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2015年9月5日土曜日

民主など 首相の大阪でのテレビ出演に抗議―【私の論評】最初から誰が正しいか何が受け入れられるかで意思決定するな!すれば与野党ともドツポにはまる(゚д゚)!

民主など 首相の大阪でのテレビ出演に抗議


安全保障関連法案を審議している参議院の特別委員会の理事懇談会で、民主党などは、法案の審議中に安倍総理大臣が大阪を訪れ、民放のテレビ番組に出演したことは国会軽視だと抗議し、来週までに政府に経緯を説明するよう求めました。

安倍総理大臣は4日、民放のテレビ番組に出演するため大阪を訪れ、4日夜に東京に戻りました。

これについて、安全保障関連法案を審議している参議院の特別委員会の理事懇談会で、民主党などは「われわれは、毎日でも安倍総理大臣が出席して審議をするよう求めているのにもかかわらず、法案の審議が行われている最中にわざわざ大阪まで行って、テレビ番組に出演することは国会軽視だ」と抗議しました。

そして、政府に対して来週8日の委員会までに経緯を説明するよう求めるとともに、納得できる説明がなければ、9日以降の審議には応じられないと伝えました。

【私の論評】最初から誰が正しいか何が受け入れられるかで意思決定するな!すれば与野党ともドツボにはまる(゚д゚)!

安倍総理も大変です。国会で野党の幼稚な質問に粘り強く答えている間は国民への説明が足りないと言われ、テレビに出て国民にわかりやすく話せば国会をサボるなと言われる有様です。

これについては、左翼系メディアLITERAが、とんでもない論評をしています。

http://lite-ra.com/2015/09/post-1452.html

これに関しては、経済学者の田中秀臣氏も以下のようなTweetをしています。
ここまでくると、野党や左翼系の安倍総理に対する批判は、批判ではなく、単なる安倍嫌いであると言っても良いと思います。

それにしても、安倍嫌いには非常に問題があります。かの経営学のドラッカーは以下のように述べています。

最初から誰が正しいか何が受け入れられるかで決定してはならない

この言葉の意味は重要です。この言葉を良く理解すれば、なぜ今の国会審議があれほどまでに、空虚で意味のないものになっているのかを良く理解できます。

ドラッカー氏は、『経営者の条件』という書籍で以下のように述べています。
 決定においては何が正しいかを考えなければならない。やがては妥協が必要になるからこそ、最初から誰が正しいか、何が受け入れられやすいかという観点からスタートしてはならない。
これは、意思決定の過程においては、まずは「誰が正しくて、誰が間違いか」などという論議すべきではなく、あくまで「何が正しくて、何が間違いか」という議論をすべきであって、そうでなければ、全く不毛な論議となってしまい、まともな意思決定ができなくなってしまうということです。

いわゆる「安倍嫌い」は、最初から「誰が正しくて、誰が間違いか」という主張をしているに過ぎません。要するに、上のTweetで田中氏が述べているように、「自分と意見違うものはリンチという徹底した態度」ではまともな論議ができず、まともな意思決定もでなきないということてず。

そのためでしょうか、国会での最近の安保法制の議論など、全くまともな議論になっておらず、国民にとっても理解しがたいものになっています。

しかも、大方の政治家は、せっかくの意思決定も実行されなければ意味がないと思うものです。そのため、最初から落としどころとしての妥協を考えてしまいます。

妥協には昔から知られているように2つの種類があります。1つは古い諺の「半切れのパンでも、ないよりはまし」、1つはソロモンの裁きの「半分の赤ん坊は、いないより悪い」との認識に基づくものです。

前者では半分は必要条件を満足させる。パンの目的は食用であり、半切れのパンは食用となる。しかし、半分の赤ん坊では妥協にもなりません。

ラファエロ作『ソロモンの審判』
『ソロモンの審判とは、』旧約聖書に出てくる話であり、イスラエルの賢王ソロモンが、いかにも当時の絶対専制君主らしく、子を剣で半分に切って女二人で分けよと審判します。このような妥協ならしないほうがずっとましです。

民主党などの野党は、とにかく「安倍嫌い」の立場から、安倍総理の主張は全く間違いであり、自分たちが正しいものとして、物事を考えているようです。そうして、そのスタンスで安倍総理に対峙するものですから、とにかく憲法解釈の変更による集団的自衛権に関わる、安保法制は違法として、安倍総理に対峙しようとします。

そのため、全く話が噛み合いません。そうして、いずれ妥協の段階に入るとは思いますが、安倍総理の立場からすれば、民主党などの言うとおりに妥協してしまえば、まともな「戦争抑止法案」とはなりえず、それこそソロモンの裁きの「半分の赤ん坊は、いないより悪い」という結果を招いてしまい、とんでもないことになってしまうため、妥協はできません。そのため、無意味な審議は長引くばかりです。

ドラッカーは、何が受け入れられやすいか、何が反対を招くから触れるべきでないかを心配することは無益であって、時間の無駄だと言います。心配したことは起こらず、予想しなかった困難や反対が突然ほとんど対処しがたい障害となって現れるとしています。

かつての自民党は、安全保障に関して、非常に曖昧な態度をとりました。これが、今日の事態を招いたことも否めません。これは、ここで説明すると長くなってしまうので、かわりに以下の動画を掲載させていただきます。


