2019年8月16日金曜日

北朝鮮、6度目のミサイル発射 韓国との交渉打ち切りを発表―【私の論評】韓国は今のままだと米国の短中距離ミサイルの設置場になるが、それを北・中・露は恐れている(゚д゚)! 


BBC News

金正恩

韓国の軍隊は16日、北朝鮮が東岸から日本海側に向かってミサイル2基の発射実験を行ったと発表した。北朝鮮は6日前にも日本海に向けてミサイルを発射しており、この1カ月間で6回に上っている。

また北朝鮮はこの日、韓国との交渉を今後一切打ち切ると発表。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が15日に行った演説を受けたもので、交渉の失敗は「完全に韓国の責任」だとしている。

文大統領は15日、日本統治からの解放を祝う記念日の演説で、2045年までに朝鮮半島を統一すると約束した。

「この半島や東アジア、世界に平和と繁栄をもたらす新しい朝鮮半島が待っている」と文氏は強調。その上で、朝鮮半島の非核化は統一の「正念場」になるだろうと話した。

これに対し北朝鮮は声明で、協議には意味がないと反論した。北朝鮮の国営・朝鮮中央通信(KCNA)が伝えた。

声明で北朝鮮は、「韓国は今も合同軍事演習を続けている。それなのに、平和的な経済や国家について語る権利はない」と断じた。

さらに文大統領を批判し、「北と南の『対話』に言及しながら、我が軍の大部分を90日で破壊する戦争シナリオを演習している。そんなことをする(文大統領の)思考プロセスが正常か、それさえ疑わしい」、「本当に恥知らずな男だ」と述べた。

北朝鮮はかねて、現在行われている米韓合同軍事演習への怒りをあらわにしており、「戦争のリハーサルだ」と批判している。

さらに演習は、ドナルド・トランプ米大統領や文大統領と交わした協定の内容に違反するものだと主張している。

金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は先にトランプ氏に手紙を送っている、そこでも「馬鹿げた高額な」軍事演習への苦情が書かれていたという。

KCNAによると、北朝鮮・祖国平和統一委員会の報道官も、非核化協議が滞っているのは韓国が軍事演習の実施を決めたからだと批判。「これ以上、韓国政府と交わす言葉はない」と話した。

North Korea rejects peace talks with South Korea

提供元:https://www.bbc.com/japanese/49366256

【私の論評】韓国は今のままだと米国の短中距離ミサイルの設置場になるが、それを北・中・露は恐れている(゚д゚)!

今日の韓国との交渉の打ち切りに先立ち、北朝鮮は韓国に対して生命を出しています。

北朝鮮国営の朝鮮中央通信は14日、韓国が、米国の中距離ミサイルの自国配備を許せば、「自ら(米国の)弾除けになって自滅の道を歩む」ことになるとする論評を配信しました。

論評はまず、米国の高高度迎撃システム「THAAD」(サード)の韓国配備に伴って起きた混乱に言及。「『THAAD』の配置によって南朝鮮の人民が得たものは戦争に対する不安と経済的被害、肉体的苦痛だけである。生の基盤を奪われた慶尚北道星州住民の恨みの声は日増しに高まっている」と指摘しました。

THAAD

ここで「経済的被害」とあるのは、THAADの強力なレーダーが北朝鮮ではなく自国に向けたものだと反発した中国が、韓国に経済制裁を加えたことを指しています。実際、これにより韓国経済が被った「実害」は、最近の日本による輸出規制の比ではありません。

論評は、米国がTHAADに加えて地上発射型の中距離ミサイルまでを韓国に配備すれば、「地域の情勢を激化させ、極東地域で新たな冷戦と軍備競争を引き起こす」と主張しました。

また、そうなれば韓国は「米国の対朝鮮・対アジア侵略の核攻撃前哨基地に転落し、米国の軍事的制覇を絶対に許さないという周辺諸国の直接的な打撃の標的になるしかない」としながら、次のとおり中国の主張を引用しました。

「中国の『環球時報』(5日付)は論評で、中距離ミサイルは明白に攻撃用兵器だとし、日本と南朝鮮が米国の中距離ミサイル配備を受け入れれば『中国とロシアのミサイルの集中照準目標に、米国の殺気を帯びた対アジア政策の弾除けになるということをはっきり認識しなければならない』と明らかにしました。

ところで、エスパー米国防長官は今月、地上配備型の中距離ミサイルを比較的早期にアジアに配備することに前向きな姿勢を示しましたが、韓国国防省は、米国の中距離ミサイルを国内に配備する協議は行っておらず、配備を検討する計画もないと説明しています。

エスパー米国防長官

しかしこの間、韓国の文在寅政権は日本との対立解消のための仲裁をトランプ米大統領に頼むなど、米国に「おんぶにだっこ」の状態です。それでいて、米国と呼吸が合っているわけでもありません。

トランプ氏に「頼み事」をした代償は相当に高くつく可能性が高く、韓国は米国から中距離ミサイルの配備を迫られるかもしれません。北朝鮮、中露はこれを極度に恐れているのです。

韓国や日本が中距離核ミサイルを配備するということになれば、極東の軍事バランスは大幅に崩れます。

特に、北の核はその能力を半減されせらることになります。さらに、中国やロシアも極東の主要都市などは標的になります。中国は、北京も上海も標的になります。

米国にとっては、在韓米軍など大部分を撤退させ、韓国に米国の中距離短距離弾道核ミサイルを配置したほうが、経費の面でも、安全保障的観点からも良いです。

何しろ韓国ほ米国に安全保障面で頼っておきながら、中国に従属しようとし、それだけではなく、北朝鮮に接近して、南北統一を企むということを平気でする国ですから、全く当てにならないです。

それは日米にとって当にならないだけでなく、北朝鮮の金正恩にとっても同じことです。そもそも、金正恩は中国を嫌っており、結果として北朝鮮と北朝鮮の核が、中国が朝鮮半島全体に浸透することを防いでいます。

これは、米国にとっては決して悪いことではありません。最悪は、中国が朝鮮半島全体に浸透することです。

そんな当てにならない国からは、在韓米軍を撤退させ、そこに中短距離弾道核ミサイルを配置すれば、トランプ政権にとっても願ったりかなったりです。これを実行すれば、韓国は単なるミサイルの配置場になるだけです。

米国の短中距離ミサイル

おそらくトランプ氏としては、在韓米軍を引き上げるだけというのなら、このブログにも過去に何度か掲載してきたように、韓国を経済的に焦土化してから、引き上げることにしたことでしょう。

しかし、韓国が米国の短中距離ミサイルの設置場になることを認めれば、在韓米軍をひきあげても、韓国経済を焦土化することはないでしょう。

ミサイルを配置した後に、韓国が不穏な動きをすれば、米国は韓国軍を短中距離ミサイルで叩いた上で、韓国経済を焦土化し、金正恩や習近平らに、経済的にある程度発展した韓国という塩を送るということはしないでしょう。

ミサイルとはそのような兵器です。北朝鮮のミサイルは日米韓を狙っているだけではありません。これは、中国、ロシア、韓国にだって打ち込むことができるのです。

米国が韓国に中短距離ミサイルを配置したとすれば、それは北朝鮮や中国にとって脅威というだけではなく、韓国にとっても脅威なのです。

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