加するつもりはない」などと発言していました。

しかし、この発言は、聞こえは良いですが完全に無意味です。現実的でなく自滅行為に過ぎません。数を増やす以外に、勝ち目はないのです。「永田町のパワーゲーム」に勝つことこそが、政治の世界でリーダーシップを握るということです。

そうして、小池氏には間違いなく今回の衆院選で間違いなくそのチャンスがありました。しかし、そのチャンスを活かしていたとして、今回政権交代するまでにはいかなくとも、自民党から40~60議席を奪うまでになったとしても、希望の党に、安保法制撤回にこだわり、集団的自衛権を拒否する勢力が残り、希望の党の中で大きな勢力を占め、これを懐柔することは、困難を極めたことでしょう。というより、数の論理で圧倒され、懐柔など不可能だったでしょう。

結論からいうと今回はあまりにも準備期間が短すぎたのです。執行部もないまま、選挙戦に臨まざるをえなかったことがそれを如実に物語っています。このような状況で国政に挑戦するのは無謀といわざるをえません。

希望の党の公約を発表する小池百合子氏
希望の党の公約をみていると、その場しのぎで作成したことがありありと分かる内容です。あれでは、たとえ政権を担ったり、そこまでいかなくても、キャスティングボードを握ることができるようになったとしても、いずれの党が与党になったにしても、旧民主党のように短期政権で終わり、希望の党はその後は万年野党の道を歩むことになり、結局55年体制を崩し、政権交代できるような党になることはなかったでしょう。

安倍総理は、第一次安倍内閣が崩壊した後、真摯に過去を反省して、まともな安全保障政策、外交政策、経済政策をじっくり考え、来るべき時期を目指しました。

小池氏は、今後まずは都知事としての成果を残すようにした上で、しっかりと準備をととえて、わかり易い言葉で有権者に話しかけるようにし、安倍総理のように不死鳥のように蘇り、また国政に果敢に挑戦していただきたいものです。

安倍総理のように真摯に考え、まともな安全保障政策、外交政策、経済政策ができるような体制を整えたのなら、今度は私は、小池氏を応援することもやぶさかではありません。

この日本に、自民党だけではなく、他にも政権を任せられ得る政党ができれば、これは日本にとって良いことです。小池氏に限らず、志ある政治家の多くが、それを目指して頑張って頂きたいものです。

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