この動画をご覧いただければ、「日本は戦後集団的自衛権を行使していない」は大嘘であることが良くご理解いただけるものと思います。


この動画をご覧いただければ、内閣法制局の言っていることは意味不明であることがわかります。第2回サンフランシスコ講和条約~吉田内閣末期にも、集団的自衛権の解釈はコロコロ変­わっています。「日本は戦後集団的自衛権を行使していない」は大嘘であることがわかります。


この動画をご覧いただければ、鳩山一郎内閣の林修三内閣法制局長官のもと、安全保障政策は大きく前進したことが理解できます。「日本は戦後集団的自衛権を行使していない」という主張は全くの大嘘であることがわかります。

メディアでは、「戦後一貫した憲法解釈を守ってきた内閣法制局」と「それを変えようとしている安倍内閣」との構図で報道されています。しかし、これはそもそも大嘘であることがわかります。

それどころか、岸信介・池田勇人内閣では核武装まで容認し、集団的自衛権の行使など自明でした。そもそも、日米安保条約など、集団的自衛権を行使するための条約であるという理解が当たり前でした。そうして、現実には、日本はアメリカの基地を日本に置くということで、集団的自衛権を行使しています。

上の三つの動画では説明されていませんが、朝鮮戦争勃発から池田内閣までの解釈をすべてひっくり返したのは佐藤栄作内閣の高辻正己長官です。法制局がのたまう「戦後一貫した憲法解釈」など、せいぜい佐藤内閣・高辻長官以来の話にほかなりません。

佐藤栄作政権期に境に集団的自衛権の解釈は変わっています。以前の「(集団的自衛権を)持っているから行使できる(あるいはその都度考慮する)」から、「持っているが行使はできない」への変化が始まりました。この時代には、ベトナム戦争がありました。日本に集団的自衛権はあるが、米国のために他国に自衛隊を派兵することはできないということで、社会党との国会運営をめぐる調整で、佐藤政権が妥協したためこのような妥協が行われました。

さてこの妥協がその後どのような結果を招いたのか現状を見ていれば、よく理解できます。

ドラッカーは、意思決定における、妥協について『経営者の条件』で以下のように語っています。
 何が受け入れられやすいかからスタートしても得るところはない。それどころか、妥協の過程において大切なことを犠牲にし、正しい答えはもちろん、成果に結びつく可能性のある答を得る望みさえ失う。
 さて、佐藤政権による妥協と、その後政権による妥協の継続が、今日のような状況を真似いていて、安倍総理が苦労をしているということです。

まさに、先のドラッカーの言葉の通りです。

最初から誰が正しいか何が受け入れられるかで決定してはならない

最初から安倍嫌いによる、野党の自分たちが正しいとか、佐藤内閣のように、何が受け入れられやすいかで、意思決定をしてはならないのです。そのような意思決定をしているから、今日の国会審議は不毛なものになっているのです。

これを打開するには、野党側はつまらない「安倍嫌い」をすっぱりやめて、何が正しく、何が間違いかを考えるようにすべきです。

安倍自民党としては、佐藤内閣における妥協の内容をわかりやすく説明して、妥協によって、日本の安全保障は、まるで「半分の赤ん坊」のようになっている現状を訴え、従来の憲法解釈に戻す旨を直截に国民に訴え、過去の妥協の失敗を繰り返すべきではありません。

今回、妥協をしてしまえば、日本の「安全保障」は機能しなくなり、それこそ中国の思う壺です。そうなれば、中国はますます居丈高になることは必定です。というより、中国は過去の日本が「半分の赤ん坊」のような、安全保障法制しか持ち合わせていないので、その隙に乗じてアジアで自分たちの好き勝手、やりたい放題をしてきたのです。今回妥協すれば、与党はドツボにはまってしまいます。

いずれにしても、いくら野党が大騒ぎしても、自民党は今回は妥協せず、安保法制は参院でも承認されることになると思います。そうして、数年経ても戦争は起こらないということになり、マスコミも過去の安保法制や、PKO法案などのようにいずれ、これに反対することもなく、当然のこととして報道することになるでしょう。

このまま野党や、左翼が「安倍嫌い」の立場で、反対を続ければ、悲惨な末路が待っていると思います。その兆候はもうみられています。

特に、最近の安倍政権の支持率は上昇気味で、しかも若者層の指示が目立っています。それについては、以下の産経新聞の記事をご覧になって下さい。
安倍内閣の支持率は本当に底を打ったのか? 実は安倍政権を支持しているのは若者たち
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部データのみ引用させていただきます。

(1)昨年8月(2)今年2月(3)6月(4)7月(5)8月の5回にわたり世代別の安倍内閣支持率を見てみると、男性はすべての調査で(1)20代(2)30代の順で支持率が高いという結果に。一方、女性はかなりのばらつきが見られるが、それでも20代は5回の調査中4回も3位以内に入っている。
野党は、「安倍嫌い」で、頭の回路が狂い、「何が正しい、何が間違い」という議論で、意思決定しません。さらに、野党は、日本国の安全保障にに関しても最初から多数の国民に受け入れられやすい議論で意思決定をしています。そのため、まともな意思決定ができません。このままでは、野党もドツボにはまります。

これを続けていれば、ドラッカー氏が語るように「正しい答えはもちろん、成果に結びつく可能性のある答を得る望みさえ失う」ことになり、機能不全に至ってしまいます。もうすでに、そうなりかけています。安倍内閣の支持率が上がっても、野党の支持率はほとんど上がっていない事実がその査証だと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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